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以前、実家にいたときに偶然、テレビが湯川秀樹博士の映像を流した。それを見た母がおもむろに「この人がノーベル賞獲ったときは嬉しかった。日本人でも出来るんだぞって、ほんとに誇らしかったの忘れられないわ」・・・と、感極まって、涙まで滲ませていたことがありました。昨日のアカデミー賞授賞式で、大好きなカトリーヌ・ドヌーヴをエスコートして出てきた渡辺謙さんを見て、私もそれと通じる感慨深さに浸ってしまいました(感涙)。以下、思いつくままに雑感を。*候補者全員が数秒ずつ、次々に登場するオープニング・フィルムは、同時通訳の人には酷でしたね。*「ドリームガールズ」を観て来たばかりだったので、主題歌賞のパフォーマンスが楽しみでした。 ジェニファー・ハドソンとライヴで競演するビヨンセ、さぞ気合いが入ったことでしょう。 歌いながら、血管が切れちゃうのでは?と思いました・・・ でも、映画のキャストを揃えてゴージャスなステージを終えた直後に、他の候補に賞をさらわれるって!何ともお気の毒。*レッドカーペットで一緒に歩いていたナオミ・ワッツとの身長差に驚いたニコール・キッドマンですが、新007のダニエル・クレイグより背が高いとは、さらにビックリ。 ガエル・ガルシア・ベルナルは絶対に隣に並ばないほうがいいと思う。*「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイルちゃん、ウィル・スミス・ジュニア(本名を失念)と並んでのプレゼンターもとーっても可愛くて、TVの前でメロメロでした。 席では、おさるのジョージのぬいぐるみを抱っこしていましたね。 でも、ハリーのダイヤとジミー・チュウの靴をちゃんと身につけていたらしい・・・さすが。*鶴瓶師匠ことフォレスト・ウィテカー、オスカー獲得おめでとうございます。 前評判通りの受賞のようですが、心のこもったスピーチにホロリときてしまいました。 人の一生の、決定的瞬間を目撃しているという実感が迫りました。*主演女優賞のヘレン・ミレンも洗練された貫禄で、素敵でした。 「年齢にくらべて若く見えてきれい」というのではなく、重ねた年齢がそのまま、美しい持ち味になるような。そんな歳の取り方に、憧れます。*そして今年も、一番かっこ良いのはジョージ・クルーニーだった(私にとっては)。*WOWOWさん、来年はキムタクはスタジオに呼ばなくていいと思います。スターの写真は公式サイトoscar.comでチェックできます(少々広告がうるさいですが)。ゴールデングローブのドレスが米国では酷評されたらしい菊池凛子さん、今回のマーメイドラインのドレス、クラシカルな雰囲気でとっても綺麗でした。南果歩さんのお着物も、似合う色合いでさすがの着こなし。(でも暑かったんじゃないかな・・・)でも、「ディパーテッド」が作品賞って。私はちょっと意外な気がしました・・・スコセッシも、これでもらって嬉しいのだろうか???少々疑問であります。
2007.02.27
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R&Bが好きだし、ミュージカルもバックステージものも好きな私にとって、これは公開されるのを心待ちにしていた作品でした。ダイアナ・ロスとシュープリームスの実話を下敷きに、今から25年前にヒットを飛ばしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化。あちこちから「良かった!」と高い前評判を耳にしていたのですが、実際観てみたら…これが実に、素晴らしかったです!!この映画のTVCMで、最初に耳にしたバラードの一節がとても印象深くて、すでに魅入られていた私。でも、どういうシチュエーションで、どの登場人物によって歌われる曲なのか、まったく知らなかったのです。オスカー受賞の最有力候補といわれる、ジェニファー・ハドソンなんだろうなぁ・・・ぐらいは見当をつけていたのですが。実際に、その曲『And I Am Telling You I'm Not Going』が、切々と、延々と歌い上げられるシーン。もう、涙が自然に、後からあとから頬を伝う、ダダ泣き状態になってしまって・・・この場面、歌うジェニファー・ハドソン(役名はエフィー)は様々な経緯を経て窮地に立たされ、プライドも何もかなぐりすてて、ほとばしる思いをぶつけていきます。こんなにもブザマな状態で歌われるバラードが、こんなにも聴く側の心を打つ美しさと力を持っている…その対比が、感動をさらに際立たせていたように思います。10キロのダイエットを自らに課して挑んだビヨンセ。最初に登場したとき、一瞬エキストラの人かと思ってしまいました(!)いかにも垢抜けない女の子が、蛹が羽化するように美しさを増し、スターのオーラを身につけていく様子は圧巻。衣裳もメイクもバラエティに富み、綺麗できれいでワクワクしました。そういえば、この人もちょっと前までは3人組だったんでしたね。スターの末路を哀愁たっぷりに演じた、エディ・マーフィの巧さにも驚き!ファースト・ロールのジェイミー・フォックスは、完全に助演陣に食われてますね(笑)登場人物を、モータウンの実在のミュージシャンと重ね合わせて観るのも感慨深い(あぁ、マイケル・・・!)し、何も考えずに観ても楽しめる。繰り返し観たくなる、聴きたくなる大好きなミュージカル映画が一つ増えました。それにしても、途中でふと、(キャンディーズも最初はスーちゃんが真ん中で、ランちゃんと入れ替えたら人気が出たんだよね・・・)と連想してしまった、私ってやっぱり昭和の娘・・・(笑)さて、週明けにいよいよ発表となるアカデミー賞、オスカーの行方がどうなるか楽しみです。
2007.02.24
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これはどうしても、映画館で観たいと思っていた映画。望みが叶って、東京での公開から遅れること数ヶ月、やっと県内の映画館で上映されました。エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ。いずれもカンヌ映画祭のパルムドール受賞歴を持つ、3人の監督によって撮られた作品です。舞台となるのは、さまざまな国籍の人々を乗せて欧州を走り抜ける列車の中。偶然に同じ列車に乗り合わせた、多種多様な乗客たちの、それぞれの人生の一場面・・・オムニバスといっても、3つの物語は、あたかも連結器で結ばれた車両のようにゆるやかに絡まりあって、一つの映画として完成しています。全編、詩情あふれる映像と鋭い人間観察に満ちた、素敵な映画でした。中でも、やはり最後の、ケン・ローチによるパートは素晴らしかった!登場人物たちを乗せた列車が、終着駅のローマに到着し、乗客が続々と降りていく。列車は停まるけれど、映画はそこから一気に動き、思わず拍手を送りたくなるような、爽快な幕切れへ。ここで物語の核となるのは、スコットランドから、チャンピオンズリーグを観戦するためにローマを目指す、セルテッィクサポーターの3人の若者。セルティックといえば、我らが中村俊ちゃんがただいま大活躍しているクラブです。今まで、試合の映像を見るたびに(それにしても囚人服チックだわ)としか思えなかった、あの横縞のユニフォームが、こんなにかっこよく、愛おしく見えたのは初めてでした。大好きなチームのユニフォームを着て列車に乗って、さまざまな国の人々と触れ合い、弾む心で仲間とはしゃぎ合って。個人的には、自分が昨年、ドイツで体験した大切な時間の記憶が甦り、涙が出るほど懐かしかったです。【すでにDVDの発売も決まったようです。】明日へのチケット
2007.02.22
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着物が好き、と日々このブログで告白していながら、実は私自身は着物を殆ど持っていません。着付けのお稽古のときに、先生からお借りする着物をあれこれと着られるので、何となくそれで満足しているというのもあります。また、私にとっては、やはり着物は「ハレの日の衣裳」なので、着飾って出かけることなど滅多にない今の生活に、着物を登場させたくなる日があまりない…ということも。そんな私の手元に、先日、実家の母から反物が数点送られてきました。「おばあちゃんが、私に似合いそうだからって買ってくれたのよ」…と、懐かしそうに言うわりには、着物とは殆ど無縁の母。三十年近く、箪笥の肥しになっていた反物たち。それならば、私が活用させていただくしかないでしょう(笑)大喜びで、着付けの先生に相談し、まずはお茶席にも着ていけそうな、クリーム色の上品な小紋を一枚、誂えることにしました。お仕立ての際には袷の場合、着尺の反物のほかにも、裏地の胴裏と八掛が必要です。特に、裾や袖口からちらりと見える部分に使う八掛。どんな色合いを持ってくるかは、着る人のセンスの見せ所。着物姿の人を見慣れるにつけわかってきたことですが、袂からのぞく長襦袢や、ひるがえる裾から見える八掛の部分は、下着や裏地だからといって決して侮れません。体の動きにつれて、意外と人の目につくのですよね。主役はあくまで着物や帯だけれど、ふとした拍子に「ちらり」と見える部分が“素敵!”と思わせる・・・そんな、細部にまで手を抜かないおしゃれの心意気こそ“粋”だなぁと、憧れています。お財布の中身とも相談しつつ、あれこれ悩んだ結果、今回は楽天のオークションで、破格で胴裏と八掛のセットを購入。こんな取り合わせで、私の「お仕立てデビュー」が決まりました。 着付けの先生に紹介していただいた呉服屋さんにお願いして、来月の半ばに完成予定です。長襦袢も、凝りだせばキリがない世界…「ちらり」の世界だからこそ、思い切り遊び心が発揮できるというもの。【しかし、いくらなんでもこの柄は!(赤面)】貝合四十八手長襦袢反物(赤)【送料無料】着物の愉しみの奥深さを、また一歩、体感しつつあるこの頃の私です。
2007.02.20
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ご近所のお友達から、「ほんの少しだけど、いただきものの柚子を分けてあげる」と連絡をもらいました。訪れた彼女が差し出してくれた小さな籠から、あふれる光のようにこぼれ出すレモンイエロー。思わず歓声をあげてしまいました。「うちにあった適当なかごに入れてきたんだけど、あんまりスカスカだったから庭のミモザを摘んだの」とのこと。今年の冬はやはり暖かいのでしょう、例年より半月も早く、今が花盛りなのだそうです。柚子とミモザ、黄色の競演です。部屋の中の空気が、その周辺だけ一際明るくなるようでした。せっかくなので、いただいた籠に納まる小さな空き瓶に水を入れ、ミモザを生けて柚子も添えて、玄関に飾りました。いつも、自分で育てたハーブ類を気前良くプレゼントしてくれるこのお友達。庭を持たないマンション暮らしの身には、彼女のこんなさり気ない気配りがとってもありがたく…手をかけたものをおすそ分けしてもらうのは、買ったものをいただくのとは一味違う感謝の思いが沸きます。ちょうど出張から帰ったわが家の夫を、こんな素敵な花で迎えることが出来て、うれしくなりました。
2007.02.19
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明日、東京で3万人のランナーが参加する大マラソン大会が行われます。都庁をスタート地点に、皇居前、日比谷、銀座、日本橋、浅草、そして有明のビッグサイトがゴール。日曜日に、都心の交通を長時間規制しての初の試みで、大都会のど真ん中を大勢の人々が駆け抜けていくのですね。参加権を得るためには、3倍の競争率を突破して抽選に当たらなければいけなかったとか。運動嫌いな私が、このマラソン大会に大いに着目しているのはなぜかというと、実は知人がこの大会に出場する予定なのです。以前勤めていた会社の先輩お二人。肥満防止のために始めたジョギングが、いつの間にか趣味になり、いまや数々の市民マラソンに参加している方々。話を聞くと、今回の東京マラソンの計画が発表されたときから、「この大会に出場し完走する」という目標が出来て、一気にボルテージが上がったのだそうです。本番に向けて、日々トレーニングを積んでいる様子をずっと伺っていたので、ニュースなどで話題になっているこの大会、とっても身近に感じています。明日は、見慣れた東京の景色が、かなり非日常的な空間になっていると思われ…そんな風景の中を走るって、どんな感じなのでしょう?私までワクワクします。ゴールまで走りきるのは大変なこともあるでしょうが、記念すべき第一回の大会に参加できるなんて、ちょっと、うらやましいです。そういえば、昨年ドイツに行ったときのこと。ある日、ミュンヘンの“マリエンプラッツ”という広場が、早朝からオレンジ色のTシャツ姿の人々で埋め尽くされていました。自転車で、タクシーで…地下鉄の出口からも、続々と集まってくるオレンジ軍団。今日は、オランダチームのサッカーの試合じゃないよね?と不審に思いましたが、どうもこれが、市民マラソンのスタート地点だったらしいのです。【ちなみに、本物(?)オランダサポーターはこちら。フランクフルトにて】 その日、私たち一行はノイシュバンシュタイン城見物に出かけてしまったため、マラソン大会そのものを見物することは出来ませんでしたが…あの日広場に集まっていた老若男女、皆さん本当に楽しそうだったのが印象的でした。マラソンを自分が「走る側」になることはまず考えられない私ですが(笑)スポーツの楽しみを自分の生活に取り入れている人の輝き、ちょっと憧れます。まずは、明日の大会の成功と、知人の目標が無事に達成できることを祈って、東京に思いを馳せる夜なのでした。
2007.02.17
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二月のお茶のお稽古では、冬ならではの“筒茶碗”を使ったお点前を習います。読んで字のとおり、底の深い筒状のお茶碗でお茶を点てます。ちょっと扱いが独特なので、初心者の私はオロオロ、ぎくしゃくですが(笑)よくある抹茶茶碗に比べて、口が狭い分、中のお茶が冷めにくいというわけですね。冬の寒い時期に、お茶の熱さを保ってお出しすることは、最上のもてなし。まことに、茶道のかたちは、四季の移り変わりと密接につながっているのだなぁ、と感心します…が、この日お稽古の場で出されたのは、桜の形の煉切 (!!)いつものお店から届いた包みを開けた途端、お稽古仲間の皆と「えっ?もう桜??」…と、思わず顔を見合わせてしまいました。いくら暖冬とはいえ…立春も過ぎたとはいえ…梅もうぐいすも飛び越して、二月の桜は、いくらなんでもちょっと先取りが過ぎるような。先生も、「まぁ、ずいぶん気の早いこと」と、ちょっと苦笑いしていらっしゃいました。でも、確かに二月とは思えない暖かな陽気で、暖房はいらないね、とスイッチを切ったほど。よほど室温が高かったのか、床の間に活けた椿の一枝、白い蕾が、お稽古が終わるころには少しほころびかけていました。温暖化による気候の変化は、日本古来の歳時記もそのうち塗り替えてしまうかもしれません。恐ろしや…先週、出張のために上海へ旅立っていった夫からは、夜になって「現地の人たちの忘年会に誘われて、今から始まるところ」と、電話が入りました。18日の春節に向けて、中国は師走の高揚感に包まれているようです。(帰省ラッシュの移動人口は、延べ人数なんと21億人ですって!)こちらは、一味違う「春」のお話でした。
2007.02.15
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この作品を映画館で観ることができた幸運に、今、心から感謝しています。辛い、苦しい、哀しい、重い…この「麦の穂をゆらす風」という映画には、どれも当てはまるようでいて、どの言葉でも言い表すのに足りないと感じています。嗚咽がもれそうになるのを、こらえなければいけないことも度々でした。でも、場内に灯りがついた時、このスクリーンに向きあったことを本当に「よかった」と思える、素晴らしい力を持った作品。舞台は1920年代のアイルランド。キリアン・マーフィー演じる、医師志望の主人公が、友人たちと「ハーリング」という独特の球技を楽しんでいる情景から、映画は始まります。その日の帰り道に起きたある事件から、彼の運命は、アイルランド独立戦争と密接に絡まりあっていく。自由への理想を掲げ、命を捧げることも厭わない人々。しかし、傷は憎しみを生み、憎しみは憎しみを呼び…「暴力の連鎖」が、仲間や家族の絆を容赦なく引き裂いていきます。その姿は、容易に今日のイラク情勢をはじめ、地球のあちらこちらで起こっている「現実」と重ねることが出来るわけで。敵味方に別れて、激しく銃撃戦を構える者同士が、ファーストネームでお互いを呼び合う。この残酷さ、切なさ。こんな歴史の側面があったことを、恥ずかしながらまったく知りませんでした。鳥打帽をかぶり、コートと革靴で銃を構える男達。草の生い茂る丘に彼らが佇む姿は、一瞬、ファッション写真のようにさえ見えました。素敵なんです、とても。だからなおさら、彼らを揺さぶる“殺し合い”という現実の、醜さがいたたまれず。崇高でありたいという純粋さが、他者を容認しない残虐さと紙一重になる皮肉。人間は、こんなにも度し難い。胸に痛いほど染み入るこの物語に、さまざまなことを深く、考えさせられています。IRAの存在なら多少は知っていたし、サッカーをよく観る私は、「イングランド」と「アイルランド」は別モノなのだという感覚も持ち合わせている“つもり”でいましたが。実は何も、なんにも分かっちゃいなかったんだ、と、打ちのめされるような思いです。それを分からせてくれるから、映画は素晴らしいのだとも言えるのですが。これほどまでに「ある事実」として濃密な世界を描き出してみせた、ケン・ローチという監督はやはりすごい、と改めて感服しております。
2007.02.13
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NHK教育で放映されている「美の壷」という番組が好きで、よく観ています。「くらしの中の美」をテーマに、幅広く身の回りにあるものの鑑賞ポイントが紹介されて、思いがけない発見も多いです。BGMのジャズの調べが心地よい30分。ついつい、伝統工芸の数々を手に入れたくなってしまうのは、困りものですが(笑)茶道や、着物の世界に足を踏み入れることは、長い間伝承されてきた匠の技の数々に触れることでもあります。それは、「和」のこころとかたちの魅力を、再発見することにも通じています。今、手元に置いてパラパラめくっている本。わたし好みのデザイン和もの一〇〇選著者の裏地桂子さんは、雑誌「和樂」の通販ページのセレクションなどを手がけているだけあって、取り上げられている「今様の和もので、現代の暮らしを彩る上質なものたち」はどれも美しく、楽しく。例えば「オーガンジーのたとう紙」「銅製の携帯用茶筒」「ガラスの香筒」…思わず欲しくなってしまうものがあれこれ。販売元のデータも併せて載っているので、物欲に火がつく一冊です。しかし、見ていてしみじみ思うこと。和のスピリットに根ざして作られたものの美しさを、生活の中で十分活かしきるには。本来の和室のしつらえがそうであるように、あくまでもシンプルに、物の少ない空間を作ることが求められるのだろうなぁ。要するに「きちんと片付いてないとムリ!」ってことで(笑)どう努力しても、いつの間にかごちゃごちゃと物があふれる我が家のライフスタイルには、まだまだ精進が足りないかも?【「美の壷」書籍版も続々、発刊されています】古伊万里染付*蛇足*この本、一章を「和装まわり」の品々に割いていて、「内藤」「道明」「くのや」「青山八木」など、着物好きには憧れの店の品々も紹介されています。実は私、裏地さんの名前は、自身がプロデュースされたトラベル和装バッグが「家庭画報」か何かで紹介されていたのを見て知ったのです。でも、本の中で「自分で着付けが出来ない」と書いていらしたのにはビックリでした。上記のバッグも、着物一式を持ち込んで着付けてもらう必要から考え出したのだとか…普段はご自宅に着付けの先生をよんで着物を着るのだそうです。お金があるならそれもご本人の好きずきとはいえ…「も、もったいなーい!」と、心の中で叫んでしまった私でした。そんなに着付けを習うって敷居が高いことかしら?(お仕事柄、自分で着物が着られないことを公表するというのにも、ある意味すごい勇気を感じてしまったのでした。いつでも人に着せてもらえるのよ、っていう方がステイタスなのかな??でも、それって違うと思う…)
2007.02.12
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先日友人から、「かもめ食堂のCM、もう見た?」と、メールが入りました。映画の公開はおろか、DVDだってとっくの昔に発売されているのに、今頃になってCM??と、一瞬首をひねりましたが、パスコの食パン「超熟」のCMのことなんですね。「リサとガスパール」が大好きな私、今までのCMもお気に入りでしたが、小林聡美=かもめ食堂とのコラボレーションとはまた…「そう来たか!」と膝を打ちたくなる感じではありませんか。でも、CMって困ったことに、目にする機会は偶然に左右されるので、メールをもらってから実際に見られるまでのもどかしかったこと(笑)(よく考えたら、ネットで見れば簡単だったのでありました…下記の公式サイトで、CMのレシピや撮影裏話もチェックできます。)http://www.pasconet.co.jp/chojuku/cm.html映画の幕切れでもさわやかな余韻を残していた「いらっしゃい!」の笑顔、美味しそうなサンドイッチ、手書きのメニュー。「かもめ食堂」を観た人にも観ていない人にも、美味しいパンがもたらす幸せが頭の中に広がる、いいCMだなぁと思いました。これからシリーズ化されたらうれしいな~。はいりさんやもたいさんにも、こうなったらぜひ共演してほしいものです。「かもめ食堂」感想ブログはこちら最近、盛んに流れているCMで、もう一つ、音楽が流れるたびに画面を注視してしまうのが、キリンラガーのYMO。「ライディーン」や「テクノポリス」が街中に流れていたころ、私はまだ小学生でした。映画「戦場のメリークリスマス」をきっかけに、坂本教授に恋してしまい(笑)YMOが散開してしまった後も、メンバーの3人やその周辺のアーティストの作品を追いかけ続けてきましたので、「時代は変わる。ラガーハカワルナ」という教授のナレーションには、特別な感慨を覚えます。サイケデリックミカバンドに続き、幸宏さんはシリーズ再登場になるというのが、ある意味すごい!そしてつい先ほど、CMを観終わった途端、夫の携帯に「帰りにミスドでお土産買ってきて!!」とリクエストしてしまったのが、こちらです…オールドファッション抹茶CMにここまで消費者魂を刺激されるのは珍しいのですが、早くお土産が帰ってこないかな…とワクワク(夫はいいのか、夫は?)
2007.02.09
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…と言っても、小説や映画ではなく、私の体調に関する話です。5月に子宮筋腫の手術を予定しており、その準備段階として、昨年末からホルモン療法を受けています。3~40日ごとに、リュープリンという薬を注射するのですが、この薬の投与にあたっては「低エストロゲン状態に起因する更年期様症状」が出る確率が高い、こればっかりは覚悟して、がんばってもらうしかない…と、お医者さまからも説明を受けていました。この『なんちゃって更年期』の副作用が、最近になってついに始まってしまいました。具体的には、「ほてり・動悸・肩こり・頭痛・不眠・発汗」…という症状です。日によって度合いはまちまちですが、とくに火照りや発汗という、俗に言う「ホットフラッシュ」が、いつ襲ってくるかがわからないのが困りもの。皮肉なことに、基本的に私は冷え性の体質。寒い季節、うっかりすると手足から冷えて体調を崩してしまうので、しっかり着込んでガードするのが常なのです。ところが、今ではホットフラッシュが始まると、いつでもどこでも湯上り状態。顔を真っ赤にして、噴き出す汗をぬぐう羽目に!一旦そうなると、体を守ってくれるはずの厚着が、凶器にも等しい重荷に感じられるのでした。いっそ冷え性が改善されれば「怪我の功名」だったのに。こういう事態を、あまり悲観的に捉えないように、出来れば面白がるくらいでいたい…そんな風に思ってはいますが、やっぱり、それなりに辛く、苦しいものです。でも、あくまでも一時的なことなのだと思えば我慢も出来るし、そのうち慣れてしまうかな。それにしても、外気温と自分の体感がちぐはぐになるというのは、なかなかシュールな体験です。ただ、今年の異常なほどの暖冬。2月とは思えないほどのポカポカ陽気に、見渡せば上着を脱いで汗をふいている人もたくさんいるので、フゥフゥ言いながら顔を扇いでいる私も、そんなに奇異にはうつらないようです。ラッキー(笑)【サマンサが乳がん治療の副作用でホットフラッシュに悩まされるエピソードを思い出してます。】
2007.02.07
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前回のブログで書いた名古屋での週末。ホテルをチェックアウトした後、夫の発案で、車を飛ばして明治村へ行って来ました。映画やTVドラマのロケにも良く使われている、歴史的建造物の数々が移築された広大な敷地。お天気もよく、散歩しながら園内(村内?)を巡るには絶好の日となりました。【着物姿の若い女の子たちと遭遇。帝国ホテル旧中央玄関】【内閣文庫。手前は皇居正門にあった石橋飾電燈。菊の御紋入りでした】重要文化財の郵便局は、内部がちゃんと本物の簡易郵便局として機能しているし、明治の牛肉店の中では牛鍋が食べられるというのがユニークです。SLも馬車も走る敷地内には、時代も用途も様式も、多岐にわたる様々な建物群が建ち並んでいるのですが、この小さな教会堂が、一番強く印象に残りました。【大明寺聖パウロ教会堂。明治12年頃、長崎湾の伊王島に創建。】開国後、長崎の町に建てられた最初の教会は大浦天主堂で、それから15年後に建てられたのがこの教会堂とのことです。小さく、質素な印象さえ受ける木造の建物ですが、内部は美しいアーチ型の柱が天井を支える、本格的な礼拝堂になっています。三つの廊からなる構造は、広さや豪華さでは遠く及ばないものの、これまでヨーロッパの各地で訪れたゴシック様式の教会で目にしたものに忠実なデザインです。【祭壇の壁画には、ひらがなで書かれた文字も残っていました。】キリスト教の禁教が解かれた直後の時代。この場所に集って祈りを捧げた人々の、経験な信仰心が、建物の中でまだ息づいているように思えて、静かな感動を覚えました。ところで、検索していて発見したのですが、この明治村が、実は楽天に出店しているのです。帝国ホテルの設計で有名な、フランク・ロイド・ライトのデザイングッズをはじめ、現地のショップで見たお土産グッズが販売されていました。そして、このショップからは明治村の早割入村券が購入できるのです。なんと送料無料…実は、今回の訪問では全体の半分を見て回るのがやっとだったので、この早割チケットを買ってぜひ再訪したい!と思っているのでした。フランク・ロイド・ライトボールペン(IMPERIAL)フランク・ロイド・ライトカードケース(HOME&STUDIO)
2007.02.05
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この週末は、夫と泊りがけで名古屋に出かけていました。古来より『バカと煙は高いところへ昇りたがる』と言いますが、私たち夫婦はそろって、高い建物が大好きで(笑)名古屋駅と直結している、聳え立つタワーの名古屋マリオットアソシアホテルも、お気に入りの宿の一つです。こちらのコンシェルジュフロアに宿泊すると、36階のラウンジや18階のフィットネスクラブで、思う存分眺望を堪能しながらくつろぐことが出来ます。【名古屋城が遠くに見える、窓からの夜景】プールで泳いだあと、ジャグジーで手足を伸ばしながら広がる街並みを見下ろしていると、つかの間のこととはいえ、文字通り『世俗を離れた』贅沢な気持ちになれるというもの…【この日が愛知県知事選挙の前日だったのです。駅前広場の選挙カー】冒頭に書いた「バカと煙は…」という言い回しを、私は子どもの頃に同居していた祖母から教わりました。この大正生まれのおばあちゃんがまた、無類の展望好きでした(やっぱり、血筋でしょうか)。晩年には地元・横浜の再開発が進み、みなとみらい地区に高層ホテルが次々と建ちましたので、よく家族で出かけては、展望フロアやレストランからの景色を楽しんだものです。そんな時、とてもうれしそうに、でもちょっぴり恥じらいを含んで自嘲気味に、決まって祖母が口にする言葉でした。ところで、私たちはマリオットの最上階(52階)にあるミクニでランチをいただいたのですが、驚いたことに、ほぼ満席の店内は、9割が中高年の女性客でした。平日のランチならいざ知らず、週末でもこんな状況なの?と、ビックリ。夫も予想外の「ハーレム状態」に目を丸くしていました。名古屋が元気だ、好況だ…と言われて久しいですが、特に女性は皆さん、お元気に人生の楽しみを謳歌していらっしゃるようで。これは名古屋に限らず、でしょうが(笑)女性のグループ客ばかりが室内を埋め尽くすということは、つまり…その話し声の響きの、にぎやかなこと!かしまし娘を通り越し、けたたまし娘(というか、オバサ…以下略)の笑い声がこだまする中、何となく無口になってしまった(笑)私たちでした。土地柄、ノリタケや大倉陶園の美しい器に盛られたお料理は、もちろん十分に美味しかったです。窓の向こうに広がる山並みに、白い雪が積もっていました。
2007.02.03
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マリリンもオードリーももちろん素敵だけれど、私にとって「永遠の美人女優」の代名詞は、何といってもカトリーヌ・ドヌーヴなのです。今やだいぶ貫禄がついてしまいましたが、若かりし頃の整った美貌は、“怖いくらいきれい”という表現がぴったり。先日ライヴを聴きに行ったホリー・コールが「シェルブールの雨傘」を取り上げていて、そういえばWOWOWで録画したきりだった…と思い出したのが、この「ロバと王女」。この作品も、「シェルブールの雨傘」同様、ジャック・ドゥミ(監督)とミシェル・ルグラン(音楽)のコンビによって作られました。日本ではずっと公開されない「幻の映画」だったのです。シャルル・ペローの童話「ロバの皮」を元に作られた、ミュージカル仕立てのおとぎ話。宝石を生むロバがいる、豊かな王国が舞台です。愛するお妃に先立たれ、「私よりも美しい人と再婚を」という遺言を託された国王が、求婚相手に選んだのは、母ににそっくりな王女だった…と、のっけから目が点になってしまう展開なのですが(笑)決して子どもだましの映画ではありません。何しろ、タイツ姿で国王を演じるのが、かのジャン・マレーなんですから、それだけで画面に満ちるゴージャス感!王女と恋に落ちる隣の国の王子さまは、ジャック・ペランが演じます。後に「WATARIDORI」や「皇帝ペンギン」などの傑作を世に生み出すプロデューサーも、この頃はあどけなさが残る美青年。俳優としては、「ニュー・シネマ・パラダイス」の中年になったトトの役で知られていますね。そしてそして、“青空のドレス”や“星空のドレス”を次々に身にまとう、輝くばかりのドヌーヴさま。トレヴィアン!!「目の保養」とはまさにこのこと、と、うっとりです。大真面目に絵本の世界を映像化しているようでいて、時にシュールな味付けの演出もあり…ふた昔前なら、いわゆる「オリーブ少女」たちが、飛びついて夢中になった類の映画だと思います。王女は、やがて変装のために、ロバの皮をかぶって国を逃げ出すのですが、この「着ぐるみドヌーヴ」がまた、何ともいえず変で(笑)でもやっぱり美しくて。また、そのロバの皮(頭、ついたままです)が、いかにも「今、ロバを殺して剥いできました」…といった感じに、内側の赤い肉が見え隠れしているところ。この“生々しさから逃げない、ぼかさない”感覚が、いかにもフランスの映画だなぁ、という印象でした。【「愛のケーキの作り方」という歌がラブリーです】ミュージカルの名作とみなされる「シェルブールの雨傘」を観ていると、『何も、そんなに無理して歌にしなくても、ふつうにセリフ喋れば…』と思ってしまう私ですが、基本的にミシェル・ルグランの音楽は好きなのです。特に「ロシュフォールの恋人たち」のサントラは、何度聴いたかわからないくらいのお気に入り。映画の方も、ドヌーヴと実姉・フラソワーズ・ドルレアックの競演をはじめ、オールスターキャストが紡ぐお話の糸が、複雑に絡まりあい、最後は見事にまとまっていく、カラフルで楽しい作品で大好きです。私の好きなミュージカル映画は、現実のわずらわしさから少しの間逃れて、心を弾ませ遊ばせる、そういう楽しみを与えてくれます。こういう『メンタルのサプリメント』との出会いが、日々を豊かにしてくれるんだなぁと思います。
2007.02.01
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