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北森鴻新潮社 四六上製☆☆☆☆☆ 憑代忌、湖底祀(みなそこのまつり)、棄神祭、写楽・考、の4本。異端・孤高の民俗学者蓮丈那智が民俗学的見解を織り込みながらフィールドワーク先で出くわす事件を解決していく。それにいつも付き合わされて振り回されて、けれどもけなされつつ、蓮丈の覚えめでたい(?)内藤三國がいい味をだしている。また、ずっと名前がなく「狐目」と内藤に連呼され、かつての民俗学界の重鎮の愛弟子でありながら学界を追われ、蓮丈の大学の事務方で辛口コメントを差し挟みつつ実は協力者のレギュラーキャラのフルネームがようやく写楽・考で出てくる。 また、著者の骨董界を舞台にした別シリーズの主人公冬狐堂もゲスト出演。 民俗学の解釈は面白いが、突っ込み所もないわけではない。民俗学は「正解のない学問」ということにしておこう。今回は、湖底祀と棄神祭の間にちょっと民俗学上のつながりもあって面白かった。また、これから「狐目」のフルネームが出てきたところからして、彼の活躍が更に期待されるので楽しみ♪。BGM : ペトルーシュカ・春の祭典/小澤征二(cond.)マイケル・ティルソントーマス(pf)ボストン交響楽団
August 19, 2005
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デイヴィッド・グーディスハヤカワポケットミステリ 1751☆☆☆☆◎ フランソワ・トリュフォー監督の映画の原作。が、この作品、本国のアメリカでは不遇だったそう。私は映画は知らない。 一読して、アメリカで不遇だったというのは、かなり納得。舞台は'50年代のアメリカフィラデルフィアなのに、フランスの犯罪小説叢書セリ・ノワールの作品だけあってか、単純明快、勧善懲悪の「いかにもアメリカ的」な単純な作品ではない。まして、アメリカが内外で傲慢さ丸出しだった'50年代の小説だし。 場末の酒場のピアニスト、エディはある日、数年間音信不通だった兄が飛び込んでくるのを助けてやる。この兄というのが、カタギじゃない。ゆえに、兄を追いかけていた連中に追われるハメになる。また、このエディ、女にモテる。そこそこに強い。兄絡みと女絡みのトラブルで逃避行となるのだが、その中で、彼はかつてカーネギーホールで喝采を浴びたピアニストだったことが明かされる。 最後にトラブルの元になった女も死に(この女が結構な馬鹿女だったのでちょっと胸がすっとした^^;)、警察に拘留されたあと、ボロボロになって古巣の酒場に戻る。そして、結局彼ができることはピアノを弾くことだけだった。個人的にはこのラストが好き。でも、その演奏は…自動演奏ピアノと変わらないだろう。やりきれなさが残る。 雰囲気のある佳作だと思うが、本音をいうと、胸のすくような展開のミステリか、もう少し萌えられる描写てんこもりの小説が読みたくて手に取ったのだった。ちょっと誤算だったが、まあいいか。BGM : Oboe Obsession / Allan Vogel
August 15, 2005
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ジャック・ダン&ガードナー・トゾワ編扶桑社ミステリー文庫☆☆☆☆ ミステリー文庫のレーベルから出ているが、ミステリーではない。どちらかというとSF・ファンタジー・サスペンス色の強い短編集。16作品所収され、読みではある。 犬好きがツボを擽られるネタだけが並べられているわけではなく、「犬」が人に連想させるイメージの数々、忠誠心、勇猛さ、人間とのコミュニケーション、社会性などが、ひねった取り上げられ方をされている。犬好きの方が手に取りやすいだろうが、そうでなくても楽しめる向きは多いだろう。私が今ひとつピンと来なかった点はSF調の作品が非常に多く、それが不満だったこと。が、単なる名犬譚ではないところがよかった。
August 13, 2005
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秋月達郎実業之日本社ジョイノベルズ 新書判並製☆☆☆☆ フィールドワーク中の民俗学者竹之内潤一郎は、近江鳥居本で失踪した父を探す女性と出会う。彼女の捜索に協力しつつ、一方では、日本史学会のドンで古希を過ぎて尚漁色家の大学教授が殺される事件が起こる。潤一郎の定宿の若旦那が刑事という結構テレビでありがちな設定。 ストーリーも殺された大学教授を巡る女達とその女を愛した男の愛憎。舞台には近江と京都の観光名所が沢山出てくるし、(私ですらあ、あそこだと思った所があった)やっぱり豪華な女優陣と渋い年配の男優と若手二枚目半あたりの男優でテレビ化したらよさそうな内容。と思ってみたら、著者も映画のプロデューサーだったらしい。また、スターバックスやメールのやりとりがふんだんに出てくる一方で戦前に廃線になった鉄道とそのジオラマ、香道(源氏香)といった古典的な舞台小道具の対比が面白いかもしれない…。が、メールの文章の「笑」なんてのが多く、読んでいて鬱陶しかった。また、携帯メールもメーカーによっては字数に制限がある(私の使っているドコモはそうだ)から、この長文メールを携帯でやりとりするのは結構ムリがないか? どちらかにシグマリ○ンでも使わせればいいのに、といらぬツッコミを入れてしまった。 本格的な推理小説ではないが、旅情ミステリとしてはとても楽しめる。旅行に行けなかった憂さ晴らしには、自分的にかなり適当だった一冊。BGM : 黄孩子/朱哲琴
August 8, 2005
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坂東真砂子角川文庫☆☆☆☆☆◎ オカルト色(?)の強い著者のイタリアを舞台としたエッセイ集。前作にあたる「身辺怪記」も面白かったが、こちらもよかった。聖人譚や魔女狩り、謝肉祭、人体標本…。カトリックの国、イタリアの主に田舎に潜む、おどろおどろしさや、異教的な風習の名残を読みやすい文章でエッセイにしている。扱われている街は主に北イタリアの東西の国境に近い田舎町の風景も多い。イタリアに住んでいた(今はタヒチらしいが)著者ならではのものと思う。 正直、「死国」は今ひとつだったのだが、「身辺怪記」やこの作品は面白い。今、この著者の「旅果ての地」が気になってはいるのだった。
August 6, 2005
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フリッツ・ライバー創元推理文庫 図書館で借りた本☆☆☆知らない間にHTMLをいちいち書かなくてもいいようなボタンらしきものが本文作成画面にできていた(^_^;)。しばらく、書き込んでなかったからな…。というのも、この本を読み終わるのに時間がかかったから(爆)。もう1つの本棚にもいいかと思って借りたが、全く見当ハズレだった。もっとも、この第三巻が一番小説としてはよかったと思うが、ファンタジーおよび、紀元前200年頃(と後書きにある)古代社会の世界にどうものめりこめなかったせいだと思う。この作品は、短編と中編が混じっているが、巻末の中編で、シリーズ初期に書かれた古代社会を舞台にした作品が一番面白かった。ちょっとこの作品は好みぢゃないかなぁ…。
August 5, 2005
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