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ウィリアム・シェークスピア 小田島雄志訳白水uブックス 新書判並製☆☆☆☆◎ かつて、中学3年の吹奏楽コンクールの自由曲がオットー・ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち序曲」だった。その原作なので、20年近く経った今、手にとって見た。原書も持っているが、難しくて歯が立たない(自爆) エリザベス一世の依頼で書かれたらしい。入り組んではいるが、少々バカらしくもなる男女関係が最後は大団円で終わる。なんだか、どこかで読んだことのあるような設定だなぁ…。戯曲形式の本で読むより、これは実際に舞台で見たほうがはるかに面白そうだ。台詞は洒落のめしているし、場面もおもしろい上、短い癖に登場人物も多いので、映像の方がとっつきやすいだろう。 また、この作品は当初から「面白い喜劇」と評判だったそうだ。シェークスには珍しい(彼の時代の)現代劇だそう。日本では関が原の合戦の前後の時代のようだ。また、登場人物は歴史劇「ヘンリー四世」とダブっているようだが、読んだことがないので分からない(爆) 機会があったら、舞台かオペラで見てみたい。
September 30, 2005
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ジミー・マクガヴァーン徳間書店 四六並製 図書館で借りた本☆☆☆☆☆ リバプールの低所得者街にある教会を舞台にした、同名映画のノベライズらしい。私は映画は知らない。この作品を読んでDVDは探したが、品切れ状態だったし…(;_;) ここよりもう1つの本棚の方に感想は沢山書き込むことになるのだが(爆)それにしても、同性愛にインセストとこれでもかとカトリックのタブーを盛り込んでいる。各地でカトリック教徒の反発を買ったのもうなずける内容。 主人公や周囲の理解者に対して、正直ちょっと?なところもある。まあ、こういう事件が間近で現実に起こっていたら、私は女で異教徒だから、と日和見な態度を取りそうだが(苦笑) でも、最近お気に入りのダルジールシリーズでも同性愛やセクシャルハラスメントはよくネタになってるし、結構日常的なモンダイなのかなぁ…イギリスでは。 とはいえ、やっぱり最後は感動的ではある。でなぁ、同性愛者でストレスを溜め込んだ挙句、往来で恋人(こいつがイイヤツなんだ♪)といちゃついていて、ケーサツに引っ張られてしまい、自殺未遂までやらかすわ、告解でインセストを相談されたものの、若い司祭は守秘義務との間に板ばさみになり、彼にとっては最悪の結末を見るわ…。そして、僻地に飛ばされるが、理解者の神父が迎えに来てくれる。人々の拒否の嵐の中、その神父はミサを行う。そして被害者だった少女が最後の解決に一役買う。が、この解決が私は釈然としないのだ。う~ん、聖職者も結局人の子だと言いたいんだろうか…。同性愛ってカトリックではいわば、契約違反なんだよな…経年変化にしたがって(つまり社会の変化に従って)この契約条項を改定しようということなんだろうか…??? まあ、結局「人を裁くな。そうすればあなたがたも裁かれることはない」ということなんだろうが。まあ、個人のプライベートがそれこそ「公共の福祉」に反してない限りはそうだわな。と「女で異教徒」の私は思うのであった。
September 23, 2005
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ロジェ・ラブリュスハヤカワポケットミステリ 1573 図書館で借りた本☆☆☆☆☆◎ いや~、こーゆーミステリ読みたかった!!! 期待以上の作品だった♪ フランスのシャンパーニュ地方の田舎町レフィニュー村で連続殺人事件が起こる。捜査にあたるのは、パリから左遷されてきた詩人肌の警視フレショと田園監視人ラボワ(という保安官みたいなもんか?)保険調査員の「私」ことリストゥー。リストゥーはこの村で生まれたが、若い頃にコンプレックスを抱えたままパリで仕事についていた。 村の様子は「ショコラ」によく似ている。というより、フランスの田舎町のイメージなのだろう。「よそ者」アウトサイダーに対して排他的な村。だが、季節労働者や浮浪者もいるし、他から移り住んできた人間もいる。ミスディレクションの結果、犯人は思わぬところから見つかる。このくらい書いてもきっと途中で分かる人はいないと思う。 しかし…結局私は「田舎」が好きらしい…日本でも、外国でも。 このテの他の小説も是非読みたいが、寡聞にして作家を知らないのだった。
September 23, 2005
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ジョルジュ・シムノンハヤカワポケットミステリ370 図書館で借りた本☆☆☆☆「メグレと無愛想な刑事」「児童聖歌隊員の証言」「世界一ねばった客」「誰も哀れな男を殺したりしない」の4作収録の短編集。1957年の初版。 メグレシリーズは初めて読んだ。近所の図書館に沢山置いてあり、その中で一番すぐに読めそうだったので借りてくる(^^ゞ。 ただ、表題作がよ~分からん。ちなみに原語ではmalgracieuxという単語が「無愛想」にあたる。しかし、仏和辞典が行方不明なので意味が調べられん(自爆)手元にある仏英・英仏のコリンズジェムには出てないし。似た語幹の単語は出てるが英訳がin spite ofだと。これに近い意味だとタイトルとちと違うぞ…。だが、ストーリーにはしっくりくるやも。。。。 このinspecteur malgracieux、ロニョン刑事、性格がレジナルド・ヒルのダルジールシリーズに出てくるエドガー・ウィールド部長刑事に似ている。そういえば、フレンチミステリだとinspecteurが「刑事」のようだが、イギリスミステリでinspectorは「警部」だねぇ。アマオケなら…牧羊犬(ヲイ)。しかし、このmalgracieuxという単語、タイトル訳にはイマイチのような気がする。今仏英で見た単語の意味を当てはめると、なんとなく、ストーリーもすっきりするのだが。「無愛想」というより「不運」の方が、私には分かりやすい。 この本、発行が古いので「あった」という表記が「あつた」になっていたりして読みづらい。それに、ちょっと翻訳もカタイ文章になってしまっている。訳者は明治生まれだ。 作品集の中で一番気に入ったのは「誰も不運な男を殺したりしない」。この作品に限らず、どの作品も結末にペーソスが漂いとても雰囲気がある。また、第二次大戦終戦直後から10年くらいのパリが舞台なのではないかと思うのだが、古い洋画を見ているような雰囲気も嬉しい。実は、このメグレシリーズは、私の母が父の入院に付き添っているときに病院で読んでよかったといっていたので気になっていた本だった。昨今、書店の店頭ではフレンチミステリをあまり見かけない。幸い、図書館にはメグレも他のミステリもあったので、これは利用しないテはないな。BGM: Marin Marais "Pieces de Viole" /No Artist's information
September 17, 2005
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西澤保彦講談社ミステリーランド 四六変形上製 継表紙 本文小口コーナーカットケース入。☆☆☆☆☆ こっちは面白かった。眠ると猫のジェニイと同化してしまう小学生が、身近で起こった事件の調査に乗り出す。この猫に協力するのはテレパシー(?)で会話のできるセントバーナード犬ピーター。この犬猫の名前はポール・ギャリコの小説から取ったそうな。以下の感想では本文に触れています。ネタバレにならないようには気をつけています。また特にネタバレしそうな箇所は文字色を変えてあります。が、勘のいい方は気付かれると思いますので、予めご了承願います。ネタバレ分かりそうという方はお読みなさらないことをオススメします。 面白かったとはいえ、ちょっと陰惨な場面もある。教育上悪いところまではいかないが、日本の児童文学だとここまで書くのは珍しい部類に入るかもしれない。しかもラストも安直「めでたしめでたし」な終り方ではない。だが、最後までハラハラしながら読める。登場人物の名前が難読が多く、総ルビの本でよかった。一度や二度ぢゃ読み方が覚えられん(自爆)。おませで頭のいい(オトナの文庫本を読みこなす)小学校6年生の主人公と親同士の再婚で姉になった外面は良いが、家では無愛想という大学生の義理の姉のやりとりが楽しい。また、一人一人の登場人物も個性が際立っていて面白く読める。
September 7, 2005
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北森鴻講談社 四六上製 図書館で借りた本☆☆☆☆☆ 三軒茶屋の路地を入ったところにあるビアバー「香菜里屋」の客とマスター工藤氏の間で繰り広げられる日常の謎解きシリーズ。食事処が舞台のせいか、食欲が減退するような陰惨な事件はあまり出てこない。表題作「蛍坂」「猫に恩返し」「雪待人」「双貌」「孤拳」の5作。 ロジックを組み立てる推理というより、工藤の人間観察をもとにした推理中心。街角の人情話といった感も強い。にしても、出てくる料理とお酒がおいしそうなのだ、特にこの著者のこのシリーズは…。他のグルメを扱った小説を読んでいても、私はどちらかというと、お酒の方に心惹かれることが多いのだが、この著者の作品に関してはレシピが詳しいせいか、料理にもうっとりする。あごだしを知ったのもこの著者の「屋上物語」。隠岐に行き、あごだしを買って帰ろうかと随分逡巡したのだ。と、書いたものの、この作品中一番心惹かれたのは「孤拳」に出てきた焼酎と、全作品に渡って出てくるロックグラスで供されるアルコール度の高いビールだった(爆)結局酒好き。 ちなみに、このビアバー、蓮丈那智シリーズや冬狐堂シリーズにも出てくる。
September 7, 2005
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歌野晶午講談社ミステリーランド 四六変形上製ケース入、継表紙、小口コーナーカットアリ。☆☆☆☆◎ 造本の凝っているこのシリーズ。気になる作家の本は買っている。 小学校5年生の男子3人、女子2人が「テオドロス城」なる洋館に入り込み、そこで死体に直面する。彼らの話を聞いた、メンバーのうちの一人の従兄にあたる刑事が事件を解決する。 意外性はなく、なんとなく、犯人も細かな仕掛けも大体見当がつく。一番大きいトリックはちょっと分からなかったが。。(それは私が鈍いだけで、聡い人なら気付くだろう) まあ、短時間で童心に帰って(?)読んで楽しむにはいいかな。それに、かなりライトな感じにはなってしまうが、その作家らしさは出てるし。ただ、この著者の場合、「ヴードゥーチャイルド」の印象が強かったので、ちょっと口当たりがライト過ぎたような気がするのだが。 こうしてみると、子供向きの作品を書くのは、人によって得手・不得手が割とはっきり出るのかもしれない。
September 6, 2005
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谷崎潤一郎現代語訳中公文庫☆☆☆☆◎*以下、光源氏について、独断と偏見によりかなり暴言を吐いておりますので、予めご了承願います。不愉快に思われても責任は負いかねます。 一・二巻を読んだのは3年位前か。だが、この巻の方が面白かったように思う。蛍~若菜(下)まで。光源氏が一番栄耀栄華を極める巻。が、女三宮の降嫁・密通、紫の上の病気がこの巻の最後に現れる。このあたりが一番読んでいて面白かった。女楽も若菜下巻に出てくる。朱雀院の五十の賀の場面だったんだ。 女楽では、源氏から直接手ほどきを受けた女三宮が弾く琴の琴(七絃の琴)を褒めちぎっている。「筝」「琴の琴」「やまと琴」と分けて書いてあるので調べてみた。ここを読むまで、私、琴の琴と和琴を混同してたぞ(大恥)そして、この女楽の場面を境に柏木は体調を崩していく。琴の琴は「天地を動かし、鬼神の心を和らげ、もろもろの楽器が琴の音にしたがって~」だそうだ。最初の一節は古今集の出だしと一緒だわ。 また、猫の扱い方もなかなか気に入った♪。 にしても、源氏って女癖は悪いは、ロリコンだわ、マザコンだわ、で最低だと思うのだが、加えて、晩年は説教爺にもなって更にウザイ。自分は父親の若い女寝取っておいて、自分が同じ目に遭うと、相手の男を睨み、女には嫌味ったらしいことを言うし。。。こんなんのどこがいいんだ???現実にいたら、ただの自分に甘いサイテー男だと思うんだが。確かに、こんなサイテー男だったら、紫の上くらい完璧な女じゃないと奥さんなんて務まらんかもな(+_+)。それで、その紫の上に出家させてくれと泣いて頼まれても許さないのに、まだ若い女三宮の出家は許すし。。やっぱりサイテー。個人的には息子の夕霧の方が好きだ。昔のアニメで源氏の台詞に「私は何をしても許される身の上なのです」みたいなのがあったが、やっぱり納得。現代の感覚からすると、顔だけが取り得のウザイ薀蓄親爺でしかも性格も陰湿でネチネチしてるようにしか思えない。こんなんのどこがいいんだ? 読んでいても、コイツの薀蓄話が出てくると、少々白けるんだよな。まあ、古人の考え方を知るという視点からだと興味深いんだが。。。
September 6, 2005
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