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大野隆之

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書評1


魂込め(まぶいぐみ)/目取真俊


沖縄文学の情景/岡本恵徳


果報は海から/ 又吉栄喜


反近代の文学/三田英彬


*神様の失敗/勝連繁雄


面影と連れて/目取真俊


98年沖縄文学 回顧


99年 沖縄文学回顧


00年 沖縄文学回顧


海鳴り/長堂英吉


01年 沖縄文学回顧


大城立裕全集発刊・沖縄に生きた文学


夏化粧/池上永一


鯨岩/又吉栄喜


うらそえ文芸8号


干刈あがたの文学世界


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*古波蔵信忠『三重城とボーカの間』


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又吉栄喜『陸蟹(おかがに)たちの行進』


目取真俊『署名』


*『うらそえ文芸』第5号


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又吉栄喜「海の微まど睡ろみ」


目取真俊「群蝶の木」


大城立裕「水の盛装」


新川明『沖縄・統合と反逆』上


新川明『沖縄・統合と反逆』下


久志芙沙子「滅びゆく琉球女の手記」


*てふてふP「戦い、闘う、蠅」


日本・沖縄・ドイツの国際シンポジウム


「文学」と「映像」再論


全国で売れる沖縄本


又吉栄喜「落とし子」


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大城立裕「クルスと風水井」


目取真俊「希望」


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学術系


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Sep 19, 2012
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今日は「風雲 琉球処分前夜」を読んだ。この作品の初演は1972年の4月であり、本土復帰の1ヶ月前のことである。まさに「復帰前夜」になぜ琉球処分なのか、ということなのだが、読んでみるとわかった。琉球処分には今なおいろいろな解釈があるが、「風雲 琉球処分前夜」ははっきりと大和派の宜湾親方のサイドに立ち、琉球処分に肯定的である。清との関係を守ろうとする頑固派の亀川親方は、完全に琉球士族の既得権益の擁護者という扱いになっている。

 宜湾親方対亀川親方の二項対立にすると、どちらの言い分も相対的になってしまうので、宜湾朝保の進歩主義を支えるのが、主役の大里朝輝である。これは現時点では全くの架空と思われる。よく似た名前には摂政だった大里朝教がいるが、キャラクター的に全く関係ないと見るべきだと思われる。

 注・こういう書き方をすると、私がとっくの昔に琉球処分の関係者を知っていたと誤解されてしまうが、宜湾や亀川は大城立裕の「小説・琉球処分」を読んだから知ってるだけであって、大里朝教など10分前に調べて初めて知ったのである。

 さてキャラクターの方の大里朝輝の方であるが、彼は農民出身なのであるが、進歩的な宜湾に能力を認められ取り立てられたという設定である。(実際に宜湾がそんな事をしたのか、現時点では知らない。いずれ調べる)そして大里が守旧派士族の前で、士族の傲慢と農民の解放を訴える場面が芝居の見せ場になっている。これにより「琉球処分」は農民解放という側面が強調されることになる。

 この作品は金城哲夫の沖縄芝居を考える上で、最も重要な作品だと思われる。

1,沖縄芝居の史劇の中で最大のヒット作とされる山里永吉の「首里城明け渡し」という先行作品がある(今はまだ読んでいない。また山里の脚本と実際の上演とに微妙な差異があるらしく、ここは結構大変)。今年の12月には「首里城明け渡し」もまた上演されるらしく、これは行かねばなるまい。

2,2年前の1970年には大城立裕「小説・琉球処分」を原作とする「琉球処分」が新劇として上演されている(この事実を知ったのも今日)。大城と金城とは大変親しかったので、見ている可能性は濃厚である。さらに「小説・琉球処分」そのものの影響。「小説・琉球処分」の読み直しは結構大変である。

3,既に見たとおりの内容から、金城は復帰を良い意味での第二の「琉球処分」と考えていた、もしくは期待していた可能性が濃厚だと思われること。

4,現在「第二の琉球処分」というと悪い意味で使われることがほとんどである。「琉球処分」の受容史も考え直さなくてはならない。そのためにはまずこの作品の同時代評を確認する必要がある。



 というわけで、ここはかなり宿題が多いのであるが、今回直近の目標は「虎!北へ走る」を良く理解することなので、宿題は宿題として先に進む。






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Last updated  Sep 19, 2012 07:49:03 PM
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