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「戦争屋と話をすれば、平和を目指す努力以前に彼らの人間性の鈍感さにガッカリするが、それ以上に反戦主義者の好戦性によって戦争を排除することに絶望を感ずる。」B・H・リデル・ハート(イギリスの著名な軍事評論家、軍事史研究者、戦略思想家、その優れた研究により晩年「サー」の称号を得た。)またまた久し振りですが、キートンMです。先月から怠惰な私を追い詰めていた仕事がようやく片付き、久し振りにネットを覗いたら、いきなりリデル・ハート卿と同じような絶望に囚われたとです。キートンMです… キートンMです…まあ、某林さんも私みたいな「日本という共同体の生存とか、繁栄とか、平和とかの為なら、(究極的には)手段を選ぶべきではない。平和主義も国際協調も、軍事力の保持さえも手段であって目的ではないのだ。」とか心の奥底で考えてる人間に偉そうな事を言われたくは無いでしょうけど(笑しかし、常日頃思っている事ですが、「平和」という言葉は厄介です。それをどんな人物が発しても、真っ向からその言葉自体を批判するのは躊躇われますし、(「お前が言うな」的批判はされるでしょうが、言葉そのものは正しいものという事になるでしょう。)誰しも平和という言葉を否定し、その逆のモノを愛好してるというレッテルを貼られるのは嫌ですからね。しかし、その言葉の中身は…果たして人類共通のモノなんでしょうか?極端な喩えですが、日本人がイメージする平和な状態と、北朝鮮の人達がイメージする平和な状態とは同じではないでしょう。当然隔たりあるはずです。平和…戦争の無い状態は多くの人々が望む事ですが、その為に他者より多くのものを犠牲にしなければならないとしたら、聖人や仏陀でも無い限りは、不満を抱く人は必ず出て来ます。場合によっては、自らの犠牲の上に成り立つ平和を打破しようと考えるかもしれません。歴史的に見ても戦争を起こすのは、その時代の秩序…平和のカタチに不満を持ち、それを自らの都合の良いモノに造り変えようと考える勢力である場合が多かったりします。世に争いが絶えないのは、誰もが(私も含めて)自分の都合の良い平和のカタチを望んでいるから…とも言えます。ぶっちゃけて言うと戦争とは、利己的な平和主義者が引き起こす騒動なのです。たまに「世界中の人々が平和を守る意志を持てば戦争は無くなる。」という意見を耳にする事がありますが、世界中の人々が同じカタチの平和をイメージし、それを受け入れる事が現実的に可能なのか?そもそも、世界中の人総てに等しく平和と繁栄の果実を与える事が出来るのか?などと考えると、地に足の付かない実現不能な理想論と言わざる得ません。なら、どうすれば良いの?…と問われると正直困っちゃうんですが(笑う~ん、自らの望む平和のカタチと似たような平和を望む国と同盟を結び、可能な限りそのネットワークを広げる事。価値観を共有出来ない国に対しては、無理に友人になろうとせず、短期的には、せいぜい冠婚葬祭以外には付き合いの無い親戚程度の交流に留める事。(長期的には、相手をこちらの平和のカタチに染め上げる事が出来ればベストですが、無理をすると双方に「自らの犠牲の上に成り立つ平和なんて意味が無い!」という人が出て来て、争いの火種になりますからね。)なんだか、悪しき現状の追認、問題の先送りに過ぎないじゃないかと言われそうな事を書いてますが、私の頭ではこれ以上の事は思い浮かびません。今回はこんな感じで…。
2007年03月18日
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中国破壊衛星の破片、「だいち」軌道に接近(朝日新聞)~引用開始~中国が1月に実施した人工衛星の破壊実験で発生した破片(デブリ)の軌道が、昨年打ち上げられた宇宙航空研究開発機構の地球観測衛星「だいち」の軌道に南極上空で約1.4キロまで接近していることが、九州大の平山寛助手(宇宙工学)の解析でわかった。南極上空に同時期に来ない限り衝突の危険は少ないが、デブリの軌道は刻々と変化しており、宇宙機構も監視を強めている。 宇宙機構によると、今回の中国の衛星破壊で発生した直径10センチ以上のデブリは約650個。現在は地球を囲む輪のように拡散しており、今後は地球全体を覆うように散らばっていくとみられる。 平山さんはデブリを監視、追跡している北米航空宇宙防衛司令部が公表した軌道データを使い、約650個のデブリとだいちの軌道を比較した。その結果、高度約700キロのだいちの軌道に、南極上空で約1.4キロまで接近するデブリが見つかった。10キロ以内に近づくデブリは、計18個あったという。 だいちとデブリは、いずれも南北両極の上空を通過する極軌道を飛んでおり、両極付近で軌道が近づく。平山さんは「10センチ以下の小さなデブリは追跡できておらず、さらに接近するデブリがあるかもしれない」と話す。 デブリの軌道は地球大気の空気抵抗などで変化する。宇宙機構はデブリの解析を続け、「今のところ衝突の恐れはない」とするが、だいちを運用する富岡健治・プロジェクトマネジャーは「危険性が増したのは間違いない。10センチのデブリが衝突すれば衛星は壊れるだろう。今回の実験にはとにかくあきれた」と話す。 ~引用終了~中国外務省の劉建超報道局長は、1月に行った人工衛星の破壊実験について会見で「いかなる国に向けたものでもなく、いかなる国にとっても脅威にならない」と述べていたワケですが、早速日本の宇宙開発に大きな脅威を与えているようです。というか、地球観測衛星「だいち」にもしもの事があったら、ちゃんと打ち上げ費用込みで弁償してくれるんでしょうか?(打ち上げ費用約101億円、衛星開発費約547億円)JAXA、宇宙航空研究開発機構にはただでさえ、お金が無いんですから…。まったく、日本の経済水域内で無断で海洋調査を繰り返したり、原子力潜水艦を日本の領海内に侵入させたり、酢豚にパイナップルを入れたり、無責任、好き勝手するのは国内だけにして欲しいもんです。中国が世界の超大国を目指すなら、それなりの義務と責任を果たさなきゃ駄目ですよ。
2007年02月08日
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中国で尻出しのトミーズ健、活動自粛 「ぼくが馬鹿」(朝日新聞)~引用開始~漫才コンビ、トミーズの健さん(47)がテレビ番組の中国ロケで尻を露出し、地元の公安当局の聴取を受けた問題で、吉本興業は2日、健さんの芸能活動全般を当面自粛し、関係社員5人を処分したと発表した。健さんは会見で「ぼくが馬鹿でした。反省しています」などと沈痛な表情で話した。同社によると、朝日放送(大阪市)の番組制作で海南島で撮影中、健さんが仏教寺院や混浴温泉などで計4回、尻を出すギャグを演じた。台本にない即興だったという。 同社は同日付で、撮影現場にいたプロデューサー1人とその上司を戒告、制作センターの管理職3人を厳重注意とした。今後はタレント・スタッフに、国内外を問わず再発防止のため慎重な行動を求める方針。 ~引用終了~このニュース、私は今日初めて知ったんですが・・・またですか・・・10年くらい前に、お笑い芸人(と言ってもあんまり面白くない)「江頭2:50」がテレビ東京の番組のトルコロケで全裸になり、現地の人達の大顰蹙をかい、後に猥褻物陳列罪でトルコ警察に逮捕されるという事件がありました。この事件は国営放送によってトルコ全土に報じられ、日本のイメージを大きく傷付けたと言われています。こういった問題が起こる度に日本のメディアは自主規制を行い、相応の成果があったと自画自賛するんですが、ほとぼりが冷めるとまた、今回のような事件を繰り返す・・・まったく、政治家や企業の不祥事をよく偉そうに糾弾出来るもんです。問題を起こしたメディアは一定期間海外ロケを禁止するとか、公的な罰則基準を設けた方が良いんじゃないですかね?
2007年02月02日
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無防備地域 条例案を提案 堺市臨時市議会(朝日新聞)~引用開始~堺市の臨時市議会が29日開かれ、市民の直接請求による「非核・平和無防備地域実現のための条例案」が提案された。会期は2月8日までの11日間で、最終日の本会議で採決される見込み。条例案は、「条例を実現する市民の会」が無防備地域への攻撃を禁じたジュネーブ条約第1追加議定書に基づいて地域と住民を守るため、直接請求に必要な法定数を上回る1万9308人の署名を添えて市に提出した。市議会への提案に際し、「要件となる戦闘員・軍用設備の撤去などの権限が国にあるため、地方公共団体は無防備地域の宣言はできない」などとする木原敬介市長の意見が付記された。~引用終了~これまでも、彼方此方の自治体で同じような条例案が提出され、その度に否決されて来たのですが、それでも懲りずに、ついに、我が家の近所にまで無防備都市宣言という魔物がやって来たようです。くわばら くわばら……う~む、そうじゃ、良い機会じゃから今宵は少し昔話をしましょうかのう~。むか~し、むかし、イエス=キリストが生まれるより400年も前のお話。ギリシアはペロポネソス半島南端から少し離れた所に、「メロス」という名の島があったそうな。そこには、軍事都市国家「スパルタ」からやったきた民が交易国家を作っておっての、近隣の都市国家は言うに及ばず、イタリア半島や小アジアの民とも交易し、それは栄えておった。根っからの商売人だったメロスの民はのう、当たり前の事じゃが、商売の邪魔になる戦争とか、軍事同盟が大嫌いじゃった・・・「商売には国境は無いが、国防には国境があるので商売の邪魔になるし、国民が武装すれば、交易相手国に疑心を抱かせていらぬ緊張を生んでしまう。って言うか、無害な交易国家でいれば戦争を仕掛ける国なんて無いんじゃないの?」(ちょ~意訳)今でも似たような話をする人がおるのう…。メロスの人々はこのような事を言って、当時の二大勢力―アテナイを盟主とする「デロス同盟」、スパルタを盟主とする「ペロポネソス同盟」のどちらにも入らず、どちらとも友好的に商売をしておったそうな。・・・今で言う、非武装中立じゃな。しかしのう、デロス同盟諸国とペロポネソス同盟諸国が戦争を始めると、メロスの八方美人な生き方も上手くいかなくなってくるのじゃ。戦争が始まっても、メロスの民はデロス同盟と商売を続けておったのじゃが、メロスは元はと言えば、アテナイの敵であるスパルタからの入植者が作った国。何時、ペロポネソス同盟側に付くかわからん。「ならば、スパルタがメロスを手中に収める前に、我々がメロスを手に入れるのだ。」こう言ったかどうかは知らんが、メロス島に軍率いてやって来たアテナイ人どもは、話し合おうとするメロスの民を鼻で笑うかのように、男を皆殺しにし、女を奴隷として売り飛ばし、役に立たぬ子供は船に乗せて海に捨てた。しかし、アテナイの蛮行に怒りを覚えた者はいたものの、メロスを救おうとする者は誰もいなかった―。故郷であり、アテナイの敵だったスパルタさえもメロスを救わなかったそうな。これが世に言う「メロス島の悲劇」じゃ。一般的には、アテナイの愚行と言われておるが・・・わしには、メロスの民も同じぐらい愚かに思えてならん。一度争いが起こってしまえば、無防備である事自体が悲劇を生む原因になる。お客人は、己すら守ろうとしない者を、命を賭してまで救おうとする物好きがいると思いますかな?敵に占領された都市の数々の悲劇は語るまでも無いじゃろう。
2007年01月31日
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『将軍諸君はクラウゼヴィッツを知っているようだが、戦争経済をご存知ではない』 ~アドルフ・ヒトラー~「戦争反対」のカテゴリーが、ここ数日は「徴兵制」のカテゴリーになった感がありますが…今回は兵隊さんを雇うにも、兵器を買うのにも必要な「先立つもの」のお話。平成18年度、日本の防衛予算の歳出総額は―4兆7906億円。厳しい財政状況の中、安全保障分野でさえ聖域である事が叶わず、前年度に比べ0.8%、394億円減の4年連続マイナス予算です。(それでも何故か「日本は軍拡している」と主張される方は後を絶ちません。)その内で人件・糧食費(給料と食事代)がなんと2兆1337億円!…防衛予算全体の四割強が使われています。何故これほど人件費が高いかと言うと、自衛隊が志願制を採用し自衛官に他の公務員とほぼ同水準の給料を支払っているのと、日本の人件費自体が世界最高水準である事が理由として挙げられます。(物価も高いですからね。)まあ、人件費が防衛予算(軍事費)に占める割合が高い…というのは日本だけに限った話では無く、日本と政治体制の近い国―早い話が先進国―は多かれ少なかれ、人件費の高さに頭を痛めているんですが(笑だからでしょうか…01月11日の日記でも書いた、「RMA」(レボリューション・イン・ミリタリーアフェアーズ)、軍事における革命―旧共産圏軍に対する量の劣勢を質で補おうと冷戦末期から始まった軍の近代化の動きの中で、流行しているのが、「兵器の省力化」です。例えば、1988年~91年に完成した海上自衛隊の汎用護衛艦「あさぎり」型の乗員は220名ですが、1996年から配備された汎用護衛艦「むらさめ」型では、船体自体は大型化したにも関らず乗員は165名と、50名以上、人員が削減されています。また、陸上自衛隊の74式戦車の後継として開発された90式戦車は、装備のハイテク化によって、乗員を74式の4名から1名少ない3名に削減しています。他では、危険な偵察任務等を各種無人兵器に任せようという動きも盛んですね。これらの努力で何とか人件費を抑えようとしているんですが、「あちらを立てればこちらが立たず」の言葉通り、省力化されたハイテク兵器は当然の事ながら高価になり、省力化で浮いた予算がハイテク兵器の生産に消費されてしまうという事になっているようです。かと言って、ハイテク化せずに兵士の数だけを揃えてもハイテク化された軍隊には敵わない…。私が、「防衛省に昇格→憲法改正→軍拡&徴兵制復活、ああ、軍靴の足音が…」と言った心配性な人の意見や、「日本は空母(運用するには多く…1隻あたり四桁以上の人員が必要)を保有したりして本格的外征軍に脱皮すべきだ!」と言った景気の良い人の意見に懐疑的なのは、主に「日本の財政状況や予算体制では、それに必要な資金を捻出出来ない。」という金銭面の問題が頭から離れないからです。(貧乏性ですかねw)「なら、防衛予算を増やせば良い、対GDP比をEU主要国並にするだけで現在の2倍程度にはなるだろう。お前は金の事ばかり言って安全保障の事をちゃんと考えてるのか!」某掲示板で自論を展開して、こんな感じのお叱りの言葉を頂いた事もあります。しかし、イギリスなどEU諸国はGDPに占める国家予算の割合が大きかったり(所謂『大きな政府』です)しますので、日本がEU諸国並に防衛予算を増やそうと思えば、何らかの手段で財源を作らなければいけません。ですが、道路特定財源の一般財源化でさえ(細かい事を言うと、この一般財源化の論理もおかしい所があるんですが今回は割愛)思うようにいかない日本の政治状況で、5兆円近い財源を新たに確保するのは、かなり困難だと言えるでしょう。…国民の支持を得られるとも思えませんしね。ですから、空母を建造(人もお金も足りない)したり、徴兵して自衛官の数を万単位で増やしたり(徴兵しても装備させる武器を用意出来ない)するのは、法律を作ろうが憲法を改正しようが、「先立つもの」が無いので無理だと私は考えています。
2007年01月15日
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EUの武器禁輸解除、中国が日本に協力求める(読売新聞)~引用開始~【北京=末続哲也】中国外務省の劉建超・報道局長は11日の定例会見で、安倍首相が欧州歴訪中に欧州連合(EU)の対中武器禁輸措置の解除に反対を表明したことに関し、「理屈に合わない」と反論した。 さらに、「いま、中日関係は新たな出発点にある。中日関係発展のため、ともに努力できるよう望む」と述べ、間接的表現で日本に禁輸措置解除への協力を求めた。~引用終了~ああ、こんな時、我々日本人はどんな顔をすれば良いんでしょうね(笑日本の領海に原子力潜水艦を侵入させたり(国によっては撃沈されても文句は言えませんよ)、排他的経済水域内において無断で海洋調査を繰り返す国に旧西側陣営の軍事技術を流入させて良いだなんて、現時点で日本の首相が発言するワケ無いでしょう。…たぶん。中国側はどのような理屈で「日本はEUの禁輸措置解除への協力すべきだ」と考えてるんでしょうね?
2007年01月12日
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ふー、びっくりした。長期出張やら、だらけた生活を送って日記の更新をサボってるうちに年が明けていたようです…orz遅くなりましたが、みなさんあけましておめでとうございます。さてさて、新年早々「防衛庁」が「防衛省」になったりしたワケですが、「これを期に徴兵制が復活して日本が戦争の道を歩むのではないか?」と危惧する人が少なからずいらっしゃるようです。なぜなのかしらん?というわけで、今回は徴兵制についてあれこれ考えてみようと思います。(JSFさんの「徴兵制シリーズ」で語り尽くされているような気もしますがw)さて、現在、日本を含む先進国の多くが志願制を採用しています。東西冷戦時代は徴兵制だった国…イタリア、フランスも冷戦後、軍を再編し志願制に以降しました。先進国…サミット参加国で徴兵制を採用しているのはドイツぐらいです。(ドイツでは、徴兵制廃止の気運こそあるものの、良心的兵役拒否者による福祉事業への奉仕活動を穴埋めする財政的な余裕が無い事から、徴兵制度を存続させています。)では何故、先進国の多くが徴兵制度を採らず志願制を採用しているのでしょうか?以下の理由が挙げられます。1.軍隊のハイテク、プロフェッショナル化1990年代から爆発的に進歩した情報技術によって軍隊、兵器システムが大きく変化しました。所謂RMA(レボリューション・イン・ミリタリーアフェアーズ)、軍事における革命です。これによって兵器は…大は水上戦闘艦から、小は歩兵にいたるまでハイテク化が促進されています。しかし、それらを扱う兵士は既存の訓練に加え、デジタル化された情報端末を扱う訓練、情報端末から得た情報を活用する訓練までしなければいけません。(初期のRMA化兵器は効果よりもむしろ扱う兵士に与える負担の方が大きかったという話も)また、冷戦後の低脅威度紛争、PKO任務、対テロ作戦など任務の多様化が兵士のプロフェッショナル化を促しています。徴兵制による限られた時間内での訓練では、それらの負担に耐える兵士を生み出せない…という現実が、先進国の徴兵制度を黄昏へと誘う原因の一つ、と言えるでしょう。(勿論、冷戦終結による軍事費削減、軍のコンパクト化に対応しての動きでもあります。)2.戦争コストの増大軍隊のハイテク化に付随する問題です。RMA化された軍隊は確かにRMA化されていない軍隊に対して圧倒的に優位に立てます。しかし、RMA化された軍隊には致命的な弱点があります。それはお金…既存の兵器をハイテク化するワケですから、当然その分お金が掛かるんです!例えば、軍隊において最も低コストな存在であるはずの歩兵―簡単に言うとヘルメットを被りライフルをもった人達―にさえハイテク化、高コスト化の波は押し寄せています。アメリカ軍のランドウォリアー、フランス軍のFELIN、南アフリカ軍のアフリカン・ウォリアー、自衛隊の先進装具システム、などの計画は歩兵にレーザー測定器や情報端末、ヘルメットに様々な情報を表示する小型ディスプレイなどを装備させ、ハイテク化し歩兵の能力を向上させようというモノです。この中で唯一値段が分かっているアメリカ軍のランドウォリアーが1セット45000ドル(プロトタイプ、約536万円)也。歩兵に約500万の装備を着せて銃やら弾を持たせて、装備が故障したら大変ですから予備を用意して…と考えると、とてもじゃありませんが、徴兵する余裕は今の日本にはありません。現在の規模の自衛隊でも装備の更新には苦労しているんですから(笑3.少子高齢化先進国は多かれ少なかれ何処も少子高齢化に悩まされています。労働人口は減少し、当然、軍隊に入る若者の数も不況でない限りは減少するのは避けられないでしょう。「だから徴兵制を採用して軍隊の規模を維持するんでしょ?」と仰る方もいるかもしれません。ですが、軍隊とはそもそも非生産的なものです。そこに人的資源を集中させれば、当然産業等、他の分野に配置すべき人的資源が不足してしまいます。そうなれば、国力は低下し、たとえ国民に無理を強いても必要な時に必要な物資を軍隊に用意出来なくなるでしょう。太平洋戦争時の旧日本軍のように、「兵隊さんは用意出来ても、兵隊さんに待たせる武器、弾薬その他装備は用意出来ませんでした。」という事態に陥ってしまうかもしれませんね。戦争は前線…戦場だけで行うものでは無いのです。以上ご異論がある方もいらっしゃると思いますが、サイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。…日本で徴兵制が復活する可能性は、上記の理由でかなり低いと言えるでしょう(笑
2007年01月11日
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牧太郎の大きな声では言えないが…:靖国より「原爆」だ!(毎日新聞)~引用開始~いまだに自民党総裁選の争点は「靖国」であるらしい。困ったことである。小泉さんが「靖国参拝は公約」と言い続けたのが、まず間違いである。「公約」とは国民の大多数が求める政策(例えば減税、例えば年金改革)を「やります!」と約束することである。大多数が求めていないことを「やる!」と言っても公約とは言わない。「靖国」に関して言えば国民の意識は複雑である。東京招魂社の昔から、靖国神社は「天皇が行う戦争は聖戦」とする原理主義の社。まつられているのは、お国のために死んだ人であって、東京大空襲、広島、長崎の被害者はまつられていない。その上、何百万人の犠牲者を出した第二次大戦の戦争責任者(戦争犯罪人であるかどうか、意見は分かれるが)がまつられている。「不戦の誓いの場所」としてふさわしいのか。だから、多くの人は終戦記念日に、それぞれの場所で、すべての戦争犠牲者に黙とうする。小泉さんの靖国公式参拝は自民党支持者の一部に対する人気取り。もっとも、靖国で反日キャンペーンを繰り、己の内政の失敗を隠そうとする中国の指導者も同じ穴のムジナだ。日本が共通の歴史認識を求めるべきは「対アメリカ」である。1945年8月6日午前8時15分、原子爆弾リトルボーイは第33代アメリカ大統領トルーマンの命令で広島に投下された。爆心地では鉄やガラスも溶けるほどの高熱。14万人が死んだ。3日後、長崎にファットマンが投下され、7万人が殺された。アメリカは「日本本土決戦によって予想される日米双方の犠牲者を救うため、原爆によって日本の抵抗意思を砕き、降伏に導いた」と主張している。そうだろうか。当時の日本はソ連を仲介とした戦争終結工作を行っていた。原爆投下がポツダム宣言受諾への直接的な動機とは言えない。大きな声では言えないが、ドイツには原爆を投下せず、日本にだけしたのは、有色人種に対する差別と思えるほどの理不尽さである。今、歴史認識を議論する相手は中国ではなく、同盟国・アメリカではないのか。何度となく戦ったフランスとドイツは共通の歴史認識による教科書を07年秋には導入すると聞いた。基地の移転に3兆円よこせ!と言う前に、アメリカは「60年前の原爆投下」の本当の狙いを明らかにすべきだ!と総裁選の候補者はなぜ、言わないのか。(専門編集委員)~引用終了~えっと、全国紙に載せておいて「大きな声では言えないが」とか書かないでください(笑太平洋戦争末期に米軍が広島、長崎に行った核攻撃と、ポスト小泉を決める自民党総裁選に何の関係があるんです?靖国問題は、中国、韓国が外交問題化しているので、関係無くもないですが…「靖国参拝は公約」と言うのが間違いって…内容の是非は兎も角、そもそも公約というものは、候補者のやろうとしている政策を事前に有権者に提示して判断を仰ぐ為にあるんじゃないですか。仮に大多数の人が求めていない公約で、総裁選に挑む人がいても、それはその人の自由です。その候補をどうするかは有権者(総裁選の場合は自民党員と党に所属する両院議員)が判断すれば良い事ですよ。閑話休題―専門編集委員の人は、日本はアメリカに対して、主に原爆投下に関して、共通の歴史認識を求めるべき…と主張しています。しかし、同じ現象を観察しても、視点が異なると違う結論が出るものです。(それが歴史の面白さであり、難しさであると私は思うのですが…)アメリカの「日本本土決戦によって予想される日米双方の犠牲者を救うため、原爆によって日本の抵抗意思を砕き、降伏に導いた」という主張も、向こうの立場で考えればそうおかしいものではありません。核爆弾が実用化する以前、アメリカ統合戦争委員会は硫黄島や沖縄での日本軍の頑強な戦いぶりから、日本を無条件降伏させるには、日本本土への上陸作戦が必要だと判断していました。そして日本本土を占領し、戦争を終結させるまでにアメリカ軍が受ける人的損害はと言うと…陸軍長官スチムソンは100万人と予想し、統合作戦本部議長であるリーヒ提督はその二倍の200万人と推測しています。(海軍のニミッツ提督などは機雷や潜水艦による海上封鎖で日本を降伏させる事も可能だと主張していましたが、この場合でも、日本側は乳幼児等を中心に大量の餓死者を出す事になると推測出来ます。第一次大戦時の英仏の食料搬入封鎖ではドイツは百万人近い餓死者を出しました。)戦争終結の道筋が見えて来た状況で、これ程の人的損害を許容する事は流石のアメリカでも困難でしょう。そんな状況下で完成したのが原子爆弾です。勿論、日本側の犠牲者を…というのは、後付けっぽいですし、原爆投下が戦後を見越したソヴィエトに対する牽制、原爆という新兵器のテストという意図があったのも事実ですが、米軍将兵の損害を軽減するという意図があったのもまた事実と言って良いのではないでしょうか?また、「原爆投下がポツダム宣言受諾への直接的な動機とは言えない」とも主張されていますが、終戦の詔勅で「敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シ」と述べられている所をみると原爆投下が日本に与えた影響は大きいと言えます。…長々と書きましたが、アメリカが日本の歴史教科書に文句を付けているのなら兎も角、今、アメリカに共通の歴史認識を求めるべきと主張する意図が私には理解出来ません。(専門編集委員の人が単にアメリカが嫌いなだけ?)
2006年05月16日
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盧大統領、UAEとエネルギー備蓄事業で合意(朝鮮日報)~引用開始~ 盧武鉉大統領は14日にはドバイに移動、モハメット首相と会談し、両国の協力方案などについて論議した。盧武鉉大統領はまた、サムスン建設が世界で最も高いビルを目標に建設中のドバイタワーの建設現場を視察した。 盧大統領はこの日、両国の経済人夕食懇談会でドバイの都市建設を称賛し「世界中からたくさんの人が訪れる万里の長城やピラミッドも、結局は戦争による抑圧と搾取の結果として積み上げられた、他人の苦痛を担保にした不道徳な遺跡といえる」と語った。 盧武鉉大統領は「しかし、皆さんが作ったこの(ドバイの)森は、まさに奇跡」とし「ドバイの緑の森、美しい都市は創造と平和が共存する人間の尊い価値を実現する美しい想像物」と話した。 ~引用終了~あの~大統領。他国の都市建設を賞賛するのは結構な事なんですが…その為に他国の歴史的建造物を公式の場で貶めるのはどうかと思いますよ。しかも、「不道徳」(お隣の国の人って、この言葉がお好きのようですね。)だとする点が正確では無いというか、間違ってますし(笑)…ご存知の方も多いかと思いますが、ピラミッドが奴隷の強制労働で作られた…と言われていたのは昔の話で、現在では地方の労働者や技術者によって作られたという説が主流になっています。(発掘調査で「○○さん―今日は親戚の結婚式に主席するので休み」といった建築作業現場の日報のようなものが発見されています。ピラミッド建設は現在でいう公共事業だったという事です。)万里の長城も北方の騎馬民族の略奪行為から国を守る為に建設されたものですし…間違った知識で他国の歴史を貶める方がよっぽど不道徳かつ、不適切だと私は思うんですが、誰も諌める人がいなかったのでしょうか?
2006年05月15日
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今日は、日本国憲法の誕生日…「憲法記念日」だそうです。ゴールデンウィークの殆どが仕事で埋まってる私的には、あんまり関係の無い話ですが、国民の祝日ですね。そんなワケで、今回は昔の日記から…日本がかつて運用していたもう一つの憲法、大日本帝国憲法についてのお話を小改装してお伝えしたいと思います。アジア初の近代憲法、大日本帝国憲法は、天皇を国家の元首と定めると同時に、その権限を制限し実質的には内閣や議会が国を動かすと定めた、発布された当時としては充分開明的で優れた憲法でした。(実際、大正時代までは有効に機能していました。)しかし、世の中に完璧なシステムなど存在しません…大日本帝国憲法にも欠陥がありました。憲法第11条「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」…所謂「統帥権の独立」です。これを都合良く解釈すると、天皇の統帥(軍の指揮、監督権)を預かる立場にある陸軍参謀本部と海軍軍令部が、日本の公的機関でありながら、司法、行政、立法の三権…すなわち議会や内閣の監督を受け付けない不可侵な存在になってしまいます。明治の元勲達はこの欠陥を理解していましたが、これを政治的に利用しませんでした。弱肉強食の帝国主義が蔓延する世界で、暢気に内輪揉め出来る状況にはありませんでしたからね。しかし大正末期から、どうも困った事になってきます。近代化で日本が豊かになるにつれ、政党政治家の腐敗もまた進み、政争の為に禁断の…憲法第11条を利用する程、政治が低レベル化していたのです。昭和5年、時の政府は軍部の了解を得ずに補助艦艇(戦艦以外の戦闘艦の事)比率を英米の七割に抑えた「ロンドン軍縮条約」に調印、これを政権を倒すチャンスと判断した野党は、「統帥権を犯した!」と非難を開始します。これに、日露戦争以降国民をミスリードし続けるマスコミと既得権益を侵される事を嫌った一部の軍人が同調…以後、政治家が軍部に異論を挟むだけで「統帥権を犯した!」と攻撃されるのが日常茶飯事となり、軍の暴走を誰も制止出来無くなっていくのです…。どうして、立憲君主制というシステムが破綻する可能性があるのに憲法の欠陥が長年放置されたのでしょう?私はその原因が、「憲法が国家という共同体を円滑に運用する為のシステムなのに、それが予想以上の成功を収めた結果、何時の間にやら宗教的なまでに神聖不可侵な存在なってしまった。」という事にあると考えています。憲法というシステムの神格化は、現在の護憲論の中にもあるように感じられて仕方ありません。歴史は繰り返す…というヤツなんでしょうか?
2006年05月03日
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菅直人氏:石原都知事は「ヒトラーのよう」 講演で批判(毎日新聞)~引用開始~民主党の菅直人代表代行は15日、仙台市で講演し、東京都の石原慎太郎知事について「石原氏の目指す政治は、もしかしたらヒトラーのような自分の理想を権力で実現したい政治だ。権力を持つほど使い方を考えるのが(政治の)原点だ」と述べ、政治姿勢を批判した。~引用終了~え~と、菅さん…。自分の理想を有権者に語り、理解、支持してもらって権力を得、行使する…。政治家って昔からそういう存在じゃないんですか?確かに、石原都知事は偶に「?」な発言をする方ですが、安易に「あいつはヒトラーだ!」とレッテルを貼る菅さんの反撃は、「管代表代行の…相手に分かり易いが正確では無いレッテルを貼り、貶める行為は、ナチの宣伝相ゲッペルスと同じだ。権力を持つほど自分の発言内容を考えるのが(政治の)原点だ。」と言われても仕方ありませんよ。
2006年04月16日
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核攻撃想定の計画策定断念を要請(中国新聞)~引用開始~広島市が、有事対応の指針として本年度中の策定をめざす「市国民保護計画」に対し、広島県被団協(坪井直理事長)や広島県原水禁など五団体は十一日、核兵器による攻撃を前提とした計画を作らないよう、秋葉忠利市長に申し入れた。坪井理事長らが市役所を訪れ、「外交努力で核兵器を使わせないようにすることが先決」と述べ要請書を手渡した。核攻撃想定の計画策定は「ヒロシマの心に反する」としている。これに対し、秋葉市長は「核兵器被害の甚大さを理解していない国の指針が問題」と指摘。「核兵器が使われたら助かるすべはなく、市民を守るには廃絶しかない」と答えた。その上で、被爆地独自の対応として「正確で科学的な核兵器による(街や市民の)被害想定をまとめ、計画の基礎にしたい」との考えを示した。~引用終了~こういったニュースを目にする度に思う事ですが…平和団体の人達って、外交努力というモノを「何でも願いが叶う魔法の杖」だと勘違いしてません?確かに核兵器を廃絶出来れば、その恐怖に怯えずに済みますし、計画を策定して最悪の事態に備える必要もないでしょう。しかし、現実の世界では核保有国は増えこそあれ、減る状況にはありません…残念な事ですが。それどころか、科学技術の進歩は、技術的に困難とされている爆縮型(ガン・バレル型と比べて小型化が容易なタイプで、弾道弾に搭載可能な核兵器を開発する為に必須)の核兵器さえ、市販のパソコンや流体計算ソフトを利用するだけで設計可能になりつつあるようです。近い将来、国家の枠にとらわれないテロ集団、カルト集団が自前で核兵器を生産し使用する…という事態が発生するかもしれません。(この手の集団は話し合う機会も無いまま核兵器を使用する可能性があります。)世界から、核兵器を消し去る魔法の杖が存在しない以上、核攻撃をも想定した国民保護計画を策定する事は必要だと思うんですが…どうして反対するんでしょうね?平和の為の外交努力が常に実を結ぶなら、第二次大戦は勃発してませんよ。
2006年04月12日
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エープリルフール:歌で本人識別? 英紙が「うそ」競う(毎日新聞)~引用開始~エープリルフールとなるとがぜん張り切る英国の新聞が、1日付紙面で競うようにして「うその記事」を掲載した。PA通信などが伝えた今年の傑作記事は-。高級紙タイムズは、支払いでカードを利用する際、暗証番号を打ち込まずに、指定された歌の一節を歌うことで本人を識別するシステムが3年後の「4月1日までに」実用化されるという記事。大衆紙では、デーリー・エクスプレスが「ビスケットのかけらを混ぜて道路を舗装すると安全性や耐久性が増す」と、休憩中の作業員3人が道路にまかれたビスケットを口にする写真付きで報じた。デーリー・メールは、ダウニング街10番地で知られる英首相官邸の扉が、ブレア首相の指示で黒から「与党労働党を連想させる」赤に塗り替えられたという内容。偽の写真も載っており一瞬本気にさせられそう。サンは「テムズ川の川岸でペンギンが発見された」と報じた。~引用終了~政治や歴史問題に絡めた「嘘」「捏造」はあれですが…こういう「冗談」は大好きです(笑英国では1977年にも「第三の選択」という、「米ソなどの大国の一部エリート達が、温暖化で滅亡に瀕している地球を見捨てて、『第三の選択』と称する火星移住計画を進めている。火星が生命の住めない惑星というのは、一般大衆を欺く為にNASAが流した偽情報に過ぎない。現在、英国で科学者や技術者の行方不明事件が増加しているのは、火星に植民地を建設する為の人材として、政府が彼らを誘拐しているからだ!」という手の込んだ嘘番組が製作されたりもしてます。(リアリティのあるドキメンタリー形式の番組だった為、多くの人が騙されました(矢追純一とかw)…番組の最後には出演俳優や、製作日4月1日というテロップがでるのに)まあ兎も角、一年に一度、嫌な事は忘れて、様々な冗談ニュースで世界中が (・∀・)ニヤニヤするというのは、素晴らしい事だと私は思いますね。
2006年04月02日
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紀元前219年 、ローマはかつてない危機にあった。後に「戦の化身」「戦略の父」「奇襲戦法と変装の名人」と称えられるローマの宿敵、カルタゴの名将ハンニバル・バルカが、紀元前218年5月、ヒスパニア―現在のスペインの地から、歩兵3万8千、騎兵8千、象37頭を率い「アルプス越え」を敢行、軍主力をカルタゴ本国…地中海方面に向けていたローマに対し、文字通り後背から襲い掛かったのだ。(しかし、15日間を要したアルプス越えは困難を極め、ハンニバルは2万の兵と象17頭を失った。)ハンニバルはまず、ティギヌス河畔で執政官スピキオ率いるローマ騎兵を、騎兵戦に優れたヌミディア人(北アフリカの民)騎兵でもって粉砕すると、本国の危機に慌ててシキリアから来援したもう一人の執政官、テイトゥス・センプロニウス・ロングス率いる軍主力(歩兵3万6千、騎兵4千)をも、トレビア河西岸での戦いで(殲滅には失敗したものの芸術的とも言える包囲戦でもって2万のローマ兵を討ち取ったと言われている。)破った。さらに翌年(紀元前217年)には、新たに選出された二人の執政官…ガイウス・フラミニウス、グナエウス・セルウィリウスが率いる五万の軍勢を、大胆な迂回戦術によって各個撃破、殲滅する事に成功する。(この戦いでガイウス・フラミニウスが戦死、軍の半数である2万5千の兵が戦場に斃れた。)野戦軍を続々撃破されたローマ市民と元老院は、ハンニバルの強さと甚大な人的被害に強い衝撃を受け、緊急時にのみ任命される最高政務官、独裁官(大きな権限を持つが任期は執政官の1年に対して半分の半年。)を選出する事を決意する。そこで選ばれたのがクィントゥス・ファビウス・マクシムスである。彼はカルタゴ本国からの支援を受けられず「根無し草」状態であるハンニバル軍(城砦を攻める工作部隊を持たず、都市を攻めるのが不得手だった)との短期決戦を避け、焦土戦を含めた持久戦によってハンニバル軍を消耗させる「勝たないが負けない戦略」をとった。これが所謂「ファビウス戦略」である。しかし、持久戦法は味方であるローマ市民の心をも消耗させる事になる。ローマ人の友だったポリヴィオスによれば、中部イタリアのローマ同盟都市群に対して離反を促したり、軍補給基地を攻撃し略奪を欲しい侭にするハンニバルに対応しようとはしない、独裁官ファビウスに業を煮やしたローマ市民達は彼を「クンクタロール」(ぐず)と仇名し非難したそうである。が、その間にローマは歩兵8万、騎兵8千というハンニバル軍に倍する大兵力を揃える事が出来たのだから、「クンクタロール」(ファビウス)の「勝たないが負けない戦略」もそう馬鹿には出来ないだろう。まあ、その大兵力も古代戦史の金字塔、「カンネー戦いにおける二重包囲」によって7割が永久に失われるのだが…。その為か、ポリヴィオスは後に「クンクタロール(ファビウス)のやった事は総て徒労に終わった。」と書き残している。因みに日本では、疲れた時に「くたくたになった。」と言うが、これはラテン語の「クンクタロール」(ぐず)という言葉の意味がポリヴィオスの書によって誤解され伝わり、「クンクタロール」→「クンクタ」→「くたくた」といった感じで変化し、日本語として定着したという事実はあまり知られていない。民明書房刊『古代ローマと日本語』より
2006年04月01日
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今月に入ってから休み無しで、ほとんど更新が出来てません。頭の方もパンク状態ですので、日記に書き込んでくれた人にちゃんとした返信が出来ているのかも怪しい状態です。(なのに仕事の合間に某所で議論をしたりと…)来月は休みがあると良いなぁ~さて、仕事に戻ります。
2006年03月23日
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有害図書:少女コミックも指定へ 育成条例で府、対策強化 /大阪(毎日新聞)~引用開始~成人向け雑誌などにビニール包装などの個別包装を義務付ける府青少年健全育成条例の実効性を高めるため、府はわいせつな描写を多数含む少女コミックに対しても、有害図書類に指定するなど対策強化に乗り出す方針を明らかにした。13日の府議会教育文化委員会で、西野修平議員(自民)の質問に答えた。府によると、少女コミックは表紙やタイトルが一般の漫画と変わらなかったり、写真と異なってあいまいな描写が多いなどの理由で書店やコンビニエンスストアなどの販売店側にとり個別包装が必要かどうか判断が難しい側面があったという。~引用終了~久し振りの日記更新なのに、こんな話題で恐縮ですが…。今回の府の方針は、まあ妥当だと思います。最近の少女漫画には、成年コミック並みの(もしくはそれ以上に過激な)性描写があったり、少女を約3ヶ月監禁(首輪を付けて)して逮捕された監禁王子こと小林泰剛被告も真っ青な、変態さん(でも顔はイケメン)が登場して女の子(或いは男の子)に「あんなコトやこんなコトをする」作品が結構あるそうですからね。(「ちょろいもんだぜ」の迷台詞で有名な「覇王愛人」も大人が読めばギャグ漫画ですが、女子中高生が読むには内容が微妙…。)なら、そう言った作品は堂々と「この漫画は所謂『エロ漫画』なんですよ。」という看板を掲げて売るべきです。(本屋などから排除すべき…だとは思いません。こう言ったアレな部分があってこその文化だと思いますんで。)まあ、有害図書に指定した所で手に入れたいと思う子供は、何らかの手段で手に入れるでしょうが、この種の規制は、子供達に「自分はいけないモノを読んでいる」という意識を植え付けるという効果があるでしょう。…これ以上の規制となると、ヘンな団体が「あれも駄目、これも駄目」とか嬉々として騒ぎ出しそうなので、私的には、あんまりやって欲しくないですね。というか、出版業界(小○館とか)はこれを期に少し反省(少女漫画の皮を被ったエロ漫画を出版して来た事に対して)して欲しいものです。
2006年03月17日
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典範会議・岩男氏、寛仁さま発言批判 「時代錯誤」(産経新聞)~引用開始~政府の「皇室典範に関する有識者会議」のメンバーである岩男寿美子・武蔵工大教授が、自身が編集長を務める海外向けの英文雑誌「ジャパンエコー」二月号に寄せた論文で、女系天皇に異論を唱えた寛仁親王殿下を「時代錯誤の考えには、驚くしかない」と強く批判していたことが十日、分かった。岩男氏はまた、寛仁さまが側室制度導入は「難しい」としているにもかかわらず、「側室制度を提案してきた」と事実と異なることも記述している。「ジャパンエコー」は海外向けに、英文で日本の論壇の論調などを紹介する隔月刊誌で、編集会議には外務省職員も参加。在外公館を通じ、欧米など各国の大学や研究機関に配布している。岩男論文は「日本の皇位継承者」と題し、「二〇〇五年十一月は、日本の皇室にとって二つの大きな進展のあった月だった」と書き出し、有識者会議の報告が提出されたことを自賛。メンバー構成や報告書の内容、反響などを紹介している。この中で、寛仁さまについて「天皇のいとこで、女性が皇位を継承できるようにすることについて疑問の声を上げ、旧宮家や皇室の側室制度の復活を提案してきた」と指摘。さらに「彼の時代錯誤(anachronism)には驚くしかない」と批判している。しかし、寛仁さまは昨年、福祉団体の会報に寄せたエッセーで、側室制度に触れてはいるが、「国内外共に今の世相からは少々難しいかと思います」と記され、「提案」したわけではない。~引用終了~そもそも皇室の価値は、「約二千年、一定のルールの下、変らず存在し続けて来た。」という伝統…悪く言えば時代錯誤な所にあるんじゃないですか?しかも、岩男氏は記事にある通り、「寛仁さまが側室制度を提案してきた」などと事実と異なる事を持ち出して寛仁さまを批判してますし。…彼女は本当に『有識者』なんでしょうか?こんな人が編集長を務め、こんな記事が載ってる雑誌を在外公館が各国有識者に配ってるなんて、驚くしかありません。
2006年03月11日
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憲法改正:「賛成」65%、「反対」は27% 毎日調査(毎日新聞)~引用開始~毎日新聞が実施した全国世論調査によると、憲法改正について「賛成」と答えた人は65%で「反対」は27%だった。一方、戦後日本の平和維持や国民生活の向上に現憲法が果たした役割の評価については、「役立った」とする評価派が8割に達した。調査は2月10、11の両日、電話で実施した。毎日新聞の世論調査では「分からない」との選択肢も加え同趣旨の質問を過去に面接方式などで実施しており、82年から04年まで改憲賛成派は2~4割台で推移した。04年4月から過去3回行った改憲の賛否を二者択一で聞く調査では、賛成派はいずれも60%前後。単純比較はできないが今回、賛成派は最高を記録した。性別では男性が「賛成」67%、「反対」26%に対し、女性は「賛成」64%、「反対」27%。世代別では「賛成」は20~40代が67~72%と高く、50、60代は60%台前半、70代以上だけは半数を割り47%だった。政党支持別では、自民、公明支持層の約8割、民主支持層の約6割が賛成したが、共産、社民両党支持層では「反対」が過半数だった。賛成派に理由を聞いたところ「今の憲法が時代に合っていない」が53%と最多で、「一度も改正されていない」(18%)、「自衛隊の活動と憲法9条にかい離がある」(13%)が続いた。「米国に押しつけられたものだから」は10%にとどまり、憲法の制定過程を問題視する自主憲法論は改憲派の主要な動機とはなっていない。反対派の理由は「9条改正につながる恐れがある」が54%と圧倒的に多く、9条改正反対が大きな論拠となっている。「国民や政党の議論がまだ尽くされていない」が26%、「改正するほどの積極的理由がない」が11%などだった。~引用終了~日本国憲法は冷戦下で安全保障を米国にほぼ一任し、日本は復興、経済発展に専念するという戦後の基本政策を正当化する錦の御旗となりました。米国が日本の軍備増強を求めても「あんたが押し付けた憲法があるから無理」と言えたワケです。(まあ、その代わり、日本は米軍の戦略的根拠地にとなり、少なくない土地や施設、お金を提供しなければいけませんでしたが。)回答者の約8割が、現憲法をある程度評価しているのは、多くの国民が、そこら辺の事情をちゃんと認識してる証拠なのかもしれませんね。しかし、この先も憲法9条を維持する利益があるのか…と言えば疑問を持たざるえません。良く言われるように、憲法9条によって日本が戦争を放棄したとしても、戦争が日本を放棄してくれるワケではありませんし、(あくまでも9条は日本の憲法であって、諸外国がそれを尊重する義務はありません。)最低限の生活を保障する食料すら自給出来ず、様々の原材料を海外から輸入し、加工して海外に売ることで日々の糧を得ている日本の平和は、遠くの…原材料の産出地近くで起こった紛争によってさえ崩される可能性があるのです。(日本の周辺で紛争が起こった場合、例えそれが直接関係のない争いでも、日本の通商ルート…シーレーン上で戦われでもしたら、国土に直接爆弾が落とされなくても、日本は大打撃を受けるでしょう。)そう言った状況が起こった時、果たして憲法9条は役に立つでしょうか?えっ、今まで通り米国を頼りにすれば良い?確かに、それがベターなのかもしれませんが、現在のように世界の彼方此方に米軍の主力が展開してる場合、「ごめん、今手が離せないんだ…1、2ヶ月なんとか持ちこたえといてくれない?直ぐ行くから。」とか言われるかもしれませんよ。私は米国を頼りにするにしても、有事法制(これは一昨年の国民保護法の可決などで、ようやく一歩前進しました)、憲法9条2項の改正、抑止力としての敵基地攻撃能力の保持などなど…平和主義の看板を掲げたままでも、日本の平和を維持する為に…やるべき事は沢山あるのではないか?などと考えてます。
2006年03月05日
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光あるところ、影がある。太古の時代より、人類は本能的に影を恐れた。影を地獄の門として出現せし魔の獣。歴史の闇において、多くの人々の魂が、その魔獣の餌食となった。だが、暗黒を断ち切る騎士の剣によって、人類は希望の光を得た。そして、悠久の時が流れ、いつしか騎士と魔獣の暗闘は、光と共に人々の記憶から忘れさられた。しかし、光あるところには、影がある。今でも光と影の戦いは続けられているのだ…。 ~牙狼<GARO>公式HPより~魔獣ホラーと戦う魔戒騎士…黄金騎士ガロの活躍を描く、大きいお友達向け特撮アクション活劇(全25話)も、昨晩で21話…。今回は「正しい行いをしたとしても、恨みを買ってしまう事がある」というお話。第8話「指輪」で、恋人が自殺したというショックから、猟奇殺人(殺した人間の指を切り取って集める…恋人がピアニストであった事が影響してる?)に走り、その狂気をホラー、モロクにつけ込まれ憑依(この段階で犠牲者はもう助からない)された女性、神須川美理(エリカ)。ホラーの力で殺人をエスカレートさせた彼女も、魔戒騎士の最高位―ガロの称号を受け継ぐ主人公、冴島鋼牙(小西大樹)の剣によって倒された。しかし、その事実を知った父親、神須川祐樹(森本レオ)は、結果的に娘の命を奪った鋼牙を憎み、魔戒騎士に復讐する手段(ホラーの魂を込めた弾丸と銃、撃たれた人間はホラーに憑依される。)を得て、鋼牙に戦いを挑むのだが…。なんと言っても今回はゲスト(第四話の加勢大周、第十一話の川平慈英など悪役の場合が多い)の森本レオ氏が、機関車トーマスのナレーションでお馴染みの癒し系ボイスで、「君たちはぁ人間のクズ、ですねぇ…これから先生きていても人の役に立つことは無いでしょう…ははは。う~ん、その分、実に丈夫そうだ…ホラーが憑依するにはうってつけです。」などと言い、町にたむろするガラの悪そうな若者達に弾丸を撃ちこんで、彼らを手駒にするシーンが見所です。他にも穏やかな声で、黒い台詞を連発…。いやあ、ゴールデンタイムで、こんな森本レオ氏の怪演は拝めません。深夜ドラマ万歳!現在…公式HPにリンクされてる「あにてれシアター」で、第一話無料配信中なので興味のある方はどうぞ。
2006年03月05日
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風刺画問題:イスラム教徒100人がデモ 東京・渋谷(毎日新聞)~引用開始~イスラム教の預言者ムハンマド(マホメット)の風刺漫画を欧州の新聞が掲載し、同教徒の抗議行動が広がっている問題を巡り、東京都渋谷区で3日、同教徒によるデモが行われた。在日パキスタン人ら約100人が同区の公園に集合。「イスラム教の信者を傷つけるような言論の悪用を許せない」と日本語で書いた横断幕などを掲げて行進した。デモの後、参加者の代表が同区猿楽町の在日デンマーク大使館を訪れ、職員に抗議文を手渡した。混乱はなかった。~引用終了~え~日本には、「仏ほっとけ神構うな」(ほとけほっとけかみかまうな)という諺があります。意味は、「神や仏を信仰するのはいいけど、信心が過ぎるとかえって心の平安を乱してしまうから…ほどほどにね。」と言った感じでしょうか。イスラム教徒の皆さんの心情は理解出来ますが、こう行った行動はほどほどにしておいた方が良いんじゃないですかね?(今回の行進は兎も角、中東地域で行われた抗議活動はちょっとやり過ぎです。)私の父親などは、このニュースにえらく御立腹な様子で、「デンマークの新聞は本当の事を書いただけだ!イスラム教徒はもう少し身内の行為(テロ)を反省しなきゃならん。しかも、日本は関係無いだろうが!」とか、普段のリベラル的な姿勢(良く議論します…)をかなぐり捨ててテレビに向かって声を荒げてました(笑)在日パキスタン人のみなさんの行進は平和的だったんですが、身内にこういった反応をする人がいるのを見ると、今回の一連の騒動で、イスラム世界に対する偏見を心に刻み込んだ人達が結構いるんじゃないかと思ったり…。(逆に人権先進地域と思われがちな欧州世界の傲慢さを感じた人もいるでしょう。)
2006年03月03日
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盧・韓国大統領:小泉首相の靖国参拝批判 改憲の動き、けん制--3・1独立運動式典(毎日新聞)~引用開始~ソウル堀山明子】韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領は1日、日本による植民地支配に抵抗する「3・1独立運動」の記念式典で演説し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝を改めて批判した。また、「法を変えて軍備強化するのではなく、まず国際社会の信頼を確保すべきだ」と述べ、日本の憲法改正の動きをけん制した。盧大統領は小泉首相が昨年10月に靖国神社を参拝したことに反発、年2回程度の相互訪問を目指した首脳間の「シャトル外交」を中断している。今回の演説は日本が靖国問題を解決して誠意を示さなければシャトル外交は再開しないとの意思を示したものとみられる。演説で盧大統領は、日韓関係が悪化した昨年3月からこの1年を振り返り、「(靖国)神社参拝、歴史教科書わい曲、独島(日本名・竹島)問題で(日本に)大きな変化はない」と指摘。「韓国国民の立場からすれば、日本がまだ侵略と支配の歴史を正当化しているとの危惧(きぐ)を持つのは当然だ」と語った。~引用終了~う~ん、こういう時は、「あなたのおっしゃる国際社会ってどこの国かしら?」というべきなんでしょうか?米メリーランド大と英BBC放送が行った共同世論調査によれば、日本って意外に国際社会では信頼されてるようなんですけど…。勿論、韓国国民の立場は理解出来ますよ。しかし、こちらが必要だと考えて行っている憲法改正論議なのに、「韓国国民は気に入らない、止めろ!」と言われたからといって、はいそうですかと止めるようでは、主権国家とは言えません。日本国民にも立場というものがあるんです。それにです。韓国は現在、休戦中の北朝鮮の通常戦力が年々陳腐化しているのにも関らず、毎年10%近く国防予算を増額、イージス艦の建造など主に海軍力を増強してますよね?(外洋海軍を目指すとも仰ってます。)これはどう考えても北朝鮮対策とは思えないんですが…どう言ったワケで軍拡してるんです?また、世論調査でも韓国国民の約6割が、『核兵器を保有すべし』と考えており、「南北統一が実現すれば、北朝鮮の核兵器も我々のものだ!」と言った発言をする人もいると聞きますけど…。近年の北朝鮮寄りの政策を含め、心配性の私は…韓国の軍拡にも危惧を抱いてます。
2006年03月01日
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シュラクサイ―紀元前7世紀~紀元前4世紀に掛けて繁栄した古代ギリシア世界。哲学、科学、芸術などなど…現代に多くの遺産を残した古代ギリシア人達は、また、冒険心に富んだ人々でもあった。「互いに人見知りである事」を理想とする市民共同体、ポリス(都市国家)が養える人口は精々数百人~数千人程度、都市の人口が増え過ぎると彼らは故郷を離れ、海を渡り遠くイタリア、黒海沿岸等に次々と植民都市を建設して行く事になる。その中で、美の女神アフロディテを崇めるコリントスの民が、シチリア島に建設した植民都市を「シュラクサイ」と言う。…肥沃な大地と天然の良港に恵まれた「シュラクサイ」は多いに栄え、紀元前5世紀には母市コリントスを超える力を蓄える程になるのだが、友好的であったはずの原住民を征服して隷農とし、貴族政をしいた彼らは次第に増長、傲慢になり、周辺のポリスと衝突を繰り返すようになる。特にシチリア島北部に位置するポリス「ネタデワロス」とは西方貿易航路の権益を巡って、幾度も対立し、その度にネタデワロス商船を自慢の海軍で攻撃、交易品を略奪していた。クセノポンの歴史書『アナバシス』によれば、「ネタデワロス」市民は、商船が沈められる度に「シュラクサイ」のある方角に向かって、「シュラクサイ!シュラクサイ!シュラクサイ!」と憎しみを込め何度も叫んだと伝えられている。因みに、日本でも生意気な者に対して良く「しゃらくさい奴だ!」と言いうが、これは「ネタデワロス」での故事が、シルクロードにより日本に伝わった事で生まれた言葉であるという事実は、あまり知られていない。―民明書房刊 「ヘレニズムと日本語」より―
2006年02月28日
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25日、民主党の前原代表が静岡県で講演し、ライブドアの堀江貴文前社長が、自民党の武部幹事長の次男へ、選挙コンサルタント名目で3000万円送金するよう指示したとされる疑惑…所謂「メール問題」に関して、「巨大な闇があるという印象は微動だにしない。野党第1党として徹底的に追及し、真相を究明していく責任は果たし続けたい。」と発言したそうです。現在入院中の永田議員が、情報提供者から得たメールの信憑性に問題があっても、自民党の中に巨悪が存在する事実は変らない…というコトですか?う~ん、なんか、こういう話を思い出しました。20世紀初頭、『ユダヤ人達が非ユダヤ国家を衰退させ、ユダヤ教以外の宗教を撲滅し…最終的には世界征服を目論んでいる。』と言った感じの、…現在にも続く『ユダヤ陰謀論』の根拠された秘密文書が欧州世界で話題になっていました。その名は『シオンの議定書』(「シオン長老会の議定書」とも言うそうです。)ユダヤ人達が、1897年にスイスのバーゼルで開催した「第一回シオニスト会議」の議事録という触れ込みで、遠くは日本にまで広まったこの文書、実は1921年の段階で既に「ナポレオン3世批判の為に、フランス人弁護士が書いた文書の内容をパクって作られた偽書」という事が、イギリスのタイムズ誌の記事によって明らかにされています。しかし、アドルフ・ヒトラーというチョビ髭の元伍長は、この文書の内容に「真に魂を震撼させられ」、「歴史的に事実かどうかなどはどうでもよい。内容的に事実であれば体裁など論ずるに足らん。」と言い、ユダヤ人を迫害する根拠として『シオンの議定書』を徹底的に利用しました。独自の習慣を堅く守り、地元の文化と同化しようとしない異分子でありながら、世界の金融を支配、世界中で戦争を引き起こして富を貪る巨悪であるユダヤ人資本家(ヒトラーはそう信じて疑わなかった。そう言えば「ユダヤ資本」を「アメリカ軍産複合体」に置き換えたような絵本がありましたね。陰謀論を子供に吹き込むってどうなんでしょう?)を滅ぼす為なら、偽書を根拠にしても構わないと考えたのでしょう。…「メール問題」の騒動を見ていると、民主党執行部の人達が、ヒトラーと同じような「陰謀論という巨大な闇」に嵌りかけてるように思えて仕方ありません。(以前もイラクでの外交官殺傷事件において「アメリカの陰謀説」を唱えてましたね。民主党さんってもしかして陰謀論好き?堀江メールもなんかMJ-12文書みたいですし。)陰謀論に拘って現執行部が全滅したら、誰が次の民主党を背負うんです?もう賞味期限切れの人や、自爆体質の人や、自民党より闇が似合いそうな人とかしか残ってないじゃないですか。
2006年02月25日
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海自機密データ:「極秘」暗号書類などネット上に流出(毎日新聞)~引用開始~海上自衛隊の「極秘」と書かれた暗号関係の書類や、戦闘訓練の計画表とその評価書など、多数の機密データがネット上に流出していることが、22日分かった。流出した海自情報はフロッピーディスク約290枚分に相当する膨大なもの。約130の自衛艦船舶電話番号や顔写真付きの隊員名簿、非常時連絡網なども含まれており、防衛庁は事実関係について調査を始めた。軍事専門家は「トップシークレットの情報が含まれている」と警告。過去最大級の軍事情報漏えい問題に発展する可能性も出てきた。【サイバーテロ取材班】関係者によると、情報は、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに今月中旬に流出した。ファイルの内容などから、護衛艦「あさゆき」の関係者のパソコンが「暴露ウイルス」に感染したことが原因とみられる。~引用終了~そう言えば、以前から「Winny(ウィニー)」を入れたパソコンを仕事用に使うな。」とか良く言われてましたね。「Winny(ウィニー)」を利用していたとある漫画家のパソコンが「暴露ウイルス」(正式には「仁義なきキン○マ」ウイルスと言うそうで…)に感染、流出したデータの中に「代価を支払わずにダウンロードしたと思われる漫画やゲームが入っていた」事から、『同業者の著作権を踏みにじるのは、漫画家としてどうなの?』とファンから批判され、漫画家が窮地に立たされるという事もあったそうです。今回の事件はそう言った『プロとしてどうなの?』という部分も当然ありますが…。やっぱり、記事の中で軍事アナリストの小川和久さんの仰るように、他国の情報機関やテロ組織に「宝の山と成りうる情報」を得る機会を与えてしまった事、「日本の自衛隊の情報管理は杜撰で信頼に値しない」と諸外国に判断されるかもしれない事の方が問題ですね。情報技術の進歩によって、軍組織にもコンピュータ・ネットワーク化の波が押し寄せている現在、こう言ったセキュリティ対策の甘さは、国の安全保障を脅かす事態に繋がりかねません。まったく何やってるんでしょう。
2006年02月23日
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今日は竹島の日なので、それに纏わるお話を…揚陸艦『独島』基準排水量13000トン、全長200m。 2007年に就役予定の…外洋海軍(ブルーウォーターネイビー)を目指す韓国海軍の象徴と言える船です。(就役すれば韓国海軍最大の水上艦となる。)しかし、隣国日本と領土問題で揉めてる島の名前を、よりによって敵地に軍隊を上陸させる事を主な任務とする強襲揚陸艦の艦名にするなんて…韓国の日本に対する一種の『甘え体質』が伺えます。もし、海上自衛隊の輸送艦(揚陸艦)を竹島と命名したら…果たして彼らは「遺憾の意を表明する」だけで済ますでしょうか?さらに、この『独島』という船には、不可解な部分が存在します。不可解な点 その(1)搭載する国産LCAC(エアクッション式揚陸艇、高速で戦車などの重量物を目的地に運ぶホバークラフト)の積載能力不足で、自国の主力戦車K-1(戦闘重量約51トン、それに対し国産LCACの積載能力は約22トン)が運べない。不可解な点 その(2)「世界の艦船」誌によれば、空母のような全通型飛行甲板を持つのに、運用すべき大型ヘリコプターが韓国軍には無い。(榴弾砲や装甲車両を運ぶのに苦労する?)不可解な点 その(3)揚陸艦が搭載するにしては、レーダー(フランスのタレス社製)がオーバースペック。ジェーン年鑑に書かれているように、後々、軽空母化するつもり?にしては、やや低速ですが…。(独島の速力は23ノット、それに対し韓国が保有する水上戦闘艦は29~30ノット。揚陸艦としてはそう遅いワケじゃないんですが、水上戦闘艦と行動を共にするには鈍足ですね。)…なんというか、彼らの主張する「竹島が韓国領であるという証拠」並に理解し難い船です。子(揚陸艦)は親(独島という存在)に似るという事ですか?
2006年02月22日
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防衛機密保全へ包括協定 国会議員も処罰対象 日米政府方針(産経新聞)~引用開始~日米両政府は二十九日、共有する防衛機密の漏洩(ろうえい)を防ぐため、新たに「軍事情報に関する一般保全協定」(GSOMIA)を締結する方針を固めた。在日米軍再編に伴う連携強化や、ミサイル防衛(MD)の共同開発における情報の共有を進めるうえで、機密保全のための包括的な枠組みが不可欠だと判断した。機密保全の観点から日米同盟を強化する措置ともいえる。漏洩の処罰対象に国会議員を含めることも検討している。~引用終了~以前から指摘されている方が何人かいましたが、公安が、ヤマハ(軍事転用可能な無人ヘリ)やミツトヨ(核兵器開発に転用可能な精密測定機器)などの不正輸出を、短期間に、連続して摘発したのは、今回の「防衛機密保全へ包括協定」締結に向けた、世論の下地作り…という意味があったのかもしれません。MD以外にも…近い内に耐用年数を迎える航空自衛隊のF-4EJ戦闘機の後継となる機体が、機密の塊であるステルス戦闘機、F-22Aになる可能性が高い、という話もあります。これら、軍事的価値の高い兵器を導入する為には、防衛機密の漏洩を防ぐ努力がどうしても必要なのでしょうね。しかし、処罰対象に国会議員を含めることも検討しているとは…。それだけ、旧共産圏諜報機関の得意技である、『女性問題などをネタに脅し機密情報を引き出す「ハニートラップ』に引っかかってる議員さんが多いってことですか?
2006年02月20日
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高砂義勇兵慰霊碑 台北県が撤去要請(西日本新聞)~引用開始~【台北17日遠矢浩司】日本からの募金で撤去の危機を免れ台湾北部・烏来郷で今月八日に落成式があったばかりの「高砂義勇兵」慰霊碑について、一部地元メディアや立法委員(国会議員)から「軍国主義的だ」との批判がおこり、設置された公園管理者の台北県政府(県庁)は十七日、遺族団体に碑の撤去を求めた。県当局は「行政のミスもあったが、環境規定などに適合しておらず、碑文も公有地に建てるものとしては不適切」として、一週間以内に設置者が撤去しなければ県が強制撤去するとしている。碑は、日本統治下の台湾から日本兵として従軍した台湾先住民を慰霊するもの。先住民タイヤル族の団体「台北県烏来郷高砂義勇隊記念協会」(簡福源理事長)が設置。落成式では李登輝前総統や日本の対台湾交流機関「交流協会」台北事務所代表らが祝辞を述べた。~引用終了~台湾では、人口比で約15%に過ぎない外省人(親中派が多い)が実質メディアをコントロールしているそうで、今回の出来事は、落成式にも参加した李登輝前総統(反中国、親日的発言の多い方ですから)叩きの一環なのかもしれません。そもそも、外省人的に日本軍として戦い、亡くなった台湾先住民を評価したりする義理なんて無いでしょうし。(国民党軍と日本軍は大戦時、敵同士でしたからね…中国共産党は両者が消耗した結果、中国大陸の支配権を獲得出来た…という見方もありますから)しかし、公園を管理する県当局が撤去を求めている言うのが何とも…簡理事長は「設置は県に正式に申請したもの。」と仰ってますが、向こうでは一度出た設置許可がこうも簡単に翻されるんでしょうか?(しかも移設が完了した後で、1週間以内に撤去しろって…)それとも靖国神社でも騒動を起こした、先住民のフリをした外省人、高金素梅・立法委員やその支援者の圧力が県当局を動かす程のものだったのか…いずれにしても、なんとか穏便に解決出来ないモノですかね。移設資金の極々一部を募金した私にとって、とても残念なニュースです。
2006年02月18日
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「中国脅威」発言:那覇基地司令に口頭注意 空幕長(毎日新聞)~引用開始~航空自衛隊那覇基地の滝脇博之司令(54)が「中国は沖縄の自衛隊にとって脅威」などと発言したことに対し、吉田正航空幕僚長は17日、防衛庁に本人を呼び、不適切な発言として口頭注意した。滝脇司令は15日、記者との懇談の席で、「軍事力増強を図る中国は沖縄の自衛隊にとって脅威」「空自の戦闘機が下地島空港に配備できれば非常に有効だ」などと発言。これが報道されたことで沖縄で波紋が広がった。滝脇司令は私的な見解と述べ、報道されると認識していなかったと防衛庁に説明した。~引用終了~う~ん『中国主導の核戦争になれば、 軍幹部は西安より西側内陸部にある核シェルターに避難できるので安全保障上の問題はなく、 対米関係で核兵器の抑止には米軍の十分の一で解決できる。中国主導で全面核戦争が起これば、地形が複雑で農村地域に人口が分散している中国は生存率で他国より有利で、 世界全体で人口が激減しても国別の人口では優位。中国政府は一切の幻想を捨て、 十年以内に全世界の人口の半分以上を消滅できる核兵器を保有し、 核戦争開始直前に軍隊を用いて西シベリアやモンゴル、中央アジア諸国へ強制的に中国人口の半分に当たる避難民を大量移動させ、 核攻撃にさらされる中国沿海部は完全放棄すべきだ 』―中国人民解放軍の朱成虎少将が2000年に軍機関紙「解放軍報」に発表した論評の一部―(相変わらず、共産中華のエリートにとって、民衆は人口統計上の数字扱いですか?というか中国沿岸部の富裕層に個人的恨みがあるんでしょうか?…そんな彼でも、軍内部では結構人気があるんだそうで。)とか、『台湾海峡での戦争の勃発を阻止するため、 或いは遅らせるためには、我々の戦略基点を 「対等の戦略決戦」の水準に上げなければいけない。 つまり、共倒れの戦争プログラムである。もし我々が台湾海峡での戦争を勝ち取ることができなければ、 その結果は、甲午戦争よりもさらに惨めになる。それを避けるには、戦争が起きたら、日本を全面壊滅させ、 米国を機能麻痺させなければならない。この目的を達成するためには、核を使うしかない。』 ―遅浩田(元中国国防長官、中国中央軍事委員会副委員長)―(これも拡大解釈すると自衛の範囲?)とかいう発言に比べれば、大人しいものだと思いますけどね。(発言内容も現実に即したものですし、シビリアンコントロールを逸脱しているとは言えないでしょう。)…というか、こんな人達が人民解放軍の中央に存在してるという事自体が、ある意味、日本や周辺国にとっては脅威かと。特定の国を脅威だと言うのが問題なら、永世中立国スイスの国防政策の立案に携わったH・R・カーツ博士の言葉を真似て、「日本に想定敵国はない、わが国に侵略してくるものすべてが敵である。」という事にします?
2006年02月17日
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「日本ドラマ『西遊記』がアジアに衝撃」(朝鮮日報)~引用開始~フジテレビのドラマ『西遊記』がアジアに衝撃を与えたと英BBCニュースが16日、報道した。 BBCニュースは「サルのマジックがアジア全体に呪文をかけた」(Monkey magic casts spell in Asia)という見出しの記事で「過去最高の人気ドラマ『西遊記』のリメーク作が、今アジアに衝撃を与えている」と伝えた。 BBCは「1978年の原作をリメークした新『西遊記』が先月、日本で視聴者4人中1人を魅了した」とし「同ドラマは現在、韓国、台湾、香港、シンガポールで放映されることが確定しており、タイ、中国、マレーシアからも版権購入の問い合わせがある」と付け加えた。 BBCニュースは『西遊記』のこうした成功の秘訣について「日本最高の人気グループSMAPのメンバー香取慎吾を主人公孫悟空役にキャストしたのが功を奏した」と診断し、「香取は堺正章につ続き、25年ぶりにサルを演じた俳優」と説明した。 また、各種華麗な特殊効果と派手な武術などにより作り出される幻想的なドラマと孫悟空が雲に乗って移動しながら如意棒を使う場面など、原作に忠実な要素が興味をかき立てていると分析した。 ~引用終了~なんだか、唐沢寿明バージョンや本木雅弘バージョンの「西遊記」が無かった事にされているような気がしますが…フジテレビのドラマ『西遊記』が今、アジア各国のテレビ業界で注目されてるようですね。でもなんで、イギリスのBBCがゴダイゴの例の主題歌をもじったニュースを…イギリスでも昔放送してたんでしょうか?しかし、マチャアキバージョンの西遊記の再放送を見て育ち、(小学生の頃、午後4時から放送してました)私の中で「あれこそ西遊記」とイメージが固定されてるからか…私的にはなんであんなに視聴率が良いのか理解出来ません。(出演者が豪華だから?)「各種華麗な特殊効果と派手な武術」と言っても、深夜放送で「西遊記」の十分の一程度の予算で作ってそうな、大きいお友達向けの特撮「牙狼~GARO~」に比べると新春かくし芸大会にしか見えませんし…。アクションなら香港とか、アジアのドラマの方が凄いんじゃないですか?
2006年02月16日
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ウサギ殺し運河に捨てる=少年3人「ゲームのつもり」-警視庁(共同通信)~引用開始~東京都江東区の小学校で飼育されていたウサギをけり殺し捨てたとして、警視庁少年事件課は15日までに、動物愛護法違反などの疑いで同区の無職少年(18)を逮捕、別の窃盗事件で逮捕されたいずれも18歳の無職少年2人を同法違反容疑で追送検した。3人は公園で約15分間、ウサギを取り囲み、逃げようとするとけって虐待。「ゲームのつもりで、サッカーのようにけっていてエスカレートした」と話している。2人はこの小学校の卒業生だった。~引用終了~小動物を虐待して喜ぶ輩は昔から結構いるもんです。なので事件自体はそう驚く程の事では無いのかもしれませんが…18歳にもなって、「ゲームのつもりで、ウサギを蹴り殺しました。」ですか?とある学者が研究対象を碌に調査せず書いたような、『ゲーム脳の恐怖』なんてトンデモ本が売れる世の中だし、「ゲームに影響を受けて○○な悪さをしました。」とでも言えば、「ああ、彼らは低俗なサブカルチャーの悪影響を受けた…ある意味被害者なんだ。」などと言った同情を買えて、罪を軽く出来ると思ってません?(もしくは、こう言い訳する事で自分の馬鹿さ加減を誤魔化せると思ってる?)そんなワケありませんよ。
2006年02月15日
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1月23日の日記で、「冷戦期から日本企業は軍事関連技術の輸出に関して、無神経というか無責任」などと書きましたが…今度は日本企業が核関連機器を不正に輸出していたというニュースが…。しかも、その核関連機器が北朝鮮に流出した可能性もあるそうで…ホント、何やってるんでしょう。川崎の精密大手 核関連機器を不正輸出 警視庁、あすにも強制捜査 北に流出か(産経新聞)~引用開始~核兵器開発に転用可能な精密測定機器「三次元測定器」を中国とタイに無許可で輸出していた疑いが強まったとして、警視庁公安部は外為法違反(無許可輸出)の容疑で十三日にも、川崎市の大手精密機器メーカーの強制捜査に乗り出す方針を固めた。警視庁は三次元測定器がタイなどを経由して、北朝鮮に流出していた疑いがあるとみて調べている。同社製品はIAEA(国際原子力機関)がリビアで核査察した際に発見されており、警視庁が捜査を進めていた。調べでは、このメーカーは平成十三年、外為法の輸出貿易管理令などで輸出が制限されている三次元測定器と、付属ソフトウエアを経済産業相の許可がないまま中国とタイに輸出していた疑い。三次元測定器は核兵器の製造過程で重要なウラン濃縮用の遠心分離機の管理などに利用される。~引用終了~冷戦末期、ヨーロッパでは、「知っているか?ソ連の弾道ミサイル「SS-20」の誘導装置には、日本製のICが使われているんだぞ」などという噂がまことしやかに流布されていたそうです。、(小学校時代の担任も「ソヴェエトの戦闘機が積んでいるコンピューターは日本製だ」と言ってましたね。)これは当時、世界の汎用ICの生産シェアの半分を日本が握っていた事に対する、欧米人の反感から生まれた都市伝説の一つなのかもしれませんが…今回の事件は「知っているか?北朝鮮の核爆弾に入ってる濃縮ウランは日本製の機械でつくられてるんだぞ」と言われかねません。ただでさえ、ノドンやテポドンには日本の民生品が使用されていう噂があるのに…
2006年02月13日
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2月2日の日記で、社民党が自衛隊を「違憲」とする宣言案を作成している事について色々書きましたが、2月11日に開かれた第10回定期党大会でこれが「社民党宣言」として正式に採択されたようですね。社民党大会「自衛隊違憲」を宣言(読売新聞)~引用開始~社民党は11日、党本部で開いた第10回定期党大会で、自衛隊について「現状、明らかに違憲状態にある」とした「社民党宣言」を採択した。宣言は、自衛隊の将来的な「解消」にも言及して、「非武装の日本を目指す」とした。社会党時代の1994年に自衛隊合憲論に転じた社民党は、再び違憲論を鮮明にした。福島党首はあいさつで「武力行使を行う米軍支援のために、イラクまで派遣された自衛隊が憲法の枠内にあるとは言えない」と述べた。そのうえで、憲法9条堅持の必要性を強調した。憲法改正の手続きを定める国民投票法案の国会提出にも反対する考えを表明した。~引用終了~自衛隊が違憲か合憲か、色々な意見があるかと思いますが…今回の社民党の政策転換を批判している民主党の前原誠司代表などは、9条2項の『戦力を保持しない』という項目を素直に読めば、「どう考えても、自衛隊は憲法違反だ。」と主張しています。だから、国の権利である自衛権を憲法に明記すると共に、9条2項を改正すべき…というのが彼の自論のようですね。(私的に、前原代表の安全保障に対する考え方には、色々と疑問をもっているんですが、こと憲法9条改正問題に関しては、概ね同意出来ます。)う~ん、「自衛隊は違憲状態にある。」という所までは、社民党と同じ考えでも、「なら、自衛隊をどうするか?」という所で、考え方が正反対になってしまってますね。どうして社民党の人達はこう頑なに自衛隊の存在を否定するのでしょう?また、どうして自衛隊の抑止力無しで日本の安全保障が成り立つと考えているのでしょうか?私は石橋正嗣元社会党委員長が書いた幻のベストセラー『非武装中立論』(現在絶版)が未だ彼らの安全保障政策に強く影響しているのでは?と考えています。その中に「あ~これか」という部分があったので、少し引用してみますね。『(非武装中立が成り立つ)まず第一の理由として、周囲を海で囲まれた日本は、自らが紛争の原因をつくらない限り、他国から侵略される恐れはないという指摘したいと思います。これらは歴史的に明らかな事であり、日本の場合のほとんどすべてがこちら側の侵略によって、戦争がはじまっているのです。』(石橋正嗣元社会党委員長 『非武装中立論』より)…なんと言うか典型的「こちらが何もしなければ、危害を加えられるハズはない」論ですね。「頭が産業革命以前のまま」と言った感じです。石橋氏は産業革命の技術革新で汽船が発明された後、欧州列強が海洋によって守られていたハズの地域を次々と植民地化していった歴史をどう考えていたのでしょう。江戸幕府の鎖国政策がペリー艦隊の圧力で崩壊した歴史も忘れちゃったんでしょうか?
2006年02月12日
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安倍晋三内閣官房長官。言わずと知れた、ポスト小泉…次期首相候補の筆頭とされる政治家ですが、拉致が明らかになる以前は、その北朝鮮に対する強硬姿勢から、自民党内でも浮いた存在だったそうです。当時はまだ、「拉致問題は重要だが、それを理由に北朝鮮との対話の窓口を閉ざすべきではない。」(と言いつつ、拉致被害者家族に対しては冷淡だった。)と主張し、北朝鮮に米支援を続けて来た対北融和派の野中広務、加藤紘一、河野洋平らが党内で大きな力を持ってましたからね。それに、公の場で北朝鮮にあれこれ文句を言う事は、国会議員としてはかなり勇気のいる行為でした。何せ政界(というか日本)三大タブーの一つ、総連こと「在日本朝鮮人総聯合会」を敵に回すんですから。「票にならない拉致問題で、強力な圧力団体である彼らを敵に回すのは…」と言った感じで、北朝鮮を擁護せずとも、積極的に拉致問題に関る事を避けた議員は沢山いたと思われます。(因みに対北融和派の野中広務氏は政界(というか日本)三大タブー対策のシュペシャリストとして辣腕を振るい、自民党内の地位を築いた人物です。)まあ、そう言った状況下で所謂「ぶれない姿勢」をとり続けた結果が今の安倍人気なんでしょうね。しかし、彼には大きな弱点がある…と私は見ています。その弱点とは、彼の吃音(どもる)癖の事です。テレビ番組で、国会答弁で、記者会見で、どうしてもどもってしまう彼を見てると、なんだか学芸会で子供の微妙な演技を見ている父親のような気分になってしまうんですが…(向こうがかなり年上なのにw)弁舌でもって、自分の考えを国民に伝え、理解、支持してもらわなきゃいけない政治家としては、これは少々マズイのではないでしょうか?(それともこれに母性をくすぐられる奥様方がいるからあの人気?)とかなんとか考えていたら…過去に同じような弱点を持ちながら、それを克服して雄弁家として歴史に名を残した人をふと思い出しました。古代ギリシアはアテネイの人、デモステネス(AD384~AD322)。紀元前4世紀…都市国家、ポリス制度が行き詰まり、黄昏を迎えた時代にあって、ギリシア全土征服の野心に燃えるマケドニアの王フィリポス(アレキサンダー大王の父親)にその雄弁の才で挑んだ人物です。(ギリシアの諸ポリスと比べ、文化も産業も未発達だった小国マケドニアを一代で、大国ペルシアと喧嘩出来る強国に変えたフィリポス王が、アレキサンダー大王に比べていまいち不人気なのは、後世に伝わるデモステネスの反フィリポス演説の「悪口」が原因と言われています。)デモステネスには安倍氏と同じく雄弁家としては致命的な吃音(どもる)癖がありました。しかし、生真面目で努力家である彼は、ある方法でその癖を克服したそうです。その方法とは…「小石を口に含んで、坂道を走り回る」………。え~と…安倍さん、駄目もとで試してみます?
2006年02月11日
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日朝包括並行協議が8日に閉幕しました。結果は大方の予想通り「協議継続で一致したのが最大の成果」と言った感じでしたね。しかも北朝鮮側は譲歩するどころか、日朝平壌宣言で提起された経済協力方式にる「過去の清算」とは別に、○従軍慰安婦や強制連行に対する補償(政府の調査では強制連行を示す証拠が無かったのにも関らず、韓国政府の要請で、「官憲等が直接加担したこともあった。」と当時の宮沢政権が河野談話で認めてしまったツケがここでも…)○差別を受け続ける在日朝鮮人に対する適切な措置(破綻し、整理回収機構の影響下にある在日朝鮮人系の信用組合を昔通り将軍様のATMとして使いたい?)○関西大学教授、李英和氏など脱北支援者7人の引き渡し(…ごめんなさい、こんな時どんな顔をして良いかわかりません。)などを要求したそうです。なんというか…「協議は平行線に終わった」どころの話ではないですね。米国の金融制裁の影響で北朝鮮が譲歩をしてくるかも…と淡い期待をしていた政府内の楽観論者は絶句したのでは?こうなると、経済制裁は行うべきだという声が今まで以上に高まる事は避けられないでしょう。…では、実際に経済制裁を実行するとして…日本国内に危険は無いのでしょうか?北朝鮮は「経済制裁は即、宣戦布告と見なす」という態度を取ってますし…。今回はその問題を少し考えてみたいと思います。○想定1 北朝鮮の通常戦力による日本侵攻まず、村上龍の小説のように北朝鮮の大軍が輸送機に乗って日本国内に押し寄せる可能性は、限りなくゼロに近いでしょう。レーダーに写らない木製のAntonov-2輸送機なら気づかれずに日本領空に進入可能…なワケありません。木製と言ってもエンジンは金属製ですから、当然レーダーに写ります。また北朝鮮空軍が保有する他の航空機も殆どが旧式で整備状況も悪く、燃料不足からパイロットの訓練にも事欠く状態です。(1996年に韓国に亡命した北朝鮮のミグ19戦闘機はビス一つ満足にしまってなかったそうです。)…では船を使って海上から兵隊を運べるかと言えばこれも困難ですね。北朝鮮海軍が保有する艦艇は、これまた大半が小型の老朽艦で自国の沿岸を守るので精一杯という状態です。北朝鮮人民軍は27個師団95万人という巨大な常備軍を保有していますが、日本海という大きな壁に阻まれ、それを日本本土に運ぶ手段がありません。専守防衛に特化した自衛隊と北朝鮮とではそもそも「戦争」という状態が発生しえないというのが実情でしょう。○想定2 特殊部隊や工作員によるテロ、ゲリラ攻撃北朝鮮特殊部隊による対日破壊工作…これを危惧する専門家は多いようですが、半世紀以上も北朝鮮軍の動向を注視し、実際、第二次大戦後の混乱期に韓国国内の共産ゲリラと戦った経験のあるペク・ソニュップ退役大将は、戦史研究家、藤井久氏のインタビューでこう述べています。『日本のように交通網や情報網が発達したところでは、そうした非正規戦はおそらく成功しないだろうと考えています。日本の人はあまり認識していないようですが、日本という国は極めて治安がよい、それは日本人の従順な国民性から、官憲に対して国民がよく協力するからでしょう。そういう国で何か起これば、すぐにゲリラの仕業と分かるから、対応は簡単です。もちろん、日本が他国と地続きではなく、海で隔たっている事もゲリラ活動を大きく阻害しています。日本がそれほど神経質になる必要もないでしょう。』(別冊宝島Real051「北朝鮮<空爆>へのシナリオ」より) ペク氏が言うようにテロやゲリラ活動を続けるには、地元の民衆の支持と協力が不可欠ですし、正規軍の攻撃から身を守る場所「聖域」が必要です。(実際イラクでの過激派のテロは多数の民衆を巻き込むようになってから、民衆の支持を失いその活動は縮小傾向にあるようです。日本のマスコミの報道とは裏腹に)通り魔的な破壊工作に対する注意は必要ですが、政府が適切な対策を講じ、我々国民がそれに協力するなら、致命的な状況…原発や変電所等、国内のインフラが破壊され国内が大混乱に陥るのを防ぐ事も充分可能でしょう。○想定3 ノドンやテポドン等の中距離弾道弾による攻撃もっとも厄介なのがこれです。日本はミサイル防衛(MD)の導入を決定したものの、まだ稼動状態にはありません。現状で頼りになるのは、弾道弾迎撃用のミサイル、スタンダードSM-3を運用可能なMD対応艦であるアメリカ海軍のイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」とイージス巡洋艦「レイク・エリー」の2隻でしょうか…両艦共、ミサイル防衛の一環として、北朝鮮近海の日本海に配備された経験があります。(現在も?また、興味深い事に新潟の市民団体は両イージス艦の日本海配備に対して反対運動を展開しています…『MDは防衛という名の先制攻撃システムだ』という理由で)ただ日本のMDが稼動状態になったとしても…仮に日本のこんごう型イージス艦4隻のMD改修や地上配備型のペトリオットPAC-3ミサイルの配備が終了したとしても、ノドンやテポドンを100%迎撃出来るとは限りません。(現状では無いよりマシという程度。)より確実に、ノドンやテポドン等の中距離弾道弾による攻撃を防ぎたいなら、発射される以前にミサイル発射台を叩くのがベストですなんですが、これは現在の自衛隊の能力や政治外交上(事実上先制攻撃になる)、日本単独で行うのは難しいでしょうね。まあ、ノドンやテポドンによる日本攻撃は、それが喩え通常弾頭であっても、北朝鮮という国家体制の崩壊を意味しかねない暴挙と言えます。それに核弾頭や化学弾頭などの大量破壊兵器さえ付いていなければ、軍事的効果はありません。(テポドンの弾頭が運べる重量はほぼ1トンで戦闘機1機が搭載できる爆弾と同程度、しかも目標を精密攻撃出来ない。)で、北朝鮮が中距離弾道弾に搭載出来る核兵器の小型化に成功してるかと言えば、まだその段階に達していない…と思われます。(核兵器の小型化には核実験が必要不可欠と言われてしますが、現在北朝鮮は核実験を行っていません。ただし、パキスタンから核実験のデータを入手しているという可能性もありますから、そう楽観は出来ません。)勿論、最悪のケースを想定し高度な迎撃システムの開発や配備、…出来れば抑止力となる限定的な基地攻撃能力も必要だとは思いますが、「弾道ミサイルで東京を火の海にする」「経済制裁は即、宣戦布告と見なす」などという北朝鮮の恫喝に右往左往せずに落ち着いて、北朝鮮の瀬戸際外交に乗らない事が最も効果的な対抗策なのかもしれませんね。
2006年02月10日
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第二次世界大戦で敗戦国となった日本とドイツは、東西冷戦の始まりと共に、日本は日米安全保障条約ドイツは北大西洋条約機構(NATO)(東ドイツは1946年にベルリンで行われた総選挙での社会民主党の勝利で、非共産党政権が成立する事を恐れたソ連の都合で誕生した国ですから、今回はドイツ=西ドイツで話を進めてます。)と、それぞれ対ソヴィエトを意識した軍事同盟に加盟する事になります。ですが…この二つの軍事同盟、対東側陣営向けとは単純に言い切れません。1948年にイギリス、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの五カ国によって、NATOの前身である集団防衛機構(早い話が軍事同盟)、西方連合(WU)が成立しましたが、この同盟はなんと「ドイツの侵略に対抗する事」が主目的として謳われていました。日本が受けた戦略爆撃の数倍の量の爆弾を投下し、ドイツの国土を徹底的に破壊、諸悪の根源であるヒトラーを自殺に追い込んでもまだ、欧州各国はドイツを恐れていたのです。なら、二度と悪さをしないように徹底的に無力化しようというワケで、ドイツを非武装かつ原始的な農業国に改造しようなどという案が出たりしました。が、それは実行したとすれば第一次大戦後の食料搬入封鎖やヴェルサイユ条約などの過酷な措置が、怪物ヒトラーを生み出したように…ロクな結果にはならなかったでしょうね。戦争慣れし、勝ち慣れ…負け慣れているドイツ人は、「敗北したら武器を捨て、相手に総てを委ねよう。」なんて東洋の君主国の国民のようには考えないでしょうから…。では、どうするか?イギリスのイーデン外相はごねるフランスを宥めつつ、ドイツを自分達の軍事同盟に組み込む事で、西欧各国の安全を図ろうとしました。「敵に回すのが怖いなら、味方にすれば良いじゃない。」(マリー・アントワネット風)というワケですね。(これはヴェルサイユ講和会議で「ドイツを経済的に繁栄させる事で欧州の平和を保つべき」と主張した、経済学の大家、ジョン・M・ケインズの案の復活と言えるかもしれません。)ドイツに同盟という名の枷をはめ、その力をソヴィエト対策に利用する…この案は大戦後のドイツ問題を解決する方策としてはベストと言って良いものでした。ドイツは冷戦終結までNATO最強の陸軍国として鉄のカーテンの西側の最前線を守り、西欧世界の信頼に応えたのですから…。日米安全保障条約もまた、アメリカのプレゼンスによって極東地域の安全を保障するという意図の他に、日本の軍事大国化を抑制する枷…という意図があると言われています。(もしくは、かつてそういう意図があったと言うべきでしょうか?)ですから、もし非武装中立を公約とする党が政権を取り米国に在日米軍の撤収を要求したりしたら、「日本は枷を外して軍事大国化するつもりだ!」と彼方此方から非難されるかもしれませんね。
2006年02月08日
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耐震強度偽装問題やライブドアの堀江氏の逮捕、皇室典範改正問題などなど、最近ニュースが多すぎて忘れてましたが…もうすぐ冬季オリンピックが開幕するんですね。トリノ五輪 ニッポンガンバレ? 小学校の子供たち(毎日新聞)~引用開始~冬季五輪会場となるイタリア・トリノ市内から車で西へ約50分。小さな町ロスタにあるカルロ・コロディ小学校の教室に入ると元気な歌声が響いてきた。98年長野冬季五輪から始まった「一校一国運動」で、日本を応援する5年生の子供たちだ。 担任のステファノ・コロンビ教諭によると、約50カ国の中から子供たちが日本を選んだ。 「国旗が太陽みたいで面白い」からだ。その日の丸は、日本の神話を劇にして演じた時に、 子供たちが掲げた。着物も自分たちで作ってみたし、漢字やカタカナも習った。ゲームやアニメ以外の日本について興味が高まったという。五輪を通じた国際交流の輪が広がっている。 赤い着物が気に入ったというベアトリーチャ・ベルトラーノさん(10)は「日本の選手に活躍してほしい。でも五輪はイタリアを応援する」と恥ずかしそうに笑った。~引用終了~イタリアのみんな!日の丸は、「太陽みたい」じゃなくて「太陽をそのものモチーフにした国旗」なんだよ。良ければ覚えておいてね。…でも、良いですねぇ。お隣の国で「日の丸」と言えば、もっぱら燃やしたり、引き千切ったりする対象のようですし、(某国の外交官に言わせれば「国旗を燃やされるようになって初めて一人前の国になれる」そうですがw)国内でも「日の丸」を忌むべき存在であると学校で教える先生も多い聞きます。ですから、「日の丸」を切欠に日本の文化に興味をもってくれたなんて聞くとなんだか嬉しくなっちゃいます。それにしても「日本の神話を劇にして演じた」って何を演じたんでしょう?イザナギ、イザナミの話はギリシア神話に似たような話があるとは言えヘビーですし…やっぱり一番無難そうな「因幡の白ウサギ」?
2006年02月07日
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中日新聞さんが若者と小泉政権に対し、現在放映中の映画「男たちの大和」を絡め、「先人の教訓を継承していない」とお怒りになってるようです。敗れる前に目覚めよ(中日新聞社説)…う~ん。未だに「片道分の燃料しか与えられず」とか書いてるあたり中日新聞さんこそ、本当に過去の歴史を教訓としているんでしょうか?(他にもツッコミ所満載なんですが…)「昭和の初期、革新官僚、革新将校と呼ばれた人たちが日本をしだいに泥沼へ引きずり込んでいった、歴史上の事実を思い起こします。」とも書いてますし…。確かに、政府や軍中央の意向を無視し暴走を始めた軍部のエリート達が日本を滅亡寸前まで追い込んだ…というのは、まあ事実と言って良いでしょう。しかし、彼ら(石原莞爾など)の独断専行を批判するどころか、支持して世論をミスリードし、政府に彼らの行動を「義挙」として認めるよう圧力をかけたのは、他でもない…マスコミのみなさんじゃないですか。(日露戦争の後始末中に戦争継続を主張して国民を煽り、大規模な暴動を発生させ和平を仲介して米国の対日感情を悪化させた責任も重いですね。)なのに戦後になって「当時は軍部に圧力を掛けられていたから…」と、他者に自分達の責任を押し付けたマスコミに旧軍のエリート達を批判する資格は無いと思いますよ。まして「最近の若者は」みたいに紀元前から使い古されてきた愚痴をこぼすなんて呆れてしまいます。メディアが散々ヨイショ(かつての旧軍エリートにそうしたように)した堀江氏に影響を受けた拝金主義の若者も確かにいるでしょう。しかし、歴史を教訓として堀江氏に批判的だった若者もまた存在するのです。(まあ、私は生理的に嫌いだったんですけどwまだまだ勉強不足です。)「先人の教訓を継承していない」のはあなた達の方ではないですか?
2006年02月05日
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広島県民会議が放送自粛要請(中国新聞)~引用開始~青少年育成広島県民会議(上田宗冏会長)は二日、青少年の育成上、「特に好ましくない」としてテレビ番組七つを挙げ、放送自粛を求める要請文を民放テレビ局と番組スポンサーに送ると記者会見で明らかにした。県民会議は昨年六月、広島など県内四市で小中高生や保護者らにアンケートし千三十六人分を回収。ほぼ同時期に、母親でつくる市民団体が午後六~十一時の全番組を視聴。双方の結果を「総合判断」して選んだ。七番組は、ロンドンハーツ、クレヨンしんちゃん、土曜ワイド劇場(テレビ朝日)▽水10!、めちゃ×2イケてるッ!(フジテレビ)▽キスだけじゃイヤッ!(日本テレビ)▽爆笑問題のバク天!(TBS)。要請文は、言葉遣いや描写、他人を中傷するような言動が子どもたちに与える影響を否定できないなどと指摘。「放送を控える見識と姿勢を持ってほしい」としている。東京都内の民放キー五局と県内の民放四局、番組スポンサー六十八社への郵送を同日から始めた。県民会議は、PTAや青年会議所など約九百六十の団体・個人で構成。事務局は県青少年室に置き、県は本年度、事業費の約六割の約二千五百万円を補助している。~引用終了~あの~こういうのって、逆に槍玉に挙げられてる番組を、PTAのみなさんの労力で宣伝してるのと同じじゃないですか?そもそも青少年…というか子供は「タブー」に触れるのが大好きです。私なんかも小学生の頃、悪友達と共に近所の土手に大量に捨てられてるエッチな本を木の枝でめくって、(直接触れるという一線は越えてはいけないような気がして…いい加減ヨゴレな私にもこんな時期あったんだなぁw)ドキドキしたものですが、自分がいけない事をしているという意識は充分にありました。大人達が「有害な情報」(その定義も曖昧なモノですし)を子供達の前から無くそうと努力しても、この情報化社会で、子供を「情報の無菌室」に入れて育てるなんて不可能ですよ。子供達自身は様々な手段を用いて「有害な情報」を手に入れようとするでしょう。思うに、青少年の健全な育成に必要なのは、こう言った番組に文句をつける前に、子供達がこの種の情報を前にした時に「いけないモノを見ている」と感じる感性を育てる事では無いでしょうか?情報の遮断が不可能なら、情報の受け手である子供達のメディアリテラシーを磨けば良いんです。例えば、木曜洋画劇場を一家で見てる時には、ラブシーンになった瞬間、お父さんは新聞を広げ、お母さんは台所に行きお茶碗を洗い出すよう、常に用意しておくとかwまあ…確かに「ロンドンハーツ」や「キスだけじゃイヤッ!」は酷い番組だとは思いますし、安易に下ネタに走る若手芸人はなんだかなぁ~とは思いますけどね。でも、「クレヨンしんちゃん」ってそんなに低俗ですか?なんかアニメーション等は特別規制が厳しいような気がしますね。(だから深夜の時間帯に放送するアニメが多い?そう言えば、特撮番組も連続幼女誘拐殺人事件の犯人が人造人間キカイダーのビデオを所持していたという理由で数年間規制されたそうです。)
2006年02月03日
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自衛隊「違憲」と転換 社民が宣言案(共同通信)~引用開始~社民党が11、12両日の党大会で採択する新たな綱領的文書「社会民主党宣言」の最終案が1日、判明した。自衛隊について、旧社会党時代の1994年に当時の村山富市首相(委員長)が打ち出した合憲・容認路線を放棄し「現状、明らかに憲法9条に違反する」と明記。自衛隊を国境警備、災害救助、国際協力などの任務別組織に改編することで「解消」し「非武装の日本を目指す」ことも盛り込んだ。最終案は2日午前の党常任幹事会で了承される。~引用終了~う~ん、「非武装の日本を目指す」ですか…未だに社民党では石橋正嗣の「非武装中立論」が聖書のような扱いを受けてるんですかね?(個人的にはアイアンマウンテン報告書とは逆ベクトルのネタ本としか思えませんでしたw)まあ、国境警備の組織を残す…としているあたり、非武装中立論者の約束の地、コスタリカの影響もあるのかもしれません。(コスタリカには軍隊は存在しませんが、比較的重武装の国境警備組織が存在します。それに有事には徴兵すら可能だそうですから、非武装国家というにはかなり無理がありますね。他にもリヒテンシュタイン公国という非武装の小国がありますが、この国は隣国スイスに安全保障を任せてます。)しかし…自衛隊を三つの組織に改編するなんて、ポストが増えて官僚は喜ぶかもw
2006年02月02日
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独首相:ハマスとの対話拒否 イスラエル訪問(毎日新聞)~引用開始~ 【エルサレム樋口直樹】ドイツのメルケル首相は29日、イスラエルを訪問、オルメルト首相代行と会談した。メルケル首相は先のパレスチナ評議会選挙で大勝したイスラム原理主義組織ハマスについて、「イスラエルの生存権を認めない限り対話を行わない」と言明した。首相は30日にヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでアッバス議長と会談するが、ハマス関係者とは会わない方針。25日の評議会選挙以降、イスラエルを訪問した外国要人はメルケル首相が初めて。会談後の共同会見でオルメルト首相代行は「テロを行い、イスラエルの存在を受け入れない組織から成る政府と交渉すべきではない、との点で合意した」と語った。メルケル首相はドイツや欧州連合(EU)にとってハマス主導のパレスチナ自治政府への財政支援は「考えられない」と述べた。~引用終了~911同時多発テロの時のニュース映像の中に、「テロのニュースに驚喜し街で大騒ぎするパレスチナ住民」という感じのモノがありました。私は当時それを見て「ああ、演技でも良いから鎮痛な面持ちで振舞わないと(故アラファト氏みたいに)後で大変な事になるよ…こんな時こそ空気を読まないと!」などと不謹慎な事を考えたものです。(まあ、当時の日本にも「その手があったか!」とか「ざま~みろと思ってる人もいるんじゃない?」とか言った、空気の読めない人達がいましたが…)案の定、911以後イスラエル政府は「対テロ戦争」という大義名分の下、武装ヘリを用いた荒っぽい(何せ街中で対戦車ミサイルを発射するんですから)、イスラム過激派指導者暗殺作戦を実行したり、ヨルダン川西岸地区を分離する巨大なコンクリート壁を建設したりと強攻策を取っていきました。先の評議会選挙の結果もPLO主流派ファタハがいくら汚職まみれで、イスラム原理主義組織ハマスがいくら福祉に熱心とはいえ、女性や子供まで自爆テロに投入するハマスに過半数の議席を与えるなんて…空気が読めてないとしか言いようがありません。なにせハマスは、自らの憲法と言える網領の第13条で、「いわゆるパレスチナ問題の平和的解決、国際会議などはハマスの信念に反する。パレスチナの地の割譲は信仰の割譲に他ならない。」と断言する組織なのですから、中東和平を話し合う一方の代表としては威勢の良かった頃のシャロン以上に不適格です。引用したニュースのような扱いを受けるのも当然でしょう。武力によるイスラエルの打倒が現実的で無い以上、パレスチナ側が取るべき最良の戦略はハマスのような武力闘争ではなく、かつてのユダヤ人のように「迫害される善良な市民」という面を実情以上にアピールする事ではないか?などと私は考えているのですが…
2006年01月30日
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中韓との外交問題になっている「首相の靖国参拝」ですが、私的には…首相の靖国参拝を今後しない見返りに中国から何かを得る…例えば中国が組織的に行っている反日教育の是正を公式に約束する。等の見返りがあるなら、中国と妥協するのも悪くないと考えてます。まあ、あの中国が簡単に譲歩するとは思えませんから、「日本はこの問題では強情だ」という印象を持たせる為に、暫くは参拝を継続するのも一つの手段ですね。外交は武器を持たない戦争であると同時に妥協の芸術でもあるのですから、「首相の靖国参拝」が外交問題化した以上(原因が日本の某新聞社にあるとしても)、そこからどう日本の長期的利益を生み出すかを考えるべきでは無いのでしょうか?ただ芸も無く相手の意向を汲むだけでは、外交とは言えませんし、あちらに「日本は圧力を掛ければ直ぐに言う事を聞く。」という印象を与えてしまいます。また、ここで妥協したら靖国に眠る御霊に云々と言った感情論も行き過ぎれば、「ここで戦線を縮小したら死んだ兵士達に申し訳ない」と大陸での戦火を拡大させた(そう言い訳した)戦時中と同じ轍を踏む結果となるでしょう。そう言った感じで私は、「何があっても断固として参拝を継続すべき」という意見にも、「アジア諸国の国民感情に配慮して参拝を自粛して、問題解決を図る。」という意見にも賛成しかねてます。
2006年01月29日
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ヤマハ発動機ヘリ輸出先、人民解放軍と関係 警察庁指摘(朝日新聞)~引用開始~中国への無人ヘリコプターの不正輸出未遂事件で、輸出先となったとされる中国・北京市の「北京必威易創基科技有限公司(BVE社)」は国内で著名な航空専門会社の一方、中国人民解放軍とも関係が深いと、警察庁はみている。ヤマハ発動機への捜索は、福岡県警が摘発した不法就労助長事件が端緒となった。 BVE社関連のホームページでは、ヤマハ発動機の無人ヘリ「RMAX L181」について「操作は簡単で、発展改良すれば軍事分野にも転用可能」などと動画で紹介している。この動画には、ヤマハ発動機のロゴが胸に付いた青色の作業服を着た作業員が無人ヘリのエンジンを説明しているシーンのほか、迷彩色の戦闘機の前を飛んだり、高性能の小型カメラを内蔵したりしている映像もあった。 外為法などによると、「国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるもの」の中には、「自律的な飛行制御及び航行能力を有するもの」を挙げており、中国へ輸出する際には「経済産業大臣の許可を受けなければならない」としている。 ヤマハ発動機はこの無人ヘリを外為法には抵触しないように、自律的な飛行が不可能で規制には該当しない、と輸出の際に申告していたという。警察庁は「輸出しただけで違法行為なのに、今回は特に悪質な行為。違法性の認識は持っていたとみられる」としている。 ~引用終了~ああ…またですか…。冷戦期から日本企業は軍事関連技術の輸出に関して、無神経というか無責任です。軍事評論家の江畑謙介さん(NHKによく登場する変った髪形の方です。愛妻家で有名)の著作「兵器マフィア」(光文社刊)によると、「とりあえず完成品じゃなきゃ良いんじゃないの?」と言った感じで、何処の国でも最高機密としている戦車の装甲板を売ろうとした事すらあったそうです。1987年に発覚した東芝機械事件(東芝が共産圏への輸出が規制されている高性能の工作機械4台をソ連に輸出した。)では、「最大の脅威であるソ連の原子力潜水艦が日本の技術で静粛化して、現状の対潜システムでは見つけられなくなる!」(実際は日本の工作機械を使ったからといって、いきなり原子力潜水艦が静粛化するわけでもないのですが…)と西側世界が大騒ぎになり、日米関係はおろか日本という国家自体の信用が大きく損なわれました。(この事件で日本政府はアメリカに対して金額にして数百億円を越える補償(横須賀基地に対潜作戦センターを建設する等)をするハメに…)今回の事件も日本企業の無責任さを世界に宣伝してるようなモノですよ。ヤマハは(もしくはその後ろにいるトヨタ?)は目先の利益の為に自社はおろか、国すら危険に晒す事を平気でやるのかと…。実際は欧州各国の対中軍事関連技術輸出の方がよりえげつなく、より深刻なんですが…彼らは開き直るのが得意ですからねぇ。まあ、無人機に関しては豊富な経験と技術を持っている世界の困ったちゃん、イスラエルが中国と親密な関係にあるので、既に中国はある程度の技術を持っていると思われます。今回の事件で、中国の無人機技術が飛躍的に進歩する…という事は無いでしょう。
2006年01月23日
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昨年、特に経済的に苦しいわけでもないのに給食費を払わない親が増えているというニュースを目にしましたが、関東の方では別の問題で論争が起きているようですね。考:「いただきます」って言ってますか? 「給食や外食では不要」ラジオで大論争(毎日新聞)~引用開始~TBSラジオ「永六輔その新世界」(土曜朝8時半~、放送エリア・関東1都6県)で昨秋、「いただきます」を巡る話題が沸騰した。きっかけは「給食費を払っているから、子どもにいただきますと言わせないで、と学校に申し入れた母親がいた」という手紙だ。番組でのやり取りを参考に、改めて「いただきます」を考える。◇「私の場合」を募集手紙は東京都内の男性から寄せられ、永六輔さん(72)が「びっくりする手紙です」と、次のように紹介した。《ある小学校で母親が申し入れをしました。「給食の時間に、うちの子には『いただきます』と言わせないでほしい。給食費をちゃんと払っているんだから、言わなくていいではないか」と》番組には数十通の反響があり、多くは申し入れに否定的だった。あるリスナーは「私は店で料理を持ってきてもらった時『いただきます』と言うし、支払いの時は『ごちそうさま』と言います。立ち食いそばなど作り手の顔が見える時は気持ちよく、よりおいしくなります」と寄せた。一方、母親のような考え方は必ずしも珍しくないことを示す経験談もあった。「食堂で『いただきます』『ごちそうさま』と言ったら、隣のおばさんに『何で』と言われた。『作っている人に感謝している』と答えたら『お金を払っているのだから、店がお客に感謝すべきだ』と言われた」との内容だ。また、申し入れを支持する手紙も数通あった。学校で「いただきます」を言う際、手を合わせることに「宗教的行為だ」、と疑問を投げかける人もいるという。~引用終了~私は小学生時代、学校でこう教わりました。「御飯の元になっている。お米や動物に感謝して食べましょう。」我々人間は…というか、大概の動物は直接、間接的に他の命を奪って生命を維持してます。だから、奪った命に対して感謝と供養の意味で、「『いただきます。』と言いましょうね…それから出来れば給食は残さずに、おかわりも自分が食べられるだけよそいましょう。」という感じだったと記憶してますが…まあ、宗教的行為と言われれば宗教的行為なのかもしれませんね。(というか、それを言い出したら安息日である日曜日に休む行為も宗教的行為ですね。)特に唯物論を信奉する人には理解し難い行為でしょう。でも、なんというか世知辛い世の中になったものです。私は「いただきます」「ごちそうさま」という言葉は日本社会で一般的な「作法」の一種で学校給食はそれを身に付ける訓練だと考えます。遠足や卒業式など、他の学校行事も、「社会に出た後体験する様々な不条理に、今の内に出来るだけ免疫を付けときましょう。」という意味があったんじゃないかと、大人になってから思うようになりました。当時は確かに面倒な行事が多くてウンザリしたものですが、免疫の無いまま社会に出る事を考えると…やっぱりこの種の学校教育は無くして欲しくないなぁ。
2006年01月22日
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黄教授に共同研究呼び掛け クローンエイド社(産経新聞)~引用開始~世界初のクローン人間を誕生させたと主張しているクローンエイド社は15日、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)をめぐる論文捏造(ねつぞう)が明らかになったソウル大の黄禹錫(ファン・ウソク)教授に対し、共同研究を呼び掛ける書簡を送ったと発表した。~引用終了~よりによって、怪しげな新興宗教に擁護されるなんて…身から出た錆とは言え、黄禹錫(ファン・ウソク)教授も大変ですね。このクローンエイド社…記事にある通り、フランス人のラエル(エロヒムの天使という意味だそうで、本名はクロード・ボリロン)を教祖とする新興宗教団体ラエリアンの関連企業です。ボリロンの主張によると、人類を含む地球上の総ての生命体は、今から2万5千年前にエロヒムと呼ばれる宇宙人がそのバイオテクノロジーを用いて創造したんだそうです。(そもそも人類がバイオテクノロジーで作られたんだから、クローン人間を誕生させても倫理的問題はない…というのが彼らのスタンスです。)この宇宙人、1945年に日本に二発の原爆が投下された頃から人類の未来を心配しだし…1973年に自動車レース雑誌の編集長だったボリロンを人類を導く救世主に任命(選ぶのに何年掛かってるんだが)したんだそうです。…早い話が、聖書の神様を宇宙人、ボリロンをキリストに置き換えただけの宗教団体というワケですね。ボリロンは他にも毎年、全世界の信者の年収の100分の1を「宇宙人を迎える地球大使館の建設費用」名目で彼の財団に収めさせてます。建設予定地は当然エルサレム…ラエリアンはイスラエル政府に建設用地の提供を要求してますが、当然政府は無視、集めた莫大な建築資金は今もスイス銀行の奥底に眠っているそうな…。教授…まさかとは思いますがラブコールに応える気なんて無いでしょうね?
2006年01月16日
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無人偵察機、日本に導入へ 北朝鮮動向などに備え(朝日新聞)~引用開始~英国訪問中の額賀防衛庁長官は11日夜(日本時間12日朝)、同行記者団に対し、早ければ07年度に米国製の無人偵察機(UAV)を導入する方針を示すとともに、機種はプレデターかグローバルホークを検討していることを明らかにした。北朝鮮による弾道ミサイル発射や、外国からの離島侵攻があった場合、いち早く情報を把握するためだとしている。 無人偵察機導入には、北朝鮮や中国などの画像情報を収集する狙いがあると見られる。両機種は米軍がイラク戦争で投入し、プレデターはミサイルを搭載してイラク軍を攻撃したが、日本政府は専守防衛との整合性から「攻撃能力は持たせない」(防衛庁幹部)という。 飛行できる高さはプレデターが中高度(最大約15キロメートル)、グローバルホークは高高度(同約18キロメートル)。プレデターは全天候に対応でき、グローバルホークはより広域で監視できるなどの利点がある。1機あたりの費用はプレデターが約14億~18億円、グローバルホークが約64億円の見通し。~引用終了~記事ではプレデターかグローバルホークのどちらかとありますが、「北朝鮮による弾道ミサイル発射や、外国からの離島侵攻があった場合、いち早く情報を把握するため」となるとおそらく…高度2万メートルを40時間滞空し、合成開口レーダー(天候や昼夜関係なく地表の情報を把握出来る全天候型センサー)、電子光学センサーや電子情報を収集する装置などを装備し、無線の中継なども可能なグローバルホークが本命でしょうね。上記の任務を果たすにはプレデターは少々力不足ですし、それに…>プレデターはミサイルを搭載してイラク軍を攻撃したが、日本政府は専守防衛との整合性から「攻撃能力は持たせない」(防衛庁幹部)という。とかいう話が出る事からして、プレデターは「攻撃能力の無い方を選びました、日本って平和的でしょ?」とアピールする為の当て馬である可能性もwまあ、プレデターの攻撃能力なんて限定的なものなんですけどね。
2006年01月12日
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北朝鮮:金正日総書記が中国入り(毎日新聞)~引用開始~【北京・西岡省二】中朝関係筋によると、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記は平壌からの特別列車で10日、中国入りした。中国共産党の招請による両国指導者の相互訪問の一環とみられ、金総書記は中国訪問中、胡錦涛総書記(国家主席)らと会談し、核開発問題をめぐる6カ国協議への対応や経済協力関係の強化などについて意見交換するとみられる。金総書記の訪中は一昨年4月以来で、中朝首脳会談は昨年10月以来。~引用終了~北朝鮮の将軍様が、豪華な専用列車で中国詣に出かけている模様です。一部報道では、ついでにロシアまで足を伸ばすという話も…。しかし、また専用列車でですか…これって独裁者のステータスアイテムなんでしょうかね?(まあ、将軍様は飛行機が大嫌いだという噂もありますが)私が豪華な専用列車と聞いて、頭に浮かぶのは…ヘルマン・ウィルヘルム・ゲーリングという人物です。ゲーリングは1893年、ドイツのバイエルン州はローゼンハイムに生まれ、弱冠20歳で第一次大戦にパイロットとして参戦します。真っ白に塗装された派手な戦闘機を愛機とした彼は、敗戦までに敵機を22機撃墜、美男子だった事も影響したのか、ドイツの英雄の一人となります…ここまでだと、なんだかロボットアニメの登場人物みたいでしょ?敗戦後、民間企業の重役になったり職を転々とした彼は、ある時ヒトラーの政治運動に共鳴、その名声を利用してナチスの広告塔の役割を担うようになります。また、政治家としても結構有能だったようでヴェルサイユ条約で軍備が厳しく制限される中、全国的なグライダー・クラブを組織してパイロット育成に努めたり、当時はまだ珍しかった航空郵便網を整備したりとヒトラーの片腕、航空大臣、空軍最高司令官として辣腕を振るいました。…第二次大戦が勃発する1939年までは。ヒトラーの寵愛と国民からの尊敬を一身に集め、「ドイツ第三帝国のナンバー2」としてヒトラーに次ぐ権力を手に入れた彼は次第に増長、豪華な専用列車、専用の美術館(占領した地域から略奪した美術品を飾っていました)、狩猟場などを作らせては連日連夜豪遊…次第に職務に対する関心を失っていきます。(そんな不摂生を続けたゲーリングは当然、ぶくぶくと太り「象さん」とか批判的な人間からは「豚野朗」とか言われるようになります。)なら、せめて仕事は部下に任せて大人しくしてくれれば良いんですが…一度手に入れた地位や名誉、権力を失いたくないゲーリングは実務と責任だけを3人の部下に押し付け、また彼ら同士を対立させる事で敗戦まで「ドイツ第三帝国のナンバー2」という地位に居座り続けたのです。典型的「上司にしたくないタイプ」ですね。因みにヒトラーや他のナチス高官、イタリアのムッソリーニなんかも専用列車を持ってました。公共性の高い列車のダイヤを乱す迷惑な贅沢品を乗り回す人間に碌な奴はいないという事でしょうか。
2006年01月11日
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日本に報道規制を要求 中国「対中批判多すぎ」(共同通信)~引用開始~中国外務省の崔天凱アジア局長は9日、北京での日中政府間協議で「日本のマスコミは 中国のマイナス面ばかり書いている。日本政府はもっとマスコミを指導すべきだ」と述べ、 日本側に中国報道についての規制を強く求めた。~引用終了~…。ごめんなさい、こんな時どんな顔をしていいか分かりません。昨年もニュースステーションでおなじみの加藤千洋(朝日新聞編集委員)さんが、「発展するチベットを現地でリポートする」なんて、中国のチベット侵攻で国を追われた人達が激怒しそうな中国礼賛番組が流れてたじゃないですか。「小泉のおかげで日中関係は最悪だ!反省しろ!」とか「中国脅威論は間違ってる!」とか言った感じの主張も毎日のように目にしますし…。まだ、不満なんですか?>「(日中間にあるのは)日本が起こした問題ばかり。中国は常に守りに回っている」とも仰ったそうですが、中国海軍の海洋調査船が日本の排他的経済水域内を十数回も無断で調査したり(潜水艦航行に必要な「水温分布」を収集していると思われます。)中国海軍の原子力潜水艦が日本の領海に侵入したり(国が国なら撃沈してますよ)日本の外交官の乗った車を民衆が襲撃するような事態を招いたり(義和団事件パート2ですか?)外務省職員が中国諜報機関の人間と思われる人物に脅迫され自殺したり…中国側にも反省すべき点は多々あると思いますよ。
2006年01月10日
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軍事大国化のお値段、第二回のコメント欄でshunsoku2002さんから「ヘリ空母のお値段を教えてもらえませんか?」というリクエストを頂きました。そういうワケで今回は今回は番外編としてヘリ空母、軽空母のお値段を見ていきたいと思います。あっ、その前にヘリ空母・軽空母(V/STOL空母とも言いますね。)ついて少し説明しましょう。前回の日記をご覧になられれば理解していただけると思いますが、正規空母は異常と言える程お金が掛かり、また運用するには高い技術、工業力が必要とされる現代の「傾国の美女」です。まあ、楊貴妃や妲己とは違い、お値段分の仕事を子供達(艦載機)と共にこなす働き者なんですが、何処の国でも持てる兵器ではありません。でも、艦載機の支援無しに艦隊を守れるか…と言えばそれも難しい…(かつて防衛庁が実施したオペレーション・リサーチによれば、イージス艦2隻に守られた護衛艦隊群(ヘリコプター護衛艦1隻、イージス護衛艦2隻、汎用護衛艦5隻)が、約60機の爆撃機(機種の詳細は不明)から対艦ミサイルの波状攻撃を受けた場合、第一波で15%が、第三波で40%が撃沈されるという結果が出たそうです。…まあ60機もの大編隊で波状攻撃を行う事の出来る国なんてそう無いと思いますがw)なら、出来るだけ安価(カタパルトなどの特殊でお金の掛かる空母特有の装置が不要)な空母と、そんな空母でも、離着陸が可能の航空機を作れないか?てな感じで誕生したのがイギリス海軍の画期的な軽空母、インヴィンシブル級と、これまた画期的な垂直離着陸が可能な艦上戦闘機シー・ハリアーです。(イギリスは財政悪化から正規空母を1978年までに総て退役させていました。)■インヴィンシブル級軽空母お値段 1億8450万ポンド(550億円、1980年までの建造費)基準排水量 16000トン、全長 206メートル、速力 28ノット搭載機 シー・ハリアー5機、シーキング対潜ヘリコプター9機(有事には最大21機搭載可能)飛行甲板前部にスキージャンプと呼ばれる文字通りスキージャンプ台のような傾斜を世界で始めて採用した、(垂直上昇するとハリアーは大量の燃料を消費してしまうので、通常はこの傾斜を利用して離陸します。)イギリス海軍の軽空母です。当初は搭載機の少なさや、運用するハリアーが亜音速機である等が問題視され、その性能に疑問が持たれていましたが、1982年に勃発したフォークランド紛争において、ハリアー共々大活躍し、垂直離着陸機を搭載する軽空母の有用性を世界中に見せ付ける事に成功しました。●シー・ハリアー お値段 約28億円(米海兵隊が運用する改良型AV-8Bハリアーの価格)世界初の実用垂直離着陸戦闘攻撃機(V/STOL機)です。英国以外でもアメリカ海兵隊、スペイン、イタリア、タイ海軍が運用しています。■ジョゼッペ・ガルバルディ級軽空母お値段 約170億円(1977年の発注価格)満載排水量 13850トン、全長 180メートル、速力 30ノット搭載機 AV-8Bハリアー216機または、シーキング対潜ヘリコプター18機イタリアの保有する軽空母です。発注時はヘリコプターのみを運用する予定でしたが、後にハリアーを運用出来るようスキージャンプ勾配が追加され、1987年に就役しました。(ハリアーの運用は1993年から)また、同艦は海兵隊600名を収容可能で、強襲揚陸艦としても運用可能です。現在、同艦の約二倍の排水量を持つ多目的空母アンドレア・ドレアが建造中です。■キエフ級重航空巡洋艦ミンスクお値段(中国の購入計画額) 約1億ドル(115億円)満載排水量 37100トン、全長 270メートル、速力 32ノット搭載機 Yak38フォージャー艦上戦闘機 13機、Ka-27ヘリックス対潜ヘリ 21機ソヴィエトの艦艇らしい重武装で見るからに「強そう」な外見から、1970年代後半~80年代にかけて、日本にとって大きな脅威とされた重航空巡洋艦です。実際は搭載機のYak38フォージャー(西側のコードネームで「紛い物」という意味)があまりに低性能で、空母としての能力は米国のそれと比べられるものではありませんでした。 キエフ級重航空巡洋艦アドミラルゴルシコフ(旧艦名バクー)お値段(インドへの売却提示額) 7億~7億5000万ドル(約808億円~866億円) +艦載機Mig-29K 40機の価格13~15億ドル(約1501億円~1732億円)全通飛行甲板に改装後インドへ売却されるキエフ級の最終艦です。CTOL機であるミグ29Kを運用する事から、軽空母とはいい難いですが、一応参考までに…。う~ん、旧ソ連の兵器のお値段は調べ難いですね。売却提示額やら購入計画額は分かっても、建造費そのものは結局分からず仕舞いでした、すいません。後、海上自衛隊の次期DDH、13500t型もヘリ空母と言うには搭載機が少ないので割愛しました。(ホントはもっと搭載出来るんでしょうが…ああそれにV/STOL機は搭載出来ませんでしたね。)まあ、これら軽空母もハリアーの近代改修が限界に近い今、後継機となるF-35の出来次第で、有用性が変化するでしょうね。F-35が駄作だったり、お星様になったりしたら…う~む。
2006年01月07日
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中国、日本の抗議に反発 在上海領事館員の自殺で(共同通信)~引用開始~【北京29日共同】中国外務省の秦剛副報道局長は29日の定例記者会見で、日本政府が在上海日本総領事館の男性職員の自殺をめぐり中国側に抗議したことについて「中国のイメージを著しく傷つけた日本側の行為に強烈な憤りを感じる」と述べ、強く反発した。~引用終了~昨年5月に中国の上海の日本総領事館の領事が、中国当局から機密情報の提供を強要されて自殺したとされる事件についての中国側の反応です。…えっと、逆ギレですか?中国のイメージを傷つけたと仰いますが、個人的意見を述べさせて頂きますと…今回の事件の印象は中国共産党のイメージ通りです。というか、女性で政治家などのVIPを引っ掛けるなんて共産国の情報機関の得意技じゃないですか。この手の話で有名なのは、旧民社党の春日委員長のエピソードですね。彼はある時、ソヴィエト女性とベットを共にし…早い話が肉体関係をもったワケですが、その証拠をKGBに握られて(写真を撮られた?という事は女性もグルだったのでしょうか?)脅迫された事があったそうです。しかし…春日さんは破天荒な方だったようで、「この写真を見れば支援者も俺が元気だということが分かるだろう。どんどん公表してくれ」と居直ったそうです。これには泣く子も黙るKGBも呆れかえったそうな…。しかし、すべての外交官、政治家、自衛官、ジャーナリスト等が彼のようになれるワケもなく、弱みを握られて諸外国の情報機関の「資産」になった人達は確実に存在するでしょう。日本にもせめて、こういった工作活動から、海外で働く外交官や企業の駐在員、マスコミの特派員等を守る防諜機関が欲しいところですね。亡くなった方もこう言った問題を相談出来る専門の機関が存在すれば、自ら命を立つ必要も無かったかもしれませんし…今の外務省じゃ頼りなさ過ぎです。
2005年12月29日
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今日は大掃除→ネット→大掃除→ネットてな感じのキートンMですが、皆さんは師走をいかがお過ごしでしょうか?ところでみなさんはRPG(Rocket Propelled Grenade)という兵器をご存知ですか?RPGとは、『悪名高きナチスドイツが使用していた』(こんな事言い出したらキリがありませんがw)使い捨ての対戦車ロケット「パンツァーファウスト」の最終発展型(パンツァーファウスト150/200)を参考にして、旧ソ連が開発した肩撃ち式のロケット砲の事です。名前は知らなくても、たぶんニュース映像や映画などで、多くの人が一度は見た事がある兵器だと思います。さて、旧東側陣営の傑作兵器の一つと言えるこれは、構造が単純で丈夫、故障し難く、素人でも扱い易く作られています。なのにその威力は、成型炸薬弾(ノイマン効果を利用した装甲を貫通することに特化した弾)を発射する事で、軍事技術先進国が使用する陸戦の王者、主力戦車以外の装甲車両を容易に破壊し、また主力戦車も集中攻撃されたり、当り所が悪ければ無事では済まないという…かなり強力なモノと言えます。(また、対人殺傷用の破片型ロケット弾も発射可能です。)つまり、RPGは工業が未発達な第三世界でも低コストで生産出来、ろくな訓練を受けていない民兵やゲリラ、近隣の町や村から誘拐され無理矢理兵士に仕立てられた少年兵などをてっとり早く戦力化するのにうってつけの兵器なのです。こういった安価で強い火力を持つ携帯型の兵器の拡散によって、毎年大量の犠牲者を生まれています。(1960年代に西ドイツで作られた反戦映画「橋」のように、多くの少年兵がRPGを手に戦い命を落としている事でしょう。PRGは確かに強力な兵器ですが、その効果を最大限に発揮するには、目標にかなり接近しなければいけません。)また、そういった紛争の拡大を阻止する為に派遣されるPKO部隊にとってもRPGは大きな脅威となるのです。日本の平和主義者の人達も、クラスター爆弾や劣化ウラン弾、白リン弾などで陰謀論めいた主張をされるよりも、こういった携帯型の通常兵器の拡散問題に関心を持って欲しいと思いますね。
2005年12月28日
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