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これから本格的な冬になると、フィールドでコミミズクの姿を見かけます。姿はともなく、その鳴き声については文献のほとんどが鳴かないと解説しているものが多い傾向です。しかし、下記のような報告がありますので紹介します。しかし、石川(1985)は、千葉県習志野市の海岸部に位置している埋立地で1980年から1985年の間に調査をした結果を整理し報告しています。それによると、コミミズクの鳴き声は日没後の夜間に聞くことができ、鳴き声は「ギャーウー」という大きな叫び声で連続して鳴くことが多い、そのほか「ギャウー」とか「ギャー」という鳴き声もだし、まれに「ケッケッケッケシ」という連続した鳴き声、「ピーピーピー」、「ホーホー」と小さな鳴き声も確認していると報告しています。さらに、石川(1985)は、警戒心の強いネズミ類の不意をつく採食方法を行なう本種にとり夜間の活動時間中に飛びながら大声をだして鳴くことは、採食行動に対し不利益なので鳴かないことが多いのではないかと指摘しています。高野(1980)が日本にいる期間は鳴かないことが多いとしている記述、高野(1985)では、越冬中の縄張り争いをしている場合にはキッキッ、ビイー、ビーイときしるような声を出すとしている点、叶内(2011)も同様で越冬中はあまり鳴かず飛翔中の争いでギャア、ギーャと鳴くと述べているのは、石川(1985)の解説と同様です。(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.p198.日本野鳥の会. 高野伸二監修.1985.カラー名鑑.日本の野鳥.p336.山と渓谷社.石川 勉.1985.コミミズクの鳴き声について.Strix.p67-68.日本野鳥の会.叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑 日本の野鳥.p382-383.山と渓谷社.(写真)アップしたのは2013年1月、2月千葉県流山市、2015年1月茨城稲敷市、2020年1月、4月手賀沼沿岸、2021年3月茨城県稲敷市の順です。
2022.11.29
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鳥友からある方のブログでメジロガモとキャップションがついていたが、その後アカハジロと訂正されていた。そもそもアカハジロの識別はどんなところを確認したらよいかと質問をもらいました。2017年2月に都内浮間公園で観察したアカハジロ雄の画像をアップします。下記のすべてを満たしていることが必要だと考えています。(観察した個体の特徴)(1)光彩は、観察した個体では淡黄色でした。(個体によっては白色に見える場合もあります)(2)頭部の緑色で光沢のある色、あずき色の胸(3)脇のほぼ上端まで白色部が食い込んでしました。(4)白い下尾筒(メジロガモ、ホシハジロとの雑種)氏原(2015)が観察記録と撮影画像を示し、アカハジロとメジロガモについて解説をしています。雑種については次のとおり記しています。(メジロガモとの雑種)頭頂周辺に赤褐色があり脇の赤褐色の広い個体はメジロガモとの雑種です。(ホシハジロとの雑種)嘴の黒斑が幅広い、光彩に赤味が混じる、脇や体上面にはっきりと波状斑があり灰色がかる、下尾筒の白色部が小さいなどがある場合はホシハジロとの雑種です。(アカハジロのエクリプス)アカハジロ雄のエクリプスは頭部は緑色の光沢がなく、嘴基部や耳羽に褐色部が出ます。脇の褐色部は雄生殖羽より広く、白色部への食い込みもはっきりしません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p188-196.文一総合出版.
2022.11.18
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昨日、印西市の水田地帯でハクチョウを観察してきました。若鳥について渡来初期では上嘴の鼻孔周辺の赤色を観察することでオオハクチョウとコハクチヨウの識別は可能とされています。コハクチョウでは、ピンク色が鼻孔周辺部、特に嘴峰上部まで及びます。端的に言えば嘴の前の部分がピンク色と表現できます。これに対してオオハクチョウでは、ピンク色が鼻孔下部と嘴のつけ根の方にはあまり見られない傾向です。しかし、コハクチョウで黒い部分が鼻孔で止まり、細長く見える個体が観察されることがあり、観察を続ける必要があります。なお、コハクチョウの鼻孔周辺部、特に嘴峰上部のピンク色は、渡来初期を過ぎると白色となっていきます。(写真)コハクチヨウは2枚とも2022年11月12日印西市で撮影、オオハクチョウは2013年11月に同地で撮影コハクチョウの鼻孔下部の白色となった個体は2015年11月に同地で撮影
2022.11.13
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晩秋から真冬の間、水田地帯でチドリ科タゲリを見かけます。観察していると、羽色はじつにいろいろです。(1)成鳥冬羽一枚目の個体は2022年2月に手賀沼沿岸で観察した成鳥冬羽です。額から頭頂は黒褐色で後頭に長い冠羽、目の周りに黒線模様があり、上面は緑色で赤紫の光沢があります。二枚目の個体は、2019年1月に印旛沼沿岸の田んぼで観察した成鳥冬羽です。一枚目と特徴はほぼ同じですが、顔はより白っぽく見えました。(2)第一回冬羽三枚目の個体は、2020年11月に茨城県稲敷市で観察した第一回冬羽です。上面の羽縁がバフ色なのが特徴です。また、わかりにくいと思いますが胸の黒い部分に白色の羽縁がありました。四枚目は2017年11月に茨城県稲敷市で観察した若鳥から第一回冬羽にかけての個体と思われるものです。三枚目と比べると上面の羽縁のバフ色がより目立ちます。(成鳥冬羽の上面の色が紫色の強い個体)五枚目は2020年2月に印旛沼沿岸の水田で観察した冬羽です。上面の色が緑色より紫色のインパクトが強く感じた個体です。
2022.11.11
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オオハクチョウとコハクチョウは、上くちばし側面の黄色部分の形で識別できることが図鑑類の多くで記されています。しかし、嘴側面が見えない場合には両種を識別できないのかと聞かれることがあります。角田(2020)は、下嘴の左右で確認できるピンクラインと下嘴両側口角隅のEポイントの有無でオオハクチョウとコハクチヨウを識別できることを紹介しています。コハクチヨウのピンクラインは、くちばしを閉じていても確認できる個体も存在しますが、オオハクチョウでは嘴を開いていても確認できません。また、Eポイントは、オオハクチョウは嘴を閉じていても確認できますが、コハクでは注意しても確認できる個体とできない個体が存在することを指摘しています。このことからピンクラインを確認できる個体はコハクチョウで、Eポイントを確認できるのはほぼオオハクチョウと識別できると述べています。(引用文献)角田 分.2020.オオハクチョウとコハクチョウ識別の2つの新観点.バードリサーチ水鳥通信.2020年12月号.p4-5(2つの視点のもうひとつは、、下くちばしの黄色と黒の形状の違いを用いる識別方法ですが、野外ではなかなか確認できない場面も多いと思いますので割愛します)(写真)1枚目2014年12月手賀沼で観察したコハクチョウ、2枚目2020年1月手賀沼で観察したコハクチヨウ3枚目2015年1月茨城県北浦で観察したオオハクチョウ4枚目2012年印西市で観察したオオハクチョウ
2022.11.02
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昨日谷津干潟でシギ・チドリを観察してきました。鳥友からイソシギの若鳥、夏羽、冬羽の見分けについて質問をもらいました。イソシギ冬羽は、雨覆の羽縁に白斑が入りますが、わかりにくい個体が存在します。(昨日観察した個体について)雨覆に細くて黒い縞模様があったことから若鳥だと思われました。二枚目の写真は、2022年9月に茨城県浮島で観察した個体です。昨日の個体と同様の若鳥と思われます。(冬羽)三枚目の写真は、2018年8月に谷津干潟で観察した個体です。雨覆の羽縁にまばらに白斑が見られるので冬羽と思われます。四枚目の写真は、2021年9月に谷津干潟で観察した個体です。雨覆の羽縁が白く見えるので冬羽と思われます。三枚目の個体とは違う印象があります。(冬羽から夏羽に換羽中と思われる個体)五枚目の写真は、2022年4月に谷津干潟で観察した個体です。上面が褐色で黒い軸斑がところどころに見えるので、冬羽から夏羽になりかけている個体ではないかと思います。
2022.10.25
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昨日、埼玉県川越市伊佐沼でハマシギを観察しました。上背と肩羽は冬羽に換羽していますが、羽縁の目立つ雨覆と風切羽は幼羽でした。幼鳥が最初に行う換羽は部分換羽で、全身がかわる完全換羽ではありません。幼羽の雨覆と風切羽は換羽しないので翌年の換羽を待つこととなります。なお、参考として2016年10月に浦安市で観察・撮影した個体の写真もアップします。(写真)1枚目~3枚目は2022年10月21日撮影、4枚目は2016年10月浦安市で撮影
2022.10.22
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鳥友からカモの翼鏡と聞きましたが羽根のどの部分を指しますか、種類によって違うのですかと質問をもらいました。(1)翼鏡は次列風切翼鏡はカモ類の次列風切の部分を指します。カモが水面や地上にいるとき、体側中央の後寄りに青や緑に輝く光沢部分が見えることがあります。翼を畳んでいると隠れて見えない場合もありますが、飛翔中には後続からよく見え、群れで渡る際に目印となると言われています。種類ごとに特徴的な色彩と模様をしています。ばたいている鳥の翼の模様を確認するとなると大変と思うのは無理がありませんが、人の目の錯覚による残像現象で止まって見えることがあります。これは、カモ類は体の重さに比べて翼が小さく短く、いつも高速で羽ばたいているのを目の錯覚で止まっているように見えるからです。(2)淡水ガモの翼鏡水面や地上にいるカモの画像から翼鏡の様子を整理してみます。a.オシドリ雌の翼鏡は緑または群青色に見え、雌には白斑があります。白斑は雌のみです。写真は2017年11月に千葉県佐倉市で観察した個体です。b.ヨシガモ翼鏡は緑色です。写真は雄が2016年2月にさいたま市で観察した個体、雌は2018年12月に印旛沼で観察した個体です。c.ヒドリガモ翼鏡は緑色です。写真は2008年茨城県水戸市で観察した個体です。d.マガモ翼鏡は青く、はさむように二本の線があります。写真は2008年9月に手賀沼で観察した個体です。e.カルガモ翼鏡は群青色です。比較的観察しやすいと思います。写真は2022年9月手賀沼で観察した個体です。f.ハシビロガモ翼鏡は緑色です。写真は2009年12月に市川市で撮影した個体です。g.オナガガモ翼鏡は緑色です。写真は一枚目が2017年11月に千葉県旭市で観察したもの、二枚目の羽ばたきは2020年11月に印旛沼で観察したものです。h..トモエガモ翼鏡中央部の色は光沢のある緑色です。ただし、翼をたたんでいると見えないことも見えないケースが多いように思います。写真は2018年1月見沼自然公園で観察した個体です。i.コガモ一枚目の写真は、2020年10月に手賀沼で観察した個体です。翼鏡は光沢のある緑色で外側は黒いのが特徴です。ただし、2枚目の写真のように構造色で青くみえることもあります。写真は2018年12月に見沼自然公園で観察した個体です。
2022.10.13
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鳥友から柏の葉公園でトモエガモの雌と思われる個体を観察したが、シマアジ、コガモの雌と識別するにはどんなところをポイントにしたらよいかと問い合わせをもらいました。(トモエガモ)1枚目の写真は、2020年11月印西市で観察した個体です。過眼線と眉斑は不明瞭で眼先には及びません。嘴付け根に白い丸斑が目立ちます。肩羽の先端が尖っており、コガモとの識別のポイントです。二枚目の写真は2018年1月に手賀沼で観察した個体です。奥がトモエガモ、手前がコガモです。(シマアジ)三枚目の写真は、2019年10月に都内水元公園で観察した個体です。過眼線と眉斑が明瞭で眉斑はコガモと比べると白っぽい印象です。四枚目の写真は、2000年4月に我孫子市北新田で観察したペアです。右側の個体の雨覆に淡灰色は認められず、雄のエクリプスではないと思います。(コガモ)五枚目の写真は2019年11月に手賀沼が観察した雌個体です。嘴は黒色で嘴基部側面は黒です。(秋に渡来したばかりは黄色味があります)眉斑、過眼線はシマアジと比べると目立ちません。六枚目の写真は、2016年9月に手賀沼で観察した雌個体です。嘴は黒色で、嘴基部側面に黄色味があります。
2022.10.02
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今日、柏の葉公園にでかけた際、バーベキュー場隣接のボート池でマガモのエクリプス似の個体を観察しました。黄色の嘴でマガモと違って嘴爪の黒さはなく、背の上部と肩羽は赤褐色でマガモの灰白色と違っていました。また、マガモの中央尾羽の外側に巻羽となっている点もありませんでした。マガモを原種とした家禽アオクビアヒル、アイガモのハイブリッドの可能性が考えられました。マガモはなぜ交雑しやすいかを拙宅の亭主に話しをしたら、マガモとカルガモのDNAはまったく同じだよ。種が分化して時間が経っていないか、交雑して遺伝子が溶けてしまったと研究者の西浦功さんが報告している由。(参考文献)バードリサーチニュース概要版2014年10月号. 日本産鳥類のDNAバーコーディング.この内容の中に、日本列島内の種間・種内の遺伝的差異と構造と題する報告があり、種間変異が1%以下の種として、マガモとカルガモは両種の遺伝的差異は0%、アカコッコとアカハラは0.15%,カッコウとツツドリは,0.3%の違いしかなかったと記されています。つまり、マガモとカルガモの遺伝子レベルでは同一種と言えるということです。ただし、種の分類にする際の総合的知見による判断で別種とされているとのことです。(写真)一枚目:2022年9月27日撮影のハイブリッドのカモ二枚目:2022年1月松戸市で観察したマガモの雄三枚目:2008年9月手賀沼沿岸で観察したマガモの雌
2022.09.27
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雨続きでなかなかフィールドに出かけられません。湖沼にはコガモなどのエクリプス羽を観察できる頃なのですが、かなわないので画像で復習しています。(1)成鳥雌エクリプス1枚目の写真は、2016年9月に手賀沼で観察したコガモです。下嘴の橙色が目立ちました。嘴は雄であれば、嘴全体が黒いですから、雌とわかります。また、上面は若鳥のほうがより黒っぽく見えますがそうではないで成鳥と思われます。また、最外三列風切の黒条の出方は長く、先端に届いています。アメリカコガモであれば、黒条の出方は短く、先端には届きませんのでコガモと同定できます。(2)成鳥雄エクリプス2枚目の写真は2020年10月に手賀沼で観察・撮影したコガモです。嘴全体は黒く、上面には黒っぽさがありましたので、コガモ雄のエクリプス羽とわかります。また、目より上の部分は暗色で眉斑はありませんでした。この点から不明瞭な過眼線と眉斑がある雌個体ではなく、雄とわかります。なお、三列風切が長い印象がありました。(3)雌生殖羽写真は、2014年3月に手賀沼で観察・撮影したコガモです。嘴基部と側面が黄色で三列風切に橙褐色の斑が表れています。1枚目の写真の個体の三列風切には橙褐色がないので違いがわかると思います。
2022.09.24
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猫背のようなスタイルで頭をあげることなく干潟で餌をあさる光景を見かけるハマシギ、トウネンよりも大きいのですが、10日に三番瀬でトウネンを遠目に観察していた御婦人からあれはハマシギですねと質問をもらいました。ハマシギのほうがトウネンより大きく、嘴がハマシギでは長くて下にまがっています。また、背の斑紋が不明瞭で一様に見えることが多いなどのポイントをご案内しました。ハマシギの足、嘴の長さ、形を覚えて置くことで多種との識別に役立ちます。夏羽、若鳥、冬羽などの写真をアップし、その特徴を整理しました。(1)夏羽写真は2015年5月に印西市の水田、2015年5月に三番瀬で観察した夏羽です。上面の赤褐色、腹部の黒が目立ちます。(2)第一回冬羽写真は、2014年9月に三番瀬で観察した第一回冬羽、2021年2月に谷津干潟で観察した第一回冬羽です。上面は灰褐色で各羽縁は白色です。嘴はサルハマシギに似ていますが短く、湾曲は小さいです。(3)夏羽から冬羽に換羽中写真は2014年9月に三番瀬で観察した夏羽から冬羽に換羽中の個体です。額から頭頂にかけて茶色が残り、腹部には黒さがかなり残っています。肩羽に灰色の冬羽が見えています。
2022.09.12
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昨日、三番瀬でオバシギと出会えました。オバシギは、シベリアの東北部のみで繁殖し、インドから東南アジアやオーストラリアのみで越冬する極東の固有種です。ところが、守屋(2019)が指摘しているように、日本に飛来している21種のシギ・チドリのうちオバシギなど12種は繁殖が終わった秋の渡りの時期の個体数が減少しています。近縁のコオバシギに比べると個体数は多いものの分布が狭いことから出会えなくなるのではないかと心配されます。昨日、観察した幼羽、第一回冬羽、夏羽、冬羽の写真をアップし、観察なさった際の参考となれば幸いです。(1)幼羽一枚目は、昨日観察したオバシギ幼羽です。胸の黒色斑が密で帯のように見えるのが特徴です。二枚目は2014年9月に三番瀬で観察した幼羽です。一枚目と比べると頭部の褐色が強い印象です。(2)夏羽三枚目から五枚目は2020年8月に三番瀬で観察した夏羽です。肩羽に赤褐色の羽があり、肩羽と胸が黒色味が強いのが特徴です。(3)夏羽から冬羽に換羽中六枚目は、2017年7月に三番瀬で観察した夏羽から冬羽に換羽中の個体です。肩羽の赤褐色の羽があります。(引用)守屋年史.2019.極北で繁殖するシギ・チドリに与える気候変動の影響.Bird Reseach Water Bird News 2019年3月号.水鳥通信.p4-5.バードリサーチ.
2022.09.11
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昨日、都内の公園でツツドリ成鳥雌を観察してきました。参考までに成鳥雄、雌、若鳥の画像をアップし、特徴を整理しました。(成鳥雌)一枚目、二枚目の写真が昨日観察した成鳥雌個体です。頭部は青灰色、黄色のアイリング、嘴は下嘴基部に黄色味があり、虹彩は黄色がかかった褐色。腹には太めで間隔の広い黒色横斑が見えました。また、胸には褐色味がありツツドリ雌個体とわかりました。(成鳥雄)三枚目の写真は2015年9月に野田市で観察・撮影した個体です。下面に褐色味はなく、光彩は暗色でした。(若鳥)四枚目の写真は、2018年10月に都内の公園で観察・撮影した個体です。上面は幼羽と成鳥羽の灰色が混在していますが、全体的には褐色に見えました。(雌の赤色型)五枚目(2019年9月に都内)、六枚目(2017年8月野田市)、七枚目(同左)の写真は、成鳥雌の赤色型です。上面全体のベースが赤褐色で黒い横縞とコントラストが印象的です。なお、赤色型は雌のみです。
2022.09.08
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9月に入り、市街地の一角にタカ類が立ち寄る姿を見かけることがあります。特に、オオタカとサシバの若鳥は短期間滞在する姿が見られることがあります。それぞれの若鳥の特徴を整理してみました。(1)オオタカ若鳥1枚目、2枚目の写真は柏市で2007年4月に見かけたオオタカ若鳥です。白い眉斑と虹彩が黄色が目立ちます。サシバは虹彩が暗色です。また、耳羽は淡色です。サシバは暗褐色です。この2点はまず確認したいポイントです。くわえて、顔から喉に縦斑が見られることが多いように思います。(2)サシバ若鳥3枚目、4枚目の写真は2016年7月、2009年9月に見かけたサシバ若鳥です。眉斑がはっきりしていること、下面には縦斑があります。また、虹彩は暗色です。オオタカでは静止している際は初列風切から突出している尾羽が長いので確認したいポイントです。
2022.09.01
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鳥友から2019年11月6日に水元公園で観察したヌマアジサシについて質問をもらいました。当時、周囲で見ていた方からハジロクロハラアジサシと言われたが、図鑑を見ていてもなにかフィットせずもやもやしているとの由。当時私も現地で観察していましたので、その画像を復習しました。秋口どころで出会う可能性もありますので、参考になれば幸いです。(観察データ)観察日2019年11月6日12時10分から14時観察地:埼玉県三郷市水上テラス前の水面(観察個体の特徴)・目の周囲は黒っぽい・足は赤色に見える・頭の黒斑は目より下に及ばない・頭頂はごま塩状に見える・上面は褐色の幼羽が見える(種類の同定)写真の個体は次に示す特徴からクロハラアジサシの幼羽と思われます。(1)頭部の暗色の下縁がほぼ目の下縁にそろっていて、目の後方から後頭にかけて黒いが目よりも下に黒色部は及んでいません。ハジロクロハラアジサシ幼羽は、目の後ろの斑は縦長で、目の下縁より下に及び白地に黒々としたはっきりした斑となっているはずですが、そうなっていません。(2)背の褐色斑はまだらに見えます。ハジロクロハラアジサシでは、一様な暗色なはずでこの特徴も合致しません。(3)ハジロクロハラアジサシ幼鳥であれば翼のつけねの胸側の暗色斑があるはずですが、この点は認められません。
2022.08.31
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フィールドに出かける予定でしたが今朝も雨が降り出し断念しました。秋の渡りで出会うことの多いオグロシギの羽色を復習。(成鳥夏羽)一枚目、二枚目の写真は2016年6月26日に稲敷市で観察したオグロシギ夏羽です。尾羽が黒く、頭部から胸が赤褐色で胸から腹に黒い横斑がありました。(幼羽)三枚目、四枚目は2018年9月22日に稲敷市浮島で観察した個体です。三枚目は雨覆の先端が丸く鱗模様にように見え、羽縁が白くなっています。三列風切にバフ色と黒色の模様が見え、幼鳥が第一回冬羽に換羽している個体と思われます。四枚目の群れで行動していた個体は頭部から頚と胸が灰褐色で、上面は灰黒色で白っぽい羽縁があり、三列風切にバフ色と黒色の模様が見え、幼鳥が第一回冬羽に換羽している個体だと思われます。五枚目、六枚目も幼鳥と思われる個体です。2019年9月15日、2021年8月28日に茨城県浮島で観察した個体です。三枚目、四枚目の個体と比べると上面の黄褐色が目立ちました。
2022.08.28
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小型シギの中でも観察する機会の多いトウネンですが、その羽根色はじつにいろいろ。羽色のいろいろを整理したものを提供します。(1)成鳥夏羽一枚目の写真は2017年4月26日に谷津干潟で観察した夏羽です。上面が赤褐色で軸斑も黒いのが特徴です。喉から胸も赤褐色で、尾羽から初列風切が突出しないものが多いです。二枚目の写真は2021年5月8日に茨城県浮島で観察した夏羽の正面からの写真です。(2)冬羽から夏羽に換羽中三枚目の写真は、2017年5月3日に茨城県浮島で観察した個体です。上面は灰色で羽が摩耗し赤褐色の夏羽が見えてきています。(3)夏羽から冬羽に換羽中四枚目の写真は、2015年9月19日に三番瀬で観察した個体です。上面が灰色で細かい軸斑があります。(4)若鳥五枚目の写真は、2021年8月28日茨城県浮島で観察した若鳥です。肩羽に赤褐色味があり、背と肩羽にV字の帯が見えました。下面は白色です。六枚目の写真は、2021年9月24日に茨城県浮島で観察した若鳥です。五枚目の個体と同様に肩羽に赤褐色味があります。ただし、この個体は背と肩羽にはV字の帯は見えませんでした。8/25訂正2枚目の写真についてオジロトウネンではないかと指摘をいただきました。足の色は撮影当日の画像をすべて見返しましたが確認できずでしたが、トウネンであれば尾羽から初列風切が突出しないのですが、撮影の個体では突出しています。したがってご指摘の通り、オジロトウネンと訂正させてもらいます。
2022.08.24
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種小名が小さな鳥の意味のヒバリシギ(Calidris subminuta)は、旅鳥として少数が水田や湿地、河川などに飛来します。私共夫婦が通っているフィールドでは圧倒的に9月での観察記録が多く、これからのシーズンが出会うチャンスが多い種類です。個体の羽色を紹介させてもらいます。(1)幼羽一枚目、二枚目の写真は、2017年9月3日に印西市で観察した個体です。頭頂が淡い茶色で黒い軸斑があります。上面は赤褐色で羽軸の黒色、胸には縦斑があります。三枚目の写真は2018年9月1日に印西市で観察した個体で、背に2本のV字が見えるところから幼鳥だとわかります。8月19日に浮島で観察した個体も同じV字が見えましたので幼羽です。(2)第一回冬羽の換羽中と思われる個体四枚目は2018年9月5日に観察した第一回冬羽と思われる個体です。上面は羽毛が擦り切れて赤褐色が少なくなっています。五枚目は前期の個体のすぐそばに姿があった幼鳥です。(3)幼鳥で上面の黒色が目立った個体六枚目は2018年9月5日に印西市で観察した個体です。上面の羽の黒色が目立ちました。(4)夏羽七枚目は2021年5月8日に茨城県浮島で観察した成鳥夏羽です。上面の各羽の黒色と茶色が鮮明で、胸の縦斑が黒くて太いのが目立ちました。(5)冬羽と思われる個体八枚目は2019年3月に茨城県浮島で観察した個体です。頭頂に茶褐色が見られ、上面は灰褐色に見えたことから冬羽が換羽中のものではないかと思いました。
2022.08.23
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秋に出会うことの多いエリマキシギは、冬羽や幼鳥がほとんどで、雄の襟巻状の飾り羽をまとった成鳥雄繁殖羽にはなかなか出会えないままでいます。いつかどこか出会えたらいいなあと願っています。(1)成鳥雄冬羽から夏羽に換羽中の個体一枚目の右側の個体は、2014年4月に稲敷市で観察したエリマキシギ雄の冬羽から夏羽に換羽している個体です。雄は白いアイリングが上下で途切れているのが特徴です。上面と翼の黒味は強く淡色の羽縁とコントラストが目立ちます。また、写真左側は雌の第一回冬羽ではないかと思われる個体です。頭には眉斑や過眼線などの目立つ斑はなく、上面・翼・背は黒と灰褐色をしていて淡色の羽縁が目立ちます。二枚目の写真は、雌と雄の立ち位置が変わったときの記録です。(2)雄若鳥三枚目、四枚目の写真は2015年9月に三番瀬で観察した雄若鳥です。上面、翼の黒味が強く、黄褐色の羽縁とのコントラストが若鳥の特徴です。足の色は緑黄色でした。(3)雄若鳥と雌第一回冬羽四枚目の写真は、2017年印西市で観察したエリマキシギです。左側が雌第一回冬羽、右側が雄若鳥と思われます。左側の個体は、上面や翼、背が黒と灰褐色で淡色の羽縁が目立ちました。右側は上面と背に黒味があり、羽縁が黄褐色とのコントラストが目立ちました。五枚目は、同日に撮影した雄若鳥単独の写真です。
2022.08.22
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同じような環境で観察することのあるコチドリとの識別について鳥友から質問をもらいました。2種の特徴を整理しました。(アイリング)イカルチドリは淡褐色のアイリングがあります。コチドリのように黄色が目立ちません。(上面)イカルチドリは全体に羽縁がバフ色ですが、コチドリは全体に羽縁が淡色です。(頭部)イカルチドリは前頭も褐色で不明瞭な淡褐色の眉斑があります。コチドリは額はバフ色で明瞭に眉斑もバフ色です。ほとんど見えない場合もあります。(胸帯)イカルチドリは褐色、コチドリは褐色で中央で切れている個体が多い傾向です。(その他)イカルチドリは尾が翼端よりも突き出ています。(コチドリ幼羽)コチドリ幼羽は淡褐色のアイリング、嘴も細めでイカルチドリの印象が似ています。しかし、胸帯は中央で切れています。(写真)イカルチドリ2022年12月茨城県菅生沼で撮影、コチドリ2020年3月手賀沼で撮影
2022.08.21
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一昨日谷津干潟でソリハシシギと出会えました。春に比べて秋の渡りのほうが個体数が多く飛来すると言われており、これから秋本番で出会う機会が多くなるものと思います。夏羽、冬羽の違いについてその違いを整理してみました。(成鳥夏羽)一枚目の写真は、2021年8月、二枚目の写真は2013年8月にいずれも三番瀬で観察した成鳥夏羽です。肩羽の一部が黒くて線になって見えるのが特徴です。また、喉から下尾筒にかけて白く、胸、脇腹に褐色の斑があります。さらに嘴基部が橙色味がかっています。(冬羽から夏羽に換羽している個体)三枚目の写真は、2021年4月に三番瀬で観察した個体です。肩羽、大雨覆、中雨覆に白色の羽縁があり冬羽の特徴がわかります。肩羽の一部が黒く線になって見えていて夏羽にかわりつつある個体と思われます。(夏羽から冬羽に換羽中の個体)四枚目の写真は2014年8月に三番瀬で観察した個体です。胸に褐色の縦斑が目立ちます。肩羽の一部が黒く線になって見えますので夏羽から冬羽に換羽中の個体だと思われます。(世界最年長のソリハシシギ)以前、鳥友からシギの寿命について質問をもらったことがあります。ベラルーシ共和国トゥーラウ牧場にある鳥類観測ステーションで2016年5月13日に標識を装着した個体が観察されました。標識から1999年6月21日に標識が装着された個体でなんと17歳でした。しかもステーションで14歳と15歳のソリハシシギが捕獲されており、シギ・チドリが安全に行き来できる生息地であることが示唆されています。(この件は、Bird Life international Tokyoのホームページに掲載されています)
2022.08.16
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昨日11日、手賀沼沿岸の谷津田でアカハラツバメを観察しました。昨年も同地で8月22日に観察しており、ニ年連続での遭遇です。昨日と昨年の撮影画像を比較してみました。一枚目、二枚目の写真は、昨年8月に観察した個体です。亜種ツバメに比べて胸の黒帯が太く見えました。三枚目、四枚目の写真は、昨日観察した個体です。胸の黒帯は太さは前年よりも細めでした。五枚目は2017年7月に撮影した亜種ツバメです。アカハラツバメとの比較のためアップしました。
2022.08.12
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昨日、茨城県浮島でセイタカシギと出会いました。ブログを見てくださった鳥友から成鳥、雌雄、若鳥などの識別について質問をもらいました。昨日の画像と過去のライブラリーの画像と識別のポイントを整理しました。(昨日観察した個体)昨日は浮島で観察した個体を若鳥と記しましたが、若鳥であるならば上面の羽縁が淡色で鱗模様に見えるはずですが、そうは見えていません。拙宅の亭主から背の色は黒褐色に見え、頭部の黒色部の斑は淡いので成鳥雌個体だと思われる旨の指摘をもらいました。昨日の報告を訂正します。(1)成鳥雄と雌三枚目の写真は、2020年11月に浮島近郊で観察・記録したものです。写真左側の個体は上面が金属光沢のある青黒色で体下面は白色、嘴は黒色。対して右側の個体は上面は黒褐色で、下面は白く、嘴基部は赤いのを観察しました。(2)若鳥四枚目の写真は、2019年9月に浮島で観察・記録した個体です。左側の個体は上面の羽縁が淡色、嘴基部はピンク色で若鳥です。これに対して右側は一見すると成鳥のように見えますが背や肩羽に白い羽縁があり若鳥の雌だと思われます。(3)幼鳥五枚目の写真は2016年7月に谷津干潟で観察・記録した個体です。手前二羽は、上面の羽縁が淡色で鱗模様に見えますので幼鳥です。一見するとコアオアシシギのように見えます。(4)春の成鳥雌六枚目の写真は、2016年3月に谷津干潟で観察・記録した個体です。背や肩羽は黒褐色で頭部の黒色ははっきりしている成鳥雌です。
2022.08.09
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鳥友より昨日の三番瀬のリポートを見て、キアシシギの上面が褐色味が強く、春先の夏羽はグレーが強い個体とは違うのですねと質問をもらいました。何枚かの撮影画像を記し、その違いを整理したものを提供します。(1)上面が褐色味の強い夏羽昨日観察した個体は、上面の茶褐色が強く下面の横縞模様が目立っています。下嘴基部は黄色がかっています。しかし、同じ三番瀬でも2020年8月に観察した個体は、下嘴基部は黄色がかっているものの上面がグレー色です。昨日の個体よりも少し年齢が若い可能性があります。三枚目は、2018年8月に谷津干潟で観察した夏羽個体です。上面は褐色ですが、嘴は黒褐色で下嘴基部は淡色です。昨日の個体と比べると印象が少し違うと思いますので参考までにアップします。(2)上面がグレー色が強い個体写真は2019年5月に葛西臨海公園で観察したキアシシギです。上面の色がグレーが強いのですが、冬羽から夏羽に換羽していく個体でないかと思います。
2022.07.30
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(体型の違い)オジロトウネン、トウネンは胴長短足のずんぐりとした体型です。これに対してヒバリシギは頸・足が長くほっそりした体形で違いがあります。(足の色)ずんぐり体型のオジロトウネンとトウネンは、足の色で違いがあります。オジロトウネンの足の色は黄緑色、トウネンは足が黒く、違いがあります。なお、足が黄緑(黄)色のシギ冬羽には、オジロトウネンのほか、ヒバリシギ、アメリカヒバリシギの3種をあげられます。この3種では軸斑が一番太いのがヒバリシギ、アメリカヒバリシギは頸と足が短く軸斑は細めです。オジロトウネンは頸、胸も含め上面は一様に灰褐色で違いがあります。(嘴について)オジロトウネンはトウネンに似ていますが、ヒバリシギよりも太いので違いがあります。(ヒバリシギは嘴が細めに見えます)(写真)オジロトウネン:2022年7月24日浮島、2018年12月24日浮島、ヒバリシギ:2011年8月11日茨城県八千石、2010年8月11日茨城県古河林、トウネン:2011年8月30日葛西で撮影
2022.07.27
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浮島で24日にオジロトウネンを観察しましたがその羽色について鳥友から質問をもらいました。過去に記録した画像をアップし、羽色のいろいろを紹介します。(体型と足の色)オジロトウネンは頸・足が短い、胴長短足のずんぐりした体形で、羽色の違いはもちろんですがヒバリシギやトウネンと見分けることができます。また、同じエリアで出会うことの多いトウネンとは別行動をとっていることが多く、トウネンは足が黒く、オジロトウネンは黄緑色であり識別することができます。(冬羽)成鳥冬羽は頭上からの上面が灰褐色で胸も灰色味を帯び、全体が地味な羽色です。撮影した個体は2018年12月に撮影した個体で全体的により淡い灰褐色に見えました。(冬羽から夏羽に換羽中)成鳥冬羽は頭上からの上面が灰褐色で胸も灰色味を帯び、全体が地味な羽色です。撮影した個体は2020年3月に撮影したもので、頭上から上面が灰褐色で胸に淡い橙色があります。また、雨覆と三列風切に夏羽に換羽しはじまったような印象がありました。(第一回冬羽)撮影した画像は2021年10月に撮影した個体で、雨覆と三列風切にサブターミナルバンドのある幼羽が残っているので第一回冬羽と思われました。(夏羽後期)撮影した画像は、2018年8月に撮影した個体で、背と肩羽には橙色はないものの肩羽に黒い軸斑が残っていることから摩耗した夏羽後期と思われました。(24日の個体)観察した個体は、摩耗した夏羽後期の個体と思われました。摩耗により橙色の斑が消失し、肩羽に夏羽の黒い軸斑だけが残っていました。成鳥冬羽に換羽中であるならば肩羽に夏羽の黒い軸斑が残り、灰褐色で細い白い羽縁のある新しい冬羽が出てきているものと思われますがこれは認められませんでした。
2022.07.26
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昨日、茨城県浮島でオジロトウネンを観察したことをリポートしました。観察した個体について補足をしておきます。(昨日観察した個体について)観察した個体は、摩耗した夏羽後期の個体と思われました。摩耗により橙色の斑が消失し、肩羽に夏羽の黒い軸斑だけが残っていました。昨日、夏羽から冬羽に換羽中と申し上げましたが、成鳥冬羽に換羽中であるならば肩羽に夏羽の黒い軸斑が残り、灰褐色で細い白い羽縁のある新しい冬羽が出てきているものと思われますがこれは認められませんでした。(記録した個体は1羽ですが、角度により黒い軸斑がよくわかるものとそうでないものがありました)(参考:夏羽について)夏羽は頭部からの上面が灰褐色で、黒い軸斑と淡い橙色の斑があり、雨覆は褐色で黄橙色の羽縁があります。胸は灰褐色で淡い橙色味を帯びます。
2022.07.25
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鳥友からカイツブリの成鳥、冬羽、幼鳥の羽色などについて質問をもらいました。過去の撮影画像をアップし、特徴を整理したものを提供します。(1)成鳥夏羽(2021年8月5日柏市柏の葉近郊で撮影)嘴は黒く嘴基部に白色(黄白色)の楕円形の模様があります。虹彩は黄白色。顔から頸側は赤褐色で、脇腹は淡い橙色、お尻は白っぽく見えます。(2)成鳥冬羽(2020年11月30日松戸市千駄堀、2017年1月15日手賀沼で撮影)夏羽に比べると淡色です。(3)幼鳥(3枚とも2021年7月15日埼玉県川越市で撮影)孵化後2ヶ月程度は頸から上部が白と黒の縞模様となっています。目が成鳥と比べるとくりっと丸いのが愛らしいです。なお、孵化して間もない頃は、頸から上部の白と黒の縞模様がはっきりとしませんし、嘴に黒い線が見えています。
2022.07.23
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先月27日に都内の公園でササゴイを見に出かけた際にホシハジロを観察しました。翼を怪我をしていて越夏が2シーズン目となっている旨をリポートしました。しかし、ホシハジロとするにはいくつかの点で疑問を持ちました。(1)嘴が黒いものの、嘴の青灰色の帯はありません。(嘴の青灰色の帯は消失傾向で一様に黒くなることも多いとの文献での報告あり)(2)上面には波状斑はありませんでした。(雌の夏羽個体では体上面や脇に波状斑を欠き一様に褐色ですが、この特徴には該当しません)(3)風切に白い羽が認められます。(ホシハジロでは白い羽が入るものを観察したことがありません)(4)下面は白い状態でした。雌夏羽に認められる下面の粗い横斑はありません。上記の点からホシハジロの交雑個体の可能性が高いと考えました。なお、2022年6月27日に都内で撮影した画像を3枚比較として2021年1月印旛沼、2021年1月手賀沼で撮影したホシハジロ雌の画像をアップします。
2022.07.13
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昨日、都内の公園にササゴイを見に出かけました。幼鳥、第一回夏羽、成鳥といろいろな羽色の個体を観察できました。一枚目の写真は、上面が暗褐色で喉から胸の縦斑もまだはっきりとしていない幼鳥です。まだ巣立った島の縁で周囲の様子を見ていることが多く、成鳥が餌を運搬してくるのをひたすら待っていました。二枚目、三枚目は幼鳥が成長した個体で、昨日は水に浸って涼んでいる光景や成鳥の真似をして水面を凝視し餌を捕獲するような仕草も披露していました。三枚目は、第一回夏羽で上面が暗褐色で、肩羽、雨覆に褐色の羽が残っています。成鳥と同様に飛翔することが可能であり、近くの河川まで餌を探しに出かけていた模様です。最後、四枚目は、翼に笹の葉模様がある成鳥です。何度も幼鳥たちへの餌を運搬して島に飛来する際はキューと鳴き声を出して出現。(写真)2022年6月27日撮影
2022.06.28
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ホームグランドの手賀沼沿岸や茨城県稲敷市周辺、河川敷や埋立地などで見かけるウグイス科のセッカの雌雄の識別について質問をもらいました。ある図鑑を見ると雌雄同色で尾羽は丸尾で軸斑が黒く、先端は白いと記されていたとのことでした。上田(2006)は、セッカの生態、生活史、羽色、生態について知見や文献で記述されている内容を整理し報告しています。その中で雌雄については、つぎのように述べています。「繁殖期のオスの頭部上面は一様な褐色であるのに対し、メスの頭部上面は淡い褐色の地に黒褐色の縦班が存在するため、一見してザクザクした感じになる。この縦斑はメス幼鳥ではよく目立つが、成鳥ではいくぶん不鮮明になるので注意が必要。またセッカでは中央の2枚を除く、10枚の尾羽の先端部に白色部があらわれるが、この白色部分がオスでは鮮明であるのに対し、メスではかすかに褐色がかっている」茨城県稲敷市浮島で2020年5月に観察した個体を見ると、たしかに尾羽先端部に白色が現れています。これに対して、2016年7月に浮島で観察した個体の尾羽先端部をみると褐色がかっています。(引用文献)上田恵介.2006.生態図鑑.セッカ.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.バードリサーチ.(写真)2020年5月3日茨城県浮島で撮影、2016年7月10日茨城県浮島で撮影
2022.06.25
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鳥友から柏の葉近郊で観察したコチドリの識別について質問をもらいました。特徴を整理し、提供します。(1)成鳥夏羽雄嘴基部、過眼線、前頭は黒く、黒い前頭と褐色の頭頂の間に白い線があります。(写真)2022年6月17日柏の葉、2011年6月4日柏市内で撮影(2)成鳥夏羽雌過眼線の黒色に褐色味があります。大部分成鳥夏羽雄とかわりませんので、成鳥冬羽から夏羽の換羽中の個体は注意が必要です。(写真)2022年6月17日柏の葉、2009年7月4日柏市内で撮影(3)幼鳥頭から上面は淡褐色で各羽に羽縁があります。上面は鱗模様にも見えます。なお、前頭に黒色はありません。(写真)2022年6月17日撮影(4)ヒナ雛は生まれた時はふわふわの綿羽に覆われています。孵化してから二週間ほど経過すると幼羽が明らかに分かるようになります。昨日観察したヒナは幼羽がわかるようになっているので二週間ほど経過しているものと思います。(写真)]2022年6月17日柏の葉、2021年6月26日印旛沼沿岸で撮影
2022.06.18
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ハマシギは、10月から4月にかけて本州以南で越冬するシギ・チドリの仲間です。越冬する個体数は30000羽と越冬するシギ・チドリ類の60~70%程度を占めると言われます。しかし、近年は原因もわからないまま減少しており、環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されていている点を考えると、ハマシギの降り立つ環境での観察記録の積み重ねが重要です。ハマシギで日本に渡ってくる亜種は主に亜種ハマシギ( Calidris alpina sakhalina )とされ、その他にもいくつかの亜種が少数渡来していると言われています。羽模様だけでなく、嘴も長いものから短いものまで様々なものがいると言われています。夏羽、第一回冬羽、冬羽などの写真をアップし、特徴を簡潔に整理してみました。なお、第一回夏羽を疑う個体を2015年5月に観察したのでこれも一緒にアップします。(1)夏羽一枚目は、2014年5月4日に谷津干潟で記録した夏羽です。ハマシギ成鳥夏羽は腹部に大きな黒斑が出ます。光線の関係で上面の色がミユビシギのように見える時もありますが、嘴の長さ、腹部の黒斑の有無などのポイントで識別します。(2)第一回冬羽2010年2月6日に千葉県片貝海岸で記録した個体です。写真ではわかりにくいと思いますが、雨覆と三列風切に幼羽が残っていたのを観察しており、冬羽にある灰褐色で細い淡色の羽縁がないので、第一回冬羽と思われます。(3)冬羽2021年2月17日に谷津干潟で記録した個体です。上面は一様に灰褐色で、下面は白くて斑はありません。(4)第一回夏羽が疑われる個体写真は、2015年5月10日印西市で記録した個体です。ハマシギの夏羽換羽は雨覆・三列風切は基本的に換羽せず擦れた冬羽が残ります。写真の個体は、雨覆の擦れが見られるものの第一回夏羽の羽色の資料を探すことができないので成鳥夏羽と当時のノートに記しています。
2022.05.17
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昨日、印西市から成田市にかけての水田でウズラシギと出会えました。ウズラシギは、夏羽(初夏の頃)、夏羽(8月頃)、冬羽、幼羽で羽色に違いがあります。過去、観察できたウズラシギの画像をアップしてみました。参考となれば幸いです。(昨日の観察個体)夏羽に似ていますが、眉斑は夏羽より白く、脇に錨型の斑はありません。また、胸は明るい橙褐色でした。これらの特徴からウズラシギ幼羽と思われました。(写真)2022年4月30日撮影(夏羽から冬羽に換羽中の個体)夏羽の後期型は、背や翼の羽縁に赤褐色の羽が残っていますが、赤褐色味は弱くなっています。(写真)2018年9月8日茨城県浮島で撮影、2021年9月24日茨城県浮島で撮影(秋の幼羽個体)眉斑が白く、脇に錨型の斑はなく、胸の橙褐色味が少し残り、幼羽個体と思われます。(写真)2021年9月24日茨城県浮島で撮影(ウズラシギの胸の色と模様)ウズラシギの胸の色と縦斑も実にいろいろです。写真は2017年千葉県成田市で撮影した個体です。左の個体は胸に赤褐色がありますが、右側の個体は目立ちません。(ウズラシギとアメリカウズラシギ)ウズラシギと似ている種類としてアメリカウズラシギがいます。写真は2011年7月に茨城県利根町で記録した個体です。胸の縦斑が密で前方向から見ると白い腹との境がはっきりとしています。また、頭頂と胸の赤褐色が弱い感じがします。
2022.05.01
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春の渡りがもうスタートしており、ホームグランド手賀沼沿岸にムナグロ、キョウジョシギ、トウネン、キアシシギ、ソリハシシギ、チュウシャクシギといったシギ・チドリが降りたつ時期となりました。鳥友からムナグロの夏羽、冬羽、幼羽について質問をもらいます。画像とその特徴を整理したものを提供します。(1)成鳥夏羽額から眉斑、頸側を通って胸側と脇腹にかけ白い帯があります。脇腹に黒い横斑があります。頭頂から上面は黒色、黄褐色、白色の斑が目立ちます。下腹部と下尾筒は白黒の斑となっています。虹彩は焦茶ですが、野外では黒っぽく見えます。(写真)2020年5月10日手賀沼沿岸で撮影、2020年4月26日印西市で撮影(2)成鳥冬羽から夏羽に換羽中の個体額から体下面の汚白色の羽先が擦り切れて内側の黒色が出てきます。(写真)2020年5月3日茨城県浮島で撮影、2019年5月3日手賀沼沿岸で撮影(3)幼羽上面は黄色がかっていて下面は一様に白っぽく見えます。(写真)2020年1月2日茨城県浮島で撮影(4)成鳥夏羽から冬羽に移行している個体上面は黒色、黄褐色、白色の斑が目立ちますが、下面は換羽中の個体は黒い羽が点在しているように見えます。(写真)2013年9月1日茨城県西の洲で撮影(5)同じ環境で観察することが多いキョウジョシギとの比較参考として同じ環境で観察する機会の多いムナグロとキョウジョシギの写真です。(写真)2021年5月5日印西市で撮影
2022.04.24
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鳥友からオカヨシガモの嘴橙色部に小さな黒班がない個体を観察したと報告をもらいました。雌幼羽、雌非生殖羽、雌生殖羽では小さな黒斑に違いがあります。一枚目は、2021年12月10日に柏の葉公園で観察した個体です。この個体は雌幼羽で橙色部に小さな黒斑は見られません。二枚目は2016年11月27日に松戸市千駄堀で観察した個体です。三枚目は2020年2月2日柏市正蓮寺で観察した個体です。非繁殖羽に比べると黒斑は目立たなくなっています。
2022.04.17
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鳥友から眼先のピンクになったコサギを見かけたけれどと質問をもらいました。初夏から夏にかけていわゆるサギの仲間では、目と嘴の間の皮膚などが種ごとに平時とは異なった一時的に現れるのがいわゆる婚姻色です。主なサギの婚姻色を整理すると、次のとおりです。ダイサギでは眼先が緑青色、チュウサギでは黄色、コサギではピンクまたは赤色、ヨシゴイでは眼先がピンク色、アオサギでは眼先から嘴、足が赤味を帯びます。(写真)一枚目:コサギ2022年4月8日手賀沼、二枚目:コサギ2017年8月2日成田市、三枚目:コサギ2016年7月12日葛西臨海公園四枚目:チュウサギ2017年6月12日柏市、五枚目:ダイサギ2021年5月2日成田市、六枚目:ヨシゴイ2021年6月26日印西市、七枚目:ヨシゴイ2020年7月19日印西市、八枚目:アオサギ2022年3月30日松戸市で撮影
2022.04.09
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一昨日、柏の葉近郊の調整池でタシギ20羽以上を観察しました。鳥友から成鳥と若鳥の識別について質問をもらいました。(1)タシギ成鳥と幼鳥の比較タシギの成鳥、幼鳥ともに嘴長は頭長の2倍以上あります。ただし、成鳥は下列肩羽の外縁は内弁のほうが外弁より細く、赤褐色味が目立ちます。なお、外弁は太くてバフ色です。これに対してタシギ幼鳥は、肩羽は羽縁が白くて細く等幅です。フィールドでは背の帯が淡い感じがします。(ただし、春から初秋までで、初秋をすぎると成鳥との識別は難しくなります)(3)眉斑と過眼線タシギは、眉斑は、目の前で太くなくて後方でも等幅です。ハリオシギは前方で太いのが特徴、チュウジシギは前方では太めで後方は細くて不明瞭です。また、オオジシギは前方が太めで後方は細くて明瞭な眉斑があります。また、タシギの過眼線は太く、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギが細いのとは違いがあります。(4)尾羽タシギはジシギ類の中では尾羽が長めに見えます。(写真)すべて2022年3月25日柏の葉近郊で撮影
2022.03.27
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昨日21日、谷津干潟でズグロカモメを観察してきました。鳥友からその違いについて再度質問をもらいましたので、識別のポイントを整理しました。(ズグロカモメの特徴について)昨日谷津干潟で観察できたのは、セグロカモメ繁殖羽でした。頭が黒く、眼の下に白い縁取りが目立ち、嘴が黒くて短いのが特徴です。頭の黒い部分は、首まで黒く真っ黒な頭巾を被っている印象がありました。(頭の黒い部分について)一枚目から四枚目の写真は、昨日の谷津干潟で観察したズグロカモメ、五枚目は2014年4月に都内葛西臨海公園で観察したユリカモメ繁殖羽、六枚目は2017年3月に都内水元公園で観察したユリカモメ夏冬中間的な個体です。頭の黒い部分を比較すると、首まですっぽり黒いのがズグロカモメ、黒い部分が浅いのがユリカモメの繁殖羽です。(嘴の比較)ズグロカモメでは嘴が黒くて短いです。これに対してユリカモメ繁殖羽では嘴は少し赤みがある黒い色です。(2014年4月の葛西の写真を参照)ただし、2017年3月に水元で観察した夏冬中間的では、頭が真っ黒ですが、嘴は冬羽の赤い色が残っています。(初列風切について)四枚目の写真などでわかるように、ズグロカモメの初列風切は白と黒が交互に入って見えます。黒が少なく、大きな白斑が目立つと言い換えてもよいと思います。飛翔時は初列風切の先端が黒いですが、ユリカモメのように黒い線には見えません。(その他)ズグロカモメでは、上空に出現した後、旋回して餌のカニを探し、発見すると急降下して捕獲します。谷津干潟で観察した個体は、干潟に降りてからカニを食べていました。昨日は5回ほど繰り返した後、一番長くて20分以上干潟で休む光景を目撃しました。そして、渡去する前は、干潟中央部で一時間前後休んでいました。ズグロカモメの食性を考慮すると、干潮となる時間と潮位が最も低くする時間帯を把握してフィールドで注視しているとより確実に観察できるものと思います。
2022.03.22
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4日三番瀬でズグロカモメを観察しました。鳥友よりユリカモメとの違いについて質問がありました。復習を兼ねて整理してみました。(三番瀬で観察したズグロカモメについて)三枚の写真をアップしました。一枚目、二枚目個体は成鳥夏羽で頭部は黒く、目のまわりは白く、初列風切は白と黒が交互にはいって見えました。嘴は黒く、ユリカモメに比べると短く見えました。なお、足は写真ではすべて写っていませんが赤みがかった黒色でした。三枚目の写真は、もう少し拡大したものを記録できればよかったのですが、冬羽個体です。頭部には淡い線が2本あり、耳羽の後方に黒斑がありました。嘴はユリカモメに比べて短く黒色でした。(ユリカモメについて)四枚目は印西市で2018年4月、五枚目は水元公園で2017年4月に撮影したものです。四枚目のユリカモメ成鳥夏羽は、頭部が黒く、嘴は少し赤みのある黒色、上面は青灰色です。五枚目の成鳥冬羽は、頭部は白く、目の上と耳羽の後方に灰黒色の斑があります。
2022.03.08
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昨日、柏の葉近郊の調整池で観察したタヒバリについて鳥友から3年前に同地で顔から胸がバフ色の個体を観察し別種ではと質問をもらいました。(昨日観察したタヒバリ)短い眉斑が眼の後方にあり、嘴基部には黄色味がありました。上面は暗色で縦斑は目立ちませんでした。本日柏市内で観察したタヒバリでは、目の下に黒褐色の細い線がありました。(顔から胸がバフ色のタヒバリ)タヒバリの夏羽は、顔から下面がバフ色で下面の縦斑は少ない印象があり、別種のような印象を受けることがあります。この点についての質問だと思われました。タヒバリ夏羽と近似しているのはムネアカタヒバリですが、こちらは眉斑は不明瞭で、夏羽は頭部から胸が赤みを帯びている点、冬羽は頬に赤みがあり嘴と足は肉色、背に淡色の縦斑があり、三列風切が長く初列風切を覆います。(ビンズイとの比較)ビンズイ冬羽は上面が緑色がかっていて、頬に小さな白斑と黒班があります。上面の色を確認するのがタヒバリとの見分けのポイントだと思います。(写真)一枚目2022年2月26日柏市柏の葉近郊、二枚目2022年2月27日柏市内顔から胸がバフ色のタヒバリ:2019年4月柏市柏の葉近郊で撮影。ビンズイ:2008年12月松戸市内で撮影
2022.02.27
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最近、いくつかのブログでオオアカハラの観察報告がアップされています。鳥友から亜種アカハラと亜種オオアカハラの違いについて質問をもらいました。違いについて整理してみました。(1)水元公園の亜種アカハラと亜種オオアカハラ一枚目の写真は2019年12月16日に観察した亜種アカハラです。これに対して二枚目、三枚目の写真は2022年2月4日に観察した亜種オオアカハラです。亜種アカハラは、頭部がオリーブ色がかった褐色で、顔と喉に黒みがあります。胸から脇腹にかけて橙色です。これに対して亜種オオアカハラは、亜種アカハラに比べて頭部全体が強いのが特徴です。(2)国内に飛来している冬のアカハラは亜種オオアカハラ?冬、国内に飛来しているアカハラは亜種オオアカハラの可能性が高いと指摘している文献があります。四枚目の写真は2013年1月28日千葉県柏市で観察・撮影した個体です。2022年2月水元公園の個体と同様に頭部全体が黒く、以前から飛来していた可能性があります。ただし、冬期の亜種アカハラと亜種オオアカハラの飛来している数が把握された上で、結論を出す必要があると思います。(3)冬以外の亜種アカハラ私共夫婦が出かけたフィールドで観察した個体の記録写真を紹介します。繁殖期でも亜種オオアカハラを見かけています。五枚目の写真は2019年7月に長野県戸隠で観察した亜種アカハラです。頭部の色はオリーブがかった褐色に見えます。六枚目の写真は、2009年5月に栃木県日光市湯滝で観察した亜種オオアカハラです。頭部全体が黒いのがおわかりいただけるものと思います。七枚目の写真は、2014年7月に長野県佐久穂市で観察した亜種アカハラの雌夏羽です。上面が雄に比べて淡い褐色です。
2022.02.20
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何気なく見ている留鳥カワラヒワですが、そこに亜種カワラヒワと亜種オオカワラヒワが飛来していることが知られています。ホームグランド手賀沼とその周辺地区では、10月すぎに亜種オオカワラヒワが飛来し翌年4月はじめ頃まで滞在しています。つまり、留鳥亜種カワラヒワにくわえて、渡ってきた亜種カワラヒワと亜種オオカワラヒワと3者が同時に存在していると可能性が考えられます。外観上の識別ポイントを整理してみました。ご参考となれば幸いです。(1)亜種カワラヒワにいて一枚目の写真は、2019年7月柏市内で撮影した亜種カワラヒワ雄個体です。上面の色が黄緑色(オリーブ色)で、翼や尾の黄色が目立ちます。二枚目の写真は雌で、三列風切の白色部は狭く上面の緑色は弱い感じです。下面は雄に比べて暗色でした。(2)亜種オオカワラヒワについて三枚目から五枚目の写真は亜種オオカワラヒワの雄個体です。三列風切外縁の白色部が広く、目立ちます。頭頸部は灰色です。ただし、三列風切外縁の白色部が狭い個体も見かけます。(3)亜種カワラヒワと亜種オオカワラヒワを同時に観察した場合カワラヒワは春季は換羽せず体羽は磨耗して褐色味が減少(消失)して黄色が増すことが知られています。顔と胸は色の変化が著しく、喉は黄緑色を帯びることを耳にしています。春から夏の個体は2つの亜種の羽色が似ることが予想されます。このため、春すぎは体の大きい亜種オオカワラヒワなのか、そうでない亜種カワラヒワなのか丁寧に観察する必要があると思います。(写真)亜種カワラヒワ:2019年7月27日柏市内で撮影亜種オオカワラヒワ2022年2月18日柏市で撮影
2022.02.18
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年によりますが、初春にツグミの亜種ハチジョウツグミが姿を現すことがあります。ところが亜種ハチジョウツグミと亜種ツグミの中間的に個体を見かけることがあります。亜種ツグミと亜種ハチジョウツグミの特徴を整理するとともに亜種ハチジョウツグミと亜種ツグミの中間的な個体を紹介します。野外での参考となれば幸いです。(ハチジョウツグミの特徴)全体的に淡いレンガ色で、体下面の斑は黒色にはなりません。下尾筒には赤褐色の斑があります。上面は灰褐色で亜種ツグミのようなコントラストはほとんどありません。(一枚目から五枚目までは2020年2月に都内水元で撮影したもの)(亜種ハチジョウツグミと亜種ツグミの中間的な個体)六枚目から九枚目までは千葉県松戸市千駄堀で2015年1月に観察した個体です。上面は灰褐色でハチジョウツグミにように見えます。しかし、この個体は、下面は赤褐色でしたが、耳羽がツグミのように黒く見え、下尾筒には赤褐色の斑は狭いのかほとんど見えませんでした。これにのことから亜種ハチジョウツグミと亜種ツグミの中間的に個体と思われました。
2022.02.14
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7日と昨日観察できたアカガシラサギの外観的な特徴を整理してみました。・上嘴:黒っぽく見えました。このことから観察した個体は若鳥と思われました。(成鳥冬羽では嘴は黄色で先端が黒い)・全体的には淡褐色で無斑、頭頂は斑模様でした。・喉から胸には縦斑がありました。・飛翔した際には白い翼が目立ちました。(近似種との比較)アカガシラサギは、シラサギ類と比べると首は短く縮めているとササゴイのように見える可能性があります。また、冬羽は首に縦すじがはっきりあるのでヨシゴイ類のような印象を持つ可能性があります。ただし、アカガシラサギ冬羽とササゴイ若鳥、ゴイサギ幼鳥が同じ時期に観察されることはないと思われますのであくまで参考です。(1)ヨシゴイの喉から体下面の縦斑(線)ヨシゴイの雄では喉から体下面が淡い黄白色で、淡茶褐色の縦斑が中央にあります。ヨシゴイの雌では喉の下に5本の縦線があります。(2)ササゴイ若鳥ササゴイの若鳥にも喉から胸に縦斑があります。ただし、上面は暗褐色で翼の羽縁が黄褐色です。(3)ゴイサギ幼鳥虹彩は橙色で褐色の体には白斑があります。嘴は黄色で先端が黒い。第一回冬羽は全体が褐色で、頭には黒みがあり背と肩羽、雨覆の一部が灰色味があります。(写真)アカガシラサギ:2021年2月9日手賀沼沿岸で撮影、夏羽は2020年7月土浦市で撮影ヨシゴイ:2018年6月、2020年7月印旛沼で撮影ササゴイ:2018年7月都内北区で撮影ゴイサギ:2018年6月土浦市で撮影
2022.02.10
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散歩で出かけた公園にある葦原をみていたら、複数のメジロ、シジュウカラが葦をつつき中にいる虫を探していました。そのうち、メジロを見ていたら、胸と脇が赤褐色の典型的な亜種メジロでした。ところが、ふと思い出したのが、暮れに鳥友のホームグランド柏市内の谷津でみたメジロが胸と脇が赤褐色でなかったこと。案外、メジロをよく見ていなかったなあと反省。帰宅後、胸と脇が赤褐色でなかった画像と今日撮影した画像を比べてみるとたしかに違いが。拙宅の亭主の書庫にあった標識調査のメジロ識別マニュアルを紐解いてみました。すると、特徴として近いのは亜種リュウキュウメジロZosterops japonicus loochooensis 。日本産メジロ亜種の中で最も小さく、胸と脇が灰白色で赤褐色味がない。額は黄色をほとんど帯びず、上面の緑色には亜種ヒメメジロほど黄色味はない。下嘴先端の黒色部は不明瞭。成鳥の虹彩は灰褐色とありました。ところが暮れに観察した個体は近くにいたメジロと大きさは大差がなく、リュウキュウメジロのように亜種メジロよりも小さいとは言えない結果でした。また、下面の白っぽい亜種シチトウメジロでは嘴が長いので特徴が一致せずでした。亜種メジロの個体差なんだろうなという結論になりました。(写真)2022年2月8日撮影(胸と脇が赤褐色でない個体は2021年12月19日撮影)
2022.02.08
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鳥友から3日に手賀沼沿岸で観察したホオアカについて質問をもらいました。ホオアカとカシラダカが冠羽を立てる点、両者の識別について質問をもらいました。(1)冠羽を立てる点について一般的には興奮すると冠羽を立てると言われています。3日に手賀沼の畔で冠羽を立てていたホオアカは、興奮というよりは風が強いこともあり、冠羽を立てているように見えたというように思っています。一枚目の写真です。興奮して冠羽を立てているカシラダカの冠羽を立てる前と後の写真を紹介しておきます。野田市の座生で撮影したカシラダカです。2枚目と3枚目の写真です。興奮していない状態のカシラダカは、4枚目の写真のような状態です。(右が雄で頭上が黒色、雌は頭上は褐色です)(2)ホオアカとカシラダカの識別について両者の識別では、ホオアカのほうが頭や背に灰色味があり、ホオアカの頬は赤褐色、ホオアカは、喉から胸が白く、胸にT字のように見える黒い模様があります。また、胸から腹は赤褐色がかっている個体とそうでないものがいます。カシラダカは胸と胸側から脇腹に茶色の縦斑があります。なお、カシラダカは冠羽を立てたホオジロと誤認されることがありますが、ホオジロは下面は無斑ですが、カシラダカは胸と胸側から脇腹の茶色の縦斑があります。(写真)ホオアカ:2022年2月3日手賀沼で撮影カシラダカ:2016年12月、2017年1月野田市座生で撮影ホオジロ:2021年12月手賀沼で撮影
2022.02.06
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鳥友からルリビタキの雄第一回冬羽と雌の識別、雄の羽色について質問をもらいました。過去撮影したライブラリーを復習し、特徴を整理してみました。(1)雌個体と雄第一回冬羽一枚目:2013年2月16日柏市内で撮影した雌個体脇のオレンジ色と尾の青色が淡く、嘴の付け根はほとんどなく見えます。また、脇のオレンジ色の喉側部分は境界があいまいで、脇のオレンジ色部分の角がしっかりと出ず境界があいまいな印象があります。二枚目:2018年1月14日柏市内で撮影した雄第一回冬羽と思われる個体嘴の付け根は、白い色が少しあります。写真ではわかりにくさがありますが、アイリングは眼先側で狭く見えました。脇のオレンジ色の喉側は境界がはっきりとしている印象で、脇のオレンジ色の角部はしっかりと角が出ているように見えました。(2)雄の羽色三枚目:2015年12月12日柏市内で撮影上面に青色はあるものの、黒味があります。第二回目冬羽と思われます。四枚目:2020年1月12日松戸市千駄堀で撮影上面や風切が光沢のある青色となっていますが、眉斑は嘴の付け根から白い部分が出始めた状態となっています。第三回冬羽と思われます。五枚目:2021年12月26日柏市内で撮影上面や風切が光沢のある青色で、眉斑は嘴の付け根から白い部分が伸びています。成鳥冬羽で4年から5年が経過している個体と思われます。
2022.02.01
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昨日、茨城県浮島でハジロコチドリを観察しました。その特徴を整理するとともに同じ生息環境で観察されるコチドリ、イカルチドリとの違いを整理してみました。ご参考となれはば幸いです。(1)ハジロコチドリ冬羽画像は、昨日観察した個体と2013年8月三番瀬で観察した個体です。後者はまだ夏なのに嘴がほとんど黒くなっていました。(外観上の特徴)・頭部:夏羽の黒色部が褐色味を帯びて細い(夏羽は額と眼より後の眉斑が白い。過眼線と前頭が黒くつながる。頭頂から後頭は灰褐色。喉から後頸は白い)・胸帯:褐色味を帯びています。(夏羽は黒く太い)・上面は灰褐色、コチドリより暗色。白く太い翼帯がある。・下面は白い・嘴は短く、冬羽は黒色(夏羽は黄橙色で先端が黒い)・足は黄橙色。(2)コチドリ冬羽頭部は夏羽の黒色部は褐色味を帯びる。胸帯は褐色味を帯びる。その他:アイリングは淡黄色。(3)イカルチドリ冬羽頭部は夏羽よりも色が淡い。胸帯は褐色味を帯びるその他:アイリングが淡褐色。嘴と足が長い。尾が翼端より突出する。
2022.01.29
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