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三津田信三講談社ノベルス☆☆☆☆☆ 少しミステリ的な味付けがされているが、和風ホラー。横溝正史がホラーの雰囲気漂うミステリなら、こちらはミステリの雰囲気漂うホラー。 奈良の零落した旧家の妾腹の跡取が5・6歳の時、その家に引き取られた時に出会った怪異(前話)と、その四半世紀後に再びその家に葬儀のために戻って、出会う怪異(後話)。 その描写が本当に怖い。それも、自分にもある似たような体験を思い出すような怖さ。どんどん引き込まれて読んでしまう。しかも舞台は奈良。日常の中にぽっかりと非日常的な因縁が潜んでいそうな土地柄というイメージを私は勝手に抱いている。。。 が、前話に出てくる主人公の同級生達は後話に出てこない。続編「百蛇堂」に期待…薄かな、この点に関しては。。。(^_^;)。
September 29, 2004
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マージョリー・クォートン&シェップ東京創元社 四六上製 図書館で借りた本。☆☆☆☆☆ この本のタイトルほど、犬好きのツボをくすぐるモノも珍しいだろう。原題は'One Dog, His Man and His Trials'という。ちなみに、この本の後書きによると、犬の本として有名な「犬のディドより人間の皆様へ」も原題は'One Dog and Her Man'というそうな。よく創元推理文庫の巻末自社広告に載っているものの、アマゾンでは品切れ、版元に問い合わせても品切れ、という本だった。これが勤務先近くの図書館で借りられることが分かり、喜び勇んで借り出した。 原題にある通り、シェップは牧羊犬のトライアルに出場し、チャンピオン犬になる。そして、彼の周囲の人間とワンちゃんたちの話。最初がトライアルの描写なので、ちょっととっつき難い。だが、それが落ち着くと、甲斐性ナシのアイリッシュ男たちとしっかりものの奥さん、あやしい羊泥棒に、歌手に憧れる頼りない若者、よく吠えて凶暴な犬、ひねくれてるが深情けで賢い雌犬、血統だけが自慢の雌犬、といったように実に個性的な面々が集まる楽しい話だ。合間には聖地巡礼(日本でいう神社仏閣めぐりだよな)、競馬、パブ、アメリカに行った親戚…、といったようにアイルランド・イギリスに良く出てくる話題がさりげなく扱われる。 悪人も間が抜けていて憎めない。また、隣の家にカラーテレビを見に行く、だの電話がない、だの何時代の話だろう? アイルランドの片田舎の話とはいえ、巻末では1993年になっている。ホントかよ…(^_^;)。 ただ、頻繁に犬を転売したり、偽の血統の犬を売ったり、羊泥棒に間違われて撃ち殺された…、飼い主においてきぼりにされて子犬を産んだ雌…というように、決して犬が可愛いだけの話ではない。まあ、胸が悪くなるような虐待シーンはないし、あまり深刻に描写されていないのが、救いだが。この本は図書館の児童書コーナーにあった。これ、中学生以下でも分かるかなぁ…? ダメな子はダメそうな内容だ。一見軽いが大人向きだと思う。 また、この本、カバーイラストのボーダーコリーが可愛いのだが、特にH4側が愛嬌たっぷりで、思わず目尻を下げて見てしまう。図書館でしか読めないのもちょっと残念。
September 20, 2004
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桑井いね文化出版局 四六上製☆☆☆☆☆ サザエさんのお母さんお舟さんの思い出話を髣髴とさせる。この著者の次女が多分、原作最初のサザエさんと同世代(=終戦直後に結婚した世代)。 日本の昔ながらのスローライフを書いた本といえるが…こんなばあちゃんが身内にいたら、煩くて堪んないだろうね(-_-;)。確かに、家事の達人で、ウチなんて何言われるか考えたくもないんだが…。孫として教わったら少しは、優しく教えてくれそうだけど…(^_^;)。ただ、ヘチマから化粧水を取ったり、ヘチマをスポンジ状にするやりかた、昔のテンの毛皮のこと、昔ながらのシンプルな生活の描写には本当に心引かれる。あるミステリで、ムクロジの実を石鹸代わりにするシーンが出てくるが、臭いなんて書いてなかったが、ここのおばあちゃんによると、臭いそうだ。でもヨゴレは良く落ちるそうな。また、農学者だったご主人の薦めで科学雑誌をよく読んでいたらしく、科学用語を使って説明してくれるので、男性が読んでも興味を引かれるかも。私もただ「これは便利」ではなく、「こういう物質の働きにより、こういう効果がある」あるいは「こういう害がある」と書かれているので勉強になる。最近の家事のハウツー本よりしっかりした内容、なのもやはり戦前の高等教育の影響だろうな。そういえば、この口煩そうなおばあちゃんと、亀井勝一郎や谷崎潤一郎は年齢が近い。このおばあちゃんのほうが、10歳くらいは下そうだけど。 彼らの子供の世代は戦中のドサクサの時期に初等~中等教育を受けている。さらに、孫は十羽一からげに育てられ、使えない団塊の世代となる。外国でも結構そういう傾向があるように思えるが、戦前の充実した古典教育を受けた最後の世代なんだよね。 今の我々は彼らの国語能力の足元にも及ばないのだ。 とはいえ、ご近所の目を気にし、お国のためにと、戦後紙くずになった国債を買い、供出も厭わず、挙句、戦後貧乏してしまったからって、折角苦労して買ったダイヤを供出せず、それを戦後売り払って大金持ちになった人とかに「虚栄心が強くて…」なんて批判しても、ヒガミに聞こえなくもない。だってさ~、国なんてこちらへは何にもしてくれないのに。
September 12, 2004
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歌野晶午光文社カッパノベルズ 図書館で借りた本☆☆☆☆☆「家」をテーマにした連作短編集。一つ一つの話に繋がりはない。 しかし、この作品、ミステリといえるのもあるのだが、どちらかというと謎解きよりサスペンス色の強い作品が多い。このテーマで書き込もうかちょっと迷ったのだった(^_^;)。でも、怪談やオカルト系とは違う怖い話だ。 この著者、最近ちょっと気になっている。前に呼んだヴードゥーチャイルドは面白かった。この作品も良かった(^_^)。
September 1, 2004
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