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マジック・ザ・メイカー4話「魔女と少女4」 冥珂は1のThe Magus(魔術師)のカードを使い群青のローブ姿に変身した。目の前の藤邑にはますます黒いもやが集まっていく。「その力をこの世界から遮断する!」 冥珂のほうき軽機関銃が火を噴く。フクロウ頭に変身している藤邑は剣で弾丸をガードする。弾丸によって黒いもやは拡散するがすぐに集まり元の姿に戻っていく。「剣の6!」 出現した六本の剣が六芒星の形をとる。そこに弾丸を撃ち込む冥珂、六芒星を通過した弾丸はシャワーめいて藤邑に襲い掛かる。「くっ……!」 弾丸で削られていく藤邑、下の狼の口から火炎弾を連続で発射し冥珂を牽制する。「教会やバチカンもそろそろ本気になってきたか?お前のような者をよこすとは」「そういうしがらみはないんよね」「ほう?関係者では無いと?では何故ここに?金か?ボランティアでこんなことをするのか?正義の味方気取りの異常者か?」「金には困ってへんよ、世界各地に不労所得物件と株の報酬あるし特許もかなり取ってるし。これはボランティアっていえばそうかもしれんなぁ……正義の味方というと白魔女とはちょっと違うしなぁ」「おかしな者だな。わざわざ命の危険を冒してまで関わるとは」 藤邑は大きく後ろに飛びバスに隠れた。シャワーめいた弾丸を止める冥珂。「アタシはおせっかいな魔女、それだけや!!杖の6!!」 出現した6本の杖は空中に浮き上がる。3種類の光を放った杖は合わさり螺旋状の3色の光を放った一本の杖となり冥珂の目の前で停止する。「隙あり!!」 冥珂の動きを見て飛び出す藤邑、狼から火の玉を吐きながら飛び掛かる。「おっと、そっちから出てきてくれるとは!」 火の玉を杖で打ち払い地面に突き立てる冥珂、杖を中心に光の波動が広がる。藤邑は吹き飛ばされバスに激突した。「がはっ……力が……!!」 光の波動を浴びた藤邑の体に光の粒子が纏わりついていた。光の粒子は藤邑の体から黒いもやを霧散していく。「終わりや!さぁ力を引き出してる物を渡してもらうで!」「ふふ……ふふふふ……やってみるがいい!試してみるがいい!!」「えらい自信やな?まぁよくあるパターンとしては体内にでも埋め込んどるんやろ?そんで細胞レベルで内臓と一体化して感知できひんとか?想定内よ」 光の粒子は更に黒いもやを霧散させていく。徐々に人間の姿に戻っていく藤邑。「……!?」 黒いもやが消えていく藤邑に対し冥珂の群青ローブは輝いていく。 コンパクトを取り出す冥珂。藤邑向けて近づいていく。「……ふふ、ふふふははは……私を殺してみるか?脳を、心臓を破壊して!!そんなことはこれまでエクソシストや魔術師がやってきた!!無駄だ!!私は滅びない!!不死身不老不死の力だ!!」「分かっとる分かっとる、せやから力を供給できひんようにするって言うてんの」 コンパクトをかざす冥珂、藤邑は剣を振りかぶるもコンパクトから伸びる蔓の腕の方が速かった。藤邑の腹に突き刺さった蔓の腕はうねりながら奥へ入っていく。「あががががががが……」蔓の腕が破れた紙切れをつまみだした。「さぁこれで……あんたはただのベラベラの真人間や!」「なんだと!?そ、それは!!馬鹿な!!」 藤邑は震えながら手を伸ばす。「か、かえせ……それが無ければ……」「はい回収……っと」 紙切れをつまんだまま鏡の中に戻っていく蔓の腕。黒いもやは全て消えスーツ姿の藤邑が現れる。「あ……あ……それがどれほど貴重なものか……それを手にするために私はどれだけ苦労したか!!」 一気に老け込んでいく藤邑、その姿は30代前半から70代後半へと変わっていき膝から崩れ落ちる。「ああああ……私の体が、顔が……」「本来の姿に戻るんやで」「こ、こんな……こんな馬鹿な!!魔女め魔女め魔女め!!お前が憎い憎い憎いぞー!!」 ふらつきながら立ち上がり冥珂をにらみつける。「あんたの使こうてた力、どんなもんか知ってるやんな?その代償、自分自身に返ってくるの覚悟しときや」「お、お前を殺してやるぅー!!」 ナイフを取り出し突いてくる藤邑。冥珂はほうきでナイフを弾き飛ばし柄を使って投げ飛ばし組み伏せた。「言っとくけど魔女はClose Quarters Combat(近接格闘)も身につけてるもんなんやで」「ぐおおおおおおおおおおおおおおお……」「さぁ、さっきのアレどうやって手に入れたか教えてもらおか」「話すと思うのか?私はあの方を絶対に裏切らない」「じゃあ直接あんたの心に聞くわ」 コンパクトを開いて紋章を撫でる冥珂。「答えて!テクニクス・マジック・コンパクト!」 コンパクトが輝く。鏡が波打ち、映し出される藤邑の顔。「アレはどこで手にいれたん?」『……は……東京で……会……時に……億で』 冥珂は集中し聞き取りにくいコンパクト中の藤邑の言葉を耳で拾っていく。「やっぱり東京か……大阪に来る前先にあっち行っといたら良かったわ。さてと、じゃあこれでアタシはオサラバさせてもらうわ」 宙に浮かべたほうきの上に乗る冥珂。振り返らずに上空へと飛翔する。「魔女め……殺してやる、必ず殺してやるぞ……」「……」 冥珂は振り返らずに飛び去った。「クアアッ!クアックアッー!!」 藤邑に数十体のフクロウ頭が集まってくる。「そ、そうだ。こいつらの力を取り込めば……ぎゃあああああああああ」 手を伸ばした藤邑の指に齧り付くフクロウ頭。「クアアッ!クアックアッー!!」「ぎゃあああああああっやめろおおお!!」フクロウ頭たちは藤邑を啄み出した。「や、やめ……」「クアアッ!クアックアッー!!」「ぎゃああああああああああああああああああああああああ……」 黒いもやとなり消えていくフクロウ頭たち、残されたのは骨となった藤邑だけであった。 ―――冥珂が喫茶店に戻ってくると店の前には3台のパトカーが止まっていた。「冥珂さん!警察呼んだんですど大変だったんですよー色々説明するのが……!」「そらご苦労さんやったね。もう大丈夫やで、原因は取り除いたよ」「へ?」「これで一件落着……ってわけにもいかんやろうけどそのうち終息するしそれまではこの街におるわ」「ちょちょちょ……ちょっと待ってくださいよ冥珂さん、全然わかんないですよ!」「まぁまぁ今日は疲れたし後日また話しよ。スフィンクスに案内させるしアタシの店までおいで」「え?え?」「じゃあね~」 再びほうきに乗る冥珂。残された晴凛は大きくため息を着いて肩を落とした。―――翌日 いつも通りバスに乗り通学する晴凛。心なしかバスの車内が明るい気がした。「ねえスフィンクス」 晴凛はカバンの中にしまっている戦車のカードに話しかける。『なんだ?こんなところで話しかけてるんじゃないぞ』「小声だし大丈夫だよ。それよりも何かバスの中明るくなったきがするんだけど?なんとく空気も良くなった感あるんだよね」『そりゃあそうだろうな。このバスに充満してたダークエネルギーはもう感じねぇ』「ダークエネルギー……それって?」『説明がめんどくせえから冥珂に聞きな。話はここまでだこれ以上やめとけ』「う、うん……」 鞄を閉じて携帯をいじってごまかす晴凛。普段通りに学校に着く。 何事もなく一日を過ごした晴凛、放課後友人の誘いを断って小走りで校門を出た。「スフィンクス、案内してよ」『おうよ任せとけ。なぁ晴凛、それはそうと今日一日お前のカバンの中で過ごしていたが気になる話を聞いたぞ』「え?なになに?」『空飛ぶ円盤が漢山(おとこやま)って所に落ちたとか。この辺りの地理はそんなに詳しくないが確か冥珂がその円盤の事気にしてたのを思い出してな』「え?UFO??」 そういえば今日はUFOの話してる子何人かいたな……と晴凛は思い出した。「……でもそれと魔女の冥珂さんと結びつかないんだけど?」『何言ってんだ、大ありなんだよ。……まぁそれも冥珂に聞け。ともかく晴凛、お前の周囲はまだ騒がしい事になりそうだって覚えとけ』「うそぉ……」 スフィンクスの案内で住宅街の路地裏に入り民家の裏庭を通り、階段を上がり屋上の扉をあけ更に人一人が通れる幅の通路を進んで工事現場の足場のようなスロープを上って行くと小さなエレベーターに乗る。上階で降りると山に続く小さな道に出た。緩やかな坂の上に煉瓦つくりの蔦の生い茂った建物が見える。「はぁ~……こんな道通らなきゃたどり着かないの?……あれが冥珂さんの店?」『ああ、あれだ。俺様が普段使ってる道を通ったが今度からは普通のルートで来ればいい、地獄の1000階段を登るか車が無いと苦労するがな』「げぇ~……地獄階段ってここローズタウンの裏山?こんなところに出てくるんだね。この辺お金持ちが住んでるだけで友達の家も無いしウチらは来ないのよねー」 坂を上り煉瓦作りの建物の前で立ち止まる晴凛。インターホンを探す。「インターホンはどこかな?」『んなもんねえよ。お前の足元にあるルーンで感知してるから冥珂は気づいてるはずだ。扉を引いてみろ鍵は空いてる』「あ、ホントだ空いてる。お邪魔しま~す」 木製の重い扉を開けると中から甘い香りが漂ってきた。ゆっくりと足を踏み入れる晴凛、照明は全てランプ、薄暗く家具や小物は普段目にしないようなものばかりであった。晴凛は外国に来たような感覚に陥った。「わぁ~……映画のセットみたい……あの~冥珂さん~?晴凛です、どこですか~?」「晴凛ちゃんこっちこっち奥に来てー、今ちょっと取り込み中やし」「あ、はーい」 扉を開け奥のキッチンに進むと大きな鍋をかかき回している冥珂の姿が見えた。「うわ~甘くてすごいいい香り~そのお鍋からですか?」「そうなんよ、これはね、練れば練る程色が変わって……」 冥珂は鍋でかき混ぜている粘りのある橙色の物体を木の棒に絡ませて持ち上げ、横に置いてある色とりどりの粉の入った皿に付けた。「こうやってつけて……」 そしてそれをスプーンですくって口に運んだ。「うまい!」 満面の笑みで叫ぶ冥珂。晴凛は冥珂の後ろに光が差した気がした。続く
Dec 5, 2017
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