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2017年07月31日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年8月1日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年8月1日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
本指標発表から30分後(18:00)に、欧州GDPが発表されます。いつもより反応時間が短くなって、欧州GDPに備えた動きに移行することも考えられるので、ご注意ください。
また、今週はMPCが予定されています。先週発表された4-6月期GDP速報値が冴えない結果となり、7月のインフレ率は上昇がやや鈍化しました。金融政策転換をいつ行うのか、どのような内容で行うのか、関心が高まっています。景気指標の結果がそうした思惑に結び付くと、いつもとは異なる反応となる可能性があります。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は7月31日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。本指標の意義は、鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表に先立ち、それら集計月の企業景況感を知ることができること、です。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と言われています。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、今では消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で23pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
です。
13pipsから33pipsの跳ねが63%を占めています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ形状は、2017年7月をボトムに上昇基調が1年間続いています。もし今回、市場予想を下回ると、2017年4月をピークとした下降基調転換の形状となってしまいます。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは29回中14回(48%)です。一見すると市場予想後追い型のように見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高くなっています。
よって、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が15pipsです。跳幅がその1.5倍の22pips以上だったことは過去6回(20%)あります。
この6回の直後1分足跳幅は22pipsで、これは直後1分足の過去全平均23pipsとほぼ同じです。そして、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(17%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応がいつもより大きくても(22pips以上あっても)、それが直後1分足の反応が大きいことや方向を示唆しているとは言えません。むしろ、直前10-1分足が大きく反応するときは、直後1分足は反対方向に反応する可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が9pipsです。この跳幅が13pips以上だったことは過去6回(20%)です。
この6回の直後1分足跳幅の平均は31pipsで、これは過去全平均23pipsより8pips大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は3回(50%)が一致しています。反応方向を示唆している訳ではないようです。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は23pipsです。この跳幅が33pips以上だったことは過去6回(20%)です。
この6回の直後11分足跳幅の平均は57pipsで、これは過去全平均47pipsより10pips大きくなっています。平均値ではこうですが、実際には直後11分足跳幅が10pips以上も直後1分足跳幅を超えたことは1回しかありません。
直後11分足は、過去平均跳幅が35pips、過去平均値幅が24pipsです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは79%となっています。
できれば高値(安値)掴みは避けたいものの、これなら反応方向を確認したら早期参加です。
そして、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが57%となっています。他のパターン(直後11分足が、直後1分足の値幅を削ったり、直後1分足と反転したりすること)よりも、かなり高確率で反応を伸ばしています。
これなら利確はじっくりチャンスを待つことができます。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足はやや陽線への偏りが見受けられ、直前1分足はやや陰線に偏りが見られます。がしかし、いずれも取引基準の70%には達していません。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各96%・83%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年8月1日20:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回及び予想を上回り、反応は陽線でした。
今回の結果が悪いと、指標結果推移のグラフが下降基調に転じたとの印象を与えるところでした。まだ上昇に復したとは言えないまでも、下降が決定づけられることは避けられました。
改善は、新規輸出が大きく伸びたためです。
反応は1-2秒間始値付近に留まり、それから陽線を伸ばしました。一旦、146.7手前で跳ね返され、これはその付近に1時間足の雲上端があったため、と思われます。その後は145.8付近、146付近で迷ったものの、感触としてはスルスルと抜けた印象があります。
こうした動きとなった理由として、次の18:00に予定されていた欧州GDPで良い結果が期待されていたことが挙げられます。PMIでUSDが売られ、欧州GDP目がけてUSDが売られたようです。
取引結果は次の通りでした。
取引内容には問題ありません。
事前調査分析内容を、以下に検証します
事前準備していたシナリオは、早期参加・追撃徹底でした。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年8月1日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
本指標発表から30分後(18:00)に、欧州GDPが発表されます。いつもより反応時間が短くなって、欧州GDPに備えた動きに移行することも考えられるので、ご注意ください。
また、今週はMPCが予定されています。先週発表された4-6月期GDP速報値が冴えない結果となり、7月のインフレ率は上昇がやや鈍化しました。金融政策転換をいつ行うのか、どのような内容で行うのか、関心が高まっています。景気指標の結果がそうした思惑に結び付くと、いつもとは異なる反応となる可能性があります。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は7月31日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。
- 追撃は早期参加し、発表から1分を経過したら利確の機会を探りましょう。過去の傾向では、指標発表後は大きく脈動しながらも、一方向へと反応を伸ばしがちです。早期参加、複数回に分けて追撃徹底に適しています。
- 指標発表前から他の指標に比べて大きく動きがちです。ときどき、かなり大きく動くこともあるものの、そうした動きは指標発表後の反応方向と無関係です。注意しましょう。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
- 本指標の過去発表値グラフ形状は、2017年7月をボトムに上昇基調が1年間続いていました。
もし今回、市場予想を下回ると、2017年4月をピークとした下降基調転換の形状となってしまいます。
もし今回、市場予想を上回っても、よほど大きく市場予想を上回らない限り、上昇再開とは言えません。
上への反応が小さく、下への反応が大きくなりそうです。
(1) 過去の市場予想と発表結果を同時プロットしたグラフを見ると、市場予想後追い型のようにも見えます。
がしかし、そうではありません。前回結果と今回結果とで、市場予想と発表結果とが入れ替わったことが48%となっています。入れ替わり頻度が多く、これを根拠に今回も発表結果が市場予想を下回るとは言えません。
(2) 実態指標は景況感よりも遅れて発表されるので、参考になりません。現況判断で比較的アテにできるのは為替レートです。
6・7月のGBPUSDが陽線、EURGBPが陽線で、この間の強弱は、EUR>GBP>USD、の関係がありました。企業輸出にとってはやや有利、生活者物価には不利、な強弱関係でした。製造業PMIでは前者の関係が影響します。
(3) 先行き期待感については、報道内容が一定の影響を与えます。
6月は総選挙での与党議席減、6月末から7月中旬にかけてはEU離脱交渉難航と交渉方針を巡る閣内不一致、7月は4-6月期成長率減速、という見出しが報道で目立ちます。先行きについては肯定的なことより否定的なことが多かった時期だと思われます。 - 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
(1) ときどき(頻度20%)直前10-1分足跳幅がいつもより大きく(22pips以上)動くことがあります。がしかし、慌てて追撃すべきではありません。こうした事例で、直前10-1分足と同じ方向に直後1分足が反応したことは17%しかないのです。むしろ、逆張りのチャンスと捉えた方が良いぐらいです。
(2) ときどき(頻度20%)直前1分足跳幅がいつもより大きく(13pips以上)動くことがあります。がしかし、慌てて追撃すべきではありません。こうした事例で、直後1分足が直前1分足と同じ方向に反応したことは過去50%です。但し、こうした事例では直後1分足の反応が大きくなりがちです。次の方向が不明で大きく反応することを示唆しているのだから、こうした場合は要注意です。
(3) ときどき(頻度20%)直後1分足跳幅が33pips以上となることがあります。こうした事例では直後11分足終値が直後1分足跳幅を超えたことは1回しかありません。直後1分足跳幅が33pips以上のとき、追撃すべきではありません。 - 定型分析の結論は次の通りです。
(1) 直後1分足と直後11分足との方向一致率が高く、直後11分足が直後1分足の跳幅・値幅を超えた確率も高くなっています。早期参加・追撃徹底に適しています。
(2) 直前10-1分足はやや陽線への偏りが見受けられ、直前1分足はやや陰線に偏りが見られます。がしかし、いずれも取引基準の70%には達していません。
(3) 事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各96%・83%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 大きく脈動しながら一方向に反応を伸ばしがちな特徴に見合うように、指標発表後は早期参加・追撃です。追撃は複数回に分けて徹底します。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。本指標の意義は、鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表に先立ち、それら集計月の企業景況感を知ることができること、です。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と言われています。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、今では消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で23pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
- 12pips以下だったことは17%
- 13-23pipsが43%
- 24-33pipsが20%
- 34pips以上は20%
です。
13pipsから33pipsの跳ねが63%を占めています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ形状は、2017年7月をボトムに上昇基調が1年間続いています。もし今回、市場予想を下回ると、2017年4月をピークとした下降基調転換の形状となってしまいます。
ーーー$€¥ーーー
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは29回中14回(48%)です。一見すると市場予想後追い型のように見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高くなっています。
よって、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が15pipsです。跳幅がその1.5倍の22pips以上だったことは過去6回(20%)あります。
この6回の直後1分足跳幅は22pipsで、これは直後1分足の過去全平均23pipsとほぼ同じです。そして、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(17%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応がいつもより大きくても(22pips以上あっても)、それが直後1分足の反応が大きいことや方向を示唆しているとは言えません。むしろ、直前10-1分足が大きく反応するときは、直後1分足は反対方向に反応する可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が9pipsです。この跳幅が13pips以上だったことは過去6回(20%)です。
この6回の直後1分足跳幅の平均は31pipsで、これは過去全平均23pipsより8pips大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は3回(50%)が一致しています。反応方向を示唆している訳ではないようです。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は23pipsです。この跳幅が33pips以上だったことは過去6回(20%)です。
この6回の直後11分足跳幅の平均は57pipsで、これは過去全平均47pipsより10pips大きくなっています。平均値ではこうですが、実際には直後11分足跳幅が10pips以上も直後1分足跳幅を超えたことは1回しかありません。
直後11分足は、過去平均跳幅が35pips、過去平均値幅が24pipsです。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは79%となっています。
できれば高値(安値)掴みは避けたいものの、これなら反応方向を確認したら早期参加です。
そして、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが57%となっています。他のパターン(直後11分足が、直後1分足の値幅を削ったり、直後1分足と反転したりすること)よりも、かなり高確率で反応を伸ばしています。
これなら利確はじっくりチャンスを待つことができます。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足はやや陽線への偏りが見受けられ、直前1分足はやや陰線に偏りが見られます。がしかし、いずれも取引基準の70%には達していません。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各96%・83%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年8月1日17:30発表
以下は2017年8月1日20:00頃に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回及び予想を上回り、反応は陽線でした。
今回の結果が悪いと、指標結果推移のグラフが下降基調に転じたとの印象を与えるところでした。まだ上昇に復したとは言えないまでも、下降が決定づけられることは避けられました。
改善は、新規輸出が大きく伸びたためです。
反応は1-2秒間始値付近に留まり、それから陽線を伸ばしました。一旦、146.7手前で跳ね返され、これはその付近に1時間足の雲上端があったため、と思われます。その後は145.8付近、146付近で迷ったものの、感触としてはスルスルと抜けた印象があります。
こうした動きとなった理由として、次の18:00に予定されていた欧州GDPで良い結果が期待されていたことが挙げられます。PMIでUSDが売られ、欧州GDP目がけてUSDが売られたようです。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
取引内容には問題ありません。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 事前分析では、反応程度が大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応する、としていました。
問題ありません。 - 事前分析では、追撃に早期参加し、発表から1分を経過したら利確の機会を探った方が良い旨、記しました。過去の傾向では、指標発表後は大きく脈動しながらも、一方向へと反応を伸ばしがちなので、早期参加・複数回に分けて追撃徹底に適している、と記していました。
これも問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは、早期参加・追撃徹底でした。
問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月29日
4-4. 英国経済指標DB(2017年7月最終版)
英国の経済指標発表前後の取引はGBPJPYで行っています。
さて、2017年度のトレンド判断は、
がポイントです。
8月4日、IOD(経営者協会)が英政府に対し「EU離脱の合意内容を策定することを求めた」と報道されています。この合意内容は最終的なものでなく、過渡的なものでも構わない、ということのようです。秩序だった離脱を円滑に進めることを企業に保証するため、政策目標を具体化して欲しいそうです。
こんなだから、英首相は総選挙で勝ちたかったのでしょう。企業なら、成算が見通せない段階で合併や撤退を先に発表するのでしょうか。
6月総選挙の結果、与党が議席を減らしました。
英首相は、棚ボタ式に首相になったイメージ払拭を図り、EU離脱交渉の国内指導力強化を狙っていたものの、その目論見は外れました。前首相のEU離脱国民投票といい、英国はやらなくてもいい選挙を行って、ダメージを負うことが続いています。
政権基盤が弱いと、対EU交渉での譲歩が難しくなります。
経済指標は、4-6月期成長率が1.7%に鈍化しました。
多くの解説記事で個人消費低迷が原因に挙げられています。それは、小売売上高前年比が昨年10月をピークに低下傾向が続いていることで確認できます(6月は改善)。それでも、物価上昇率は賃金上昇率を上回り続けています。
物価は、6月分の上昇がやや鈍化したものの、それでもコアCPI前年比は+2.4%、CPI前年比は+2.6%なので大きな上昇です。
利上げの可能性が減って、成長率が今後更に鈍化する可能性を想定すると、GBPは売られる要素が増えつつあるのでしょう。
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
3月MPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。6月MPCでは利上げ主張委員が3名に増えました。昨年6月の国民投票以降のGBP安による物価が急上昇が利上げ派の主要論拠で、賃金上昇への悪影響(景気への悪影響)の懸念が様子見派の主要論拠です。
6月15日のMPC声明では「政策変更にあたっては、EUの新たな貿易協定締結やその移行期間設置の合意など、EU離脱交渉次第」という条件が挙げられました。6月下旬には、BOE総裁が利上げ検討の必要性について言及しました。但し、利上げに当たっては「物価上昇に伴う消費減速を企業投資が補えるか」を前提に挙げていました。
利上げ気運にブレーキをかけた訳です。
そして、利上げ気運の高まった8月1日のMPCでは、利上げ派理事が1名退任したこともあって、利上げ賛成派が2名に減りました。一気に翌朝までにGBPJPYは300pips近い下落となりました。
退任した利上げ派理事1名の代わりに、別の理事が利上げ賛成に回るかも知れない、という予想もあったので、発表までGBPが下がっていなかったのです。
(分析事例) BOE政策金利 (2017年8月3日発表結果検証済)
直前10-1分足と直後1分足との方向一致率は68%なので、取引参加者は3回に2回の割合で発表直後の反応方向を当てています。英国は金融の国であり、予想分析もそこに乗って取引する人も、平均的な我々より平均的に上手なのかも知れません。
危ないので、大きな発表があるときは、追撃に徹した方が良いと思います。
先の総選挙での保守党公約は、移民削減(年間10万人未満)・2025年頃までの財政赤字解消・消費税を上げずに2020年までに法人税を17%まで引き下げ・高額役員報酬問題への歯止め・労働者の権利拡大・電気ガス料金の上限設定・キツネ狩り禁止法廃止の採決、等がありました。英国にとって都合が悪い内容ならEUと合意しない方がマシ、という首相発言も公約にあたるでしょう。
ところで、キツネ狩りが英国でそれほどのテーマだなんて、知っていましたか。そんなこと言ってる場合か、という気もします。
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
8月1日発表された7月分製造業PMI、8月3日に発表されたサービス業PMIは、ともに前回より改善しました。上昇再開と言えるほどの改善ではありません。
両指標ともに、昨年最悪期(EU離脱国民投票前後)よりも、まだかなり高い水準にあります。
(分析事例) 製造業PMI (2017年8月1日発表結果検証済)
(分析事例) サービス業PMI (2017年8月3日発表結果検証済)
製造業PMIは、反応方向を確認したら早期参加して、反応が伸びて利確の機会を待てば良いでしょう。
少なくとも最近のサービス業PMIは、EURGBPの月足の上下動と逆相関の関係が見受けられます。数日前に発表される製造業PMIの結果との相関は「無くはない」と言った程度しかありません(60%未満、50%以上)。
主要国でCPI(消費者物価指数)・RPI(小売物価指数)・PPI(生産者物価指数)が一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
BOEの目標インフレ率は年2%程度です。既にコアCPIは+2%を上回っています。発表結果が市場予想を上回っても、必ずしも素直に陽線で反応するとは限らない水準に達しています。がしかし、物価上昇を抑え込むために、6月下旬にBOE総裁は利上げ検討開始についてコメントしました。これで指標結果と反応方向の一致が、まだ暫くは続くと見込めるようになりました。
7月18日発表結果は全体的に物価上昇率が鈍化しました。それでもコアCPI前年比は+2.4%、CPI前年比は+2.6%なので、鈍化と言っても大きな物価上昇が続いています。
(分析事例) 物価指標 (2017年7月18日発表結果検証済)
過去の傾向は、早期参入・早期利確の追撃に適した指標です。指標発表から1分を過ぎてからは、初期反応の値幅を削ったり反転することの方が多くなっている点に注意しましょう。
反応が大きい指標なのであまり勧められませんが、直後1分足の事前差異との方向一致率が80%近くある指標です。指標発表前に事前差異と同方向にポジションを取得し、指標発表直後に跳ねたら利確であれ損切であれ、ポジションを解消するやり方も可能です。
多くのFX会社の経済指標カレンダーに示されている失業保険受給者数では反応しません。少なくとも直近の2-3年のデータを整理すると、平均所得(含ボーナス)の市場予想との多寡によって反応方向が決まりがちです。
7月12日発表では、平均時給が前回結果を下回り、失業率と失業保険申請件数が前回結果より改善しました。市場予想との関係で、反応は陽線となりましたが、内容はあまり良くありません。3-5月の実質賃金は、相変わらず物価上昇率を下回っていることを指摘する解説記事がありました。
(分析事例) 雇用統計 (2017年7月12日発表結果検証済)
指標発表直前に比較的大きく動き、その方向が発表直後の反応方向を3回に2回程度当てているという怪しい指標です。発表から1分を過ぎると、どちらに反応するかがわからない指標なので、追撃は早期参加・短期利確が基本です。
少し前までのIMF予想では、英国の2017年経済成長は2.0%となっていました。最新の見通しでは、2017年が1.7%、2018年が1.5%です。対する米国は2017年・2018年ともに2.1%(4月時点で2017年は2.3%)で、EUはともに1.9%・1.7%となっています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれていました。ひょっとすると、その兆しが現れ始めたのかも知れません。
6月30日、GDP確定値は前期比+0.6%・前年比+2.0%で、改定値と同値でした。+2%の経済成長は米国同期の+1.4%より優位でした。政策絡みでもFRBの次政策が「資産規模縮小で利上げでない」一方、BOEは「利上げの検討を向こう数か月以内に始める(6月28日BOE総裁発言)」ですから、GBPUSDはもう少しの上昇余地があると思われました。
がしかし、7月26日に発表された4-6月期GDP前年比速報値は1.7%で、1-3月期確定値+2.0%を下回りました。+1.7%というのは悪い数字ではありません。市場では、発表直後こそ陽線で反応したものの、その後は反転陰線で反応しました。
この数字では8月3日のMPCで利上げ派が強く出られないと捉えられたからでしょう。
(分析事例) 四半期GDP速報値 (2017年7月26日発表結果検証済)
(分析事例) 四半期GDP改定値 (2017年5月25日発表結果検証済)
(分析事例) 四半期GDP確定値 (2017年6月30日発表結果検証済)
速報値は、早期参加・追撃徹底に適しています。少なくとも発表から1分足を過ぎて、直後1分足値幅を削ることは27%あっても、直後1分足と逆方向に反転したことは7%しかありません。
他の国の実態指標ではあり得ないほど大きく反応します。
現状は先々の成長鈍化が予想されており、平均的には指標への反応が、上に小さく下に大きくなると思われます。
(2-1) 小売
7月11日に発表された6月分BRC(英小売連合)小売売上高調査前年比は2か月ぶりにプラス転換していました(+1.2%)。
7月20日に発表された6月分小売売上高指数前月比・前年比とコア小売売上高前月比・前年比は、全て前月を上回っていました。指数・コア指数ともに前年比が昨年末から明らかに低下傾向でした。来月発表で今月発表結果を上回れば、その傾向が上昇転換したようにもグラフ印象が変わります。
8月発表予定の7月集計分の良し悪しを考察する指標が発表され始めました。
8月4日に発表された7月分ハイストリート既存店小売売上高前年比△0.6%でした。ハイストリートというのは、表通り店舗のことで、細かな定義はよくわかっていません。7月下旬の天候はあまりよくなかったそうです。
(分析事例) 小売売上高指数 (2017年7月20日発表結果検証済)
本指標は、発表結果の良し悪しを、直前10-1分足の方向が示しがちです。がしかし、反応の持続性に不安があるので、追撃はほどほどにしておかないと痛い目に遭いかねません。
(2-2) 生産
7月27日、英政府は2040年以降にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する旨、発表しました。知らなかったのですが、与党保守党は2050年までにほぼ全ての自動車から排気ガスを無くすことを公約に掲げていたそうです。既に仏国が同様政策を発表していたことも知りませんでした。
この政策は巨大な社会インフラ投資と自動車メーカーの設備投資と石油需要の縮小を意味します。2040年なんてまだまだ先のことです。がしかし、つい20年前に起きた携帯電話普及や、15年前に起きた液晶TV普及や、つい5年前に起きたLED照明普及を覚えているでしょうか。工業製品は普及率が一線を超えると、一気に価格低減と普及率急増が起きて旧製品を駆逐します。
2040年なんて、そんなに時間が要らないかも知れません。
7月7日に発表された5月分鉱工業生産指数前月比は、自動車生産が昨年2月以来の大幅減少となったことを受けて低下しました(△0.1%)。この結果は上述の新政策発表とは関係ありません。鉱工業生産指数は、1月にマイナス転換してから(4月分を除き)ややマイナス状態が続いていました。但し、直近では昨年11月分(+2.1%)・12月分(+1.1%)が大きかっただけで、2015年1月分から今回発表までプラスだったことは13回(全29回)と半数以下です。もともと長期凋落傾向があったのではないでしょうか。
(分析事例) 鉱工業生産指数 (2017年6月9日17:30発表結果検証済)
事前差異・事後差異・実態差異のマイナス率が各85%・70%・78%と、異常な偏りが見受けられます。これは、調査期間において、市場予想は前回結果より低めに偏っており、発表結果は前回差異よりも市場予想よりも低くなりがちだった、ということです。
(2-3) 住宅
ほぼ反応しないので、取引は行いません。
7月13日に発表されたRICS(王立公認不動産鑑定士協会)住宅価格指数は+7でした。長周期の波が観察され、前回の波の底はEU離脱国民投票直後の2016年7月でした(+6)。その後11月に直近ピーク(+30)をつけてから現在は下降中です。来月は2016年7月の波底を下抜けるかに関心があります。
一方、7月17日に発表されたライトムーブ住宅価格前月比は2か月ぶりにプラス転換(+0.1%)しました。ライトムーブも全体的には2017年2月を直近ピークに、価格上昇率が低下傾向になっており、マイナス再転換を予感させています。
7月7日に発表された5月分貿易収支は△119億GBPの赤字でした。英国貿易収支は月々の上下動があるものの、長期的にその上下動は赤字拡大側に推移しています。
さて、2017年度のトレンド判断は、
- 6月総選挙でメイ首相の立場がどれぐらい強まるか
→与党議席減で首相進退論が出たり、閣内不協和の報道がでています - BOEが物価高にいつどの程度の対策を講じるか
→6月までに利上げ派のMPCメンバーが3名に増えたものの、成長率とインフレ率上昇が鈍化しています - ブリグジット交渉進展内容
→9月独総選挙が終わるまで、劇的進展は期待できません
がポイントです。
8月4日、IOD(経営者協会)が英政府に対し「EU離脱の合意内容を策定することを求めた」と報道されています。この合意内容は最終的なものでなく、過渡的なものでも構わない、ということのようです。秩序だった離脱を円滑に進めることを企業に保証するため、政策目標を具体化して欲しいそうです。
こんなだから、英首相は総選挙で勝ちたかったのでしょう。企業なら、成算が見通せない段階で合併や撤退を先に発表するのでしょうか。
【4-4-1. 7月概観】
6月総選挙の結果、与党が議席を減らしました。
英首相は、棚ボタ式に首相になったイメージ払拭を図り、EU離脱交渉の国内指導力強化を狙っていたものの、その目論見は外れました。前首相のEU離脱国民投票といい、英国はやらなくてもいい選挙を行って、ダメージを負うことが続いています。
政権基盤が弱いと、対EU交渉での譲歩が難しくなります。
経済指標は、4-6月期成長率が1.7%に鈍化しました。
多くの解説記事で個人消費低迷が原因に挙げられています。それは、小売売上高前年比が昨年10月をピークに低下傾向が続いていることで確認できます(6月は改善)。それでも、物価上昇率は賃金上昇率を上回り続けています。
物価は、6月分の上昇がやや鈍化したものの、それでもコアCPI前年比は+2.4%、CPI前年比は+2.6%なので大きな上昇です。
利上げの可能性が減って、成長率が今後更に鈍化する可能性を想定すると、GBPは売られる要素が増えつつあるのでしょう。
【4-4-2. 政策決定指標】
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
(1) 金融政策
3月MPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。6月MPCでは利上げ主張委員が3名に増えました。昨年6月の国民投票以降のGBP安による物価が急上昇が利上げ派の主要論拠で、賃金上昇への悪影響(景気への悪影響)の懸念が様子見派の主要論拠です。
6月15日のMPC声明では「政策変更にあたっては、EUの新たな貿易協定締結やその移行期間設置の合意など、EU離脱交渉次第」という条件が挙げられました。6月下旬には、BOE総裁が利上げ検討の必要性について言及しました。但し、利上げに当たっては「物価上昇に伴う消費減速を企業投資が補えるか」を前提に挙げていました。
利上げ気運にブレーキをかけた訳です。
そして、利上げ気運の高まった8月1日のMPCでは、利上げ派理事が1名退任したこともあって、利上げ賛成派が2名に減りました。一気に翌朝までにGBPJPYは300pips近い下落となりました。
退任した利上げ派理事1名の代わりに、別の理事が利上げ賛成に回るかも知れない、という予想もあったので、発表までGBPが下がっていなかったのです。
(分析事例) BOE政策金利 (2017年8月3日発表結果検証済)
直前10-1分足と直後1分足との方向一致率は68%なので、取引参加者は3回に2回の割合で発表直後の反応方向を当てています。英国は金融の国であり、予想分析もそこに乗って取引する人も、平均的な我々より平均的に上手なのかも知れません。
危ないので、大きな発表があるときは、追撃に徹した方が良いと思います。
(2) 財政政策
先の総選挙での保守党公約は、移民削減(年間10万人未満)・2025年頃までの財政赤字解消・消費税を上げずに2020年までに法人税を17%まで引き下げ・高額役員報酬問題への歯止め・労働者の権利拡大・電気ガス料金の上限設定・キツネ狩り禁止法廃止の採決、等がありました。英国にとって都合が悪い内容ならEUと合意しない方がマシ、という首相発言も公約にあたるでしょう。
ところで、キツネ狩りが英国でそれほどのテーマだなんて、知っていましたか。そんなこと言ってる場合か、という気もします。
(3) 景気指標
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
8月1日発表された7月分製造業PMI、8月3日に発表されたサービス業PMIは、ともに前回より改善しました。上昇再開と言えるほどの改善ではありません。
両指標ともに、昨年最悪期(EU離脱国民投票前後)よりも、まだかなり高い水準にあります。
(分析事例) 製造業PMI (2017年8月1日発表結果検証済)
(分析事例) サービス業PMI (2017年8月3日発表結果検証済)
製造業PMIは、反応方向を確認したら早期参加して、反応が伸びて利確の機会を待てば良いでしょう。
少なくとも最近のサービス業PMIは、EURGBPの月足の上下動と逆相関の関係が見受けられます。数日前に発表される製造業PMIの結果との相関は「無くはない」と言った程度しかありません(60%未満、50%以上)。
(4) 物価指標
主要国でCPI(消費者物価指数)・RPI(小売物価指数)・PPI(生産者物価指数)が一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
BOEの目標インフレ率は年2%程度です。既にコアCPIは+2%を上回っています。発表結果が市場予想を上回っても、必ずしも素直に陽線で反応するとは限らない水準に達しています。がしかし、物価上昇を抑え込むために、6月下旬にBOE総裁は利上げ検討開始についてコメントしました。これで指標結果と反応方向の一致が、まだ暫くは続くと見込めるようになりました。
7月18日発表結果は全体的に物価上昇率が鈍化しました。それでもコアCPI前年比は+2.4%、CPI前年比は+2.6%なので、鈍化と言っても大きな物価上昇が続いています。
(分析事例) 物価指標 (2017年7月18日発表結果検証済)
過去の傾向は、早期参入・早期利確の追撃に適した指標です。指標発表から1分を過ぎてからは、初期反応の値幅を削ったり反転することの方が多くなっている点に注意しましょう。
反応が大きい指標なのであまり勧められませんが、直後1分足の事前差異との方向一致率が80%近くある指標です。指標発表前に事前差異と同方向にポジションを取得し、指標発表直後に跳ねたら利確であれ損切であれ、ポジションを解消するやり方も可能です。
(5) 雇用指標
多くのFX会社の経済指標カレンダーに示されている失業保険受給者数では反応しません。少なくとも直近の2-3年のデータを整理すると、平均所得(含ボーナス)の市場予想との多寡によって反応方向が決まりがちです。
7月12日発表では、平均時給が前回結果を下回り、失業率と失業保険申請件数が前回結果より改善しました。市場予想との関係で、反応は陽線となりましたが、内容はあまり良くありません。3-5月の実質賃金は、相変わらず物価上昇率を下回っていることを指摘する解説記事がありました。
(分析事例) 雇用統計 (2017年7月12日発表結果検証済)
指標発表直前に比較的大きく動き、その方向が発表直後の反応方向を3回に2回程度当てているという怪しい指標です。発表から1分を過ぎると、どちらに反応するかがわからない指標なので、追撃は早期参加・短期利確が基本です。
【4-4-3. 経済実態指標】
少し前までのIMF予想では、英国の2017年経済成長は2.0%となっていました。最新の見通しでは、2017年が1.7%、2018年が1.5%です。対する米国は2017年・2018年ともに2.1%(4月時点で2017年は2.3%)で、EUはともに1.9%・1.7%となっています。
(1) 経済成長
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれていました。ひょっとすると、その兆しが現れ始めたのかも知れません。
6月30日、GDP確定値は前期比+0.6%・前年比+2.0%で、改定値と同値でした。+2%の経済成長は米国同期の+1.4%より優位でした。政策絡みでもFRBの次政策が「資産規模縮小で利上げでない」一方、BOEは「利上げの検討を向こう数か月以内に始める(6月28日BOE総裁発言)」ですから、GBPUSDはもう少しの上昇余地があると思われました。
がしかし、7月26日に発表された4-6月期GDP前年比速報値は1.7%で、1-3月期確定値+2.0%を下回りました。+1.7%というのは悪い数字ではありません。市場では、発表直後こそ陽線で反応したものの、その後は反転陰線で反応しました。
この数字では8月3日のMPCで利上げ派が強く出られないと捉えられたからでしょう。
(分析事例) 四半期GDP速報値 (2017年7月26日発表結果検証済)
(分析事例) 四半期GDP改定値 (2017年5月25日発表結果検証済)
(分析事例) 四半期GDP確定値 (2017年6月30日発表結果検証済)
速報値は、早期参加・追撃徹底に適しています。少なくとも発表から1分足を過ぎて、直後1分足値幅を削ることは27%あっても、直後1分足と逆方向に反転したことは7%しかありません。
(2) 実態指標
他の国の実態指標ではあり得ないほど大きく反応します。
現状は先々の成長鈍化が予想されており、平均的には指標への反応が、上に小さく下に大きくなると思われます。
(2-1) 小売
7月11日に発表された6月分BRC(英小売連合)小売売上高調査前年比は2か月ぶりにプラス転換していました(+1.2%)。
7月20日に発表された6月分小売売上高指数前月比・前年比とコア小売売上高前月比・前年比は、全て前月を上回っていました。指数・コア指数ともに前年比が昨年末から明らかに低下傾向でした。来月発表で今月発表結果を上回れば、その傾向が上昇転換したようにもグラフ印象が変わります。
8月発表予定の7月集計分の良し悪しを考察する指標が発表され始めました。
8月4日に発表された7月分ハイストリート既存店小売売上高前年比△0.6%でした。ハイストリートというのは、表通り店舗のことで、細かな定義はよくわかっていません。7月下旬の天候はあまりよくなかったそうです。
(分析事例) 小売売上高指数 (2017年7月20日発表結果検証済)
本指標は、発表結果の良し悪しを、直前10-1分足の方向が示しがちです。がしかし、反応の持続性に不安があるので、追撃はほどほどにしておかないと痛い目に遭いかねません。
(2-2) 生産
7月27日、英政府は2040年以降にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する旨、発表しました。知らなかったのですが、与党保守党は2050年までにほぼ全ての自動車から排気ガスを無くすことを公約に掲げていたそうです。既に仏国が同様政策を発表していたことも知りませんでした。
この政策は巨大な社会インフラ投資と自動車メーカーの設備投資と石油需要の縮小を意味します。2040年なんてまだまだ先のことです。がしかし、つい20年前に起きた携帯電話普及や、15年前に起きた液晶TV普及や、つい5年前に起きたLED照明普及を覚えているでしょうか。工業製品は普及率が一線を超えると、一気に価格低減と普及率急増が起きて旧製品を駆逐します。
2040年なんて、そんなに時間が要らないかも知れません。
7月7日に発表された5月分鉱工業生産指数前月比は、自動車生産が昨年2月以来の大幅減少となったことを受けて低下しました(△0.1%)。この結果は上述の新政策発表とは関係ありません。鉱工業生産指数は、1月にマイナス転換してから(4月分を除き)ややマイナス状態が続いていました。但し、直近では昨年11月分(+2.1%)・12月分(+1.1%)が大きかっただけで、2015年1月分から今回発表までプラスだったことは13回(全29回)と半数以下です。もともと長期凋落傾向があったのではないでしょうか。
(分析事例) 鉱工業生産指数 (2017年6月9日17:30発表結果検証済)
事前差異・事後差異・実態差異のマイナス率が各85%・70%・78%と、異常な偏りが見受けられます。これは、調査期間において、市場予想は前回結果より低めに偏っており、発表結果は前回差異よりも市場予想よりも低くなりがちだった、ということです。
(2-3) 住宅
ほぼ反応しないので、取引は行いません。
7月13日に発表されたRICS(王立公認不動産鑑定士協会)住宅価格指数は+7でした。長周期の波が観察され、前回の波の底はEU離脱国民投票直後の2016年7月でした(+6)。その後11月に直近ピーク(+30)をつけてから現在は下降中です。来月は2016年7月の波底を下抜けるかに関心があります。
一方、7月17日に発表されたライトムーブ住宅価格前月比は2か月ぶりにプラス転換(+0.1%)しました。ライトムーブも全体的には2017年2月を直近ピークに、価格上昇率が低下傾向になっており、マイナス再転換を予感させています。
【4-4-4. 収支関係指標】
7月7日に発表された5月分貿易収支は△119億GBPの赤字でした。英国貿易収支は月々の上下動があるものの、長期的にその上下動は赤字拡大側に推移しています。
以上
2017年07月26日
英国経済指標「四半期GDP速報値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年7月26日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月26日17:30に英国経済指標「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期の集計結果です。
同時刻に、BBA(英銀行協会)の住宅ローン承認件数の発表が予定されています。がしかし、本指標と比べた場合、影響を無視しても差し支えないでしょう。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指標の意義は、当該期の総合的な経済実態を表し、各国主要政策に影響を与える点です。
主要国では、翌期に速報値・改定値・確定値が順次発表され、平均的な反応が最も大きいのは速報値です。
英国のGDP速報値は1・4・7・10月に発表されます。
次週にMPC(政策金利決定)が予定されています。景気後退にせよ好調維持にせよ、いずれかが明確になれば利上げ期待や失望がGBPを大きく動かす可能性があります。
本記事の調査期間と、その期間いおける反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で25pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
です。
まんべんなく分布しており、予め利確・損切の目安を得にくい指標だと言えるでしょう。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。そして、このグラフには前期確定値をプロットしています。
市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果と前期確定値は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
前期比は前期確定値を上回ると市場予想されており、前年比は前期確定値を下回ると市場予想されています。
前期比と前年比がそれぞれ反応方向にどの程度影響しているのかを調べておきました。
一般に、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は高くなります。この方向一致率が高いほど「素直に反応する」指標だと言えます。
明らかに前期比の方が前年比より反応方向に強く影響しています。
但し、GDP発表では市場予想と発表結果が同値となることも多く、前期比だけの事後差異に頼っていると、それが同値だったとき反応方向がわかりません。そこで、
の符号が反応方向と一致する、と捉えておくといいでしょう。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は過去平均跳幅が12pipsです。跳幅がその1.5倍の18pips以上だったことは過去3回(頻度19%)あります。
この3回の発表直後1分足跳幅は24pipsで、これは直後1分足の過去全平均25pipsとほぼ同じです。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が通常の1.5倍(18pips)以上に達したとしても、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は12pipsです。この跳幅がその1.5倍にあたる18pips以上だったことは過去4回(頻度25%)です。
この4回の直後1分足跳幅の平均は32pipsで、これは過去全平均25pipsより7pips大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。但し、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回(25%)しか一致していません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は25pipsです。
過去平均の25pipsを超えたことは44%あり、平均の1.5倍である36pipsを超えたことも19%あります。先述の通り、反応分布は大小まんべんなくばらついているものの、たまに大きく反応するのでご注意ください。
直後11分足は、過去平均跳幅が36pips、過去平均値幅が24pipsです。
平均値を見る限り、直後1分足跳幅と直後11分足跳幅の差が11pips以上、直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は20pips以上、と大きくなっています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
この差が大きいということは、直後1分足と直後11分足の方向一致率さえ高ければ、追撃に適している訳です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は93%です。そして、この93%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各64%・71%です。
また、直後1分足終値がついてから、直後11分足が直後1分足の方向と反転していたことは7%しかありません。
つまり、高値(安値)掴みに気を付けて指標発表から1分以内にポジションを取り、1分経過後に利確を狙う指標です。直後1分足値幅より小さな点でポジションが取れたなら、長めにポジションを取っても良いかも知れません。早期参加・追撃徹底に適しています。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足の陰線率が80%、直後1分足の陽線率が73%と、反応方向に偏りが目立ちます。そして、そして、指標発表前のローソク足方向が発表後のローソク足方向を示唆している兆しは見受けられません。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足の方向一致率が80%で、本指標への反応は素直だと言えます。その他ローソク足の方向に対し、先期確定値・市場予想・発表結果の各大小関係は強い影響を与えていません。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月27日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前期比・前年比ともに市場予想通りでした。前回確定値に対しては、前期比が改善、前年比が低下です。低下とは言え、前年比は+1.7%なので、悪い数字ではありません。
反応は、指標発表前が上下にヒゲの目立つ迷いがあり、発表直後が陽線、そしてその後は陰線に転じています。全体としての反応は小さくなりました。
市場予想通りでそれほど悪い数字ではないことが、発表直後の陽線での反応だと思われます。そしてその後の反転陰線は、この数字では来週のMPCで利上げ派が強く出られないことと捉えられたからではないでしょうか。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は損切となりました。がしかし、これは確率上の問題ですから考えても仕方ありません。
追撃初期に損切となったのは意外でした。発表から数秒間は上下の動きに迷いがあって、上に動き始めたのを確認してから追撃を開始しました。がしかし、反転です。慎重に反応方向を見極めたつもりでしたが、まぁこんなこともあります。
事前調査分析内容を、以下に検証します
事前準備していたシナリオは次の通りです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月26日17:30に英国経済指標「四半期GDP速報値」が発表されます。今回発表は2017年4-6月期の集計結果です。
同時刻に、BBA(英銀行協会)の住宅ローン承認件数の発表が予定されています。がしかし、本指標と比べた場合、影響を無視しても差し支えないでしょう。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度は平均的に大きいものの、ばらつきも大きくなっています。
- 反応方向は前期比結果の良し悪しに素直です。
- 指標発表後は早期参加・追撃徹底に適しています。
定型分析の結果は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
- 指標結果の予想分析結論は「わからない」です。
次週にMPC(今後のBOE金融政策決定)が予定されています。景気後退にせよ好調維持にせよ、いずれかが明確になれば利上げ期待や失望がGBPを大きく動かす可能性があります。
こうした状況では、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことが危険です。大きく反応するなら追撃でも稼げます。何も無理をする必要はありません。 - 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
(1) たまに(頻度19%)直前10-1分足跳幅が通常の1.5倍(18pips)以上に達することがあります。がしかし、そうした事例は指標発表直後1分足跳幅の大きさや方向と無関係です。慌てて動きに追従して痛手を負わないように気をつけましょう。
(2) ときどき(頻度25%)、直前1分足跳幅が通常の1.5倍(18pips)以上に達することがあります。がしかし、そうした事例は指標発表直後1分足跳幅がやや平均より大きくなるものの、反応方向とは無関係です。慌てて動きに追従して痛手を負わないように気をつけましょう。
(3) 指標発表直後の過去反応は大小まんべんなく分布しており、利確・損切の目安を予め得にくい指標です。 - 定型分析の結論は次の通りです。
(1) 本指標は、指標発表後に早期参加・追撃徹底に適しています。
高値(安値)掴みに気を付けて指標発表から1分以内にポジションを取り、1分経過後に利確を狙う指標です。直後1分足値幅より小さな点でポジションが取れたなら、長めにポジションを取っても良いかも知れません。
(2) 本指標発表前後のローソク足方向には、直前1分足の陰線率が80%、直後1分足の陽線率が73%と、偏りが目立ちます。指標発表前のローソク足方向が発表後のローソク足方向を示唆している兆しは見受けられません。
(3) 本指標は、事後差異と直後1分足の方向一致率が80%で、指標発表直後の初期反応は素直だと言えます。その他ローソク足の方向に対し、先期確定値・市場予想・発表結果の各大小関係は強い影響を与えていません。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 指標発表後は、反応方向に順張りで早期参加・追撃徹底です。
動きが激しくポジションがなかなか取れなくても、慌ててボタンを押し続けて高値(安値)掴みをしてしまうことには気を付けましょう。ボタンを押す練習ではありません。落ち着いて上下動の呼吸のようなものを掴めるようになって、「掴める率」を高める練習だって、これから「高い勝率を維持できるようになる」ために必要です。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指標の意義は、当該期の総合的な経済実態を表し、各国主要政策に影響を与える点です。
主要国では、翌期に速報値・改定値・確定値が順次発表され、平均的な反応が最も大きいのは速報値です。
英国のGDP速報値は1・4・7・10月に発表されます。
次週にMPC(政策金利決定)が予定されています。景気後退にせよ好調維持にせよ、いずれかが明確になれば利上げ期待や失望がGBPを大きく動かす可能性があります。
ーーー$€¥ーーー
本記事の調査期間と、その期間いおける反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で25pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
また上表分布を別の言い方で説明すると、
- 12pips以下だったことは25%
- 13-25pipsが31%
- 26-36pipsが25%
- 37pips以上は13%
です。
まんべんなく分布しており、予め利確・損切の目安を得にくい指標だと言えるでしょう。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。そして、このグラフには前期確定値をプロットしています。
市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果と前期確定値は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
前期比は前期確定値を上回ると市場予想されており、前年比は前期確定値を下回ると市場予想されています。
ーーー$€¥ーーー
前期比と前年比がそれぞれ反応方向にどの程度影響しているのかを調べておきました。
一般に、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は高くなります。この方向一致率が高いほど「素直に反応する」指標だと言えます。
明らかに前期比の方が前年比より反応方向に強く影響しています。
但し、GDP発表では市場予想と発表結果が同値となることも多く、前期比だけの事後差異に頼っていると、それが同値だったとき反応方向がわかりません。そこで、
2?前期比の差異
+1?前年比の差異
+1?前年比の差異
の符号が反応方向と一致する、と捉えておくといいでしょう。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は過去平均跳幅が12pipsです。跳幅がその1.5倍の18pips以上だったことは過去3回(頻度19%)あります。
この3回の発表直後1分足跳幅は24pipsで、これは直後1分足の過去全平均25pipsとほぼ同じです。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が通常の1.5倍(18pips)以上に達したとしても、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は12pipsです。この跳幅がその1.5倍にあたる18pips以上だったことは過去4回(頻度25%)です。
この4回の直後1分足跳幅の平均は32pipsで、これは過去全平均25pipsより7pips大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。但し、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回(25%)しか一致していません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅は25pipsです。
過去平均の25pipsを超えたことは44%あり、平均の1.5倍である36pipsを超えたことも19%あります。先述の通り、反応分布は大小まんべんなくばらついているものの、たまに大きく反応するのでご注意ください。
直後11分足は、過去平均跳幅が36pips、過去平均値幅が24pipsです。
平均値を見る限り、直後1分足跳幅と直後11分足跳幅の差が11pips以上、直後1分足終値と直後11分足跳幅の差は20pips以上、と大きくなっています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
この差が大きいということは、直後1分足と直後11分足の方向一致率さえ高ければ、追撃に適している訳です。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は93%です。そして、この93%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各64%・71%です。
また、直後1分足終値がついてから、直後11分足が直後1分足の方向と反転していたことは7%しかありません。
つまり、高値(安値)掴みに気を付けて指標発表から1分以内にポジションを取り、1分経過後に利確を狙う指標です。直後1分足値幅より小さな点でポジションが取れたなら、長めにポジションを取っても良いかも知れません。早期参加・追撃徹底に適しています。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足の陰線率が80%、直後1分足の陽線率が73%と、反応方向に偏りが目立ちます。そして、そして、指標発表前のローソク足方向が発表後のローソク足方向を示唆している兆しは見受けられません。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足の方向一致率が80%で、本指標への反応は素直だと言えます。その他ローソク足の方向に対し、先期確定値・市場予想・発表結果の各大小関係は強い影響を与えていません。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月26日17:30発表
以下は2017年7月27日に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前期比・前年比ともに市場予想通りでした。前回確定値に対しては、前期比が改善、前年比が低下です。低下とは言え、前年比は+1.7%なので、悪い数字ではありません。
反応は、指標発表前が上下にヒゲの目立つ迷いがあり、発表直後が陽線、そしてその後は陰線に転じています。全体としての反応は小さくなりました。
市場予想通りでそれほど悪い数字ではないことが、発表直後の陽線での反応だと思われます。そしてその後の反転陰線は、この数字では来週のMPCで利上げ派が強く出られないことと捉えられたからではないでしょうか。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は損切となりました。がしかし、これは確率上の問題ですから考えても仕方ありません。
追撃初期に損切となったのは意外でした。発表から数秒間は上下の動きに迷いがあって、上に動き始めたのを確認してから追撃を開始しました。がしかし、反転です。慎重に反応方向を見極めたつもりでしたが、まぁこんなこともあります。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 過去の傾向では、反応程度は平均的に大きいものの、ばらつきが大きいことがわかっていました。
今回は直後1分足跳幅5pipsですから、かなり小さい反応となりました。 - 過去の傾向では、反応方向が前期比結果の良し悪しに素直でした。
今回は市場予想同値なので判定できません。 - 過去の傾向では、指標発表後に早期参加・追撃徹底に適していました。
結果は、上下の動きに迷いがあり、これは前期比・前年比ともに市場予想同値だったので仕方ありません。早期参加は一呼吸遅らせて、追撃は損切分を取り返したら早々に止めました。指標結果の良し悪しが判定できない以上、プロの思惑で上下どちらに動くかがわかりません。そのプロもどちらに動くかわからないように上下動だった以上、危なくて仕方ありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線と見込んでいました。問題ありません。損切となったのはポジション取得のタイミングが悪かったせいです。
- 指標発表後は、反応方向に順張りで早期参加・追撃徹底するつもりでした。
動きが鈍く、指標結果を確認したら前期比・前年比ともに市場予想同値です。方向を見極めてからポジション取得したものの、結果は反転・損切となりました。2回目の追撃で損切分を取り返せたのは、単に運です。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月19日
英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年7月20日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月20日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事投稿時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
定型分析の結果を以下に一覧します。
上記定性分析も含めた調査・分析結果は以下の通りです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本記事検討での調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
指標発表結果に最も素直に反応しがちな直後1分足の過去平均は、跳幅29pips・値幅18pipsです。跳幅平均値である29pipsを超えたことは45%あり、平均の半分にあたる15pips以上反応したことが86%を占めています。
本指標は反応が大きく、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重に行うべきです。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
各項目毎の反応方向への「影響の強さ」を下表に示しておきます。なお、ここでいう「影響の強さ」とは、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなることを指しています。但し、必ずしも「最も影響が強くなる」ようには各係数を求めていません。
上表の上から4行は個別項目の反応方向への影響の強さを調べています。結果、事後差異と直後1分足の方向一致率は、コア前月比>前月比>コア前年比=前年比、の順に影響力が強いことがわかりました。
そして、上表一番下の行は、指標全体の方向一致率を求めるため各差異への重み付け係数を求めたものです。結果、コア前月比4:前月比3:コア前年比2:前年比1の比率で各差異に重み付けを行うと、事後差異と直後1分足の方向一致率を更に高くできることがわかりました。
この係数は、本記の事前差異・事後差異・実態差異を求めるときに適用しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が22pips、過去平均値幅が13pipsです。
そして、直前10-1分足跳幅が過去平均の1.5倍相当の33pips以上だったことは過去6回(21%)あります。この6回の直後1分足跳幅の平均は21pipsで、これは過去全平均29pipsに達していません。また、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(33%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が33pips以上と、他の指標で滅多に見られないほど大きく反応したとしても、それが直後1分足の反応の大きさや方向を示唆している訳ではありません。
次に、直前1分足は、過去平均跳幅が9pips、過去平均値幅が4pipsです。
直前1分足跳幅が14pips以上だったことは過去5回(17%)あります。この5回の直後1分足跳幅の平均は21pipsで、これは過去全平均の29pipsに達していません。また、この5回の直前1分足と直後1分足の方向が一致したことは3回(60%)です。
つまり、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応程度や方向が示唆されている訳ではありません。
そして、直後1分足は、過去平均跳幅が29pips、過去平均値幅が18pipsです。
過去平均の29pipsを超えたことは45%あり、本指標は大きく反応することが多いので注意が必要です。
直後11分足は、過去平均跳幅が42pips、過去平均値幅が28pipsです。
平均値を見る限り、過去1分足終値がついてから、直後11分足の跳幅は24pips以上、値幅平均は10pips以上、直後1分足終値平均を上回ています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、直後11分足跳幅平均と直後1分足終値平均の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです。直後11分足終値がつくまで徹底しても良いかも知れません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標結果への反応が最も素直に現れがちな直後1分足跳幅は、過去平均で29pipsに達しています。そして、この平均値を超えたことが45%あります。本指標は大きく反応しがちです。
また、直後1分足値幅は過去平均で18pipsです。跳幅平均と値幅併記との差が11pipsもあるので、追撃を行うなら高値(安値)掴みに気をつけないといけません。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各95%・70%です。
つまり、発表から1分以内であれば、(高値・安値掴みは避けたいものの)反応方向を確認次第、追撃しても1分経過後にもっと反応が伸びるので追撃必須です。
但し、直後1分足終値がついた時点では、前述の跳幅こそ反応を伸ばすものの、直後11分足終値が反転することも多いため、反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超える確率が50%しかありません。
つまり、本指標での取引は、反応方向を確認したら早期参加しても、発表から1分を過ぎたら機会を逃さず利確すべきです。だらだらポジションを持っていると、せっかくの含益が含損に転じることが2回に1回もあります。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が77%となっています。がしかし、他の指標に比べて反応が大きいので、慌てて追従しない方が良いでしょう。データからは、前述の通り、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
そして、どのローソク足も他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上にはなっていません。
本指標では、取引参加者が指標発表前に指標発表後の反応方向を掴んでいる兆候はありません。
最後に、指標一致性分析の結果を下図に示します。
本指標の各差異算出は、先述の通り、コア前月比4:前月比3:コア前年比2:前年比1の比率で各差異に重み付けを行っています。例えば、コア前月比の事前差異0.1%は、コア前年比の事前差異0.2%に相当しています。
まず、事前差異と直前10-1分足の方向一致率は76%に達しています。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足は陽線と見込めます。
次に、事後差異と直前10-1分足・直後1分足・直後11分足の方向一致率が各72%・79%・83%となっています。これは、取引参加者が指標発表前に発表結果の良し悪しを72%正しく捉えており、しかも本指標が発表結果の良し悪しに素直に反応することを示唆している、ということです。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月20日18:10頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は全ての項目で前回結果・市場予想を上回ったものの、反応は直後1分足が素直に陽線で、発表から1分経過すると直後1分足値幅を削っていきました。
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陽線となったものの、その後、逆方向に転じました。
複雑な動きでしたが、事前分析通りです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月20日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事投稿時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度は大きく、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重に行うべきです。
- 反応方向は素直です。
- 追撃は、反応方向確認次第行い、指標発表から1分を過ぎたら機会を逃さず利確すべきです。
定型分析の結果を以下に一覧します。
上記定性分析も含めた調査・分析結果は以下の通りです。
- 本指標には次の特徴があります。
(1) 発表項目のうち反応方向への影響力が強い順に並べると、コア前月比>前月比>コア前年比=前年比、です。
(2) まれに、指標発表前にかなり大きく動くことがあります。がしかし、その動きは指標発表後の動きや程度とは関係ありません。
(3) 指標発表後は早期追撃、利確は発表から1分を過ぎてからで、但し、だらだらと利確を遅らせると反応が反転する可能性が高まります。 - 過去のローソク足を見る限り、何点か予め知っておいた方が良いポイントがありました。
(1) まれに(頻度21%)、直前10-1分足跳幅が33pips以上もの反応をすることがあります。がしかし、この21%の過去事例を見る限り、直前10-1分足がこんなに大きく反応したにも関わらず、そのときの直後1分足の反応の大きさや方向とは関係なかったことがわかっています。
慌てて追撃すると、酷い目に遭いかねません。気を付けましょう。
(2) まれに(頻度17%)、直前1分足跳幅が14pips以上の大きな反応をすることがあります。がしかし、この17%の過去事例を見る限り、そのときの直後1分足の大きさや方向を示唆しているようには見受けられません。
これも気を付けるべき点です。
(3) それらの場合も含めて、指標発表前のローソク足の動きから、指標発表後の反応方向を予想すべきではありません。 - 本指標の事前差異・事後差異・実態差異算出には、発表項目毎に重み付けを行っています。コア前月比4:前月比3:コア前年比2:前年比1の比率で、事後差異を求めると直後1分足との方向一致率が良くなります。例えば、コア前月比の事前差異0.1%は、コア前年比の事前差異0.2%に相当しています。
- 指標発表前のローソク足の方向と、指標発表後のローソク足の方向とは、前述の通り高い一致率となりません。
がしかし、事前差異と直前10-1分足の方向一致率は76%に達しています。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足は陽線と見込めます。
そして、事後差異と直前10-1分足・直後1分足・直後11分足の方向一致率が各72%・79%・83%となっています。これは、取引参加者が指標発表前に発表結果の良し悪しを72%正しく捉えており、しかも本指標が発表結果の良し悪しに素直に反応することを示唆している、ということです。 - 追撃は早期参加し、指標発表から1分を過ぎたら機会を捉えて利確を急ぎましょう。
なぜなら、直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各95%・70%です。
つまり、発表から1分以内であれば、(高値・安値掴みは避けたいものの)反応方向を確認次第、追撃しても1分経過後にもっと反応が伸びるので、早期参加の追撃必須です。
但し、直後1分足終値がついた時点では、前述の跳幅こそ反応を伸ばすものの、直後11分足終値が反転することも多いため、反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超える確率が50%しかありません。
つまり、本指標での取引は、反応方向を確認したら早期参加しても、発表から1分を過ぎたら機会を逃さず利確すべきです。だらだらポジションを持っていると、せっかくの含益が含損に転じることが2回に1回もあります。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
- (1) 直前10-1分足は陽線と見込みます。但し、危ないので短時間で微益を狙うに留めます。
- (2) 直前1分足は陰線と見込みます。これも危ないので、短時間で微益を狙うに留めます。
- (3) 指標発表前にはポジションを持ちません。
- (4) 追撃は反応方向確認したら高値(安値)掴みに気をつけて順張りを急ぎ、発表後1分経過後は利確のタイミングを窺います。時間が経つほど反転のリスクが高まると言って良いでしょう。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本記事検討での調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
指標発表結果に最も素直に反応しがちな直後1分足の過去平均は、跳幅29pips・値幅18pipsです。跳幅平均値である29pipsを超えたことは45%あり、平均の半分にあたる15pips以上反応したことが86%を占めています。
本指標は反応が大きく、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重に行うべきです。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
各項目毎の反応方向への「影響の強さ」を下表に示しておきます。なお、ここでいう「影響の強さ」とは、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなることを指しています。但し、必ずしも「最も影響が強くなる」ようには各係数を求めていません。
上表の上から4行は個別項目の反応方向への影響の強さを調べています。結果、事後差異と直後1分足の方向一致率は、コア前月比>前月比>コア前年比=前年比、の順に影響力が強いことがわかりました。
そして、上表一番下の行は、指標全体の方向一致率を求めるため各差異への重み付け係数を求めたものです。結果、コア前月比4:前月比3:コア前年比2:前年比1の比率で各差異に重み付けを行うと、事後差異と直後1分足の方向一致率を更に高くできることがわかりました。
この係数は、本記の事前差異・事後差異・実態差異を求めるときに適用しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が22pips、過去平均値幅が13pipsです。
そして、直前10-1分足跳幅が過去平均の1.5倍相当の33pips以上だったことは過去6回(21%)あります。この6回の直後1分足跳幅の平均は21pipsで、これは過去全平均29pipsに達していません。また、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(33%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足の反応が33pips以上と、他の指標で滅多に見られないほど大きく反応したとしても、それが直後1分足の反応の大きさや方向を示唆している訳ではありません。
次に、直前1分足は、過去平均跳幅が9pips、過去平均値幅が4pipsです。
直前1分足跳幅が14pips以上だったことは過去5回(17%)あります。この5回の直後1分足跳幅の平均は21pipsで、これは過去全平均の29pipsに達していません。また、この5回の直前1分足と直後1分足の方向が一致したことは3回(60%)です。
つまり、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応程度や方向が示唆されている訳ではありません。
そして、直後1分足は、過去平均跳幅が29pips、過去平均値幅が18pipsです。
過去平均の29pipsを超えたことは45%あり、本指標は大きく反応することが多いので注意が必要です。
直後11分足は、過去平均跳幅が42pips、過去平均値幅が28pipsです。
平均値を見る限り、過去1分足終値がついてから、直後11分足の跳幅は24pips以上、値幅平均は10pips以上、直後1分足終値平均を上回ています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、直後11分足跳幅平均と直後1分足終値平均の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです。直後11分足終値がつくまで徹底しても良いかも知れません。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標結果への反応が最も素直に現れがちな直後1分足跳幅は、過去平均で29pipsに達しています。そして、この平均値を超えたことが45%あります。本指標は大きく反応しがちです。
また、直後1分足値幅は過去平均で18pipsです。跳幅平均と値幅併記との差が11pipsもあるので、追撃を行うなら高値(安値)掴みに気をつけないといけません。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各95%・70%です。
つまり、発表から1分以内であれば、(高値・安値掴みは避けたいものの)反応方向を確認次第、追撃しても1分経過後にもっと反応が伸びるので追撃必須です。
但し、直後1分足終値がついた時点では、前述の跳幅こそ反応を伸ばすものの、直後11分足終値が反転することも多いため、反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超える確率が50%しかありません。
つまり、本指標での取引は、反応方向を確認したら早期参加しても、発表から1分を過ぎたら機会を逃さず利確すべきです。だらだらポジションを持っていると、せっかくの含益が含損に転じることが2回に1回もあります。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が77%となっています。がしかし、他の指標に比べて反応が大きいので、慌てて追従しない方が良いでしょう。データからは、前述の通り、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
そして、どのローソク足も他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上にはなっていません。
本指標では、取引参加者が指標発表前に指標発表後の反応方向を掴んでいる兆候はありません。
最後に、指標一致性分析の結果を下図に示します。
本指標の各差異算出は、先述の通り、コア前月比4:前月比3:コア前年比2:前年比1の比率で各差異に重み付けを行っています。例えば、コア前月比の事前差異0.1%は、コア前年比の事前差異0.2%に相当しています。
まず、事前差異と直前10-1分足の方向一致率は76%に達しています。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足は陽線と見込めます。
次に、事後差異と直前10-1分足・直後1分足・直後11分足の方向一致率が各72%・79%・83%となっています。これは、取引参加者が指標発表前に発表結果の良し悪しを72%正しく捉えており、しかも本指標が発表結果の良し悪しに素直に反応することを示唆している、ということです。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月20日17:30発表
以下は2017年7月20日18:10頃に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は全ての項目で前回結果・市場予想を上回ったものの、反応は直後1分足が素直に陽線で、発表から1分経過すると直後1分足値幅を削っていきました。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
直前10-1分足は陽線、直前1分足は陰線、直後1分足は陽線となったものの、その後、逆方向に転じました。
複雑な動きでしたが、事前分析通りです。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月17日
英国物価指標発表前後のGBPJPY反応予想(2017年7月18日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月18日17:30に英国物価指標「消費者物価指数(CPI)・小売物価指数(RPI)・生産者物価指数(PPI)」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事投稿時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
調査・分析結果は以下の通りです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
他の主要国では、生産者物価・小売物価・消費者物価が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される珍しい指標です。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が14pips、過去平均値幅が8pipsです。
跳幅が20pips以上だったことは過去5回(17%)あります。
この5回の直後1分足跳幅の平均は23pipsで、これは直後1分足の過去全平均29pipsに達していません。がしかし、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は4回が一致(80%)しています。
つまり、直前10-1分足の反応が20pips以上に達した場合、それが直後1分足の反応が大きいことを示唆している訳ではないものの、指標発表直後の反応方向を示唆している可能性があります。この方向一致率は跳幅の方向でなく、値幅の方向であることにご注意ください。
陽線が目立つので、後述する反応一致性分析で陽線率を確認しておきましょう。
次に、直前1分足は、過去平均跳幅が9pips、過去平均値幅が6pipsです。
跳幅が10pips以上だったことは過去7回あります。この7回の直後1分足跳幅の平均は26pipsで、これは直後1分足の過去全平均29pipsに達していません。また、この7回の直前1分足と直後1分足の方向が一致したことは3回(43%)です。
つまり、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
陰線が目立つので、後述する反応一致性分析で陰線率を確認しておきましょう。
そして、直後1分足は、過去平均跳幅が29pips、過去平均値幅が18pipsです。
過去平均の29pipsを超えたことは45%あり、本指標は大きく反応することが多いので注意が必要です。
直後11分足は、過去平均跳幅が37pips、過去平均値幅が21pipsです。
平均値を見る限り、直後11分足の跳幅は19pips以上、値幅平均は3pips以上、直後1分足終値平均を上回ています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、 直後11分足跳幅平均と直後1分足終値平均の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです 。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標結果への反応が最も素直に現れがちな直後1分足跳幅は、過去平均で29pipsに達しています。そして、この平均値を超えたことが45%あります。本指標は大きく反応しがちです。
そして、直後1分足値幅は過去平均で18pipsです。跳幅平均と値幅併記との差が11pipsもあるので、追撃を行うなら高値(安値)掴みに気をつけないといけません。
但し、直近の反応は以前ほど大きくないようです。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は61%です。そして、その61%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各75%・47%です。そして次に、直後1分足終値がついた時点で考えてみます。この時点では、それからも反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超える確率が29%しかありません。
つまり、本指標での取引は、反応方向を確認したら早期参加しても、なるべく早く利確すべきです。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が81%となっています。他の指標に比べて反応が大きいので、慌てて追従しない方が良いでしょう。データからは、前述の通り、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
そして、どのローソク足も他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上にはなっていません。つまり、本指標での取引参加者は、先述の直前10-1分足跳幅が20pips以上になったときを除き、発表結果を予見できている訳ではありません。
最後に、指標一致性分析の結果を下図に示します。
本指標の各差異算出は、CPI前月比・前年比・コアCPI前年比・RPI前月比・前年比・コアRPI前年比・コアPPI前年比の全項目の差異をそのまま合計して算出しています。
その結果まず、事後差異と直後1分足との方向一致率は96%と高率で、本指標が非常に素直に反応することがわかりました。
そして、事前差異と直後1分足との方向一致率が79%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直後1分足は陰線の可能性が高い、ということになります。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月20日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は全般に物価上昇率鈍化(上昇率の鈍化で上昇しています)で、反応は陰線でした。
取引できませんでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
取引はできなかったものの、シナリオを検証しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月18日17:30に英国物価指標「消費者物価指数(CPI)・小売物価指数(RPI)・生産者物価指数(PPI)」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事投稿時点の値です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応は、以前かなり大きかったものの、直近の3か月はむしろやや小さいぐらいです。
- 反応方向は極めて素直です。
- 追撃は早期参入・早期利確に適しており、指標発表から1分を過ぎてからは反転することの方が多くなっています。
調査・分析結果は以下の通りです。
- 過去のローソク足を見る限り、何点か予め知っておいた方が良いポイントがありました。
(1) まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が14pips、過去平均値幅が8pipsです。他の指標に比べて大きいので注意が必要です。そして、この直前10-1分足が大きく反応(20pips以上)ことが17%あり、このときの直後10-1分足方向は直後1分足方向との一致率が80%です。なお、この方向一致率は跳幅の方向でなく、値幅の方向であることにご注意ください。
(2) 直前1分足は、過去平均跳幅が9pips、過去平均値幅が6pipsです。これも他の指標に比べて大きいので注意が必要です。がしかし、直前1分足の動きは大きくても、直後1分足の方向や程度とは関係ありません。
(3) 平均値を見る限り、直後1分足終値に対し、直後11分足の跳幅は19pips以上、値幅平均は3pips以上、上回ています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。ともあれ、直後11分足跳幅平均と直後1分足終値平均の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです。 - 直前1分足は陰線率が81%となっています。他の指標に比べて反応が大きいので、慌てて追従しない方が良いでしょう。データからは、前述の通り、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
- 直後1分足は、事前差異との方向一致率が79%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直後1分足は陰線の可能性が高い、ということになります。指標発表前にポジションを取得し、指標発表直後に跳ねたら利確であれ損切であれ、ポジションは解消します。
- 追撃は、指標発表後の初期反応方向を確認次第行い、直後1分足終値がつくまでに決済します。
高値(安値)掴みに気を付ければ、直後1分足終値がつくまでなら順張り追撃を再度行っても構いません。その場合、直後11分足跳幅狙いですが、指標発表から1分を過ぎて時間が経つほど、反転リスクが高まります。この追撃は遅くとも指標発表から5分以内とします。
そして、直後1分足終値がついたら、今度は高値(安値)掴みに注意して直後1分足と逆方向への追撃を狙います。但し、これは逆張りとなるので、あまりお勧めできません。 - 過去データに基づく見解ではありませんが、指標結果が大きく前回結果を上回る場合、過去のデータは役立たないと考えられます。BOE利上げが意識されるため、大きく陽線での反応が比較的長く続く可能性があります。
また、市場予想並みか、僅かしか前回結果を下回らない場合も、利上げが意識されるでしょう。この場合にも、一旦は陰線で反応しても途中で陽線に転じる可能性が高い、と思われます。
こうした状況では、大きく前回結果を下回る場合も、大きく陰線が伸びる可能性があります。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます
- (1) 直前1分足は陰線と見込みます。
- (2) 直後1分足も陰線と見込みます。
但し、直前10-1分足跳幅が20pips以上となっていたら、同じ方向にポジションを取ります。 - (3) 追撃は、指標発表後1分以内なら順張りで、それ以降は逆張りのタイミングを狙います。いずれにせよ、短期決済が基本です。
但し、発表結果が市場予想や前回結果との乖離が大きかった場合には、追撃は何も考えずに順張り追撃徹底でいいでしょう。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
他の主要国では、生産者物価・小売物価・消費者物価が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
CPIは、消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。
RPIに含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されています。
PPIはあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
過去の傾向から言えば、CPI>RPI>PPIの順に反応に寄与し、前年比>前月比の順です。重視するCPI前年比は総合>コアと、コアが軽視(という訳じゃないでしょうけど)される珍しい指標です。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。下図は発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が14pips、過去平均値幅が8pipsです。
跳幅が20pips以上だったことは過去5回(17%)あります。
この5回の直後1分足跳幅の平均は23pipsで、これは直後1分足の過去全平均29pipsに達していません。がしかし、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は4回が一致(80%)しています。
つまり、直前10-1分足の反応が20pips以上に達した場合、それが直後1分足の反応が大きいことを示唆している訳ではないものの、指標発表直後の反応方向を示唆している可能性があります。この方向一致率は跳幅の方向でなく、値幅の方向であることにご注意ください。
陽線が目立つので、後述する反応一致性分析で陽線率を確認しておきましょう。
次に、直前1分足は、過去平均跳幅が9pips、過去平均値幅が6pipsです。
跳幅が10pips以上だったことは過去7回あります。この7回の直後1分足跳幅の平均は26pipsで、これは直後1分足の過去全平均29pipsに達していません。また、この7回の直前1分足と直後1分足の方向が一致したことは3回(43%)です。
つまり、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
陰線が目立つので、後述する反応一致性分析で陰線率を確認しておきましょう。
そして、直後1分足は、過去平均跳幅が29pips、過去平均値幅が18pipsです。
過去平均の29pipsを超えたことは45%あり、本指標は大きく反応することが多いので注意が必要です。
直後11分足は、過去平均跳幅が37pips、過去平均値幅が21pipsです。
平均値を見る限り、直後11分足の跳幅は19pips以上、値幅平均は3pips以上、直後1分足終値平均を上回ています。単なる差でなく「以上」と記したのは、これら平均値が直後1分足と直後11分足が反転したことも含めた平均となっているためです。
ともあれ、 直後11分足跳幅平均と直後1分足終値平均の差が10pipsある以上、追撃時の利確は直後1分足終値がついてからの方が良さそうです 。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
指標結果への反応が最も素直に現れがちな直後1分足跳幅は、過去平均で29pipsに達しています。そして、この平均値を超えたことが45%あります。本指標は大きく反応しがちです。
そして、直後1分足値幅は過去平均で18pipsです。跳幅平均と値幅併記との差が11pipsもあるので、追撃を行うなら高値(安値)掴みに気をつけないといけません。
但し、直近の反応は以前ほど大きくないようです。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は61%です。そして、その61%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足と直後11分足とを比較すると、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各75%・47%です。そして次に、直後1分足終値がついた時点で考えてみます。この時点では、それからも反応が伸び続けて直後11分足終値が直後1分足終値を超える確率が29%しかありません。
つまり、本指標での取引は、反応方向を確認したら早期参加しても、なるべく早く利確すべきです。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足は陰線率が81%となっています。他の指標に比べて反応が大きいので、慌てて追従しない方が良いでしょう。データからは、前述の通り、直前1分足が大きく動いたからと言って、指標発表直後の反応の大小や方向を示唆している訳ではありません。
そして、どのローソク足も他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上にはなっていません。つまり、本指標での取引参加者は、先述の直前10-1分足跳幅が20pips以上になったときを除き、発表結果を予見できている訳ではありません。
最後に、指標一致性分析の結果を下図に示します。
本指標の各差異算出は、CPI前月比・前年比・コアCPI前年比・RPI前月比・前年比・コアRPI前年比・コアPPI前年比の全項目の差異をそのまま合計して算出しています。
その結果まず、事後差異と直後1分足との方向一致率は96%と高率で、本指標が非常に素直に反応することがわかりました。
そして、事前差異と直後1分足との方向一致率が79%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直後1分足は陰線の可能性が高い、ということになります。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月18日17:30発表
以下は2017年7月20日に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は全般に物価上昇率鈍化(上昇率の鈍化で上昇しています)で、反応は陰線でした。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 反応は、以前かなり大きかったものの、直近の3か月はむしろやや小さいぐらいです。今回は久しぶりに大きく反応しました。
- 反応方向は極めて素直という分析通り、素直に反応しました。
- 事前分析では、早期参入・早期利確の追撃に適し、指標発表から1分を過ぎてからは反転することの方が多くなっている、と記していました。
結果はほぼその通りでしたが、反転はしませんでした。 - 直前1分足は陰線でした。過去の傾向通りでした。
- 直後1分足は、事前差異との方向一致率が79%となっていました。今回の事前差異はマイナスで、直後1分足は陰線となりました。分析通りです。
- 追撃は、指標発表後の初期反応方向を確認次第行い、直後1分足終値がつくまでに決済を薦めていました。問題ありません。
また、指標から1分を過ぎたら、直後1分足と逆方向への追撃を狙うことを記していました。逆張りのチャンスはほぼ無く、もし間違えても数pipsの損切で済んだと思われます。
(6-2. シナリオ検証)
取引はできなかったものの、シナリオを検証しておきます。
- (1) 直前1分足は陰線と見込んでいたので、うまくやれば10pips程度が利確できたでしょう。
- (2) 直後1分足も陰線と見込んでいたので、うまくやれば30-40pips、もっとうまくやれば50pips弱が利確できたでしょう。
- (3) 追撃は、指標発表後1分以内なら順張りで、それ以降は逆張りのタイミングを狙っていました。いずれも数pipsの利確と損切となり、とんどんだったのではないでしょうか。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月10日
英国雇用統計発表前後のGBPJPY反応分析(2017年7月12日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月12日17:30に英国雇用統計が発表されます。英国雇用統計は「失業保険申請件数」「平均所得(給与)」「失業率」からなります。今回発表は、「失業保険申請件数」が2017年6月分、「平均所得」「失業率が2017年5月分の集計です。
ここで、上表記載の「平均所得(除ボーナス)」「失業率(英国方式)」は、以下の分析に用いていません。
さて、本指標の過去傾向は、
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表しており、失業率が高いそれらの国で中銀金融政策に大きな影響を与える、と考えられているからです。
英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。そもそも終身雇用という制度がないという雇用環境も、我々とは異なります。景気見通しや株価見通しに、雇用者数が敏感に反応しがちです。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです。
同時発表される平均所得は、我々の日頃の言葉で言えば平均給与といった方がイメージに合うと思います。少なくとも数年前までは参考程度の指標でしたが、少なくとも直近2年程度はこの多寡に反応しています。
ざっくりとキリの良い数字で具体的にイメージするなら、年収1200万(600万)のとき1%(2%)上昇すると、来年の月給が今年よりも毎月1万円増えるということです。この水準は日本のバブル末期(1990年頃)の状態とほぼ同じです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
これら「失業保険申請件数」「平均所得(含ボーナス」「失業率(ILO方式)」について、どの項目がどれぐらい反応方向に寄与しているかを調べておきました。下表をご覧ください。
最も関心のある事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足との方向一致率は、平均所得>失業率>失業保険申請件数、の順に高いことがわかりました。
この結果に基づき、上記3項目の重み付けを求めると、
ということがわかりました。すなわち、平均所得や失業率の0.1%の差異は、失業保険申請件数の3万人に相当しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直後1分足と直後11分足の反応は、2015年頃に比べて2016年以降が明らかに小さくなっています。利確・損切の目安は、データ数を絞って直近だけを見た方が良さそうです。
対して、直前10-1分足・直前1分足の反応は、以前と最近とほぼ同じ程度です。それぞれ10pips程度動くので注意が必要です。
特に直前1分足跳幅平均が12pipsあることは頭に入れておきましょう。直前1分足の動きはその後のローソク足の反応方向と無関係な指標が多いなか、本指標では直前1分足と直後1分足との方向一致率が68%もあります。本指標では直前1分足が3回に2回の割合で、指標発表直後の反応方向を示唆しているのです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月12日22:40頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、平均時給(含ボーナス)が市場予想同値で、失業保険申請件数・失業率が市場予想を下回りました。
反応は陽線で、指標結果に対し素直なものとなりました。直後11分足は、直後1分足よりも跳幅・値幅ともに反応を伸ばしました。
今回集計分データは、失業保険申請件数・失業率が改善しており、陽線の反応は自然です。がしかし、異なる見方を ブルームバーグ が伝えています。
この記事に依れば「3か月平均でデータを見る限り実質賃金は低下しており、有効求人倍率も1/1.9倍と統計開始以来最低、とのことです。
単月のデータを見て、英国雇用指標が改善したと思うのは浅慮という警鐘記事となっています。
取引結果は次の通りでした。
17:21と17:25に「どん」と陽線側に反応を伸ばし、17:30発表結果と同じ方向へと発表前に大きく動きました。17:21の「どん」で、10秒程度戻りを待ったものの、下がる気配が見えなかったので損切しました。17:25の「どん」で損失を増やさず、正解だと言えるでしょう。
どれほど考えても、外れるときは外します。
直前1分足は「直前10-1が陽線ならば取引中止」のシナリオに従いました。
指標発表直前のポジションは、直前10-1分足の動きが気になり迷っているうちに、ポジションを取り損ねました。
シナリオ通りならば、直前1分足と同じ方向にポジションを取っていたので、これは正解です。
追撃は、シナリオに従って早期、但し、利確は少し遅らせました。
幸い利確となりましたが、このポジションも取得直後は含損を持ったので、一時は損切を迷いました。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月12日17:30に英国雇用統計が発表されます。英国雇用統計は「失業保険申請件数」「平均所得(給与)」「失業率」からなります。今回発表は、「失業保険申請件数」が2017年6月分、「平均所得」「失業率が2017年5月分の集計です。
ここで、上表記載の「平均所得(除ボーナス)」「失業率(英国方式)」は、以下の分析に用いていません。
さて、本指標の過去傾向は、
- 反応が大きい経済指標のひとつですが、最近の傾向は反応があまり大きくありません。
- 反応方向は、平均所得>失業率>失業保険申請件数、の順に影響を受けます。
- 追撃は早期参加・短期利確に適しています。
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
- 2015年頃に比べて、最近の反応は小さくなっています。
直近12回の平均値では、直後1分足跳幅・値幅が各17pips・11pips、直後11分足跳幅・値幅が各25pips・13pipsです。これではそれほど反応が大きな指標とは言えません。油断禁物とは言え、かつてのように50pipsの指標というイメージは持たない方が良いでしょう。 - 対して、直前10-1分足・直前1分足の反応は、以前と最近とほぼ同じ程度です。それぞれ10pips程度動くので注意が必要です。
特に直前1分足跳幅平均が12pipsあることは頭に入れておきましょう。直前1分足の動きはその後のローソク足の反応方向と無関係な指標が多いなか、本指標では直前1分足と直後1分足との方向一致率が68%もあります。
本指標では直前1分足が3回に2回の割合で、指標発表直後の反応方向を示唆しているのです。 - 最も関心のある事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足との方向一致率は、過去の傾向から言えば、平均所得(含ボーナス)>失業率(ILO方式)>失業保険申請件数、の順となります。
これら3項目の関係は、平均所得発表結果が市場予想を0.1%上回ることは、失業率(ILO方式)が同0.1%下回ることに相当します。これらの場合に、失業保険申請件数発表件数は、市場予想より3万人下回ることに相当しています。 - 本指標は、各期間毎のローソク足の方向が、次の期間のローソク足の方向を示唆しがちです。
例えば、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率が32%(不一致率68%)となっており、両ローソク足は方向が反転しがちです。また、直前1分足と直後1分足の方向一致率は68%で、この点は前述の通りです。そして、
直後1分足と直後11分足の方向一致率は79%となっています。 - 本指標は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が86%、直後11分足との方向一致率が79%です。発表結果の良し悪しには素直に反応します。
- 追撃は早期参加・短期利確に適しています。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は79%あり、方向一致時に跳値同士・終値同士で反応を伸ばしたことが各64%・64%となっています。そして、直後1分足終値がついた時点では、そのまま反応を伸ばして直後11分足終値を付けたことが50%しかありません。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前10-1分足は陰線と見込みます。
直前10-1分足の事前差異との方向一致率が64%で、今回の事前差異は現時点においてマイナスとなっています。
但し、取引基準には達していないので、無理にポジションを取る必要はありません。
(2) 直前1分足は陽線と見込みます。
直前1分足の事前差異との方向一致率は36%(不一致率64%)で、直前10-1分足との方向一致率が32%(不一致率68%)です。
よって、もし直前10-1分足が陽線なら、分析結果に矛盾を生じることになるので、取引は諦めます。
(3) 直後1分足は、直前1分足と同方向と見込み、指標発表直前にポジションを取得します。
両者の方向一致率は68%と3回に2回が一致しています。
(4) 追撃は反応方向判明次第行い、利確は早めに行います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表しており、失業率が高いそれらの国で中銀金融政策に大きな影響を与える、と考えられているからです。
英国では日本よりもかなり早くから派遣雇用者が多いという特徴がありました。そもそも終身雇用という制度がないという雇用環境も、我々とは異なります。景気見通しや株価見通しに、雇用者数が敏感に反応しがちです。そうした社会的背景を知らないと、英国雇用統計はよくわからないものです。
同時発表される平均所得は、我々の日頃の言葉で言えば平均給与といった方がイメージに合うと思います。少なくとも数年前までは参考程度の指標でしたが、少なくとも直近2年程度はこの多寡に反応しています。
ざっくりとキリの良い数字で具体的にイメージするなら、年収1200万(600万)のとき1%(2%)上昇すると、来年の月給が今年よりも毎月1万円増えるということです。この水準は日本のバブル末期(1990年頃)の状態とほぼ同じです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後に修正値が発表されても、このグラフでは修正していません。
これら「失業保険申請件数」「平均所得(含ボーナス」「失業率(ILO方式)」について、どの項目がどれぐらい反応方向に寄与しているかを調べておきました。下表をご覧ください。
最も関心のある事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足との方向一致率は、平均所得>失業率>失業保険申請件数、の順に高いことがわかりました。
この結果に基づき、上記3項目の重み付けを求めると、
−1?失業保険申請件数の差異[万人]
+30?平均所得(含ボーナス)の差異[%]
ー30?失業率(ILO方式)の差異[%]
+30?平均所得(含ボーナス)の差異[%]
ー30?失業率(ILO方式)の差異[%]
ということがわかりました。すなわち、平均所得や失業率の0.1%の差異は、失業保険申請件数の3万人に相当しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直後1分足と直後11分足の反応は、2015年頃に比べて2016年以降が明らかに小さくなっています。利確・損切の目安は、データ数を絞って直近だけを見た方が良さそうです。
対して、直前10-1分足・直前1分足の反応は、以前と最近とほぼ同じ程度です。それぞれ10pips程度動くので注意が必要です。
特に直前1分足跳幅平均が12pipsあることは頭に入れておきましょう。直前1分足の動きはその後のローソク足の反応方向と無関係な指標が多いなか、本指標では直前1分足と直後1分足との方向一致率が68%もあります。本指標では直前1分足が3回に2回の割合で、指標発表直後の反応方向を示唆しているのです。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月12日17:30発表
以下は2017年7月12日22:40頃に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、平均時給(含ボーナス)が市場予想同値で、失業保険申請件数・失業率が市場予想を下回りました。
反応は陽線で、指標結果に対し素直なものとなりました。直後11分足は、直後1分足よりも跳幅・値幅ともに反応を伸ばしました。
今回集計分データは、失業保険申請件数・失業率が改善しており、陽線の反応は自然です。がしかし、異なる見方を ブルームバーグ が伝えています。
この記事に依れば「3か月平均でデータを見る限り実質賃金は低下しており、有効求人倍率も1/1.9倍と統計開始以来最低、とのことです。
単月のデータを見て、英国雇用指標が改善したと思うのは浅慮という警鐘記事となっています。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
17:21と17:25に「どん」と陽線側に反応を伸ばし、17:30発表結果と同じ方向へと発表前に大きく動きました。17:21の「どん」で、10秒程度戻りを待ったものの、下がる気配が見えなかったので損切しました。17:25の「どん」で損失を増やさず、正解だと言えるでしょう。
どれほど考えても、外れるときは外します。
直前1分足は「直前10-1が陽線ならば取引中止」のシナリオに従いました。
指標発表直前のポジションは、直前10-1分足の動きが気になり迷っているうちに、ポジションを取り損ねました。
シナリオ通りならば、直前1分足と同じ方向にポジションを取っていたので、これは正解です。
追撃は、シナリオに従って早期、但し、利確は少し遅らせました。
幸い利確となりましたが、このポジションも取得直後は含損を持ったので、一時は損切を迷いました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 最近では比較的大きな反応となりました。がしかし、以前に比べれば大したことありません。
- 直前10-1分足は跳幅26pipsにもなり、指標発表後の反応方向と同じでした。一方、事前分析では、直前1分足の反応が大きく、指標発表後の反応方向を示唆する記していました。
直前10-1分足・直前1分足ともに、事前分析を外しました。
ローソク足の方向において過去分析通りだったのは、直後1分足と直後11分足の方向一致のみでした。 - 平均時給(含ボーナス)は市場予想通りだったので、失業保険申請件数と失業率が市場予想よりも改善されたことに素直に反応しました。
- 今回は、被害こそ結果的に小さかったものの、完全に読みを外しました。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月04日
英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年7月5日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月5日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後日修正があっても修正せずに、発表時のままにしています。
グラフから、前回結果と市場予想の大小関係の入れ替わりが多く、本指標は現在「市場予想後追い型」ではありません。
次に、製造業PMIとサービス業PMIと間に、先行性・遅行性の有無を見ておきましょう。
先行性・遅行性の有無は、実態差異(発表結果ー前回結果)で判断すべきです。
上図から、両指標の実態差異の方向一致率は58%で、高くありません。両指標の増減方向に関係がないとは断言しませんが、一致率が58%なら他の情報をアテにした方がよさそうです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前1分足は陰線が目立ちます。
直後11分足が50pips以上も反応したことが3回あります。がしかし、その3回の直前10-1分足・直前1分足とを見比べても、予兆らしい動きはありません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月5日21:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想を下回り、初期反応が陰線で、その後反転しました。
当月(6月分)PMIは、製造業・建設業・サービス業のいずれも前回より数値が低下しました。
他の指標では、貿易収支は2017年3月分が直近の底、鉱工業生産指数前月比は2017年2月分で直近の底、小売売上高指数前月比は凸凹で前月5月分がマイナス、物価はCPI前月比が2017年1月分で直近の底、なので、実態によって景況感がゆっくり下がっている訳でもなさそうです。
今回発表結果の53.4という数字は、昨年6月集計のEU離脱国民投票前の53.5を下回っています。国民投票直後の集計分(2017年7月分)こそ47.4まで低下したものの、その後はGBP安によって企業業績が上向き、2016年12月分は56.2、2017年4月分は55.8まで上昇していました。
反応は、発表後3分程度は上下方向に迷いがあって小さなものでした。意外と指標の落ち込みが小さい、ということでしょうか。
取引結果は次の通りでした。
方向感に欠けて、タイミングが掴めませんでした。挽回もあと少し及ばずです。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月5日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
- 反応はたまに大きく、直後1分足跳幅が25pipsを超えたことが31%となっています。
反応方向は指標発表結果の良し悪しに素直で、事後差異(発表結果ー市場予想)との方向一致率は78%です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は85%、直後1分足値幅を直後1分足跳幅が超えたことは83%です。追撃に適した指標だと言えます。 - 製造業PMIとサービス業PMIの実態差異(発表結果ー前回結果)の方向一致率は高くありません(58%)。がしかし、両指標の事前差異(市場予想ー前回結果)の方向一致率は68%と、3回に2回が一致しています。
なお、1〜3か月前の製造業PMI結果との対比では、むしろ、両指標の実態差異の一致率が低下するので、両指標間に先行・遅行の関係はありません。 - 直前1分足は陰線率が77%となっています。過去平均跳幅は8pipsで、上ヒゲを持つこともあります。直前1分足が10pipsも動くと、他の指標と比べて大きいので慌てがちです。
がしかし、直前1分足の方向や値幅は、指標発表後の方向や値幅と関係ありません。 - 直前10-1分足は、事後差異との方向一致率が68%となっています。本指標の取引参加者は3回に2回の確率で指標発表結果を当てています。
そして本指標は、事後差異と直後1分足の方向一致率が78%なので、発表結果の良し悪しに素直に反応する傾向があります。 - 直後1分足と直後11分足の方向一致率は85%あり、両者跳幅同士・終値同士で反応が伸びたことは各83%・65%です。これは指標発表後の反応方向を確認してからでも、追撃に適している数字だと言えます。
早めに取得した追撃ポジションが高値(安値)掴みをしていないかの目安として、直後1分足終値がついた時点から、直後11分足終値の反応が伸びたことは56%で、反転したことは45%です(四捨五入の関係で合計101%になってしまっています)。 - 以上の調査・分析結果に基づき、次のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 直後1分足は、直前10-1分足と同じ方向に指標発表直前にポジションを取得し、発表後は早々に解消します。
(3) 追撃は早めにポジションを取得し、直後1分足終値で高値(安値)掴みをしていないか確認します。チャンスがあれば、その後の複数回の追撃もOKです。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、製造業景況感のサービス業景況感に対する「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつある時代を迎えつつあります。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
英国経済指標へのGBPJPYの反応は、他国の経済指標への反応よりワンランク上なのです。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上図は、発表結果と市場予想をプロットしています。そして、発表結果は後日修正があっても修正せずに、発表時のままにしています。
グラフから、前回結果と市場予想の大小関係の入れ替わりが多く、本指標は現在「市場予想後追い型」ではありません。
次に、製造業PMIとサービス業PMIと間に、先行性・遅行性の有無を見ておきましょう。
先行性・遅行性の有無は、実態差異(発表結果ー前回結果)で判断すべきです。
上図から、両指標の実態差異の方向一致率は58%で、高くありません。両指標の増減方向に関係がないとは断言しませんが、一致率が58%なら他の情報をアテにした方がよさそうです。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前1分足は陰線が目立ちます。
直後11分足が50pips以上も反応したことが3回あります。がしかし、その3回の直前10-1分足・直前1分足とを見比べても、予兆らしい動きはありません。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月5日17:30発表
以下は2017年7月5日21:00頃に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想を下回り、初期反応が陰線で、その後反転しました。
当月(6月分)PMIは、製造業・建設業・サービス業のいずれも前回より数値が低下しました。
他の指標では、貿易収支は2017年3月分が直近の底、鉱工業生産指数前月比は2017年2月分で直近の底、小売売上高指数前月比は凸凹で前月5月分がマイナス、物価はCPI前月比が2017年1月分で直近の底、なので、実態によって景況感がゆっくり下がっている訳でもなさそうです。
今回発表結果の53.4という数字は、昨年6月集計のEU離脱国民投票前の53.5を下回っています。国民投票直後の集計分(2017年7月分)こそ47.4まで低下したものの、その後はGBP安によって企業業績が上向き、2016年12月分は56.2、2017年4月分は55.8まで上昇していました。
反応は、発表後3分程度は上下方向に迷いがあって小さなものでした。意外と指標の落ち込みが小さい、ということでしょうか。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
方向感に欠けて、タイミングが掴めませんでした。挽回もあと少し及ばずです。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 初期反応は2-3pipsで、かなり小さなものでした。
反応方向は陰線で、これは事後差異と方向が一致しています。
直後1分足と直後11分足とが反転しており、追撃に適していたとは言えません。 - 製造業PMIと事前差異・事後差異ともに一致しました。
- 直前1分足は陰線と予想していたものの、陽線となりました。
- 直前10-1分足は、事後差異との方向一致率が68%となっていて、3回に2回の確率で指標発表結果を当てていました。発表結果が市場予想を下回るということと矛盾ない動きをしていました。
そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は78%でした。事後差異がマイナスに対し陰線での反応ですから、素直に反応しています。 - 直後1分足と直後11分足の方向一致率は85%あり、両者跳幅同士・終値同士で反応が伸びたことは各83%・65%でした。がしかし、直後1分足と直後11分足は反転しており、この点は分析を外しました。
確率上の問題であり、特に分析法の見直しは必要ないと考えています。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年07月03日
4-4. 英国経済指標DB(2017年6月最終版)
英国の経済指標発表前後の取引はGBPJPYで行っています。
さて、2017年度のトレンド判断は、
がポイントと捉えています。
総選挙の結果は与党が議席を減らしました。英首相は、棚ボタ式に首相になったイメージ払拭を謀り、EU離脱交渉の国内指導力強化を狙っていたものの、その目論見は外れました。前首相のEU離脱国民投票といい、どうもやらなくてもいい選挙を行って、ダメージを負うことが英国では続いています。
ただ、英国にとって良いこともあったと思われます。スコットランドの英国離脱住民投票は、対EU交渉後ということが独立派から表明されたようです。交渉結果を見て有意な方に就く、ということでしょうか。
けれども、欧州には歴史があります。そして苦しくなった旧恩先への裏切が嫌われるのは、洋の東西の問わず同じです。スコットランド独立派が勢いを盛り返すことは、住民の教養面からもEU側の道徳観からも、きっともうないでしょう。独立投票を今回の総選挙と同時期に行えなかったことは、独立派の政治的敗北と捉えています。
GBPJPY月足は、始値142.78円・高値146.54円・安値138.67円・終値146.50円で、値幅372pips・跳幅376pipsの陽線でした。値幅・跳幅がほぼ同じことからわかるように、上昇は月末頃に集中しました。
月足チャートを見る限り、2016年12月・2017年5月の高値である148円前半がレジスタンスとなり、5月安値の141.5円付近がサポートになります。148円後半〜149円台には、20〜24か月移動平均線があるため、もし上昇が続いてもここを上抜けるのは難しそうです。また、GBPJPY・GBPUSD・GBPEURの月足チャートを見比べると、最も馴染の薄いGBPEURの現在値が下降転換した基準線を上抜けたところで、基準線低下に反転・落下しかねない形をしています。
金利は、6月下旬のBOE総裁発言によって関心が高まっているにも関わらず、次回MPCは8月上旬で7月に行われません。このことも7月はGBPを上下に動きにくくしてしまうと考えられます。
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
3月MPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。6月MPCでは利上げ主張委員が3名に増えました。昨年6月の国民投票以降のGBP安による物価が急上昇が利上げ派の主要論拠で、賃金上昇への悪影響(景気への悪影響)の懸念が様子見派の主要論拠です。
2017年6月15日、BOEは金融政策の現状維持を決めました。政策金利は0.25%のまま、量的緩和策による英国債保有残高も4350億GBPのまま、です。政策変更にあたっては、EUの新たな貿易協定締結やその移行期間設置の合意など、EU離脱交渉次第という条件が挙げられました。
6月下旬には、BOE総裁が利上げ検討の必要性について言及しました。但し、利上げに当たっては、物価上昇に伴う消費減速を企業投資が補えるかを前提に挙げていました。
(事例) BOE政策金利 (2017年6月15日発表結果検証済)
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
7月3日に発表された製造業PMI、7月5日に発表されたサービス業PMIは、ともに2か月連続で前回結果を下回りました。いずれもまだ、50を超えているものの、年末・年始がピークで今後は下がり始めるのではないかと、先行きに不安を感じさせる内容でした。
(事例1) 製造業PMI (2017年7月3日発表結果検証済)
(事例2) サービス業PMI (2017年7月5日17:30発表予定、事前分析済)
主要国でCPI(消費者物価指数)・RPI(小売物価指数)・PPI(生産者物価指数)が一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
BOEの目標インフレ率は年2%程度です。既にコアCPIが+2%を上回っています。6月下旬までは、発表結果が市場予想を上回っても、素直に陽線で反応するとは限らない水準に達していました。がしかし、物価上昇を抑え込むために、6月下旬にBOE総裁は利上げ検討開始についてコメントしたのです。
BOE利上げ期待が生じたなかで、英1-3月GDPは+2.0%>米1-3月GDPは+1.4%です。GDPが逆転しない限り、物価上昇はGBP上昇に反応する、と解釈しています。
(事例) 物価指標 (2017年6月13日発表結果検証済)
多くのFX会社の経済指標カレンダーに示されている失業保険受給者数では反応しません。少なくとも直近の2-3年のデータを整理すると、平均所得(含ボーナス)の市場予想との多寡によって反応方向が決まりがちです。
(事例) 雇用統計 (2017年6月14日発表結果検証済)
少し前までのIMF予想では、英国の2017年経済成長は1.5%となっていました。最新の見通しでは、2017年が2.05%、2018年が1.46%です。対する米国は2017年・2018年が各2.31%・2.52%で、EUはともに1.6%台となっています。英国成長率がいずれ急落することが予想されており、この予想が直近のGBP上昇の頭を押さえることに繋がります。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれていたものの、その兆しはまだ現れていません。
6月30日、GDP確定値は前期比+0.6%・前年比+2.0%で、改定値と同値でした。+2%の経済成長は米国同期の+1.4%より優位です。政策絡みでもFRBの次政策が「資産規模縮小で利上げでない」一方、BOEは「利上げの検討を向こう数か月以内に始める(6月28日BOE総裁発言)」ですから、GBPUSDはもう少しの上昇余地があると思われます。
(事例1) 四半期GDP速報値 (2017年4月28日発表結果検証済)
(事例2) 四半期GDP改定値 (2017年5月25日発表結果検証済)
(事例3) 四半期GDP確定値 (2017年6月30日発表結果検証済)
他の国の実態指標ではあり得ないほど大きく反応します。先々の成長鈍化が予想される以上、平均的には指標への反応が、上に小さく下に大きくなると思われます。
7月7日発表の鉱工業生産指数は、5月の自動車生産の落ち込みが昨年2月以来の大幅な減少となったことを受けて低下しました。
(事例1) 小売売上高指数 (2017年4月21日発表結果検証済)
(事例2) 鉱工業生産指数 (2017年6月9日17:30発表結果検証済)
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さて、2017年度のトレンド判断は、
- 6月総選挙でメイ首相の立場がどれぐらい強まるか
- BOEが物価高にいつどの程度の対策を講じるか
- ブリグジット交渉進展内容(1月英最高裁判断・3月英国離脱通告・4月EU側交渉方針開示・第1回交渉・対立内容・9月独総選挙後の進展)
がポイントと捉えています。
【4-4-1. 6月概観】
総選挙の結果は与党が議席を減らしました。英首相は、棚ボタ式に首相になったイメージ払拭を謀り、EU離脱交渉の国内指導力強化を狙っていたものの、その目論見は外れました。前首相のEU離脱国民投票といい、どうもやらなくてもいい選挙を行って、ダメージを負うことが英国では続いています。
ただ、英国にとって良いこともあったと思われます。スコットランドの英国離脱住民投票は、対EU交渉後ということが独立派から表明されたようです。交渉結果を見て有意な方に就く、ということでしょうか。
けれども、欧州には歴史があります。そして苦しくなった旧恩先への裏切が嫌われるのは、洋の東西の問わず同じです。スコットランド独立派が勢いを盛り返すことは、住民の教養面からもEU側の道徳観からも、きっともうないでしょう。独立投票を今回の総選挙と同時期に行えなかったことは、独立派の政治的敗北と捉えています。
GBPJPY月足は、始値142.78円・高値146.54円・安値138.67円・終値146.50円で、値幅372pips・跳幅376pipsの陽線でした。値幅・跳幅がほぼ同じことからわかるように、上昇は月末頃に集中しました。
月足チャートを見る限り、2016年12月・2017年5月の高値である148円前半がレジスタンスとなり、5月安値の141.5円付近がサポートになります。148円後半〜149円台には、20〜24か月移動平均線があるため、もし上昇が続いてもここを上抜けるのは難しそうです。また、GBPJPY・GBPUSD・GBPEURの月足チャートを見比べると、最も馴染の薄いGBPEURの現在値が下降転換した基準線を上抜けたところで、基準線低下に反転・落下しかねない形をしています。
金利は、6月下旬のBOE総裁発言によって関心が高まっているにも関わらず、次回MPCは8月上旬で7月に行われません。このことも7月はGBPを上下に動きにくくしてしまうと考えられます。
【4-4-2. 政策決定指標】
BOEは、そうそう簡単に政策変更しないという話があります。もちろん、これは過去の実績で、BOE総裁もMPC委員も実際には入れ替わっているのだから、こんな話を当てにはできません。
(1) 金融政策
3月MPCでは、昨年7月以来の利上げ主張する委員が現れました。6月MPCでは利上げ主張委員が3名に増えました。昨年6月の国民投票以降のGBP安による物価が急上昇が利上げ派の主要論拠で、賃金上昇への悪影響(景気への悪影響)の懸念が様子見派の主要論拠です。
2017年6月15日、BOEは金融政策の現状維持を決めました。政策金利は0.25%のまま、量的緩和策による英国債保有残高も4350億GBPのまま、です。政策変更にあたっては、EUの新たな貿易協定締結やその移行期間設置の合意など、EU離脱交渉次第という条件が挙げられました。
6月下旬には、BOE総裁が利上げ検討の必要性について言及しました。但し、利上げに当たっては、物価上昇に伴う消費減速を企業投資が補えるかを前提に挙げていました。
(事例) BOE政策金利 (2017年6月15日発表結果検証済)
(2) 景気指標
製造業の景況感が悪化し始めると、サービス業もそれを追いかける、という言い伝えがあります。近年、この法則に当てはまらない事例が多々見受けられます。
7月3日に発表された製造業PMI、7月5日に発表されたサービス業PMIは、ともに2か月連続で前回結果を下回りました。いずれもまだ、50を超えているものの、年末・年始がピークで今後は下がり始めるのではないかと、先行きに不安を感じさせる内容でした。
(事例1) 製造業PMI (2017年7月3日発表結果検証済)
(事例2) サービス業PMI (2017年7月5日17:30発表予定、事前分析済)
(3) 物価指標
主要国でCPI(消費者物価指数)・RPI(小売物価指数)・PPI(生産者物価指数)が一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
BOEの目標インフレ率は年2%程度です。既にコアCPIが+2%を上回っています。6月下旬までは、発表結果が市場予想を上回っても、素直に陽線で反応するとは限らない水準に達していました。がしかし、物価上昇を抑え込むために、6月下旬にBOE総裁は利上げ検討開始についてコメントしたのです。
BOE利上げ期待が生じたなかで、英1-3月GDPは+2.0%>米1-3月GDPは+1.4%です。GDPが逆転しない限り、物価上昇はGBP上昇に反応する、と解釈しています。
(事例) 物価指標 (2017年6月13日発表結果検証済)
(4) 雇用指標
多くのFX会社の経済指標カレンダーに示されている失業保険受給者数では反応しません。少なくとも直近の2-3年のデータを整理すると、平均所得(含ボーナス)の市場予想との多寡によって反応方向が決まりがちです。
(事例) 雇用統計 (2017年6月14日発表結果検証済)
【4-4-3. 経済情勢指標】
少し前までのIMF予想では、英国の2017年経済成長は1.5%となっていました。最新の見通しでは、2017年が2.05%、2018年が1.46%です。対する米国は2017年・2018年が各2.31%・2.52%で、EUはともに1.6%台となっています。英国成長率がいずれ急落することが予想されており、この予想が直近のGBP上昇の頭を押さえることに繋がります。
(1) 経済成長
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれていたものの、その兆しはまだ現れていません。
6月30日、GDP確定値は前期比+0.6%・前年比+2.0%で、改定値と同値でした。+2%の経済成長は米国同期の+1.4%より優位です。政策絡みでもFRBの次政策が「資産規模縮小で利上げでない」一方、BOEは「利上げの検討を向こう数か月以内に始める(6月28日BOE総裁発言)」ですから、GBPUSDはもう少しの上昇余地があると思われます。
(事例1) 四半期GDP速報値 (2017年4月28日発表結果検証済)
(事例2) 四半期GDP改定値 (2017年5月25日発表結果検証済)
(事例3) 四半期GDP確定値 (2017年6月30日発表結果検証済)
(2) 実態指標
他の国の実態指標ではあり得ないほど大きく反応します。先々の成長鈍化が予想される以上、平均的には指標への反応が、上に小さく下に大きくなると思われます。
7月7日発表の鉱工業生産指数は、5月の自動車生産の落ち込みが昨年2月以来の大幅な減少となったことを受けて低下しました。
(事例1) 小売売上高指数 (2017年4月21日発表結果検証済)
(事例2) 鉱工業生産指数 (2017年6月9日17:30発表結果検証済)
以上
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英国景気指標「製造業PMI」発表時のGBPJPY反応分析(2017年7月3日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50[ips](上回ると景気拡大・50[ips](Index Points)を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことが29回中14回です。事後差異(発表結果ー市場予想)が前月に続いてプラスかマイナスが続いたことは11回です。つまり、入れ替わりが起きたとき14回と起きなかったとき11回のうち、起きなかったときの比率は44%です。
一見すると市場予想後追い型に見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高く、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいことです。
発表前にも直前10-1分足跳幅が10pipsに達したことが19回(母数29回)、20pipsに達したことが7回あります。ちなみに、直前10-1分足が20pipsに達した7回のうち、直後1分足跳幅が20pipsに達したのは3回ですから、発表前の反応が大きいから発表後の反応も大きくなるという関係はありません。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は85%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各83%・65%です。また、直後1分足終値がついた時点で、さらに反応を伸ばした確率は56%で、直後1分足値幅を削ったり反応方向が反転したことは45%です。
よって、本指標は追撃に適しています。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前10-1分足は陽線、直後1分足は陰線となったことが3回に2回以上となっています。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。よって、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている兆しは見受けられません。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異は、直後11分足との方向一致率が29%(不一致率71%)です。現時点で事前差異はマイナスとなっているので、こういうときには直後11分足が陽線となりがちです。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各96%・82%です。発表結果の市場予想に対する良し悪しに非常に素直に反応します。
実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・74%です。発表結果の前回結果に対する良し悪しにも非常に素直に反応します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以下は2017年7月3日20:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・市場予想を下回り、反応は陰線でした。
発表値は54.3ですから、悪い数字ではありません。参考にすべき基準は、2016年7月のEU離脱国民投票直後が48付近、2017年5月の総選挙表明後・総選挙前月が58弱です。
取引結果は次の通りでした。
追撃しやすい指標ですから、利確はシナリオ通りです。
シナリオ外取引の論拠は、勝率でなく期待値をアテにしてでした。
先週のBOE総裁による利上げ検討の報道に対し、もしPMIが良くても既にGBPにはそのことが折込まれています。一方、利上げ検討前に景況感が悪化すると、利上げが難しくなってしまいます。よって、先週のGBPの大きな上昇分をかなり失う可能性がある、と考えてのポジション取得でした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月3日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
- 英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいのでご注意ください。
発表結果の良し悪しに非常に素直に反応し、追撃に適した指標です。 - 素直に反応する特徴は、以下の過去実績に裏付けられています。
すなわち、事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各96%・82%となっています。また実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・74%となっています。 - 追撃に適している特徴は、以下の過去実績に裏付けられています。
すなわち、直後1分足と直後11分足との方向一致率は85%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各83%・65%です。また、直後1分足終値がついた時点で、さらに反応を伸ばした確率は56%で、直後1分足値幅を削ったり反応方向が反転したことは45%です。 - 指標発表前の早すぎるポジション取得には注意が必要です。発表前に直前10-1分足跳幅が10pipsに達したことが19回(母数29回)、20pipsに達したことが7回あります。がしかし、直前10-1分足が20pipsに達した7回のうち、直後1分足跳幅が20pipsに達したのは3回ですから、発表前の反応が大きいから発表後の反応も大きくなるという関係はありません。
- 市場予想と発表結果を同時にプロットしたグラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。がしかし、調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことが29回中14回です。事後差異(発表結果ー市場予想)が前月に続いてプラスかマイナスが続いたことは11回です。つまり、入れ替わりが起きたとき14回と起きなかったとき11回のうち、起きなかったときの比率は44%です。
よって、市場予想後追い型に見えますが、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。 - 以上の調査・分析結果に基づき、反応方向を確認次第、追撃を行います。
大きく反応する指標ですから、指標発表時刻を跨いで無理をする必要はありません。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50[ips](上回ると景気拡大・50[ips](Index Points)を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことが29回中14回です。事後差異(発表結果ー市場予想)が前月に続いてプラスかマイナスが続いたことは11回です。つまり、入れ替わりが起きたとき14回と起きなかったとき11回のうち、起きなかったときの比率は44%です。
一見すると市場予想後追い型に見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高く、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応が大きいことです。
発表前にも直前10-1分足跳幅が10pipsに達したことが19回(母数29回)、20pipsに達したことが7回あります。ちなみに、直前10-1分足が20pipsに達した7回のうち、直後1分足跳幅が20pipsに達したのは3回ですから、発表前の反応が大きいから発表後の反応も大きくなるという関係はありません。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は85%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各83%・65%です。また、直後1分足終値がついた時点で、さらに反応を伸ばした確率は56%で、直後1分足値幅を削ったり反応方向が反転したことは45%です。
よって、本指標は追撃に適しています。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前10-1分足は陽線、直後1分足は陰線となったことが3回に2回以上となっています。
そして、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、あるローソク足と他のローソク足との方向一致率が30%以下もしくは70%以上になっていません。よって、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている兆しは見受けられません。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異は、直後11分足との方向一致率が29%(不一致率71%)です。現時点で事前差異はマイナスとなっているので、こういうときには直後11分足が陽線となりがちです。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各96%・82%です。発表結果の市場予想に対する良し悪しに非常に素直に反応します。
実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各85%・74%です。発表結果の前回結果に対する良し悪しにも非常に素直に反応します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上
2017年7月3日17:30発表
以下は2017年7月3日20:30頃に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・市場予想を下回り、反応は陰線でした。
発表値は54.3ですから、悪い数字ではありません。参考にすべき基準は、2016年7月のEU離脱国民投票直後が48付近、2017年5月の総選挙表明後・総選挙前月が58弱です。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
追撃しやすい指標ですから、利確はシナリオ通りです。
シナリオ外取引の論拠は、勝率でなく期待値をアテにしてでした。
先週のBOE総裁による利上げ検討の報道に対し、もしPMIが良くても既にGBPにはそのことが折込まれています。一方、利上げ検討前に景況感が悪化すると、利上げが難しくなってしまいます。よって、先週のGBPの大きな上昇分をかなり失う可能性がある、と考えてのポジション取得でした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 反応は平均的な程度で指標結果に素直なものでした。
- 直後1分足と直後11分足は方向が一致したものの、跳幅が伸びずに値幅が伸びました。追撃ポジションのタイミングが悪ければ損切になりかねない形でした。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年06月29日
英国経済指標「四半期GDP確定値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年6月30日17:30発表結果検証済)
以下、「?T.調査・分析」を事前投稿し、「?U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月30日17:30に英国経済指標「四半期GDP確定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
※ 間違えて事前分析結論は削除してしまったようです。内容は「6-1.分析検証」で、反省を踏まえて記載しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確定値」の3回発表されます。
GDP確定値は、英国国家統計局が32月・6月・9月・12月の下旬に前四半期分を発表しています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりました。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上表は、前回確報値と確報値市場予想をプロットしています。一方、下表は前回改定値と確報値市場予想と確報値発表結果を用いて、前期比と前年比の反応への影響度を調べています。
結果、前期比の影響の方が前年比の影響よりも反応方向との一致率が高いことがわかります。
ただ、確報値は改定値との差があまり生じません。過去16回のうち、事前差異はたった2回、事後差異と実態差異はたった6回しか、差が生じていません。上表の100%や0%とは、この数回の差が生じたときについて方向一致率を求めたものです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・69%です。つまり、本指標は指標発表後の追撃に適しており、直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びたことが3回に2回以上となっています。
次に、直後1分足終値がついた時点を基準に考えてみましょう。
直後1分足終値がついてから、順張り方向に反応を伸ばしたことは56%です。一方、直後1分足と直後11分足の方向が同じでも、直後1分足終値から値幅を削ったことが25%です。そして、直後1分足と直後11分足とが反転したことは19%しかありません。やはり、追撃に適した指標ということができます。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
過去発表時に陽線・陰線への偏りはありません。
また、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、方向一致率・不一致率が70%を超えていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている兆しは見受けられません。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
確報値は改定値と同じになることが多く、「差があるときだけ」に着目している本分析のデータ数が少ないため、分析の確度はあまりアテにできません。
シナリオは巻頭箇条書きをご参照願います。
以下は2017年7月1日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前期比・前年比ともに改定値通り・市場予想通りでした。反応は直後1分足が陽線、直後11分足が陰線でした。
英国GDP確定値が改定値からの変更が少ないことは予め指摘通りです。
初期反応が陽線となったことは「成長率が悪化していない以上、次回のMPCでの利上げ派の足を引っ張らないから」と解釈すれば良いでしょう。それに、同時発表された「企業投資」が市場予想通り前期比+0.6%で、前期結果△0.9%を上回ったから、と解釈できます。企業投資は、6月28日のBOE総裁発言で「消費の落ち込みを相殺できているか注視する」との発言があったので。
反応方向が反転した原因は、ざっくり2つ考えられます。
ひとつは、6月28日のBOE総裁発言で上昇トレンドが加速していたので、週末イベントを終えて一部ロング解消の動きに繋がった可能性があります。もうひとつは ブルームバーグ解説記事 が指摘する「貯蓄所得のうち貯蓄に回る比率が1.7%」で、この数値は「前期結果3.3%を下回り、1963年の統計開始以降で最低」だったため、という可能性があります。
どちらが原因か、他にも原因があるのか、実際のところはわからないものの、本指標発表時に過去19%(5回に1回)しか直後1分足と直後11分足が反転したことがなく、結局、23時頃にはGBPUSDが再び上昇に転じたことを踏まえると、週末一服感よりも貯蓄率の悪化が、今後なお一層の消費落ち込みに繋がると、少し時間をおいて解釈されたという方が納得しやすい気がします。
取引結果は次の通りでした。
予定通り追撃ポジションを取ったものの上昇の勢いが弱い様子が見て取れたため、6月28日以降のGBP上昇から「週末の一旦利確」を念頭に不安感から両建て(買ポジションを清算しないまま、売ポジションを持つ)をしました。結果、陰線に転じたことを確認し、最初の買ポジションを清算し、売ポジションの伸びで損失を取り返しました。
両建て実施時点において、最初の買ポジションは高値掴みをしており、確か6pips程度の含損を抱えていたと記憶しています。今回はうまくいきましたが、もし買ポジション解消後にもう一度反転して上昇に転じていたら、損失を増やすことになるので、あまり良い勝ち方ではありません。
事前調査分析内容を、以下に検証します
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月30日17:30に英国経済指標「四半期GDP確定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標要点を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
本指標の調査・分析の結論は以下の通りです。
※ 間違えて事前分析結論は削除してしまったようです。内容は「6-1.分析検証」で、反省を踏まえて記載しています。
?T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
GDPは国内経済活動を総合的に表すので、その国の経済状況が良くなっているのか悪くなっているのかが一目瞭然です。英国四半期GDPは「速報値」「改定値」「確定値」の3回発表されます。
GDP確定値は、英国国家統計局が32月・6月・9月・12月の下旬に前四半期分を発表しています。
EU離脱国民投票後、一時は成長がマイナスになるという解説記事さえあったものの、2016年はかなり好調でした。それだけに2017年は成長鈍化と見込まれています。さすがにマイナスという解説はなくなりました。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
上表は、前回確報値と確報値市場予想をプロットしています。一方、下表は前回改定値と確報値市場予想と確報値発表結果を用いて、前期比と前年比の反応への影響度を調べています。
結果、前期比の影響の方が前年比の影響よりも反応方向との一致率が高いことがわかります。
ただ、確報値は改定値との差があまり生じません。過去16回のうち、事前差異はたった2回、事後差異と実態差異はたった6回しか、差が生じていません。上表の100%や0%とは、この数回の差が生じたときについて方向一致率を求めたものです。
- 6月28日、BOE総裁は「MPCは今後数か月以内に利上げを討議する必要」と発言しました。前提は「英国経済が完全稼働の状態に近づいたら」で、文脈の指す完全稼働とは「企業投資がどの程度、消費の落ち込みを相殺しているか(消費単独の数字でなく総合的な数字)」で、「金融刺激策の一部引締が必要になる公算がある」というのが発言内容です。
この発言の影響は既にGBPレートに折込まれつつあるものの、本指標発表時刻が近づくにつれて値動きが激しくなる恐れがあり、29日以降のGBPの高騰具合によっては逆に反落する可能性があります。
いつもの確定値発表時よりも慎重に取引する必要があります。今夜から明日の発表時刻までのプロの解説記事には注視しておきましょう。 - 通常では、中程度(20pips前後)で素直な反応となる傾向があります。
確報値は市場予想が前回改定値となっていることが多く、また、その市場予想もほぼ当たります(改定値と同じになることが多い)。過去16回の確報値発表時の市場予想が前回改定値と異なったことは2回(13%)、発表結果が市場予想と異なったことは6回(38%)しかありません。 - 反応への影響は、前期比の差>前年比の差、です。残念ながら、今回の市場予想は前期比・前年比ともに市場予想が前回改定値と同値となっています。
- 指標発表時点から見て、直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・69%です。つまり、本指標は指標発表後の追撃に適しており、直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びたことが3回に2回以上となっています。
反応方向確認次第、追撃ポジションを取りやすい指標です。 - 次に、直後1分足終値がついた時点では、次のようになります。
直後1分足終値がついてから、順張り方向に反応を伸ばしたことは56%です。一方、直後1分足と直後11分足の方向が同じでも、直後11分足値幅が直後1分足終値から値幅を削ってしまったことが25%です。そして、直後1分足と直後11分足とが反転したことは19%しかありません。
もしポジション取得が少し遅れても、やはり追撃に適した指標という結論に変わりません。
リスクは前述の通り、29日以降のGBPが高騰し過ぎていた場合(148円もしくは148.7円付近)、本発表後に反転する可能性が高まっている、という点です。 - 以上の調査・分析結果に基づき、指標発表後は反応方向への追撃を複数回実施します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、直後1分足と直後11分足とを比較し、跳値同士・終値同士で反応が伸びたことは各77%・69%です。つまり、本指標は指標発表後の追撃に適しており、直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応が伸びたことが3回に2回以上となっています。
次に、直後1分足終値がついた時点を基準に考えてみましょう。
直後1分足終値がついてから、順張り方向に反応を伸ばしたことは56%です。一方、直後1分足と直後11分足の方向が同じでも、直後1分足終値から値幅を削ったことが25%です。そして、直後1分足と直後11分足とが反転したことは19%しかありません。やはり、追撃に適した指標ということができます。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
過去発表時に陽線・陰線への偏りはありません。
また、反応性分析に挙げた直後1分足と直後11分足の方向一致率を除けば、方向一致率・不一致率が70%を超えていません。つまり、本指標発表前後のローソク足の方向は、取引参加者が後の動きを予見できている兆しは見受けられません。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
確報値は改定値と同じになることが多く、「差があるときだけ」に着目している本分析のデータ数が少ないため、分析の確度はあまりアテにできません。
【4. シナリオ作成】
シナリオは巻頭箇条書きをご参照願います。
以上
2017年6月30日17:30発表
以下は2017年7月1日に追記しています。
?U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前期比・前年比ともに改定値通り・市場予想通りでした。反応は直後1分足が陽線、直後11分足が陰線でした。
英国GDP確定値が改定値からの変更が少ないことは予め指摘通りです。
初期反応が陽線となったことは「成長率が悪化していない以上、次回のMPCでの利上げ派の足を引っ張らないから」と解釈すれば良いでしょう。それに、同時発表された「企業投資」が市場予想通り前期比+0.6%で、前期結果△0.9%を上回ったから、と解釈できます。企業投資は、6月28日のBOE総裁発言で「消費の落ち込みを相殺できているか注視する」との発言があったので。
反応方向が反転した原因は、ざっくり2つ考えられます。
ひとつは、6月28日のBOE総裁発言で上昇トレンドが加速していたので、週末イベントを終えて一部ロング解消の動きに繋がった可能性があります。もうひとつは ブルームバーグ解説記事 が指摘する「貯蓄所得のうち貯蓄に回る比率が1.7%」で、この数値は「前期結果3.3%を下回り、1963年の統計開始以降で最低」だったため、という可能性があります。
どちらが原因か、他にも原因があるのか、実際のところはわからないものの、本指標発表時に過去19%(5回に1回)しか直後1分足と直後11分足が反転したことがなく、結局、23時頃にはGBPUSDが再び上昇に転じたことを踏まえると、週末一服感よりも貯蓄率の悪化が、今後なお一層の消費落ち込みに繋がると、少し時間をおいて解釈されたという方が納得しやすい気がします。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
予定通り追撃ポジションを取ったものの上昇の勢いが弱い様子が見て取れたため、6月28日以降のGBP上昇から「週末の一旦利確」を念頭に不安感から両建て(買ポジションを清算しないまま、売ポジションを持つ)をしました。結果、陰線に転じたことを確認し、最初の買ポジションを清算し、売ポジションの伸びで損失を取り返しました。
両建て実施時点において、最初の買ポジションは高値掴みをしており、確か6pips程度の含損を抱えていたと記憶しています。今回はうまくいきましたが、もし買ポジション解消後にもう一度反転して上昇に転じていたら、損失を増やすことになるので、あまり良い勝ち方ではありません。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 6月28日のBOE総裁発言でGBPが高騰していたので、指標発表後に反落する可能性は、その通りになったと見受けられます。
但し、その原因は「一旦清算」「週末清算」だけでなく、貯蓄率の低下が市場に認知されるまで少し時間を要した(発表から1分弱)、という可能性もあります。 - 今回は発表値が前回同値・市場予想同値だったので、分析対象外です。事前分析に挙げた「素直な反応」というのは、結果と前回・予想との差が生じた場合を対象にしています。現在の市場環境に照らして素直な反応と解釈できるものの、これは「分析通り」というのとは違います。
事前分析で当てたことは、確報値が前回改定値と同値になりやすいことだけです。 - 直後1分足と直後11分足との方向が反転しており、過去の傾向と異なる結果でした。指標発表から1-2秒で追撃ポジション(ロング)を取り、10-20秒後に解消、というのでなければ、追撃で利確はできなかったと思われます。
現実問題として、発表から1-2秒でポジションを取ることは難しく、今回は分析を外した、と反省します。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上