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日本ではゴールデン・ウィークですね。 中国でも5月1日から連休が始まります。 とはいっても、学生たちの中には、もう早々と故郷に帰った者もいて、 一足はやく休みを満喫しているようです。 私は最近、めっきり出不精になって、どこかへ行きたいという気持ちが起きなくなりました。 以前は、一人であちこちに出掛けたり、2週間近くの長旅をしたりしたこともありましたが、 去年ぐらいから、だんだん億劫になってきました。 というわけで、今年のゴールデン・ウィークはずっと学校にいて、 学生たちの会話の練習の相手をすることにしました。 今までも毎日、学生たちと交流してきたのですが、 この頃は1年生たちが、だんだん話せるようになってきて、 会話の面白さを感じ始めてきたので、以前より忙しくなってきました。 今年の1年生の特徴は、一人で私の部屋にやってくる学生が多いということです。 1人ずつ、2時間ほど相手にするより、 4、5人集めて一緒に話をするほうが、時間は節約できますが、 1人のほうがたくさん話ができて、進歩が早いですし、親近感も深まりますから、 できるだけ学生の希望に沿うようにしています。 3年生や4年生たちとは、会話の練習というよりも、 いろいろな話題を話しながら知識を深めることが中心になりますが、 1年生や2年生たちは、まず会話に親しむことと、 発音や単語、文法の間違いを直すこと、 そして日本人と話す時の緊張感を解消することが中心になりますから、 担当する学年によって、学生への対応の仕方も変わります。 思えば、今年のスピーチ・コンテストで上位に入賞した学生たちは、 ほとんど1年生の時から、私の部屋に1人で来ていた学生ばかりでした。 今の1年生たちも、いずれ、この大学を代表するような存在になるでしょう。 実は、大学側からの要望もあって、また来年も、この大学で教えることになりました。 家族とずっと離れているので、随分、逡巡しましたが、 家族が理解して応援してくれたので、決断しました。 来年も1年生と2年生を担当することになりそうですから、 今年の1年生たちの日本語能力を更にレベルアップしてあげたいと思っています。
2010年04月30日
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今年も日本語ドラマ発表会を、来月中旬に開くことに決めた。 例年と同じで、私が書いた日本語劇(悲劇と喜劇)2本と、 学生たちのオリジナルのミニ・ドラマ、そして中国の伝統芸能や歌、踊りなど、 盛りだくさんの内容になる予定。 思えば、3年前、私が3年生の学生たちと、小さな教室でやったのが第一回目だった。 翌年は、同じく私が教えていた3年生たちと、今度は大きな会場でやり、 去年は、私の担当が2年生に変わったことから、2年生たちと一緒にやった。 いずれも観客を爆笑の渦に巻き込み、或いは感涙を振り絞りで、絶賛を受け、 そして今年が4回目になる。 毎年、下級生たちは先輩たちのこのイベントを見て、来年は自分たちが、と意欲を募らせる。 今年の2年生たちも、先輩たちに負けないように、後輩たちの目標になるように、 素晴らしい演技を見せてほしいものだ。 実は、今年のドラマは、初めから本当に悩まされた。 劇の役は、学生たちの申し込みによって決めることにしているのだが、 今年は出演希望者が多くて、一つの役に複数の希望者が殺到したのだ。 誰に役を与え、誰を落とすか……。 それを学生たちに一任していたのだが、実行委員たちも決めるに決めかねて、 今夜、私のところに相談に来た。 台詞が多く演技力を求められる役は、日本語が堪能な学生に任せたいという気持ちはあるが、 だからと言って、消極的な自分を変えようとして申し込んだ学生の意欲にも応えたい。 去年も、練習を重ねるうちに、学生たちはどんどん上手になっていったのだし。 みんな私の学生だから、全員に希望する役をやってもらいたい、というのが正直な気持ち。 しかし、学生たちに割り振る役が限られていることもあって、 結局、涙をのんで、何人かは諦めてもらうことにした。 明日、学生たちの代表が、配役を発表する。 みんな納得してくれればいいけどなあ……。。
2010年04月28日
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昨夜は『日本語スピーチ・コンテスト』の番外編として、 1年生たちだけが出場する『日本語スピーチ・コンテスト(1年生)』を行なった。 準備の時間が1週間余分にあっただけに、出場した全員が言葉に詰まることもなく、 また、先週の先輩たちのスピーチを参考にして動作や表情などにも気を使って、 実に堂々たるスピーチをした。 中には、スター誕生かと思わせる輝きを発した者もいる。 勿論、すべての学生が素晴らしいスピーチをしたわけではない。 むしろ、ほとんどの学生たちは、自分の未熟さを知って、大いに反省していた。 発音もまだまだだが、内容は、まだ自分の言いたいことが言えない。 緊張して、早口になってしまったり、客席を見る余裕もなくなったりする。 それらをすべて栄養に換えて、これから成長してくれればいいと思う。 コンテストの様子を見てもらいたいのですが、 楽天ブログの調子が悪くて、写真をアップすることができません。 それが残念です。
2010年04月26日
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明日の夜は『1年生だけのスピーチ・コンテスト』が開かれる。 先週の『日本語スピーチ・コンテスト』に申し込んでいたのだが、 時間の都合で、1年生たちだけが別開催になったものだ。 すでに30人以上が参加することを決めて、充分な時間をかけて準備をしている。 去年はこの『日本語スピーチ・コンテスト』とは別に、 私の1年生の『発音』授業の期末試験として、 自由テーマによる『1年生だけのスピーチ・コンテスト』を開いた。 昨年は1年生のほとんどが私の学生だったので、各クラスで予選を行い、 それぞれのクラスの優秀者で決戦大会を行なった。 今年は幸いなことに、1年生は全員が私の学生だから、 今年も1年生のイベントとして、6月にコンテストをやろうと思っている。 『日本語スピーチ・コンテスト』が4月、 私が行なう『1年生だけのスピーチ・コンテスト』が6月。 この僅か2か月で、1年生たちは飛躍的に、日本語が上手になる。 まさに三日会わざれば刮目して見よ、だ。 明日のコンテストは、失敗を恐れずに、 「参加することに意義がある」オリンピック精神で臨んでほしい。 その経験は2か月後にきっと生きるはずだし、 これからの長い日本語学習の礎になるものだから。。
2010年04月24日
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スピーチ・コンテストに出場する学生たちの原稿を直している時、 毎日、添削と発音の指導に追われて、息つく暇もないほどで、 まるで日本にいた時の新聞記者としての生活に舞い戻ったようだった。 そのせいというわけではないが、3週間前からコーヒーを飲む回数が増え、 それとともに煙草も吸うようになった。 本数は1日に5本程度だったが、それが3週間続いたので、習慣になりつつあった。 それまで5年間、禁煙を続けてきたので、 またいつでも禁煙できるという自信はあったのだが、 さすがに3週間も続くと、自分でも止めることが不安になってきた。 というわけで、先週末からまた禁煙を始めた。 学生たちには、煙草を1本吸うごとに、食事を一回おごる、という約束をしたのだが、 煙草を吸わなくても、何も問題がないという日々が1週間続いている。 この分なら、またすっぱり止めることができそうだ。。。
2010年04月23日
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朝6時半に携帯電話が鳴った。 表示されている番号は、明らかに海外からのもの。 こういう時は、何か良からぬニュースと相場が決まっているもので、 恐る恐る電話に出ると……。 知り合いの中国人女性からの電話だった。 彼女は10年前、私が上海に旅行した時に知り合い、 その後、私と奥さんが中国を訪れた時は、家に招待してくれて、 それ以後、家族ぐるみの付き合いが続いていた。 知り合った時、高校生だった彼女は、翌年、上海外大の日本語学部に入学し、 卒業した後は、上海の日本企業で仕事をしていた。 その彼女から、仕事や人間関係などの悩みを聞いていたのだが、 2年前、彼女は退屈な上海での生活に見切りをつけて、 かねてからの夢を実現させるために、 中東のカタールへ行き、そこの航空会社でキャビン・アテンダントになった。 カタール航空の国際線に乗務して、 今はアジアやヨーロッパの空を飛んでいるという。 会った時は高校生だった彼女が、すっかり大人になって、話し方も落ち着いてきた。 それでも冗談を言い合うのは、お互いに変わることなく、 電話を切った後は、 彼女がドーハの暖かい風を、私の心の中に運んでくれた…… そんな感じがした。。。
2010年04月21日
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最近、学生に会うと必ずといっていいほど言われるのが、 「先生、ありがとう/先生のおかげで/先生がいなければ」という言葉。 そして、もう一つ、これもとても多いのが、 「先生、ごめんなさい/先生の顔を潰しました」 というお詫びの言葉。 前者は、コンテストで今までの殻を破った学生たちが言った言葉で、 後者は、逆に失敗した学生たちが、私に対して言った言葉です。 そんな中、今日は、4年生が食事を誘いに来てくれました。 彼女は先月、ずっとつきっきりで面接の練習をした学生です。 「院生試験に合格したら、先生にご馳走します」と言ってくれていたので、 合格できた喜びを彼女と一緒に味わうことにしました。 食べたのは、この料理。 筍と鶏肉の鍋。 スープは醤油、ねぎ、生姜などで味付けがしてある。 こちらは油麦菜という野菜を炒めたもの。 いたってシンプルな料理だが、中華料理はこういう何の変哲もないものが美味しい。 1か月前に会った彼女は、日本人と話をする時、どこか身構えてしまい、 上手く話そうという気持ちが先走って、それが流暢さを欠く原因になっていたが、 今日は、緊張のかけらもなく、自分から話題を探して、よく話した。 面接に合格したこともさることながら、 会話を楽しめるようになったことが、もっと素晴らしいことだ。 心も胸も、そしておなかも一杯になった一日だった。。
2010年04月18日
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30人の1年生を除く、全80人が参加した『日本語スピーチ・コンテスト』が終了しました。 今年も予選と決勝大会と、2日に分けて行なわれ、 決勝大会に進んだ15人は、3年生が7人、2年生も7人という内訳でした。 残る1人は日本で11歳まで暮らしたことがあるという1年生でした。 2年生たちが3年生と同数だったのは、私にとっても嬉しいことでした。 ただ3年生たちも、過去2年間、一緒に苦楽をともにしてきた仲ですから、 学年ごとに張り合うのではなく、みんな私の学生だという気持ちで応援していました。 決勝大会で優勝、或いは上位に名前を連ねたのは、やはり3年生でしたが、 彼女らは1年生の時から今までずっと、毎週、何回も私の部屋を訪ねてくれた者ばかりです。 覚えた単語や文法が少なくて、まだ満足に日本語での会話ができなかった頃から、 ずっと私と交流を続け、2年生になった頃からは、冗談が言い合えるようになり、 会話の練習という名を借りて、恋愛の相談をしたり、人生を語り合ったり、 お互いに悩みを相談しあえる仲になりました。 自分の悩みを話しながら、私の前で泣いたことがある学生もいます。 そういう思い出を共有しあっている3年生たちが上位に名を連ねたことは、 2年生たちの奮闘と同様、或いはそれ以上に感動的なことでした。 学生たちは、いつも私を感動させてくれます。 私は毎回、充分に感動していますから、 学生の皆さんは、次は自分で自分に感動できるよう、今日からまた頑張ってください。 来年は、今回、参加しなかった学生も参加して、自分の勇気に自分で感動してください。 今回、参加してうまくスピーチができなかった皆さんは、 来年はもっと上手になって、自分の進歩に感動してください。 皆さん、お疲れ様でした。 来年に向けて、また一緒に頑張ろうぜ!
2010年04月16日
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前回の続きです。 もやもやした気分のままいても仕様がないので、 他の日本人の先生の部屋を訪ねて、お互いの気持ちを話し合いました。 私の立場は、下級生たちのやる気を尊重したい。 先輩と同じステージでスピーチをして、経験を積み、足らないところを知って、 今後の成長に繋げてもらいたい。 下級生でも、普段から会話に親しんでいる学生は、上級生より上手な者がいる。 こういうことです。 他の先生は、「スピーチ・コンテスト」は学校の代表者を選ぶ場である。 だから代表者になるに相応しい学生が参加べきだ。 1年生や2年生は、授業中にコンテストをやればいい。 1年生や2年生が大勢参加すると、コンテストの時間が長くなり、負担になる。 こういう内容でした。 そこで、次年度からは次のような方法を模索してもいいではないか、となりました。 予選は学年を問わず参加してもいいが、その予選は日本人教師は審査をせず、 予選を通過した学生による決勝大会のみ、日本人教師が審査をする。 或いは、コンテストの前に自主審査をして、コンテストの参加者の人数を絞る。 3年生はシード参加として、1年生と2年生に予選を課す。 他の先生のおっしゃっていることは、私もよく理解できます。 今後、アイディアを絞れば、他にやり方は出てくるかもしれませんが、 だいたい上に上げた方式が現実的になってくると思います。 私は3年生だから上手だ、2年生は下手だという固定観念はなくて、 話をたくさんした学生は上手になると思っています。 勿論、語彙や文法は学年が上がれば豊富になりますし、 話す話題も広がり、言いたいことが言えるようになります。 しかし、コンテストに参加するかしないかということではなく、 1年生の時から日本人とたくさん話す習慣をつけなければ、 会話に親しむことは難しく、 日本人と話すことや、人前で話すことに怖さや緊張を感じてしまいますし、 単語や発音を直してもらい、それを覚えて上達するという機会もありません。 そうなると、3年生になっても4年生になっても、 会話が上手になることはないでしょう。 下級生を担当する日本人教師に課せられた役割は、そういう点でも大きいと思います。
2010年04月14日
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先週はずっと忙しかったので、ブログの更新も滞っていました。 忙しさの理由は、今週の木曜日と金曜日に『日本語スピーチ・コンテスト』があるから。 このコンテストの参加者が年々増えていて、 私がこの大学に来たばかりの4年前は、参加者は3年生と4年生だけで、 その数も合わせて12人。 それが3年前は2年生から4年生まで、合計で50人に増え、 去年からは1年生も参加するようになって、80人になり、 今年は遂に大台を超えて、なんと110人が参加することになった。 そのほとんどの学生が私の学生なので、 今年、私が原稿の添削と発音を指導した学生は今のところ90人にもなった。 だから、先週から学生たちがひっきりなしに部屋にやって来て、 目の回る忙しさとは、このことか、と思ったほどだった。 実は、他の日本人の先生たちは1年生と2年生が参加することを喜んでいない。 むしろ、1年生や2年生のスピーチを聞くことは時間の無駄という考え方だ。 それはそれで一つの考え方だと思うし、否定はしない。 だが、1年生と2年生を担当している私としては、 そういう下級生たちが、先輩に混じって、コンテストに参加することは 有形無形の財産になると思っている。 1年生たちは、コンテストのために、初めて自分で原稿を書き、 教師が添削した原稿を何度も読んで覚え、 それを人前に立ってスピーチをする。 こういう経験は、その後の学生たちの日本語の進歩につながるはずだし、 実は、学生たちもそのことを期待している。 勿論、下級生たちが上手にスピーチをすることは難しいことには違いない。 しかし、それを時間の無駄と言ってしまっていいのか、という思いはある。 日本語の勉強を始めてまだ半年足らずの1年生たちが、 私が添削した原稿を、一生懸命に暗記をしている姿を見ると、 やはり素晴らしいことだと思うし、 その一方で、他の日本人の先生方の言葉を思い出すと、 言葉が適切かどうかわからないが、学生たちが不憫に思えてくる。 というわけで、今、私は孤立しています。
2010年04月12日
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吉林大学の大学院を受験しに行った4年生から、一昨日、メールが届いた。 「先生、面接に合格しました! 先生のおかげです」 そういう内容だった。 彼女は4年生なので、これまで私とは接点がなかったが、 それでも、面接の練習相手として、私を頼ってくれたことは素直に嬉しかった。 彼女とは毎日のように、面接の練習を繰り返した。 緊張感を解くために、面白い話題でお喋りもしたし、一緒に食事もした。 そんな彼女だからこそ、「合格!」の喜びに溢れたメールを見て、 私も本当に嬉しかった。 最近は1年生ともたくさん話すようにしている。 やっと日本語だけでお喋りができるようになり、 1年生たちも覚えた日本語を使って、一生懸命に話そうとする。 天気のいい日に、私を囲んだ10人ぐらいが、ぞろぞろと学校の中を散歩しながら 大きな声で日本語を話している。 笑いながら「楽しいです」と言う声を聞くと、こちらも嬉しくなる。 去年、一昨年と2年間教えていた、今の3年生たちは、 私との会話の呼吸もぴったりで、冗談には即座に反応して、 更にそれ以上の冗談を返そうとしてくる。 お互いに、そこにいるだけで楽しいと思えるような関係になっている。 今日は最高気温は26度。 春のうららかな日差しに誘われて、学生たちと校内を歩きながら、 いろいろなお喋りをする。 学生たちの会話が急激に伸びるのは、毎年、この季節だ。。。
2010年04月06日
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日本語学部の学生は大半が女性で、 男子学生は1クラス(30人ぐらい)の中で4、5人にすぎない。 だから(例外はあるにしろ)授業中、教室の後ろに座って、発言もしない者が大半だ。 今年の1年生たちも、授業中、元気が良いのは女の学生ばかりで、 男は授業中、静かに黙っているというパターンになっている。 それが、今週の授業では、なんと男子学生たちが次々に手を挙げ、堂々と日本語を話した! 実は、今週は日本の歌『上を向いて歩こう』を教えて、一緒に歌ったのだが、 最後に学生たちを教壇に上げて、全員が一緒に合唱をした。 恥ずかしそうにしている学生たちの手を引っ張ったり、 背中を押したりして、みんなで一緒に大きな声で歌った。 日本語学部でありながら、日本語を話すことが恥ずかしいという学生は少なくない。 それ以上に、人前で話すことが苦手という内向的な学生も多い。 だが、人前で日本語の歌を大きな声で歌うことを思えば、 日本語を話すことなんて簡単なことだ。 学生たちが自分でそう思ったかどうかはわからないが、 そして、歌を歌い終わって席に戻った学生たちは、 会話の練習にも積極的に手を挙げて、参加するようになった。 中でも大きく変わったのは男子学生たちで、 どんどん手を挙げる姿を見て、思わず、心の中でガッツポーズをしてしまった。 この姿勢がある限り、会話は上手になるだろうし、 日本語を好きになっていくだろう。。。
2010年04月01日
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