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「オリエントの神々」序章28・ギルガメシュ叙事詩・第十の書板(中半) 死の海の渡し守ウルシャナビ(Urshanabi)が見ると、ギルガメシュは強いパワーを放っていた。ウルシャナビは斧の音を聞いて、ギルガメシュの所に走って行った。ギルガメシュはウルシャナビの頭を殴り、彼の腕を縛り上げ、彼を釘で固定した。そして石を積み上げ、舟を漕ぎ出した。しかし舟は、船頭無しでは死の水を渡れなかった。ギルガメシュは、岸辺に引き返した。ギルガメシュは船頭ウルシャナビに言った。「ウルシャナビよ、私はかの国に入りたい。貴方に案内をお願いしたい。」ウルシャナビはギルガメシュに語った。「なぜ、貴方の頬はこけて、疲れた顔をしているのですか。なぜ、貴方の心はズタズタで、やつれた格好をしているのですか。なぜ、悲しみが貴方の胸に押し寄せるのですか。貴方は長旅をした人のように疲れた顔をしています。貴方の顔は暑さと寒さで焼け付いています。貴方はライオンの皮を着て野をさまよっています。」ギルガメシュは船頭ウルシャナビに語った。「どうして、私の頬がこけて、疲れた顔をしていないはずがありましょう。私の心がズタズタで、やつれた格好をしていないはずがありましょう。悲しみが私の胸に押し寄せないはずがありましょう。私が長旅をした人のように疲れた顔をしてないはずがありましょう。私の顔が熱さと寒さで焼け付かないはずがありましょう。私がライオンの皮を着て野をさまよわないはずがありましょう。私の友エンキドゥは狩られた野騾馬、山の騾馬、荒野の豹だ。私たちは力を合わせて、山々を渡り歩きました。都城を奪い、天の牛を討ち取りました。杉の森に住むフンババを滅ぼしました。山の麓でライオンどもを殺しました。私が愛し、労苦を共にした我が友、私が愛し、労苦を共にしたエンキドゥ、彼に死の宿命が襲ったのです。昼も夜も、彼に向かって私は涙を流しました。彼を墓へ運びこませたくなかった。もしや我が友が私の嘆で生き返るのではないかと思いました。七日と七晩の間、彼の鼻の穴からウジ虫がこぼれ落ちるまで。私の友の言葉は私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。エンキドゥの言葉が私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。私はどうして沈黙を保てましょうか。私が愛した友は粘土になってしまった。私が愛したエンキドゥは粘土になってしまったのです。私も彼のように横たわるのでしょうか。私も永遠に起きあがらなくなるのでしょうか。」ギルガメシュはまたウルシャナビに言った。「さあ、ウルシャナビよ、ウトナピシュティムへの道はどちらですか。向かう手立てを私に示してください。もしその方がよいのであれば、私は大海原を渡ってもいい。もしそれがよくないのであれば、荒野をさまよい行きます。」ウルシャナビはギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、貴方の手は舟を止めた。貴方は石を壊し、小さい杉の木を切り出した。ギルガメシュよ、森に下り斧を使って五ニンダの舟のオールを切り出しなさい。皮を剥いで水かきを付けて、舟にそれを運びなさい。」ギルガメシュはこれを聞くと、斧を取り上げて、剣を抜いた。彼は森に下り、五ニンダのオールを切り出した。皮を剥ぎ、水かきをつけ、舟にそれを運んだ。ギルガメシュとウルシャナビは舟に乗って航海した。一か月と十五日の海路は三日で済んだ。ウルシャナビは死の水に達した。ウルシャナビはギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、遠ざかりなさい。オールを取りなさい。死の水に手を触れてはいけない。貴方の指を死の水で濡らさないように気を付けなさい。第二、第三、第四のオールを取りなさい。第五、第六、第七のオールを取りなさい。第八、第九、第十のオールを取りなさい。第十一、第十二のオールを取りなさい。」ギルガメシュは百二十本のオールを使い尽くした。ギルガメシュは自分の衣を脱ぎ、その腕で舟柱を高く掲げた。 どういうわけか、ギルガメシュは舟師を縛り、舟だけ奪います。しかし進めなくなって戻り、今度は舟師に丁重にお願いします。舟師ウルシャナビは、酌婦シドゥリと同じ質問をし、同じ答えを得ます。そして櫂を120本造ります。「死の水」は一かきで櫂を駄目にしますが、舟底は駄目にしないようです。 オリエント神話や旧約聖書にライオンが猛々しいものの象徴、或いは、英雄の引き立て役として登場しています。其れだけ頻繁に遭遇する機会があったのでしょう。東アジアでは虎でしょうが。なお、現在の野生下においてライオンとトラの生息地は主にアジアとアフリカに分断されており、例外としてインドのギール野生生物保護区が両種が共生する地域として存在するが、オリエント神話によく登場するライオンは洞穴生活をしていたものと思われ、ホラアナライオン(主に、トラとも相似性を指摘されるユーラシアホラアナライオン)と説く方もおられます。アジアのトラが流入しなかったのは、あまりに多くの緩衝地帯が横たわっていたからではないかと思います。
2013年01月31日
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「オリエントの神々」序章28・ギルガメシュ叙事詩・第十の書板(前半) 女主人酌婦シドゥリは海辺に座っていた。彼女は座り、人々は彼女の為に酒壷を造った。彼女は飾り覆いで装っていた。ギルガメシュは行き巡り、彼女の所にやって来た。彼はライオンの皮を着て、彼は体は神の肉を持っていたが、その胸には悲しみがあった。彼は長旅をした人のように疲れた顔をしていた。女主人は遠くに彼を発見して、いろいろと想像して、言葉に出して自問自答した。「あの男は人殺しかも知れない。何をしに、どこへ行こうとしているんだろう。」女主人は彼を見て、門を閉じて鍵をかけた。ギルガメシュは女主人に注意を向け、アゴを上げて、彼女に呼びかけた。「女主人よ、貴方は何を見て、貴方の門を閉ざすのですか。どうして、貴方の門を閉じて鍵をかけたのですか。私は門を壊して鍵を砕きますよ。」女主人はギルガメシュに言った。「門に近づかないでください。」ギルガメシュは女主人に向かって言った。「私は杉の森でフンババを打ち倒し、山でライオンどもを殺しました。」女主人はギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ。もし貴方があの、杉の森の番人である森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天の牛を捕らえて、これを打ち倒したのなら、なぜ、貴方の頬はこけて、疲れた顔をしているのですか。なぜ、貴方の心はズタズタで、やつれた格好をしているのですか。なぜ、悲しみが貴方の胸に押し寄せるのですか。貴方は長旅をした人のように疲れた顔をしています。貴方の顔は暑さと寒さで焼け付いています。貴方はライオンの皮を着て野をさまよっています。」ギルガメシュは女主人に語った。「どうして、私の頬がこけて、疲れた顔をしていないはずがありましょう。私の心がズタズタで、やつれた格好をしていないはずがありましょう。悲しみが私の胸に押し寄せないはずがありましょう。私が長旅をした人のように疲れた顔をしてないはずがありましょう。私の顔が熱さと寒さで焼け付かないはずがありましょう。私がライオンの皮を着て野をさまよわないはずがありましょう。私の友エンキドゥは狩られた野騾馬、山の騾馬、荒野の豹だ。私たちは力を合わせて、山々を渡り歩きました。都城を奪い、天の牛を討ち取りました。杉の森に住むフンババを滅ぼしました。山の麓でライオンどもを殺しました。私が愛し、労苦を共にした我が友、私が愛し、労苦を共にしたエンキドゥ、彼に死の宿命が襲ったのです。昼も夜も、彼に向かって私は涙を流しました。彼を墓へ運びこませたくなかった。もしや我が友が私の嘆で生き返るのではないかと思いました。七日と七晩の間、彼の鼻の穴から蛆虫がこぼれ落ちるまで。私の友の言葉は私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。エンキドゥの言葉が私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。私はどうして沈黙を保てましょうか。私が愛した友は粘土になってしまった。私が愛したエンキドゥは粘土になってしまったのです。私も彼のように横たわるのでしょうか。私も永遠に起きあがらなくなるのでしょうか。」ギルガメシュはまた女主人に語って言った。「さあ、女主人よ、ウトナピシュティムへの道はどちらですか。向かう手立てを私に示してください。もしその方がよいのであれば、私は大海原を渡ってもいい。もしそれがよくないのであれば、荒野をさまよい行きます。女主人よ、貴方の顔を見たからには、私の恐れる死を見ないようにさせてください。」女主人はギルガメシュに向かって言った。「ギルガメシュよ、決してそこへは行くことができません。貴方の求める生命は見つかることがないでしょう。神々が人間を創られた時に、人間には死を割りふられたのです。生命は自分たちの手のうちに留めおいて。ギルガメシュよ、貴方は貴方の腹を満たしなさい。昼も夜も貴方は楽しみなさい。日ごとに饗宴を開きなさい。貴方の衣服をきれいにしなさい。貴方の頭を洗い、水を浴びなさい。貴方の手に掴まる子供達をかわいがり、貴方の胸に抱かれた妻を喜ばせなさい。それが人間のなすべきことだからです。古来より、誰もその海を渡ることはできません。その海を渡るのは英雄シャマシュだけです。シャマシュの他には誰も渡ることができません。渡航は困難で、そこへ至る道はさらに困難です。その間には死の水があり、その前方を遮っています。ギルガメシュよ、その海のどこを、渡りおおせるというのです。死の水に達したら、貴方に何ができるというのです。ただ、ギルガメシュよ。ウトナピシュティムの船頭、ウルシャナビがいます。彼の傍らには石があって、森の中から小さな杉の木を切り出しています。さあ、お行きなさい、彼が貴方に会えるように。もしその方がよいのであれば、彼と一緒渡りなさい。もしよくないのであれば、引き返しなさい。」ギルガメシュはこれを聞くと、自分の斧を傍らに取り上げ、剣を抜き、忍び寄って、それらを切り出した。矢のように、それらの間で打った。森の中に音が響き渡った。 ギルガメシュは女主人酌婦シドゥリに言った。「さあ、酌婦よ。ウトナピシュティムへの道はどこか教えてくれ。その道しるべをわたしに与えてくれ。もしその方がよいとおまえが言うならば、わたしは大洋をも渡ろう。もしよくないとおまえが言うならば、再び荒野をさまようだろう」酌婦はギルガメシュに言う「ギルガメシュよ、決してそこに入る術はない。いにしえより、誰もその海を渡らなかった。その海を渡るのは英雄シャマシュのみだ。シャマシュの他には誰も渡らなかった。渡航は困難をきわめ、そこに至る道はさらに困難だ。その間には死の水があり、その前方を遮っている。その海のどこを、ギルガメシュよ、渡りおおせると言うのです。死の水に達したら、おまえに何ができるというのです。ただ、ギルガメシュよ、ウトナピシュティムの舟師ウルシャナビがいる。彼の傍らには<石物>があり、森の中からひこばえ(小さな香柏)を伐りだしている。さあ、行きなさい。彼がおまえに会えますように。もしウルシャナビが案内してくれるとなったならば、彼と共に渡りなさい。もしウルシャナビの案内が得られないならば引き返しなさい。それがおまえの運命なのだから。」地の果ての島に住む老賢人ウトナピシュティムとその妻が三途の川の渡し守、此の三途の川にあたる話は、世界に充ち満ちていて、シュメール神話のなかではウトナピシュティムが大洪水の生存者で神によって妻とともに不死を与えられていたウトナピシュティム(utnapishtim「遠方」の意)がその船頭です。洪水物語では、ウトナピシュティムは、神々が洪水を起したときの話をする。エア神の説明により、ウトナピシュティムは船をつくり、自分と自分の家族、船大工、全ての動物を乗船させる。6日間の嵐の後に人間は粘土になる。ウトナピシュティムの船はニシル山の頂上に着地。その7日後、ウトナピシュティムは、鳩、ツバメ、カラスを放つ。ウトナピシュティムは船を開け、乗船者を解放した後、神に生け贄を捧げる。エンリル神はウトナピシュティムに永遠の命を与えます。そして彼等は2つの川の合流地点に住むとしています。
2013年01月30日
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「オリエントの神々」序章27・ギルガメシュ叙事詩・第九の書板 ギルガメシュは、彼の友エンキドゥの為に激しく涙を流し、野を彷徨い歩いた。「私もエンキドゥのように死ぬのだろうか。悲しみが私の腹の中に入り込んだ。私は死を恐れ、野を彷徨う。私はウバル・トゥトゥの息子ウトナピシュティム(大洪水で生き残った賢者。聖書のノア)の所へ進路を取り突き進んだ。夜になり、山の麓に到着すると、私はライオンどもを見て震え上がった。私はシン(月の神)に向かって頭を上げて祈った。私の祈りは神々に届いた。シンよ、今も私を守りたまえ。」夜の間、彼は横たわり、夢で目を覚ました。彼は生きていることを喜んだ。彼は斧を手に取り、剣を帯から引き抜き、矢のように山地を横切って進んで行った。山の名はマーシュ(双生児)。彼がマーシュの山に着いた時、その山は毎日、日の出と日没を見張っていた。その頂上は天の底にまで届き、その麓は冥界にまで達していた。蠍人間(人面で体は蠍。ティアマトのものに集まる怪物)たちがその門を見張っていた。その猛々しさは恐ろしく、その姿は死だ。彼らの恐ろしいパワーは山を包んでいた。彼らは日の出と日没の太陽を見張っていた。ギルガメシュは彼らを見ると、顔が恐れと驚きに青ざめた。だが彼は勇気を出して彼らに挨拶をした。蠍人間は妻に向かって叫んだ。「こちらに来る者は体が神の肉で出来ているぞ。」蠍人間の妻は彼に向かって答えた。「彼の三分の二は神、三分の一は人間です。」蠍人間は叫び、神々の子ギルガメシュに向かって言った。「何故、お前はこんな遠い道をやって来たのだ。何故、お前は私の所までやって来たのだ。渡ることが難しい海を越えて。お前の来た目的を私に教えてくれ。」「私は我が父ウトナピシュティムの所へ行きたいのです。彼は神々の集会に立ち、不死の生命を見出した方です。死と生命の秘密を私は訊きたいのです。」蠍人間はギルガメシュに向かって言った。「ギルガメシュよ、それを成し遂げた者は誰もいない。山の通路を越えた者も誰もいない。その中は十二ベールも闇が続く。暗闇は深く、そこには光が無い。お前は右往左往してしまうだろう。」ギルガメシュは言った。「どんなに悲しみと苦しみがあっても、どんなに寒くても暑くても、どんなにため息と涙があっても私は行くのです。さあ、山の門を開けてください。」蠍人間はギルガメシュに向かって言った。「行きなさい、ギルガメシュよ。マーシュの山を越えることを許そう。山々と山地を越えて行け。無事にお前の足がお前を連れ戻すように。山の門はお前の為に開かれる。」ギルガメシュはこれを聴いて、蠍人間の言葉に従った。シャマシュの道に沿って彼は進んだ。一ベール・二ベール・三ベール・四ベール・五ベール・六ベール・七ベールと進んだ時、彼は叫んだ。暗闇は深く、そこには光が無かった。彼は前も後ろも見ることができなかった。、八ベール進んだ時、彼は叫んだ。暗闇は深く、そこには光が無かった。九ベール進んだ時、彼は北風を感じた。北風は彼の前を吹き荒れた。暗闇は深く、そこには光が無かった。彼は前も後ろも見ることができなかった。十ベール進んだ時、彼は叫んだ。十一ベール進んだ時、彼はシャマシュの前に出た。十二ベール進んだ時、光があった。彼の前にはトゲのある様々な灌木が見え、宝石の花が咲いていた。紅玉石が実をつけていて、ブドウが房になって垂れ下がり、見る者の目を楽しませていた。それらはラピス・ラズリの青葉を茂らせていた。実をつけるその様は、見る者の目を喜ばせた。そこは大量の宝石があり、大量の木もあった。ギルガメシュがその海辺を歩いていた時、女主人(酌婦シドゥリ・酒屋か料理屋の女将ですが、神格決定詞がついているので女神と考えられます)は目を上げて、彼を眺めた。 ギルガメシュは、大洪水の生存者で神によって妻とともに不死を与えられていたウトナピシュティム(「遠方」の意)に出会い、永遠の生命を求めるため旅立つ。ギルガメシュは夜、山でライオンの一群に出会い、寝る。夜中目を覚ましたギルガメシュは、ライオンを殺しその皮を身に纏う。ギルガメシュは地の果てでマシュ山(Mount Mashu)の双子山に着く。ギルガメシュは門を守る2人の蠍人間が彼が半神であることが分かった後に門を通過し、太陽の道を進む。ギルガメシュは、宝石で満ちた木々がある楽園に到着しました。
2013年01月29日
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「閑話休題」恋なすび マンドラゴラは英語ではマンドレイク(mandrake:強い男)、、日本では「恋茄子(恋なすび)」と呼称されています。人の形をした根を採集するとき悲鳴を発し、これを聞いた人は死んでしまうという伝説は有名です。旧約聖書創世記では、小麦刈りの頃、ルベンが畑を歩いていて、恋茄子を見つけた。彼はそれを母のレアのところにもって行った。するとラケルがレアに言った。「あの子の恋茄子をわたしにもわけてくださいレアが答えた。「わたしの夫を横取りしただけでもずうずうしいのに、この子の恋茄子までとりあげようというのですか」ラケルは言った。それでは、あなたの子の恋なすびに換えて、今夜、あなたを彼とともに寝させましょう。」夕方ヤコブが野原から帰ってくるとレアが出迎えて言った。「今夜はわたしのところに来ていただかなくてはなりません。あの子がとってきた恋茄子で苦労してあなたを雇ったのですから」そこでヤコブはその夜レアと寝た。聖書の脚注には次のような説明があります。「パレスチナ南部の至る所に見られるナス科の植物で、根は朝鮮人参のように二股状になり、地中に深く入っている。花は濃い紫、果実は小さいトマトほどで、オレンジ色または赤みを帯び、5月頃成熟する。一般に性欲増進、受胎力増進の薬効があると信じられている」と。ルベンは、叫び声を聞くと精神に著しいショックを与えることからマンドレイクの収穫にはかなりの危険を伴うため、勇気をもって持ち帰ったのでしょう。古くは鎮痛薬、鎮静剤、瀉下薬(下剤・便秘薬)として使用されたが、毒性が強く、幻覚、幻聴、嘔吐、瞳孔拡大を伴い、場合によっては死に至るため現在薬用にされることはまずありません。一方、ラケルも恋茄子が効いたか、身籠って男の子を産む。その後、このラケルの墓の周りにはおびただしいマンドラゴラの群が繁殖したという話が伝わっています。旧約聖書のラケルの性格表現通りの棲ざましい執念です。
2013年01月28日
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「オリエントの神々」序章26・ギルガメシュ叙事詩・第八の書板 夜が明け始めた時、ギルガメシュは友に向かって言った。「エンキドゥよ。貴方の母なる羚羊と、貴方の父なる驢馬が貴方を養った。彼らは獣たちの乳で貴方を育てた。そして獣たちは貴方を牧場へ導いた。そしてエンキドゥの道は杉の森に通じていた。彼らは、夜も昼も貴方の為に泣くだろう。囲いの町ウルクの長老たちは貴方の為に泣くだろう。私たちの死後、彼らは敬意を持って讃えるだろう。山の人々、山地の人々が貴方の為に泣くだろう。私は横たわるだろう。草原が、貴方の母のように嘆くように。マートル(銀梅花・ギンバイカ)、糸杉、香柏が貴方の為に泣くだろう。それらの中に私たちは怒りをもって入って行ったのだった。熊が、ハイエナが、豹が、虎が、角鹿が、チーターが、ライオンが、野牛が、大鹿が、野ヤギが、野の動物たちが、聖なるウラヤ川が貴方の為に泣くだろう。その岸辺を私たちは堂々と行き来したのだった。清いユーフラテス川が貴方の為に泣くだろう。その皮袋の水を我らは捧げたのだった。囲いのある広大な町、ウルクの男たちが、貴方の為に泣くだろう。彼らは、天の牛を打ち倒した時、我々の戦いぶりを見たのだった。農夫が貴方の為に泣くだろう。彼は喜ばしい歌声をもって貴方の名を高めたのだった。広大なウルクの人々が貴方の為に泣くように。彼は最上の賛辞をもって貴方の名を高めたのだった。羊飼いが貴方の為に泣くように。彼はバターとビールを貴方の口に供えたのだった。神殿娼婦が貴方の為に泣くように。彼女は貴方の上に良質の油を塗ったのだった。義理の家族が貴方の為に泣くように。彼らは妻の指輪を貴方に贈ったのだった。男たちが貴方の為に泣くように。彼らは彼らの髪を貴方の為に、姉妹のように掻きむしるように。エンキドゥの為、彼の母、彼の父のように、私も彼の荒野で泣こう。男たちよ、聞いてくれ。ウルクの長老たちよ、聞いてくれ。私は我が友エンキドゥの為に泣く。泣き女のように激しく泣き叫ぶ。私の傍らの斧、私の手の弓、私の腰帯の短刀、私の面前の盾、私の晴れ着、私の豊かな腰帯であったエンキドゥ。悪霊が立ち上がり、私から奪い去ってしまった。我が友よ、お前は狩られた野騾馬、山の騾馬、荒野の豹だ。我らは力を合わせて、山々を渡り歩いた。都城を奪い、天の牛を討ち取った。杉の森に住むフンババを滅ぼした。ところが、何という眠りが貴方を捕らえてしまったのだ。貴方は闇に包まれ、私の言うことが聞こえない。」エンキドゥは頭を上げることもできない。彼の心臓に触れても、それは鼓動していない。そこでギルガメシュは友に花嫁であるかのように薄布をかけた。ギルガメシュは鷲のようにエンキドゥの周りを行ったり来たりした。そして子供を奪われた雌ライオンのように声を張り上げた。毛髪を掻きむしり、まき散らしながら。彼は悪鬼アッサックーのように、体につけた上等な服を引き裂き投げつけた。夜が明け始めた時、ギルガメシュは国中に呼びかけて言った。「鍛冶屋よ、銅細工職人よ、銀細工職人よ、彫刻家よ、我が友の像を造れ。」こうして彼は友の像を造り上げた。その友の胸はラピス・ラズリ、その本体は金だった。「私は貴方を立派な死の床に横たえさせよう。私は貴方を安楽の座である左の席に座らせている。地上の君たちは、貴方の両足に接吻するだろう。私はウルクの人々が貴方を泣き悼むようにさせるだろう。私は喜びに満ちた人々を、貴方への悲しみで満たすだろう。そして貴方が逝ってしまうと、体を長い髪で覆い、ライオンの皮を着て荒野をさまようだろう。」夜が明け始めた時、ギルガメシュは彼はエラマック材の大きなテーブルを運び込み、紅玉石の器に蜜を満たした。ラピス・ラズリの器にはバターを満たした。彼はテーブルを飾り付けてシャマシュに示した。葬送儀礼が終わると、ギルガメシュは荒野へと出て行った。エンキドゥのために泣くために。 ラピスラズリのラピス(Lapis)はラテン語で石、ラズリ(Lazuli)は青や空を意味するペルシャ語のlazwardが語源である。和名では瑠璃(るり)と呼ばれ、ツタンカーメン王のマスクでも有名です。
2013年01月27日
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「オリエントの神々」序章25・ギルガメシュ叙事詩・第七の書板(後半) 「さあ、神殿娼婦よ、私はお前の運命を定めてやろう。お前を呪った私の言葉を撤回して、お前を祝福しよう。王侯貴族もお前を愛するように。1ベール行く者はお前の為に太腿を叩くように。2ベール行く者はお前の為に束ねた髪を振り乱すように。若い兵士はお前の為に腰帯を緩めるように。お前に黒曜石やラピス・ラズリや黄金を贈るように。お前を辱めた者は報いを受けるだろう。打ち出しの耳飾りがお前への贈り物になるように。彼には雨が降り注ぎ、彼の倉が一杯になるように。神官が神々の前にお前を導き入れるように。お前には七人の子供が産まれ、地上に子孫が繁栄するように。」エンキドゥは心が病んでいた。彼は胸の内のすべてを友に打ち明けた。「友よ、私は昨夜夢を見た。天は騒ぎ、地はそれに答えた。天地の間に私は一人立っていた。一人の男がいて、彼の顔は暗くなった。彼の顔はアンズーにそっくりだった。その手は獅子の手、その爪は鷲の爪。彼は私の束ねた髪を掴み、私をこわばらせた。私が彼を打つと、彼は跳び縄のように飛び退いた。今度は、彼が私を打ち、私を押し倒した。彼は野牛のように私を踏みつけ、私の体を強く締め付けた。友よ、助けてくれと叫んだが、あなたは私を助けてくれなかった。あなたは怖れて、私を助けてくれなかった。彼は私を打ち、鳩に変えてしまった。そこで私の手は鳥のようになった。彼は私を捕らえて、イルカルラの住まい、暗黒の家へ連れて行った。そこに入った者は二度と出られない家へ。そこに踏み込んだら二度と戻れない道へ。そこに住む者は光を奪われる家へ。そこでは埃が彼らのご馳走、粘土が彼らの食物で、鳥のように翼を着物として身につける。そして光を見ることも無く暗闇の中に住む。私が入った埃の家で、支配者たちが冠を外しているのを私は見た。私はその君たちを見た。冠を被る者、昔から国を支配した者を。アヌとエンリルの像に焼いた肉を捧げ、皮袋の冷水を注いだ者たちを。私が入った埃の家には、高僧と新参者が住み、呪術師と神憑りが住み、大いなる神々の洗盤掛けたちが住み、エタナが住み、スムカンが住み、冥界の女王エレシュキガルが住み、冥界の書記ベーリット・セーリは彼女の前にひざまづいて、死者が携えてくる贈り物を記録した書板を持って読み上げていた。彼女は頭を上げて私を見た。そして言うには誰がこの者をここへ連れて着たのかと。私はあらゆる困難の道を歩んだ。私を死後も思い起こし、忘れないでくれ。私があなたと共に歩み続けたことを。」ギルガメシュは言った。「我が友は夢を見たが、それはよいものでは無かった。彼が夢を見た日、彼の力は終わりとなった。」エンキドゥは一日、二日と彼のベッドに横たわっていた。三日、四日と彼のベッドに横たわっていた。五日、六日そして、七日、八日、九日、そして十日と彼のベッドに横たわっていた。十一日、十二日と、彼の病気は重くなり、肉体は弱った。エンキドゥは彼のベッドから起き上がり、ギルガメシュを呼んで、彼に言った。「私はかつて、ウルクで『戦いを恐れる』と言ったが、戦いにおいて、友よ、我らは実に勇敢であった。私とあなたは共に戦った。」 アンズーは獅子の頭を持つ鷲の姿で表現され、中空を司る偉大な神エンリルに仕えていたが、主神権の簒奪を目論み、主神権の象徴である「天命の書板」を盗み出してしまう。また、女神が支配する冥界、その女王エレシュキガルはアルルの女主とも呼ばれていた。アルルは、ニンフルサグの支配する人類創造の土地であった。つまり、ニンフルサグがエネキシュガルに人類創造の土地の支配を任せた。
2013年01月26日
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「オリエントの神々」序章24・ギルガメシュ叙事詩・第七の書板(前半) 夜が明けた。そしてエンキドゥはギルガメシュに言った。「聴いてくれ。昨夜、私がどんな夢を見たかを。アヌ、エンリル、エアそして天におられるシャマシュが集まり、エンリルはアヌに言った。「彼らはフンババを殺したのだから、更には天の牛をも殺したのだから、二人のうちの一人が死ななければならない。アヌは言った。杉の山を荒らした者が死ぬべきだ。だがエンリルは言った。エンキドゥを死なせよう。ギルガメシュは死なせてはいけない。すると天なるシャマシュは答えた。彼らは私の命令によって、フンババと天の牛を殺したのではないか。何故、無実のエンキドゥが死ぬべきか。するとエンリルは怒り、天におられるシャマシュに向かって言うには貴方が日ごとに彼らの仲間のように降りて行くからだ。」エンキドゥはギルガメシュの前で病に倒れた。ギルガメシュは滝のように涙を流しながら言った。「兄弟よ、愛する兄弟よ、なぜ私は兄弟を差し置いて無実だと言うのか。その上私は死霊の元に座り、死霊の門の元に座らねばならないのか。我が愛する兄弟をこの目で再び見ること無く。」エンキドゥは眼を上げた。彼は人と語るように扉と語った。「森から来た扉よ、聞き分けのない者よ、分別にに欠け、悟りのない者よ。私は二十ベールかけてお前の木を選び、高く聳える杉の木を山の前で見たのだった。お前に並ぶほどの木は無かった。お前の高さは六ニンダ、お前の幅は二ニンダ、お前の厚さは一アマントゥで、戸柱、また下の柱軸と上の柱軸は一本柱でできている。私がお前を造り、高く掲げ、ニップルに運んだのだ。扉よ、こんなことになると知っていたのなら、そして美しく作ったお前がこの災いを呼ぶのだったら、どうして私は斧でお前を切り倒し、筏を組んでニップルに向けて流てしまったのだろう。」エンキドゥは衣服を引き裂き、それを投げ捨てた。彼の言葉を聞き続け、ギルガメシュは慌てふためいて彼に答えた。ギルガメシュは彼の友エンキドゥの言葉を聴き続け、涙を流した。ギルガメシュはエンキドゥに言った。「貴方には広い心と、確かな口があるはずだ。友よ、貴方には分別があるのに、何故そんな意外なことを語ったり考えたりするのだ。夢は意義深く、恐るべきことが多い。ところが、貴方の唇は蠅のようにぶんぶんうなる。恐るべきことは多く、夢は意義深い。それは生者にさえ、嘆きをもたらし、夢は生者にさえ、憂いをもたらした。私は祈り、偉大な神々に嘆願しよう。貴方の女神を捜し求め、貴方の神を訪ねよう。神々の父エンリルに、貴方の神、忠告者なるエンリルに。私は量りきれない金を使って貴方の像を造ろう。貴方は金を提供しなくてもいい。エンリルが定めたエンキドゥの死は覆すことは出来ず、エンリルは取り消さなかった。友よ、死ぬ運命の定めは必ず人々に及ぶのだ。」夜が明け始めた時、エンキドゥは頭をもたげて、シャマシュの前で泣いた。シャマシュの威光の前で、彼は涙を流した。「シャマシュよ、私は貴方に顔を向けました。我が運命は、愚か者の狩人のせいで、変えられてしまいました。彼は狩人ではなく愚か者です。私を我が友ギルガメシュと、同等には扱わなかった。狩人は私をその友として扱わなかった。狩人の財産を減らして、彼の力も減らしてください。貴方の前に彼の進路が無くなるように。彼の前から彼が取ろうとする獲物が逃げてしまうように。狩人が満足感を得ることが無いように。」彼の心ははやり立って神殿娼婦を呪った。「さあ、神殿娼婦よ、私はお前の運命を定めてやろう。永遠に終わることのない運命を。私はお前を大いなる呪いで呪ってやる。その呪いがすぐにもお前に降り懸かるように。お前は楽しい家を造ることはできないように。お前は泥だらけになって、お前の晴れ着を酔った男がゲロで汚すように。お前は灯火皿を一つも持てないように。輝く銀や人々の豊かさや、活力がお前の家に持ち込まれないように。お前が流離人になるように。荒れ地がお前の寝台となるように。城壁の陰がお前の椅子となるように。酔っぱらいや飢えた男に、お前が叩かれるように。建築家がお前の家の屋根に防水加工をすることがないように。お前の家が梟が住み着くような廃屋になるように。饗宴が催されることがないように。お前の隠し部が引き裂かれるように。お前の引き裂かれた隠し部が彼への贈り物となるように。汚れを知らない私に、妻に代わり罪を犯したのだから。清い身だった私に、荒野で罪を犯したのだから。」シャマシュは彼の語る言葉を聞き、すぐに天から彼に呼びかけた。「エンキドゥよ、なぜお前は神殿娼婦を呪うのか。彼女がお前に神にふさわしい麺麭を食べること教え、王にふさわしい麦酒を飲ませ、立派な衣服を着けさせたではないか。そしてお前によき友ギルガメシュを与えたではないか。今はお前の親友であるギルガメシュが、お前を立派な死の床に横たえさせている。死の床にあるお前を大切に看病している。彼はお前を安楽の座である左の席に座らせている。地上の君たちは、お前の両足に接吻するだろう。彼はウルクの人々がお前を泣き悼むようにさせるだろう。彼は喜びに満ちた人々を、お前への悲しみで満たすだろう。そしてお前が逝ってしまうと、体を長い髪で覆い、獅子の皮を着て荒野をさまようだろう。」エンキドゥは力強いシャマシュのこの言葉を聞いて、悩める心は落ち着いた。 エンキ(Enki)は、メソポタミア神話の神で、のちのバビロニア神話では、都市エリドゥの守護神エアとして知られます。古代の創造の女神であり、「偉大な神々に命を与えた母なる女神」である女神ナンム(Nammu)がエンキの母であるとされており、エンキとは水による創造の力を持つという共通性によって、エンキ(エア)は女神ナンムが姿を変えたものであるとも考えられてます。また、人類に文明生活をもたらす「メー」と呼ばれる聖なる力の守護者とされています。
2013年01月25日
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「オリエントの神々」序章23・ギルガメシュ叙事詩・第六の書板(後半) そしてイシュタルは彼女の父であるセムの天空神アヌの前に行って泣いた。彼女の母アヌの配偶女神アントゥムの前にも行って涙を流した。「我が父よ、ギルガメシュは私を侮辱いたしました。ギルガメシュは私の過去の男性遍歴をなじって嘲けます。」アヌは輝かしいイシュタルに向かって言った。「だがギルガメシュを挑発したのはお前ではないのか。だからギルガメシュはお前の男性遍歴をなじって嘲けるのだろう。」イシュタルは彼女の父であるアヌに向かって言った。「我が父よ、天の牛を造ってください、ギルガメシュを滅ぼす為に。ギルガメシュを彼の住まいで打ち倒しますように。もし私に天の牛を造って下さらないならば、私は建物を破壊して滅茶苦茶にします。私は死者たちを蘇らせ、彼らに生者を食べさせます。死者が生者より多くなるようにします。」アヌは輝かしいイシュタルに向かって言った。「もし私がお前の頼みを聞き入れるのならば、ウルクに七年間の不作がやって来るだろう。お前は人々の為に穀物を集めたか。お前は獣たちの為に草を茂らせたか。」イシュタルは彼女の父であるアヌに向かって言った。「人々の為に穀物を貯えました。獣たちの為に草を用意しました。もし七年間の不作がやって来ても大丈夫です。私は人々の為に穀物を集めました。獣たちの為に草を茂らせました」アヌはイシュタルの言葉を聞き入れた。彼は天の牛の手綱を彼女の手に置いた。イシュタルは手綱を取り、これを引いて行った。ウルクの町中に到着しないうちに、天の牛はユーフラテス川のほとりに下り、七つ、また七つと地面に穴を開けた。天の牛の鼻息で地面に穴が開き、ウルクの百人の男たちがその中に落ちた。二度目に、その鼻息で地面に穴が開き、ウルクの二百人の男たちがその中に落ちた。三度目に、その鼻息で地面に穴が開き、エンキドゥがその中に落ちた。エンキドゥは飛び上がり、天の牛の角を掴んだ。天の牛は彼の顔に涎を吐きかけ、その太い尾で自分の糞を投げつけた。エンキドゥはギルガメシュに言った。「友よ、我らはフンババ殺害を誇ったものだ。天の牛に対してはどう応戦しようか。友よ、私はその心臓を引き出してやりたいものだ。私が天の牛の太い尾を捕まえよう。私が飛びかかるから、あなたは首と角の間を剣で刺し通してくれ。」エンキドゥは天の牛を追い回し、その太い尾を掴んだ。ギルガメシュは屠る人のように力強く、首と角の間に剣を突き刺した。牛を殺してから、彼らはその心臓を掴みだして、シャマシュの前に置いた。彼らは引き下がり、シャマシュの前にひれ伏した。二人の兄弟は腰を降ろした。そこでイシュタルは囲いの町ウルクの城壁に登り、砦の上に飛び上がって呪いの言葉を投げつけた。「呪われなさい、ギルガメシュよ。私を侮辱し、天の牛を殺した者。」エンキドゥはイシュタルのこの言葉を聞き、天の牛の腿を引き裂き、彼女の顔に投げつけて言った。「もしお前を捕まえることが出来たら、お前にも同じようにしてやろう。牛の腸をお前の腹にぶら下げてやる。」イシュタルは神殿娼婦たちや女官たちを呼び集めた。彼女たちは天の牛のももの前で泣き悼んだ。ギルガメシュの方は全ての武器職人たちを集めた。職人たちは牛の角の大きさに驚いた。どれも三十ムナのラピス・ラズリでできていた。それらの厚みは二ウバヌほどだった。その二本の角の容量は油六グル分だった。彼は塗る油として彼の神ルガルバンダに捧げた。彼らはそれらを運び、彼の立派な寝室に架けた。彼らはユーフラテス川で手を洗った。彼らは互いに手を取り合って歩んだ。ウルクの大通りを戦車に乗って凱旋した。ウルクの人々は彼らを一目見ようと集まってきた。ギルガメシュはウルクの女官たちに向かって次のように言った。「人々の中で、誰が最も素晴らしいか。男たちの中で、誰が最も素晴らしいか。」女官たちは応えて言った。「人々の中で、ギルガメシュこそ最も素晴らしい。男たちの中でエンキドゥこそ最も素晴らしい。」ギルガメシュは言った。「私たちは怒りをもって天の牛のももを投げつけた。」女官たちは応えて言った。「ギルガメシュのように通りで心を喜ばせる者はいない。」ギルガメシュは宮殿で祝宴を催した。人々は夜になり、寝台で休んだ。エンキドゥも横になり、夢を見た。エンキドゥは起き上がり、夢を語り出した。彼は言った。「我が友よ、偉大な神々は何の為に会議をしているのだろう。」 イシュタルは怒り狂い、天に上ってアヌ神の前で泣き、ギルガメシュが自分をなじったと訴えた。しかしアヌ神は言った。「おまえが王ギルガメシュを挑発したのではなかったか。だから、彼はおまえに嘲りを数え上げたのだ」しかし、女神は父神の諭しを聞きいれなかった。女神は言った。「父よ、天牛を造ってください。ギルガメシュを打ち倒させてください。さもないと、冥界の死者たちをよみがえらせ、彼らに生者を食わせましょう。死者が生者より多くなるようにしましょう」これを聞いて困ったアヌ神は言った。もし天牛を造れば、ウルクに七年間の飢饉が起こるだろうと。これに対してイシュタル女神は、七年間の豊作を用意しましょうと答えた。アヌ神はイシュタル女神の怒りの大きさに、やむなく天牛の手綱を渡す。女神は手綱を引いていった。地上に恐怖が舞い降りた。ユーフラテス川は深くえぐられ、天牛の鼻息によって掘られた穴に人が次々に落ち込んでいった。これを聞きつけたギルガメシュはエンキドゥとともに駆け付けた。天牛は二人に対すると、凄まじい鼻息を吹き出した。大地がえぐられ、エンキドゥがその中に転落した。しかし彼はそこからすぐさま跳びあがり、天牛の角をつかんだ。両者は激しい力比べを始めた。エンキドゥはギルガメシュに言った。「わたしの力はこいつとほぼ互角だ。わたしがこいつの動きを止める。あなたは剣で止めを刺してくれ」エンキドゥは天牛を追い回し、その尾をつかんだ。ギルガメシュは剣を振りかざし、天牛の首筋、角、眉間を深々と刺し貫いた。天牛は絶命して倒れた。二人はその心臓を引き出し、太陽神シャマシュに捧げた。これを見たイシュタル女神はウルクの城壁の上から二人を呪った。これを見たエンキドゥは天牛の腿を引き裂き、女神の顔に投げつけて言った。「おまえも征伐してやろう。これと同じようにおまえもしてやろう。そのはらわたをおまえの脇にぶら下げてやろう」面目丸つぶれの女神は神殿娼婦たちを呼び集めて嘆いた。天牛を征伐したギルガメシュは、ラピス・ラズリで出来ている天牛の角を、呼び集めた職人たちに加工させた。そしてそれを寝室の飾りとした。またその容量と同じ分量の香油をギルガメシュの父であるルガルバンダに供えた。それからエンキドゥと共にユーフラテス川で手を洗い、二人並んでウルクへと帰還した。民は彼らを一目見ようと集まった。「人々の中で、ギルガメシュこそ最も素晴らしい。男たちのなかで、ギルガメシュこそ最も立派である」ギルガメシュは祝宴を催し、やがて横になって休んだ。次の朝、目覚めたギルガメシュに向かってエンキドゥが声をかけた。彼は不思議な夢を見たのだ。 聖牛グガランナ(Gugalanna)は、その名は「天の雄牛」を意味する。Gugalannaは、女神イシュタルの性的な前進を退けるギルガメシュに仕返しをするために、神によって送られました。天牛の鼻息によって地上を揺れさせたGugalannaは、ギルガメシュとエンキドゥによって殺されて手足をばらばらにされ、寝室の壁飾りになりました。そして、エンキドゥが天の雄牛の腰臀部を取り、女神の顔に投げつけたますが、この不信心のために、エンキドゥは後で死にます。
2013年01月24日
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「オリエントの神々」序章22・ギルガメシュ叙事詩・第六の書板(前半) 彼は体の汚れを洗い、武器を磨いた。彼は束ねた髪を背中へ向けて振りかけた。彼は汚れた服を投げ捨て、上着を着て腰帯を締めた。ギルガメシュが被り物を身に着けると、ギルガメシュの美しさに大女神イシュタルは目を見張った。「私の所に来てください、ギルガメシュよ。私の夫になってください。貴方の股間の果実を私に贈呈してください。貴方が私の夫に、私が貴方の妻になりますように。貴方の為にラピス・ラズリと黄金で飾った二輪車の手綱を張らせましょう。その車輪は黄金で、その笛は真鍮。貴方は風神たちを偉大な騾馬としてそれに繋ぐのです。香伯の木の香りのする私たちの神殿へ入るのです。私たちの神殿へ貴方が入るならば、敷居も足台も貴方の両足に接吻するでしょう。王侯貴族たちも貴方の足もとにひれ伏すでしょう。山のルルブ人たちと国民たちは産物を貴方に貢ぎ物として持参するでしょう。貴方のヤギは三つ子を、貴方の羊は双子を生むでしょう。貴方の荷を負ったロバは騾馬にも勝るでしょう。二輪車の馬たちは燃えるように立派になるでしょう。くびきをつけられた貴方の牛に並ぶものはないでしょう。」ギルガメシュは大女神イシュタルに向かって言った。「貴女をめとる為に私は何を差し上げましょうか。体に塗る油と衣装を差し上げましょうか。パンや料理を差し上げましょうか。神に相応しい食物を差し上げましょうか。王に相応しい飲み物を差し上げましょうか。私はもう上着を着てしまっているのです。それなのに、どうして貴女を娶ることができましょう。貴女は冷たくなった釜戸でしかない。風を嵐を防げない壊れた扉だ。英雄を傷つける宮殿、その覆いを潰す象、それを担ぐ人を濡らす皮袋、石の城壁を壊す石灰石、敵国ではなく自国の城壁を打ち砕くラピス・ラズリ。持ち主に靴擦れをさせる履き物です。貴女が愛したどの人が長続きしているでしょう。貴女のアラル鳥の誰が天に昇ったでしょう。さあ、私は貴女の恋人の末路を暴露してあげましょう。貴女は囚われた者の腕を掴んだのです。貴女の若い頃の恋人タンムズ(ドゥムジ)の為に、貴女は年ごとに泣くことを定めました。貴女は色鮮やかなアラル鳥を愛したが、彼を打ち叩き、その翼を引き裂きました。彼は茂みの中に座り、カッピー(私の翼よ)と叫びました。貴女は力溢れるライオンを愛したが、彼の為に七つ、また七つと落とし穴を掘りました。それから貴女は、戦いで活躍した馬を愛したが、貴女は鞭と拍車と殴打をあてることを定めて、七ベール駆け抜くことを彼に命じ、泥水を飲むことを彼に命じもしました。貴女はその母である神シリリには、泣くことを命じました。それから貴女は若い牧人の長を愛しました。彼は絶えず貴女にパン菓子を積み上げました。そして日ごとに貴女の為に子羊たちを屠りました。だが貴女は彼を打ち叩き、狼に変えてしまいました。彼の羊の群れの牧童たちは彼を追い払いました。そして彼の犬でさえ、彼のももに噛みつきました。貴女はまた、貴女の父の庭番イシュラヌを愛しました。彼は貴女にナツメヤシの葉で編んだカゴを絶えず運び込みました。そして日ごとに貴女の食卓を輝かせていました。そこで貴女は彼に目をかけ、彼の元へ行きました。私のイシュラヌよ、貴女の精力を共に味わいましょう。貴女の手を伸ばし、私の股間に触れてちょうだい。貴女は私に何をお望みなのですか。わが母よ。貴女は私の為にパンを焼かず、私も食べなかったのです。貴女が食べようとしているのは悪臭と腐敗のパン、防寒の役に立たない葦細工で作った上着です。貴女はこの彼の言葉を耳にすると怒り狂い、彼を打ち叩き、モグラに変えてしまった。貴女は彼を苦しみの中に置いた。彼は上がることも下ることもできない。そんな貴女が私を愛するならば、私を彼らのように扱うでしょう。」イシュタルはこれを聞いて怒り狂い、天に昇った。 ウルクに帰還したギルガメシュは、髪を濯ぎ、身を清め、王の衣装を纏い、冠を戴いた。それはまことに堂々たる美丈夫で、これを見た女神イシュタルは彼の前に顕われ、言った。御身は私の夫になるべきお方、ギルガメシュに富と権力を与えることを約束し、熱烈に求婚するが、ギルガメシュはこれに全く心を動かすことはなかった。そして彼は、イシュタルの愛したものがその後どのような末路をたどったかを暴いてゆく。「あなたは解けた氷、埃や風を遮れない壊れた扉、英雄をつぶす宮殿、あなたの連れ合いの誰がながく続いたろう。あなたの勇者の誰が天に上ったろう」と。戦いに勝利したギルガメシュは、妖艶だが怒らせると怖いウルクの守護女神・イシュタルの求愛を拒む。愛欲と極楽な生活を保証されたのにそれを拒んだ理由は、彼女の口車に乗った男たちはみな、骨抜きにされ、エキスを吸われて捨てられるのを知っていたからだ。美と戦いの女神イシュタルの顔が青ざめた。「ああ、ギルガメシュ。わたしが愛を与えるにふさわしい男に、やっと出会えたと思うたに、わたしの前世まで持ち出して責めるというのか。「ギルガメシュこそ男の中の男、わたしがこれぞと見込んだ男。わたしは過去をも未来をも見通す力を持っている。そのわたしが言ったことだ。ギルガメシュこそ夫となるべき男だ」と。なのにこの男はわたしの心を踏みにじった。この恥辱、許しておけようか。」イシュタルはわが身をかきむしり、嵐のように怒り、天に駆け上る。 イシュタル(Ishtar)はアッカドの豊穣、愛、戦の女神です。また、バビロニア時代には金星を司る天体神ともされました。父神はアン、母神はアントゥム。あるいは父神はシンともいわれます。配偶神はタンムーズですが、シャムシュとされることもあったようです。また、兄弟・姉妹はシャムシュ、エレシュ・キ・ガル、或いはアダト、エンリル、ニサバなど。崇拝の中心地はウルクで、とりわけ女性達の篤い尊崇を受けたそうです。また、ウルク以外の地にも信仰の中心地があり、アルバイル(アルベラ)のイシュタル、ニネヴェのイシュタル等その地名を冠した呼称で区別されました。マッサト[王女様]、テリトゥ[並外れた強さ]、イシュタル・アヌニトゥム[女戦士イシュタル]など多くの称号を持ち、随獣は獅子です。シュメールの愛の女神イナンナと同一視されました。
2013年01月23日
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「閑話休題」掻痒 皮膚のかゆみ・所謂掻痒(そうよう)は医学的いうとどういう状態なのか。皮膚の感覚には、痛みを感じる「痛覚」、触った感覚を感じる「触覚」、冷たさや熱さを感じる「温度覚(冷覚と温覚)」、位置感覚を感じる「位置覚」、振動を感じる「振動覚」の主に5つの感覚があります。人間は、皮膚に感じるそれぞれの感覚を専用の神経を通して脳に伝えます。一方、皮膚には痛みを感じる「痛点」という場所が分散しています。隔靴掻痒いうところの「かゆみ」は、主に、痛覚神経や痛点が、痛みとして捉えるはずの刺激を極弱く感じたときの感覚といわれています。ただ、針を皮膚に軽く当てれば、かゆみを生じるかというとそれほど単純なものではありません。但し、この従来の考え、痛覚神経が反応して起きるとしたものが、現在は、ヒスタミンの痒みを伝える神経が発見され独立した感覚であると考えられるようになった。かゆみには「触覚」や「温度覚」、さらには「精神的な気分」なども含め、これらが微妙に関連し合って感じるのです。 その代表格、蚊は吸血時に唾液を体内に送り込みます。この蚊の唾液には麻酔物質、消化液、血液凝固抑制剤などが含まれています。 そのうちの麻酔物質が後にアレルギーを起こし痒みの原因になります。この麻酔物質で人間の感覚を鈍らせて、その間に蚊は吸血行為を完了させるようがんばります。そもそも蚊は、卵を育てるために血を吸うので、メスしか血を吸いませんが、そのメスは、血を吸うときは同時に6つの針を人間の皮膚に挿入しています。これは、獲物に気づかれて殺されないようにするためのメカニズムです。この6つの針を刺したときに人間に気づかれて殺されないようにするための行為が痒みと関係しています。人間の皮膚に止まった蚊は、「下唇」(かしん)と呼ばれるケースの中から6本の針を取り出し、それらを次々に人間の皮膚に挿入していきます。先ずは、血を吸う管を入れやすいようにするための2本のノコギリ状の「小あご」と呼ばれる針を皮膚に挿入し、次に「咽頭」と呼ばれる針を皮膚に挿入し、皮膚を引き裂かれたときの痛みで人間に気づかれ、殺されないようにするための麻酔成分や、血を吸う時間を短くするための、血が固まらないようにするための成分を含んだ唾液を注入します。そして、皮膚の感覚を麻痺させた状態で、一番太い針である血を吸うための「上唇」(じょうしん)と呼ばれる針と、その開口部の蓋をしている「大あご」と呼ばれる2本の針を皮膚に挿入し、毛細血管を探り出し、一気に血を吸い上げます。そして、蚊が人間に気づかれて殺されないように痛みを麻痺させ、血が固まらないように注入した唾液である血液凝固抑制剤が、人間の体内に入るとアレルギー反応を起こしてしまうため、その結果痒みという感覚を生じさせます。刺された後の痒みはアレルギー反応なので、アレルギー反応がない体質というものも原理的には存在し得ますが、今のところ、そういう蚊の唾液に対する人間の免疫は確認されていません。
2013年01月21日
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「オリエントの神々」序章21・ギルガメシュ叙事詩・第五の書板 二人は立ち止まり、香柏の森に心打たれてそれを眺めた。香伯の高さに目を奪われ、森の入り口に目を吸い寄せられた。フンババ(巨大な龍であり、洪水、火災、死をもたらす怪物)の通り道には跡が付いていた。小道はよく踏みならされ、大きな道は立派だった。二人は香柏の山、神々の住まい、イルニニの神殿を眺めた。香柏は山にも生い茂っていた。その木陰は心地よく、幸福感に溢れていた。下草もたっぷりと茂り、森中を覆っていた。香柏や香木は大きく枝を広げて立派だった。フンババはギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、愚か者と武骨者で相談するがいい。お前たちがなぜ、俺の所までやって来たのかを。父親を知らない雑魚エンキドゥに忠告しろ。母乳を吸わなかった小亀や大亀のくせに。弱小者のお前なんか、俺は相手にしない。俺がお前を殺したところで、何の自慢にもならないのだから。エンキドゥよ、なぜお前はギルガメシュを俺の前まで連れて来たのだ。お前は敵対するよそ者と一緒に立つのか。ギルガメシュよ、俺はお前の喉笛と項をかみ砕いてやる。お前たちの肉を猛々しい大蛇の鳥、鷲、ハゲタカに喰わせてやる。」ギルガメシュはエンキドゥに言った。「友よ、フンババの顔が変わった。私は怯えている。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「友よ、後ずさりするな。後ろ向きになるな。激しく攻撃しなさい。」すぐに剣を抜いて戦った。斧には薬草が塗られていた。フンババには歯が立たなかった。エンキドゥはギルガメシュに言った。「フンババに一人一人で戦ったのでは勝つことはできない。一人で滑りやすい場所へ行くことはできない。二人は一人に勝る。二重、三重に織った布は誰も断ち切ることができない。三つ縒りの綱は切れない。ライオンも二頭の子供のライオンには勝てない。」ギルガメシュの涙は滝のように流れ落ちた。そしてギルガメシュは天のシャマシュに訴えた。「私は天におられるシャマシュに従ってきました。そして私に命じられた道を歩んできました。あなたがウルクで言ったことを思い出して、私の願いを聞いてください。ウルクの生え抜きである、ギルガメシュの言葉を。」その言葉をシャマシュは聞いた。シャマシュは激しい風をフンババに送った。南の風、北の風、東の風、西の風、うめきの風、唸る風、破壊の唸風、悪風、熱風、災の風、寒風、怒濤の風、つむじ風。これら十三の風がフンババに向かって吹き、彼の顔は黒くなった。フンババは前に進むこともできず、後に引くこともできなかった。ギルガメシュの武器がフンババを捕らえた。フンババはギルガメシュに命乞いをして言った。「ギルガメシュよ、俺を行かせてくれたら、お前を主人にして、俺はお前の家来になってやる。お前の知る限りの木を全部お前に与えるし、お前を守って、木を切り倒してお前の宮殿も建ててやろう。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「友よ、フンババの言葉に耳を貸すな。その嘆願を聞き入れてはならない。フンババを生かしておいてはいけない。」フンババは更に言った。「俺はお前を掲げ、我が森の別れ道でお前を打ち殺し、お前の肉を猛々しい大蛇の鳥、鷲、ハゲタカに喰わせたかった。さあ、エンキドゥよ、お前の側にお前の愛する者がいる。そのギルガメシュに俺の命を助けてくれるように言ってくれ。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「友よ、香伯の森の番人であるフンババを捕らえなさい。彼を縛り上げよ、彼を撃ち殺せ。彼を粉々にして、抹殺せよ。香伯の森の番人、フンババ、彼を縛り上げよ。彼を撃ち殺せ。彼を粉々にして、抹殺せよ。神々の第一人者エンリルがそれを聞く前に、偉大な神々が我々に対して怒り出す前に。ニップルにエンリルが、シッパルにシャマシュがいる。記念碑を建てて、ギルガメシュがいかにフンババを撃破したかを語り継がせよう。」フンババはこれを聞いて、更に命乞いをした。それでも二人は聞き入れなかったのでフンババは自分を森の番人として置いたエンリルに向かって言った。「エンリルよ。二人を老人になるまで生かしておかないでください。エンキドゥはその友ギルガメシュ以上に長生きできないようにしてください。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「私たちが近寄れば、目をくらませる光りはちりぢりに消え失せるだろう。光りは消えて、輝きは失われるだろう。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「友よ、鳥を捕まえたら、その雛は出てくるではないか。目をくらませる光りはその後で始末しよう。雛のように草むらを逃げ回るようになるだろう。戻ってフンババを殺せ。その後で彼の手下をを殺せ。」友の言葉を聞いたギルガメシュは、その手に斧を取り腰帯から剣を抜いた。ギルガメシュはフンババの首筋を目がけて斬りつけた。彼の友エンキドゥは心臓を斬りつけた。三度目の攻撃でにフンババは遂に打ち倒された。手下たちは大混乱し、静まりかえってしまった。森の番人フンババは地面にに打ち倒された。2ベールに渡って香伯の木のざわめきが聞こえた。彼と共にエンキドゥはフンババを打ち倒した。森は静まりかえった。エンキドゥは森のならず者を打ち倒した。かつては彼の叫びでサリアとレバノンの山も震えた。だが今は山も静まりかえった。全ての山並みも今は静まりかえった。彼は香伯の森のならず者を打ち倒したのだ。倒れた者たちを始末して、彼は七人を打ち倒した。彼の網は2ビルトゥの重さで、剣は6ビルトゥもあった。つまり彼は8ビルトゥの重さの荷物を腰帯に携えていた。撃破したフンババの内臓を肺まで取り除いた。彼はフンババの頭を掴み、金桶に押し込めた。彼はアヌンナキの秘密の住まいを開いた。ギルガメシュは木を倒し、エンキドゥは根を掘った。エンキドゥはギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、私たちは高くそびえる香伯の木を切り倒した。その木で扉を作ろう。高さは6ニンダ、幅は2ニンダ、厚さは1アマントゥで、戸柱、また下の柱軸と上の柱軸は一本柱で作ろう。そしてユーフラテス川がそれをニップルに運ぶように流すのだ。」彼らは筏を組み、ニップルに向けて流した。エンキドゥはそれに乗り、ギルガメシュはフンババの頭を運んだ。 「三つ縒りの綱は切れない」は毛利元就の「三本の矢」のオリエント版ですね。即ち、毛利元就は息子である、隆元・元晴・隆景の三人兄弟に矢を一本ずつ折らせてみたが、当然矢は簡単に折れた、次に三本の矢を束ねて折らせるとなかなか折れなかった元就はこうして三人が協力すれば弱い者でも強い敵に対抗できると遺言した伝承です。また、エンリルは、シュメル・アッカド神話の中では最高神として振る舞う。天空神アン、水の神エンキと並ぶ非常に古い神さまで、古代メソポタミアの世界では広く崇拝された。エンリルが最高神として崇拝される以前の時代には、天空神であるアンが最高神として神々の上に君臨していたことがさまざまな資料から分かっている。どのようにしてエンリルがアンから神々の王の座を奪ったのか、詳細な記録は伝わっていないが、シュメル神話には天地の分離を説明する神話が残されている。その中で、エンリルがアンから地上を奪ったように解釈できる神話がある。太古には天空の神アンと大地の女神キは分離していなかったという。しかし、彼らは交わって、風の神エンリルを産んだ。そして、このエンリルによって天地は分離されたという。詳しくは語られないが、アンは天を運び去り、エンリルは大地の女神キ(蛇神)キと交わって、地上の支配者になったという。この出来事によって、地上の支配権がアンからエンリルに移行したことが説明されている。この神話の中でのエンリルの存在は、天と地の間にある大気である。
2013年01月20日
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「オリエントの神々」序章20・ギルガメシュ叙事詩・第四の書板 ギルガメシュ(Gilgamesh)とエンキドゥは20ベール(1ベールは10キロメートル)進んで食事を摂り、さらに30ベール進んだところで夕べの休息を取った。一日に50ベールという健脚だ。一月と十五日の道のりを三日で踏破し、彼らは目指すレバノンの森に近づいていった。二人はシャマシュ神に向かって井戸を掘り、湧き水で体を清めて山に登り、シャマシュ神に捧げものをした。エンキドゥが夢見の床をしつらえ、ギルガメシュがそれに横たわる。彼らは神から夢告を授かるための用意をしているのだ。「山よ、私に夢を、よき言葉をもたらせ」ギルガメシュはそう唱えると、眠りについた。目覚めたギルガメシュは、エンキドゥに語る。奥深い山の中で、いきなり野牛が自分の上に落ちかかってきたと。エンキドゥは、それは吉兆だと言う。その野牛はフンババで、われらはきっとフンババを打ち倒すだろうと。二人は50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。前日の夢の続きだった。彼は夢の中で野牛を捕まえたが、それは叫びをもって地を割き、巻き起こす砂塵で天は暗くなった。ギルガメシュがその前にひざまずくと、野牛は彼の手をとって彼の傍らに座った。また男が現れ、ギルガメシュに皮袋の水を飲ませて立ち上がらせたという夢だった。エンキドゥは言う。その野牛は実はフンババではなく守護者なる太陽神シャマシュ、男はギルガメシュの父なるルガルバンダで、フンババとの戦いにおいてきっと彼らの加護があるだろうと。二人はまた50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。彼はまた別の夢を見た。そこでは天が叫び、地が咆えたけり、昼は暗闇となった。稲妻が走り、炎が燃え上がる。炎は天に沖し、死が雨と降り注いだが、やがて火は消えた、そういう夢だった。エンキドゥは語る。それはフンババとの戦いにおける神の威光の顕現のさまである、と。二人はまた50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。彼は良い夢を見た。彼は夢の中で空を飛ぶアンズー(獅子の頭を持つ鷲)を見た。そして恐ろしい顔の怪物を見た。その口は火で、その息は死。しかし、若者が現れてその怪物を捕らえ、地に投げ落とした。それを聞いたエンキドゥは喜ぶ。その怪物はフンババ、若者はシャマシュ神であると。二人はついにフンババの守る香柏の森に到着した。ギルガメシュは重ねてシャマシュ神に焼き粉を献げて加護を呼びかける。すると、天から声がした。「急いで彼に立ち向え。フンババが森に入らぬようにせよ。彼が森に下って行かぬようにせよ。隠れぬようにせよ。彼はまだ七つの鎧を身につけてはいない。一枚だけ身につけ、六枚は脱いでいる。」二人は森へ急いだ。しかしその時、洪水のごとき恐ろしい咆哮が轟き渡った。森の守護者フンババの叫び声だ。彼らの心は恐怖に満ち、足は止まってしまった。ギルガメシュは怖じ気づいてしまう。今度はエンキドゥが彼を励ます番となった。「友よ、なぜ、私たちは不安にかられて行かなければならないのか。全ての山々を我らは越えて行こう。友よ、戦いを熟知する者よ、百戦錬磨の強者よ、何度も薬草を塗ったからには、あなたは死を怖れなくてもよい。太鼓のように、あなたの名声を高めなさい。あなたの腕の萎えを去らせ、膝の衰弱を立て直すように。友よ、さあ、出発し、我々は一つになって出かけよう。戦いがあなたの心を燃やすように。死をものともせず、生を生きよ。脇を見張り、注意深い者こそ、前を進み、友の身を守り、彼を安らがせる人。彼らは遠く後代まで名をあげるのだ。」こうして、二人は長い旅の後に香柏の森に到着した。フンババが行き来する場所には、歩みの跡がつけられ、道が整えられ、小道は素晴らしかった。彼らは香柏の山、神々の住まい、大女神イシュタルの聖所に見入った。山の前面には香柏の緑が映えていた。その木陰は心地よく、歓喜に満ちていた。下草は繁茂し、森を覆っていた。香柏は天に届くほど高く、その枝を1ベールも広げていた。 香柏の森が、どこにあったのか。古いシュメール語版によれば、メソポタミアの東部、エラムとの国境にあるザグロス山脈の近くだったとされていますが、後の時代の粘土版ではメソポタミアの西のレバノンだったと書かれています。イシュタルの聖所のイシュタル(Ishtar)とはアッカドの豊穣、愛、戦の女神。また、バビロニア時代には金星を司る天体神ともされました。崇拝の中心地はウルクで、とりわけ女性達の篤い尊崇を受けたそうです。また、ウルク以外の地にも信仰の中心地があり、アルバイル(アルベラ)のイシュタル、ニネヴェのイシュタル等その地名を冠した呼称で区別されました。
2013年01月19日
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「オリエントの神々」序章19・ギルガメシュ叙事詩・第三の書板 長老たちはギルガメシュを祝福した。「ギルガメシュよ、自分の力を過信してはならない。十分に様子を見たら、エンキドゥを信頼して前を行かせなさい。彼が道を教え、仲間であるお前を救ってくれるだろう。彼は道を知っており、友達であるお前を守ってくれるだろう。エンキドゥを前に立てて行かせよ。彼は杉の森に通じる道を知っている。エンキドゥならば戦いの形勢を見て、指示を与えてくれるだろう。エンキドゥに友を守らせ、仲間の安全を保たせよ。花嫁たちの為に無事にお前を連れ帰らせなさい。シャマシュがお前に勝利を得させてくださいますように。お前の言うとおり首尾良く運びますように。閉ざされた道を開いてくださるように。お前の足の為に道を開いてくださるように。お前の足の為に山を開いてくださるように。夜がお前にお前の喜ぶ品々をもたらし、ルガルバンダがお前の勝利の為にお前についてくださるように。子供に対するようにお前の勝利を得なさい。お前は進み行くフンババの川で、足を洗いなさい。夕方になったら井戸を掘りなさい。お前の革袋の中の水は常に清くしておきなさい。冷たい水をシャマシュに捧げなさい。常にルガルバンダのことを思いにとめなさい。」ギルガメシュはエンキドゥに言った。「さあ、友よ、大神殿に行こう。偉大なニンスンの前に。博識で賢明なニンスン、我らの歩みの為、彼女は考え抜かれた道を備えてくれるだろう。」彼らは手に手を取り合った。ギルガメシュとエンキドゥは大神殿に赴いた。ギルガメシュは偉大な女王ニンスンの所に入って行って、前に立った。「ニンスンよ、私は友という力を得ました。私はフンババの住む遠い道に向かいます。私は遠征に乗り出します。私が行って戻る日まで、杉の森に到着するまで、恐るべきフンババを打ち殺すまで、そしてシャマシュが嫌う悪を国から滅ぼすまで、私の為にシャマシュに願ってください。私がフンババを打ち倒し、彼の杉を切り倒せるように。そして国全体に平和があるように。勝利のしるしをあなたの前に得られますように。」ニンスンは彼女の息子、ギルガメシュの言葉を不安な面持ちで聞いた。ニンスンは自分の部屋に入り、草で身を清め、自分の体に合った衣服と胸飾りを付けた。腰帯を締め、王冠をかぶり、清めの水を地と塵に撒き、屋上でシャマシュの前に香を供えた。彼女はシャマシュの前にお供えをした。彼女は言った。「なぜあなたは我が子ギルガメシュに不安な気持ちを植え付けるのですか。今や、あなたは彼の心を動かし、フンババの住む遠い道に行こうとしています。彼は戦闘に向かおうとしています。遠征に乗り出そうとしています。彼が行って戻る日まで、杉の森に到着するまで、恐るべきフンババを打ち殺すまで、そしてあなたが嫌う悪を国から滅ぼすまで。あなたがギルガメシュと共におられる日々、花嫁アヤがあなたを怖れず、あなたを思い起こすように、彼を夜警に付かせてください。」彼女は香を消し、エンキドゥを呼んで決定を知らせた。「強きエンキドゥよ。あなたは私が産んだ者ではないが、今、私はあなたのことを話し合った、ギルガメシュの為の請願者たち、ウグバブトゥ祭司たち、カディシュトゥ祭司たち、クルマシートゥ祭司たちと。」彼女はエンキドゥの首に護符をかけてやった。 ギルガメシュは涙を流しながら太陽神シャマシュに冒険の無事を祈った。そしてエンキドゥと共に武器を取って立ち、長老たちの祝福を受ける。長老たちは、「前を行く者が仲間を救う、道を知るものはその友を援ける」という格言をひき、香柏の森を知るエンキドゥを信頼して事に当たるよう忠告した。ギルガメシュはエ・ガル・マハ神殿に赴き、母である女神リマト・ニンスンに遠征の報告を行い、道中の加護を願う。女神は太陽神シャマシュにギルガメシュの加護を嘆願する。シャマシュはそれを聞き入れた。女神はエンキドゥを祝福し、女祭司たちが彼に護符を授けた。ギルガメシュとエンキドゥは女神に供物を捧げる。今ひとたび長老の祝福を受け、二人は出発します。 シュメールの神々と人類の系譜を描いた「王名表」によれば、12名のアヌンナキによって構成される評議会が、最高の意思決定機関だとされており、。昇格・降格がありました。神々は角のついた帽子をかぶっており、その帽子の角が神々の地位を示しています。左右一対の角は「10」を示していて、数値が大きいほどランクも高くなります。ギルガメシュに出てくる太陽神シャマシュはエンリルの孫のウトゥと同一神で「20」と4番目の数値が与えられており、それ程の地位を占めてはおりません。最高ランクはアヌの「60」です。その太陽神シャマシュが、フンババを倒すのに、ギルガメシュとエンキドゥを援助することになります。また、ギルガメシュの母であるエ・ガル・マハ神殿の偉大な女王・女神ニンスン(Ninsun)はギルガメシュの父ウルクの、第1王朝の伝説的な王、シュメール王名表によれば1200年間在位したというルガルバンダ(Lugalbanda)の伴侶とされていますが、シュメール王名表では異なっています。
2013年01月18日
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ギルガメシュ叙事詩・第二の書板の文段解析2 ギルガメシュはエンキドゥに言った。「我が友よ、誰も天上まで昇ることなんかできない。太陽のもとに永遠に生きるのは神々だけだ。人間というものは。その生きる日数に限りがある。人の成すことは、すべて風に過ぎない。貴方は、この期に及んで死を恐れるのか。貴方は勇敢だったのではないのか。貴方の前を私は進もう。貴方は進め恐れるなと言っていればいい。私は倒れても、私の名を挙げることができるのだ。ギルガメシュは恐ろしきフンババとの戦いに倒れたのだと我が家に代々伝えよう。さあ、我が友よ、武器職人に向かって私は命じよう。武器を我らの目の前で鋳造するように。」「遠永の命を持つのは神のみ。人間の日々には限りがある。人間の成し遂げることは風にすぎない。だのに、貴方は死を恐れるのか。この期に及んで死を恐れるのか。貴方は勇敢だったのではないのか。貴方の前を私は進もう。貴方は進め、恐れるなと言っていればいい。我が子孫の後々まで伝えられるだろう」エンキドゥはギルガメシュの意志が堅いことを知ってついに折れ、武器職人に向かって彼らは命令を与えた。職人たちは席に座り、相談をした。彼らは大いなる武器を鋳造した。彼らは三ビルトゥある斧と剣を鋳造した。その刃はそれぞれ二ビルトゥで、その脇の留め釘は三十ムナだった。剣の柄は三十ムナの黄金だった。ギルガメシュとエンキドゥはそれぞれ十ビルトゥを身に付けた。ウルクの七つの城門にはかんぬきが掛かっていたが、このことを聞くと、人々は集まった。広場のある町ウルクの通りで歓声をあげた。ギルガメシュはその歓声を聞き、ウルクの通りに立った。ギルガメシュはウルクの人々にこう言った。「私は恐ろしいフンババに立ち向かう。彼らが語っている者を、私は見たいのだ、その名が国中に行き渡っている者を。その者を杉の森で討ち滅ぼそう。ウルクの子の強さを、国中に聴かせてやろう。私は杉を切り倒してフンババへの道を行こう。私は永遠の名声を手に入れるのだ。私が無事に凱旋できるように祝福してくれ。私が戻り、来年の正月が祝えるように。来年の正月を私が催せるように。」ウルクの長老たち、広場の者たちは、ギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、お前は若い。お前の心ははやっている。自分が何をしようとしているのか、お前はわかっていない。私たちはフンババの姿は並みではないと聞いている。彼の武器には誰もかなわないだろう。森は一ベールも広がっているのだ。誰がその中へ行こうとするだろう。フンババの叫び声は洪水で、その口は火、その息は死だ。エンリルは杉の森を人間から守る為にフンババを任命したのだ。お前はなぜ、そんなことをしたがるのだ。」助言者の言葉を聞いたギルガメシュは、彼の友を眺め、笑った。 人々はこの事を聞きつけると広場へと集まり、歓声を上げた。ギルガメシュは人々の前に姿をあらわし、みずからの計画を皆に告げる。ウルクの長老たちが思いとどまるように言うが、今更聞く耳を持つギルガメシュではなかった。長老たちはギルガメシュの無事を祈る。彼は太陽神シャマシュの加護を祈り、神託を乞うが、内容はかんばしいものではなかった。 フンババ(Humbaba)は森の番人といわれる巨大な怪物です。叫び声で洪水を起こし、口から火を吐いたり、毒の息を吹き出すことができます。また、人間の言葉を話せるという特徴があります。広大な森林地帯の奥深くに住み、森林を荒らす者がいると地響きを立てながら現れ、追い払ったり殺したりします。とくに木を切り倒されるのは大嫌いで、フンババは大いに怒り狂い、「わたしの木を切り倒すのは誰だ」と叫んで暴れ回ります。とはいえ、人間を困らせることを目的にしているのではないようです。というのも、フンババの住む森には呪いがかけられており、普通の人間ではなかなか中に入り込むことさえできないからです。おそらく、広大な原生林で、入り込んだら方向がわからなくなり、迷子になって死んでしまうような森なのでしょう。フンババには数多くの子分もいて、森の見張りをしています。どんな子分なのかわかりませんが、森に棲んでいる爬虫類や獣たちではなのでしょう。森林地帯に住む動物たちなら、森を守ろうとするフンババに協力するに違いないからです。広大な森林地帯には必ずフンババのような怪物が住んで守っているといっていいかもしれません。なお、シャマシュはメソポタミアの太陽神です。すべてのものを照らす正義の神、季節を司る神、戦争の勝利と敗北を決定する神として崇められました。正義を愛し、悪に対しては厳しく罰する審判者としても知られています。バビロニアには、現在知られている中で2番目に古い法典である「ハンムラビ法典」が、このシャマシュ神より与えられたという伝説があります。正義の太陽神シャマシュ神が、神の代理であるハンムラビ王に法典を授けたというのが、このハンムラビ法典を守るべき根拠となっていました。ハンムラビ法典の碑文には、椅子に座ったシャマシュの像と、「天地の審判者たるシャマシュの命に従い我は正義の光輝を国中に普及せしめんことをこいねがう」といった布告文が刻まれています。旧約聖書で見られる「目には目を、歯には歯を」との記述はハンムラビ法典を根拠にしています。これが近代刑法の「罪刑法定主義」へと発展していきます。
2013年01月17日
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ギルガメシュ叙事詩・第二の書板の文段解析1 神殿娼婦シャムハトは、ウルクへの道中、エンキドゥに着物を着せた。羊飼いたちの家に宿をとった時、彼らは口々にエンキドゥの勇姿を誉めた。そしてエンキドゥにパンや麦酒を出してもてなすが、エンキドゥは初めて目にするそれらの食事に面食らい、しげしげと見つめた。彼はそれまで、野獣の乳しか飲んだことはなかったのだ。シャムハトの勧めにより、彼はパンを食べ、クルンヌ・ビールを飲んだ。彼は大いに満足し、ビールを七壷も飲み干した。エンキドゥはここに滞在中、羊飼いを脅かす狼やライオンを撃退してやります。ウルクへ向かう途中、彼らは一人の男に出会う。何やら急いでいるようだった。ウルクで花嫁選びが行われるので、舅の家に手伝いとして向かうところとのこと。彼はエンキドゥに、ギルガメシュが新婚の花嫁に対する初夜権を行使していると告げる。これを聞いたエンキドゥは青ざめ、憤慨激高。エンキドゥは男と共にウルクへと到着。大勢の人々が、彼の周りに集まってき、彼らは口々にエンキドゥの雄々しい姿を誉め、ギルガメシュと競う者がやってきたと喜びます。エンキドゥは、男の舅の家に通ずる通りに立ちはだかり、ギルガメシュを待ち構えた。夜になり、ギルガメシュがやってきた。エンキドゥは彼に対して歩みを進め、二人はついに「国の広場」で出会った。エンキドゥはギルガメシュが進めないように門を足で塞いだ。ギルガメシュは、夢で対抗者が来ることは知っていたが、まさかこのお楽しみの夜に来るとは思わなかったので、甘い一夜を邪魔されたギルガメシュは憤ってエンキドゥに掴みかかり、エンキドゥも反撃。その二人の激闘により、建物の敷居が震え、壁が揺れて裂け、戸は壊れて落ちた程だが、決着はつかなかった。怒りをおさめ、踝を返そうとしたギルガメシュに、エンキドゥは何んと彼を称える言葉を贈ったのです。二人は抱き合い、接吻し、友情を結びます。まるで、関羽と張飛のオリエント版です。二人は神殿娼婦シャムハトのもとを訪れ、感謝を捧げます。こうして、闘いを通して二人は無二の親友となった。ところで、初夜権を行使とありますが、紀元前の古代メソポタミア文明の叙事詩。ギルガメシュ王の権限のひとつとして「全ての民の初夜権を有した」と伝えられ、此れが史上最も確認されているものでは古いと想われます。取り分け此のことは、古今東西珍しい事でもなく、古代ローマ時代に、議院でシーザー(ユリウス・カエサル)が一切ローマ婦人と親しむ権力を附くべきや否やを真面目に論じた例もあることは、ローマ市民がシーザーの凱旋時には処女を隠したとも伝えられ、またその兵士も急いで帰宅して妻と娘を隠しています。其の好色振りは全ての元老院議員の妻と関わったと伝えられ、英雄色を好む其のものだった。但し、ギルガメシュ叙事詩では全ての民の初夜の権利を持つ、他人の妻を犯すという記述がギルガメシュの暴政を指し示す言葉としての「初夜権」を暗示しています。
2013年01月16日
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「オリエントの神々」序章18・ギルガメシュ叙事詩・第二の書板(後半) ギルガメシュは杉の森へ行って、そこに住むフンババの征伐をエンキドゥに持ちかけた。しかし、エンキドゥは縁起の悪い夢を見たので、それを思いとどまらせようとして言った。「あなたはなぜ、そんなことをしたがるのだ。」エンキドゥの目は涙でいっぱいだった。彼は非常に憂鬱な気分になって、大きくため息をついた。彼は非常に悩んでいた。ギルガメシュはエンキドゥに言った。「なぜあなたの目は涙でいっぱいなのだ。なぜ非常に憂鬱な気分になって、大きくため息をつくのだ。なぜ非常に悩んでいるのだ。」エンキドゥはギルガメシュに言った。「我が友よ、嘆きが私の首筋を強ばらせるのだ。私の両腕は動かないし、私は力が抜けてしまっている。」ギルガメシュはエンキドゥに向かって言った。「私は恐るべきフンババを倒すのだ。悪を滅ぼそう。杉の森を切り開こう。」エンキドゥは言った。「我が友よ、私は野原で学んだのだ。獣たちと一緒にうろつきまわっていた時に。森は一ベールも広がっているのだ。誰がその中へ行こうとするだろう。フンババの叫び声は洪水で、その口は火、その息は死だ。あなたはなぜ、そんなことをしたがるのだ。」ギルガメシュは言った。「杉の森の山に私は登りたいのだ。フンババの住むあの森に私は入りたい。斧と大斧と剣を携えて行くのだ。私はあの森に入りたい。」エンキドゥは言った。「どうやって杉の森まで行くつもりなのだ。その守り手はウェルで、彼は力が強く、眠ることもないのに。エンリルは杉の森を人間から守る為にフンババを任命したのだ。その声は洪水、その口は火、その息は死だ。彼は六十ベールも離れた場所からでも、その森のざわめきを聞きつけるというのに、誰が森に入って行けるだろう。エンリルは杉の森を人間から守る為にフンババを任命したのだ。彼の森に入り込む者は、恐怖に襲われるだろう。」ギルガメシュはエンキドゥに言った。「我が友よ、誰も天上まで昇ることなんかできない。太陽のもとに永遠に生きるのは神々だけだ。人間というものは。その生きる日数に限りがある。人の成すことは、すべて風に過ぎない。あなたは、この期に及んで死を恐れるのか。あなたは勇敢だったのではないのか。あなたの前を私は進もう。あなたは『進め、恐れるな』と言っていればいい。私は倒れても、私の名を挙げることができるのだ。『ギルガメシュは恐ろしきフンババとの戦いに倒れたのだ』と我が家に代々伝えよう。さあ、我が友よ、武器職人に向かって私は命じよう。武器を我らの目の前で鋳造するように。」武器職人に向かって彼らは命令を与えた。職人たちは席に座り、相談をした。彼らは大いなる武器を鋳造した。彼らは三ビルトゥある斧と剣を鋳造した。その刃はそれぞれ二ビルトゥで、その脇の留め釘は三十ムナだった。剣の柄は三十ムナの黄金だった。ギルガメシュとエンキドゥはそれぞれ十ビルトゥを身に付けた。ウルクの七つの城門にはかんぬきが掛かっていたが、このことを聞くと、人々は集まった。広場のある町ウルクの通りで歓声をあげた。ギルガメシュはその歓声を聞き、ウルクの通りに立った。ギルガメシュはウルクの人々にこう言った。「私は恐ろしいフンババに立ち向かう。彼らが語っている者を、私は見たいのだ、その名が国中に行き渡っている者を。その者を杉の森で討ち滅ぼそう。ウルクの子の強さを、国中に聴かせてやろう。私は杉を切り倒してフンババへの道を行こう。私は永遠の名声を手に入れるのだ。私が無事に凱旋できるように祝福してくれ。私が戻り、来年の正月が祝えるように。来年の正月を私が催せるように。」ウルクの長老たち、広場の者たちは、ギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ、お前は若い。お前の心ははやっている。自分が何をしようとしているのか、お前はわかっていない。私たちはフンババの姿は並みではないと聞いている。彼の武器には誰もかなわないだろう。森は一ベールも広がっているのだ。誰がその中へ行こうとするだろう。フンババの叫び声は洪水で、その口は火、その息は死だ。エンリルは杉の森を人間から守る為にフンババを任命したのだ。お前はなぜ、そんなことをしたがるのだ。」助言者の言葉を聞いたギルガメシュは、彼の友を眺め、笑った。 ある時、ギルガメシュが太陽神シャマシュの嫌う<全悪>を滅ぼすと宣言します。フンババとは、香柏の森を守るために、エンリルがフンババを人々の恐れの的となるように定めたものです。荒野を知るエンキドゥが、ウルクの長老たちに求めました。ウルクの男たちの知者たちよ。ギルガメシュに言え。彼は香柏の森に行ってはならない。かの道を行くことは出来ない。人間はフンババを見ることが出来ないと。フンババの声は洪水、その口は火、その息は死。彼はどんな遠くからでも森に入る物音を聞きつける。誰が森のなかに入って行けようか。その森に入ることの出来るものは、アダトがその一人、フンババがもう一人、それだけだ。イギギの神々のなかでさえ、誰がフンババに対抗できるだろう。香柏の森を保全するために、エンリルがフンババを人々の恐れと定めたのだ。しかし、ギルガメシュは長老たちを説得しました。そしてエンキドゥの反対の甲斐もなく、「香柏の森」、即ち、香柏とはヒマラヤスギ属で、翻訳文学ではしばしばレバノンスギと呼ばれますが、そのレバノンの「香り高き杉の山」、「旧約聖書」で記されている様に、かのソロモン王がモリヤ山に神殿を建てたとき、使われた木材です。その香柏の森は、かっては銀色に輝いていたが、いまやレバノン山脈には跡形もありません。神聖な森は神聖であるがゆえに、宮殿や神殿や権力のある人間の棺やミイラ作りの油をとるために伐採され、長い時間の中でレバノンの香柏の森は消えていったのです。
2013年01月15日
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「閑話休題」ボリウッド(Bollywood)のヴィーナスアイシュワリヤー・ラーイ (Aishwarya Rai )は、インド出身の女優、モデル。1994年のミス・ワールド。ニックネームはAsh(アイシュ)。インドを代表するセレブリティの一人である。ジュリア・ロバーツをして「世界でもっとも美しい女性」と言わせた程でした。生年月日: 1973年11月1日、出身地: マンガロール、身長: 170センチメートル映画: ロボット, ピンクパンサー2があります。彼女のルックスは、日本人がイメージする典型的インド人とはちょっと違っていて、青緑色の瞳といい、目や鼻、口といった顔の作りといい、限りなく白人に近い感じがします。アレクザンダーの印度遠征に伴って来た兵士の血統?。青い瞳のインド女優が不思議さを醸し出します。、インド国内で最高の人気を誇る美人ボリウッド女優だったが、長男出産後から産後ダイエットしない姿勢をインド国内で批判されています。「ファンを失望させた」「産後ダイエットするのは女優の義務」と口撃されるなか、アイシュワリヤー自身は「育児よりも体型を元通りにすることに血眼になる女優は自分勝手よ」と悠然と構えて育児に専念。ナチュラル派の彼女は今後お母さん役にシフトするのも厭わないようで、ママになっても恋愛映画に固執するどこぞの女優とはひと味もふた味も違います。
2013年01月14日
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「オリエントの神々」序章17・ギルガメシュ叙事詩・第二の書板(前半) エンキドゥは生まれた所を忘れ去った。六日と七晩、エンキドゥは神殿娼婦と肉体関係を持った。それから神殿娼婦はエンキドゥに向かってこう言った。「エンキドゥよ、あなたは賢く、神のような人になりました。なぜ、獣たちと野原をうろつきまわるのですか。さあ、あなたを囲いの町ウルクへお連れしましょう。アヌとイシュタルが住まわれる聖なる神殿へ。エンキドゥよ、お立ちなさい、私はあなたをアヌの住まわれるエアンナへお連れしましょう。そこには武勇に優れたギルガメシュがいます。そしてあなたは、あなた自身のように彼を愛おしむでしょう。起き上がり、地面から、羊飼いの寝床から立ちなさい。」彼女がこう言うと、彼女の言葉は説得力があった。彼女は一つの上着を彼に着せ、もう一つの上着を自分で着た。彼女は彼の手を取り、羊を囲う場所にいる羊飼いの食卓に向かって、母親のように彼を連れて行った。羊飼いたちは彼の周りに集った。彼らは言った。「彼こそは姿においてギルガメシュに等しい男だ。背が高く、胸壁のように堂々としている。おそらくは山で生まれた男だろう。その力はアヌの結び目のように強い。」羊飼いたちはエンキドゥの前にパンやビールを置いたが、彼はそれまで野獣の乳を飲んでいたので、それをただ眺めるだけで、飲食の仕方を知らなかった。神殿娼婦はエンキドゥに言った。「パンを食べなさい、エンキドゥよ。それが人生の決まりなのです。ビールを飲みなさい、それが国の習わしなのです。」エンキドゥは飽きるまでパンを食べた。杯に七杯もビールを飲んだ。彼は酔ってゴキゲンになった。彼の顔はほてった。彼は毛髪に油を塗りつけ、人間らしくなった。上着を着て花婿のようになった。彼はライオンを狩る為に武器を取った。彼は狼を捕らえ、ライオンを討ち取ったので、羊飼いたちは夜、休めるようになった。エンキドゥは彼らの見張りだった。エンキドゥは囲いの町ウルクへ向かう途中で、一人の男に会った。彼は神殿娼婦に言った。「その人に事情を聞いてください。」神殿娼婦はその人を呼んだ。「男の方、急いでどこへ行かれるのですか。どうしてそんなに大変な思いをして歩いているのですか。」男はエンキドゥに言った。「私は結婚の宴会に招かれているのです。人間の定めである花嫁選びの為に、宴会場で盛大なご馳走を祝いの食卓に載せなければなりません。広場のある町ウルクの王、ギルガメシュは新郎よりも先に新婦と寝るのです。それは神々が決めたことで、彼のへその緒が切られた時から決まっていたことです。」男の言葉を聞いて、エンキドゥは青ざめた。神殿娼婦はエンキドゥの後ろを歩いていた。彼はウルクの町に入った。ウルクの人々が大勢彼の周りに集まってきた。広場のあるウルクの通りで立ち止まると、人々は集まって、彼について語り合った。「彼は姿においてギルガメシュに等しい男だ。背が高く、胸壁のように堂々としている。おそらくは山で生まれた男だろう。彼は草を食べ、野獣の乳を飲んでいたのだ。」ギルガメシュは夜になると、若い女と夜を過ごす為にやって来た。彼が近づいてくると、エンキドゥはその前に立ちはだかった。二人は家の門でつかみ合った。彼らは通りでも、国の広場でも、格闘し続けた。敷居が震え、壁が揺れた。ギルガメシュは座り込んだ。彼の怒りは治まり、エンキドゥに背を向けた。そこでエンキドゥは彼に向かって言った。「あなたの母はあなたを一人息子として生みました。囲いの町ウルクの気高き雌牛ニンスンが、あなたを人々の上に高められたのです。人々の上に立つ王権を、エンリルがあなたに授けたのです。」ギルガメシュとエンキドゥは接吻をして、友情を結んだ。二人は神殿娼婦にそのことを報告した。 ウルクへ向かう途中、彼らは一人の男に出会う。何やら急いでいるようだった。ウルクで花嫁選びが行われるので、舅の家に手伝いとして向かうところとのこと。彼はエンキドゥに、ギルガメシュが新婚の花嫁に対する初夜権を行使していると告げる。これを聞いたエンキドゥは青ざめ、憤慨した。エンキドゥは女に連れられてウルクの城門のところに来ます、大勢の人たちが城門前の広場へと集まってきていました。彼らは口々にエンキドゥの雄々しい姿を誉め、ギルガメシュと競う者がやってきたと喜んだ。エンキドゥは、男の舅の家に通ずる通りに立ちはだかり、ギルガメシュを待ち構えた。夜になり、ギルガメシュがやってきた。エンキドゥは彼に対して歩みを進め、二人はついに「国の広場」で出会った。エンキドゥはギルガメシュが進めないように門を足でふさいだ。ギルガメシュは、夢により対抗者が来ることは知っていたが、まさかこのお楽しみの夜に来るとは思っていなかった。甘い一夜を邪魔されたギルガメシュは怒ってエンキドゥにつかみかかった。エンキドゥは反撃した。二人の激しい闘いにより、建物の敷居が震え、壁が揺れて裂け、戸は壊れて落ちた。二人は長い間闘ったが、ついに決着はつかなかった。怒りをおさめ、くびすを返そうとしたギルガメシュに、エンキドゥは彼をたたえる言葉を贈った。二人は抱き合い、接吻し、友情を結んだ。二人は互いに語り合い、共に飲食し、行動した。二人は神殿娼婦シャムハトのもとを訪れ、感謝を捧げました。此の闘いを通して二人は無二の親友となります。ギルガメシュはそれからは行いを改め、聖王となったもようです。
2013年01月13日
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ギルガメシュ叙事詩・第一の書板の文段解析4 ギルガメシュは立ち上がって、自分の見た夢を解釈してもらう為に、彼の母に言った。「母よ、私は夜に一つの夢を見ました。天の星が現れて来ました。するとアヌの結び目のようなものが、私の上に落ちて来たのです。それを持ち上げようとしても、私には重すぎました。それを動かそうとしましたが、動かせませんでした。ウルクの国民がその前に立っていました。ウルクの国民がその前に集まっていました。貴人たちはその足に接吻をしました。私がそれを額をあてて持ち上げようとすると、彼らは手伝ってくれました。私はそれを持ち上げ、あなたのところへ運んで来たのです。」博識なギルガメシュの母は息子に言った。「天の星が現れて来たのですね。すると、アヌの結び目のようなものがお前の上に落ちてきたのですね。それを持ち上げようとしても、お前には持ち上げられなかったのですね。お前はそれを私の下に置いたのですね。友を助ける勇敢な仲間がお前の所にやって来るのです。彼は山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強いのです。女に対するように、お前は彼を抱き、彼に愛を注ぐでしょう。彼は常にお前を助けるでしょう。このようにお前の夢は解釈されます。」ギルガメシュは再び彼の母に言った。「母よ、私はもう一つ夢を見ました。囲いの町ウルクの通りに一本の斧が投げ出され、その周りに人だかりが出来ていました。ウルクの人々がそこに立っていました。ウルクの人々がその前に集まっていました。その斧なのですが、奇妙な形をしていました。そこで私はそれをあなたの足もとに置きました。私は女のようにそれを抱き、それに愛を注ぎました。あなたはそれを私の対抗者とされたのです。」博識で賢明なギルガメシュの母、気高き雌牛ニンスンは彼女の息子に言った。「お前が見た斧とは一人の人間のことです。お前は彼を女に対するように抱き、彼に愛を注ぐでしょう。私は彼をお前の対抗者とするのです。友を助ける勇敢な仲間がお前の所にやって来るのです。彼は山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強いのです。」ギルガメシュは彼の母に言った。「ならば、偉大な助言者エンリルの命令により、彼が落ちてくるように。助言をしてくれる一人の友を、私は得たいのです。私は得たいのです、助言をしてくれる一人の友人を。」こうして彼の夢は解釈された。ギルガメシュの夢の解釈をしている時、神殿娼婦はエンキドゥと目合っていた。 エンキドゥは、「自らの心を知る彼は喜び、仲間を欲しいと思った。」、ギルガメシュは「助言をしてくれる一人の友を、私は得たいのです。私は得たいのです、助言をしてくれる一人の友人を。」と互いに心を許す英雄を求めています。牛若と恐らくは源氏の御曹司と知ってその力量と胆力を伺うために、京の五条大橋(現在は位置が変わっています)で戦いを挑む、生まれたときには2、3歳児の体つきで、髪は肩を隠すほど伸び、奥歯も前歯も生えそろっていたというエンキドゥを彷彿とさせる鬼若や、三国志で有名な関羽と張飛の英傑は、夫々、一度は戦って後、死を誓い合っています。英雄は英雄を知ると云ったところでしょうか。私的にはサウルの息子ヨナタンと聖王ダビデの関係も付け加えます。
2013年01月12日
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ギルガメシュ叙事詩・第一の書板の文段解析3 罠を仕掛ける一人の狩人が、その水飲み場で彼と顔を合わせた。一日、二日、三日目と、水飲み場で彼と顔を合わせた。狩人は彼を見て、顔をこわばらせた。彼と獣たちは住みかへ帰って行った。狩人は恐怖で動けず、声も出なかった。彼の心は乱され、その顔は曇った。恐怖が彼のはらわたにまで入り込んだ。彼は遠くから帰った旅人のように疲れ切った表情になった。狩人は彼の父に言った。「お父さん。山からやって来た人間がいました。山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強く、いつも山を歩き回っています。彼はいつも獣たちと一緒に草を食べ、いつも両足を水飲み場に浸しています。私は恐ろしくて彼に近寄ることができません。彼は私が狩りの為に掘った穴を埋めてしまったり、仕掛けた罠を破ったりして、獣や野の動物たちを私の手から逃がしてしまいました。彼は私の狩猟の邪魔をするのです。」彼の父は狩人に言った。「我が子よ、ウルクにはギルガメシュが住んでいる。誰も彼の強さに勝る者はいない。彼の力はアヌの結び目のように強い。お前はウルクへ向かいなさい。そしてその男の荒くれぶりを彼に伝えなさい。そして、彼から神殿娼婦を貰い受けて来なさい。彼がやって来て、獣に水飲み場で水を飲ませる時、彼女に服を脱いで誘惑させなさい。そうすれば彼女を見て、彼は近づいてくるだろう。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。」父の言葉に従って、狩人はギルガメシュのいるウルクへ出発した。彼はギルガメシュに会い、訴えた。「ギルガメシュよ。山からやって来た人間がいました。山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強く、いつも山を歩き回っています。彼はいつも獣たちと一緒に草を食べ、いつも両足を水飲み場に浸しています。私は恐ろしくて彼に近寄ることができません。彼は私が狩りの為に掘った穴を埋めてしまったり、仕掛けた罠を破ったりして、獣や野の動物たちを私の手から逃がしてしまいました。彼は私の狩猟の邪魔をするのです。」ギルガメシュは狩人に言った。「我が狩人よ、行きなさい。神殿娼婦を連れて行きなさい。彼がやって来て、獣に水飲み場で水を飲ませる時、彼女に服を脱いで誘惑させなさい。そうすれば彼女を見て、彼は近づいてくるだろう。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。」狩人は行って神殿娼婦を連れて来た。彼らは出発し、道を真っ直ぐに進んだ。三日目に彼らは目的地に到着した。狩人と神殿娼婦はそれぞれ、身を隠して潜んだ。一日目、二日目と水飲み場に彼らは座っていた。獣たちは水を飲みに水飲み場へやってた。獣たちは近づき、水を喜んで飲んだ。そして山から来たエンキドゥは、カモシカと一緒に草を食べ、獣たちと一緒に水飲み場で水を飲み、獣たちのように水を喜んで飲んだ。神殿娼婦は、野の奧からやって来た、この野蛮な男を見た。「あれが彼だ。神殿娼婦よ、胸元を晒しなさい。色仕掛けで気を引きなさい。躊躇せずに彼に接吻をしなさい。彼はお前を見ると近づいて来るだろう。彼がお前の上に横たわるように、着物を脱ぎなさい。あの未開の男と性交に及びなさい。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。彼はお前に夢中になるだろう。」神殿娼婦は胸元を晒し、色仕掛けで気を引いた。彼女は躊躇せずに彼に接吻をした。彼女が着物を脱ぐと、彼は彼女の上に横たわった。未開の男を性交に及ばせた。彼は彼女に夢中になった。六日と七晩、エンキドゥは神殿娼婦と肉体関係を持った。彼女の豊満な肉体に満足してから、彼は獣たちの方を見た。エンキドゥを見て、カモシカたちは逃げまどった。獣たちは彼の体から遠ざかった。エンキドゥは以前のようではなくなった。獣が逃げて行くのに、彼の膝は衰えて追うことができなかった。エンキドゥの力は弱まり、以前のように速く走れなくなった。しかし今や、彼には知恵があり、考えも広くなった。彼は戻ると神殿娼婦の足もとに座って、彼女の顔をじっくりと眺めた。そして神殿娼婦の言葉に耳を傾けた。「エンキドゥよ、あなたは賢く、神のような人になりました。なぜ、獣たちと野原をうろつきまわるのですか。さあ、あなたを囲いの町ウルクへお連れしましょう。アヌとイシュタルが住まわれる聖なる神殿へ。そこではギルガメシュが野牛のように権力を振るっています。」彼女がこう言うと、彼女の言葉は説得力があった。自らの心を知る彼は喜び、仲間を欲しいと思った。エンキドゥは神殿娼婦に言った。「さあ、神殿娼婦よ、私を連れて行っておくれ。アヌとイシュタルが住まわれる聖なる神殿へ。ギルガメシュが野牛のように権力を振るっている町へ。私は彼に挑戦して、力強く語りかけたい。私はウルクで『私は強い』と叫ぼう。私は町に入って行き、運命を変えてしまおう。野原で生まれた者は強く力がある。」神殿娼婦は言った。「さあ、行きましょう、彼があなたの顔を見るように。ギルガメシュのいる場所へ案内しましょう。さあ、エンキドゥよ、囲いの町ウルクへ行きましょう。人々が祭服を着ているあの町へ。日ごとにあそこでは、お祭りが催されています。そこでは若者が箱琴や太鼓をいつも奏でています。そして神殿娼婦たちは姿が美しく、魅力的で、生の喜びに満ちています。人生をまだ知らないエンキドゥよ。あなたに喜びと悲しみの男ギルガメシュをお見せしましょう。彼の顔を眺めなさい。彼は男らしさに輝き、活力に溢れています。彼の全身は豊かな魅力に満ちています。彼はあなたよりも力が強く、昼も夜も横になって眠ることがないのです。エンキドゥよ、あなたは礼儀を身につけなさい。ギルガメシュはシャマシュから愛され、アヌ、エンリル、そしてエアが彼を賢くされました。あなたが山からやって来る前に、ギルガメシュはウルクであなたの夢を見るでしょう。」 狩人は父親に水場で出会った男の事を語ります。その男が、どんなに力に満ちているか。彼は狩人が掘った穴を埋め、狩人が広げた網を破り、荒野の生き物、動物を狩人の手から逃れさせ、荒野の仕事をさせてくれないと。父親は語ります。「ウルクにはギルガメシュが住んでいる、かの男の暴挙を彼に告げよ。また神殿娼婦シャムハトを連れて行き、荒野の男が水場で動物たちに水を飲ませるとき、彼女にその服を脱がせよ。彼は女に近づくだろう。かの未開の男に女の業を行え」シャムハトはためらわず、彼の息を捕らえました。6日と7晩たち、男がその顔を彼の獣たちに向けると、カモシカたちは逃げまどい、荒野の動物たちは彼から遠ざかりました。彼は今や人間となったのだった。彼はシャムハトの顔をまじまじと眺めました。シャムハトは彼エンキドゥに語ります。「エンキドゥよ、いまやあなたは賢く神のようになった。なぜ、動物たちと一緒になって荒野をさまようのです。さあ、囲いの町ウルクにあなたをお連れしましょう。清い神殿、アヌとイシュタルの住まいへと。そこには勢い全きギルガメシュがおり、野牛のように人々に権力をふるっています」エンキドゥは言う。「さあ、シャムハト、私を招待しておくれ。清く聖なる神殿、アヌとイシュタルの住まいに。勢い全きギルガメシュがおり、野牛のように人々に権力をふるっている場所に。ウルクで私は誇ろう。私こそ最強の者と。私は町に入って行き、その運命を変えてしまおう。荒野で生まれた者には、力と勢いがある」「エンキドゥよ。人生を未だ知らない方よ。あなたに喜びと嘆きの人、ギルガメシュを紹介いたしましょう。彼を見、その顔を眺めなさい。彼は男らしく、活力があります。その全身は豊かな魅力に装われ、あなた以上の力と勢いがあり、彼は夜も昼も眠ることがないのです。エンキドゥよあなたの不作法をお棄てなさい。ギルガメシュは太陽神シャマシュに愛され、アヌ、エンリル、そしてエマが大いに彼を賢くされました。あなたが山からやってくる前に、ギルガメシュはウルクであなたの夢を見るでしょう」。エンキドゥは身を清め、シャムハトの元に帰ってきた。彼は以前より力が弱くなってしまったが、その代わり知恵が広くなり、人の言葉を解するようになったとされる文章は、エデンの園でアダムに知恵の木の実を誘って食べさせる場面を彷彿させます。 アヌ Anuはセムの天空神。ウルクの守護神であり、ウルクのアヌのジグラット地区が聖域です。エアやエンリルよりも上座におり、エンリルの父神です。七つの怪物を使者として使い、配偶神は女神アントゥム。また、アダト、エンリル、イシュタル、ニサバなどの神/女神達の父とされています。元々はシュメールの天空神アンがセムに輸入されたものなのですが、セムの本来の最高神であるエルと同一視され次第に取り代わったようです。バビロニアではアヌムとも呼ばれました。エンリル Enlilは、アン、エアに並ぶシュメールの三大神の一人で、暴風と戦の神、メソポタミア神統譜の最高神、ニップルの守護神。ニップルに集う神々の集会ではリーダーとして振るまい、集会の決定を執行します。ニップルのエ・クル[山の住居]に祀られました。配偶女神はニンリル、あるいはニンフルサグ、スドゥ、ニントゥ、アシュナン。父神はアン(アヌ)。ニヌルタ、ナンナル(シン)、ネルガル、メスラムタエア、ナムタルの父ともいわれます。シュメールの主神であり天地の王であったエンリルは、アッカド、バビロニア、アッシリアにあってもメロダックやアシュルと同等の地位にありつづけました。エア Eaはアッカドの深淵を領界とする水神、知恵の神、魔法の神、海港エリドゥの守護神。配偶神は豊穣女神ダムキナ、あるいはベーレト・イリー、ニンフルサグ、ニントゥ、ニンマフ、ダムガルンナ。古バビロニア時代以降はメロダック神、ナンシェ女神の父ともいわれました。姿は、上半身は魚、下半身は人間、魚の尾を持つ魚神です。また、魚、亀、羊頭の杖、舟、水の流れ出る瓶などで象徴されます。知恵深い神として知られ、ルガル・イダ[河の王]、ニニギク(ニン・イギ・ク[眼の清い神])などの別名を持ちます。また、「大地創造物語(エヌマ・エリシュ)」では人間の創造者ヌディンムドとも呼ばれました。シュメールのエンキ神と同一視され、また同一神とされています。エアは、全ての魔法使いの保護者として尊敬されていました。さらに太陽神シャマシュShamashは、バビロニアの太陽神で、運命も司り、生者と死者の王であり法律を与える神です。正邪善悪を審判し、正義を愛し悪に対しては復仇します。配偶女神はアアですが、のちにイシュタルとも。しかし「イシュタル賛歌」によると、シャマシュとイシュタルは双子の兄妹神です。父神は月神シン、 母神はニンガル。或いは父神は天空神アヌとも云われます。シュメールの太陽神ウトゥと同一視される神、或いは同一神です。大洪水神話で天が破壊の雨を降らせるときにその時期を決めたのは、シャマシュで、唯一の生存者ピル・ナピシュチムに「船の中に入って扉を 閉めろ」と命じ、また、古代メソポタミアの巫女は、寄進を受けた者に神の活力を授けるために性交渉を行う風習がありました。ギルガメッシュ叙事詩でもエンキドゥの獣性を鎮めるために、神殿娼婦を派遣して性交渉を行ったと記録されています。当時の神殿娼婦の売春行為は日本の白拍子の様に、現在とはかなり違って、神聖な儀礼であったようです。
2013年01月11日
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ギルガメシュ叙事詩・第一の書板の文段解析2 ウルクの若者達は腹を立てていた。「ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。強く容姿も良く賢い、私たちの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」彼らの訴えを神々は聞いた。天空の神々はウルクの城の主アヌにこう告げた。「アルルが人間を造ったのではないですか。武器の扱いのうまさで、ギルガメシュに並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」アヌは彼らの訴えを聞いた。そして偉大なアルルに告げた。「アルルよ、お前は人間を造った。今はその似姿を造れ。ギルガメシュに立ち向かう勇気ある者を。彼らを戦わせて、ウルクが平和になるように。」アルルはそれを聞き、アヌの似姿を思い描いた。アルルは手を洗い、粘土を取って地面に投げつけた。彼女は粘土で雄々しいエンキドゥを造った。ニヌルタの沈黙と稲妻の力を受けた者を。その全身は毛に覆われ、女のような毛髪を持っていた。その毛髪はニサバのようにフサフサだった。彼は人も国も知らず、スムカンのように裸だった。彼はカモシカたちと一緒に草を食べた。彼は獣たちと一緒に水飲み場でひしめき合った。彼は獣たちのように水を喜んで飲んだ。 20世紀はじめのオーストリアの神秘思想家ルドルフ・シュタイナーシュタイナーの「世界史の秘密」には、アレキサンダー大王をさかのぼっていくと、ギルガメシュに至り、アリストテレスをさかのぼると、エンキドゥに至るという記述がある。アレキサンダー大王の前世はギルガメシュであり、アリストテレスの前世はエンキドゥだというのです。ギルガメシュは父はルガルバンダ、神格化されたウルクの王であり、母はリマト・ニンスン、ルガルバンダの妻である雌牛の女主人と訳される女神です。彼の三分の二は神、三分の一は人間で、ベーレト・イリー(アルル)女神、太陽神シャマシュ、天候神アダドらにより形作られたことで非常に雄々しく輝かしい姿で、力も万人に優れ、彼にかなう者などいなかったため、彼はウルクでほしいままに権勢を振るい、民はそれにあえぎ苦しんだ。彼らは天神アヌに助けを求めた。ギルガメシュは乙女を恋人のもとに行かせない。たとえ勇士の娘でも、たとえ若者の花嫁で、その夜が婚礼の初夜の晩であってもだ。そこで天神アヌは創造の女神アルルに命じます。アルル神は一人の英雄を救済者として大地から出現させます。神はエンキドゥを出現させました。エンキドゥは毛だらけで、野蛮人のようだったと神話は伝えています。けれども、創造の女神アルルは天神アヌが命じたところを、心に描きました。そして自分の手を洗い、粘土をつまんで荒野に投げ、荒野で英雄エンキドゥを造りました。その全身は毛に覆われ、女のような毛髪で装われ、その毛髪は麦のようにふさふさと伸びていました。エンキドゥは、ギルガメシュに比べると低次の人間には想えますが、それは神の創造ぶつです。彼は裸で、カモシカたちと一緒に草を食べ、動物たちと一緒に水場に押し寄せ、野獣たちと一緒に水で心を和ませていました。此処は、創世記のエデンの園のアダム創造を連想さしてくれています。
2013年01月10日
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ギルガメシュ叙事詩・第一の書板の文段解析1 全てのものを国の果てまで見、全てを味わい、全てを知り、全ての知恵を極め、全てを知り尽くした人について、私は我が国民に教えよう。彼は秘密を見、隠されたものを得た。彼は洪水前の事柄を知らせた。彼は遥か遠くへ旅をし、大変な苦労をして帰り着いた。彼は碑石に苦労の全てを刻み込んだ。 彼は囲いの町ウルクの城壁を建てた。聖なるエアンナの神殿の宝物庫もそうだ。その外壁を見なさい。その輝きは銅のようだ。その内壁を見みなさい。どこにもこれ程のものは無い。敷居に触れてみなさい。それは遥か昔からのものだ。イシュタルが住むエアンナに近づいてみなさい。後の王の誰だろうと、これには及ばないだろう。ウルクの城壁を登り、歩いてみなさい。礎石を調べ、レンガをあらためなさい。そのレンガが火焼きレンガではないかどうか、七人の賢人がその基礎を置いていないかどうかを。ウルクの町の広さは一シャル、果樹園は一シャル、粘土をとる低地が一シャル、それにイシュタル神殿の未耕作地。つまり、ウルクは三シャルと更に未耕作地からなっている。銅製の書板入れを探し、その青銅製の鍵を解いてみなさい。秘密の門を開け、ラピス・ラズリの書板を取り上げて読んでみなさい。ギルガメシュがどのようにして、あらゆる苦難の道を歩んだかを。諸王に勝って名声に溢れ、容姿の優れた王、ウルクの出身で、雄牛のように勇敢だ。彼は、第一人者として前を進んで行き、兄弟たちの後ろ盾として、後を守って行く。ギルガメシュはルガルバンダの長子で、強力な網のように兵士たちの守りとなり、石の城壁をも砕く怒濤のような、もの凄い勢いを持っている。ギルガメシュは気高き雌牛ニンスンの息子で、畏れ多いほどの完全さを持っている。彼は山地に入る道を拓き、山裾に井戸を掘った。東の果てまで大海原を渡り、世界の果てまで行き、生命を求め、力を尽くした。破壊された聖所を再興した方である、遥かなるウトナピシュティムの所へたどり着いた。王権においてルガメシュと肩を並べられるような王は他にはいない。ギルガメシュは生まれ落ちた日からずっと、その名を讃えられる。彼の三分の二は神、彼の三分の一は人間。彼の体の形はベーレト・イリーが造った。彼は野牛のように雄々しく、背は高く姿は完璧。武器の扱いのうまさで、彼に並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。 文段解析1=シュメール王名表によれば彼はリラの息子であり127年間在位した。ただし、第一の書板では、ルガルバンダ(Lugalbanda)は古代メソポタミア、ウルク第1王朝の伝説的な王で、女神ニンスンを妻とし、多くの説話においてこの夫妻はギルガメシュの親であと語られています。王碑文にはウル・ナンム(ウル第三王朝創始者)の母、シュルギ(ウル第三王朝第三代王)の母と記され、伝承によってクラバのドゥムヂの母、ギルガメシュの母とされている。そのニンスン(Ninsun or Ninsuna "lady wild cow")は雌牛の女主人と訳され、ニンスンナとも呼称されて牧畜、灌漑の女神である。その息子ギルガメシュ自身に関する考古学的史料は現在の所は発見されていませんが、伝説の中でギルガメシュとともに登場するエンメバラゲシの実在が考古学上の発見によって実在が確認され、また、彼の名はギルガメシュ叙事詩にも登場している。このことは、ギルガメシュもウルクの実在の王であり、単なる伝説上の人物ではないということを示唆していると云えそうです。彼は数多くの神話に登場し、創世記のニムロデをその人物に当て嵌める説もあるが、その実際の姿は殆ど分かっていません。後世の伝承にはギルガメシュが偉大な征服王であったかのような記述やキシュと戦いこれを征服したという記述もあり、シュメールで覇権的地位を得た人物の一人であると考えられています。他に彼の業績としてウルクの城壁を建造したことが重要視され、バビロン第1古王朝時代にも引き合いに出されています。ギルガメシュは紀元前2600年頃、シュメールの都市国家ウルクを治めていた実在の王。シュメール語読みではビルガメシュ(老人が若者であるの意)。ギルガメシュは、古バビロニア語以降の読み方です。彼はニップール市のエンリル神殿ドゥ・ヌムンブラを建て、またキシュの町を攻略したことがあるらしい。ファアラ遺跡で出土した、紀元前2450年頃(シュメール初期王朝期末)の神名一覧表にも見られ、ギルガメシュの神格化は早いうちから行われていたと考えられ、新シュメール時代のウル第三王朝では、供儀・供物を捧げられる対象でした。また、後世にイスラエルの偶像崇拝に見られる牛を鋳造して崇める風習もこれ等を始原としている可能性があります。
2013年01月09日
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「オリエントの神々」序章16・ギルガメシュ叙事詩・第一の書板(後半) 彼はギルガメシュに会い、訴えた。「ギルガメシュよ。山からやって来た人間がいました。山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強く、いつも山を歩き回っています。彼はいつも獣たちと一緒に草を食べ、いつも両足を水飲み場に浸しています。私は恐ろしくて彼に近寄ることができません。彼は私が狩りの為に掘った穴を埋めてしまったり、仕掛けた罠を破ったりして、獣や野の動物たちを私の手から逃がしてしまいました。彼は私の狩猟の邪魔をするのです。」ギルガメシュは狩人に言った。「我が狩人よ、行きなさい。神殿娼婦を連れて行きなさい。彼がやって来て、獣に水飲み場で水を飲ませる時、彼女に服を脱いで誘惑させなさい。そうすれば彼女を見て、彼は近づいてくるだろう。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。」狩人は行って神殿娼婦を連れて来た。彼らは出発し、道を真っ直ぐに進んだ。三日目に彼らは目的地に到着した。狩人と神殿娼婦はそれぞれ、身を隠して潜んだ。一日目、二日目と水飲み場に彼らは座っていた。獣たちは水を飲みに水飲み場へやって来た。獣たちは近づき、水を喜んで飲んだ。そして山から来たエンキドゥは、カモシカと一緒に草を食べ、獣たちと一緒に水飲み場で水を飲み、獣たちのように水を喜んで飲んだ。神殿娼婦は、野の奧からやって来た、この野蛮な男を見た。「あれが彼だ。神殿娼婦よ、胸元を晒しなさい。色仕掛けで気を引きなさい。躊躇せずに彼に接吻をしなさい。彼はお前を見ると近づいて来るだろう。彼がお前の上に横たわるように、着物を脱ぎなさい。あの未開の男と性交に及びなさい。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。彼はお前に夢中になるだろう。」神殿娼婦は胸元を晒し、色仕掛けで気を引いた。彼女は躊躇せずに彼に接吻をした。彼女が着物を脱ぐと、彼は彼女の上に横たわった。未開の男を性交に及ばせた。彼は彼女に夢中になった。六日と七晩、エンキドゥは神殿娼婦と肉体関係を持った。彼女の豊満な肉体に満足してから、彼は獣たちの方を見た。エンキドゥを見て、カモシカたちは逃げまどった。獣たちは彼の体から遠ざかった。エンキドゥは以前のようではなくなった。獣が逃げて行くのに、彼の膝は衰えて追うことができなかった。エンキドゥの力は弱まり、以前のように速く走れなくなった。しかし今や、彼には知恵があり、考えも広くなった。彼は戻ると神殿娼婦の足もとに座って、彼女の顔をじっくりと眺めた。そして神殿娼婦の言葉に耳を傾けた。「エンキドゥよ、あなたは賢く、神のような人になりました。なぜ、獣たちと野原をうろつきまわるのですか。さあ、あなたを囲いの町ウルクへお連れしましょう。アヌとイシュタルが住まわれる聖なる神殿へ。そこではギルガメシュが野牛のように権力を振るっています。」彼女がこう言うと、彼女の言葉は説得力があった。自らの心を知る彼は喜び、仲間を欲しいと思った。エンキドゥは神殿娼婦に言った。「さあ、神殿娼婦よ、私を連れて行っておくれ。アヌとイシュタルが住まわれる聖なる神殿へ。ギルガメシュが野牛のように権力を振るっている町へ。私は彼に挑戦して、力強く語りかけたい。私はウルクで『私は強い』と叫ぼう。私は町に入って行き、運命を変えてしまおう。野原で生まれた者は強く力がある。」神殿娼婦は言った。「さあ、行きましょう、彼があなたの顔を見るように。ギルガメシュのいる場所へ案内しましょう。さあ、エンキドゥよ、囲いの町ウルクへ行きましょう。人々が祭服を着ているあの町へ。日ごとにあそこでは、お祭りが催されています。そこでは若者が箱琴や太鼓をいつも奏でています。そして神殿娼婦たちは姿が美しく、魅力的で、生の喜びに満ちています。人生をまだ知らないエンキドゥよ。あなたに喜びと悲しみの男ギルガメシュをお見せしましょう。彼の顔を眺めなさい。彼は男らしさに輝き、活力に溢れています。彼の全身は豊かな魅力に満ちています。彼はあなたよりも力が強く、昼も夜も横になって眠ることがないのです。エンキドゥよ、あなたは礼儀を身につけなさい。ギルガメシュはシャマシュから愛され、アヌ、エンリル、そしてエアが彼を賢くされました。あなたが山からやって来る前に、ギルガメシュはウルクであなたの夢を見るでしょう。」ギルガメシュは立ち上がって、自分の見た夢を解釈してもらう為に、彼の母に言った。「母よ、私は夜に一つの夢を見ました。天の星が現れて来ました。するとアヌの結び目のようなものが、私の上に落ちて来たのです。それを持ち上げようとしても、私には重すぎました。それを動かそうとしましたが、動かせませんでした。ウルクの国民がその前に立っていました。ウルクの国民がその前に集まっていました。貴人たちはその足に接吻をしました。私がそれを額をあてて持ち上げようとすると、彼らは手伝ってくれました。私はそれを持ち上げ、あなたのところへ運んで来たのです。」博識なギルガメシュの母は息子に言った。「天の星が現れて来たのですね。すると、アヌの結び目のようなものがお前の上に落ちてきたのですね。それを持ち上げようとしても、お前には持ち上げられなかったのですね。お前はそれを私の下に置いたのですね。友を助ける勇敢な仲間がお前の所にやって来るのです。彼は山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強いのです。女に対するように、お前は彼を抱き、彼に愛を注ぐでしょう。彼は常にお前を助けるでしょう。このようにお前の夢は解釈されます。」ギルガメシュは再び彼の母に言った。「母よ、私はもう一つ夢を見ました。囲いの町ウルクの通りに一本の斧が投げ出され、その周りに人だかりが出来ていました。ウルクの人々がそこに立っていました。ウルクの人々がその前に集まっていました。その斧なのですが、奇妙な形をしていました。そこで私はそれをあなたの足もとに置きました。私は女のようにそれを抱き、それに愛を注ぎました。あなたはそれを私の対抗者とされたのです。」博識で賢明なギルガメシュの母、気高き雌牛ニンスンは彼女の息子に言った。「お前が見た斧とは一人の人間のことです。お前は彼を女に対するように抱き、彼に愛を注ぐでしょう。私は彼をお前の対抗者とするのです。友を助ける勇敢な仲間がお前の所にやって来るのです。彼は山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強いのです。」ギルガメシュは彼の母に言った。「ならば、偉大な助言者エンリルの命令により、彼が落ちてくるように。助言をしてくれる一人の友を、私は得たいのです。私は得たいのです、助言をしてくれる一人の友人を。」こうして彼の夢は解釈された。ギルガメシュの夢の解釈をしている時、神殿娼婦はエンキドゥと交わり合っていた。 遊女はエンキドゥにウルクの城のすばらしさ、町のにぎわい、王ギルガメシュの力などを話して聞かせてウルクへ来るよういざないます。エンキドゥはそれを聞いて彼女に自分をウルクにつれていくように頼みます。其の頃、ギルガメシュは自分に「星」が落ちてくる夢を見て、母である「女神ニンスン」にその意味を尋ねると、母である女神ニンスンはその夢はギルガメシュに対抗する者が現れるしるしであると説明します。
2013年01月08日
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「オリエントの神々」序章15・ギルガメシュ叙事詩・第一の書板(前半) 全てのものを国の果てまで見、全てを味わい、全てを知り、全ての知恵を極め、全てを知り尽くした人について、私は我が国民に教えよう。彼は秘密を見、隠されたものを得た。彼は洪水前の事柄を知らせた。彼は遥か遠くへ旅をし、大変な苦労をして帰り着いた。彼は碑石に苦労の全てを刻み込んだ。彼は囲いの町ウルクの城壁を建てた。聖なるエアンナの神殿の宝物庫もそうだ。その外壁を見なさい。その輝きは銅のようだ。その内壁を見みなさい。どこにもこれ程のものは無い。敷居に触れてみなさい。それは遥か昔からのものだ。イシュタルが住むエアンナに近づいてみなさい。後の王の誰だろうと、これには及ばないだろう。ウルクの城壁を登り、歩いてみなさい。礎石を調べ、レンガをあらためなさい。そのレンガが火焼きレンガではないかどうか、七人の賢人がその基礎を置いていないかどうかを。ウルクの町の広さは一シャル、果樹園は一シャル、粘土をとる低地が一シャル、それにイシュタル神殿の未耕作地。つまり、ウルクは三シャルと更に未耕作地からなっている。銅製の書板入れを探し、その青銅製の鍵を解いてみなさい。秘密の門を開け、ラピス・ラズリの書板を取り上げて読んでみなさい。ギルガメシュがどのようにして、あらゆる苦難の道を歩んだかを。諸王に勝って名声に溢れ、容姿の優れた王、ウルクの出身で、雄牛のように勇敢だ。彼は、第一人者として前を進んで行き、兄弟たちの後ろ盾として、後を守って行く。ギルガメシュはルガルバンダの長子で、強力な網のように兵士たちの守りとなり、石の城壁をも砕く怒濤のような、もの凄い勢いを持っている。ギルガメシュは気高き雌牛ニンスンの息子で、畏れ多いほどの完全さを持っている。彼は山地に入る道を拓き、山裾に井戸を掘った。東の果てまで大海原を渡り、世界の果てまで行き、生命を求め、力を尽くした。破壊された聖所を再興した方である、遥かなるウトナピシュティムの所へたどり着いた。王権においてルガメシュと肩を並べられるような王は他にはいない。ギルガメシュは生まれ落ちた日からずっと、その名を讃えられる。彼の三分の二は神、彼の三分の一は人間。彼の体の形はベーレト・イリーが造った。彼は野牛のように雄々しく、背は高く姿は完璧。武器の扱いのうまさで、彼に並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。ウルクの若者達は腹を立てていた。「ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。強く容姿も良く賢い、私たちの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」彼らの訴えを神々は聞いた。天空の神々はウルクの城の主アヌにこう告げた。「アルルが人間を造ったのではないですか。武器の扱いのうまさで、ギルガメシュに並ぶ者はいない。彼の太鼓によって、仲間達は立ち上がる。ギルガメシュは昼も夜も横暴で、父親たちのもとに息子を残しておかない。ギルガメシュは囲いの町ウルクの牧者なのに。ギルガメシュは母親たちのもとに娘を残しておかない。戦士の娘も、若者の妻までも。」アヌは彼らの訴えを聞いた。そして偉大なアルルに告げた。「アルルよ、お前は人間を造った。今はその似姿を造れ。ギルガメシュに立ち向かう勇気ある者を。彼らを戦わせて、ウルクが平和になるように。」アルルはそれを聞き、アヌの似姿を思い描いた。アルルは手を洗い、粘土を取って地面に投げつけた。彼女は粘土で雄々しいエンキドゥを造った。ニヌルタの沈黙と稲妻の力を受けた者を。その全身は毛に覆われ、女のような毛髪を持っていた。その毛髪はニサバのようにフサフサだった。彼は人も国も知らず、スムカンのように裸だった。彼はカモシカたちと一緒に草を食べた。彼は獣たちと一緒に水飲み場でひしめき合った。彼は獣たちのように水を喜んで飲んだ。罠を仕掛ける一人の狩人が、その水飲み場で彼と顔を合わせた。一日、二日、三日目と、水飲み場で彼と顔を合わせた。狩人は彼を見て、顔をこわばらせた。彼と獣たちは住みかへ帰って行った。狩人は恐怖で動けず、声も出なかった。彼の心は乱され、その顔は曇った。恐怖が彼のはらわたにまで入り込んだ。彼は遠くから帰った旅人のように疲れ切った表情になった。狩人は彼の父に言った。「お父さん。山からやって来た人間がいました。山で最も強く、力持ちです。彼の力はアヌの結び目のように強く、いつも山を歩き回っています。彼はいつも獣たちと一緒に草を食べ、いつも両足を水飲み場に浸しています。私は恐ろしくて彼に近寄ることができません。彼は私が狩りの為に掘った穴を埋めてしまったり、仕掛けた罠を破ったりして、獣や野の動物たちを私の手から逃がしてしまいました。彼は私の狩猟の邪魔をするのです。」彼の父は狩人に言った。「我が子よ、ウルクにはギルガメシュが住んでいる。誰も彼の強さに勝る者はいない。彼の力はアヌの結び目のように強い。お前はウルクへ向かいなさい。そしてその男の荒くれぶりを彼に伝えなさい。そして、彼から神殿娼婦を貰い受けて来なさい。彼がやって来て、獣に水飲み場で水を飲ませる時、彼女に服を脱いで誘惑させなさい。そうすれば彼女を見て、彼は近づいてくるだろう。野の獣たちは彼と疎遠になるだろう。」父の言葉に従って、狩人はギルガメシュのいるウルクへ出発した。 ギルガメシュは三分の二が神で三分の一が人間という半神半人の神により近い血統を持った男で、南メソポタミアにある都市の一つ「ウルク」の王であったが当初は「暴君」として振る舞っていた。これに困ったウルクの人々は「天神アヌ」に祈りを捧げます。「天神アヌ」はシュメールの神話で「太陽の頂き」あるいは「天」という意味の名前を持つ神である。シュメール神話の神々の中では、大地の神エンリルや深淵の水の神エンキと並んで最も古い神である。アンはアッカド神話ではアヌと呼ばれています。その「天神アヌ」がウルクの人々の願いを聞き届け、「女神アルル」を呼び出しギルガメシュに対抗できる者を作り出すように命じます。女神アルルは「粘土」から毛むくじゃらの大男「エンキドゥ(Enkidu)」を作り出していった。この粘土からの人間の創造は其の儘ずっと後代の旧約聖書の創世記に見る「人間の創造」に現出されています。そのエンキドゥは野原にあって動物たちと暮らし、草を食べ水飲み場で水を飲んでいました。その姿を狩りに来ていた人間が見つけ、その野獣のような姿を自分の父に報告します。父は息子に、ウルクの神殿に仕えている「遊女」を連れていきエンキドゥを誘わせろ、そうすればエンキドゥも女を知って人間らしくなるだろうと知恵を授けました。息子は遊女を連れて野原に戻り、水飲み場へと行ってエンキドゥが現れるのを待っていた。三日目にエンキドゥがやった来たとき、遊女は言いつけられていた通りにエンキドゥに近づいて胸元をはだけて誘い、着ているものを脱いでいった。エンキドゥは遊女に抱きつき六日と七晩彼女と交わり、野原にあった動物たちが逃げて行きますが、エンキドゥは遊女故に、力が抜け、それを追うことも出来ない状態です。ここでエンキドゥは「野獣」から「人間」になったと云う訳です。この「女性」が「男」を誘うというあり方は何となく創世記のアダムとエバを連想させます。
2013年01月07日
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「閑話休題」神話に見る双子 EsauとJacobを持ち出すまでもなく、歴史は双子を古今東西不吉なものとしていたふしがあります。日本の江戸時代の将軍家にも双子を不吉として嫌っていたことが伺われれます。それは継承問題に絡んでの事でしょうが、世界の多くの神話の中にも、太母から生まれた光と闇の双子の話を結構な数で見出す事が出来ます。ゾロアスター教のように、悪の原理と善の原理を対比させる二元論の宗教は、全て始原の宇宙の子宮から生まれたものが擬人化されて、この悪の原理と善の原理を対比させるのに双子の兄弟を前提とさせています。中世の異端者たちは、こう主張した。「神と悪魔は双子の兄弟であった。何故なら、もし神に暗黒面を表す双子がいなければ、神は、この世に蔓延る悪の責任をとらねばならないだろうから。」と。闇の神デュランと光の神リューは、ケルトの星の車輪(天の川)の女神であるアリアンロードの子宮から同時に生まれとされており、ギリシア神話では明けの明星と宵の明星の双子神、カストルとポルクスは、世界卵を産んだ原初の母レダの子宮から同時に生まれ、カナンのシャヘルとシャルムは、ヘレルから。アフラマズダとアーリーマンは、ズルヴァンから。ズルヴァンは、ペルシア人にとって無限の時間を擬人化した原初の双面をもつ両性具有的存在であったと記録されています。其の事は、8世紀ルリスタンから出土した銀製の飾り板に記されていました。また、アメリカ・インディアンによれば、白いマニトゥ(生の主)と黒いマニトゥ(死の主)は双子であって、月の女神の子宮から同時に生まれたとされています。月の女神は、決して死ぬ事のない老婆で全ての神々と男の真の支配者でありました。更に、グノーシス主義者の語るところでは、太陽神ソルとヘリオスは双子であり、一方は日食に観測出来る様な黒い太陽として不吉を表象しています。
2013年01月06日
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「オリエントの神々」序章14・ギルガメシュ叙事詩の洪水伝説 ギルガメシュ叙事詩は、アッシリア語版だけでなく、それより成立の古い古バビロニア語版、シュメール語版、またヒッタイト語版、フリ語版などの断片が他のところから続々発見されていきます。其れ等の資料によって、アッシリア語版の欠落部分が補完されると共に、時代による内容の変遷などが明らかになり、叙事詩研究が更に進みます。それは創世記のノアの箱舟が、ギルガメシュ叙事詩を継承していること。創世記を編纂したユダヤ人が、ギルガメシュ叙事詩を知り得たのは、かの「バビロン捕囚」の可能性が大であること。それはイスラエルびとが、開放されるまでの六十年間を新バビロニアに抑留され、そこで過ごした間に、彼らがギルガメシュ叙事詩「古バビロニア版」あるいは「ニネヴェ版」に接した可能性です。事実そのイスラエルびとは、新バビロニア滅亡とともに開放され、祖国に帰還した後に旧約聖書とユダヤ教を確立しています。ギルガメシュ叙事詩は創世記より古いことは確かなようです。ギルガメシュ叙事詩は、今から僅か百年前まで通説であった地球最古の洪水伝説、ノアの箱舟伝説を覆します。 シュメール文学のギルガメッシュ叙事詩(Epic of Gilgamesh)では、エンキドの死により自分もいつかは死ぬと悟ったギルガメッシュが、永遠の命を求め更に冒険を繰り替えしますが、その最後に出てくるのが大洪水の話になります。そのギルガメシュ叙事詩おける記述では、「ウバルトゥトゥの子、シュルッパクの人よ。家を壊し、舟を造れ。持物を諦め、おまえの命を求めよ。品物のことを忘れ、おまえの生命(いのち)を救え。すべての生きものの種を舟に運びこめ。おまえがつくるべき舟は、その寸法を決められたとおりにせねばならぬ。その幅と長さとを等しくせねばならぬ。ウトナピシュティムがつくった舟は七階だてで、各階には九室あった。七日目に舟は完成した。洪水が起こると、彼は全財産、つまり銀や金、生きもの、家族、身よりの者、職人たちをすべて舟に乗せた。すると、六日と七夜、風と洪水がおしよせ、嵐が国土を吹きまくった。七日目になると、洪水をもたらした嵐は戦いに負けた。それは軍隊の攻撃のような戦いだった。海はしずまり、嵐はおさまり、大洪水はひいた。空模様を見ると、まったく静かだった。そしてすべての人間は粘土に変わっていた。見わたすかぎり屋根のように平らになっていた。天窓をあけると、光がわたしの顔にさした。わたしはうなだれ、坐って泣いた。涙がわたしの顔をつたって流れた。わたしは広々とした海を見回して岸を探した。十二の場所に陸地があらわれた。船はニシル山についた。山は船をとらえて動かさなかった。このようにして船は六日間ニシル山にとまっていた。七日目に、ウトナピシュティムはまず鳩をはなした。鳩は休み場所が見あたらずにもどってきた。つぎは燕をはなしたが同じ結果になった。そのつぎには大烏をはなしたところ、水がひいていたので餌をあさりまわって帰ってこなかった。そこで彼は山頂に神酒をそそぎ、神々に犠牲を捧げた。」となります。
2013年01月05日
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「旧約聖書」創世記第25章・EsauとJacob 25:1アブラハムは再び妻をめとった。名をケトラという。25:2彼女はジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデアン、イシバクおよびシュワを産んだ。25:3ヨクシャンの子はシバとデダン。デダンの子孫はアシュリびと、レトシびと、レウミびとである。25:4ミデアンの子孫はエパ、エペル、ヘノク、アビダ、エルダアであって、これらは皆ケトラの子孫であった。25:5アブラハムはその所有をことごとくイサクに与えた。25:6またそのそばめたちの子らにもアブラハムは物を与え、なお生きている間に彼らをその子イサクから離して、東の方、東の国に移らせた。25:7アブラハムの生きながらえた年は百七十五esau jacob年である。25:8アブラハムは高齢に達し、老人となり、年が満ちて息絶え、死んでその民に加えられた。25:9その子イサクとイシマエルは彼をヘテびとゾハルの子エフロンの畑にあるマクペラのほら穴に葬った。これはマムレの向かいにあり、25:10アブラハムがヘテの人々から、買い取った畑であって、そこにアブラハムとその妻サラが葬られた。25:11アブラハムが死んだ後、神はその子イサクを祝福された。イサクはベエル・ラハイ・ロイのほとりに住んだ。25:12サラのつかえめエジプトびとハガルがアブラハムに産んだアブラハムの子イシマエルの系図は次のとおりである。25:13イシマエルの子らの名を世代にしたがって、その名をいえば次のとおりである。すなわちイシマエルの長子はネバヨテ、次はケダル、アデビエル、ミブサム、25:14ミシマ、ドマ、マッサ、25:15ハダデ、テマ、エトル、ネフシ、ケデマ。25:16これはイシマエルの子らであり、村と宿営とによる名であって、その氏族による十二人の君たちである。25:17イシマエルのよわいは百三十七年である。彼は息絶えて死に、その民に加えられた。25:18イシマエルの子らはハビラからエジプトの東、シュルまでの間に住んで、アシュルに及んだ。イシマエルはすべての兄弟の東に住んだ。25:19アブラハムの子イサクの系図は次のとおりである。アブラハムの子はイサクであって、25:20イサクは四十歳の時、パダンアラムのアラムびとベトエルの娘で、アラムびとラバンの妹リベカを妻にめとった。25:21イサクは妻が子を産まなかったので、妻のために主に祈り願った。主はその願いを聞かれ、妻リベカはみごもった。25:22ところがその子らが胎内で押し合ったので、リベカは言った、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。彼女は行って主に尋ねた。25:23主は彼女に言われた、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」。25:24彼女の出産の日がきたとき、胎内にはふたごがあった。25:25さきに出たのは赤くて全身毛ごろものようであった。それで名をエサウと名づけた。25:26その後に弟が出た。その手はエサウのかかとをつかんでいた。それで名をヤコブと名づけた。リベカが彼らを産んだ時、イサクは六十歳であった。25:27さてその子らは成長し、エサウは巧みな狩猟者となり、野の人となったが、ヤコブは穏やかな人で、天幕に住んでいた。25:28イサクは、しかの肉が好きだったので、エサウを愛したが、リベカはヤコブを愛した。25:29ある日ヤコブが、あつものを煮ていた時、エサウは飢え疲れて野から帰ってきた。25:30エサウはヤコブに言った、「わたしは飢え疲れた。お願いだ。赤いもの、その赤いものをわたしに食べさせてくれ」。彼が名をエドムと呼ばれたのはこのためである。25:31ヤコブは言った、「まずあなたの長子の特権をわたしに売りなさい」。25:32エサウは言った、「わたしは死にそうだ。長子の特権などわたしに何になろう」。25:33ヤコブはまた言った、「まずわたしに誓いなさい」。彼は誓って長子の特権をヤコブに売った。25:34そこでヤコブはパンとレンズ豆のあつものとをエサウに与えたので、彼は飲み食いして、立ち去った。このようにしてエサウは長子の特権を軽んじた。 サラを亡くしたアブラハムは、再びケトラという女性を妻にします。側女とはいえ、彼女が子供を産むとアブラハムは、[側女の子供たちには贈り物を与え、自分が生きている間に、東の方、ケデム地方へ移住させ、息子イサクから遠ざけた。]とあります。跡目争いの防止策でもあるでしょうが、このカナン地方は、神ヤハウェがイサクの子孫のものだと定めた地、それ故、ケトラの子たち及び子孫が、ここにいては繁栄できないと配慮した様にも思えます。事実其の後、ケトラの子等は子孫に恵まれ、聖書や他の史料によると、主としてアラビア地域に分布していたようです。中でも、ミディアンびとについては、イサクの孫ヨセフが、奴隷としてミディアン人の隊商に買われていき、エジプトの副王とになります。更には、モーセが、ミディアンの祭司の婿になります。それ以外のミディアン人の記録は、ほとんどがイスラエルの敵として登場することとなります。やるべきことは全部やったアブラハムは175歳で先祖の列に加えられ、跡取り息子のイサクとその異母兄イシュマエルは、サラが葬られた墓地にアブラハムを埋葬、「神は息子のイサクを祝福された」と記録されています。神とアブラハムとの契約はイサクに相続されたのです。主の契約はイサクの系統に相続されていきますが、イシュマエルもアブラハムの子であり、主の民の証しである割礼の儀式を受けています。さらにハガルのうめきとわらべの声を神が聞き届けたゆえに、イシュマエルの子孫のあるものはのちのち聖書に登場し、あるものは遺跡の碑文に名をとどめます。 さて、なかなか子供ができなかったリベカも、結婚20年目にしてやっと子どもができます。それも双子です。長男はエサウ(毛深い・赤い)と名付けられ、次男はエサウのかかと(アケブ)をつかんでいたので語呂合わせでにヤコブと名付けられます。エサウとヤコブは、双子といえども相当容姿は違っています。二卵性だったのでしょうか。ところで、神は胎内にいる時から弟のヤコブを約束の子として何故か選びますが、それは時間に捕らわれている人知を超えたことです。やがて長男エサウは狩人となり、ヤコブは「天幕の周りで働くのを常とした」と記されてるので、料理も得意だったようなので、家畜の世話をしながら家事手伝いをしていたのでしょう。その家族が父親が長男を愛し、母親が次男を愛するという捻じれ状態です。ましてイサクの時代には、すべては長男のものでした。イサクも、長男を跡取りとして可愛がっています。それをヤコブは、飢え疲れて野から帰ってきたのを利用して、パンとレンズ豆のあつものとでエサウに長子の特権をなかば騙すようにして売ることを誓わせています。ヘブル書は長子権をヤコブに売ったエソウを愚か者と決めつけています。これが以降の二人の人生を変えていく前兆となりました。
2013年01月04日
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「オリエントの神々」序章13・ギルガメシュ叙事詩の発見 フランスのミショーは、1786年それもフランス革命の前夜僅か3年前にメソポタミアから不思議な石を発見して母国に齎します。その表面には楔形文字が彫られていたが、誰にも解読されませんでした。後には、ヨーロッパにオリエント(東洋)ブームが起こって、西洋人が競ってメソポタミアに押し寄せ、地面を掘りまくり、発掘物を本国へ持ち帰ります。その中でも、イギリスのレヤードはアッシリア帝国の都ニネヴェのアッシュールバニパル宮廷図書館址から、2万枚を超える粘土板を1849年に発掘し、イギリスの大英博物館に運び込みます。その後、粘土板の研究は進み、1860年までには、古代メソポタミアの「楔形文字」も殆んどが解読されます。結果、生まれたのが「アッシリア学」である。研究対象は、古代オリエントの言語とそれを使用した文明圏。その後、ヨーロッパでアッシリアの研究ブームが起こり、やがて、ギルガメシュ叙事詩第一の功労者イギリスのラッサムが登場、彼はニネヴェから歴史的な粘土板を発掘します。粘土板は、大英博物館に送られたましたが、そこに異常な興味を示す人物、遺物修復を担当するジョージ・スミスがいたのです。彼は楔形文字、執着があり、粘土板に夢中になり板面に驚くべき一文を発見します。ノアの箱舟のストーリー「船がニシルの山にとまった云々、鳩を放したが、やがて戻ってきた」の一文が見付かったのです。そのジョージ スミスは、資金をかき集め、一路、ニネヴェにむかった。みずからの手で発掘するためである。そして、奇跡の発見、「ノアの箱舟」そっくり書版で欠落部分、さらに、書版を掘り当てたのである。「ギルガメシュ叙事詩」発見の瞬間でした。それは創世記のノアの箱舟が、ギルガメシュ叙事詩を継承していることは間違いないところです。創世記を編纂したユダヤ人が、ギルガメシュ叙事詩を知り得たのは、かの「バビロン捕囚」でしょう。ユダヤ人は、開放されるまでの六十年間を新バビロニアに抑留され、そこで過ごした間に、彼らがギルガメシュ叙事詩「古バビロニア版」あるいは「ニネヴェ版」に接した可能性があります。事実そのユダヤ人は、新バビロニア滅亡とともに開放され、祖国に帰還した後に旧約聖書とユダヤ教を確立ます。ギルガメシュ叙事詩は創世記より古いことは確かなようです。
2013年01月03日
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Aishwarya _Raiの被衣(Veil)魔術による印象的なその麗しさには、輝きがありました。
2013年01月02日
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「旧約聖書」創世記第24章後半・イサクの嫁取り 24:28娘は走って行って、母の家のものにこれらの事を告げた。24:29リベカにひとりの兄があって、名をラバンといった。ラバンは泉のそばにいるその人の所へ走って行った。24:30彼は鼻輪と妹の手にある腕輪とを見、また妹リベカが「その人はわたしにこう言った」というのを聞いて、その人の所へ行ってみると、その人は泉のほとりで、らくだのそばに立っていた。24:31そこでその人に言った、「主に祝福された人よ、おはいりください。なぜ外に立っておられますか。わたしは家を準備し、らくだのためにも場所を準備しておきました」。24:32その人は家にはいった。ラバンはらくだの荷を解いて、わらと飼葉をらくだに与え、また水を与えてその人の足と、その従者たちの足を洗わせた。24:33そして彼の前に食物を供えたが、彼は言った、「わたしは用向きを話すまでは食べません」。ラバンは言った、「お話しください」。24:34そこで彼は言った、「わたしはアブラハムのしもべです。24:35主はわたしの主人を大いに祝福して、大いなる者とされました。主はまた彼に羊、牛、銀、金、男女の奴隷、らくだ、ろばを与えられました。24:36主人の妻サラは年老いてから、主人に男の子を産みました。主人はその所有を皆これに与えました。24:37ところで主人はわたしに誓わせて言いました、『わたしの住んでいる地のカナンびとの娘を、わたしの子の妻にめとってはならない。24:38おまえはわたしの父の家、親族の所へ行って、わたしの子に妻をめとらなければならない』。24:39わたしは主人に言いました、『もしその女がわたしについてこない時はどういたしましょうか』。24:40主人はわたしに言いました、『わたしの仕えている主は、み使をおまえと一緒につかわして、おまえの旅にさいわいを与えられるであろう。おまえはわたしの親族、わたしの父の家からわたしの子に妻をめとらなければならない。24:41そのとき、おまえはわたしにした誓いから解かれるであろう。またおまえがわたしの親族に行く時、彼らがおまえにその娘を与えないなら、おまえはわたしにした誓いから解かれるであろう』。24:42わたしはきょう、泉のところにきて言いました、『主人アブラハムの神、主よ、どうか今わたしのゆく道にさいわいを与えてください。24:43わたしはこの泉のそばに立っていますが、水をくみに出てくる娘に向かって、「お願いです。あなたの水がめの水を少し飲ませてください」と言い、24:44「お飲みください。あなたのらくだのためにも、くみましょう」とわたしに言うなら、その娘こそ、主がわたしの主人の子のために定められた女ということにしてください』。24:45わたしが心のうちでそう言い終らないうちに、リベカが水がめを肩に載せて出てきて、水をくみに泉に降りたので、わたしは『お願いです、飲ませてください』と言いますと、24:46彼女は急いで水がめを肩からおろし、『お飲みください。わたしはあなたのらくだにも飲ませましょう』と言いました。それでわたしは飲みましたが、彼女はらくだにも飲ませました。24:47わたしは彼女に尋ねて、『あなたはだれの娘ですか』と言いますと、『ナホルとその妻ミルカの子ベトエルの娘です』と答えました。そこでわたしは彼女の鼻に鼻輪をつけ、手に腕輪をつけました。24:48そしてわたしは頭をさげて主を拝し、主人アブラハムの神、主をほめたたえました。主は主人の兄弟の娘を子にめとらせようと、わたしを正しい道に導かれたからです。24:49あなたがたが、もしわたしの主人にいつくしみと、まことを尽そうと思われるなら、そうとわたしにお話しください。そうでなければ、そうでないとお話しください。それによってわたしは右か左に決めましょう」。24:50ラバンとベトエルは答えて言った、「この事は主から出たことですから、わたしどもはあなたによしあしを言うことができません。24:51リベカがここにおりますから連れて行って、主が言われたように、あなたの主人の子の妻にしてください」。24:52アブラハムのしもべは彼らの言葉を聞いて、地に伏し、主を拝した。24:53そしてしもべは銀の飾りと、金の飾り、および衣服を取り出してリベカに与え、その兄と母とにも価の高い品々を与えた。24:54彼と従者たちは飲み食いして宿ったが、あくる朝彼らが起きた時、しもべは言った、「わたしを主人のもとに帰らせてください」。24:55リベカの兄と母とは言った、「娘は数日、少なくとも十日、わたしどもと共にいて、それから行かせましょう」。24:56しもべは彼らに言った、「主はわたしの道にさいわいを与えられましたから、わたしを引きとめずに、主人のもとに帰らせてください」。24:57彼らは言った、「娘を呼んで聞いてみましょう」。24:58彼らはリベカを呼んで言った、「あなたはこの人と一緒に行きますか」。彼女は言った、「行きます」。24:59そこで彼らは妹リベカと、そのうばと、アブラハムのしもべと、その従者とを送り去らせた。24:60彼らはリベカを祝福して彼女に言った、「妹よ、あなたは、ちよろずの人の母となれ。あなたの子孫はその敵の門を打ち取れ」。24:61リベカは立って侍女たちと共にらくだに乗り、その人に従って行った。しもべはリベカを連れて立ち去った。24:62さてイサクはベエル・ラハイ・ロイからきて、ネゲブの地に住んでいた。24:63イサクは夕暮、野に出て歩いていたが、目をあげて、らくだの来るのを見た。24:64リベカは目をあげてイサクを見、らくだからおりて、24:65しもべに言った、「わたしたちに向かって、野を歩いて来るあの人はだれでしょう」。しもべは言った、「あれはわたしの主人です」。するとリベカは、被衣で身をおおった。24:66しもべは自分がしたことのすべてをイサクに話した。24:67イサクはリベカを天幕に連れて行き、リベカをめとって妻とし、彼女を愛した。こうしてイサクは母の死後、慰めを得た。 美麗のみならず、苦労して汲み上げた井戸水を旅人に与え、駱駝にまで水を与えるる慈愛と機転、その全てを走って行う動きは、は、主人の神が祈ったことをすべて聞き入れ、与えたのです。神の導きを確信したアブラハム所有のすべての管理を任されていた家の年長のしもべはリベカに、水を貰った代金としては相応しからぬ金で造られた装飾品を、自らの手で、彼女の鼻に鼻輪をつけ、手に腕輪をつけました。一方、驚いたのはリベカです。恐らく求婚に感ずいたのでしょうが、当時の女性は離れに住むのが一般的だったようですが、その母の家に走っていき事情を報せると、兄ラバンも走ってエリエゼルを迎えに出ます。こうしてリベカの実家に招かれたエリエゼルですが、彼は自分の使命の重要性を理解していたのでしょう。用意された食事に手を着けるより先に用件を進めようとします。その真剣さにラバンは、彼がかなり重要な使命をたずさえてこの町にきたことを悟り聞きます。エリエゼルは、自分がナホルの兄弟アブラハムのしもべであること。アブラハムが、主に祝福されて裕福になったこと。夫婦とも年老いてから息子を得て家督を継がせたこと。その息子のために、カナンの異教徒ではなく故郷の一族から嫁を迎えるために自分が誓いをたてて遣わされたことを話します。最後に、神の導きが、アブラハムの一族の人間である際立つ美麗のリベカに逢わせたことを述べています。年長のしもべは、更には、慈しみとまことを示してくださるつもりなら、そうおっしゃってください結びます。此れにリベカの兄ラバンと父ベトエルは[このことは主の御意志ですから、わたしどもが善し悪しを申すことはできません。主がお決めになったとおり、御主人の御子息の妻になさってください。]と承諾し縁談が成立したのです。、あくる朝彼らが起きた時、しもべは早くも帰ると言い出します。すべて創造者の導きのため。人間の都合で創造者の祝福を遅らせるわけにはいきません。新婦の家族にしてみれば、縁談が持ち込まれたのもまとまったのも突然で、名残を惜しみたいのが人情でしたが、何より当のリベカ本人が出発に同意したので承知します。そして、イサクとリベカの出会いの美しい場面です。相互に目をあげてと形容されて、ベールをかぶっているとはいえ、際だって美しい彼女が、主が自分のために備えた伴侶であることを確信します。 しもべは言った、「あれはわたしの主人です」。するとリベカは、被衣(Veil)で身をおおった。とある段は印象的です。白衣の天使看護婦(師)さんの大きなマスクでfalse eyelashes(付け睫毛)した眼が強調され美が前面に押し出されるように、被衣は女性の麗しさを一層引き出すようで、心理学的にも興味深いものがあります。
2013年01月02日
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「オリエントの神々」序章12・天地創造と人間の創造 中東・オリエントの神話の特徴として、先ず挙げられるものに、「旧約聖書」の創世記にも見られる天地創造と人間の創造神話があります。ヘブライ(ヘブル)びとはシュメールよりかなり後代の、しかも中東西部に展開した民族ですが、彼等はノアの子孫系列の一つ「セム族」に属し、父ノアの異母兄弟ハムの知られざる別系の子孫シュメールとの関連も当然に見られるわけで、有名な「ノアの方舟」の後に、その子孫が東に移りシナルの地に平野を得てバベルの塔を建てたと語られ、そのヘブライ神話にある「シナル」というのが「シュメール」であるとされています。その天地の創造の物語ですが、初めに「天」と「大地」が造られ、そして「チグリス」「ユーフラテス」の河が造られ、そして天には「天神アヌ」「大気の神エンリル」「太陽神ウトゥ」「大地と水の神エンキ」がおり、神々は相談して次ぎに何を創ろうかということになって「神々に仕えるものとして人間を造ろう」と云う事にり、「女神アルル」を召し出して人間を造らせ、そこに「穀物や知恵の神ニバダ」を送ります。ここにある「人間を神々に仕えるものとして創造した」という話しはヘブライ神話での「アダムとエバ」の物語にそのまま現出しています。また人間界に穀物ばかりか「知恵」が必要であったというこの神話はヘブライ神話での「人間が禁断の木の実、つまり知恵の実を食べてしまい地上に追放された」という物語と相通じています。
2013年01月01日
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