女王に仕える二人の側近の確執が描かれ、コミカルで大変面白い映画です。ここは、ひとつ高みの見物を決め込んでと思いきや、とんでもない。
見終わってみれば、なにやら女の世界だけとは限らない、もっと嫉妬深いと言われる男の世界にもありそうな話です…。
あらすじ・主な登場人物
舞台は、18世紀初頭のイングランド。女王は、アン女王(オリヴィア・コールマン)で実在の人物です。
側近サラ(レイチェル・ワイズ)は、表面的には女王に仕えているようですが、時に女王を「アン」と呼び捨てるような仲。
サラには従妹アビゲイル(エマ・ストーン)がいましたが、家が没落貴族となり職を求めてサラのところへやってきました。
なんとか宮廷の仕事を得たアビゲイル。最初は従順にサラの指示に従い下働きに徹します。
しかし、元貴族だった彼女は慣れるに従い次第に横着に。
サラとの確執を経ながら、めざすは「女王陛下のお気に入り!」になることでした…。
あらすじ・ここが見どころ
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◇アン女王の無能さ加減にあんぐり!
実在の女王のこと、そんなに愚弄するわけにはいきませんが、アン女王の世間知らずは冒頭から露呈。
当時イングランドは、フランス王国と長引く戦争の真っ只中。
しかし、アン女王はほとんど無関心で宮廷で怠惰な生活を過ごしています。
「戦争はまだ終わってないの?」と不満げなアンに、サラは唖然とするほど。
子ども時代から知っている親しさもあって、二人きりになると女王を「アン」と呼び捨てますが、アンもそんなサラをどこか疎ましく思っていました。
◇アビゲイルの透けて見える魂胆
没落貴族の娘アビゲイルが、宮廷で働く従妹のサラを頼って家を出てきた…。
と聞けば可哀そうな気もしますが、見るからに彼女はしたたかそう。とりあえずは、掃除や洗濯の仕事に使ってもらえることになります。
一方、いつも体調がすぐれず痛風持ちのアン女王が、治療に使った薬草に効果があることを知ります。それは、アビゲイルがこっそり塗布してあげたもの。
スタンドプレーを許さないサラはアビゲイルをムチ打ちにしますが、アンは逆にアビゲイルを侍女として近くに呼び寄せます。
◇17匹のうさぎペットを飼うアン!
アン女王が政治判断をしなければならない時、自分の主張をハッキリ押し付けるサラ。
一方のアビゲイルは、いつもさみし気な女王にうまく取り入っていきます。
アンは17匹のうさぎのペットを飼っていました。ちなみにこの数は、子どもに恵まれない彼女の、死産や流産をした子供の数でした。
そんな可哀そうなアンと接しペットを可愛がるアビゲイルに、アンはますます信頼を寄せます。
◇アビゲイルの大きな決心とは?
サラが次第にアビゲイルの魂胆を知り焦り始めたそんな時、彼女はアビゲイルに弱みを掴まれます。
足の治療としながら、サラは一線を越えてアンと抱き合っていました。そして、その場面をアビゲイルに見られてしまうことに。
二人の秘密を知り優位に立ち始めたアビゲイルは、ある時大きな決心をします。
もはやサラより、アンは自分の言うことの方を聞いてくれると自信を持ったアビゲイルにとって、サラは不要な存在に…。
クライマックスからエンディングへ
サラとアビゲイル、さも何もなかったかのように二人で紅茶をおいしく飲んでいます。
しかし、二人の関係はお互いの腹を探り合う敵同士の関係に。
アビゲイルはいつも薬草を採取していた森から、別の目的の「薬草」を用意していました…。
アンは殺され、その後アビゲイルはアンの寵愛を受けて暮らすことに?
いいえ、この映画の面白いのはこれからです!
感想とおススメ度
最後は、「う〜ん!」と唸るしかありません。取り巻き連中に適当に迎合され、なんの意志も持たないアン女王。
しかし、彼女はそんなヤワではなかったのです!
アカデミー賞主演女優賞のオリヴィア・コールマン。さすが、あの傲慢でワガママし放題の女王役の演技は素晴らしい!
エマ・ストーンも、レイチェル・ワイズも円熟した演技だったし、ぜひおススメしたい作品です!
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