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2019年03月19日

映画「キートンの探偵学入門」娯楽映画の原点

「キートンの探偵学入門」 (SHERLOCK JR.)
 1924年 アメリカ

監督・主演バスター・キートン
撮影エルジン・レスリー バイロン・フーク
脚本クライド・ブラックマン 
  ジーン・C・ハヴェッツ 
  ジョセフ・ミッチェル

〈キャスト〉
キャスリン・マクガイア ジョー・キートン

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チャップリンが人生の哀歓や政治的・社会的風刺を笑いの中に表現したのに対し、バスター・キートンはあくまで観客を楽しませるためにのみ映画を作っているといえます。

しかし、その表現方法は100年近く経った現在でも決して色褪せることなく、娯楽映画の原点として、見る者を楽しませてくれます。




原題は「シャーロック・ジュニア」。
主人公(バスター・キートン)は映画館の映写技師兼雑用係。シャーロック・ホームズのような名探偵になることを目指しています。

そんな彼は恋のライバルが仕組んだ企みによって指輪泥棒の嫌疑を受け、恋人(キャスリン・マクガイア)の父親から自宅への立ち入りを禁止されます。

意気消沈の主人公。

滅入った気分のまま仕事中の映画の映写中に居眠りをしてしまいます。
それは夢なのか、魂の分離なのか、眠った主人公の体からもう一人の主人公が現れ、摩訶不思議な物語が展開されてゆきます。

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映画冒頭は、ごくありがちな喜劇で始まりますが、主人公の体が分離された瞬間から、アイデアに次ぐアイデア、アクションに次ぐアクションが詰め込まれたキートンの世界へと突入していきます。

いろいろなアイデアが満載ですが、まず驚かされるのが、主人公が映画の中へ入ってしまう場面。映画と現実の境界をアッサリと飛び越えてしまう奇想天外な着想で、これは後にウディ・アレンが「カイロの紫のバラ」に取り入れ、冴えないヒロイン(ミア・ファロー)が体験する異次元の恋物語であり、映画賛歌でもありました。

様々なトリックも見もので、編集の技術力とか、まさに一瞬の早わざが登場するかと思えば、ジャッキー・チェンも真っ青のアクションに次ぐアクション。これを無表情にこなしてしまうところがバスター・キートンのすごいところ。

50分に満たない上映時間の中に、ギャグありアクションあり、30年代のファッション・センスを先取りしたような、名探偵に扮したキートンのおしゃれ感覚ありで、何度見ても飽きさせません。

娯楽精神満載の理屈抜きに楽しめる映画です。

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posted by kafkas at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | コメディ
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