まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.01.20
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カテゴリ: ドラマレビュー!
テレ東の深夜ドラマ。
蓮佛美沙子&トリンドル玲奈。
原作は谷口菜津子の同名コミック「今夜すきやきだよ」。



去年のNHK「恋せぬふたり」は、
アロマ・アセクな男女の共同生活だったけど、
こちらは、女子どうしの共同生活です。
片方は恋愛体質で、片方はアロマンティック。

失恋したばかりのアイコ。
アロマを自覚しはじめたトモコ。


女性版「きのう何食べた?」とも言われていますが、
けしてレズビアンの物語ではありません。
双方ともに、まったく同性愛の傾向はないようです。



アイコは仕事はできるけど、家事ができません。
トモコは家事はできるけど、仕事ができません。

なので、
ふたりの共同生活は、
お互いの欠点を補い合えるし、
生活上の役割分担ができるし、
そのうえ、一緒にいれば寂しくなくて楽しい。





ところで…

料理が苦手なせいで、
男性との恋愛につまづきがちなアイコは、
こんなふうに言います。

≫ なんなの?!
≫ 楽しい会話と幸せなセックスがあればOKじゃないの?
≫ 恋愛とか結婚に、家事能力ってマストなの?




恋愛や結婚はセクシャリティの相性こそが大事であって、
ジェンダーの押しつけは必要ないでしょ!
…ってことですよね。



たしかに、恋愛は、
楽しい会話と幸せなセックスがあれば成立するかもしれないけど、
結婚は、それだけじゃうまくいかないはずです。

一般に、恋愛結婚が破綻しがちな理由はそこにある。

実際、
アイコとトモコの共同生活がうまくいってるのは、
楽しい会話と幸せなセックスがあるからじゃなく、
生活上の役割分担がうまくできているからですよね。

もちろん、
ふたりはレズビアンじゃないから、
結婚はしないだろうけれど。





現代の日本では、
同性婚がほぼ認められつつありますが、
同性婚には2通りの意味がありえます。

ひとつは、
セクシャリティの相性がよければ同性でも構わない
ってこと。

もうひとつは、

生活上の分担ができれば異性か同性かを問わない

ってこと。

これは、
法的な定義というより、当事者の認識の問題ですが、
じつは、結婚って、
後者の考え方でするほうが、ずっと合理的ですよね。

いくらセクシャリティの相性がよくても、
生活上の役割分担がうまくいくとは限らないし、
性的な相性でさえ、ずっと持続するとは限らない。

おそらく昔の結婚は、
セクシャリティの相性 (すなわち恋愛) よりも、
ジェンダーの分担のほうを重視したのです。
そのほうが合理的だから。



たしかに恋愛は、
セクシャリティの相性を優先すべきものだけど、
結婚はむしろ、
生活上の役割分担を優先させるほうが合理的です。

なぜなら、

結婚したら、
仕事と、家事と、セックスと、出産と、子育てを、
ふたりで分担/協働でこなさなければならないから。

いくらセクシャリティがの相性がよくても、
男に仕事ができるとはかぎらない。
女に家事ができるとはかぎらない。
その分担ができなければ生活は破綻するし、
そのうえ出産と子育てもやるなんて困難の極みです。

現行の結婚制度は、事実上、
《恋愛結婚》を前提に設計されているけれど、
セクシャリティの相性だけを基準に結婚するのは、
じつは、きわめて非合理なのよね。



先日、
バカリズムの「ノンレムの窓」を見ていたら、
松島瑠璃子が書いた 《親友契約》 という話がありました。

婚姻率の低下した社会で、
あらかじめ老人の孤独を回避するために、
独身の人たちが互いに《親友契約》を結び、
生涯をともに生きていく…という話。

これって、
けっこう現実味のある話だと思いましたが、
その場合も、
重要なのはセクシャリティの相性ではなく、
やはり生活上の役割分担だと思います。

そして、その分担は、
かならずしも2人でおこなう必要さえなく、
たとえば3人や4人でも構わない…って気がする。



ひとつの思考実験ですが、
今回のドラマにおける同性どうしの生活も、
ある意味では合理的な「結婚の形」のように見える。

もし恋愛をするのなら、
その生活の外側で自由にやればよいのだし。




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最終更新日  2023.02.24 19:39:25


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