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作詞作曲した 「私は信じています」
という歌が聴けます。
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別宅の癒しの音楽にも是非行ってみてください。
私が作曲した歌が聴けます。 ここをクリック
以前から、パソコンの調子が悪く、
CDやDVDが読み込めない状態でした。
とうとう明日の朝、修理に出すことにしたので、
しばらくパソコンは使えません。
簡単な日記だけは、携帯から載せるかもしれませんが。
この小説は、実は一回載せたものなので、
フリーページに最後まであります。
最初から読んでくださる方は NO.1
を見てください。
今日の続きは NO.4
で読んでくださいね。
NO.5
まであります。
お手数ですがよろしくお願いします。
ご感想、ご意見、いただけると嬉しいです。
「見果てぬ夢」7
ついにべスは研究所で実験の途中、倒れてしまった。
打ち所が悪く、意識不明の重態だ。
植物人間になるかもしれないと言われた。
父ジョンは友人の医師に、まだ研究途中の新薬を、
べスを実験台にと頼み込み、使用してもらった。
母エミリーはべスが死んでしまうと
必死に止めたが、ジョンの意志は固かった。
植物人間になって、死んだ方がましだとベスはいうだろうと。
『研究を続けられないなら、生きている意味はない』
とまで思いつめていた娘のために。
ベスが死んだら、ジョンも死ぬつもりだった。
ベスの研究が完成しなければ、
いずれ人間は滅亡するのだから。
エミリーもしぶしぶ承知した。
新薬を試してから、数日が経った。
何の変化も見られないように思われた。
ジョンもエミリーも覚悟していた。
だが奇跡が起こった。エミリーが目覚めたのだ。
ベスは大きく息をス込むとうっすらと目を開けた。
ベスの看護で疲れきっていたエミリーは、
ベスにもたれて夢うつつだったが、動きにハッとした。
「ベス、気が付いた?ママよ。分かる?」
思わずベスの顔を覗き込んだ。
「ママ、ここはどこ?」
「ママが分かるのね。良かった。
あなたは研究所で倒れてこの2ヶ月、
意識不明だったのよ。今、パパを呼んで来るから、待ってて。」
エミリーはあわてて部屋を飛び出していった。
ベスはあたりをゆっくりと見渡すと、
花が生けてあった。真っ白なカスミソウだ。
『私の好きな花を覚えててくれたんだ。』
しみじみ見ていると、涙で霞んできた。
『ママに心配かけちゃったな。
つくづく私って親不孝だよね。
反対を押し切って、研究を続けた挙句、
倒れて迷惑かけちゃうなんて。
でも研究は諦められないわ。ここでくじけちゃ、
パパの期待を裏切ってしまう。
心配かけて申し訳ないけど、
ママのためにもなるんだから、研究は完成させなくっちゃ。』
ベスは心に誓うのだった。
ジョンが研究所から駆けつけて、
必死の形相で病室に飛び込んできた。
「ベス、大丈夫か?」
息を切らせながらも、娘を気遣う父に
ベスは言葉が詰まってしまった。
「新薬を使ったから、副作用があるかもしれない。
サムを呼ぼう。」
父の友人のサムは、母からも知らせを聞いて、
既に家を出ていた。
「もうすぐ彼も来てくれる。
具合はどうかい、ベス。顔色はいいな。
かえって前よりもいい位だ。
ちょっと心配だが、検査すれば分かるだろう。」
「体が軽い感じよ。前より調子がいいほど。
どんな新薬を使ったの?」
「うん。なんでも細胞を活性化させ、
免疫や治癒力を回復させる機能をもってるらしい。
まだ研究段階で、お前はその治験第1号というわけだ。」
「それよ。私が探していたのは。
人工細胞を作るところまではいったのだけど、
活性化しないの。増殖活動をしないのよ。
それを使えばもしかして、
人工細胞が活性化するかもしれないわ。
パパ、その開発者を紹介して。」
「それはいいが、お前はまだ
研究できるような状態じゃないんだよ。
また倒れたりしたらどうする気なんだ。
これ以上パパやママに心配かけないでくれ。」
「ごめんなさい。でも会ってお話だけでも
聞きたいの。いいでしょう。」
「しょうがないな。お前は一度言い出したら
聞かないんだから。
まあ、会って話す位はいいだろう。
ただし、この病室にきてもらうぞ。」
「いいわ。だから早くお会いしたいの。
パパ連絡して。」
「もう連絡はついてるよ。
開発者は、あのサムなのだから。
今頃、病院に向かってるところさ。」
「パパのお友達の? それならそうと早く言ってよ。
ああ待ち遠しいわ。」
噂をすれば陰で、サムが息せき切って、
駆け込んできた。
「べスが目覚めたって、本当か?」
「サム、よく来てくれた。
べスも待ちかねていたんだ。大丈夫かい?」
「ああ、急いでいたからな。
一刻も早く様子が知りたかったんだ。」
「ありがとう。お陰でこの通り、
前よりも元気になったくらいだよ。」
「そうか。やっぱりな。
もしかしてあの薬が聞きすぎたのかもしれない。」
と、サムはちょっと首をかしげた。
「どういうことだ。副作用でもあるのか。
教えてくれ。」と、詰め寄るジョン。
「いや、今のところ、まだよく分からないんだ。
とにかくあれは実験段階だから、
申し分けないが、べスの様子を見ない事には
なんとも言えない。」
うなだれるサムに、ジョンが肩をたたく。
「それは覚悟している。意識さえ戻ればこの通り、
研究意欲が湧く子だからな。
ベス、サムに聞きたいことがあれば、
今聞いてみなさい。」
「ほう、聞きたいことって、何だね。
私に分かってる範囲でお答えしますよ。」
サムも急に目を輝かし、
ベスと研究者同志の会話がはずんだ。
「まず、その薬はどんな効用があるんですか?」
「今わかってる事は、細胞の中の遺伝子を刺激して、
活性化させるということだけなんだ。
その結果、人間本来の自然治癒力を高める働きをする。」
「遺伝子自体が活性化するということですか。
それなら人工細胞を増殖させるのに役立つかしら。
遺伝子を移植しても、細胞分裂しなんですよね。
活性化できますか?」
「うーん、やってみないと何とも言えないね。
でも私もその研究には興味あるな。
協力するよ。君の人工細胞に
私の薬を注入して、試してみよう。」
「本当ですか? ありがとうございます。
今すぐにでも飛んで行きたい。」
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