まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2025.06.23
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蝉しぐれ焦がしキャラメル包む昼 夏の昼並ぶプリンに歓喜湧く 涼風とほろりとくずれ口福や 苺食みフルートに口ずけ月末 薄暑光の喫茶店バニラを垂らす 朝茶の湯水を模したる菓子のあお 若夏や助手席の君とちんすこう
6月19日のプレバト俳句。
お題は「スイーツ」。




浮所飛貴。
蝉しぐれ 焦がしキャラメル包む昼
蝉しぐれ 焦がしキャラメルケーキ巻く
(添削後)

作者の話によると、
菓子職人を描写したわけじゃないのに、
なぜか原句も、添削句も、
菓子職人の視点で詠まれてるのよね…。

客の視点で詠むなら、
蝉しぐれ 焦がしキャラメルロールの香





松下由樹。
夏の昼 並ぶプリンに歓喜湧く
差し入れのプリンが並ぶ夏の昼
(添削後)

原句は、
洋菓子屋の店内の情景?
子らのいる家庭の情景?
…と思いきや、
撮影現場の差し入れの場面らしい。

添削案は順当ですが、
中七は 「プリンを囲む」 のようにも出来ます。




涼風とほろりとくずれ口福 こうふく
薫風や ほろりと胡桃 くるみ クッキーは
(添削後)

原句は、
上五の助詞「と」が日本語として変です。
中七は主語がないので何が崩れたか分からない。
下五の「口福」は感情語なので必要ありません。
末尾の「や」は切れ字なのか関西弁なのか不明…(^^;


助詞の「は」で終わる添削句は、
いかにも音数合わせの倒置法に見えます。
薫風や ほろりと溶ける胡桃菓子

ぐらいでよいのでは?



熊元プロレス。
苺食 みフルートに口づけ 月末
カフェひとり 苺タルトとシャンパンと
(添削後)

原句は「5+9+4=18」の破調。
月末の給料日の贅沢を詠んだらしい。

楽器に接吻するような優雅な気持ちで、
フルート型のシャンパングラスに口をつけた、
…ってことかもしれませんが、
読み手にとっては意味不明な表現でしかない。

添削句のほうは、
いちおう作者の説明どおりです。

ただ、ごく一般的な感覚でいうと、
「カフェでシャンパン」という組み合わせが、
字面的にも違和感を拭えないのよね。
※最近は「シャンパンカフェ」ってのがあるらしいけど。


月末の贅沢という意図を汲むなら、
シャンパンを呑む月末や 苺菓子

のようにも出来るかなとは思います。




蓮見翔。
薄暑光の喫茶店 バニラを垂らす
薄暑光 卓にバニラの垂れてゐる
(添削後a)
店内暗し 卓にアイスの垂れてゐる (添削後b)

原句は、
なぜ他動詞で「垂らす」なのでしょうか?

店員が盛り付けをしてるのか、
子供がソフトクリームを舐めてるのか、
まったく状況が見えてこない。
こういうところが、
特待生として技術的な安定感に欠けてます。

なお、(添削後a)は、
薄暑光 縁 ふち から垂れてゐるバニラ

のような名詞止めにする手もあります。
一方、(添削後b)は、
サスペンスっぽい雰囲気が面白いけど、
上五は定型で 「店暗し」 でもよいのでは?



梅沢富美男。
朝茶の湯 水を模したる菓子のあお
夏点前 なつてまえ みづのやうなる菓子のあを
(添削後)

季語「夏点前」「朝茶の湯」は、
夏の早朝に行われる茶会のことらしい。

原句が選んだ季語は、
縦書きのとき「湯水」に見えるのが難点。

中七については、
菓子職人の描写なら「模す」という動詞もいいけど、
食べる側の視点なら、
添削句の「水のやうなる」のほうが臨場感がある。
そして平仮名表記は和菓子の透明感を想像させます。

なお、
「模したる」も「やうなる」も文語なので、
「みづ」も「あを」も文語に統一すべきってことね。



清水アナ。
若夏や 助手席の君とちんすこう


季語「若夏」は沖縄の初夏のこと。
沖縄の季語+沖縄の菓子は取り合わせが近い。
そして中八なのも欠点です。

視点を逆にすれば、
助手席の涼しや 二人ちんすこう

のようにも出来ます。



▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2025.06.23 08:10:04


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