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3月20日水曜日。春分の日。今日は予報よりかなり天気がよくて朝からお日様が輝いていたので洗濯物を干せた。本当に荒れた天気になるのかしらといぶかるほどの天気だった。お日様の気が変わらないうちに公園で筋トレし、スロージョギングしてお勤めを果たした。午後もまだ天気が悪化しなかったので図書館に出かけた。まず「山と渓谷」を見る。今月は柏澄子さんの連載「凪の人」が始まったのでまずそれを熟読した。山野井妙子さんの人生についてのインタビューの第1回目である。妙子さんは世界的登山家の山野井泰史さんの妻で立派な登山家であるが、夫の名声の影に隠れて一人だけで取り上げられることは少なかった女性である。私は以前から妙子さんについて知りたいと強く願っていたのでこの澄子さんのインタビューは待望の作品だ。記事は精密に現在の生活を映し出していて、さすが柏澄子さんだ。写真もすごく良くて泰史さんのこんな穏やかな表情を見たのは初めてだった。それに素顔で化粧っけのない妙子さんの表情の魅力的なこと!!。映画の中でも全くのすっぴんで質素な衣類をまとって登場していたが、その中からにじみ出るオーラというのか人間力というのかとにかく強く何かを発している人だ。 次に健康雑誌「壮快」を手に取った。表紙に華々しくうたってあるコピーに目がいってしまったのだ。 なかなか興味深い記事がいくつかあった。「タンパク質で若返る」は老化を防ぐにはタンパク質が重要であるという話で一応知ってはいたが詳細に記載してあるので復習した。次にコーヒーがいろいろな病気に有効であるという記事があってとても参考になった。コーヒー好きの私としてはコーヒーを健康に役立てれば一石二鳥なので真剣に読んだ。そして「生命の貯蓄体操」というのもあってしっかり読んだ。要するにこれはヨガの簡易版だ。これまでヨガの基本アーサナとしてやってきたことが説明されていたのであらためてヨガの偉大さを感じた。参考になる健康記事を読んで何となく元気になれそうな気分になって図書館を後にした。まだ悪天になる前でラッキーだった。
2024年03月20日
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12月19日火曜日。この冬一番の寒気が入ったということで朝はこれまでで最も寒かった。けどまだましだろう。一昨日、友人の長谷川 隆さんから本が送られてきた。長谷川さんとは教職時代の同僚で市内在住の男性である。彼は社会の先生で資料を駆使して、歴史や物事をまとめていくのがとても得意な人だった。退職後、この地の民間飛行家・伊藤音次郎の生涯に興味を持って調べるうち、熱中して本を出版するまでになった。最近、その本が上梓され、出版されたので、元同僚の私にも贈呈して頂いたという訳である。本を一見しただけで驚いた。A4判でとても分厚い。中身をみるとびっしく文字が書いてあり、写真や図を初めてとした資料が満載だった。驚嘆した。一介の社会科教師だった人がここまで調査研究して地元の飛行家についてまとめ上げている。快挙と言ってよい。内容はまだしっかり読んではいないが、大作かつ労作である。 表紙と本文この本を真面目に読むと多分1か月くらいかかるだろう。音次郎に興味があってもこの膨大な資料を読み解き理解しようとする意欲ある人はどれだけいるだろう。正直、私も自信がない。そんなことも見抜いているのか、贈呈文には興味がない人や膨大すぎて読み切れない人は近隣の公民館や図書館、学校に寄付してほしいと記載されている。とにかく長谷川さんの偉大さを実感させられた。早速丁寧な礼状を送ったのだった。
2023年12月19日
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待望の本が届いた。図書館に取り寄せを依頼していた山と渓谷社発行 谷山宏典著「鷹と生きる~鷹使い・松原英俊の半生~」である。遠い流山図書館からはるばる届いた貴重本で返却期日厳守なのですぐ読んだ。以前、ネットでこの松原さんについては概略知っていたが、本を読んでみると様々なことが判明した。父は銀行員、母は小学校の教員という恵まれた家庭で育ち、慶応義塾大学に進学したけどほとんど授業は受けないで卒業したこと、鷹とともに自然の中で生きていくことを決意して沓掛朝治さんに弟子入りし、基本技術を習うが、1年で独立したいきさつ、特に興味深かったのは奥さんとの出会いや結婚までの流れ、電気も水道もガスもない山小屋での自給自足生活、鷹の訓練などなど。とても常人とは思えない破天荒かつ鷹とともに生きることに喜びに見出す生活に何の揺るぎもないまっすぐな人生を送ってきた人だった。 左手にクマタカを留まらせて新聞を読む松原さん 一緒に狩りをする松原氏とクマタカ加無号 月山の雪深い地域で狩りをする鷹は自分の分身で鷹の断食が過ぎて鷹を死なせてしまった時の悲嘆のくれ方が尋常ではない。「妻子よりクマタカが大事」と言い、大火事の時、妻子の行方よりクマタカを優先して救出したのだった。ただ奥さんもその生き方に共鳴して結婚しただけあって肝が据わっている人に思えた。彼の理想の生き方はデルス・ウザーラだと言う。すごく納得した。大昔、デルス・ウザーラという映画があったのを思い出した。とにかく便利で物質的に豊かな生活というものに全く固執せず、鷹と自然の中でともに生きることが幸福と感じる稀有な人の生き方はすごく刺激的でたるんだ心を揺すられた。
2023年08月10日
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7月17日月曜日。連休最終日。こんなに暑い日は経験したことがないほど暑い一日だった。朝の8時半頃にもう普段の昼頃の気温になっていて洗濯物を干すのにジリジリと日が照り付けて肌が痛かった。ヤバい暑さというより危険な暑さだ。室温が27度にもなっていてエアコンのない廊下ではいてもたってもいられない。何もする気もなれず、エアコンの下でソファに寝転がっていたが思い直して図書館に行った。兼ねてより山形県の鷹匠・松原英俊さんに大きな関心興味があって、もっと知りたいと願っていた。彼に関する資料としては 谷山宏典さんの「鷹と生きる鷹使い 松原英俊の半生」という本が「山と渓谷」社から出版されていることを知り、まず新習志野図書館で検索したが蔵書になかったので今日は中央図書館に行ってみたのだ。担当者に本名を告げ、探してもらった。するとこの図書館にはないが、千葉県の図書館の中に蔵書がある所があるのでそこから取り寄せますとの解答があり、驚いた。自分の図書館にない本を千葉県下の図書館をあたって用立てることができるというのだ。ちょっと感動した。いつ本が届いたという知らせがくるか楽しみにして猛暑日を耐えた。
2023年07月17日
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4月26日水曜日。予報通り朝から雨降り。仕事は休みでもこの雨模様では何もできないので、朝からゆっくりした。8時半頃に起きてゆるゆる朝食を食べ、コーヒーを呑んでから雨の日でも問題ない医者に出かけた。冠動脈にステントが2か所入っているのでそれのメンテ用に血液サラサラの薬などを日々呑まねばならないのである。医者の次はこれも雨でも大丈夫の図書館に行った。次の押し花作品を先日訪れたアンナプルナ山群の風景をメインにしようと思っている。山、シャクナゲ、登山者の三つを入れて画面構成しようと模索しているのだが、いかんせんセンスがないので画面構成が全くまとまらない。図書館に参考になる写真集でもないかと探しに行ったのだがこれがありそうでなかった。!!がっかりして1階に降りてお決まりの雑誌「山と渓谷」「ダンスマガジン」「今日の健康」の3冊を読んで気晴らしした。 山と渓谷 ダンスマガジン 今日の健康でも画面構成をどうしようかと思案にくれてはいる。
2023年04月26日
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図書館に行った時、山岳雑誌「山と渓谷」9月号を手に取った。斎藤しのぶさんの記事が載ってることを知っていたのだ。彼女は最近まで甲斐駒ヶ岳の七丈小屋のスタッフとして沢山の登山者を迎えていた小屋番さんであるが、最近南アルプス馬の背ヒュッテの小屋番として新しい小屋の運営に当たっている女性である。「多くのご縁に恵まれた私の小屋番史」というタイトルで彼女の山小屋との関わりが詳しく述べられていた。これまで七丈小屋で彼女と何度か会ってお世話になり、そのいつも絶やさぬ笑顔と気配りの届いたもてなしに好感を持っていたのであるが、その源がどこにあるかを知った。北アルプスに船窪小屋という温かいもてなしで定評のある山小屋がある。そこはろくに水もない山中なのに通称「お母さん」と慕われている女性が女将でご主人と応援のスタッフで運営されている。私も数年前、お世話になったがすごく温かく気持ちのよい対応だった。今でもその時の快適な山小屋生活は記憶に残っている。しのぶさんはそこのスタッフとして数年働いていたという。あの小屋の経営を経験していれば登山者の立場になった温かいもてなしの真髄が身についているだろうととても納得した。同じく南アルプスの光岳の小屋番として頑張っているKさんと双璧をなす女性山小屋運営者だ。過酷な小屋番生活を元気に乗り切ってほしい。
2022年09月11日
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脊柱管狭窄症と診断されて2週間以上が過ぎた。この病気と診断されながらも熱心にクライミングを続けている友人に色々たづねてみたが決定的な治療法はなく薬三種とストレッチで凌ぎながらクライミングしているということだった。この病気そのものをよく知らないままいたづらに日にちが過ぎてゆき、多少焦っている。そこで「脊柱管狭窄症 腰の名医20人が教える最高の治し方」という本をアマゾンで安く取り寄せて読んでみた。気持ちだけやる気になっても具体的にどのようなストレッチや養生をすればよいのか経験がないので全く分からなかったからだ。1冊読んだらこの病について主な原因と症状、治療法などを理解てきて大分、目が啓けた。原因は明確で要するに加齢だ。加齢と言われるともう逃げ場がない。起こるべくして起こってきた病というより身体の老化だ。受け入れるしかない。でも受け入れながらも全てを諦めるのでなく、できる活動は続けて行きたいので色々学習した。効果があるストレッチやトレーニング、治療法など具体的に著名なドクターがそれぞれの得意分野で回答してくれているので信頼しよう。 更にネットでも有効なストレッチを検索してみたら、なあんだ、これまでやってきたヨガのアーサナが沢山出ているではないか。そんなことなら何も困ることはない。最近すっかりおろそかにしていいるヨガの基本ポーズをきちんとやればそれが脊柱管狭窄症のストレッチになる訳だから全く有難い話ではある。基本に帰れだ。少し元気が湧いた。
2021年10月13日
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プロトレイルランナー鏑木毅さんの「究極の持久力」という本を買って読んだ。彼とは2度会ったことがある。一度目は12年ほど前、長野県上田市で開催されたトレイルランニングの招待選手としてかっこよい走りと姿を見せた時、2回目はスイスに山旅に行った時、シャモニー近郊のホテルで一緒だった。その当時からとても感じが良くて、正に爽やかそのものの男性だった。その後、群馬県庁を退職してプロトレイルランナーとして活躍されている。本の内容は「疲れない身体と頭の作り方」という副題にもあるように、いかにして100キロ以上の長距離ランニングを50歳を過ぎた今でも続けられているのか、その方法論である。シンプルに言えば低糖・アスタキサンチン・トレーニングと言える。長距離を走らねばならないのだから低糖でなく、糖質を多量にとらねばならないのではないかと素人は考えるがそうではないという。体内に蓄積されている自分の脂肪を燃やして走れば莫大なカロリーなのでそれがベストで、海外の一流選手はみなこの脂肪燃焼をエネルギー源として走るのが一般的だという。まず、その説に驚いたが次に脂肪燃焼を早めるために日頃から低糖質の食生活をすることが肝要なのだという。それは私がかねてより考えていた大脳の老化を食い射止めるためにはグルテンや糖質カットという説と共通しているのでとても興味を持った。彼の日常の食事メニューも示されていて大変興味深かった。確かに100キロ以上走るのにご飯はお茶碗1膳だった。糖質が体内にある限りは脂肪燃焼は起こらないので低糖質で早く脂肪燃焼させるのだそうだ。それにしてもそううまくゆくか?できれば私もそうしたい。同時に老化は体内に活性酸素が生じて体を錆びさせるので抗酸化が重要。そのためアスタキサンチンを摂取すると効果的だという。抗酸化が進んでいるだろう私もアスタキサンチンを飲んでみようか。
2021年10月05日
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8月21日土曜日。兼ねてより断捨離を進めていてかなり不用品を処分してきた。これまでどうしても処分できなかった本の中に豪華写真集がある。写真家・土門 拳の「古寺巡礼」と「昭和写真全仕事」、入江泰吉の「入江泰吉写真全集」1~8まで。それに「能面百姿」と「能装束百姿」の豪華本、「日本の野生植物」全3巻である。あまりに豪華すぎて町内会の廃品回収に出すのもちょっとなあと思い、ならばと今日は思い切ってブックオフに持ち込んでみた。 日本の野生植物 古寺巡礼 入江泰吉写真集 能面百姿 能装束百姿綺麗に埃を払い表紙の汚れも落として、ものすごい重量で重い本を息子にお願いして何とかブックオフまで運んだ。買取カウンターで「15分ほどお待ちください」と言われ、15分過ぎに番号を呼ばれてカウンターに行くと「50円」ですと告げられた、衝撃が走った。これだけの本が全部で50円!!。入江泰吉と能楽関係が1冊5円で計50円、植物関係は値段がつきませんと言われたが引き取ってくれた。確かに古いし現在のWEB時代には必要な人は極端に少ないだろう。かって1冊4800円の本が現在5円とは!!。絶句するしかなかった。でももう自宅で保存する意味も感じないのでそれで了承し、取引は終了した。悲しいというか虚しいというかこれが世の移り変わりというかなんとも形容しがたい気持ちだった。
2021年08月21日
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物騒なタイトルが気になってちょっと立ち読みしたらものすごくショッキングな怖いことが書かれていたので、やめられなくなり、立ち読み以上に読んでしまった。でも到底これだけでは読み済まされない内容だと考えて購入した。 デイビット・パールマター著 白澤卓二訳 1600円 家でじっくり読むと更に怖いことが沢山記載されている。頭をガーンと殴られた気がした。要するに日々食べている美味しいパンが私たちの脳を壊していき、老化を早めるということだ。まさか!!だ。 実はパン食に関して思い当たることが色々ある。ずっと玄米など米を朝食に食べてきていたのだが、この春当りから朝の米が胃に重く感じられるようになり、パン食に切り替えた。牛乳やフルーツとともに8枚切り食パン1枚を毎朝食べた。次第に明確には言えない何かが不調になってきた。頭がぼんやりしてスッキリしないのが最も大きい。でもこれは自分の老化のせいだと思い、まさかパンがその老化を促しているとは思いもしなかった。著者は高名な栄養学者で最新の研究による脳と食べ物に関連する啓蒙的著書を発行し、それは世界各国でベストセラーになるとともにセンセーショナルな話題となっているという。米食中心の日本ですらそうだからパン食中心の欧米での深刻さは想像以上だ。 この本を読んで改めて炭水化物、糖分、小麦に含まれるグルテンというものの本質を学んだ。このまま毎日パンを食べ続けていけば肥満はもとより脳の健康が脅かされる。現在でも物忘れが酷くて困っているのだから何とか食い止めなければ。足腰は元気でも頭がダメで山に行けなくなる日が来る。私のこれまでの糖質制限のねらいは体重管理、血糖値管理だったが、それは枝葉末節で本当は脳が老化してしまうのだ。これはほおってはおけない。4月から転勤のストレスでスタイルなどもう気にしないとばかり、糖質を含む美味しい食べ物をあまり制限しないで食べてきた。そのことでもやもやした不調が生じてきた。とにかく食生活を見直して少なくとも小麦製品からグルテンを摂取する危険だけは避けようと決心した。
2021年08月02日
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ウォーキングしていると道端に様々な花や雑草が目に入る。雑草は特に気にしないが、花はこれは何という花だろうと気になることもあった。そんな折、新しく買ったこの本がものすごく役立っている。岩槻秀明著子どもに教えてあげられる「散歩の草花図鑑」である。 園芸種ではない花の名前がなかなかわからない。そんな時、この本はちょっと手軽に調べられてものすごく重宝している。知らなかった花の名をいくつも知ることができた。例えばモミジアオイ、ビロードモウズイカ、ヨウシュヤマゴボウ、セイバンモロコシ、ヤブラン、ツルマンネングサ ワルナスビ、オカトラノオ等々。 昔、田舎の道端や草むらで見て覚えた花名が実は間違っていたことが判明したりもする。子ども時代「キンギョソウ」と教えられていた花は実は「ヒメヒオウギズイセン」だった。 セイバンモロコシ ヨウシュヤマゴボウ ヒメヒオウギズイセン モミジアオイ 小型の本なのでちょっとポーチに入れてこれ何?と思った時、すぐ調べられるのがよい。おかげでこれまで雑草で済ませてきた花や草の名が判明して、ちょっと賢くなった気がしている。
2021年07月29日
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2月14日午後からお日様が顔を出し、穏やかなバレンタインデーになった。ウォーキングにも新鮮味が乏しくなったので変化付けに最新の雑誌を見ようと久しぶりに図書館に行った。コロナ時代なので図書館もソーシャルディスタンス体制のもと、閲覧室の席もとても少ない配置になっていて5人しか椅子に座れない。止む無く最初は立ち読みしていたがやっと席が空いたので椅子にかけてゆったり雑誌を見た。まずは健康関連の「壮快」から。様々な健康法が載っていて本当に効果があるかどうかわからないけど、自分でもできそうな脂肪燃焼リゾットという料理法をメモした。次は女性の生き方ということで「婦人公論」を手にする。多少の固さはあるけど現実的で面白い。五木寛之さんと佐藤愛子さんの対談が面白かった。最後が好きな舞踊関係で「DANCE」。クラシックバレー界の催しやダンサーのニュースが盛沢山なのが嬉しい。特に美しく鍛え抜かれたバレリーナや最新のステージの写真が多いのでとても楽しめる。 帰り道、公園で早咲きの河津桜が何輪かほころんでいるのを見つけた。春は着実に近づいている。グズグズ滅入ってないて元気を出そう。 ほころび始めた河津さくら
2021年02月15日
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原田マハという女性作家の本を初めて読んだ。ものすごく驚き、感動した。最近聞くようになったアート小説というジャンルを作り出したのはこの人だ。画家や美術に関するものが題材になっていて、自分では何も描けないけど美術が大好きな私はとても興味がわき、瞬く間に読み終えた。先日偶然見たテレビでマハさん自身が登場していて、その人となりを見ることができた。「ジベルニーの食卓」を読んだイメージとしては楚々とした控えめな女性という感じだったが、実際はてきぱきした明るい女性に見えた。作品はマティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、モネなど印象派の画家たちを、使用人や友人、知人、家族など近くにいた人たちを通して描いた短編集。「冬の日だまりと夏の真昼ほどに違うふたりの芸術家」、マティスとピカソ。対照的なふたりの交流の描写がとても味わい深い『うつくしい墓』。『ジヴェルニーの食卓』は文章の表現がとても優雅で味わい深く、画家の様子がこの上ない愛情をもって描かれていて超よかった。 ジベルニーの食卓 原田マハ さん原田マハさんの経歴を調べていたら兄が小説家の原田宗典ということが分かった。兄弟そろってすごい才能の持ちぬしだ。それにしても経歴から見えるマハさんのエネルギーには恐れ入る。
2020年08月21日
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辻村深月さんの「かがみの弧城」を読んだ。500ページ以上もある大作なのでまた不眠症になったら困ると思い、最初は少しづつコントロールしながら読んでいた。不登校の話なのだが序盤から引き込まれた。私自身も不登校の中学生と関わる仕事をしているのだが、不登校の女の子・こころの心理描写が抜群でカウンセラー以上だと思った。不安定で一貫性がなく波打つ感情にとてもリアリティがあってこういう状態にある女の子の気持ちを実にうまく表現している。 本屋大賞受賞の辻村さん最初は不登校の話だけかと思っていたらそんな単純な話ではなかった。光るかがみの向こうに現実とは異なる世界が展開していくのだが、そのあり得ない着想が人並みではない。中学生の心を巧みに表現しているものの、特に大事件が起こるわけでもないのに、すごく面白くて又しても読むのを止められなくなっていた。特に最後の「三月」「閉城」の章は圧巻だった。全編に巡らされたいた伏線が次々に回収され、解決されていく小気味よさと納得。更に読むのを止められなくなった。過去・現在・未来にまたがった壮大な展開に最期は何か涙が滲んでしまった。何という才能、何という着想、何という展開、何もかもが驚愕だった。こんなすごい才能の持ち主がいたんだ。辻村さんの本を読むきっかけになった芦田愛菜ちゃんの「愛菜の本棚」に対談で登場していた辻村さんがここまでの作家とは予想してなかった。愛菜ちゃんは「辻村先生は神様のような人」と言っていたが本当だ。大傑作で、本屋大賞とるのも当然だと思えた。更に彼女が千葉大学教育学部卒業というのがすごく身近に思えたし、子どもたちの心理描写や学校内部の様子が現実生活と全くずれてないのにも納得させられた。今日はこの本と辻村さんのことで一日中興奮が覚めやらなかった。良い本を読むことができた幸せを感じた。
2020年07月23日
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そうでなくても不眠症で寝付きが悪く、日々苦労しているのにその上に本が面白過ぎて益々眠れない事が続いている。その本とはまず湊 かなえさんの「境遇」である。この平凡な何のインパクトもない「境遇」というタイトルを見て何の期待もせず、眠れない夜の連れずれにと読み始めたら、これが面白すぎて止まらななくなってしまった。湊 かなえさんの本はこれまでに数作読んでいて並々ならぬ力量の持ち主とは知っていたが、この「境遇」というタイトルに騙されてしまった。おかげで朝の4時まで読んでしまい、それから無理やりベッドに入ったが読後の興奮が残っていてすぐには眠れず、翌日睡眠不足で手痛い目にあった。仕事中、1日ボーとしていた。 時代を代表する二大女流作家の作品そんな酷い目に合いながら2日後にまた同じ失敗をした。次はお馴染み恩田 陸さんの「夜のピクニック」である。これを読み始めた時はまだ寝る前で少しだけ読もうと考えていたのに、どんどん引き込まれてしまい、止められなくなってけっこう分厚い本を数時間かかって読破した。その後はやはり読後の様々な思いが頭をよぎり、眠れなくなってしまった。恐るべし、本の力!!。と言うより湊さんと恩田さんの力!!。
2020年07月21日
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クライミング専門誌に「ロックアンドスノー」という雑誌がある。その最新号に知人の記事が色々載っていてとても興味深く、楽しめた。皆さんの活躍が大いに頼もしかった。 ロックアンドスノー 表紙 杉野 保 追悼集でもあるまず一つ目は松原尚之ガイドの「High Sierra 知られざるもう一つの聖地へ」だ。8ページにわたる大特集を組んでアメリカのクライミングエリアを紹介している。豊富な写真でとても丁寧な説明がされている。 次が橋尾歌子ガイドの「トルコ ゲイクバイリの岩場」である。橋尾さんと鈴木昇己さん、篠原達郎さんなど5人がトルコの岩場を訪ねてクライミングした記録と紹介である。こちらも楽しい写真とイラストレーターの橋尾さん描く綺麗なイラスト入りである。次が黒須 寛さんの「上タケ沢・下タケ沢の氷柱群」という奥鬼怒エリアの氷柱を初登した記録なのであるが、そこにわが友・里奈ちゃんがかっこよく困難な氷柱を昇っている写真がいくつか掲載されている。こちらは9ページに及ぶ大特集になっている。カッコイイ未踏の氷瀑写真が沢山出ていて迫力満点で興味をそそられた。 氷瀑を昇る里奈ちゃんまだある。松原尚之ガイドの「より高くなく より困難でもない岩稜&ルート案内「獅子岩」である。松原ガイドは同じ雑誌の中で二度も執筆していることになる。こちらはタイトル通り特別困難ではないが、新しく開拓されたルートの紹介であるり、国内外に渡る松原ガイドの活躍がよくわかる。この号は知人の関係する記事が多くてとても親しみがあり、隅々まで読んで楽しめた。更に先般、伊豆城ケ崎で事故で亡くなった杉野 保さんの追悼号でもある。その故人を悼む追悼文の中にこれまた菊池敏之さん、山下勝弘さん、平山ユージさんなどの知人が悼む言葉を載せていてホントにこの号は知人のオンパレード号だ。こんなことは初めてだ。
2020年07月05日
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女優の芦田愛菜ちゃんは慶應女子中に合格できるような賢い少女だとは知っていたが、この「まなの本棚」を読んで実に感心した。芸能界というような通常ではない世界にいて女優として既に名をなし、名門高校で学ぶ愛菜ちゃんがどんな本を読んできたのかとてもよくわかり、興味深かった。何よりその読書量が並みではない。古今東西の古典は勿論、現代の作品も沢山入っていて、彼女の5倍位長く生きている私より読んでいるような気がした。読後感が彼女の言葉で端的に表現されていて、とても分かりやすく読みやすかった。くどくど説明しないのも好感が持てた。京大の山中伸弥教授や作家の辻村深月さんとの対談もとても面白かった。ノーベル賞受賞者や気鋭の小説家を相手に丁寧かつ対等に話が進んでいくことも凄い。大体はこんな偉い人と対談なんて萎縮してしまうものだが彼女は伸び伸びと自分の疑問や気持ちを素直に相手に伝えている。すごい子だ。 1冊1冊の本の紹介や自分の感想・意見が手短に書かれているので楽しく楽に読めた。愛菜ちゃん、有難う。
2020年07月02日
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恩田 陸さんの「祝祭と予感」を読んだ。「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ小説なので「蜜蜂と遠雷」を未読の人にはあまり魅力的ではないかもしれない。「蜜蜂と遠雷」に登場してくる人物のそれまでの様々な人間模様や生い立ち成育歴・出会いなどがつづられている。ものすごく面白くて夢中になり、一気に読んでしまった。「蜜蜂と遠雷」ほど長編でないことも気楽に読めた一因だろう。6編の短いエピソードから構成されていて、そのどれもが興味深いものだった。恩田さんの表現が丁寧で的確かつ情緒にぴったり合う。『祝祭と掃苔』入賞者ツアーのはざまに亜夜とマサルの恩師・綿貫先生の墓参りをする3人(亜夜、マサル、塵)。『獅子と芍薬』芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員ナサニエルと三枝子の若き日の激しい出会いとその後。『袈裟と鞦韆』作曲家・菱沼忠明が課題曲「春と修羅」を作るきっかけになった忘れ得ぬ教え子の追憶。『竪琴と葦笛』ジュリアード音楽院プレ・カレッジ時代のマサルの意外な一面。『鈴蘭と階段』楽器選びに悩むヴィオラ奏者・奏への天啓。『伝説と予感』巨匠ホフマンが幼い塵と初めて出会った永遠のような一瞬。天才は天才を見抜き、選ぶ。私のような凡才にはただ憧れの世界だ。全編を読んで「蜜蜂と遠雷」への理解が深まったし、映画の一場面一場面ともつながって豊かな気分に満たされた。
2020年06月28日
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今日は朝から曇り空で雨は降らなかったものの、すっきりしない一日だった。ジョン・クラカワー著 森 雄二 訳「エヴェレストより高い山」~登山をめぐる12の話~をやっと読み終えた。山や冒険に携わる人々の心情を綴った山岳エッセイの名作で12の短編から構成されている。少し硬いし、自分もよく知っている高所登山や山岳遭難やクライミングやボルダリングが内容なので気楽に読み飛ばすことができず、1章1章その日の気分に合わせて読んでいたらいつまでたっても完読せず、やっと終わったという感じだ。クラカワーの作品はこれまでに「空へ」や「荒野へ」を読んでいた。どちらも映画化されていてそちらも観た。「空へ」は彼自身が当事者で参加したエベレスト大量遭難事件を題材にしていて映画の中でクラカワーらしき人物を見て、うなづいたりした記憶がある。「荒野へ」はかなりインパクトが強くて雪の中で車中で死亡している場面が印象に残っている。 エッセーはどれもしっかりした内容だったが、自分的には「キャニオニング」と「エベレストより高い山」「シャモニーの休日」が面白かった。
2020年05月26日
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ここ2,3年、歩き始めにすごく下半身にエネルギーが回ってない感じがして、歩くのがとてもしんどかった。どうしてこうなったのかあれこれ考えたり、知人に尋ねても不明で最終的には「年のせい」ということで落ち着いていた。しかし、最近、年のせいだけではなく、栄養のせいではないかと思うようになった。要するに登山でもジョギングでも必要な糖分をしっかり摂取してなかったのではないかと思い当たった。それで太ることを気にせず三食糖分を摂るようにした。するとしんどいのが以前より少ない気がする。タイミングよく、書店で「女子アスリートの食事と栄養」と言う本を見つけた。アスリートというほど激しい運動やパフォーマンスはしないけど、低強度のアスリートかもしれないと考えたので本を買った。アスリートつまり運動を沢山する女性の栄養の摂り方の基本理論から実際の食事、メニューまで様々な内容が網羅されていてとても役にたった。以前やっていた断食や糖質制限食などは一見、痩せて良いような気がしていたが、糖質を撮らないからエネルギー不足で筋肉が分解されてしまい、逆に太りやすい体になっていたという訳だった。もうこんな年齢でそんなに痩せる必要もないと思い、三食糖質を摂る生活に変えた所、夕食後なのに何か甘いものが食べたいとか袋菓子を見ると一袋全部食べるなどの食行動が起きなくなった。それに三食糖質を摂っても凄く太ったということもない。よくよく周囲の人を観察してみるとスリムな人はみんな糖質をしっかり食べている!!。自分のこれまでの食生活を大いに反省した。これからは糖質もしっかり食べて納得のいくパフォーマンスができるようになりたい。
2020年05月15日
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3月17日 山岳雑誌「山と渓谷」4月号をわざわざ買いに行って読んだ。通常は図書館で読むのだがなにしろこのご時世で図書館はクローズしている。でもどうしても読みたい記事があったので丸善まで買いに行ったのだ。数年ぶりに買ったら1200円もしたので驚いた。こんなに高かったっけ?800円位だった記憶があるがそれは昔の話か?。浦島太郎になっていた。読みたかった記事は友人の柏 澄子さんの「平成を登った女性たち」という特集で第1回目の今月号は山野井妙子さんを扱った内容だ。山野井妙子さんは山野井 泰さんの妻で派手な話題に囲まれてきた夫の傍らに常にいて一緒に過酷な山行を果たしてきた女性だ。両手両足の指は凍傷で切り落とされていながら、包丁をもって炊事をする女性だ。私はこの妙子さんにとっても関心があって詳しく知りたいと兼ねてから思っていたが機会が無かった。せめて記事で読みたいとわざわざ本を買ったのだった。内容はけっこう固くて読みこなすのに集中力が求められたが、彼女の業績や山に対する姿勢は理解できた。素朴な人柄に一層惹かれた。 文 柏 澄子 平成を登った女性たちもう1本はこれも友人でガイドの佐藤勇介さんの「厳冬期 剱岳北方稜線完全縦走」という記録文だ。佐藤さんは若いガイドで普段はガイド業をなりわいとしながらも、年末年始にこの縦走を果たしたのだった。フェイスブックにこれから北方稜線に出発するという記事がアップされ、その写真はものすごい重量のザックが載っていた。過酷な縦走の様子が淡々と記載されていた。カラーでないのが残念だった。 文 佐藤 勇介 出発時のザック(FBより) テントの中で(FBより) 最近、目が悪くて活字を読むのはかなりしんどくなっているのだが、久しぶりにじっくり内容を含味しながら読んだ。
2020年03月17日
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福岡伸一さんのフェルメール「光の王国」を読んだ。~科学と芸術のあいだを遊泳する著者の新境地~と帯に書いてあり、興味をそそられたのだった。「フェルメールの作品が所蔵されている美術館に実際に赴き、鑑賞する」を旅のコンセプトに、世界各地の美術館が擁する珠玉のフェルメール作品を4年かけて巡った、ANA機内誌『翼の王国』の人気連載の美術紀行である。結果を言うとすごく面白く、避難所生活のつれづれの時間が実に有意義なものに変わった。フェルメールの絵が展示されている海外の美術館を福岡さんが次々と訪ねていって、細かな検証を重ねていくという形になっているのだが、そこに科学者の視点が深く入っていて、私など思いもつかなかったような見方が展開されている。まさに生物学者・福岡伸一がおくる極上の美術ミステリー紀行となっている。非科学的思考の私でも理解できるように書かれているのも嬉しいし、この福岡さんは文学者と言ってもいい優れた表現者だと感じた。フェルメールが住んだ街 デルフトを描いた「デルフト眺望」が表紙 「真珠の耳飾りの女」を観る福岡さんフェルメールの名作が展示されている美術館というのがウイーン、ベルリン、ドレスデンなど私が訪ねた都市であり、更に訪ねた美術館が登場してくるのですごく親近感があり、共感させられた。しかし同じ作品を観てもここまで考察する科学者とぼんやり観ていた私とは雲泥の差だ。昨年ドレスデンのアルテマイスター絵画館で見た「取り持ち女」などまだ日にちが経たない分、印象もはっきり残っていて福岡さんの観察がとても緻密で奥深いと感じた。 アルテマイスター絵画館 取り持ち女終章に「ある仮説」としてフェルメールと同時代を生きたレーウエンフックとの親密な関係を提唱している。手短に言えば芸術家と科学者に共同作業があったのではないかといういう説だ。福岡さんが幾多の美術館で作品を観、科学者の考察を加えた結果の説で、ある意味推理小説みたいで刺激的だ。フェルメールの絵画がカラーでふんだんに出てくるし、ウイーンやベルリンなど街の風景も登場する。美術館のフェルメールの絵を観たり、キュレーターと話している福岡さんの写真もかなり挿入されていて旅の現実感があった。内容が深く分析的なだけでなく科学者の思考による推理的な本を読むことができ、とても面白かった。確かに新境地と言えよう。
2019年10月13日
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9月22日お彼岸の中日だ。ご先祖様の墓参りにも行かないバチ当たりな生活をしている私である。その点妹は偉い。ちゃんとお墓参りをしたり仏前におそなえ物をしたりする。雨予報だったのにお日さまが照ったりして暑めの一日だった。このところ、予報が外れている。雨が降らないんだったらハイキングにでも行くのに!!。止む無くこの腐ってろくに働かない頭をリフレッシュする新しい情報はないだろうかと丸善に出かけた。しかし、山岳関係、健康関係、生活関係などの書架を見ても興味ある本がなかった。せっかくここまで来たのに空手で帰るのもと思い、押し花の本を買った。「私の花生活」特別編集「押し花の風景 セレクション105」である。これは押し花の季刊誌『私の花生活』のバックナンバーから風景画をメインに再収録したセレクションブックで、① 湖畔 ②渓谷 ③花咲く風景、④里山 ⑤紅葉 ⑥雪景色と人気の風景6テーマで構成され、計105点が掲載されている。押し花を習い始めてほぼ3年、最近は風景画を制作することもあるが、なかなかアイデアが浮かんでこない。そんな私にこの本は力になってくれるだろう。
2019年09月22日
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「17歳で両足指をすべて失った青年は再び山をめざし、トップclimberとして知られるようになった。日本人として初めてマッターホルン北壁登攀に成功した芳野満彦は、登山のかたわらで山への憧憬や登攀の印象を詩画に表し、幅広い登山者の共感を得てきた。初版から6度版を重ね、60年に渡って読み継がれてきた名作の完全版」と紹介されているこの本、私も何版かは知らないがかって二度ほど読んだことがあった。この完本はツブカル山登山の主宰社アルパインツアーからもらったものである。9月になってやっと日々読み継いできた。 今回読んでもやはり「青春の日」の記録から「八ヶ岳遭難」が最も印象深かった。若い日の遭難が鮮烈に描かれていて何度読んでも心に残る。とても高校生の文とは思えない。芳野さんは高2の時、八ヶ岳で遭難し、凍傷で両足指を切断、かかとから先まで12センチしかない!!。以後、五文足の山男と言われる。次は「徳沢の生活」で初めて読んだ時と同じである。詩・散文詩に絵もたくさん載っていて芳野さんが単にガムシャラな登攀者だっただけでなく感性豊かな詩人であったことがよくわかる。絵はモノクロの粗目のタッチで素直な表現で味がある。最後のページの藤木高嶺さんの解説並びに布川欣一さんの「芳野満彦 登山と表現の青春」の文も素晴らしく、改めて芳野満彦の実像を知り、この山に生きた超人の生涯に畏敬の念を新たにした。
2019年09月20日
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8月15日終戦記念日。台風10号が広島に上陸し、中国・四国地方は豪雨に見舞われた。愛媛県に住む妹や姪が気になって台風お見舞いメールを送った。こちらは以外と落ち着いた天気で晴れたり曇ったりはしたものの昨日ほどではなかった。このところ、プールで水中ウォーキングや水泳をした後、図書館で読書して帰宅するという日課を続けている。今日も書架を見ていたら宮田八郎さんの「穂高小屋番レスキュー日記」という本を見つけ、早速、借り出してきた。 宮田八郎さんは2年前伊豆で水難事故で亡くなった。それまでは穂高小屋のスタッフを長年続けながら、ハチプロという映像作家として穂高の美しい風景を映し出して世に送り出して来た。勿論あちこちの登山もしていて、私とはこれも伊豆の海で一緒に亡くなった木村道成ガイドとともに南アルプスのブライダルベールや一の沢大滝などテント泊アイスクライミングに一緒に行った。ホントに何でこんな素晴らしい山男二人が海で亡くなってしまったのという痛恨の思いを今でも捨てられない私であるが、この本は宮田さんが書き溜めていた文に関係者が加筆してまとめ、発行されたものである。山岳遭難の多い穂高山荘の小屋番として否応なく関わらなければならない遭難救助という現場での苦労や山に対する考え方がまっとうにかつ淡々と描かれていて、違和感なく読める。 在りし日の宮田さん一緒にアイスクライミングに行くとテント泊の荷物を沢山担いでくれ、更に様々な珍味を持参してご馳走してくれた八郎さん、「僕のはアイスクライミングじゃなくてつるはし掘りだね」と言ってよく笑わせてくれた宮田さん。貴方と木村さんのことはずっとずっと忘れません。
2019年08月15日
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6月22日土曜日、朝から曇り空でどんよりと重い雲が空に広がってはいるが雨は落ちてこない。津田沼の丸善に行った。かねてより酢、寒天、ランニングに関する新しい知識を得たいと望んでいたので本を探しにいったのだ。そしたらありました、ありました、あまり苦労せず求める内容が載っている本を探し出すことができた。 料理 渡邊真理子 監修 小泉幸道 TATSUMI MOOK 490円+税最近、野菜を酢に漬けて食べることにハマっている。最初は酢タマネギからだったが、浅漬けのもと、便利酢など漬けておけば美味しい酢漬け野菜が作れる調味料があるのでそれを活用してキュウリ、キャベツ、セロリなど酢漬けをおやつのようにして食べてきた。でも自己流なのでもうちょっときちんとやりたいと思い、基本を書いてある本を探していたのだ。この本は酢の効用や漬ける時の基本と料理への応用などが沢山記載されていてとても役立ちそうに思えたので即決。 石澤 清美 主婦の友社 1100円+税続く寒天も同様だ。自己流でトマトヨーグルト寒天、キウイ寒天、おかず寒天など作って食べ続けてきたがもう少し発展したレシピや洒落たれしプが知りたかったのだ。この本も私の要望をしっかり満たしていたので迷わず購入。最後のランニングの本は別になくても良いのだが、ジョギングもだんだん独りよがりになったりマンネリズムに陥る恐れもあるので新しい知識や方法、未来へも展望などを知ることで刺激を受けようと購入した。何しろ先生無し、仲間無しの独学ジョギングだから。 金 哲彦 監修 1400円+税本日の書籍代トータル2990円+税で3229円。本はほとんど図書館で借りて読んでいるので新しい本を買うことは滅多にない。滅多にないことをしたからにはしっかり現実生活に還元できるようにしなくちゃ。
2019年06月22日
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今頃になって「マスカレードホテル」を読んだ。特別な動機もなく暇だったのでかって映画化されて話題になった本でも読もうか、東野圭吾だからつまらないってことはないだろうくらいのノリだった。それに「マスカレード」の意味は「仮面舞踏会」だからプロコフィエフ作曲の魅惑的な音楽「仮面舞踏会」をイメージして、どんなホテルなんだろうと想像したりしていた。所が読み始めたら面白くなって止められなくなった。時間がないので最初は少しづつコマ切れに読んでいたが、後半は丁度腰痛で動けなくなった時期と重なって一気に読んでしまった。すごく面白かった。何でこんな面白い本をベストセラーになっていた時期に知らなかっただろうと自分のうかつさを反省した。一見華やかなホテルに来る客はみんな仮面をつけてくるという発想がわかり、納得した。 この本を原作として映画化もされたが映画も観てない。マスカレードホテルの映画の派手なポスターは見たが同時期公開の「七つの会議」を観ていた。木村拓哉が初の刑事役、彼の教育係である優秀なフロントクラークに長澤まさみという興味深いキャストと豪華俳優陣が脇を固めて誰が犯人なのかわからないようになっている。 今更だけど映画もみてみたくなった。いずれにしても東野圭吾はすごい。
2019年06月18日
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最近お世話になっているSガイドのクライミング講習会にサブガイドとして同行して下さっている橋尾歌子さんは登山ガイドであると同時にイラストレーターでもある。お会いする前から山岳雑誌「山と渓谷」でいつもそのカラフルなイラストを拝見していたが、そのご本人と会ったのは冬のアイスクライミングからである。今回は同室に泊り、一層友好が深まった。記念にその著書「それゆけ避難小屋」を購入した。橋尾さんご自身のサインとメッセージ付きである。 避難小屋は悪天候などの非常時に避難・休憩・宿泊するための山小屋で、営業小屋のように管理人がいないことがほとんどで個性的な小屋が多い。この本は『山と溪谷』2014年4月号から好評連載中の「それいけ避難小屋」を単行本化したもので、著者独自のカラーで描かれた間取り図や説明文は、写真や図面と違い、小屋の雰囲気が匂ってくる。東北から四国までの51軒を全て実踏調査。いまだかつてない「避難小屋イラスト図鑑」に仕上がっている。 橋尾歌子さんと パワフルなクライミング私は避難小屋に泊ることはあまりないのだが、この本を見てると面白くて行って泊って見ようかという気にさせられる。かって泊ったことのある甲斐駒六号石室などとても懐かしく、「こうだっけ」と復習して楽しんだ。
2019年05月27日
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モーツアルトを聴きながらジョギングする楽しみを味わってきたのだが、ふと立ち寄った図書館で「サリエーリ~モーツアルトに消された宮廷楽長~生涯と作品」という本を見つけ、読んでみた。著者は水谷彰良さん。ものすごく立派な内容だった。膨大な資料を駆使してサリエーリの誕生から宮廷作曲家としての生涯をしっかり描いている。以前に「アマデウス」という映画が大ヒットし、そこで凡人サリエーリが天才モーツアルトに嫉妬して毒殺してしまうというあまりにも有名な説が定説となってしまっていた。そのため、宮廷楽長という出世街道を歩んだけど才能は無かった陳腐な作曲家というイメージだった。しかし、正確には彼のことはほとんど知らなかったので、彼の業績や社会的地位をきちんと書き込んだこの本を読んで自分の認識が全く間違っていることに気づかされたし、映画で植え付けられた彼にたいするマイナスのイメージを覆した。中でもモーツアルト毒殺説に対する反論は当時の政治や外交関係など状況も加味していて読みごたえがあったし、納得させられた。サリエーリは宮廷楽長にのぼりつめ、ベートーヴェンやシューベルトを育てた立派な人物なのだがモーツァルトの才能に嫉妬したとして毒殺の犯人にされてしまう・・・。どうしてそういうことになってしまったのか?当時のウイーン対イタリアの関係や作曲家間の思惑など様々な関わりをまとめてモーツアルト毒殺説がどのようにして浮上し、定説化していったのかを丁寧に描いているのが圧巻だった。 それにモーツアルトの伝記は山ほどあってもサリエーリの伝記なんて見たこともなかったので、誤解していた彼を正しく知る意味で非常に貴重で価値の高い本になっている。久しぶりに真面目に本を読んだ。 こうして写真を並べてみると確かにサリエーリは真面目そのもので誠実なおじさん、モーツアルトはかっこいい時代の寵児という感はある。
2019年05月17日
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1月12日朝から雲が広がり、ぽつぽつ雨も降ったりしてすっきりしない一日だった。お日さまが出ないのでとても寒く、陰鬱な天気だった。友達から「医者が教える食事術」~最強の教科書という本を頂いた。この本はかなり話題になっていたので私は書店で立ち読みしたことがある。内容は良かったが買わなかったので身に付かなかった。それが今回は頂いたのでじっくり読むことができた。実際の生活の中で体によい食品とそうでない食品がわかりやすい解説で示されている。根拠が医学的に示されているのが強い。特にほとんどの肥満の元凶が血糖値だというのがすごく納得できた。血糖値が高めで困っている私はこの本を読んで自分にできそうな食事法を取り入れることにした。血糖値は糖分を摂ることだけによって上がるので糖分を控え目にすることが必要だとはわかっているが、現実には夕食後にお菓子を食べたりする食生活をしている。それをコントロールして、夜だけは糖分を控え目にする食生活に何とか移行したい。あと、食品の選び方がとても参考になった。納豆、ナッツ、オリーブオイル、海藻、きのこ、カカオ75%以上のチョコ、アボカド、酢などどれも血糖値に良い食品なのでそれを遠慮なく食べよう。ちょっと勇気が湧いた。
2019年01月12日
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土日に北アルプス穂高屏風岩の登攀を予定していたが、長野県の天候が悪いため中止になった。こちらでは雨は降らないが長野県では大雨注意報が発令されている。しなければならない事はすべてやってしまって手持無沙汰になった。貧乏性でじっとしていられない。久しぶりに図書館に出かけた。人が少ないし涼しくて本が沢山ある。望ましい環境だ。押し花、ヨガ、美術館、世界の歩きかた・ドイツなどの本を借り出し、館内の大テーブルで日経ヘルスや山と渓谷、岳人、婦人公論などの雑誌を読んだ、最近は実用書ばかり読んで(見て)いて、小説を読まなくなった。目がよく見えないので長く読むのはつらく、集中力も乏しくなってきた。何もかも老化のせいにしてはいけないものの、目の老化は厳しいものがある。それでも2時間ほどあれこれ読んで本の世界を楽しんだ。図書館は知識と情報の宝庫だ。活用しなくちゃ。
2018年09月02日
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先日映画を見たばかりの「羊と鋼の森」の原作を読んだ。映画と同じで調律師という仕事や主人公の青年の自己実現していく様子、双子のピアニストの葛藤と成長などとても丁寧に書き込まれていた。特に森のにおいという表現が多用されていた。また、映画では深くはわからなかった主人公を取り巻く調律師たちの経歴や人間性もしっかり書かれていて、遅ればせながら納得できた。作者の宮下奈都さんは全く知らない小説家で今回初めて作品に触れた。調律師という地味な存在にスポットをあてて、そのハンマー(羊)と鋼(弦)の世界を北海道の森の中に生まれた素朴な青年とからめて巧みに表現していた。ピアノを調弦する調律師が主人公のこの作品と、ピアノを演奏する若いピアニストの群像を描いた恩田 陸の「遠雷と蜜蜂」は最近読んだ本の中では双璧に値する良い本だと思う。 羊と鋼の森
2018年07月09日
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6月20日朝から一日しっかり雨が降った。明日も雨予報なので洗濯して部屋干しにした。午後、仕事から帰ってみると5月に会った柏 澄子さんから本が届いていた。「大人の山登り入門」で柏さんが監修されている。とても優しくほのぼのする色彩のイラストと綺麗な山の写真がたくさん入っている。50歳を超えた頃から登山を始める人向きに各方面からの知識・技術の提供がなされていて楽しい出来上がりになっている。私のニーズとは少し異なるけど復習を兼ねてゆったり読んでいきたい。 ほのぼのした色調の表紙 丁寧な誌面
2018年06月20日
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というタイトルの本を読んだ。著者は福岡大学スポーツ科学部教授の田中宏暁という人だ。そもそもは月1回スポーツマッサージを受けにいく整体師さんの薦めである。この男性がマラソンをしていていつもあちこちの大会に出ているらしい。皇居一周もよくやるという。どんな話の成り行きで私にマラソンを薦めたのか記憶が無いが、マラソン大会が面白いから5キロ位の距離に出ないかと誘われた気がする。それも参加賞やお土産が良いとか休憩所にある果物やスイーツが美味しいとか仮装して走るとか面白可笑しいことばかりを紹介された。要するにランニングが目的ではなく、楽しさを求めて参加するのだ。マラソンはしんどいというイメージとあまりにかけ離れていて面白そうだったので、最短の5キロに出場して楽しむにはどうすればいいのと聞いたら週3回3分歩いて3分走るをやれば大丈夫、エンジェルさんなら70歳部門で優勝するよなどどもちあげられて軽いノリでやってみようかなどと思ったのであった。何と言っても登山と違ってマラソンの練習にはお金がかからないのが年金生活者には気軽だ。でも私は理論から入るタイプなので何か手がかりをと考え、安かったこの本を買ったのだ。読んでみたら自分でもできそうな気がしてきた。3分ではなく1分走って1分休むを続ければよいこと、ランはとにかくゆっくり小幅で話ができるニコニコ速度、つまり遊び半分で走ればよいらしい。まだやってはないが、冬休みになって時間に余裕ができたらやってみようかなと思わせる本だった。
2017年12月19日
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いつもお世話になっているKガイドと私の共通する趣味は本・映画・音楽である。Kガイドはアルパインルートや他のガイドが行かないワイルドなルートをテント泊スタイルでガイドする人であるが、趣味は文系なのが意外である。山に移動する車の中でこれら各分野の話で盛り上がる。唐沢幕岩に行った9月末、私は「蜜蜂と遠雷」Kガイドは「ALONE ON THE WALL」を持参してそれぞれ交換した。 ヘブン(5.12)をフリーソロするアレックス・オノルド 撮影 ジミー・チン 早速「ALONE ON THE WALL」を読んだ。この本はフリークライマーのアレックス・オノルド本人のフリーソロの登攀記録とディヴィッド・ロバーツというクライマーの説明文(?)の二つが交互に出てくる珍しい形で構成されている。ムーンライト・バットレスのフリーソロから始まる彼の単独登攀はヨセミテ・トリプルやスピード記録、更にはアラスカとセンデロ・ルミノソやフィッツ・ロイと世界へと大発展している。この本には彼のクライミングに対する純粋かつ用意周到さや世界各地での冒険はもとよりガールフレンドとの葛藤や家族など様々な面も語られていて大変興味深かった。特に彼のクライミングスタイルがチョークバッグとクライミングシューズまではわかるが、加えてヘッドホンとipodというのにはちょっと驚いた。ipodでパンクとデジロックを聴きながらフリーソロ!!いかにも現代アメリカの若者だ。彼の言葉で印象に残ったのは「フリーソロの成否は事前準備にある」としてイメージトレーニングを完璧にすることだ。墜ちると死ぬフリーソロをシンプルで純粋なクライミングとして孤高のうちに究める姿がすごい。常人ではない。ユーチューブで彼がヨセミテの壁をフリーソロしている動画を見たが、何の悲壮感もなく普通のクライミングをしているようにしか見えなかった。 ロープなしで垂直の壁を昇るアレックスまたヒマラヤのメルー中央峰「シャークス・フィン」を昇ったコンラッド・アンカーとそれを描いた映画「メルー」で監督兼カメラマンでクライマーのジミー・チェン(この人のクライミング写真は凄い!!)が彼の大切で親しい友人として登場してきているのも親近感が増した。やはり一流の人は一流同士で繋がっているんだ。同じクライミングでもフリーソロなどという自分とは別世界の話の中に知人がいたような感じで関連を持ててよかった。
2017年10月06日
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遂に「蜜蜂と遠雷」を完読した。めったに会えない素晴らしい本だった。国際ピアノコンテストが舞台でそこに参加する若いコンテスタントの葛藤と成長を描いた物語だが、ストーリーとは別に音楽評論、音楽教育の話にもなっている。耳で聴いて感じる音楽を言葉で表現するのはかなり難しい。なのに著者の恩田さんはピアニストでも音楽関係者でもないのに、その表現力がハンパじゃない。どうすれば音楽を表すのにこのような表現が可能なのかとても不思議だった。中でもコンテスタントがピアノを演奏する時の心の動きが想像以上に深くかつ具体的に表現されていて驚いた。読み始めるとともにストーリーの斬新さ、特にコンテスタントの際立った個性と生き方の対照性、ピアニスト、調律者、ステージマネージャー、審査員などコンテストの現場にいる人々全てが描かれているので、音楽に対して視点を変えた様々な見方が示されていてすごく面白かった。とにかく惹きつけられて先を急いで読みたかったが、筋書きを争って知る物語ではない。急いで読むにはもったいなくてその珠玉のような文章を一字一句じっくり噛みしめて味わい、ゆっくりゆっくり読んだ。毎日毎日が楽しみで読んでいる間中、幸福感に満たされた。実に満足できる傑作だった。 本と著者の恩田陸さん
2017年07月01日
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いつもお世話になっているスポーツ用品店がセール開催中なので出かけ、サプリやソックス、トレッキングシューズなど不足している品を買った。ついでに書籍部を除くと丁度求めている本があった!!。「東京起点沢登りルート120」である。 東京を起点として楽しめる沢登りルートガイドの決定版で 変わりやすい渓谷の最新情報を刊行ギリギリまで取材して製作してある。 奥多摩、丹沢、秩父の三大エリアから、大菩薩・御坂、奥武蔵、房総、妙義山など、日帰りエリア秀渓100ルート、加えて上越、那須、南アルプスなどのアドバンス周辺エリアの厳選憧れ20ルート、計120ものルートを掲載。 原則見開きに1ルートを紹介。 アプローチや下降路など基本情報を左ページに配置、遡行図とルートのポイントガイドを遡行図周りに配置して、行動中は遡行図面周辺を見ながら遡行できる、新機軸のページレイアウトが嬉しい。 ルートの特長、魅力や難易度などもインデックス、アイコンでわかりやすく表示してあって、初心者の私でもとっつきやすい。編者は宗像兵一さんという沢登りを長年し続けてきた沢ヤさんだ。今の私にピッタリの内容なので早速買って読んだ。楽しく面白く昇れる沢がこんなにあるとは全く知らなかった。これまで頂上に向かって登山道を登ったり岩をよじ登る方法で山と接触していたので、滝を昇り河原を歩き、ゴルジュを泳ぐ沢登りというジャンルにとても興味が高まった。やはり夏は涼しい沢がいい。新しい可能性を見つけて新たな夢と希望を持つことができた。年をとっても何でもやってみるものだ。
2017年06月25日
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買うか買うまいか思案中だった「蜜蜂と遠雷」を買った。丁度スマホの修理が完了したため、津田沼まで行く必要があり、ドコモに行ったら90分待ちと言われたので、すぐ隣にある丸善に行って買った。重厚な作りで1800円ブラス税で2000円近くになった。通常、山岳関係以外の本は図書館で借り出して読むため、こんな大金出して文学書を買うなんて何十年ぶりだろう。ページを開くとピアノコンクールの演奏曲目の一覧が出ていて思わず見入ってしまった。 バッハ、モーツアルト、バルトーク、ブラームスなど名だたる作曲家とその難しい曲が並んでいる。思わず圧倒された。これは読破するのに時間がかかりそうだな。ま、焦ることなくじっくり読もう。
2017年06月12日
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このところ恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」の話題が続いている。昨日沢登りに出かけた時、Mガイドから「エンジェルフェイスさん、蜜蜂と遠雷、読みましたか?すごく良いですよ。音楽をやってたんだからまだなら是非読んで下さい」と薦められた。さらに今日、日曜日に家にいる時にはいつも聞くNHKFMの番組「松尾堂」の中で押切もえさんが「遠雷と蜜蜂」がとても素晴らしかったと話し、松尾さんもいろいろ意見を加えて盛り上がっていた。「蜜蜂と遠雷」は、日本の地方都市で開かれる国際ピアノコンクールに、さまざまな経歴を持つ若者たちが挑戦する姿を描いた作品で、今年度の直木賞と本屋大賞のダブル受賞でも話題になり、読もうと思いつつまだ読んで無かった。それで早速読んでみようと市立図書館に出かけた。カウンターでリクエストするとほぼ1年待ちだという。これには絶句。人気が高いから三ヵ月は待つだろうと覚悟していたが、1年待ちとは予想以上だった。この図書館には「蜜蜂と遠雷」が18冊あり、現在リクエストしている人が100人いるそうだ。一人2週間で返却するとして約1年待ちらしい。さすがにそこまで待ってられないからリクエストを撤回して帰宅した。さて、どうしたものか。書店へ買いにいこうか、どうしようか。しばし悩んでいる。
2017年06月11日
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セブ島から帰ってきたのだが、セブ島に行く前にシュノーケリングに関してもダイビングに関しても全く事前学習せずに行った。それでも特に困る事はなく、無事マリンスポーツを楽しむことができたのだが、あまりに無責任のような気がして、帰国してから本を借り出して学習した。長谷川孝一著 小川保 写真 スノーケリングテクニックガイド~初心者から上級者まで楽しく学べて役に立つ~伊藤博子 著 なでしこダイバーデビューブック~海に恋した女性に贈るダイビング入門書~今更ながらではあるが知らないことがたくさん書いてあった。自分の無知ぶりを確認した。これを読んでいけばもう少し余裕で楽しめたかも。次に海に行く時、再度この本で復習して行こう。 ついでにこれから始める沢登りの本も借りた。手嶋 亨と童人トマの風 編著 江崎善晴 画 沢登り ヤマケイ入門&ガイド本は装備から登り方や主要ルートなど必要なことが満載でとても役にたった。これは6月だから今からでも十分に間に合う。何でも新しく始めるからには事前準備が必要だ。そんなこと百もわかっているのに学習無しで出かけた自分は無防備すぎた。海でも沢でも水が関係するので通常の登山以上にリスクを伴う。ちゃんと学習していかなくちゃ。
2017年04月13日
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ちょっと前、本を同時4冊並行して読んだが、その中で最もよかったのが辻村深月さんの「ツナグ」だった。死んだ者と生きる者の再会を仲介する使者“ツナグ”の見習いを努める高校生が主人公という現実にはあり得ないような内容であるにもかかわらず最も理解しやすく頭にすっと入った。死者と生者を媒介して合わせるツナグという仕事の継承やどうやってツナグ力を得るのかなどとても面白かった。それで映画を観た。 原作ツナグ 映画ツナグのポスター 小説では・アイドルの心得・長男の心得・親友の心得・待ち人の心得・使者の心得という構成になっていてそれぞれのエピソードが秀逸で惹きつけられた。中でも使者の心得が一番面白かった。映画ではこれら4つのエピソードが巧みにつなぎ合わされ統合されて見事な仕上がりになっていた。主人公の松坂桃李とその祖母樹木希林が温かい関係を自然ににじませていて観る方も落ち着い気持ちになった。特に樹木希林が年老いて年輪をにじませながらも老醜のない姿や苦渋の表情など演技が光っていた。人と人のつながり、家族の絆、生死を深く見つめた小説も佐藤隆太、桐谷美玲、八千草薫、仲代達矢といった豪華共演陣の映画もどちらとも素晴らしかった。
2017年02月07日
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1月17日今日も素晴らしい冬晴れの一日だった。裏日本や北日本は豪雪で難儀されているというのにこちらはお日様が降り注いで、雪も霜も氷もなく申し訳ないくらいだ。受験シーズンに入り来談者も無くて手持無沙汰だったので図書室で本を借り出してきた。☆ 時海結以 ちはやふる(中学生編) ☆朝井リョウ 何様 ☆辻村深月 ツナグ ☆ 錦織 圭 ダウン・ザ・ライン の4冊である。わが校の図書室は固い本ばかりでなく今時の本もけっこう入ってくるので有難い。数年前には村上春樹の「1Q47」3冊が揃っていてすぐ読めたので感動したものだった。市立図書館で借りようとしたら数か月待ちだったから。図書館司書の頭が柔軟でセンスが良いのだと思う。 この4冊を適当に混ぜながら同時進行で読んでいく。知的持久力が無くなっているので、同じ本だけを読み続けるのは辛いのだ。4冊の中で最も読みやすいのは「ツナグ」ですんなりと頭に入ってくる。次が「ダウン・ザ・ライン」、「ちはやふる」は広瀬スズちゃん主演で映画化された競技かるたの話でそれも中学生編なのだが思いのほか読解力を要する。「何様」は浅井リョウという若い作家を時々テレビで見ることがあり、これも映画化された「桐島、部活やめるってよ」などの作者なので一体どんな文を書く人か知りたくて借りたのだが、やはり現代の若い人の感性を感じる。まあ、普通に読めるが特に面白いとは思わない。現在の段階ではどの本も読み終わってはいない。最初に読み終わるのはどの本だろう。やはり「ツナグ」かな。仕事の時間に読書ができるのだから有難いと思わなくちゃ。
2017年01月17日
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素敵な本を見つけた。写真・文 上野美千代「ヨーロッパの看板」~お気に入りの街角~である。 とても可愛い看板が表紙昨秋、ザルツブルグを訪問した時、旧市街のメインストリートゲトライゼガッセに可愛い看板がたくさん吊り下がっているのを見てトリコになったのだが、雨の中で自分の撮った下手な写真しかなかったのが心残りだった。この本はヨーロッパで出会った、ユニークで愛らしい看板を集めた写真集である。スイス、フランス、ドイツ、チェコ、オーストリア、イタリア、ベルギー、イギリス、スペインなどヨーロッパ各国の旅で出会った看板だけでなく、美しい石畳の通りや印象的な街角のシーンなど、女性の目線で撮られた約300枚の写真が国別、モチーフ別に掲載されている。とにかく写真がとても美しいのでいつまでも眺めていたくなる。ゆっくりとページをめくっていくとちょっとした旅気分が味わえる。全編を通じてセンスがいいし、魅力的な風物満載である。 こんなカフェで珈琲を味わいたい こちらは香水屋さんかな こんな洒落たホテルに泊まってみたいこの本を見てると登山などしないで看板と周辺の建物や壁に描かれた絵を見にヨーロッパを再訪したい気分になる。海外と言えば登山の私にそんな贅沢で優雅な選択ができるかどうかが鍵である。
2017年01月12日
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先日八ヶ岳山荘に宿泊した時、思いもよらず売店に廣川健太郎著「新版アイスクライミング」が置いてあった。2016年12月の発行だから出版されたばかりである。 内容は著名なアイスルートの紹介でほぼ全国に渡って網羅されている。これまでに登攀したルートが沢山載っていたのですごく嬉しくなった。「あら、私もなかなかやってきたじゃない?」とすっかり上機嫌になり、2500円を出して即座に購入してしまった。ルート図は2色刷りで見やすく、判型も大きく、口絵カラーに迫力の登攀シーンを掲載している。 ミックスルートでは北海道千代志別エリアを充実させ、日光月山の氷瀑や乗鞍岳山麓青垂滝、二口渓谷・蔵王、大峰地獄谷の閻魔大王等の新ルートも収録されている。 廣川さんはアイスクライミングの大御所的存在でご自分自ら日本各地のアイスルートを登攀し開拓して紹介しているすごい登山家である。でもKDDIに勤務してもいる。彼(なんて気楽に言ってはいけないのだが)とはFBで友達になっていて、お孫さん達との交流やお弁当の記事がよくアップされている。偉ぶらない親しみやすい方である。この本は見ているだけでも夢が膨らみ、とても楽しいし、これまで登攀してきた歴史を振り返ることもできるし、これから昇るアイスを事前調査することもできる。いい本を買った。 お孫さんと一緒の廣川さん(FBより)
2017年01月09日
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今日も青空が広がりお日様がさんさんと輝くいい日だったが、風が強くてのんびりする雰囲気にならなかったのが残念。「いつものパンがあなたを殺す」という物騒なタイトルの本を借りたままでなかなか完読できなかったのだが、返却期日が迫るので飛ばし読みした。糖質制限ダイエットが大流行したので炭水化物や糖質がダイエットの敵だということはよく知っていたが、脳にまで影響があるという話は聞いたことがなかった。この本は糖質が脳に与える影響を詳しく説明していて、炭水化物と糖質が引き起こす炎症で脳は蝕まれているという。記憶力が全くない私の脳はきっと炎症だらけで蝕まれ尽くしているに違いない。怖すぎる事実だ。 次に脂質の必要性が強調されている。脂肪やコレステロールが脳の機能に重要な働きをしているので脂肪をたくさん摂取することが必要だという。つまり 脳にとっての「味方」は脂肪、「敵」は糖質であるとし、更に脳の機能を高めるための「食事、運動、睡眠」の4週間プログラムを紹介している。食事だけでなく運動と睡眠という分野を追加しているのは脳の機能を熟知している科学者らしい発想だと思った。理論には納得したが現実的にここに示されている食事法を実践するとなるととても困難に思える。糖質即ち私たち日本人にとってはごはんをずっと食べずにいることはまず不可能だろうし、グルテンを含む小麦粉即ちパン・麺・パスタなどを食べないのも非現実的だ。糖類以外の食品を食べればいいので短期間ならできるが、長期に渡ってそれを続けるのは難しい。現に私はヘモグロビンA!Cの値を下げようとして糖質制限食を3か月続けて効果を出したが、それ以上は続けられず、ごはんもパンも食べている。脂肪をたくさん摂取することは意外とできる。しかしお薦めの脂肪を豊富に摂りつつ、糖質も止められなかったらどうなるか?私のように肥満してしまうだろう。この本の言わんとするところはよく理解できたし、理論的に正しいとは思うが、実践は難しい。私にできそうなことは、MCTオイルかココナッツオイルまたはオリーブオイルを一日に大匙1杯取る事くらいだろう。
2016年12月09日
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「コーヒーが冷めないうちに」というどこにでもあるようなタイトルの本を読んだ。コーヒーが大好きだし、帯に4度泣けるとあったのでどんないい話かと手にしたのだが、4度どころか一度も泣けなかった。幽霊が出てきたりタイムトリップしたりとなかなか現実離れした話が展開していく。しばらく読むと「コーヒーが冷めないうちに」という言葉に深い意味があrるということがわかってくる。過去に戻る話はけっこうあるがこの本の場合は条件がいくつもある。過去に戻っても現実は変わらない、過去に滞在できるのはコーヒーが冷めるまでというあまりにも短い時間。それでも過去に戻りたい、そう願う人々の行動は切ないものを感じた。この本の登場人物は「流」「時」「数」など時間を示唆するような名前が多く、表現があまりに淡々としすぎていてとてもじゃないが泣くような気持ちにはなれなかった。4つの話があるのだが第3話第4話が秀逸だった。過去に戻ったり未来に進んだりするのだがその結末がどうなるのかとても興味を掻き立てられて焦って読んでしまった。過去や未来に行っても何一つ現実は変わらないのだが、心ひとつで人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるとしたら幽霊の女が座っている椅子の空くのを待ってその椅子に座って過去や未来に行くことは意味があるだろう。天気が良い土曜日なのでハイキングにでも行って自然の中で自分を解放したかったのだがそれもかなわず、何事に対しても意欲が低下している昨今、意味深な本を読んで少し考えさせられた。
2016年11月05日
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読書の秋なのにずっと本から遠ざかっていた。10月25日、今日は久しぶりに本を読んだ。三浦しをんの「本屋さんで待ち合わせ」だ。読むまでは小説と思っていたが、本の書評だった。この書評に取り上げられている本は私が知らなかった本ばかりの上、その紹介文と三浦さん自身の本に対する感想や好みがすごくはっきり表現されているのでとても面白かった。それもだらだら長く書くのでなく、1冊の本に対するガイダンスが1ページか半ページという短さで簡潔な表現だから頭が混乱することなくスパッと読み切れる。これがとても有難かった。なぜなら私は頭の持久力が激減しているうえに最近は目がトラブって長く字を読むのが辛いからだ。そうでなければ終わりまで読まないうちに止めていただろう。三浦さんの作品は大好きだ。
2016年10月25日
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8月24日今日も不安定な天気。止む無く雨が降っても大丈夫な幕張新都心のイオンモールへ遊びに行った。お目当ては買い物ではなく読書。蔦屋とスターバックスが並んでいる場所に行って、椅子にかけてじっくり本を読んだ。平日でもけっこうな人がいて、スタバは行列ができていた。良く目立つ場所に置かれていた「ライザップはなぜ結果にコミットできるのか」という本を手にとってみた。ライザップはよくテレビのCMで見るが、具体的にダイエットがどういう方法でされているのか興味があった。予想通り低糖質と筋トレが中心となる方法で、ゲストは毎日食べた食事内容をメールでトレーナーに報告し、トレーナーがチェックして細かく指導を入れているという。ジムでは完全個室で1対1のマンツーマン体制で筋トレの指導をする。でも費用が2ヶ月で約30万プラス5万円!!これを安いと考えるか高すぎると感じるかは個人の体に対する意識のあり方によるだろう。でも酷いメタボで自分ではどう改善しようもない状態の人にとってはお金を出せば解決するのだから良いかもしれない。問題はお金のないメタボで自分で努力できない人達だ。世の中、こちらのほうが多い気がする。最も多いゲストの年間収入は300万~500万円の人らしいが、200万程度の20歳代女性もけっこういるらしい、赤井英和、森永卓郎など著名人も多い。社長はまだ若く野心的男性、企業家としてすごい躍進だ。 座り読みできる蔦屋
2016年08月24日
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8月20日太平洋上に3つの台風が発生した影響か、一日不安定な天気で全く外にでて何かすることができなかった。朝から降っていた雨が止んだと思えば青空が出て陽が照り、ウォーキングにでも出ようかと思ったらすぐ雨になる・・・。どうしようもなくて図書館に行った所、いい本を見つけた。ナショナルジオグラフィック社の「謎を呼ぶ大建築」である。 取り上げられている大建築はスペインのサグラダフャミリア、中国の紫禁城、イタリアのドウーモ、アンコールワットなど9か所。掲載されている写真がとても緻密で建築の細部のディテールまで見えるよう大きなサイズで収録されており、さらにその一枚一枚が美しいものばかりである。目が悪くて文字を読むのがつらくなり始めている私には眺めているだけでもその場の雰囲気を味わえるのでよかった。サグラダファミリアは昨年この目で見たのだが、解説を読むと一段と理解が深まった。それに写真の方が美しさをまじかに感じられた。実際に見た時は遠くにあるのでここまで鮮明には見えなかった。紫禁城は30年ほど前に訪ねてその大規模なことに仰天したものだった。次はイタリアのドウーモやアンコールワットを訪ねてみたい。年を取ってきたこれからは山ばかりじゃなく文化遺産も訪ねよう。
2016年08月20日
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5月も終に最後の土曜日となった今日28日は久しぶりに家にいた。病院を二か所回り、自分もボディメンテナンスに行ったあとは暇だったので図書館に行った。そこで池上 彰さんの「高校生からわかるイスラム世界」という本を読んだ。池上彰さんについてはTVなどで分かりやすい世界情勢を解説されていて、その明晰ぶりと博学にはかねてより瞠目していた。でも私のような歴史音痴かつ方向音痴にはイスラム世界なんてまるでチンプンカンプンだから、知ろうともしないし差し迫って知る理由もなかったので全く未知の世界だった。しかしこの高校生からわかるという文句に少し気持ちが傾いて、ひよっとしたら私にも理解できるかもと思って手にしたのだった。でも高校生は頭脳の切れが最も良い時期、私はアルツクライマーだからどうかなと思いつつ読んでみたのだが、実に分かりやすくカジュアルにイスラム世界のほとんどが説明されていた。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、仏教の違い、イスラム教徒の守るべきこと、などから始まって中東問題、金融問題まで様々な角度でイスラム世界を解き明かしている。かなり理解できた。昔、彼が「週刊こどもニュース」の初代お父さん役で出演していた時もそのわかりやすさに驚いたが、あの情報収集力や思考の道筋・整理の仕方はどういう頭脳から生み出されるのだろう。 たまには通常の自分のテリトリーと異なった本を読むことも必要だと感じた。 池上 彰 さん
2016年05月28日
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