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今邑彩角川ホラー文庫☆☆☆☆☆ サイコメトリー能力(残留物感知能力)といって、「物のもつ記憶」を読むことの出来る女子高生を主人公に、同居人で、両親の従兄の息子にあたる捜査一課の刑事が証拠物件を(多分)こっそり「調べて」もらって事件を解決していく。三時十分の死、鋏の記憶、弁当箱は知っている、猫の恩返しの4編。 角川ホラー文庫ではあるのだが、ホラーというにはあまり怖くない。霊能力探偵とか超能力探偵とかそういった感じのテイスト。私、こういう探偵譚結構好きなのだ(^^♪。ただ、勧善懲悪でもなければ、普通の人が犯罪に手を染めているのが暗示されて、それが人の怖さのようで、どちらかというと、因縁話的な怖さはある。登場人物が善人ではないのだ。この人間描写が気に入った。特に、少女漫画家が出てくるのだが、彼女の描写が好き。ただ、もう少しストーリー展開が込み入ってるともっと好みだ。 「よもつひらさか」の書店POPを見てから、気になっていた著者で、このミステリーとしての意外性などには物足りないものの、この著者のホラーの作品には興味があるなぁ。ホラー・ミステリに限らず、他の本も読んでみよう。図書館にも沢山入ってるし(^_^;)。実は、この本も職場近くの図書館で借りた。
April 30, 2006
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ダイ・シージエ早川書房 四六並製☆☆☆◎ 2・3年前に映画を観たのが最初。その映画はなかなかよかった。特に、歯欠けの村長がいい味を出していたのだった。更に、最後にこの主人公二人が元の村に戻った様子をビデオに撮ってきて二人でみるシーンが印象的だったし、更に予想外だったのだが、主人公二人がなかなか視覚的に楽しかった。それもあって原作を買って今まで積読だったのだが…。 著者の名前の通り、フランス語のネイティヴが書いた小説ではないため、かなり内容がシンプルなのだ、映画より。しかも、この人本職は映画監督で自分で映画化しているときたもんだ…。なので、映画は在仏中国人が主となって撮ったものらしい。 お針子「小裁縫」(このニックネームは可愛くて好きだが)について、彼女にバルザックなど西欧の名作を読み聞かせたのは、マイフェアレディのもじりだったし、また彼女は自分の美貌の価値に気付いて都会へ出て行ったという描写は寧ろ映画よりはっきりしていて良かった。また、情報の乏しい田舎では、当時、各地の服を作って歩く裁縫屋は、行く先々で特別待遇だった、とか、文革下でありながら、物語の読み聞かせを喜ぶ人々や、昔の下世話な俗歌を伝えるアウトサイダーの爺さんとか…。こうした、映画ではさらりと見てしまうだけの登場人物の持つ背景もよく分かって、そういったフォークロア的な興味は面白かったかな。 が、フランス語の原文ならよかったのかもしれないが、内容がどうも…。特に、映画では中国のド田舎の風物がなかなかエキゾチックで良かったのだが、小説の描写が…。風景などから田舎の風景を連想するというより、悪臭を連想してしまうのだ、、、、しかも南京虫か何か、服の縫い目にタマゴ産み付けたとか、恐ろしく不潔な状況など…{{{>_
April 29, 2006
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今邑彩集英社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 短編集。見知らぬあなた、ささやく鏡、茉莉花、時を重ねて、ハーフ・アンド・ハーフ、双頭の影、家に着くまで、夢の中へ、穴二つ、遠い窓、生まれ変わり、よもつひらさか、の10編。結末に多少触れています。厳密なミステリではないので、反転はしませんが、是非読んでみたいと思っておられる方はお気をつけ下さい。読まないほうがいいかもしれません。*見知らぬあなた~なんとな~く、結末は分かった。演出展開が上手いので読めてしまうが。*ささやく鏡~さりげなく怖い。しかし、恐ろしいといいつつ、自分が次に見たときの姿を予知(?)して映す鏡をそんな頻繁に見るのかなぁ?*茉莉花~なんとなく本当の「影」だった茉莉花が可哀想に思えてしまう。これも何となくオチは検討がつくのに、読まされてしまう。*時を重ねて~ハッピーエンドともビミョ~に違うような気がするのだが、妙にほのぼのした読後感を味わってしまった。なんでだろう?*ハーフ・アンド・ハーフ~これが一番予測しやすい結末だった。怖いことは怖いのだが、現実感が少々希薄なせいで、ぴんとこない。*双頭の影~これ、ちょっと一人、いや二人? 一人でいいか?の登場人物を性転換したら、もっとタブーのニオイふんぷんだったなぁ…私はそっちの方が好みだ。この作品だけ別の本棚に感想書こ。*家に着くまで~これもなんとな~く展開は見当がつくのだが、タクシー運転手と客のやりとりが面白くて楽しく(?)読めてしまう。*夢の中へ~見事に読者をミスリードしてくれる。*穴二つ~この作品で一番時代を感じた。1997年初出。私は終わりの頃にちょろっとやったことがあるだけのパソ通。この作品が書かれたとき、私はまだパソコンなんて、会社で伝票出すときのPC98しか使ったことなかった。。。。*遠い窓~結末は想定内。想定外の設定で結末に至る過程は視点がくるっと変わるので、そこに想定内と思いつつ、ひきこまれた。*生まれ変わり~これもなんとな~く想定内の結末。だが、貴子さんの性格設定が興味深い。上手く料理すれば、もっと禍々しくなるように思う。(ヲイ)*よもつひらさか~いや~~、怖かった!!! ぢわぢわと恐怖が募ってくるのが非常に上手い。 元々、これらの本自体に興味を持ったのは、職場近くの書店でこの作品の文庫が平積みされていて、そこにあるポップの表現に面白そうだな、と思ったのがきっかけ。怖いのは全作ではないとよく分かったが、それでも想定内の結末、と半分愚痴りつつ面白く読まされる。
April 29, 2006
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篠田秀幸ハルキノベルズ 角川春樹事務所 新書判並製 ☆☆☆☆☆ …読書感想文を書く前に。ヲイ、この本のカバー、登場人物の名前が違って印刷されてるぞ!!! なもんだから、楽天ブックスのリンク先のページも名前が違ったままなんだけど。でも、本文中はちゃんとしている。本文を読んでから楽天ブックスのリンク先ページを見て吃驚して、本のかバー裏見て、「私は読了するまで、(重要)登場人物の名前を間違えてたの!?」と一瞬焦ったが、中を見てほっとした。しかし…何なんだろうねぇ。みっともない。カバーくらいかけ替えればいいのに。(相場を前の会社の仕事のお陰で大体知ってるが、そんなとてつもない金額ぢゃないぞ)何回目かのカバー増刷の時にヤっちゃったの気付かないでママ逝ったのかな? だったら、誰も気付かないの分かるけど。。。。。初版だったら、絶対こんなことないだろうから。 まあ、アラ探しはこのくらいにして…と思ったが、もう一か所。 古代史の謎解き自体は割と面白かったのだが、小林恵子さんぢゃない。「惠子」さんなんだけどなぁ…。随分前にこの人の著作を一冊だけ読んだことがあるのだ。その時はここまで記紀を解釈改訂しなくてもいいんじゃないかと思ったのをよく覚えている。ただ、とても納得させられてしまうことも同時にあったのだ。にしてもなんだかなぁ。。。。内容自体は多少パロディが多いなぁとは思ったが、古代史の解釈が結構興味深かったので、許容範囲なのだが(というより、この古代史側の謎解きがなければ、二番煎じの感は拭えんぞ)、また、現代の殺人事件についてもまあ、許容範囲の展開なんだが…。この誤字2つ、何事??? 折角面白い内容でもちょっと興ざめしてしまう。 文体については、やけに主観的な形容詞や副詞が小うるさく感じた。個人の手記という形だから、そうであってもいいのかもしれないが、個人的に好みではない。また、弥生原や警察官のキャラはいいのだが、鬱病ミステリ作家うざ。それにこの設定も見たことあるなぁ…。ここまでどっかで見たような展開や設定を(他の作家の本歌取りとか、現実の事件のフューチャーとか…)が多いと、何か別に意図でもアルンかいな?と却って勘繰ってしまう。でも、うざいだの、二番煎じだの言いながら、他の作品も読んでみようかな。今まで、鬱病ミステリ作家の設定がうざくて、少々食わず嫌いだったのだ。さらにこの作品を読んで、梅原猛氏や松本清張氏の著作にかなり興味が湧いている。これも図書館で探そう。 やはり、任意の一冊の本を読み終わって関連の他の本を更に読みたくなるのは、その本を気に入った証拠ではあると思う。
April 28, 2006
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阿部謹也筑摩書房プリマーブックス B6並製☆☆☆☆☆◎ 中世の修道院のラジオを聴いているせいもあり、中世繋がりで積読だったこの本に手を出した。この著者の方は中世史の研究で有名な方。私でも著書のいくつかを目にしたことがある。(が、難しそうなのと高いのとでちょっと躊躇して、このプリマーブックスを買ったという経緯あり^^;) この著者が学問を志したルーツを記した本なのだが、しみじみ栴檀は双葉より芳しという言葉を実感してしまった。 また、キリスト教の「神」を媒介とした人間関係の変化が現在の合理的な西欧文明の基盤となった、という考察には物凄くなっとくさせられてしまった。周囲を小宇宙、大宇宙と区別し、その二つの宇宙の統合を意図したところに交響曲のルーツがあるとか…。キリスト教の思想が庶民層にまで浸透してきたところで、「大宇宙」により近い場所にいる人々に対する「賎視」が始まったとか…。非常に興味深い♪ 更に、ジプシーや日本の被差別部落の民話なども紹介されているのだが、ジプシーの民話、旧ソビエトのアネクドートとかに似てないか…?これも面白いと思うんだけど。また日本の被差別部落の民話はやっぱり日本的だと思った(^_^;)。それからちらりと書いてあったが、アイスランドでは、キリスト教受容をめぐって、血が流れたらしい…。 やっぱり機会があったら、この人の著作、ちゃんと読もう。
April 24, 2006
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秘められた大和路山路麻芸春秋社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 先日読んだ「知られざる大和路」の続編。 この本にも、観光ガイドでは名前だけ載って終りになるような、あまり有名ではない、でも味わいのあるお寺や神社、そして里の佇まいなどが細やかな筆致で描写されている。著者の大和路を巡る本はこの本で最後とのことだ。合計5冊同じ出版社から刊行されているようなので、折に触れて、図書館で探してみよう。多分、私が未読の三冊はもうout of orderの可能性が高いと思われるので。けれど、前作と同様、こつこつと大和路の寺社や史跡を訪れる様子、歴史への思いなどにとても心惹かれる。この著者の本を読んでいると、某テレビの「新日本紀行」のテーマが聞こえてくるような気がするのだ。 「知られざる大和路」とこの「秘められた大和路」はどちらも図書館で借りたが、自分で買おうかなぁ…。奈良逝きたい病の時、(悪化させる危険も高いが)読んでいると行った気分になれていいものだし、実際に奈良へ行く時も、目的地設定の参考になりそうだ♪ この本を読んで、ようやく御霊神社に祀られている井上内親王(この人の名前しか覚えてなかったのだ^^;)など、平安遷都に纏わる御霊神社関係者が少しクリアになった。そして、今、彼らにとても興味を覚えている。そのうち(^_^;)本を探して読んでみよう。
April 18, 2006
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フレッド・ヴァルガス創元推理文庫☆☆☆☆☆ かなり読了に時間がかかった(爆)が、なかなか良質のフレンチミステリ♪ 最初半分はかなり退屈だったが、後半から二転三転して、面白かった。 高学歴・失業中の先史時代・中世・第一次世界大戦が専門の歴史学者3人、通称は福音書著者にちなみ、マタイ=マティアス、マルコ=マルク、ルカ=リュシアンと同居したマルクの叔父に呼ばれる、がその隣の家に住む元オペラのプリマドンナにマルクが持ち込まれた相談ごとに乗るうちに、そのプリマドンナが行方不明になり~というストーリー。読者をミスリードしたり、実にたくみな小説。 フランスではかなり人気の著者だそうだが、この小説も事件の謎だけでなく、福音書著者達の設定の巧みさが面白い。彼らが住む館は一階が共同スペース、二階マティアス、三階マルク、四階リュシアン、天井裏ヴァンドスレールとなっていて、それぞれが謎解きを専門とする時代順になっているらしい(^_^;)。また、3聖人(?)の性格も寒さに強く服を着るのが嫌いなマティアス、黒尽くめでアクセサリー好きのマルコ、ネクタイを締め、理屈っぽく、専門とする分野の資料が見つかると回りが目に入らなくなるリュシアンと専門の時代と個性が上手い具合に事件解決とも繋がっていく。 また、日常の小さな謎が大きな謎に繋がっていき、いったん縺れまくった挙句、見事にこごなった結び目がほどけていくように解かれていくのが見事。続編が出ないかな。 余談だが、私もこれを読んでいて、中世が好きなせいもあるが、私の感性も中世で止まっているかもしれない、と思い込みかけた(苦笑)
April 8, 2006
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