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【送料無料】杉下右京の密室 [ 碇卯人 ]碇卯人朝日新聞出版 四六並製☆☆☆☆○ 「大富豪からの挑戦状」「壁」の二編。どちらもタイトル通り密室もの。 大富豪とはITで大成功した右京さんの大学の同級生。彼はコントラクトブリッジというトランプゲームの名手。作中この人の戦歴が出てくるのだが、案の定のことが結末で分かる。宮古島の近くの無人島を購入してそこに建てられた豪邸で起こる事件。この豪邸にある海中展望室、つまりは天然のアクアリウムだ。こんな展望室いいなあ。見てみたい。 壁の方は、アウトドアスポーツの会社でそこの社長が、自分のためにつくらせたフリークライミング用の塔屋で殺されるという事件。この作品は伏線の引き方がかなり面白かったが、個人的には事件の経緯にちょっと疑問が残る。あとは、体型・体力に問題がなかったなら、クライミングはやってみたいスポーツだったので、記述は面白く読んでいた。あとは、伊丹・三浦・芹沢の捜査一課トリオも出てきたので楽しく読めた。どのみちドラマからなので、鑑識の米沢さんをはじめとして、全員ドラマのビジュアルに変換できるので、楽しい。でも、二作とも現地調達の相棒がいなかったのはちょっと残念だったかも。 今回の二作はドラマ化しようと思えばできなくもないように感じた。スペシャルスピンオフドラマで観てみたいような気もする。
June 12, 2013
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【送料無料選択可!】幻坂 (幽BOOKS) (単行本・ムック) / 有栖川有栖/著有栖川有栖メディアファクトリー 幽Books 四六上製☆☆☆☆☆☆ 読み始めたときは実はあまり期待していなかったのだが、予想以上に雰囲気のある短編集で、とても良かった。大阪の天王寺の近くの七坂にまつわる短編集。ちょっと怪談風味だが怖くはない。どの作品も趣向が違い、どれもいい短編だと思う。源聖寺坂の話が一番この人らしい筋立て。最後の「枯野」と「夕陽庵」はこの人初のジャンルかも? 1000年以上前に既に古都になった奈良、1000年の都、古都京都と並ぶ歴史を持っているのに「飽きない」商業都市であるせいか、あまり懐古的な物語に縁のない大阪。でも、歴史の残滓のようなものからこういうストーリーができるんだろうなと思った。やっぱり陰性の残滓ではなけれど。それぞれの坂の周囲の描写も詳細で、この本を片手にこの坂めぐりに行ってみたくなった。こういう趣向の物語、凄く好きだ。
June 9, 2013
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【送料無料】GRANNY DAN(A) [ DANIELLE STEEL ]Danielle SteelDell Publishing Paperback☆☆☆☆○ 英語の先生に読み易いと薦められて読んでみた。確かに文章は平易でとても読みやすかった。タイトルは「ダンおばあちゃん」とでも訳せばいいのだろうか。物語冒頭の語り手の祖母で、ロシアからアメリカのヴァーモントに移住してきたダニーナ(旧姓ペトロスコヴァ)のこと。ダンお婆ちゃんが90歳でなくなり、ある日、彼女の居た介護施設?から小包が届く。それを開けてみたところ、トウシューズ、若き日のおばあちゃんがバレリーナとして沢山の同僚と一緒に写っている写真、金色のロケット(中にはロシア皇帝ニコライ2世に良く似た男性の写真)、リボンで束ねられた手紙の束が出てきた。孫娘は祖母がロシアから渡ってきたことは知っていたが、それ以上のことは知らず、手紙の翻訳を頼むという設定。そして、本文はその翻訳、そして祖母の近所の人や友人達からの取材を含めての祖母の若き日の小説という設定になっている。 そして、孫娘も知らなかった、革命直前のロシアで祖母、ダニーナはサンクトペテルスブルクのマリインスキー劇場のプリマだったことがわかる。しかし、まあ、19歳でプリマのしてのキャリアが始まった彼女は、ロシア皇室お気に入りのバレリーナではあるが、バレエしか知らない正直、思慮も足らない小娘。インフルエンザで死にかけたとき、紹介された皇室の侍医ニコライと恋に落ちるが、この男、19歳年上の妻子持ち(奥さんはイギリス人で夫婦仲はすでに冷え切っている)という難有男。この男にののぼせてバレエがおろそかになり、彼女の師でもあるマダム・マルコヴァに叱責されるのだが、当然懲りない。そして、その後も非合法の堕胎で出血多量で死に掛けたりもする。だが、時代は革命に向かって突っ走っていく。一方のニコライは妻との離婚が上手くいかない。そして、彼らが出会って三年目。ダニーナは足首を骨折し、バレリーナを22歳の若さで引退そして、その年の春、革命が起こる。ニコライはダニーナと銀行に勤める従兄がいるヴァーモントへの移住を考える。が、ニコライは皇室一家から立場上離れられず、結局彼女だけがアメリカにわたることになる。実は、このあたりで、物語の冒頭、語り手の祖父が銀行に勤めていた、というのがちょっと思い出される。が、このあたりになっても、正直、ダニーナの思慮の浅さが鼻につく。まあ、職業婦人など上流階級では考えられなかったこの時代、生涯をかける仕事あり、才能あり、難有だけどオトコもできた、人生バラ色~と思うのは21世紀の年増独身女の発想である。当然彼女は仕事か結婚・出産かの選択を迫られ、若さゆえか、あっさり結婚を夢見ているのだ。とにかく、19歳~22歳で著者が設定しているだけにダニーナは思慮が浅い。ニコライと離れ離れになったのだって、彼女がニコライの言うなりになってアメリカに行かず、ニコライを説き伏せて死ぬときはともに、と彼についていけばよかったじゃん、と思ってしまうのだ。 ただこうした突っ込みどころ満載のダニーナだが、9章の最後、彼女が長年を過ごしたバレエ学校を出て、アメリカにわたる船にのる10章、そしてエピローグにはホロリとした。特に、語り手が実家にもどって屋根裏を探すと、ロシアから持ってきたときのままの荷物が出てくるのだ。その中にはニコライの荷物も開封すらされずに残っていた。そして、ニコライの最期の模様なども語られるとそれまでのありきたりロマンスがすべて演出効果だったように思えてくる。そして、このあたりで、語り手の祖父の名前が出てきて、読者はやっぱり~と納得するのだと思う。 最後にここまで盛り上げる著者のストーリーテリングの手腕はやっぱりベストセラーを量産する人だなあと素直に感心した。 ちなみにペーパーバックの裏表紙には著者の写真があるのだが、若くはないが、結構キレイな白人女性で、高価そうで派手なチョーカーをしている。そのせいで、私は文字を読むまで宝飾品メーカーの広告だと思っていた。ついでにいうと、スペルをみて、女性かなとは思ったものの、この写真を見るまで、ダニエル・スティールという小説家は男性だと信じていた。最後の20ページを読み終わるまでは、スティールの小説を英語のリーディングの練習に読むのは止めようと思っていたが、今は別の作品を読んでみてもいいかな、と思い始めている。
June 5, 2013
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角川文庫 あ45-4【総額2500円以上送料無料】フリークス/綾辻行人【RCP】綾辻行人光文社文庫☆☆☆☆○ 精神病院の患者を語り手とした連作短編集。語り手の著述通りの内容なのか、読んでいても判然としないところが、ミステリ色を強めていると思う。というか不気味さを増す。このパターンは著者の十八番とするところのような気がする。短編は三作。個人的に一番面白いと思ったのは二作目。何となくセバスティアン・ジャプリゾへのオマージュなのは見当がついたのだが、結末は一番意外に感じた。勘のいい人なら分かった結末かもしれないが、私には意外。3作目は語られている内容が正直気持ち悪かった。そして、最後の場面も何か曖昧なところがあって不気味。これもある意味叙述トリックの一つの変形なのかもしれないが、このパターンはあまりカチンとこない。というか、結構好きかも。
June 3, 2013
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【送料無料】ケルベロスの肖像 [ 海堂尊 ]海堂尊宝島社 四六上製☆☆☆☆☆ グッチー&白鳥シリーズの完結編。桜宮市の碧翠会病院の跡地にAiセンターがいよいよ完成。顕微鏡並みの解像度をもつというお化けMRI、リヴァイアサンも導入されることになる。そして、そこで、いつものように東城大付属病院の院長からAiセンターのセンター長に任命され、うんざりするグッチー先生だが、今回はその院長先生が部下にまでなってしまう。つまりは、お飾りのトップをおいて、自分が自由に動くためだ。結局、グッチー先生は雑用係となってしまう。ただ、今回のAiセンター完成にからんでは、脅迫状が送りつけられていた。高階院長が実務に就くのだって、今後の病院の危機を見越してのことだ。だが、今回ちょっと不穏な感じが漂う。院長がこれまでの悪行?をグッチー先生に告白するシーンがあるのだ。つまり「ブラックペアン」と「スリジエセンター」のときのこと。そして、案の定碧翠会の亡霊が現れるのだ。ただ、最後はマンガチックな結末だったと思う。ちょっと安直な結末な感じがしなくもないが、まあ、いいか。完結編にふさわしく、名前だけにしろ、かつての登場人物が沢山出てきた。アリアドネの時の友野君の名前が出てきたり、高階院長がスリジエとエトワールについて、20年後に漏らした感想があったので個人的には結構よかった。
June 1, 2013
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