人種や性差別を取り上げた映画は、信念の主人公が粘り強く活躍し最後は初志を貫き通すストーリーが多いのですが、この映画のそのひとつ。
タイトルの『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(原題:Battle of the Sexes)は、「性差を超えた戦い」といった意味でしょうか。
実在の女子テニス選手「ビリー・ジーン・キング」がモデルとなっています。
背景となる1970年代は、女性差別がまだまだ残る時代でした。
(同テーマ参考映画:フェリシティ・ジョーンズ『ビリーブ 未来への大逆転』)
◇あらすじ・物語の背景
主人公「ビリー・ジーン・キング」を演じるのは、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン。
『ラ・ラ・ランド』の可愛い恋人役とは打って変わり、この映画では男性スポーツ界に敢然と挑んだ強い女性を演じます。
ビリー・ジーン・キングは、女子テニス界で世界4大大会を制覇するという実績の持ち主。
しかし、その賞金額は男子テニス界とは歴然とした差があり、彼女は全米テニス協会に対して強く反発します。
一方で、彼女には好きになった女性マリリン(アンドレア・ライズブロー)がいて、長らく隠されていた同性愛者の顔もあったのです…。
◇あらすじ・ここが見どころ
(引用:
https://www.facebook.com/BattleOfTheSexesUK/ )
◇屈辱的な女性差別の理由とは?
当時の女子選手の優勝金額は、男子の8分の1でした。
納得の行かないビリー・ジーンは、全米テニス協会に改善を申し入れますが担当者は耳を貸してくれません。
その理由とは、「女子の腕力は男子に劣り、ゲームの面白さは男子に勝てない」とまで言われたのです。
あまりの差別に憤慨した彼女は、以降の試合をすべてボイコットし全米テニス協会からも脱退。
そして、新たに女子テニス協会を設立したのでした。
ビリー・ジーンの努力で賛同者やスポンサーもつき、順調な活躍が続いていました。
◇もうひとつの隠された優しい顔
強い意志で男性テニス界に敢然と立ち向かったビリー・ジーン。
そんな彼女に、意外な一面がありました。
きっかけとなったのは、ツアー先で訪れた美容室での出会い。
担当の美容師マリリンと話が合い、お互い惹かれ合う関係になってしまったのです。
結婚しているビリー・ジーンでしたが、夫への不貞とわかりつつマリリンと付き合うことに。
しばらくはテニスに身の入らない時間が続き、ライバルのマーガレット・コートに負けてしまいます。
◇男子プレーヤーからの挑発!
一方で、有名男子テニス選手で、ボビー・リッグス(スティーブ・カレル)という人物がいました。
彼はいつも女性をさげすみ、男女平等を訴えるビリー・ジーンを小ばかにしていました。
彼は当時、55歳。しかし、今でも女子テニス界のトップと試合をすれば勝てるといいふらし、なんとビリー・ジーンに公開試合を申し込んできたのです。
ビリー・ジーンは一旦断るのですが、代わりにボビーの挑戦を受けた彼女のライバル、マーガレット・コートが負けることに。
クライマックスからエンディングへ
(最後のネタバレなし)マーガレット・コートに勝利し、ますます有頂天になるボビー。
ついに、彼女の闘争心に火が付き、ボビーの挑戦を受ける決心をします!
ギャンブル好きで目立ちたがり屋のボビーにとって、公開試合はまさに見世物のショー。
しかし、ビリー・ジーンにとっては彼女の生き方そのものでした。
試合本番前に、マリリンに髪の毛を静かに整えてもらうビリー・ジーンがいます。
そして試合直後のビリー・ジーン、この映画最高の見どころです!
感想とおすすめ度
(引用:
https://www.facebook.com/BattleOfTheSexesUK/ )
男女差別に戦った実在女性という一面もありますが、それ以上に「性差を超えた」深い人間ドラマとして鑑賞できる映画です。
主演エマ・ストーンの、また違った側面も。ルイ・ヴィトンのCFと合わせて見ると、彼女の素晴らしさがよりわかります。
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