思うところあって、脳内物質のことを勉強していたら、すごく分かりやすい本に出会った。
この本を使って脳内物質のことを、整理して覚えようと思って、抜書きをしていたら、かなりの量になった。
こころとからだの健康を考えるためには、重要なポイントになることは間違いない。
いい機会だから、いっしょに勉強してみませんか?
『朝の5分間 脳内 セロトニン・トレーニング』
東邦大学医学部教授 有田秀穂
セロトニンって何?
セロトニンとは、私たちの脳内に存在する「情報伝達物質」の名前です。
脳内の情報伝達物質というとドーパミンやノルアドレナリンなどが比較的よく知られていると思いますが、セロトニンもそれらと同じ仲間です。
ある情報を次から次へと伝える働きをする物質のことを「情報伝達物質」と呼んでいます。
たとえば、リレーで走者から走者にバトンが受け渡しされる場面を思いえがいてみてください。リレーにおけるバトンにあたるのが、セロトニンなどの情報伝達物質なのです。
セロトニンはこころとからだの元気を演出したり、平常心を形成したりします。
つまり、セロトニンはこころとからだのバランスを調整する役割を担っているのです。
ですから、慢性的なセロトニン不足が続くと、こころのバランスが崩れて、うつになったり、キレやすくなったりすることがわかっています。
セロトニンは誰の脳内にもあって、日々の私たちの生命活動を支えています。
目覚めている時には、必ず一定量だけ作られ、そして放出されて様々な指令を脳に送っているのです。
ちなみに、セロトニンはすべての動物の中に存在することが、これまでの研究からわかっています。
ほ乳類のような発達した生物だけでなく、きわめて原始的な生物にも存在しています。
またセロトニンが作られる場所の周囲には、歩行や呼吸、咀嚼などの生きる上で基本的、かつとても重要な運動をつかさどる中枢があります。
セロトニンには他の脳内物質と違って、「太陽光の刺激と単純なリズムのくり返しで、その分泌量が増える」という特徴があります。
ストレスや不規則な生活習慣などの要因でセロトニンが不足したとしても、私たちは自らの努力で、ある程度セロトニンの分泌量を増やし、健康を取り戻すことが可能なのです。
睡眠と覚醒のバランスや食事のタイミングなどを知らせてくれるのが体内時計です。この本来備わっているシステムのおかげで、私たちの体は体温やホルモンなどが正常なリズムで機能し、健康的に生活することができるのです。
いわゆる時差ぼけといわれるのは、体内時計が狂った典型的な例です。時差ぼけでなくても日頃からぐっすり眠れない、朝おきづらいなど睡眠にふまんがあるとすれば、自分に組み込まれている体内時計が狂っているせいかもしれません。
体内時計は本来、太陽の光に同調して正しく働くようにセットされています。
体内時計が狂って寝覚めが悪いということは、すなわち、セロトニンも不足しがちだということが考えられます。セロトニンは覚醒をつかさどり、スムーズに活動を始めるために不可欠な物質だからです。
人間の脳の中には、約150億の神経細胞があります。そのうち「セロトニン神経」と呼ばれる神経は数万個だといわれています。
セロトニン神経は数自体は少ないけれども、脳全体にむけて指令を送ることができるのです。ただし、一個のセロトニン神経が、万単位の神経細胞を相手にすることになるので、微細な情報の伝達はとても無理です。当然のことながら大まかな雰囲気を伝えることになります。
セロトニン神経とは、食物の中に含まれているトリプトファンという物質を原料にしてセロトニンを合成し、情報伝達に利用する神経のことをいいます。
セロトニンがうまく作られている時、私たちの脳は望ましい覚醒をします。
望ましい覚醒とは「目が覚めたときから頭がスッキリして、爽快な気分である。やる気と集中力がある」状態のことを指します。ごく簡単に言ってしまうと「よし、今日も一日がんばるぞ!」と思える朝のことです。
セロトニンが放出されると、自然と目が覚めます。そして、目の網膜から直接、太陽光の刺激を受けることでセロトニンはさらに活発に放出され、今度はからだが起きて運動をする準備をします。
人間の脳は、サルの脳に比べて「大脳皮質」と呼ばれる部分が大きく発達しています。
大脳皮質は脳の一番外側をおおっている部分で、主に言語と知能をつかさどっています。私たち人間が、他の動物たちよりずっと複雑な思考をめぐらしたり、理性的に話したりできるのは、この大脳皮質のおかげです。
セロトニン神経は脳全体にいきわたっていますが、その中でも重要なのが、この大脳皮質です。
セロトニン神経は大脳皮質の働きを抑制しながら、なおかつ覚醒しているという状態を作り出します。
言語と知能は人間として生きていく上で、とても大切ですが、この部分にばかりに偏重すると、常識やルールにとらわれて、がんじがらめになってしまいます。
セロトニン神経は、この言語と知能をつかさどる大脳皮質の活動を適度におさえてくれます。
セロトニンは自律神経にも深く関係しています。
自律神経とは、内臓や血管、呼吸などをコントロールして、からだの状態を正しく保つ神経群のことをいいます。人が自分で動かすことが出来ない神経なので「自立」と呼ばれます。
自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経がバランスを取ることで成り立ちます。
交感神経は、起きているときに働く神経のことで、特に緊張しているときに強く働きます。
副交感神経は、眠っているときや、リラックスしているときに働く神経です。
セロトニンには自律神経のバランスを整える働きがあります。セロトニン神経を強くしておけば、自律神経のバランスが悪くならないよう、予防することができるのです。
自律神経の不調による病気には、
•・ 心臓神経症(原因不明の動悸や胸の痛み)
•・ 気管支ぜんそく
•・ 過敏性腸症候群
•・ 反復性さいせん痛(下腹にさしこむような痛み)
などがあります。これらの病気は直接いのちにかかわるものではありませんが、症状があるとつらいものです。セロトニン神経を強くすることで、症状をおさえたり予防することができます。
セロトニン神経が強い人は、からだのストレスに強くなります。そうすると、こころにも負担をかけなくなり、こころのストレスが減っていくのです。
「イヤだな」とか「面倒だ」などの気持ちがあると、ストレスとなり、気持ちが沈んでしまいます。こころがどんどん疲れてしまう状態です。ストレスに強いセロトニン神経は、そういった気持ちをストレスとしてためこむことを予防し、疲れにくくします。
セロトニンは、抗重力筋という、重力に逆らって動く筋肉にも働きかけています。
抗重力筋の大きな働きは、立っている姿勢を保つこと、背筋をのばして姿勢をよくすることです。手をあげたり、足をあげたりする動作も抗重力筋の働きです。
重力と逆の方向へ体を動かす筋肉を、抗重力筋と呼びます。口を開けたり閉めたりすることも、抗重力筋が働いています。
セロトニン神経が弱いと、口がぽかーんと開いたままで、猫背になっていきます。
セロトニン神経が弱いと、顔に表情が少なくなり、目じりやほお、口角がさがってきます。一言でいうと、老けた表情の顔になるのです。
使わなかった筋肉を訓練するのは、時間もかかるし大変です。でも、セロトニン神経がはたらいていると、自然と顔の表情もひきしまり、若々しく保てるのです。
年齢とともに認知症がすすむのですが、認知症は脳だけではなく、体にもあらわれてきます。体が思うように動かせなくなってきたり、若い時より動きが悪くなったりします。体の機能が下がることも原因ですが、脳が老化することによって、からだにも影響がでてくると考える事ができます。
脳を若々しく保つということは、からだも若々しく保つことにつながり、わたしたちの健康長寿をおおいに助けてくれることになります。セロトニン神経を強くすることで、健康寿命をのばすことができるのです。
伊藤和磨著 『腰痛はアタマで治す』 2016年05月25日
エピガロカテキンガレート 2015年07月10日
ノロウィルス騒動 2015年06月21日
PR
サイド自由欄
カテゴリ
カレンダー
キーワードサーチ