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祇王寺は、浄土宗の僧、良鎮が創建した往生院に、平清盛の寵愛を受けた白拍子祇王・仏御前が入寺した寺といいます。 その後往生院は衰退し、明治初期一時廃寺となりましたが、嵯峨大覚寺の支配下で真言宗となり、富岡鉄斎らの尽力により復興されました。 ”京の古寺から(12)祇王寺”(1995年10月 淡交社刊 高岡智照/大木 明著)を読みました。 京都市右京区にある真言宗大覚寺派の寺院、祇王寺の四季を、写真と文章で紹介しています。 高岡智照さんは、1896年大阪府生まれ、1908年大阪宗右衛門町で舞妓となり、1911年東京新橋へ転籍、1915年妓籍を去り、1929年奈良県に隠棲し「ホトトギス」門下に入り、1934年奈良県久米寺にて出家得度し、亮弘坊智照となりました。 1936年京都大覚寺塔頭祇王寺に入庵、1994年10月22入寂、享年98歳でした。 大木明さんは、1956年千葉県成田市に生まれ、広告代理店の写真部を退社後、フリーの写真家として独立。 コマーシャル写真、エデイトリアル写真を中心に1980年から1992年に渡り取り組み、1993年より仏教遺跡、寺社等の撮影を本格的に始めました。 祇王寺は、京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町にあり、真言宗大覚寺派に属する尼寺です。 法然の門弟良鎮によって始められたと伝えられる往生院の境内にあり、かつては広い地域を占めていましたが、しだいに荒廃してささやかな尼寺として残りました。 平清盛の寵を失い、尼となった白拍子祇王と、妹の祇女、母の刀自らがこもったことにちなんで、のちに祇王寺とよばれるようになりました。 平家物語の巻頭から読み進むと、祗王祗女のことが出てくるそうです。 平氏全盛の頃、平清盛と二人の女性の哀れな物語です。 都に聞えた白拍子の上手に祗王、祗女と言う姉妹は、近江の国野洲江辺庄の生れで、父九郎時定は、江辺庄の庄司でしたが、罪あって北陸に流されました。 母と共に京都に出て、白拍子となり、のち姉の祗王が清盛の寵を得て、妹祗女も有名となり、毎月百石百貫の手当もあり、安隠に暮らしていました。 ある時清盛が祗王に、何か欲しいものがあるかと尋ねると、祗王は、自分の生国は水の便が悪く、毎年旱害を受け、一庄三村は飢餓に苦しんでいるから、願わくば、水利を得させて戴きたいと願いました。 清盛は早速、野洲川から三里の溝を掘らせ、水を通しました。 里人はこれを徳とし溝を名づけて、祗王井川と呼び、今に至っています。 しかし、仏御前と呼ばれる白拍子の上手が現われて清盛寵愛を受けると、祗王は館を追い出されることになりました。 のちに、祗王21、祗女19、母刀自45のとき、髪を剃って尼となり、嵯峨の山里、今の祇王寺の地に世を捨て仏門に入りました。 その後、母子3人が念仏している所へ思いもかけず仏御前が剃髪した尼の姿で訪ねてきて、4人一緒に籠って朝夕の仏前に香華を供えて、みな往生の本懐を遂げた、といいます。 1895年に京都府知事が嵯峨にある別荘の一棟を寄付し、嵯峨の有志、富岡鉄斎、大覚寺門跡楠玉諦らによって、祇王ゆかりの寺として再建されました。 仏間には正面に本尊大日如来、左に清盛、祇王、刀自、右に祇女、仏御前の木像が安置されています。 寺の墓地にある宝篋(きょう)印塔は、祇王、祇女、刀自の墓、五輪塔は平清盛の供養塔で、いずれも鎌倉時代のものです。 京の古寺から(12)
2008.12.30
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非正規雇用は、期間を定めた短期契約で職員を雇う雇用形態です。 パート、アルバイト、契約社員、派遣社員などの非正規雇用者は、バブル経済崩壊後の平成不況では、コスト削減の圧力から正規雇用である正社員の採用を抑制し、非正規雇用の非正社員を増やすことで、業務に対応してきました。 非正社員の比率は少しずつ増加し、2005年には約3割を占めるようになりました。 2008年1~3月期平均データでは過去最高34.0%を記録し、3人に1人超を占めるようになりました。 多くの場合、3か月または6か月の有期雇用の契約書を企業と結んでいます。 しかしそれはほとんど形式だけで、何度も契約を更新して正社員と同じうに働いているのが実情です。 正社員の場合は期間の定めなく雇用されていて、一方的に解雇されることはありません。 しかし、パートやフリーターは業績不振などがあると、契約期間満了を理由に雇い止めされます。 しかし今回は、契約期間満了前の契約解除が起きています。 本来、有期雇用契約においては、契約期間中はやむを得ない事由による以外解雇は出来ません。 しかし、当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる(民法628条)ことになっています。 やむを得ない事由とは、当事者が予見しえず当事者の責めに帰することができない事実の発生、および当初の契約内容に当事者を拘束することが極めて過酷になった場合とされます。 これまでは、よほどのことがない限り認められた例はありませんが、今回の世界的な金融危機で、非正規労働者の大量解雇が表面化しました。 解雇された非正規労働者は、失業と同時に借り上げの寮やアパートから追い出される人が増えているようです。 会社も自治体も国も、できる限りの支援が必要でしょう。
2008.12.23
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金融危機の余波が金融・証券だけでなく、自動車や家電など、実体経済に及んできています。 これまで売り手市場だった大学生の就職活動に、突然、氷河期再来の危機が迫っています。 景気減速で多くの企業が新規採用を絞り込むのが確実となっています。 雇用状況改善の兆しがみられない中、多くの学生が不安を抱え、年の瀬を迎えています。 採用の内定は、解約権を留保した労働契約です。 採用内定により原則として労働契約は成立します。 新卒の高校生あるいは大学生の採用については、在学中に採用を内定し卒業後入社するという採用方法が採られています。 採用内定と現実の仕事の開始時期までには数カ月の間隔があるのが通常です。 採用内定後学生は、就職活動を中止しますので、入社直前になって採用内定を取消されると事実上新しい就職先を確保するのは困難となり、その被害は計り知れません。 使用者が、当該従業員として採用する旨の確定的意思を表示したことにより、労働契約が締結されたと認められた後の取り消しは、労働契約の解約となりますので、原則として解雇に該当し、合理的と認められる正当な理由がなければ、無効となります。 採用内定の取り消しは、客観的に合理的で社会通念上相当として是認できる事由がある場合に限られます。 仮に合理的理由があり内定取消ができるとしても、労働基準法で定める解雇予告規定の適用があり、30日前までに予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。 また、採用内定の取り消しに対しては、損害賠償請求と従業員たる地位の確認の請求訴訟ができます。 経営上の理由で自宅待機をさせる場合には、休業手当の支払いが必要です。 しかし、内定の取消しを受けた学生は、実際問題としてここまで頑張れるでしょうか。
2008.12.16
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真如堂は京都でも名高い紅葉の名所です。 ”京の古寺から(11)真如堂”(1995年9月 淡交社刊 清水真澄/土村清冶著)を読みました。 正式には真正極楽寺といい天台宗の寺院である真如堂の四季の風景を見事に写しています。 清水真澄さんは真正極楽寺貫主、1912年群馬県生まれ。 1933年天台宗立叡山学院卒業、1943年真如堂理正院住職に就任、1981年大僧正に補任、1989年真正極楽寺買主に就任。 土村清治さんは、1937年京都生まれ。 浅野喜巾氏に師事。 1963年より京都の風俗、伝統産業、年中行事などを取材。 真如堂は、戒算上人が984年に、延暦寺の常行堂に安置された阿弥陀如来像を神楽岡に移し開創しました。 願主は白川女院で、藤原山蔭の玄孫で、円融天皇の皇后となり、一条天皇の生母です。 名を詮子といい、藤原道長の姉です。 当初の場所は、現寺地の東北にあたり元真如堂といいます。 応仁の乱のあと各所を転々して、1693年に現在地に落ち着きました。 本尊の阿弥陀如来像は慈覚大師円仁作、千手観音菩薩立像は伝教大師最澄作、不動明王坐像は三井寺の開祖・智証大師作です。 寺宝には、室町時代の重要文化財・真如堂縁起三巻のほか、仏師・運慶の願経として名高い国宝・法華経六巻などがあります。 三重塔が優美な姿で、本堂南側の庭に春日局お手植えのたてかわ桜、前には、優美な姿の三重塔そして鎌倉地蔵があります。 境内には九つの塔頭と元三大師堂や赤崎弁財天があり広いです。 墓地には後西天皇の皇女真珠院宮の墓をはじめ、藤原氏一門や春日局の生父・斉藤内蔵助利三など、著名な人の墓が多いです。 京の古寺から(11)
2008.12.09
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サブプライムローン問題を発端とした世界的な金融不安、大きく下落した株価、改正建築基準法を契機とした住宅着工の落ち込み、地価上昇と建築資材高騰により値上がりした新築マンションや建売住宅の売行きダウンして、2008年10月の倒産件数が今年最多を記録しました。 公共工事の減少で建設業の倒産が増えています。 とくにファンドマネーに頼っていた新興デベロッパーほど影響が顕著で、その建設工事を請け負っていた地方や中堅のゼネコンも痛手を受けているようです。 今年に入ってから倒産した主な不動産会社とゼネコンはです。1月 六本木開発 (東京) 非上場 破産 負債総額1,340億円 2月 グレイス (神奈川) 非上場 破産 負債総額110億円 2月 アジャクス (神奈川) 非上場 破産 負債総額128億円 2月 長田組土木 (山梨) 非上場 民事再生法 負債総額107億円 2月 東洋ホーム (神奈川) 非上場 破産 負債総額94億円 4月 ケイアール不動産 (東京) 非上場 特別清算 負債総額1,677億円 4月 スカイエステート (東京) 非上場 特別清算 負債総額198億円 5月 ミキシング (大阪) 非上場 民事再生法 負債総額186億円 5月 近藤産業 (大阪) 非上場 破産 負債総額322億円 5月 フレックス (東京) 非上場 破産 負債総額114億円 6月 レイコフ (大阪) ヘラクレス 破産 負債総額276億円 6月 NANBU (東京) 非上場 破産 負債総額87億円 6月 スルガコーポレーション (神奈川) 東証2部 民事再生法 負債総額620億円 6月 ケイ・エス・シー (東京) 非上場 破産 負債総額100億円 6月 インベスト (福岡) 非上場 会社更生法 負債総額97億円 6月 愛松建設 (愛知) 非上場 民事再生法 負債総額155億円 7月 真柄建設 (石川) 東大証1部 民事再生法 負債総額348億円 7月 堀田建設 (愛媛) 非上場 民事再生法 負債総額110億円 7月 ダイドー住販 (大阪) 非上場 民事再生法 負債総額248億円 7月 グローバルファンデックス (東京) 非上場 破産 負債総額63億円 7月 ゼファー (東京) 東証1部 民事再生法 負債総額949億円 7月 キョーエイ産業 (広島) ジャスダック 民事再生法 負債総額87億円 7月 北野組 (北海道) 非上場 破産 負債総額125億円 7月 興大 (東京) 非上場 破産 負債総額55億円 7月 三平建設 (東京) ジャスダック 民事再生法 負債総額167億円 7月 蒐英 (広島) 非上場 民事再生法 負債総額51億円 7月 マツヤハウジング (東京) 非上場 民事再生法 負債総額279億円 7月 ハウジング大興 (東京) 非上場 民事再生法 負債総額138億円 7月 多田建設 (東京) 非上場 会社更生法 負債総額179億円 8月 丸美 (福岡) 非上場 民事再生法 負債総額220億円 8月 志多組 (宮崎) 非上場 民事再生法 負債総額278億円 8月 アーバンコーポレイション (広島) 東証1部 民事再生法 負債総額2,558億円 8月 協同興産 (東京) 非上場 破産 負債総額753億円 8月 セボン (東京) 非上場 民事再生法 負債総額621億円 8月 創建ホームズ (東京) 東証1部 民事再生法 負債総額338億円 8月 都市デザインシステム (東京) 非上場 民事再生法 負債総額203億円 9月 エフ・イー・シー (東京) 非上場 民事再生法 負債総額130億円 9月 Human21 (東京) ジャスダック 民事再生法 負債総額464億円 9月 シーズクリエイト (東京) 東証1部 民事再生法 負債総額114億円 9月 リプラス (東京) マザーズ 破産 負債総額325億円 9月 ランドコム (神奈川) 東証2部 民事再生法 負債総額309億円 9月 インテックス (東京) 非上場 民事再生法 負債総額54億円 10月 エルクリエイト (神奈川) ジャスダック 破産 負債総額60億円 10月 新井組 (兵庫) 東大証1部 民事再生法 負債総額427億円 10月 ニューシティ・レジデンス投資法人 (東京) J-REIT 民事再生法 負債総額1,123億円 10月 井上工業 (群馬) 東証2部 破産 負債総額115億円 10月 ノエル (神奈川) 東証2部 破産 負債総額414億円 10月 康和地所 (東京) 非上場 民事再生法 負債総額143億円 10月 ダイナシティ (東京) ジャスダック 民事再生法 負債総額520億円 11月 ディックスクロキ (福岡) ジャスダック 民事再生法 負債総額181億円 11月 環商事 (滋賀) 非上場 破産 負債総額198億円 11月 レアルシエルト (東京) 非上場 民事再生法 負債総額131億円 11月 モリモト (東京) 東証2部 民事再生法 負債総額1,615億円
2008.12.02
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