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2019年02月05日

映画「真昼の決闘」隠された人間不信の背景

「真昼の決闘」(High Noon) 1952年 アメリカ

監督 フレッド・ジンネマン
脚色 カール・フォアマン
音楽 ディミトリ・ティオムキン
撮影 フロイド・クリスビー
原案 ジョン・W・カニンガム
編集 ハリー・ガースタッド

〈キャスト〉
ゲーリー・クーパー グレース・ケリー 
トーマス・ミッチェル ロイド・ブリッジス

第25回アカデミー賞
主演男優賞(ゲーリー・クーパー) 編集賞 
音楽・歌曲賞 

ゴールデン・グローブ賞
主演男優賞 作曲賞 

ニューヨーク映画批評家協会賞
作品賞 監督賞

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宗教からみた「真昼の決闘」
美しい女性エミイ(グレース・ケリー)との結婚式を挙げたばかりの保安官ウィル・ケーン(ゲーリー・クーパー)は、5年前に逮捕したフランク・ミラー(イアン・マクドナルド)が保釈されて正午の列車で町にやって来ることを知ります。

ミラーの目的は、自分を逮捕、投獄した保安官への復讐。
結婚と同時に保安官の職を辞し、町を去ることを決心していたウィルは、騒動が町全体に及ぶことを憂慮し、町にとどまって、フランク・ミラーとの対決を決心します。

しかし、相手はミラーの弟とその仲間を合わせて4人。ウィルひとりでは太刀打ちできません。そこで彼は町の人たちに助勢を頼みますが、誰もが怖がって尻込みをするばかりで、ウィルの助勢はひとりも現れません。
仕方なくウィルは遺言状をしたため、フランク・ミラー一味との死闘を覚悟することになります。

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「真昼の決闘」が名作といえるのは、一人の助力も当てにできないまま、悪漢4人を相手に死闘を余儀なくされてしまうストーリーにあると思います。
では、なぜウィルは助力を乞うことができなかったのでしょうか。
誰もが怖がっていたから、というのが理由のひとつですが、しかし、もうひとつ違う理由があります。

ウィル・ケーンの妻エミイはクエーカー教徒です。
父と兄を殺された経験を持つ彼女は、暴力を否定するクエーカー教への改宗をウィルに勧め、ウィル・ケーンは妻の勧めに応じてクエーカー教徒へと改宗しています。
しかし、町の人たちのほとんどはキリスト教徒です。二人のクエーカー教徒に対する町の人たちの異端視が、ウィルへの助力を拒む背景にあるのは否定できないと思います。




ではクリスチャンは排他主義者なのでしょうか。これも一概に断定はできませんが、町の人たちだけを見れば、異教徒に対する反感があるのは間違いないと思います。

クエーカー教徒である妻のエミイはどうなのでしょうか。
彼女は結婚したばかりの夫を見捨てて列車に飛び乗ってしまいます。暴力や争いを避けるのがクエーカー教徒の信条のひとつでもあるからなのですが、彼女の仕打ちはあまりにも無慈悲にみえます(後に決心をひるがえし、夫を助けるべく町へ戻りますが)。

気の毒なのはウィル・ケーンで、町の人たちからは異端視され、新妻には逃げられ、それでも淡々と決闘に臨む姿は、苦渋の心境を紳士然とした風貌の中に押し込めた、強さと弱さを併せ持った人間臭いヒーローといえるでしょう。

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posted by kafkas at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 西部劇
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