山田維史の遊卵画廊

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☆Tadami Yamada's Paintings 新アダムとイヴの誕生


☆Tadami Yamada's Paintings 新アダムとイヴの誕生2


☆Tadami Yamada's Paintings 無量寿経シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings「私は美しい」シリーズ


☆Tadami Yamada's Paintings りんご充満空間シリーズ


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☆Tadami Yamada's Paintings 回 顧 展 part 1


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☆Tadami Yamada's Part6 児童書その他の挿画


☆Tadami Yamada's Part7 『心霊術入門』その他


☆Tadami Yamada's Part8『別冊宝島仕事の本』


☆Tadami Yamada's Part9 初期雑誌挿画


☆Tadami Yamada's ドラキュラ叢書『ジャンビー』挿画


☆Tadami Yamada's ドラキュラ叢書『幽霊狩人カーナッキ』


Tadami Yamada's monochrome cuts -#1


Tadami Yamada's monochrome cuts -#2


■Yamada's Article(1)卵形の象徴と図像


■Yamada's Article(2)ユングの風景画


■Yamada's Article(3)画家ムンクの去勢不安


■Yamada's Article(4)夢幻能と白山信仰


■Yamada's Article (5) 城と牢獄の論理構造


■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識


■Yamada's Article (7) 病める貝の真珠


■Yamada's English Article (8) 能の時空間の現代性


■Yamada's Article (9)『さゝめごと』に現われた十識について


■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー


■Yamada's Article (11) 江戸の「松風」私論


■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について


☆自画像日記


☆インタヴュー Vol.1


☆インタヴュー Vol.2


☆インタヴューVol.3


☆インタヴューVol.4


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☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart7


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☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart9


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart10


☆Tadami Yamada's Collage:日替りコラージュPart11


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☆ Tadami Yamada's short story


Death Mask


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Poetry of Tadami Yamada(2)


Poetry of Tadami Yamada(3)


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May 19, 2024
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カテゴリ: 日常雑感
 推理作家アーサー・コナンドイルのシャーロック・ホームズ・シリーズは日本にも多くの読者がいる。その第一作『緋色の研究』につづく第二作『四つの署名』の自筆原稿と、この小説が執筆される経緯を書いたコナンドイル自身の手紙を付して、来たる6月26日にニューヨークにおいてサザビーズのオークションに出品されるそうだ。CNNが報じている。

 『四つの署名』が書かれる経緯は、ある夕食の席でのことだそうだ。オスカー・ワイルドと米国の雑誌「リッピンコット・マンスリー・マガジン」編集者のJ.M.ストッダートが同席していた。ストッダートの依頼でコナンドイルは『四つの署名』の執筆を約束し、ワイルドはなんと『ドリアン・グレーの肖像』の執筆を約束したのだという。まさに現代文学の奇跡的な夕食だったわけだ。
 アーサー・コナンドイルの自筆原稿はほとんどが博物館の所蔵になっているそうだが、サザビーズはこのたびの『四つの署名』原稿の落札予想価格は1億9千万円だとか。
 それはともかく、この自筆原稿は、編集者J.M.ストッダートがおこなったアメリカ英語へのスペル変換と、コナンドイル自身がおこなった作品微調整のためのいくつかの単語に線を引いた以外は、直しがまったく無いのだという。このことに私は興味をもったのである。

 今日の朝日新聞「天声人語」が、亡くなられたばかりのカナダのノーベル賞作家アリス・マンロー氏について書いていて、短編小説の名手といわれるマンロー氏は「毎日朝から必死に書き、書くと削りに削る」のだ、とあった。
 そして実はまったく偶然なのだが、今朝方、私は弟と日本の文学者の自筆原稿について話していたのだった。たとえば、私は谷崎潤一郎氏の自筆原稿を実際に見たことがあった。毛筆書きのそれは、直しの部分は実に几帳面に原稿用紙のマス目を完全に黒く塗りつぶしていた。直す以前にどんな文章だったか、あるいは語句だったか、まったく判らなかった。
 三島由紀夫氏の自筆原稿も見たことがある。この作家も全くといってよいほど書き直しがない。まるで清書したかのように几帳面な文字が原稿用紙を埋めていた。ほかにも2、3の作家の原稿を見たことがある。
 生原稿は見たことがないが、大江健三郎氏の小説は第一稿から完成までに二度三度と最初から書き直すことは、ご自身のエッセイなどで読者は周知のことである。大江氏は部分的に書き直しているのではないらしい。ということは、完成作以外に2、3のヴァージョンがあるということだろうが、それらのヴァージョンは作品が完成すると大江氏自身が焼却したらしい(私はそういう記述を読んだ記憶がある)。
 私の長年の知己だった花輪莞爾氏は、あるとき電話をくださり、これまでの作品を削り始めていること、そして作品中の全ての漢字にルビを振るつもりだ、とおっしゃった。ルビに関しては、ご自分が幼少期に読んだ本には全ての漢字にルビが振られていたことに倣おうとしていられるらしかったが、大学で教えていて学生たちがあまりにも漢字が読めないことに愕然としていることも要因らしかった。私はいまさら初期の作品を削ることも、全漢字にルビを振ることも、おやめになったほうがよろしいと思ったが、口には出さなかった。・・・そんな話を弟としていたのである。

 コナンドイルは、推理小説の名作と言われる『四つの署名』を、執筆を始める前にすっかり頭の中で作りあげていたのであろうか。推理小説というのは「論理」の小説である。執筆の過程で登場人物が勝手に動き出すことはあったにしても、論理逸脱は避けなければならないだろうから、あらかじめ結末さへしっかりできあがっていれば、あるいは一気呵成に書ききることはできたのかもしれない。・・・いやぁ、それにしても『四つの署名』の自筆原稿に直しが無いというのは、すごい!


 ついでながら、私は画家との交際は無いのだが、20代だった昔、秋吉巒(あきよしらん)氏のご自宅を訪問した。奥様も同席なさり、秋吉氏はご自作の絵について、一旦筆を置いたあとからまた筆を入れるのでいつまでも完成しないのだ、とおっしゃった。そういえばアンリ=ジョルジュ・クルゾー監督のドキュメンタリー映画『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』のなかで、ピカソがわきあがるイメージを描いては消し、描いては付け足してゆくうちに混乱におちいる場面があった。
 ・・・並べて書くのはおこがましいが、私は自作の絵の描き直しはしない。描きながら発展することはもちろんあるのだが、描いた部分を途中で削ったり塗り重ねたりして描き直すことはまったくない。イメージは初めから頭の中にあるからである。そしてまた、描き直しをしないのは薄塗りを重ねてゆく絵肌のつくり方のためでもあるが・・・。これはイラストレーション原画を油絵の具で描いていたので、原稿として4X5ポジフィルムや8X10フィルムにスタジオ撮影しやすくなることを考えてのことである。つまり絵肌が平滑で凹凸がないほうが、照明をセッティングしやすいからである。





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Last updated  May 20, 2024 06:19:24 PM
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AZURE702 @ Re:「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)(08/21) 三角野郎(絵本「マンマルさん」)さんへ …
三角野郎(絵本「マンマルさん」)@ 「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに) ≪…【ヴィークル】…≫の用語が、[ 実務と…
山田維史@ Re:[言葉の量化]と[数の言葉の量化](08/21) ヒフミヨは天岩戸の祝詞かなさんへ 書き込…
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