スティーブ・ジョブスが亡くなった。
19歳でガレージからアップル社をたちあげ、パーソナルコンピューターを世に広め、20代でフォーブス長者番付に載りサクセスを果たしたジョブス。
最近では、iPod・iPhone・iPadと立て続けに送り出してきた、現代におけるアメリカンドリーム体現者であるジョブス。
1955年生まれで僕と同年代であることから、いつも気がかりで、その道程に心弾んだものだ。
享年56歳、早すぎる死に世界中が悲しんだ。
ちなみに、ライバルのビル・ゲイツ(マイクロソフト社会長、13年連続長者番付1位)も55年生まれである。
残念ながら、彼らのサクセスストーリーと、僕の人生が交差することはなかった。
今こうして彼らが使いやすくしてくれたパソコンを使っているだけである。
実を言うと、30年前、僕はIBMのパソコンの"セールス"の講習を受けたことがある。
一通りの使い方を教わり、どういうセールスをするべきかを学んだ。
しかし、これが売れるとはとうてい思えなかった。
それだけ使い勝手が悪く、展望が広がらなかった。
もともとアナログ人間だった僕は、先の見えないパソコンから遠ざかることにした。
それが10年前、子どもが授業に使うというので、買った安いモデルのものが、あのときより遙かに魅力的なものに変わっていた。
さらに5年前に、自分のパソコンを買ってからは、まさにもう一つの世界を手に入れた感である。
ジョブスとゲイツのおかげである。
ジョブスの死を考えると、同時代に生きたあれやこれやが浮かんでは消える。
70年代後半、僕らの世代はアメリカンドリームに憧れていた。
映画『ロッキー』に興奮した。
スピルバーグやルーカスに希望の光を見ていた。
金鉱や石油を掘り当てなくとも、己の才能と、努力で夢は叶うと。
だれでも成功できるチャンスが与えられていて、あきらめなければ、いつかは自分も大金持ちになれると思っていた。
彼らは先頭に立って、僕らを導いてくれているのだと。
しかし、そこには少し勘違いがあった。
ジョブスやゲイツは天才であった。
凡人のドリームは、身の丈にあわせなければならない。
アメリカンドリームに目がくらんでいたのは、僕だけではなかった。
80年代後半、世の中がバブルに浮かれた。
そして90年代、泡ははじけて消えた。
以来、日本の不況は現在も続いている。
そして日本のバブルは世界の教訓とならず、アメリカでサブプライムローン問題が起こり、ヨーロッパではそのあおりでEU金融危機が引き起こされ、ギリシャ破産危機の火を消すのに必死である。
震災と原発事故でかつてないダメージを受けている日本の"円"が逆に買われるほど、欧米の信用は落ちてしまった。
これは第二次大戦前の世界同時不況の暗がりと、同じ雲行きに見える。
歴史をひもとけば、これから世界はブロック化がすすみ、保護貿易が始まる。
わが国の事を考えても、内需拡大を考えれば、鎖国してしまえばいいという議論も成立する。
外国の安い商品を入れなければ、国内で作るしかなく、当然、国内産業は復活する。
1億人という人口は、その中だけで完結が可能なのだ。
これは極端だが、グローバルを目指しすぎるのもいけない。
それぞれの国が、小さな区分で健全にやっていければそれでいい気もする。
その観点で行けば、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は少し考えたほうがいいだろう。
そして人の欲と驕りが、持てる者ともたざる者をつくり、その軋轢が争いを産む。
現在、ニューヨーク・ウォールストリートでデモが行われている。
彼らはアメリカンドリームを返せと訴えている。
今のアメリカが不公平だと訴える。
チェンジを掲げて大統領になったバラク・オバマは、共和党支配の議会の壁の前になにも手が打てない状態である。
5%の大金持ちの支配がアメリカを狂わせている。
来年になれば、世界はいろんなことを選択しなければならない。
歴史の新たな扉が開かれようとしているなら、どんなステージが次に現れるのであろうか。
話は際限なくそれていく...
最後にジョブスの言葉を
•◆ 墓場で一番の金持ちになることに何の意味がある。毎晩寝る前に「今日はすばらしいことをした」と思えること、それにこそ価値がある。
•◆ 私は23歳で1億円稼ぎ、24歳で10億円、25歳で100億円の資産を手にしましたが、別段気に留めたことはない。金のためにやっているのではない。
•◆ 方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、まず「本当は重要でもなんでもない」1000のことに「ノー」と言う必要がある。
•◆ 美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に望んでいるものを、見極めることが重要なんだ。
•◆ 仏教には「初心」という言葉があるそうです。初心を持っているのは、素晴らしいことだ。
•◆ 素晴らしい仕事をするには、自分のやっていることを好きにならなくてはいけない。まだそれを見つけていないのなら、探すのを止めてはいけない。安住してはいけない。心の問題のすべてがそうであるように、答えを見つけたときには、自然とわかるものだ。
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