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今日はまたやけに寒い一日でした。午前中、雨のそぼ降る中を病院に行ってきた父は、帰宅後、開口一番「手袋を持っていけば良かった!」とのたもうていましたっけ。春は、桜が咲いた後でもたまにこういう日があるので油断できません。 さて今日の私ですが、野暮用でちょいと外出した他は一日中家に居て、のんびり本を読んだり、5月に行われるシンポジウムの原稿書きをしたりしていました。 今回のシンポジウムのテーマは「貨幣経済社会と文学」というものなんですけど、そのココロは貨幣経済社会の中で文学はその高貴性を保てるか、というところにあるらしい。 結局、「お金で買える」ということは、すべてのものの価値を平準化してしまうわけですね。たとえば1000万円で高級車が買えるように、1000万円で治る病気もある。ということは、「モノ」と「命」というまったく別の次元のものが、「1000万円」という札束で「等価」に結ばれるということですよ。貨幣経済ってのは、そうやってあらゆるものを貨幣の価値に還元してきた。 で、そうやって何でもお金で換算できる社会になると、抜け落ちるのは「高貴さ」というものではないか、というのですな。で、「文学」なんてのは、かつては「高貴な」ものと思われていたわけですが、この貨幣経済社会の中で果たしてその高貴さを保てるのか、ということが問われてくる。 もちろん見方は色々で、「高貴さなんか保てないから、今、文学よりマンガやゲームソフトなんじゃないの」という人もあれば、逆に「それでも高貴性を保ちたいと思っているからこそ、マンガやゲームソフトが文学化しているんじゃないの」という人もある。 ま、そんなことを私を含め4人のパネリストがあーだこーだ論じる、というようなものになるらしいです。本人が「らしい」なんて言ってちゃ、いかんですが。とにかく、今書いている原稿はそういう内容です。 それはさておき、何かものを書くとなるとBGMの一つも欲しくなるワタクシ。で、今回も最近買ったばかりのジャズのCDを家から持参してきたのですが、これがまたすっきりした味わいで、なかなかよろしい。 そのCDとはドン・フリードマンの『サークル・ワルツ』というもの。ドン・フリードマンというのは白人のピアニストで、系統から言えばビル・エバンス系の端正なピアノです。特にこのアルバムは、そのタイトルからも推測されるように、冒頭にワルツ曲がありまして、3拍子のジャズというのは割と少ないんですけれども、これがまたいいんです。そういえばビル・エバンスにも有名な『ワルツ・フォー・デビー』というのがありましたね。 かくして、フリードマンのワルツに乗って、さらさらと書きものをしていた今日の私だったのでした。今日も、いい日だ!これこれ!(ジャケットもビューティフルでしょ!?) ↓JAZZ THE BEST Legendary 150::サークル・ワルツ
March 31, 2008
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今日はちょっと大きい買い物をしました。 前にも書きましたが、実はこの3月で我ら夫婦は結婚10年目の節目だったもので、その記念に腕時計を買うことにしていたのです。結婚した当初から、10年毎に揃いの腕時計を買っていく計画だったもので。 で、今回は時計の王者・ロレックスを買うことにしていたのですが、せっかく記念の品として買うなら、日本一の場所で買おうと、つまり銀座で買おうと思っていたわけですよ。 とまあそんなわけで今日は家内と銀座へ向かいました。店の候補は幾つかあったのですが、まずは老舗・○新堂です。 ・・・が。 まあ、どういう店のポリシーなのか分かりませんが、とにかく店に入った瞬間から気になる応対の悪さ。老舗を鼻にかけているのか、行きずりの冷やかしと思われたのか、ホスピタリティがまるで感じられない。シラ~っとした客あしらいです。 というわけで、○新堂に呪いあれ。老舗なら老舗らしく、たとえ冷やかしの客であったとしても、もっと奥深い対応をしなさい。映画『ティファニーで朝食を』をご覧なさい、あの老舗は客が持ち込んだおもちゃの指輪にすら、名入れを引き受けたではありませんか。 かくしてこのおバカな店をさっさと見限った私たちは、次に「エバンス」というお店に行ってみることに。さすがにこの店は、老舗という趣の店ではありませんから、○新堂のようなことはなく、ちゃんとした応対をしてくれましたが、それでも品揃えの点で少し物足りないかな・・・。こちらとしては、10周年の記念ということで、もう少し幅広い選択肢の中から選びたいもので。 で、ここで一応候補を決めておいた上で、最後にもう一軒だけ見てみることにしたんです。その一軒とは、ロレックス専門店の「レキシア」です。 で、レキシアの店舗に入った途端、ほとんど決まったような感じがしました。ああ、我々が買うのはここだ、と。 というのも、応対に出てくれたS田さんという方がいかにも「銀座の店を守る老紳士」という感じの方で、この方が穏やかに、上品に、実にいい感じで商品を見せて下さるわけ。やっぱりねー、銀座でものを買うとなれば、こういう具合でなければなりません。 しかも、さすがにロレックス専門の正規代理店だけあって、置いてある品物の数が他の店とは段違い。豊富な在庫の中から存分に悩みながら、これはという一本を選ぶことができます。 かくして私も家内も、それぞればっちり気に入ったロレックスを、S田さんのアドバイスで、いい気分で買い求めることができたのでした。結婚10周年記念にふさわしい、いい買い物でした。 というわけで、家に帰ってからも、そのロレックスを仕舞っては取り出し、取り出しては眺め、眺めては腕に嵌め、嵌めてはまた仕舞い・・・ということを繰り返している我らなのであります。今日も、いい日だ!
March 30, 2008
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今日は家内と姉を連れて、「コストコ」にショッピングに行ってきました。 コストコというのは、アメリカから上陸を果たした「会員制卸売ストア」でありまして、年会費4200円を払って会員になると、様々なものが激安の会員価格で買えるというものであります。 で、まずは会員になるための手続きをし、会員証を発行してもらってから、アメリカン・サイズの巨大なカートをひっさげていざ店内へ! 何しろここは「卸売ストア」ですから、ちまちましたものは売ってなくて、なんでもパック買い、ケース買いです。とにかく何もかもデカイ! たとえば歯ブラシを買うにしても、1本ずつなんてのはなくて、すべて1ダース入りみたいなものしか売ってませんからね。 そんな中、アメリカ製の石鹸14個パック1950円、ブリタ浄水器フィルター8個入り4780円、デルモンテ・パイナップル巨大缶6個パック1280円、ペパレッジファーム・クッキー4個セット1098円・・・といった調子で我々も張り切って買いまくりましたよ。姉も気に入った笛吹きケトルを2380円でゲットしていましたしね。 でも今日一番すごい買物はティラミスかなあ・・・。 ここ、食料品も巨大サイズで揃っているのですが、我々が買ったティラミスは、そうですね、20人分くらいで1698円! 食べても食べても食べ切れないという感じです。この他、我々は買いませんでしたけど、コーンブレッドが30個くらい入った袋を買っている人が多かったですね。ピザにしても、半端ない大きさです。ロースト・チキンにしても、5、6ピース入って1000円ちょっとくらいでしたよ。とにかく、まとめ買いをするならここはお得です。 また、今日はここのフードコートで昼を済ませたのですが、大きなホットドッグにフリードリンクのセットがたったの260円ですよ! クラムチャウダーが300円で売っていますが、これは優に二人分の量です。我々はうっかり、チキン・シーザーサラダ(590円)も頼んでしまいましたが、こんなの3人でも食べ切れない! そういう量的なことも含め、コストコでは「アメリカン」な雰囲気を満喫できます。実際、店内に流れる空気自体が、比喩的でなく、事実としてアメリカの匂いがしていました。お客さんにも外国の方が多かったですし、気分は西海岸という感じです。 というわけで、今日はコストコの物量に圧倒されつつ、しばしアメリカの空気を楽しんだワタクシだったのでありました。今日も、いい日だ!
March 29, 2008
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今日は姪っこの高校卒業記念ということで、姪のリクエストにより、一族郎党引き連れて鰻を食べに行きました。 で、行ったのは東京でも割と名のある店と思しき「つ○じ ○川本店」というところだったのですが・・・ 鰻は薄っぺらい、タレは薄い、ご飯は柔らかすぎる、肝吸いはお白湯みたい・・・という具合で万事よろしくなかったですなあ。正直、東名高速道路上にある浜名湖サービス・エリアの(席に着くと同時に供される)うな丼の方がまだマシ、というレベルです。名古屋の鰻を食べつけた舌には、とても合格点の出せるシロモノではありません。にもかかわらず、予約しなければとても店に入れないような盛況ぶりで、東京の人はこんな鰻を食べて喜んでいるのかとびっくり。こんな店、食のコスト・パフォーマンスにうるさい名古屋の人たちの間では1か月持ちませんよ。 客商売で鰻を出す以上、もっと勉強しなきゃいけません。このお店の方には猛省を促しておきましょう。 さて、鰻屋からの帰り道、私は父に付き合って某家電量販店に行き、父がデジタル一眼レフを買うのに付き合いました。ま、お目付け役ですな。さもないと、店員にいいように丸め込まれて、とんでもないものを買ってきたりしますから・・・。 と言いながら、実は一眼レフなるものに触ったことすらないワタクシ。非常に頼りない参謀なのであります。 で、実際、初めて触れる一眼レフって、でかいですな! そして重い! でも、ちょっとカッチョいい! 構えるだけで、何だかプロっぽいですもんね! で、私も店の人に色々説明を聞いて少し分かってきたのですが、デジタル一眼の世界も松・竹・梅といいますか、上級者用・中級者用・初心者用に明確に分かれていて、コンパクト・デジカメから少し背伸びしようという父のようなユーザーは、とりあえず初級者用を買っておけばいいみたいなんですね。 というわけで、この初級者用デジタル一眼の中から、結局コンパクトさと軽さを重視し、「オリンパスE410」というのを買うことに。今40代半ばという私のような世代では、かつて「オリンパスOM-1」という機種が出た頃のことを覚えているせいか、オリンパスというメーカーに対する漠然とした憧れがあったりしましてね。 ま、父も念願の一眼レフを手にして喜んでおりますし、よかったかな、と。もっとも、初級者用とはいえ、さすがにコンパクト・デジカメより遥かに操作が難しいところがありますので、父もこれからしばらくは勉強しなくちゃいけませんなあ。 とまあ、今日はあまりおいしくない鰻にガッカリしたり、デジタル一眼レフというおもちゃを買ってワクワクしたりという一日となったのでありました。ま、ちょっと贅沢してしまいましたけど、新しいモノを買うってのは、確かに楽しいもんですな!
March 28, 2008
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さてさて帰って参りましたよ、東京の実家に。仙台に嫁いだ姉一家も帰っていたので、久しぶりにおしゃべりも弾みます。 ところで、我々より一日早く仙台から帰京した私の姉は、今日、都心で友人と会ったついでに、なんと新宿で「クリスピー・クリーム」のドーナツを買ってきてくれたのでありまーす。ひゃー、気がきくなあ。これ、一度食べたかったんだよね~! で、さっそく食べてみたのですが、うーん、やっぱり旨いね! 前に食べた「ドーナツ・プラント」のドーナツより、こっちの方が私は好きかも。なるほど、これがクリスピー・ドーナツというものか・・・。 でも、私の好みから言いますと、ちょっと甘すぎるかな・・・。私だったら、1時間並んでまでこいつを買おうとは思わないですね・・・。 というわけで、私のクリスピー・クリーム・ドーナツ体験は、あっさり終わりを告げたのでした。 ・・・と思いきや・・・。 しばらくして帰ってきた私の姪っこが、「わー、クリスピー・クリームがあるんだ! 私も食べていい?」とか言いながら、そのドーナツをレンジでチンしているではありませんか。 ん? これって、暖めて食べるものか? で、姪に「それ、チンして食べるの?」と尋ねてみると、「え? おじちゃん、そのまま食べたの? これ、テイクアウトした場合は電子レンジで8秒チンして食べるんだよ!」と逆に驚かれてしまったという・・・。 えー! ウソ・・・。さっきそのまま食べちゃったよ・・・。下手こいた~・・・。 で、がっくりしている私と家内に、やさしい姪が一口、チンしたドーナツを恵んでくれたのですが・・・。 ガーン! う、うまい・・・。ほんとにクリームみたいに口の中でドーナツがとろけるじゃないですか!! なるほど、これは普通のドーナツとは別次元の食感。1時間並んででも買う人がいるというのもわかる気がする。っていうか、私も並びたい。 あーん、さっき丸々1個、貴重なクリスピー・クリームを暖めずに食べたの、損した~! 12個入りの箱の中にまだ残っているドーナツの数から言うと、あと半個分食べられるかどうかですが、次は絶対チンして食べるぞ! ということで、すっかり「田舎のネズミ」になってしまった元シティ・ボーイのワタクシ、東京での常識に追い付くのにちょっと時間がかかりそうな様相なのでありました、とさ。 でも、とにかく、クリスピー・クリーム・ドーナツは旨い、ということは確実ですので、まだお試しでない方は、東京・新宿に出られた際にはぜひ、お試し下さい。教授のおすすめ!です。
March 27, 2008
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明日から私は帰省する予定なのですが、それに先立ちまして、今日は家内の眼鏡を新調して参りました。前に買った時から大分時間が経ち、度も合わなくなっていましたので、ね。 で、行きつけの眼鏡屋さんに行きまして色々選んだのですが、最近の眼鏡屋さんには色々な文明の利器がありまして。 それは如何なるものかと申しますと、まずデジカメで客の顔写真を撮り、それをパソコン上に映し出すわけ。で、その顔写真にフルフレーム、上だけフレーム、フレームなし、などなど様々なタイプの眼鏡フレームをバーチャルに貼り付け、似合うかどうかを見る、というわけです。もちろん、バーチャルですから、色も自在に変えられます。 で、お店の方は一生懸命、色々な架空の眼鏡をスクリーン上に映し出し、あれこれアドバイスしてくれるわけですが・・・ でもやっぱり、実際に現物をかけてみないことには、似合う似合わないの本当のところは分からないわけでございまして、つまり・・・ この文明の利器、ほとんど役に立ってませんから! 残念! 宝の持ち腐れ切り! (←一応説明しますと、その昔、「ギター侍」というお笑い芸人がおりまして・・・) というわけで、結局、パソコンによる診断結果は脇に置いておいて、実際に色々かけてみた挙げ句、ようやく家内の気に入ったフレームを決定! 今回のは黒いフレームなので、クールな感じがします。そこでそのクール度をさらにアップすべく、「シティブルー」なる青系の色もちょっとレンズに入れてみたりして。 かくして、実は昨年の夏頃から新しくしなきゃ、と言っていた家内の眼鏡を無事、新調することが出来、また一つ懸案事項を解決することができたのでした。こういうのも、あるところで「えいやっ」と思い切らないと、なかなか進まないですからねー。 さて、最初に言いましたように、明日からしばらく東京の実家に里帰りでございます。今回は向こうでもイベント盛り沢山なので、お気楽日記の方も内容豊富になる予定。どうぞお楽しみに~!
March 26, 2008
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我が勉強部屋にデンとおわしますアップル社の旧型パソコン、その名も懐かしき「パフォーマ575」。こいつの処遇問題で私の心は揺れております。 かつてマック派だった私も、世の中の趨勢に押され、文章をウィンドウズ・マシンで綴るようになって早や幾星霜。次第に影が薄くなるマックですが、この旧型パフォーマ575だけはどうしても処分できなかったんです。 なんとなれば、こいつは研究費ではなく、自腹を切って買ったマックの第一号だったからです。 こいつを買った時は嬉しかったですからねー。それまで使っていたNECの98マシンとはまるで別世界のパソコン・ワールドを垣間見せてくれましたもの。そうそう、パソコン通信を始めたのも、まさにこのパフォーマ575によってでした。そういう意味でも、パソコンが文字通り世界へ通じるドアなんだということを納得させてくれた最初のマックだったんですな。 これを買うのに名古屋の秋葉原、大須にまで出掛けたなあ。パソコンに詳しい同窓の友人が一緒に付いてきて、色々アドバイスしてくれましてね。二人で重い箱を車に載せ、当時住んでいたアパートに運び込み、その友人にセッティングまでしてもらった時のことを、今でも鮮明に覚えています。その頃は二人ともまだ独身で、若かった! で、そんなふうにゲットした「マイ・ファースト・マック」だったわけですが、これがまたよく出来たマシンで、当時信頼性が低く、当りハズレがあったアップル製品の中で、抜群の信頼性を示してくれた。当時のマック特有の現象である「理由なきフリーズ」もほとんどしませんでしたしね。勉強に、研究に、趣味に、パソコンを本当に「愛用」したのは、このパフォーマ575が初めてだったかもしれない。 しかし、日進月歩のパソコンの世界ではいかに愛用のマシンとはいえ、そうそう長くは使っていられません。パフォーマ575にしても、もう使わなくなって何年という感じです。でも、このマシンだけはどうにも愛着があって、どうしても処分する気にならなかったんですな。 でもね・・・。さすがに使わないマシンをいつまでも部屋の一等地に置いておくわけにも行かず。もうそろそろサヨナラをする時期が来ているのかな、とも思うわけ。 というわけで、こいつを処分しようか、どうしようかと思い悩みながら、今日は久し振りにこの古いマックの電源を入れてみたのですが、これがまた忠実に「ポーン」というマックらしい音を立てながら起きてくれて。「ご主人様、私の出番ですね。いつ電源を入れてくれるかと、待っておりましたよ」とばかり・・・。 で、ファイルを開けてみると、その昔、私が書いた論文だとか、卒論指導の軌跡だとか、パソコンを使って書いた手紙だとか、そういうものが続々出てくるわけですよ。その一つ一つが実に懐かしい。あー、これを書いた時は随分苦労したな・・・とか、そういう思いが蘇ってくる。 もちろん、そういうファイルの中身は、どうにかして保存できますけど、「苦労を共にした」という部分を捨てるのがねー。私にはどうも・・・。 こういうのを未練というのでしょうなあ。でも、そういう部分でのモノに対する執着が強いのが私の個性ですから、それは仕方がないですね。 というわけで、思い出の一杯つまったこのマック・パフォーマ575に対し、まさに「愚や愚や、汝を如何せん」という気分のワタクシなのでした。はぁ・・・。
March 25, 2008
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今日は勤務先の大学で卒業式がありました。名古屋地方、朝方は雨で、生憎の天気になりそうでしたが、11時頃から陽が射し始め、最終的にはいい卒業式日和となりました。これも私の日頃の心がけがいいせいでしょう(か?)。 それにしても、卒業式というのは、結局「お別れの式」ですから、何度経験しても気の塞ぐものでございまして、しかもその悲しいはずのお別れの式を、にこやかに過ごさなくてはならないというところが複雑なところ。要するに、顔で笑って心で泣いて、を地で行くわけですな。 というわけで、毎年卒業式の日はそうなんですけど、卒論指導(あるいは修論指導)を通じてじっくり付き合った連中が巣立っていくのを幸多かれと送りつつ、自分自身としては何ともやりきれないような、荒んだ思いをどうやって発散するかに苦しんだのでありました。 特に独身の頃は本当に大変で、謝恩会から花束を抱えて家に帰ってから、寝るに寝られず、その花束をじっと見つめながら、この気持ちを一体どうしてくれよう、という感じでしたけど、さすがに結婚してからはその苦しみも大分楽になったかな・・・。 で、その結婚なんですけど、何を隠そう、今日は私たちの結婚10周年の記念日だったのでありまーす! ガーン! ということで、今日は卒業式後のイベントは欠席させていただき、家内と京懐石を楽しむことに。行ったのは「業平」というお店ですが、ここは知る人ぞ知る名店でありまして、「京都」と名の付くものはすべて苦手な私ですら、つい行ってしまうほどのお店なんです。 で、今日もおいしかったですよ~。特に「揚げ物」として供された「子持ち白魚の天ぷら」は、ふっくら、からりとあがった子持ち白魚を「藻塩」で食べるという趣向で、春の味でしたなあ・・・。 かくして、今日は教え子たちの新生活への門出の日にして、私たち夫婦の結婚11年目のスタートの日を無事祝うことが出来、まずはよい一日となったのでありました、とさ。
March 24, 2008
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学会の会誌を日本国内外の大学へ発送するため、前任者から宛て先のリストを渡されたのですが、シンプルなワード原稿なもので、どうも使いにくい。 そこで、一念発起して一度送付先の住所録を作り、そこから宛名ラベルを作れるようにしようと思ったのですが、これまたどうもうまくいかないんです。 ワードの「差し込み印刷」の機能を使って、最初から宛名ラベルを作るのならいいのですけど、そうではなく、最初に何らかの形で住所録を作り、そこから宛名ラベルを一気に作る、という方法がどうもよく分からない。 専用のフリーソフトも探したのですが、「葉書に住所を印刷する」というのが主で、タックシールを作るのが簡単に出来るものがなかなかなくて。あっても、タックシールの選択が非常に狭かったりして、どうも使いにくい。 あー! もう! やっぱり、「筆王」とか「筆まめ」みたいな専用ソフトを買わないとダメかしら? ま、学会から予算がついているのだから、買ってもいいんですけどね。 ということで、読者の皆様の中で、住所録が簡単に作れて、しかもそこから宛名ラベルが簡単に作れる、というような手段(フリーソフトでもなんでも)をご存じの方、ご教示くださーい。
March 23, 2008
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私、「31アイスクリーム」は大好きなんですが、いざこれを買おうとすると、かなりテンパるんですよね・・・。皆さんはどうです? 冷静に買えます? 仮に6個入りのホームパックを買おうとするじゃないですか。すると、31のフレーバーの中から6つを選ぶことになる。つまり、31種類の中からその日の気分で「一番おいしいだろう」と思われる順に6つ選ぶわけでしょう? わー、どうしよ、どうしよ・・・ってなりませんか? だって、基本全部おいしいんですもん。その中からベスト6を選ぶ。難事業です。 まず、「新顔」をチェックしないとまずいでしょう。ナニナニ、新顔は「ラブポーション」「いちごみるく」「アップル・ア・ラ・モード」とな。どれも旨そうじゃないですか! とりあえずこれらを全部ゲットするとして、残りは3枠か・・・。でも、今のところチョコレート系が入ってないぞ。とりあえずこの前食べておいしかった「トリプルチョコレート・ファッション」を入れておくか。いや、それはストレートすぎる。今回はチョコ・ベースの「ヘーゼルナッツ・ドリームス」にしよう。お? この「ラブストラック・チーズケーキ」というのは何だ? 食べたことないぞ。じゃ、さっきの「ラブポーション」をやめてこちらにするか・・・。で、後何枠残っているんだ? 2枠? ええっ! まだ定番の「ベリーベリー・ストロベリー」や「ストロベリー・チーズケーキ」が入ってないじゃないかっ! 「ナッツ・トゥー・ユー」はどうする? 「クッキー・アンド・クリーム」は? 「ジャモカ・コーヒー」はどうしてくれるっ!? ・・・とまあ、毎回テンパって頭爆発です。 で、私一人が選んでいるならいいですが、私の後に他のお客さんがいたりすると、「早く決めなきゃ」というプレッシャーがかかります。いい加減テンパっているところに、「早くせい」のプレッシャーですからね。これはキツイ。で、「あー、どうしよ」と思っているところに店員さんが「はい、ご試食どうぞ」なんていらんこと(うそ、本当はちょっと嬉しい!)するじゃないですか。せっかく決まりかけた決心がこれでまたグズグズになったりして。 で、ようやく意を決して店員さんに「お願いしまーす、えーと、あれと、これと・・・」なんて言いかけると、「サイズは何になさいますか?」とか聞いてくる。 サイズ・・・。考えてなかった。そうか、はじめにサイズを決めなければならないんだった。ええっと、確か「31」では小さい奴を「ジュニア」とかいうのではなかったっけ? いや、普通に「スモール」でいいのか? その上が「M」で、一番でかいのが「L」か? ン? そうじゃなくて、一番小さいのが「キッズ」で、真ん中が「ジュニア」で、一番でかいのが「キング」だったっけ? あー、分からん! どうしよ~! 毎回、こんなですもん。すっげー疲れる。 でも、今日はどうしても「31」が食べたかったので、夕方のお散歩の時に近くのお店に行って買ってきました。6つ買ったうち、今日は3月新登場の「ラブストラック・チーズケーキ」を食べましたけど、これ馬鹿ウマ。教授のおすすめ!です。 さて、昨日まで結構忙しく働いたので、今日は勝手に「休憩の日」と位置づけ、先日から読んできた本のうち、青木玉さんの『幸田文の箪笥の引き出し』と、大西泰斗の『ハートで感じる英文法』を読み切ってしまいました。前者はエッセイとしてとても面白かったし、後者は、うーん、そうですね、ま、授業とかで使えるネタがいくつか見つかった、というところですかね。 でも、一日休憩したら、脳ミソのオーバーヒートが冷め、次の目標への気力が出てきました。おいしいアイスクリームも食べたことですし、明日からまた頑張ります。それでは、皆さんもよい週末をお過ごし下さい。
March 22, 2008
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なんかね、この2、3日、右の胸がドキドキするんですよね~。 ま、私、もともとひどい不整脈で、しばしば心臓がピタっと止まり、しばらくして遅れを取り戻すように「ドキドキドキ」と動き出すのですが、このドキドキがどうも右の胸で生じているような気がする。 ひょっとして、私の心臓、動いた? 右に移動? で、心配になってきたので、恐る恐る家内に「なんかさぁ、右胸で動悸がするんだけど・・・」と言ってみたら、志村けんさん風に「何だってぇ? ほんとか、そりゃあ!?」って言われました。実はこれ、今我が家で流行っているギャグなんですが。 気のせいか・・・。 ま、それはともかく、最近私の胸(左にせよ、右にせよ・・・)を痛めたニュースといえば、『星の王子様』で有名なサン・テグジュペリのこと。あるドイツ兵が、自分が1944年にサン・テグジュペリの飛行機を撃墜してしまった、ということを告白したんですってね。 そうか・・・。彼は再び星の王子様に会うために、どこか遠い砂漠の彼方に飛んでいったのではなかったのか・・・。 サン・テグジュペリは1900年生まれですから、撃墜された時は44歳。今の私くらいの時だったんですなあ。フランスのナチスに対する抵抗勢力として、何らかのミッションに携わっていたのでしょうけど、フランスの貴族はガッツがあるね。まさに「ノブレス・オブリージ」の気概がありますな。 でも、どうせならそのドイツ兵も、死ぬまで黙ってりゃーいいのに。10年ほど前にテグジュペリの乗っていた飛行機の残骸は発見されたようですが、それでも、それはそれとして、ひょっとしてどこかで生きていたのではと、思いたいではないですか。それを「私が撃墜しました」なんて言われたら、ねぇ・・・。 チェ・ゲバラもそうなのかも知れませんが、サン・テグジュペリも、何だかよく分からないけど、好きになれるタイプの人ですね。そういう人っているじゃないですか。アイルトン・セナとかね。皆、早死にして、星になった人たちですな。 今宵は、そんなお星さまになった彼のために、寝しなに『戦う操縦士』でも読むことにしましょうか。
March 21, 2008
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年度末も大分押し詰まって参りました。どの業界の方もそうでしょうけれど、年度末というのは教師稼業でも忙しいものでして、私もなかなか春の到来を味わうというところまで気持ちの余裕がありません・・・。 しかし、それでもなんだかんだやっているうちに段々片が付いてくるもので、今日は割と仕事が進みました。 まず午前中は自宅マンションの住民総会。私は今年度、管理組合の監事役でしたので、総会では会計監査報告をしなければならなかったのですが、これも特に問題なく済みました。「異議あり!」なんて言われたらどうしようかと思いましたが、案ずるより何とやら、という奴でね。 そして午後、大学教員に課せられた「授業自己評価」という奴も5科目分一気に書き上げ、さっさと大学事務局に送付してしまいました。面倒くさいものは、パッパと片付けるに限ります。 そしてその後は先日から書き続けてきた論文の仕上げをし、家内のチェックを経て脱稿しました。家内の指摘により、一箇所修正しましたが、後はまあまあの出来とのこと。やーれやれ、ようやく終わった! とはいえ、これは英文科内の紀要に載せる論文でありまして、この紀要の編集は私が担当しているものですから、早速その書き上げた論文を自分で編集し、他の先生方の論文と合わせて版下作りに取り組んだのですが、毎年やっている作業ですので何の問題もなく、夕食時までにはほぼ形になりました。後は紙に打ち出し、印刷所へ持っていくばかりなり。 ってゆーと、ふむふむ、今日は懸案の仕事が一気に4つ終わったわけか! ということで、今日の夕食では久々にビールを飲みました。ダイエット中ゆえ酒類は控えていたのですが、仕事が捗った今日くらいはいいでしょう。 飲んだのはちょっと贅沢にキリンの「ブラウ マイスター」ですが、うまいね、コレ! コクとキレが共存してるよ! さてさて、この後は何をすればいいのだっけ・・・。 あ、5月のシンポジウム用のレジュメを今月末までに書かないといけないんだった・・・。ひゃー、一難去ってまた一難だね、こりゃ。ロック先生、恨みますよ。きついシンポに駆り出したりして・・・。 でも、ま、今日はもういいでしょう。そろそろお茶でも飲んで、リラックスするとしましょうかね。
March 20, 2008
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昨夜遅く、レイトショーで映画を見てきました。今話題の映画、コーエン兄弟の『ノーカントリー』です。 ま、まだご覧になっていない方も多いと思いますので、詳しい粗筋などは書きませんが、要するにある男がたまたま麻薬がらみの大金を拾ってしまったと。で、そのおかげでハビエル・バルデム演じるところの殺し屋・アントン・シガーに追われることになる、という非常にシンプルな話です。 ところがね、このアントン・シガーが怖い、恐い! めちゃくちゃコ・ワ・イ。 でまた、彼が使う武器がね・・・。ピストルとかならまだ常識的でいいのですが、もっと変なもの使うんだよね・・・。あれも、怖い。「シュッ、ポム!」ですからね・・・。 しかし一番怖いのは、アントン・シガーの髪形かも。演じたハビエル・バルデム本人が自己嫌悪で鬱になったという代物ですからね。夢に出てきそうだよ~。 ちなみに、同僚の教授でアントン・シガーの髪形にそっくりな先生が居て、これからこの先生と顔を合わせるたびにギョッとしそうです。 で、いつものように「教授の印象批評点」ですが・・・ 「81点」でーす! 合格! 『ファーゴ』に見られるような、コーエン兄弟特有のユーモア感覚がいま一つ足りないような感じはしますが、とにかくハビエル・バルデムの存在感一発で80点台獲得という感じです。万人受けする映画ではないとは思いますが、悪い映画じゃないですよ。特にコーエン兄弟映画のファンの方には、教授のおすすめ!です。 ところで「この映画キャラは怖かった」という点で、『ノーカントリー』のバルデムは私の映画歴からすると上位に行くと思うのですが、これに匹敵する怖いキャラって、どんなのがいただろうと考えたわけですよ。 で、結論としては、『ミザリー』に出てきたキャシー・ベイツあたり、どうかな、と。怪我をした作家を助けた親切そうなファンが、次第に作家を独り占めにするために策を弄し始めるというあの映画でベイツが演じた狂気のファンは、バルデム級に怖かったですなあ。 あるいは『シャイニング』のジャック・ニコルソン? やはり、一見普通の人のようで、実は狂気の人、というパターンが一番怖いですね、私にとって。 ですから、最初から怖いことが分かっている人、例えば『13日の金曜日』のジェイソン君なんてのは、私にとっては全然怖くないわけ。もちろん、怖いけど、ゾッとはしない。 あと、「一見普通の人のようで、実は狂気の人」という点では、『羊たちの沈黙』のレクター博士も相当怖いですが、私はね、レクター博士は大丈夫。あの人は基本的に知的でしょ? 頭悪そうなこと言わなければ、別にこちらの脳ミソとか肝臓とか食おうとはしないでしょうから、私は結構気が合って楽しく付き合えそうな気がする。ただ食事とかに招かれたら、ちょっと遠慮するかもしれませんが。 というわけで、読者の皆さんにとって「あの映画のあのキャラは怖い!」というのがありましたら、教えて下さい。
March 19, 2008
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火曜日の夜というと、夕食時と重なることもあって、つい見てしまうんですよね、『おネエMANS』という番組。ま、メイクのカリスマ・IKKOさんをはじめ、ファッションの植松晃士さん、華道の假屋崎省吾さん、ヘアメイクの平澤隆司さん、ダンサーの真島茂樹さん、料理研究家のマロンさんなど、各界で活躍しているそちら系のおネエさん達がわいわいと出演しているバラエティなんですが。 で、彼ら、というか彼女らがまたそれぞれ才能豊かで、どういう話題を振っても誰かが対応できるというのが凄いところ。メイクの悩みならIKKOさんが対応するし、ファッション相談なら植松さんが、料理の話題ならマロンさんが、という具合です。でまた、彼(女)らが一同に揃うと、なんともご陽気で賑やか。座が白けないんですよね。特に、いわゆる「茶々」の入れ方が見事で、私も勉強になります。勉強してどうする、という説もありますが。 でまた、そんな風に面白ろおかしく騒いでいても、何故か嫌な感じがしないんですよね。そこが不思議なんですけど、結局、彼(女)らも、今日の地位を築くまでには、色々な偏見と闘ってきたと思うんですよ。そういうものも踏まえてのあのご陽気さですから、同じご陽気さでも、浮ついた感じがしないのだろうと思います。 ですから、たとえば自分が何かに深刻に悩んでいたとして、それを彼(女)らに相談したら、すごくご陽気かつ、親身になって相談に乗ってもらえそうな気がする。そういう意味で、私もすごくお友達になっておきたい感じ。 というわけで、お馬鹿タレントの出るバラエティ番組なぞにあまり興味のない私ですが、この番組だけは妙に見てしまうのでした。この番組、教授のおすすめ!です。 さて、今日の私ですが、今日は朝から論文書き。本文はほぼ完成したのですが、注をつける作業が大変で、ほとんどこれに追われてしまいました。論文で使用した各種データなどの裏付けを注として記すわけですけど、「この本に書いてあった」ということは記憶していても、何ページに書いてあったかまでは覚えていないことが多いですから、それを調べるのに時間が掛かってしまって。 しかし注の正確さは、論文自体の正確さにつながりますから、気が抜けません。この作業、明日まで掛かりそうだなあ・・・。 でも、あと一息で完成というところまでは来ましたから、もうちょい頑張ります。それでは、また明日!
March 18, 2008
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昨日、学会から家に戻る電車の車内で、「おっ」と思う場面に遭遇。 吊革に掴まりながら本を読んでいた私の斜向かいに、年齢から言えば70代後半と思しき、白髪も大分薄くなりかけの御老人がシルバーシートに腰掛けていたんです。どちらかというと、「よぼよぼ」という形容詞が当てはまりそうなご老人です。 ところがこのご老人、しょぼしょぼした目で、のそのそと手荷物の中を探していたと思うと、やおらアルミ缶に入ったコカコーラを取り出したんです。で、私が「え! まさか・・・」と思う暇もなく、「プシュ!」という軽快な音を立てて蓋を開けると、そのまま一気にグビグビと。まるでコマーシャルのように。 じいちゃん、やるなあ! ま、別にご老人がコカコーラを飲もうとその方の勝手ですが、よぼよぼのご老人とアルミ缶入りのコカコーラの組み合わせが余りにも意外だったので、見ていた私も思わず息を飲んでしまいました。 で、そのよぼよぼのじさまがあんまり豪快、かつ旨そうにコーラを飲み干したので、私まで無性にコーラが飲みたくなり、自分の降りる駅に着いた途端、コンビニに立ち寄って思わず買ってしまったという。 さて、その話はともかく、私が車内で読んでいた本というのは、青木玉著『幸田文の箪笥の引き出し』(新潮文庫)というものでありまして、今日はこの本をおすすめしようと思っておるのでございます。 ま、車内で読む本ですから、エッセイ風の軽いものがいいかなと思い、母の書棚から勝手に抜き出してきた本なんですが、これがですね、なかなか面白い。青木さんが、キモノ(和服)にまつわる思い出、という形を借りて、母・幸田文、祖父・幸田露伴のことを語った本なんですけど、血は争えないというか、読ませるんですよね。 で、また着物の話となると、私なんかまるで知らない世界になるわけですが、それだけに発見も多いんです。昔の日本のキモノ文化の奥深さを知って、驚愕することばかり。 まずそもそもキモノというのが、ものすごく贅沢なものであるということがある。生地の織り方からして物凄く手が込んでいますし、色・柄・模様となると、これまた物凄いバラエティがある。もちろん帯との組み合わせも考えれば、そのバリエーションたるや数えきれない。 で、その数えきれないバリエーションの中から、自分にふさわしいキモノをどう選んで行くか。そこに奥深い個性の表出がある。粋がある。粋ったって、そんじょそこらの粋ではなく、露伴や幸田文の粋ですからね、これがまず凄い。 他方、キモノというのは管理が大変なところもあります。季節が終われば縫い目を解いて洗い、そして糊をつけて張るという作業がある。でも、そうやってしんどい管理をするがゆえに、キモノは長い寿命を保ち、母から子へ、時には父から娘へと受け継がれ、着継がれていく。そしてその大事に使ってきたキモノの最後をどう看取るか。それも大切なことで、キモノを解いて座布団カバーにしたり、本や掛け軸の表装に使ったり、最後の最後は雑巾にしたり、と、本当に使えなくなるまで使い切る。そういう風に考えると、キモノというのは実にコストパフォーマンスの高いものであり、エコなものでもある。 いやあ、勉強になります。 それにね、第一、この本を読むと、いかに自分がキモノにまつわる言葉を知らないか、ほんと思い知らされます。いかんですな、日本人として、こんな素晴らしい文化のことをまるで知らなんて。 でまた、この本のところどころに、実際にキモノを着た幸田文さんや青木玉さんの写真が掲載されているのですけど、これがまた実に美しい! ほんと、最近、こんなにきれいに和服を着た女性を見たことがない。それほど着こなしが見事なんですな。 で、車中でこの美しいキモノ姿の写真を見ていて、ふと目を上げると、偶然、近くに卒業式を迎えたと思しき袴姿の女子大生が立っていたのですが、そのなんともチンケな着こなしに、思わず吹き出しそうになってしまいました。君、君、キモノってのはこうやって着るんだよ、と、この本を彼女に見せてあげなくなりましたよ。 ということで、『幸田文の箪笥の引き出し』、なかなかいい本ですので、興味のある方におすすめします。これこれ! ↓幸田文の箪笥の引き出し
March 17, 2008
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今日は朝も早くから学会の役員会に出席するため、都内某所に行ってきました。 で、役員会はお昼過ぎには終了したのですが、せっかく名古屋からここまで出てきたのですから、もう少し遊んで行こうかしらと思い、六本木ヒルズに向かいました。 ご存知の方も多いと思いますが、六本木という場所は案外行きにくい場所でして、いつも地下鉄路線図とにらめっこなんですけど、今日はいつもと違う行き方にトライをしてみました。「ちぃバス」というのに乗ってみようと思ったんです。これ、港区が運営している地域バスなので、100円で乗れるんですよ。しかもこいつの終点が六本木ヒルズのビルの中ですからね。こんな便利なものはありません。 というわけで都内某所から20分ほどの所要時間で、目的地である六本木ヒルズのど真ん中に出た、と。 さて、何で今日、私がここを目指したかと申しますと、実は今、このビルの52階にある「森アーツセンターギャラリー」で「ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展」というのをやっていたからでーす! ガーン! ま、ワインに詳しい方ならよくご存じと思いますが、フランス・ボルドーの5大シャトーの一つにシャトー・ムートン・ロスシルドというのがございます。で、ここのワインは1945年以降、毎年、世界でもトップ・レベルのアーチストにラベルを描いてもらっているんですな。でまた、そのアーチストたちのメンツが凄くて、ブラック、ピカソ、ミロ、ダリ、シャガール、バルテュス、アンディ・ウォーホル、キース・へリング、フランシス・ベーコン、そしてチャールズ皇太子・・・とまあ、そんな連中ですからね。だもので、ムートン・ロスシルドのワインは、中身はもちろんのこと、ラベルを見るだけでも相当酔えるわけですが、そいつの原画が全部揃うなんて、なかなか見るチャンスがありませんから、この展覧会はぜひ見ておきたいと、そう思っておったわけですよ。 というわけで、高速エレベータに乗って一気に52階に上がり、目指す展覧会へ行ってみたわけですが・・・。あれ? 案外お客さんが少ないな・・・。日曜日の午後だし、お客さんでごった返しているのかと思いきや、案外、寂しいもんです。アレレ、意外や意外。でも、ま、いいや。それだけじっくり見られますもんね。 で、一つ一つの展示品、すなわちその年年のワインのラベルとその原画を見ていったわけですが、うーん、面白い! やっぱり描いているのが一流どころですから、ワインのラベルの原画とはいえ、見事なもんです。 で、面白いのは人によって「ワインラベルの原画」に対する概念が異なることで、最初からワイン・ラベルの大きさで原画を描く人もいれば、そんなことお構いなしにどでーんとでかい作品を仕上げてしまう人もいる。ワインのラベルであることに気を使って「葡萄」や「酒杯」をモチーフにしたり、「ムートン(=雄羊)」にちなんで「羊」をモチーフにする人もあれば、「そんなの関係ねぇ!」とばかり、勝手なものを描く人もいる。 でまた、作品によっては、原画の方がいいものもあれば、ワインラベルになったものの方がいいものもあったりして、その辺の違いも面白い。特に、原画はパッとしないのに、それをワインラベルに印刷するとグッと魅力的になるものが面白かったですね。 それからこのラベル描きの仕事は、一種の名誉職といいますか、損得づくの仕事ではないので、報酬もお金ではなく、ムートン・ロスシルドのワイン10ケースと交換、みたいなシステムになっているんですって。そこもまた、洒落てますなあ! ということで、ワイン好きの方も、そうでない方も、絵とかデザインに興味がある方であれば、ぜひこの展覧会をご覧になって下さい。面白いですよ。教授のおすすめ!です。会期は3月末まで、また予約が必要なようですが、会期中、日によっては「ムートン・ロスシルド」のワインのテイスティング(要3千両)もあるようですので、興味のある方はそちらもどうぞ!これこれ! ↓ムートン・ロスシルド ワインラベル原画展
March 16, 2008
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明日、東京で学会の会合があるので、今日は一人で東京の実家に戻ってきました。 もちろん、こういう時でも私は愛車プジョーを駆って帰省するわけですけれど、今日、350キロを走破してみて思うことは、「春になったねえ」ということでした。 どうしてそう思うのかと申しますと・・・ そう、窓ガラスに付着した虫の痕跡です。高速道路を走っていると、その辺を飛んでいる虫がウィンドウスクリーンに激突しちゃうんです。 で、1月とか2月に帰省する時は、まだ虫が飛んでいないので、それだけ走ってもほとんどウィンドウスクリーンは汚れません。 ところが今日は、ところどころに点々と虫が激突した痕跡がありまして。それで、虫も浮かれて飛び歩く春になったんだなあ、と季節を知ったわけですよ。 しかし、あれですな。虫も可哀想なもんですな。せっかく啓蟄とやらで冬の巣穴から出てきて、「いい陽気になったなあ・・・」なんて思っていると、どこからともなく自分の方に変な物体が走ってきて、一瞬の後にはガラスに付着した半液体になっちゃうんですから。「痛い!」と思う暇もなかったでしょうけどね。 でも、まだ3月なんていい方で、これがゴールデンウィークあたりになりますと、もう凄いですよ。名古屋から東京まで走る間、ウィンドウスクリーンが虫の死骸だらけになりますからね。時々、大きめの虫がガラスに激突する瞬間とか、目撃してしまいますもん。「テッ!」という軽快な音と共に、お亡くなりになる瞬間を。 ま、そうやって無用な殺生をして人間は生活していくわけですから、罪なものでございます。 しかし、そうやって死ぬ奴が増えるということは、逆に言えば春の生命が横溢してきた証拠ですから、その生命横溢する春を楽しむことにしましょうか。 それでは、明日は久々に我が国の首都深く潜入して参ります。また明日のご報告をお楽しみに!
March 15, 2008
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新聞によると、岐阜県の公立高校の国語の入試問題で「欠席」という漢字を書く問題が出題されたところ、試験会場の一部の黒板にこの文字が書いてあるところがあったらしく、点数の調整があったとか、なかったとか。 ま、こういうのは試験会場のミスということになるのかも知れませんが、それにしても今どきの高校入試の問題に「欠席」を漢字で書かせる問題が出るということ自体、如何なものかという印象を持ちますなあ。 今どきの中学3年生って、「欠席」って書ける奴と書けない奴がいるんですかね? 学校生活をやってれば、小学生の頃から「出席」「欠席」くらいは書けるのだろうと思うのですけど、そうでもないのかしらん? ま、最近ではテレビのキャプションでも「切さたく磨」なんて出ますからね。漢字なんか書けなくて当然という時代がもうそこまで来ているのかも知れません。 さて本題ですが、今日は我が大学で最後の今年度最後の教授会がありました。毎年、年度末の教授会では、定年で大学を去る先生方の紹介と挨拶があるんです。今年は定年退職の先生方が多くて、全部で11人。ま、団塊の世代の先生方ですな。 で、先生方にとっては、ある意味教授会での最後のスピーチということになるわけですが、このスピーチにはそれぞれの先生の個性が出るものでありまして、ひたすら同僚たちにお礼を言われる方、自らの学問的業績や大学への貢献をアピールされる方、最後っ屁のように大学への恨みつらみを残して行かれる方、色々です。 そういう中では、定年後の楽しみを語られる方なんてのは一番害がなくていいです。今日、挨拶に立たれた方の中にも、「これからは山林の間伐材の伐採のボランティアと、山の芝刈り(=こちらは「ゴルフ」の意)に精を出します」なんておっしゃって、笑いを誘っていた先生がいらっしゃいました。 そういえば以前、「定年後は趣味のハーモニカの演奏に力を入れる」とおっしゃりながら、教授会員の面々の前で見事な演奏をひとくさりしてみせた芸達者な先生もいらっしゃったりしましたが、最近はそういうのどかな風景がなくなって、ちょっと寂しいところもありますね。 で、毎年この日を迎えるたびに、「私だったら、どんなスピーチをするか」ということを考えます。目立つことは嫌いですが、それでもマイクを握ったら笑いのひとつも取りたいワタクシ。「東京から赴任したばかりの頃は、これでなかなか学生にもてましてねえ・・・」なんて浮いた話でもして、失笑を買うことにしましょうかね。 ま、それはともかく、私がこの大学に赴任以来、会議や委員会で顔を合わせたりした先輩方の顔が、この3月末でもって見られなくなるとなると、ちょっと寂しい気がします。 「さよならだけが人生だ」というのは、けだし名言、ですね。
March 14, 2008
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ひと月ほど前に購入した新しいコンピュータ。散々悩んだ挙句、やはり今回はマックを断念し、ウィンドウズ・ヴィスタ・マシンにしてしまったという・・・。 しかも故障の少なさやアフターサービスの良さから、結局NECの「LaVie」にしてしまいました。なんという意気地のないことでしょう。 でまた、このLaVieがねぇ・・・。どうもデザイン的にいま一つ垢抜けないという。とまあ、そんなこんなで、買ってからはやひと月にもなるというのに、箱さえ開けていなかった、と。 しかし、さすがにそろそろ何とかしなくては、ということになり、今日の夕方からコンピュータのセッティングを始めました。 すると、改めて見る新型マシンのでかいこと、でかいこと。今まで使っていたIBMマシンがB5ポータブルだったこともあり、今回の15インチの画面のでかさにはびっくりです。 で、あれこれ感心したりしながら、とりあえずインターネットとメールが使えるような状態まで持っていきました。 それにしても、毎回この作業をする度に「パスワード」には苦労させられます。ここで入力するパスワードって、あれだったっけ?、それともこれだったっけ? ってな感じでいつも迷うんですもん・・・。 パスワードって、自分以外の人間が不正にアクセスするのを防ぐ手段なんでしょうけど、当の本人がアクセスできなくて一番苦労しているんだから世話はないよなあ! ま、それでもどうにかこうにかセッティング終了して、今も新しいコンピュータの方でこの文を入力しているんですけどね。 さて、これからしばらく私の相棒となってくれるLaVie君が、果たして「できる子」か「できない子」か。ちょっと楽しみではあります。なるべく世話を焼かせないでくれよ! 電機系は苦手なんだから!
March 13, 2008
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2週間ほど前から緩やかなダイエットに取り組んでいるワタクシ。この間、既に2キロの痩身に成功しましたよーん。 やっぱね、食欲に任せて食べちゃダメ。特に夕食のご飯を普段の7割くらいに抑えるだけで、それほど苦しまずに痩せられました。この調子でもう2キロくらい落とそうかな。 ところで、順調なダイエットに気をよくし、ワタクシ、この時点で「二の矢」を放つことにいたしました。攻めの姿勢です。 で、ワタクシが選んだのが「アンクル・ウェイト」。そう、足首に巻くオモリです。とりあえず片方0.5キロ、両足で1キロの奴を買ったんですけど、実際に身につけてみた上で思うに、これ以上の重さだと普通の人にはちょっと重過ぎるのではないかな~、と。ちなみに私はスポーツ用品店で買ったのですが、アディダス製のそれは2200円ほどでした。楽天ですと、1000円ちょいで買えるようですね。こんな感じ ↓リスト・アンクルウェイト 0.5kg*2 で、実際、昨夜、こいつを足首に巻いて家の周辺をちょっとウォーキングしてみたのですが、なかなかいいですよ! 歩いている間はそれほど重いとは感じないですが、ウォーキングを終えてウェイトを外してみると、足が軽い軽い! ということは、その分、足には負荷が掛かっていたわけですから、きっと効果あるんじゃないでしょうか? というわけで、このアンクル・ウェイト、なるべく楽に痩せたいワタクシの必殺兵器になるかも、と、ちょっと期待しているのですけど、もし抜群に効果があったら、またお知らせしますね~!
March 12, 2008
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最近、「お葬式ビジネス」に関するお噂を連続して聞きました。 一つは、実際にこの方面のお仕事に係わっていらっしゃる方の話だったのですが、それによりますと・・・ぶっちゃけ、このビジネス、儲かって仕方がないのだそうです。儲かり過ぎるあまり、がっぽり税金で取られてしまうので、「いかに儲かったお金を使うか」というのが悩みの種なのだとか。 ま、羨ましいような、そうでもないような、という感じですけど、確かに世の中がどう変わろうと、人が死ぬことは絶対不変の真理ですからね。不景気だからお葬式はあげないでおこう、というわけにもいかないでしょうし、そういう意味では景気に左右されないビジネスではあるのでしょう。 ところで、この方の話を伺っていて一つ「なるほどねえ・・・」と思わされたのは、「お葬式ビジネスに係わる中で一番辛いこと」の話題です。 何が辛いと思います? お葬式が終わって、施主の方に「(わが社を使っていただいて)有難うございます!」と言えないことだそうです。 なるほど、ことが「お悲しみ」に関することですからねえ。「毎度、ご贔屓に!」「次回もぜひうちで!」なんて、言えないですよね。そのことが、ビジネスをやっている上で一番辛い、というのも何となく分かる気がします。 さて、もう一つは「葬儀コンサルタント」の資格の話題。今、世の中は「資格ブーム」ですが、こういう資格もあるんですなあ。実際、すごく難しいらしいですけどね。 で、これを持っていると、葬儀のプロデュースができる、と。 ま、確かに結婚産業なんかでは、この種の結婚式プロデューサー業というのがあるわけでして、それと同じく、葬儀プロデューサー業があってもおかしくはないですよね。 でも、それってちょっと面白そうじゃないですか? だって、今どきのお葬式って、あまりにも型通りでつまらないんですもん。「つまらない」というと、ちょっと語弊がありますが。 例えば、私自身、あまりにも無機的に運営されたお葬式に参列し、なんだかな~と思った経験が何度もあります。まるで軍隊式に「では次はこの列にお座りの方、前へ出てご焼香下さい」みたいなことを強要され、心太式に押し出されて、はい、終了、みたいな感じの奴。これでは、泣くに泣けないよ、と思いましたもん。 こういう型通りのお葬式ばっかりでは、やっぱりつまらないですよ。もう少しケース・バイ・ケースでお葬式をあげることができたって、いいのではないかしら。 仮にまだ若く、将来ある人間が病気や事故で無くなった場合など、参列者の涙を思い切り振り絞るような演出があってもいいし、逆に90歳100歳の大往生であれば、笑顔の絶えないお葬式があってもいい。あるいは、人望がなくて、参列者が少ない場合は、エキストラの「泣き女」を雇うとか。あと、つめたーく無機質な葬儀会場ではなく、一軒家のレストランを借り切った「レストラン・フューネラル」があってもいいじゃないですか。 よくない? よくないと思う人も居るか・・・。 でもね、その辺は施主や、あるいは亡くなった本人の意志一つにかかっているんでね。他の人が口を出すところではないでしょう。俺が死んだら、ぱーっと賑やかにやってくれ! という人だっているわけでありまして。 というわけで、「葬儀プロデュース業」というのに、ちょっと興味が湧いたワタクシだったのでした。資格とろうかな・・・。
March 11, 2008
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今日、散歩の途中で書店に寄ったら、成毛眞という人の書いた『本は10冊同時に読め! 生き方に差がつく「超並列」読書術 本を読まない人はサルである!』(知的生き方文庫)という長いタイトルの本が文庫の棚に平積みされていたので、ちょっと手にとって読んでみました。 この成毛という人がどういう人なのか、人様をサル呼ばわり出来るほどの人物なのかどうか、私はまるで知りませんし、チラッと読んだ限りでは、まあそう大した内容の本ではないような気がしましたけど、それでもアマゾンのランクで現在320位ということですから、この本はそれなりに売れているのでしょう。 で、この本の内容はと言いますと、要するに「本は10冊同時に読め」ということに尽きるのでありまして、10冊同時に読むと、逆説的なハナシながら、1冊ずつ読むよりよほど集中して読めるし、またつまらない本を1冊読み通すのは難しいけれど、そんな本ですら他の面白い本と合わせて並列的に読めばそれほど飽きずに読める。とにかく本を沢山読まない奴はサルだ、ということなんですな。 なるほどと思うところもあるし、だからどうした、というところもある。そういう本です。 じゃなんで私がこんな本を手に取ってみたかと申しますと、私自身、同時に10冊程度の本を読む人間だからであります。 で、一度に複数の本を読むと、確かにいいこともあります。語学の本なんてのは、その最たるもんじゃないでしょうか。語学の本を複数同時に読み進めると、重なりあう学習項目について波状的に読むことになりますから、その分、理解が深まるところがある。例えば今私はデニス・キーンの『Problems in English』という本と、マーク・ピーターセンの『マーク・ピーターセン英語塾』という本、さらに大西泰斗の『ハートで感じる英文法』という本を同時に読んでいますが、やっぱり勉強になりますもんね。だから、成毛という人の言っていることが部分的に正しいことは認めます。 その一方で、山村修の『遅読のすすめ』なんて本を読むと、本は一冊ずつゆっくり読め、と書いてあって、これはまたこれで納得させられるところがある。山村さんは月曜日に新しい本を読み始め、週末に読み終わる。そしてまた次の月曜日に新しい本の頁を切るのだそうで、このペースを続けるのがいいのだ、とおっしゃるのですが、そういう生活が出来たらどんなにステキだろうという気もします。 で、そうできたらステキだなと思いつつ、結局10冊の本を一度に読んでいる自分がいる、と。で、なんだか、自分が本を読んでいるのではなく、私の方が本に読まれてしまっているような気がしている、と。身につかない服を着ているような居心地の悪さが、そこにはあります。 というわけで、どうも最近、私は本の読み方が下手になったなあ、という気がして仕方がないんですな。そんな気がするものだから、つい『本は10冊同時に読め!』なんていう本を手に取ってしまったのでしょう。そこに免罪符を求めて。 結局、本って言うのはどういう風に読むものでしたっけね? 迷える教授に読者諸賢のお考え(読書習慣)をお聞かせ下さい。
March 10, 2008
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ダメなんじゃないかと思いつつ、それでもひょっとしたら、という気持ちも抱いて、名古屋女子マラソンの結果に注目していたのですが、やっぱりダメでしたね、高橋選手。 それにしても不思議なもんですね。オリンピックで勝った時は無敵のオーラを放っていた彼女が、ここまで苦戦するようになるとは・・・。記者会見で本人もそう言っていましたが。ま、これでとりあえず北京への望みは絶たれた形になりましたけど、何といっても彼女は既に一度金メダルをとって、オリンピックの歴史に名前を刻んでいるんですからね。マラソン選手としてはまだ引退するような年齢でもないんですから、堂々と現役を続けてくれればと思います。 ところで、マラソン(長距離走)といえばワタクシも昔は速かったんですよ、小学生の頃までは。学年でも5本の指に入るくらい。クラス単位で言えば、スタート地点で最後尾から出発し、ゴールまでに全員抜き、なんてことは朝飯前という程度ですが。 もうね、走っていても全然苦しくないの。あんまり苦しくないので、逆に不安になり、本当はもっと速く走れるのだけど、わざわざセーブして走ったほど。それでクラス全員抜きなんですから、本気で走ったらどのくらい速かったのか、今にして知りたいくらいです。 でまたあんまり速過ぎるもので、常に集団の先頭を走るわけですけど、ワタクシの場合、激しく方向音痴なもので、しばしば道を間違い、後続集団を引きずって、予定されたコースじゃないコースを走ってしまうというようなこともやってのけたのでございます。今も思い出しますが、運動会で先生方や父兄の皆さんが今か今かと待ち受けるのとはまったく逆の方角からグラウンドに入り、ゴールのテープを逆から切って、皆さんを唖然とさせたこともあったとか、なかったとか。 ところが、これがまた不思議なことに、中学生になった途端に急に走れなくなりまして。以前はあんなに軽かった身体が急に重く感じられ、足が重くて前に進めない。私の駿足ぶりを知っている友人たちは、はじめのうち私がふざけてわざと遅く走っているのだろうと思ったようですが、どうもそうではないようだと気づき始め、そのうち長距離走に関して、私はまるで名前の上らない子になりました。 それでも、自分としてはそう簡単に諦められないわけでありまして、前に進まない身体を持て余しながら、「なんで昔のように速く走れないんだろう? 僕はどうしちゃったんだろう?」と自問を続け、「速く走れない自分」を受け入れるのには随分長い時間がかかりました。 だからQちゃん、私には今のあなたの気持ちがわかるぜ! それが、今ではどうでしょう。慢性的な運動不足ゆえに、長距離走どころか、100メートル走るだけだって息が切れてしまうというていたらく。もうそんな自分を歯がゆいとすら思わなくなりましたけどね。 ところが。先日、心臓の精密検査をすることになって、病院でベルトコンベアーの上を走らされたわけですが、そこでわかったことが一つ。 先生曰く、「あなたの心臓は不思議だ。普通の人なら、これだけ負荷をかければ少しは血圧が上昇するものだが、あなたの場合はまったく上昇していない。不整脈も収まって、鼓動がきれいに揃ってくる。まるでマラソン選手の心臓のようですな」。 おお、そうか! やっぱりそうか! 言ってみれば、私の心臓はレーシングカーのエンジンみたいなもので、低回転ではバラツキがあるけれど、高回転になるほどきれいに回転していくわけか。つまり、私の子供の頃のあの長距離走の速さは、決して幻ではなかったのだ! ま、今では狭心症の発作に悩まされ、ニトロ常備の身ではありますが、心臓の傾向としては長距離向きだった、ということがわかっただけでも、ちょっと嬉しかったんですけどね。 話が大分逸れてしまいましたが、要するに「昔速かった人の悲哀」ということでございまして、高橋選手には、せめてもう一花咲かせて欲しいなと、そういうことでございます。 ということで、Qちゃん、頑張れ! それからついでに柔道の井上康生も頑張れ! あなたの場合は内股に拘らず、締め技・寝技・関節技、なんでも使って勝負に勝て! 不肖ワタクシも、学問の世界で突っ走るよ!(あー、また道を間違えてる~!)
March 9, 2008
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昨夜遅く、クルマを駐車場に止め、マンションの入り口へ向かって歩いていると、どこからともなく「ニャー」という声が。 ふと見ると、暗闇の向こうにきれいな灰色の猫ちゃんが。猫好きの家内が呼ぶとトコトコと歩み寄ってきて、ピンと尻尾を立て、親しげに身体をスリスリと擦りつけてきます。おやおや、甘えっ子ちゃんの猫ですねー。どこかの飼い猫が夜のお散歩をしていたのでしょうか。 で、ひとしきり身体を撫でて可愛がった後、猫ちゃんにバイバイしてマンションに入ろうとすると、その猫ちゃんも「そうそう、寒いからそろそろ家に入りましょうね」と言わんばかりの様子で、我々の先になり後になり、足元にまとわりつきながらくっついてきます。困ったなあ。おうちに入れてあげたいのは山々だけど。 で、マンションの入り口のドアのところで猫ちゃんを宥め、「ごめんね、君は入れてあげられないよ」と言うと、こちらの言葉が分かったかのようにその場にちょこんとお行儀よく座って、「じゃ、また今度ね」と我々を見送ってくれました。賢い猫だなあ! 釈迦楽家の中では唯一、動物好きの私。両親が生き物が苦手なので、犬や猫は飼えませんでしたが、その代わりシマリスや文鳥や亀やトカゲやザリガニ、とにかく小さな生き物をよく飼いました。家族・親戚の中で一番年少だった私としては、自分が面倒を見てやれる子分が欲しかったのでしょう。大きくなったら「アルプスの少女ハイジ」に出て来るヨゼフみたいなでっかい犬を飼うぞ! というのが夢でした。 しかし、最近は猫派の家内の影響で、犬よりむしろ猫の方に興味があります。 家内によると猫は・・・1 自立しているので、犬のように毎日飼い主が散歩させたりしなくても勝手に生きている。2 賢いのでトイレの躾なども簡単。3 クールなので、飼い主に飛びついてきたり、興奮してペロペロ顔を舐めたりしない。 などのメリットがあるとのこと。 しかし私としては、どうせ生き物を飼うなら、あんまりクールなペットより、犬みたいに愛情を最大限に示してくれる方が好きなんだよなあ・・・。ですから昨夜の猫ちゃんみたいに、猫なんだけどすごく甘えん坊で、スリスリ擦り寄って情愛を示してくれるようなのがベスト。それにしても昨夜の猫は可愛かったなあ。 でも、猫は人よりも家につくといいますから、私のように東京に実家があって移動することの多い人間が猫を飼うのは、ちょっと難しいのかなとも思ったり。とりわけ実家の両親が生き物が苦手の場合はなおのこと、ね。また私のような仕事をしていると、外国に一月単位で出向くことも、この先ないわけではないですし。そういうことを考えると、実際に猫を飼うのはもう少し先になるのかな・・・。 でももし飼うとしたら、灰色をした短毛種の猫を飼う予定。ロシアン・ブルーなんか、いいですねえ。名前は、身体の色に従って「スモーキー」か「ミスティ」にします。それはもう決めてあるんです。 というわけで、スモーキーかミスティが我が家にやってくるまでは、昨夜のように、お散歩中の猫ちゃんとの偶然の邂逅を楽しむことにいたしましょう。
March 8, 2008
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愛車プジョー306の1年点検が近づいていたので、今日、ディーラーに入庫してきました。今回はかなり前から予約しておいたので、代車もバッチリ。プジョー206を借り出すことが出来、少しの間だけですけど、こいつの乗り味を確かめることもできました。さすがに306とは比べ物になりませんが、それでも外寸の割に中は広いし、1.6リッターエンジンもそれなりに活発で、立派にファーストカーになるクルマですな。 ところが、調子よかったのはここまで。その後入ったディーラーからの連絡によると、点検作業の中で色々とトラブルが発見されたようで・・・。 ま、今回は1年点検の基本料プラスバッテリー交換で、7万円弱で一応済みましたが、パワーウィンドウの作動不良があるようで、こいつを直すとなると6万円。またブレーキのローターとパッドもあと半年くらいの寿命だそうで、こいつも6万円。スピードメーターの作動不良が深刻になったら、プラス10万円。この他、フロントのショックアブソーバーもそろそろ寿命で、こいつを換えるとなると7万円。タイヤを換えて5万円。 そうやって計算していくと、来年の車検時までにざっと40万円コースらしい。ひゃー! クルマの維持費もバカにならないなあ・・・。 でも、可愛いプジョー君ですから、ここは一つ、目をつぶってもうしばらくはこいつに乗り続けることにいたしましょう。トホホ。 さて、痛い出費を乗り越えた後、今日はもう一つイベントが。 実は私の下で修士論文を書き終え、無事に審査を通過したI君を慰労するため、今日は彼にご馳走することになっていたのです。ということで、今日の夕方、I君を地下鉄本郷駅で拾い、家内も含めて3人で長久手にある中華料理(飲茶)の店、「九龍街(クーロンストリート)」へと向いました。 何も今が今、中華料理はないだろう、という説もありますが、スマートな体格に似合わず健啖家のI君をもてなすにはバイキング形式の店しかないと思い、この店を選んだという次第。実際、I君は「何を食べてもうまいっす!」と大喜びで、何度も皿を換え、色々な料理にチャレンジしていました。これだけ食ってくれると、ご馳走してやった甲斐があるというものです。 でまた今日は家内が一緒だったので、普段、研究室では出ない話題も出ました。要するに「ところでI君は彼女、いるの?」というような話なんですが。 ま、結論から言うと、今のところガールフレンドはいない、という返事だったのですが、さらに続けて「じゃ、どういうタイプの子が好きなの?」と問いかけると、I君曰く、「そうですね、よく友達の間でも話題になるんですが、長○まさみと沢○えりか、この二人のうち、どちらがタイプ? という究極の2択で言いますと、自分は案外『沢○派』かと・・・」ですって! つまり、パッと見いい人風で、実は案外・・・な人より、むしろ最初から「私はこうなの」という感じの方が潔くていい、ということらしいのですが。 そうか。今どきの若い男の子の間では、この二人が別れ道なんだ・・・。 私の世代でいうと、松○聖子と中○明菜だったら中○派、みたいな感じかな? (違うか?) ま、それはともかく、そういう方面からもI君の人となりが分かって、なかなか楽しい夕食会となりました。そしてその後、藤ヶ丘のジャズ喫茶、「青猫」でまったりジャズを楽しんでから、今日の慰労会は終了~。 ということで、今日はちょいと痛い出費もありましたが、「修論が終わったら、一度ご馳走してやろう」というI君との約束も果たしましたし、なかなか気分のいい一日となったのでありました。やっぱり、今日も、いい日だ!
March 7, 2008
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気に入った靴を休ませることなく履き続けてしまうのは、多分、私の悪いクセなんでしょうが、その結果、靴をダメにしてしまうペースも早いような気がします。 実は先日も愛用していた革靴が壊れてしまったんです。靴の内側の側面を靴底に縫い合わせている糸が切れてしまい、そこがバカッと口を開いてしまいまして。タ○オキ○チの靴だったのですが。 しかし、いくらハード・ローテーションで使ったとはいえ、この靴、買ってからまだ1年くらいしか経っていませんからねえ。それに壊れたとはいえ、横の部分の口が開いただけですから、そこを修理すればまだ十分履けそうです。資「源」節約の上からも、また資「金」節約の上からも、ここは一つ、修理してもう少し使おうではありませんか。 そう思った私は、今日、靴の修理屋さんのところにこの靴を持参したのですが・・・ その修理屋さん、壊れた靴をひと目見るなり、「あ、これはうちでは修理できませんねえ。メーカーさんに問い合わせていただけますか」ですと。ン? そんな重症なの、私の靴ちゃん。 しかし、ここは修理屋さんとはいえ、フランチャイズのお店。簡単な修理しかできないのでしょう。きっと個人で経営している職人さんの手にかかれば、直せないということはありますまい。 ということで、次にもう少し職人さんっぽい人のいる修理屋さんのところに持って行ったのですが、なんと、ここでも先程とまったく同じことを言われてしまいました。要するに、修理はできない、と。 私が悲しそうな顔をしたせいでしょうか、2軒目の修理屋さんの職人さんは、修理ができない理由を教えてくれたのですが、その人曰く、靴の側面の革が内側に回り込むようにして靴底に縫い合わせてあるのであれば、直すのは簡単なんですって。ところが、私が持って行った靴のように、側面の革が外側に開くようにして靴底と縫い合わせてある場合、これは縫ってある糸がほつれたらもうおしまいなのだそうです。なんだか、逆のようですけどね。外側で縫ってある方が、縫い目が外に出ているのだから、直し易いような気がしますが、そういうことではないらしい。 とにかく、そういう技術的な問題があるので、修理はできないと、まあそういうことなんですな。 いや~。そうなんだ。じゃ、結局、この靴はもう捨てるしかないんだ・・・。決して安い靴ではなかったんだけどなあ・・・。 しかしね、どうなんでしょうか。「こういう風に作ったら、修理はきかない」というのは、もちろん靴メーカーとしては知っているんでしょう? 知らないはずはないでしょうし、本当に知らなかったら靴のメーカーとしてそもそも失格です。 で、知っていながら、そういう風に作るというのは、いかがなものか・・・。 ヨーロッパあたりでは、貴族ですら、愛用の靴を町の修理屋に出して長く履き続けるというではないですか。愛着のあるものを、修理しながら長く使う。それが当たり前の社会なんでしょ? そういうのに比べると、どうも我が国の靴は、あまり良心的に作られていないような気がしますぞ! ま、靴だけでなく、どうも現代の日本製品なるものは、まだ「修理」ということまで考えて作っていないようなところがありますね、全般的に。戦後日本は、なんでもかんでも「スクラップ&ビルド」だからなあ。 それに慣れてしまった我々日本人も悪いのですが。我々自身が、古くなったものをじゃんじゃん捨てて、新しいものに替えようとするから、メーカーもそのつもりになって、修理のきかないものを作って恥じないようになっちゃったのでしょうな。いかん、いかん。 ま、それはとにかく、目の前の現実問題として、まだ新しいとさえ言える愛用の靴をみすみすゴミ箱に捨てなければならない私としては、「なんだかなあ・・・」という気がして仕方がないのでございます。もう、わけ分からん!
March 6, 2008
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今日はなんだか一日中忙しかったです~。 まずいきなり三越星ケ丘店に行って、姪っこの卒業祝いを購入、卒業式がある7日に着くように手配。帰りに「ヤマダ電器」に寄るも、Zライトは売っておらずガッカリ。 そして午後からは学会関連の仕事に追われ、結局夜までかかってしまいました。 学会の仕事というのは、日本全国の学会員がこの1年に書いた本のリストアップだったのですが、何せ広範なことですし、かといって「自分の書いた本がリストアップされてない!」なんて方がいらっしゃると申し訳ないし、気が抜けないこと甚だしい。この作業は疲れました。 そんな中、唯一の息抜きだったのは、午後のお茶の時間。三越に行った時についでに買ってきた「ル・タオ」のチーズケーキを豆から引いたブラジル・コーヒーと共にいただいたのですけど、これはうまかった。「ル・タオ」というのは、逆さまから読めば「オタ・ル」ですが、読んで字のごとく北海道・小樽にあるケーキ屋さん(兼喫茶店?)。ここのチーズケーキはなかなかのもんですよ。 ということで、仕事は若干残っていますが、そろそろ夜のお茶の時間にすることにして、後の仕事はまた明日、ということにいたしましょう。それでは皆様、お休みなさい。
March 5, 2008
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欲しいモノというと、「別荘」だの「アストン・マーチン」だの、大体「ウン千万」とか、下手をすると「億」の単位になってしまう私。現実的な値段の物となると、本とCDを除けばあまり多くの物を欲しいとは思わない方なんですが・・・ ついに最近、欲しいものが一つ、出てきました! 勉強机用の照明でーす! ガーン! 今使っているのは、この家に引っ越した時に、新築祝いとして姉から贈られたものなんですが、最近、こいつの笠の部分が壊れてしまって。セロテープで止めて、応急手当をしているんですけど、気合入れて勉強している時など、ふいに「ガタッ!」と落ちてくるわけ。突然落ちてくるので、心臓に悪いという・・・。 というわけで、そろそろ買い換えないといけないわけですが、「買い換えないとなあ・・・」と思った途端、頭の中に「Zライト」という言葉が浮かび、そうしたら俄然、買いたくなってきたんです、Zライトが。 ところで、皆さん、山田照明のZライトって、ご存じ? 今はどうか知りませんけど、昔流行ったんですよ、Zライト。机にネジ止めし、照明部の位置が自由に変えられるアームライトの一種なんですけど、外側にバネが剥き出しになっていて、すごくカッコいい。 でね、小学生の頃だったか、親にねだって買ってもらったことがありましてね。青い色の奴で、シンプルな造形がビューティフルだった・・・。笠の部分は、なんというか、金属製なのか、あるいは琺瑯なのか、とにかくそんな感じなんですが、そこがまた良くてね。 で、部屋の電気を消し、Zライトの明かりだけで勉強すると、これがまた妙に集中できるんだ。結局、私は小学生の時から高校卒業するくらいまでこのZライトを愛用したのではなかったかしら。まさに私の青春時代はZライトと共にあったんです。 というわけで、私、山田照明のZライトには限りなく愛着があるので、今度買うならぜひZライトを買おう! と思ったのも、まあ当然と言えましょう。 が、残念なことに、調べてみたらもう既にあの思い出のZライトは絶版となっているらしく、山田照明としても作っていないんですな。ガーン、ショック! その代わり、それに近い後継機種は今もなお売っているらしい・・・。ただ、色が「黒」「グレー」「白」の3色しかないようで、私の脳裏に今もなお燦然と輝く青いZライトはもうないんです。 そこがちょっと悲しいのですけれど、いずれにせよ私のお買い物リストに「Zライト」の文字が黒々と刻まれました。上記3色のうち、どれを買うか決めたら、電気屋さんに行こうっと! ひゃー、なんか嬉しいな、欲しいものがあるって!これこれ! ↓《山田照明》 Z-LIGHT(Zライト)Z-108-B(ブラック)
March 4, 2008
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ま、興味のある人にしか興味ないでしょうけど、往年の名プロレスラー、ドリー・ファンク・ジュニアがプロレス界から引退したとの報を耳にしました。御年66歳。 しかし、アメリカのプロレスラーというのは、60代半ばまで現役を続けるんですね! 大したもんだ! ところで何故、私がドリー・ファンク・ジュニアの引退を惜しむかと申しますと、何を隠そう、彼こそは私の少年時代のヒーローだったからですよ! ワタクシ、こう見えて筋金入りの格闘技好きでして、子供の頃は本気でプロレスラーになることを夢見、故ジャイアント馬場氏に入門希望の手紙を出したこともあります。また自分の編み出した必殺ワザを写真に撮り、その写真に「次の試合で使って下さい」と認めた手紙を添えて、「全日本プロレス内 ジャイアント馬場様」宛てで出したことも一度や二度ではありません。 で、その頃のプロレス界のチャンピオンベルトといいますと、NWAとWWWFのものが一番栄誉あるものでしたが、日本ではNWAの方が知られておりまして、私がプロレスラーに憧れていた頃のNWAチャンピオンが、まさにこのドリー・ファンク・ジュニアだったんですな。 ちなみに彼は「キッチン・シンク」という打撃系の荒技でならしたジン・キニスキーを破って新チャンピオンになったのですが、その時に使ったのが、かの有名な「スピニング・トウ・ホールド」という必殺技。これはプロレス一家だったファンク一族の伝家の宝刀でして、テキサスの牛飼いたちが暴れる牛を押さえつける時のワザを転用した、それはそれはミラクルなワザなんです。 で、ワタクシ、幼少時から何かに興味を持つと、まずは大量に関連書を買い集めて熱心に研究するという性癖があり、当然、このスピニング・トウ・ホールドや、その他のプロレス技を研究したんです。 で、ワタクシがプロレス技に詳しいということになりますと、当然のことながら、クラスの悪ガキどもが私のところへそれを習いに来る、という現象が生じます。「ねえ釈ちゃん、足四の字固めってどうやってかけるんだい?」みたいな感じ。そこで私は「いいよ。じゃ、ちょっとそこに寝てみて。まずボクが君にかけてやるから」という感じで技を伝授するわけ。無論、彼は私のかけるプロレス技に苦悶します。皆の見ている前で、ね。 で、私から各種プロレス技を習った悪ガキどもは、その技を使って・・・何をするかあまり言いたくありませんが、とにかくそれを使って自分が「強者」であることを証明するわけですよ。 するってーと、どういうことになるかと申しますと、つまりワタクシは自動的に、その暴れん坊たちの公認の「師匠」ということになるわけでございまして、それはすなわちクラス内の立場的には、いわゆる、そのぅ・・・「裏番」ということになるわけです。 細っこい体格で、実際には腕っぷしの強くない私が、小学校時代、最悪の悪ガキどもにも一目置かれていたことには、こういう事情もあったのでございますよ。わっはっは! 換言すれば、「知、よく剛を制す」? ま、それはともかく、そんなふうに少年時代の私の血を沸かせ、またある意味では私を現実に守ってもくれたヒーローが、ついにその長い現役時代に幕を引いたという知らせを聞き、非常なる懐かしさと共に、まさしく一つの時代が終わったのであるなあと思ったワタクシだったのでありました。
March 3, 2008
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昨夜テレビでやっていた周防正行監督の『それでもボクはやってない』という映画を見てしまいました。話題になった映画ですので、おそらくご覧になった方も多いと思いますが、痴漢冤罪を通じ、日本の司法制度の欠陥を批判した映画です。 しかし、おっそろしいですな、痴漢冤罪! 誤解だろうと何だろうと、駅の事務室か何かに連れて行かれ、警察を呼ばれたが最後、もうほとんど逃れる手だてもないまま裁判で「有罪」にされてしまうというのが、現在の司法システムというものらしいのですけど、映画を見ながら、もし万が一、自分がこういう騒ぎに巻き込まれたらどうしようという不安に苛まれ、映画を見ている間中、変な胸騒ぎがして、ドキドキしっぱなしでした。 昔、アメリカ映画に『危険な情事』というのがあって、世の殿方の胆を冷やしたことがありましたが、あれは浮気映画ですから、ひどい目に会う奴には確かに罪がある。しかし『それでもボクはやってない』の場合は、罪のない人間に罪がきせられる話ですからね。ある意味もっとコワイですよ。 それにしても、痴漢に間違えられた場合、あくまでも無罪を主張すると、それは警察・検察を敵に回す行為となり、裁判ではほぼ確実に有罪となる。よくて執行猶予、場合によっては実際に刑務所送り、というのですから、変な話です。一方、罪を認め、示談に持ち込めば、さほど苦労しなくて済むとはいえ、それだって随分癪な話ですし、多少なりとも経歴に汚点が残りますからね。 つまり、進むも地獄、退くも地獄。「この人、痴漢です!」と疑いをかけられた時点で、もうその人の社会的生命には終止符が打たれたようなもんなんですな。 でまた、無罪を主張すればするほどどんどん状況が厳しくなり、保釈が認められるまで留置所で他の犯罪者とまったく同じ扱い、つまり、無辜の人間としてはかなり屈辱的な扱いを甘んじて受けなければならないのですからねえ・・・。特にこの映画の前半は、逮捕された人間が受ける扱いをかなりリアルに描いているのですが、「逮捕されると、こうなるんだ!」というのがよく分かって、面白いやらコワイやら。 でもね~。満員電車に乗るなんてことは、少なくとも都市部に住んでいる人間にとっては毎日のことであって、それはつまり、男は毎日、痴漢冤罪に巻き込まれる可能性に身を晒しているということじゃないですか。ひゃ~! ま、私は現在のところクルマ通勤の身ですから、その意味では痴漢に間違われる可能性は少ないですが、その私とて、たまには東京出張で混んだ電車に乗ることもありますからねえ。こんな映画見たら、もう怖くて電車になんか乗れませんよ。 とにかく、せめて冤罪被害を受けないための自衛手段として、多少とも混んだ電車に乗る時は両手で吊り革にしがみつき、周囲の人間に「この人ではない」と証言してもらえるように心がけないといけませんな。世の男性諸君、ご用心、ご用心!
March 2, 2008
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今日はかつての同僚にして今は本学名誉教授のH先生をお招きし、我々現役の教授陣4名と合わせ総勢5人で昼食会を開きました。場所は私の最近のお気に入り、日進駅南にある「ビストロ プチ・ベール」です。 ま、あまり世間ではないことだと思いますが、同じ科の教授陣の仲が非常によいので、H先生が御退官なさった後も、年に1回か2回はこのような昼食会を開いています。我々現役組は日頃大学で顔を合わせているわけですが、それでも休日の日に普段着で顔を合わせるということはあまりなく、なかなか新鮮です。 で、前にも書きましたが、このプチ・ベールというお店、店の看板などがほとんど出ていないので、お店の真ん前に立ってようやくここがお店であることが分かる、というような感じなんですが、料理人の腕は上等で、どの料理も非常においしい。今日も私以外の先生方はここの料理を初めて食べたわけですが、皆、その味を絶賛して下さいました。紹介した私としては、鼻高々というところ。しかも今日は個室の方に入れてもらったので、こじんまりとくつろぐことができ、こういう少人数の会食の場としては最適でしたね。 しかし、ちょっと面白かったのは、今日集まった先生方の服装です。私も普段ですと黒っぽい色の物を着ることが多いのですが、今日は3月だし、少し春めいた色のものを着ようと、若草色みたいな色のセーターを着て行ったところ、どの先生も皆、同じようなことを考えられたのか、偶然全員が若草色の服だったんです。揃えたように全員が若草色の服を着た5人組にやって来られて、お店の人も仰天されたんじゃないでしょうかね! ま、それはともかく、いつものように話題はあちこちに飛び、最近のロンドン事情(地下鉄の初乗りの乗車券が日本円で1000円を越すようになったことなど・・)から始まって、英米の住宅事情、本の話、古本の話、大学の現況、今年の卒論・修論の出来などなど、和やかに会食は進みました。もっとも、ある程度年齢の行った男たちの集まりですから、最後の方になってくるとお決まりの「不健康自慢」にもなってしまいましたが、それはご愛嬌ということで。 また修論の話題が出た中で、今年度私が指導したI君の「集合知」に関する修論を、査読して下さったO教授が非常に高く評価して下さり、その内容をめぐってひとしきり議論がなされたことは、私としては喜ばしいことでございました。 でも一番嬉しかったのは、話題が途切れ、皆が黙ってくつろいでいた時に、O教授が「なんだか今日はノンビリできたな~」としみじみおっしゃったことで、またそれがそこにいた5人全員の気持ちを代弁していたことでした。「忙中閑あり」ではないですけど、せわしない日々の中で、せめて今日のひと時だけはしみじみリラックスできたのであれば、ステキなことではないですか。 というわけで、今日は親しい先生方との会食を思うさま楽しみ、いい時間を過ごすことのできた私だったのでした。今日も、いい日だ!
March 1, 2008
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