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パンダ杯は、パンダネットが主催するインターネット上での大会で参加資格はアマチュアに限定した大会である。ハンデ戦部門と互先部門があり、一昨年から互先部門に参加している。インターネットの特色を生かした面白い大会であるが、慣れないといろいろと戸惑うこともある。現在、今年の予選期間が始まったところである 予選期間中には、参加者同士が自由に打って成績上位16人がトーナメントに参加する。予選の成績は、6局以上打って、勝率+勝数×0.02で決める。この予選は難しい駆け引きがあって一筋縄ではいかず意外と面白い。 自分よりランクが下の人に申し込んでもなかなか受けてくれないことが多い。また、負けが先行してやめてしまう人もいるので、うっかりしていると十分に局数を打つことができなくなる。 中には、初級者ながら参加して、上級者と互先で打つのを楽しみにしている人もいるようだ。これもこの大会の魅力の1つだと思う。成績を上げるには、このような人を捕まえて少しでも局数を稼ぐ必要がある。それも、人が多い前半期間にできるだけ星をかせいでおくのがコツである。 また随時、予選参加者の成績を成績表から知ることができる。打つことで成績を落として圏外に落ちる危険も生じるので、勝率の良い人はあまり局数を打たない傾向がある。 しかし、最近は参加者が多く規定最低局数である6局を全勝しても予選通過できないことが多い。これが味噌なのだが、10連勝くらいしていても一敗してしまうと、がくんと成績が下がってしまい、期間の終盤ではもう取り返しがつかないことになる。逆に、勝率が悪くても勝数を稼いでおけば楽になる。一見勝率重視の予選に見えるが、そうでもないのである。例えば、12勝0敗よりも25勝8敗の方が上位にくる。実に、微妙で味わい深い規定なのである。 また、この大会はランクが相当下の人でも全く油断できないという特色もある。普段ランクが5段差くらいある人同士でも、大概はいい勝負になる。実際昨年、参加者のトップから7段差の人がトーナメントで優勝している。 その理由はいろいろあると推測するが、一番の要因は持ち時間が十分に長いことであろう。普段、早碁ではランクが上がらないけれど長い碁なら自信ありという人が参加しているようだ。相手が相当格下でも絶対に油断してはいけないという点では、本物の大会に近い緊張感がある。今回私も、格下の相手に対してわずかな心の隙から手拍子を打って、痛い目にあっている。 それから、ネットの向うは本当は誰が打っているのかわらないという要因もあるはずだ。代打ちとか、大勢で検討しながらとか、いざとなればネット上で相談することだって可能である。これはモラルには大いに反するが、ネットである以上は受け入れざるを得ないかもしれない。さすがにプロ棋士はそんなことはしないと思うので、とにかく同じアマチュアだと思って打つしかない。 トーナメントになると、お互いにメールで日時を調整して週に一局のペースで対局する。一昨年と昨年トーナメントに参加した。 一昨年は、参加者でトップランクだったのだが、一回戦で定石的な型を間違えて半潰れとなり追いつかず敗戦。昨年は2回戦で中国の超強豪とあたり完敗。この人は、パンダ全体でも10番目くらいのランクだったので、アマだったというのにも驚いたが、さらにこの人がその後に負けてしまったのにはビックリした。(追伸、大会終了後は1dの人が優勝になっていたのだが、今確認したら、この中国の方が優勝になっている。やはり、何か問題があったようだ。) いつかは優勝したいと思っているが、今年は妙に強豪の参加が多いので難しいかもしれない。 などとこの日記を書きながら、予選対局を打っていたらひどい目にあった。反省。
Aug 30, 2005
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きしめん屋で危うく命を落としそうになった話。 本日は、名古屋に出張。昼にちょっと時間があったので、きし麺屋で「ころきし」を食した。うどんや、きし麺に冷たい出汁をかけたものを、ころと言う。ころきしめんとかころうどんと呼ぶ。この季節の名古屋の楽しみは、何と言ってもころである。しこしこした歯ごたえと咽ごしを楽しみながら、ずるずると一気に食したいものである。 定番だが海老天と大根おろし入りの海老おろしを注文した。注文すると、店のオバサンが、「冷たいの、暖かいの?」と聞く。当然、「冷たいので」と答える。時々、つられて「暖かいの」と答える客もいる。すると、オバサン必ず「冷たい方が美味しいよ」と言うので、結局すべての客は冷たい方(ころ)を注文することになる。 ずるずるやり始めたころに、20代くらいの若いカップルが隣の席に座り、何を注文するか相談を始めた。聞いていると、「どのトッピングにしようかな」、などと言っている。うーん、何の事かな?海老天やなめこのことをトッピングと言っているのかな?若者の感覚にはついていけないなあ、それとも最近はトッピングメニューもあるのかな?と心の中で思う。 しばらくすると、例のオバサンが隣に注文を取りに来た。「ご注文は?」「~と~。トッピングは、天ぷらと、かまぼこ、」、ううん、かまぼこ?「出し巻き卵と鳥わさ」、はあ、何じゃそりゃ?ここで、オバサン「違うわよ、それ口取りです」。この瞬間、汁と麺が一気に私の気管に入ってしまい、ひどいむせ込み状態に襲われた。「ごほ、ごほ、ごほ、ごほ」苦しい。 しばらくして何とか落ち着きを取り戻すと、隣の席で若者がくすくすと笑いをこらえている気配がする。ものすごい勢いですすっているから、むせたと思ったのであろう。私は、あなた達のおかげで一歩間違えれば死にそうな目にあったのに、何たること。 しかし、今日は良い教訓を得た。これから、きし麺屋で若い人が隣に座った時は、しっかり身構えて食べることにしよう。
Aug 28, 2005
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今年は日本棋院ネットでよく打つ。外国のサーバーに入って韓国や中国の人と打てるのが魅力である。以前にも書いたが、当初韓国流のスタイルに戸惑ってひどい目に遭うことが多かったが、ようやく韓国流にも慣れてきた感じがする。 自分に近いランクの碁しかわからないけれど、印象では韓国の人は力だけでなくて布石も良く研究していて上手いと思う。その上、中盤からの力も強いし、何より戦上手だ。地に辛いことは辛いが、勝負の行方は戦いで決まることが多い。私の感じとしては、韓国サーバーが一番手ごわくて、同じランクでも日本サーバーや中国サーバーより、1/3子~1/2子くらい上だと思う。ランクが下がると、日本サーバーで貯金してから韓国サーバーへ武者修行に出かけるというのが、私の常道になっている。 中国の人は、とらえどころがないと言うか不思議な印象の碁が多い。布石は独創的な手が多いが上手いという感じはしない。中盤戦は韓国のようにとことん戦って碁を決めるという姿勢ではなくて、むしろ地を取るのが上手い感じがある。私個人的には、韓国流よりも大分打ちやすい。 日本人では、筋が良くて布石が上手い人が多い。そのかわり中盤からの力は間違いなく一番弱い。日本人相手では、少々序盤で遅れても逆転することが多いが、中国韓国人相手だと相当厳しくなる。棋風によって感じ方は人それぞれではあるかもしれない。日本サーバーに入ると、自分の碁風は力に頼るスタイルだなあと認識するが、韓国サーバーに行くと普通かなと感じる。 ところで、なぜか最近背番号付の院生が大勢来るようになった。おそらく日本棋院が仕組んだことであろう。 さて、院生はどんな碁を打つかなと興味津々で観戦したり、対局したりしているのだが、ちょっと意外な傾向をつかんだ。元々院生に対して持っていた印象は、布石はまだまだだけれど読みと力は強いというものであったが、実際は相当に違った。 布石は、妙に上手い。最新型らしい布石作戦なども良く知っているようだ。ところが、それに比べると中盤からの力が弱い。戦いも経験がいるから戦上手でないのは仕方ないにしても、読みの力が相当に弱いと感じる。 これは、私には極めて不満であり暗い気持ちになった。野球に例えれば、体力もなくストレートも遅いのに、フォークやらナックルやら七色の変化球を操る少年という感じがする。何と、志の低いことか。彼らは、もっぱら日本サーバーで打っているようだが、韓国サーバーへ行って、ストレート一本で勝負して力をつけてほしいと思う。 こんな事を言うと院生たちを敵に回しそうだが、本当だから仕方ない。くやしかったら140kmのストレートを投げて見ろと言いたい。
Aug 23, 2005
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昨日は、苦味のない当たり障りのない話だったので、今日は大サービスで苦味たっぷりの話の連発で行く。 覚プロは、若い頃からけれん味のない碁風そのままにさわやか青年で売っていたが、ちょっと面白い噂も聞いていた。 それは、生意気なアマチュア相手には本気を出すと言う話である。ある学生が対局前に、ちょっと生意気な事を言ったことがあって、それで小林プロらしからぬえげつない手の連発でコテンパンにやられたというのである。 それを聞いていたので、公開対局の時には極めて謙虚な姿勢で臨んだので勝たせてもらったかも知れないと思う。 でも今から考えたら、多少怒ってもらった方が良かったのかなあと思う。今度もし、教えていただく機会があったらどうするか?。「あの時は、私の楽勝でしたね。」なんて言ったらどうなるだろう。怖いけど興味津々。 「挑発」と言って思い出すのが、ある少年の伝説である。以前、名古屋大学が団体戦で全国のトップを争っていた時のメンバーから聞いた話である。ようやく中学に入ったかどうかという少年が、学生団体戦を見に来ていた。 碁の検討をしていると、この少年が意見を言ってきた。しかし、自信満々の学生達も簡単には同意しない、少年も引き下がらない。白熱した議論となり、ちょっと妙な雰囲気になったらしい。 「よし、じゃあ少年。勝負するか。」とついに大学生が勝負をふっかける。すると少年、何と団体戦のメンバー5人全員相手に、5面打ちで全部2子置かせて勝負すると言う。こうして前代未聞の勝負が始まったのだが、勝負はあっけなく学生陣の全滅で終わったそうだ。全員並みの県代表より上の打ち手である。この離れ業をした少年の名は、趙治勲といったそうな。 さらに一つ聞いた話。例の公開対局に大竹九段が招待されたことがあった。対戦相手である時の県代表は、当時全国ベスト8に入るなど勢いに乗っていた。前夜の懇親会で、「3子では負けられない。」と言ったらしい。 これは、挑発するつもりではなくて本音であったであろう。この時、大竹九段のちょっと不穏な様子を感じた世話役のTさんが、「実際本気でやったら県代表相手だと何子くらいなんでしょうか?」と聞いた。何とそれに対して、大竹九段本気の口調で答えたそうだ。曰く「アマチュアだから、9子でしょうね。」と。翌日の3子での本番、情け容赦なくズタズタにやられたのは言うまでもない。 恐ろしや。トッププロの紳士の笑顔の奥には、牙を隠した虎がいるかも知れない。
Aug 22, 2005
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今日は、注目の小林覚、井山戦を堪能した。私の勝手な印象としては、井山プロが中盤でちょっと緩んだかなと感じたが、小林プロが見事な芸を見せてくれた。 それにしても井山プロ、もうここまで来ているとは驚きである。早く入段することがいかに重要か知らされる。昨年、名古屋のオープン棋戦で井山プロは優勝したのだが、そこで対局姿を拝見した。まだ少年だけれど、堂々とした勝負師の姿を見てやはり只者ではないと感じた。 小林プロは、私と同じ町の出身であり、昔から憧れのスターである。学生時代に例の公開対局で一度教えていただいたことがある。置き碁なのに、厚く本手本手で打ってこられて驚いた。あまり嫌らしいことをされずに、私が勝ってしまったのだが、いわゆる勝たせてもらったと言う感じがした。 しかし、よく考えると置き碁でも厚く厚く打って強引な手は打たないというのが、小林プロの信念だったのであろう。 最近の小林プロは、スタイルが変わって以前より激しい手が多くなったそうだ。そのためか今年は爆発的な成績を残している。このまま、タイトルを取りまくってほしい。
Aug 21, 2005
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前回、日本人は情緒的だという話を書いてから、テレビを見ていたら、あまりに情緒的な光景が飛び込んで来てビックリした。 例の神主のW九段、インタビューに答えていた。曰く、「昨日まで仲良くやっていた仲間に、刺客を送るとは何事か。」とのこと。勝負師の言葉とは思えない。これが本気なら、もう救いようがないが、旧布石派の親分ともあろう人が、さすがにそれはないと信じたい。日本のファンがそういう言葉に弱くて、理屈より情緒に訴える方が有効である事を良く知っているのであろう。そういう意味では、なかなかの勝負師とも言える。 W九段のこのコメントを聞いて、自分達はバカにされているのだと気づかないファンが、どれだけいるかが勝負所であろうか。
Aug 18, 2005
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恐れていたが、おさま先生から映画棒とやらを渡された。 映画館へは学生時代に時々行ったが、社会人になってからはほとんど行っていない。一度、家族とジュラシックパークを見に行った程度か。忙しかったり、最近では時間があれば映画よりも、肥満児の子供のために野外に行くからである。テレビ映画は見るが、自分の中では大スクリーンでないと映画とは言い難い。 恥ずかしながら大した映画は見ていないが、リクエストに答えて「心の中の5つの映画」をあげてみる。記憶力が悪いので、それぞれ印象しか残っていない。1、キングコング(カラーのやつ) 両親が連れていってくれて初めて見た映画。映画館の雰囲気や画面の迫力に圧倒された。最初の南国の土着の民の儀式のシーンが目に焼きついた。2、エレファントマン 胸を刺す映画。3、ET とにかく、ラストシーンで大泣きした。4、ザ フライ これも怖いけど泣けた。5、超2流の青春映画(題名不明、たぶんアメリカ映画) 若い二人の下町を舞台にした青春恋愛映画。男の家が名家だったのかな?困難を乗り越えてのハッピーエンドに泣けた。女性の主役が、なぜかあまり美人でない。この映画が何という映画なのか、ずっと気になっているがわからない。おそらく、1985~7年ころの作品。
Aug 13, 2005
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ブログらしく、本日はおさま先生の日記にトラックバックでコメントする話。 実は私は、日本棋院に一度だけ投書したことがある。もうだいぶ前のことである。棋道誌に、ある有名作家K氏が登場してプロ棋士と対戦したり、棋道誌への提言などすることがあった。 プロは強すぎるからと、手合い違いにたくさん置石を置いて圧勝する碁が載った。また彼の提言は、「棋道にはプロの棋譜が多すぎる。プロの棋譜なんて、アマが見てもわからないんだからあまり役立たない。アマの碁をどんどん載せて、プロが解説せよ。」というような内容であった。発言力のあるK氏の発言であり、そんな風になるような雰囲気を感じた。 実際は当時の棋道は、棋士の棋譜がたいへん少なかった。読み物や講座、タイトル戦のじっくり解説が中心であった。田舎に住んでいた私は、それに元々たいへん不満を持っていた。 プロの棋譜に飢えていたのである。もっともっと棋譜を見たい。しかし、見る機会がない。今のように、インターネットで棋譜がいくらでも落ちている時代ではなかったので、棋譜はすごく貴重だったのだ。そう言えば、最近新聞の棋譜を切り抜いてホッチキスで留めて棋譜集にしている人をあまり見なくなった。以前はみんなそうしていたものである。 そんなところにK氏の発言があったので、ついに私の不満が爆発したのである。アマの碁を載せるのは良いにしても、棋士の碁を載せないとは何事か、K氏のようにいつでも棋士と打てる立場の人が地方のアマの気持ちがわかるのか?というわけで、棋道誌に抗議文を送ったのである。棋道に解説抜きでいいから棋士の碁を全部載せろと、迫ったのだ。 それが、効果があったかどうかは知らない。もしかしたら、同じような意見が殺到したのかも知れない。ちょうどそのころから、棋譜だけたくさん載せた付録がついたり、本編中にも棋譜だけ集めたページができたりするようになったのである。碁ワールドになってから再び極端に棋譜が減ったが、最近はネットがあるので苦にはならない。 次にプロ棋士のブログの話。 プロ棋士のブログが増えれば良いと思うし、特にタイトル戦に出るような棋士の臨場感が伝わるような内容を読みたい。 ただ、なかなかに難しい面もあるであろう。つまり、自分の仕事に関することを書くことの難しさである。よほど神経を使わないと、ちょっとした事でも内外から批判が出る可能性がある。しかも、棋士の世界は狭いからなおさらである。 あまり気を使うと、苦味のない当たり障りのない内容ということになろうが、それでは面白くない。実際才女の梅沢プロのネット上の読み物を見ても、それほど面白いとは感じない。その辺を乗り越えて面白いブログを書く棋士の出現を期待はしたい。 しかし、個人が特定しにくく、同じような効果が得られる方法がある。それは、囲碁ファンのブログにプロ棋士がネタをどんどん提供することである。(お待ちしています。)
Aug 12, 2005
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テレビで、めったに見られない激戦の一局を観戦した。変人ぶりで名高いK九段率いる新布石派と、神主のW九段率いる旧布石派との相談碁対決である。 大衆棋院で行われた序盤戦、豪腕で知られるK九段の厚みを生かした豪快な攻めが効を奏してリードを奪う。しかし、W九段派も思わぬ健闘を見せて、何とか僅差のまま後半戦に望みをかけた。 場所を良識棋院に移しての後半戦。W九段派が必死の逆襲を見せて、局面は凄まじい泥仕合へと導かれた。こうなると、筋もへったくれもない。お互いに相手の弱い石を標的に襲い掛かり、盤上のいたるところで複雑な攻め合い、殺し合いに発展した。 怪しげな手の応酬から激しい攻め合いが続き、ついにどちらかが玉砕しそうな展開になった。ここで、K九段の友人にして元名人でもあるM九段が、セキにする手順をK九段に示して、妥協を勧める。しかし、このM九段、K九段の友人ながら新布石派か旧布石派かよくわからない曲者。実はセキにしておいて、セキ崩れを狙っている可能性もある。K九段、ついに最後の妥協するチャンスも見送り、どちらかの大石が死ぬか生きるかの大攻め合いに突入した。さしもの熱戦も終局が近づいてきたようだ。 愚形が響いたのか、何とK九段の要石が取られてしまった。さすがにここを取られては、どうしようもない。ついに、K九段玉砕かと思った次の瞬間、目を疑うような起死回生の捨て身技が炸裂した。何と、すごい大石を捨石にして、大振り変わりを狙っていたのだ。 前例のない、自らの手足を切り捨てるような過激な捨石である。もしかして、中盤戦の相当に早い段階からこれを狙っていたのか!と思わせるような仕掛けである。 対局はいよいよクライマックスを迎える。次は場所を移して、各地の日本棋院支部で行われる。 果たして、どちらがユウセイなのだろうか?
Aug 9, 2005
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昨夜は、時間ができたので家族で天竜鹿島の花火を見に行った。昨日は、エコパの近くで行われる袋井遠州の花火もあった。そちらの方は、3万発の花火が上がり、全国の花火師のスターマインコンテストがあるなど、日本屈指の花火大会である。それにも行ったことはあるのだが、私にとっては鹿島花火の魅力には敵わない。 鹿島花火は、山間の天竜川の河川で行われる。120年以上の歴史があるそうだ。田舎の花火なので、夜になってから出かけても天竜川の河川敷の桟敷席に座ることができる。会場に近づくと、道の両側に並ぶ屋台の間を人の波ができていて、祭りの雰囲気が盛り上がってくる。 桟敷席で見る花火は、自分の真上に上がっているような感じになる。年によっては、本当に火の粉が頭上に落ちてくることもよくある。そして、ここの特徴は音。山に囲まれているために音が反響し、ズドドドドドドっと、凄まじい音になるのだ。頭上の花火と大音響で、連発花火などではたいへんな興奮につつまれる。 さらに、演出がすばらしい。伝統の重みと知恵を感じさせる演出なのである。よくあるようなスターマインだけでなく、面白い組み合わせの仕掛け打ち上げ花火が楽しめる。また、スポンサーは企業だけでなく、小さな店や初孫のお祝いをする個人提供の花火があって、仮に小さくてもそれぞれに思いが伝わるような味わい深い花火なのである。それがあって、その合間に本田などの企業が提供する、大スターマインが魅せるという演出が何とも絶妙である。 今年も大いに堪能した。我が息子は、以前はせっかく行ってもすぐ飽きて、寝てしまったのだが、今年は多少はわかるようになったのか起きていた。しかし、まだ最大の興味は屋台のお好み焼きやソーセージのようであり、上を向くべきところで下を向いてせっせと食べていた。 大きな花火大会も、満を持して良い場所で見れば素晴らしいのであろうが、それはなかなか難しい。長良川、岡崎、諏訪、袋井、隅田川などの花火を見たが、私は鹿島の花火が日本一だと思っている。
Aug 7, 2005
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箱根で、カヤの木の植樹祭と記念囲碁将棋大会が行われるという。残念な事に国産のカヤの大木はバブル期に投資の対象になったこともあって、切りつくしてしまってほとんどないらしい。「次の世代にカヤの森を」ということで植樹際となったという素晴らしい話である。 カヤの木というと、懐かしく思い出すのは小学生のころに学校のすぐ近くの民家の庭にあったカヤの大木である。実の生る季節になると、カヤの実で笛を作って遊ぶのが楽しみだった。しかし、それには子供達にとって大きな関門があった。 民家の高い塀から、枝の一部が顔を出しているのだが、その塀と道との間に川が流れていて、簡単なことではなかったのだ。運動神経のいい子が塀をよじ登って、集めて来たような気がするのだが、はっきりとした記憶がない。もうずっとそこには行ってないので、その木が今もあるのかどうかもわからない。思い出にしておく方がロマンがあるだろう。 もう一つ、最高に面白い話がある。それは、もう亡くなられたYさんから聞いた話である。林業関係の仕事をしていたYさんが、退職の時にたまたま山に生えていたカヤの大木をプレゼントされることになったという。 もしバブル期ならば、数千万円の値がつく宝の木である。碁キチのYさんは大喜びした。早速伐採してもらい、碁盤の大きさの木材に切り出してもらったという。すると、思いがけず質の良い木材がいくつも取り出せたと知らせが来たとのこと。 そしていよいよ、興奮を抑えながらその木材を見に行ったのだが、宝を拝んだ瞬間そこで卒倒しそうになったという。もともと碁盤用木材の産地でないから起きたのであろうが、とんでもない悲劇がYさんを襲ったのである。なんと、カヤの木は将棋盤の大きさに切り分けられていたのである。 想像しただけでも恐ろしい。私は、これほどの悲劇を他に知らない。
Aug 4, 2005
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