PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
カテゴリ
横長スクリーンのシネマスコープやシネラマができたのも、テレビに対抗するためです。 シネマスコープの第1作は「聖衣」(53年、リチャード・バートン、ジーン・シモンズ、ビクター・マチュア主演)。聖衣とはキリストが十字架に架けられたときの血染めの衣のことで、キリストの処刑を担当したローマ護民官がしだいにその教えに惹かれていき、弾圧によって死刑になる宗教映画です。
「歴史劇」は映画が誕生した初期から存在します。「ベン・ハー」も「十戒」もリメイク作で、原型はすでにサイレント時代に作られている。「ベン・ハー」は1925年に、「十戒」は1923年に「十誡」として。ともにストーリーはリメイク版と同じものです。
壮大なセットと豪華な衣装、スペクタクルを見せるということでは映画の題材にふさわしいもので、西部劇とともにハリウッド映画の主要ジャンルでした。
1950年代から60年代前半くらいが「史劇全盛時代」ですが、チャールトン・ヘストンさんという、史劇にふさわしい、体格と風格にすぐれた俳優を得たのも大きな要因ではないでしょうか。 何といっても1959年の「ベン・ハー」が映画史上最高の史劇だと思います。
大セットと迫力のある映像、宗教劇であり、壮大な人間ドラマでもある。ユダヤの豪族ベン・ハーの数奇な運命、復讐と愛、そしてイエス・キリストの処刑と奇跡。その戦車(チャリオット)競争の迫力。舞台はCG合成ではなくセットとマット画であり、観衆も本物の人間たちです。
史劇はスペクタクル映画として莫大な製作費がかかるために、成功すれば良いけれど、興行に失敗すると映画会社が倒産するかもしれないリスクがある。「クレオパトラ」(1963)に湯水のように製作費をつぎ込んだことで、途中で止めるにやめられない状態になり、当時、20世紀フォックス社の倒産の危機をまねいたことは、映画史に記録されることです。歴史劇のために不名誉な歴史を残したのではシャレにもなりません。
ベン・ハー 1925年版 2018年03月03日
クレオパトラ つづき 2016年02月21日
クレオパトラ 2016年02月20日