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診察と認知療法: PSW さんと主治医のことも少し
早めの昼食をとってクリニックに向かう.
認知療法をやってから診察を受ける日である.
PSW さんから読書・絵・数学を日々の習慣にしようとしているのはとても良いと言ってもらえた.
そういう習慣が身に付けば, それは社会との繋がりを保つこととも結び付いてくるとのこと.
PSW さんから見た自分は精神的なものを大切にするひとらしいので, 読書や絵や数学といった自身の内面と深く関われる行為に興味を持って続けていけるのはいい, と.
PSW さんは理学部化学科を出て, それから精神医療の道へと進んだかたである.
一緒に話していて, 理知の人であると同時に行動力の人であると強烈に感じる.
数学や物理についての造詣も深い.
以前, 数学と絵をやっている間だけは鬱の苦しみから解放されるということをおずおずと伝えたことがある.
その時には「あなたには絵も数学も素晴らしいと思いますよ. どちらも非常に美しいという点で共通していますね」と答えてくれた.
何だか嬉しかったのを覚えている.
今日はその他にもいろいろ話した.
PSW さんには家族や友人にも話せないこと (自分の醜い部分のこととか) でも話せるのがいい.
そういった苦しいことも今日は話した.
話すことで救われることは確かにある.
次に診察.
待ち合い室で 1 時間半待った.
順番が回ってきて, 主治医に午前中の鬱は治まってきたが対人恐怖は相変わらずであることを相談した.
鬱については良い方に向かっていますね, と.
対人恐怖についてはとにかく無理をしないでゆっくり休んでください, と言われた.
外出が辛くて正直なところ部屋に籠もって一人で静かにしているのが一番楽だし落ち着くんです, と伝えてみた.
そうしたら「そういう時は無理をして外に出なくていいです。気持ちが穏やかになるまで部屋に籠もっていていい」と言われた.
引き籠もることも治癒に繋がるのか.
少し安心した.
診察室を出る直前にも「本当に無理はいけないよ。自然に任せましょう」と繰り返された.
主治医の医師は最初の頃は知識が豊富な反面, やや冷たくて事務的という印象を持っていた. 苦手なタイプだ.
けれども長く付き合ううち, 患者のことを真摯に考えてくれていることに気付いて今ではいい関係を保てている.
この先生は, 鬱は休めば必ず回復する. 薬はそれを補助して体調を安定に保つものという立場を変わらず持っている気がする.
先生自身がそう言ったわけではないから本当のところはわからないのだが.
鬱病に罹患しているひとは, 第一に休むこと・それから適切な薬を指示通りに服用すること・そして太陽の光を浴びること.
この 3 つは 10 年間に渡って何度か繰り返し強調された.
新しい薬の効果や副作用についてもきちんとフォローしている.
効果が高く副作用が少ないという理由で SSRI, SNRI (※) という薬が注目され始めた時 (2003 年頃?) には説明をしてくれた.
研究を怠らない医師でなければこんなことは言えないじゃないかと思った.
(その後, SSRI, SNRI の効果検証が進み, 単純に凄い薬とは言えないみたいになっているらしいが, 現在自分はどちらも服用している. 今のところ問題は起こっていない)
そんな姿に触れていくうちに, 医師への信頼が生まれていった.
医師との相性は大切なものである.
それにしても, 鬱も対人恐怖も, 焦ってもどうにもならないんだな.
※: 以下の説明は素人である自分がにわか勉強した結果を書いたものなので, 単純に信じずできれば自分でも確認してください. すみません.
SSRI ── 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (Selective Serotonin Reuptake Inhibitors):
シナプスにより分泌される脳内活動を活発にする神経伝達物質であるセロトニンが脳内に十分量存在し続けるようにする効果を持ちます.
鬱病のひとはせっかくシナプスで分泌されたセロトニンがしばらくすると再びシナプスに吸収されてしまうため脳内に行き渡らなくなり, 結果として脳内活動を活発にする作用を十分に果たせず気分低下や思考力低下の症状が現れることとなります. SSRI はこのセロトニンの再吸収を抑制する作用を持ちます.
すると分泌されたセロトニンの再吸収による減少を防げるので, セロトニンの脳内活動を活発にする作用が有効になり鬱状態を改善させる働きを生じさせます.
なぜ鬱病だとセロトニンがシナプスに再吸収されてしまうのかは, 調べたのですがわかりませんでした.
SNRI ── セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (Serotonin-Norepinephrine Reuptake Inhibitors):
上記の SSRI の説明における「セロトニン」の部分を「セロトニン・ノルアドレナリン」に置き換えれば SNRI の説明になります. ノルアドレナリンも脳内活動を活発にする神経伝達物質です.
タグ:
鬱病
対人恐怖
認知療法
SSRI
SNRI
posted by
底彦
at 23:30 |
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鬱
2016年12月07日
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