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A氏:29日の東京株式市場は、中国経済の先行きへの不安から全面安の展開となり、株価の終値は1月16日以来、8カ月半ぶりに1万7000円を割り込んだね。 原油価格の低迷から世界の投資マネーが株式市場から逃げ出すとの見方も浮上。 株安に歯止めがかからない状況が続いているという。 私:急落のきっかけとなったのは、前日に発表された8月の中国の「工業企業利益」という統計だったという。 前年同月に比べて大幅に悪化したことを受け、欧米株が総崩れになり、東京市場も売り一色になった。 普段は材料視されない統計なのに、中国経済の先行きに敏感になっている市場が反応したとみられる。 A氏:中国経済の減速などで経営不振に陥った第一中央汽船が、民事再生法の適用を申請したことも投資家の不安につながったようだね。 また、日立建機は29日、35歳以上と定年後に再雇用した社員を対象に、早期退職を募集すると発表した。 中国やロシアなど新興国市場で建設機械の需要が減り、鉱山の生産量が減って鉱山機械も需要が低迷しているため、社員を減らして収益構造の改善を図るためだという。 私:一方、原油価格下落の影響で、世界的にリスク回避の動きが強まっている、との見方もある。 市場では、サウジアラビア通貨庁(中央銀行)が原油安による財政難のため、米国などの運用会社に投資していたお金を最大700億ドル(約8兆4000億円)引きあげる指示を出した、との報道が話題になっており、グローバルなオイルマネーが、株式市場から逆流していることへの警戒感が強まっているようだね。 A氏:昨夜、TVの報道ステーションを見ていたら、安倍首相の「アベノミクス・セカンドセカンドステージ」に失望したというのも株価低下の一因のようなことを言っていたね。 私:朝日新聞は今日の「耕論」欄で「変調する中国経済」を取り上げ、3人の専門家に意見を聞いているね。 中国経済は現在、デフレ状態で、経済成長のスピードは落ちるし、克服には3~4年かかるとみられ、短期的にはかなり厳しい情勢だという。 根源的な問題は政治にあり、金融やエネルギーなど主要分野で独占的な地位を占める国有企業改革の遅れに、象徴的にあらわれているという。 しかし、長期的には楽観論だね。それが当たるかどうか、見極めが難しいところだね。
2015.09.30
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私:米国の次期大統領が決まるのは1年以上も先だが、候補者選びは早くも白熱している。 この記事では、その運動にツイッターが大きく影響していることと弊害を報じているね。 A氏:共和党側では9月16日、2回目となるディベートが開かれ、会場では約500人の聴衆に加え、数百人の記者が討論を見守ったが、ツイッター社によると、ディベートの最中には、1分間あたり2万から3万の発信が続いたという。 世論調査で首位を走る「不動産王」のドナルド・トランプ氏をめぐる発信が多かったが、最も話題を呼んだのは、そのトランプ氏から容姿を批判されたヒューレット・パッカード元社長のカーリー・フィオリーナ氏が「トランプ氏の発言は、全米の女性がはっきりと聞いたと思う」とコメントした瞬間だという。 ディベートを通じて、最もフォロワーが増えたのもフィオリーナ氏だったという。 私:ツイッターは前回の大統領選のディベートでも「勝ち負け判定」に影響。 オバマ大統領の側近だったダン・ファイファー氏はCNNへの投稿で「スマホを使いながらディベートを見ている人と、そうでない人に受け止めに差があった」と指摘。 「ソーシャルメディアがディベートに革命をもたらしている」と述べている。 理由として、ファイファー氏は (1)ディベート中に意見が形成され、集団的な体験となる (2)ネットで共有される「瞬間」が重要になっている (3)陣営もリアルタイムの反応が必要 (4)雪だるま式に膨らむソーシャルメディアでは最初の20分が肝要 といった点を挙げているという。 A氏:陣営もツイッターを活用し、ディベートの最中にも、候補者の印象的な言葉はすぐに引用してつぶやく。 民主党で立候補を表明しているヒラリー・クリントン前国務長官や、バーニー・サンダース上院議員もツイッターで共和党側を牽制し続けた。 メディアでもこうした発信や一般ユーザーのツイートの引用が増えている。 私:だが半面、ツイッターでは群集心理が作用して意見が偏ったり、表層的な出来事に集中したりする危険性も指摘されている。 ユーザーも、広く有権者を代表しているとは限らない。 「ネットから遮断してディベートを見る記者」も必要ではないか、との声も米国で出始めているという。 ネット上のリテラシーに乏しい意見が多い問題点は、日本でも要注意だね。
2015.09.29
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私:東芝問題で朝日新聞は(どう考える?東芝問題)の連載欄で各識者の意見をとりあげているが、その中で、興味をもったのは、弁護士・郷原信郎氏の「晴れぬ疑い、調査に限界」と、会計評論家・細野祐二氏の「財務悪化、もっと深刻かも」だね。 A氏:郷原氏は、東芝に組織的な粉飾行為があったのかはっきりしない中、捜査に踏み込むのは難しい。 第三者委員会の調査で明らかになったことが中途半端だったという。 それは東芝が指定した対象を調べただけだからだ。 企業買収にまつわる「のれん代」など、東芝には根拠に疑念を持たれている資産が多くあるが、調べられることはなかった。 私:粉飾なら、監査法人は「だまされた」か「見逃した」のどちらかだが、第三者委は監査法人の責任について言及していない。 疑念のある資産について「問題ない」と言っているのは、東芝自身と、監査法人だけだ。疑いは晴れないという。 捜査当局が踏み込めば、粉飾の有無がわかるかもしれない。 だが、起訴の見込みもなく調べるのは不可能だ。 強制捜査したことで20万人も従業員がいる会社が倒れるかもしれず、結局立件できずに終わる可能性も考えると現段階では着手はできないという。 A氏:細野祐二氏は、過去の有価証券報告などの決算資料をみると、東芝は2008年のリーマン・ショック後の財務体質の悪化をごまかすために不正会計を始めたのではないかという疑いが浮かぶという。 財務に余裕がない。 資産の内訳をみると、工場などの有形資産のほかに買収企業の「のれん代」といった根拠があいまいな資産が2割ほどある。 私:ここにも「のれん代」が登場するね。 細野氏が注目した数字は、東芝が「退職給付債務」に充てた割引率3・3%だ。 当時、同業の大手はだいたい2%台で、飛び抜けて高い。 退職給付債務は、将来払う見込み額から予想する運用利回りを割り引き、現在の額を出す。 つまり率が大きいと借金額が減る。 東芝の09年3月期は3千億円超の営業赤字を出す苦しいものだった。 退職給付債務は7193億円。 もし他社並みの割引率なら、氏の試算では債務が2千億円規模で膨らむ。 財務の悪化は深刻で、存亡の危機だった可能性があると細野氏は見る。 東芝問題は未だに深刻だね。
2015.09.28
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私:ディーゼルエンジン車の排ガス不正の発覚から1週間、ドイツの名門企業のフォルクスワーゲン(VW)が、トップ交代を発表。 新しい最高経営責任者(CEO)に就いたのはマティアス・ミュラー氏で、25日の記者会見で、「かつて経験したことのない挑戦が立ちはだかるなかで、(トップを)受けることにした」と危機感をこう表した。 引責辞任したマルティン・ウィンターコルン氏に代わって組織改革を急ぎ、「信頼回復につとめる」と話した。 A氏:VWは、22日に不正を起こす可能性があるソフトを積んだ車が世界で1100万台にのぼり、対応にあたって特別損失として65億ユーロ(約8700億円)を計上すると発表した。 1年間の販売台数に相当する台数だが、ウィンターコルン氏はビデオ声明で、自ら指揮を執る考えを示していた。 私:オーナー一族で20年以上もトップとして君臨したピエヒ前監査役会長は、米国事業などへの意見の相違から、4月に辞任した。 VW株を約51%保有する持株会社は、ポルシェの創業家一族のポルシェ家とピエヒ家が実質支配し、その意向が働きやすい。 不正問題を機に、ピエヒ氏らがウィンターコルン氏を一気に追いやろうと急いだとの見方もあるという。 A氏:このブログで、2年前、「ドイツの強さの秘密」で、自動車産業の技術革新は、第3の波のトヨタ生産方式の革新の後、「第4の波」として、グローバル化の進展・技術の複雑化に対応した2012年のフォルクスワーゲンの「モジュール設計」への期待をあげていたが、これが成果を上げておらず、設計陣にあせりがあったのかね。 トヨタより利益率は低いようだ。 私:今年は生産台数でトヨタを追い越すと見られたが、減退だね。 進出が遅れていた米国市場に販売を伸ばすためには米国の厳しい排気ガス基準をクレアしなくてはならないが一方で、燃費もよくしなくてはならない。 そのための設計陣の悪知恵かね。 前社長はこの不正を知らなかったというが、多くの現場関係者が関係する組織的犯罪であることは明らかだね。 単なる製造上のミスですまない悪質な体質的品質不良だね。 ドイツは、自動車産業を中心に技術革新を生み出す産業を復活することに成功してきたし、日本と同じモノ作りの国だけに残念だね。 大変なのは、一度失われたVWの信頼回復だね。
2015.09.27
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私:9月23日、朝日新聞は1面トップで、「北朝鮮、拉致調査覆さず」の記事を掲載したが、これはマスコミ業界用語で言う独自ネタ。 特ダネと言ってもいいという。 これに対して、池上氏は、こうなると、去年7月の日経の「特ダネ」はどうなるのだ、と指摘している。 これが今月の「新聞ななめ読み」のテーマだね。 A氏:日経が去年7月3日付朝刊で、北朝鮮が日本人のリストを日本側に提示した、という記事を掲載したが、これが当時の日経の「特ダネ」だね。 「日本と北朝鮮が1日に北京で開いた外務省局長級協議で、北朝鮮国内に生存しているとみられる日本人のリストを北朝鮮側が提示していたことが明らかになった。リストに掲載されているのは2桁の人数だという。日本政府はリストに掲載されている人物が拉致被害者や拉致の疑いがある」というもの。 私:このとき日本政府は、日経の報道を否定したが、日経は、翌週の7月10日付朝刊で、次のような続報を出した。 「北朝鮮が日本側に提示した北朝鮮国内に生存しているとみられる日本人の生存者リストに、政府が認定している複数の拉致被害者が含まれていることが9日、明らかになった。 北朝鮮側は同リストを今年初めに作成したと説明。 今後の拉致被害者らの再調査ではリスト以外の人物も対象になる見通しだ。 政府はリストに掲載されている約30人の安否の詳しい説明などを北朝鮮側に強く求めていく方針だ」 池上氏は「日本政府が否定しても、怯(ひる)むことなく続報を出す。これぞ記者魂だと感心したものですが、その後の続報がありません」と指摘している。 A氏:そこへ今年になって内容が全く違う朝日新聞の「特ダネ」。 池上氏は、朝日がここまで書いたのだから、今後は日経の対応が注目で、あれは日経の「特ダネ」だったのかと疑問を呈しているね。 私:朝日新聞が、この池上氏の連載コラムの掲載をいったん拒否してから1年が経った。 池上氏は、社内外から批判を浴びた朝日新聞が、再出発を誓って以降、どうも紙面に元気がないという印象を持っていたが、この記事が「特ダネ」なら、ようやく朝日らしさが出てきた、ということでしょうという。 そういえば、朝日はこの1年来、元気が無い気がするね。 ところでこの池上氏の指摘で日経はどう対応するのかね。
2015.09.26
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私:スイスで開かれている国連人権理事会で、沖縄県の翁長知事が21日(日本時間22日)、米軍基地が集中する現状を「人権侵害だ」と訴えた。 米軍普天間飛行場の辺野古への移設問題で、翁長氏が対立する日米両政府を飛び越え、国際社会に「辺野古ノー」を直接アピールした格好だと新聞は報じている。 A氏:国連人権理事会は、あらゆるテーマの人権問題を扱う国連機構内の政府間組織。 翁長氏が出席したのは、総合的なテーマを扱う定例会合だ。 今回は発言権を持つ約80のNGOが2分ずつ主張を述べる中に交じり、翁長氏も発言。日本の知事のスピーチは異例だという。 私:俺は翁長知事が英語で発言するのをテレビで見たが、原稿の英語を読み上げていた。ちょっとタドタドしい感じがしたね。 A氏:翁長氏の背中を押したのは、二つの「失望」。今年5~6月に訪れた米国で、政府当局者や上下両院議員に辺野古移設反対を訴えたものの、「辺野古移設は唯一解決策」という答えばかり返ってきた。 8~9月には政府と1カ月間の集中協議に臨んだが、菅官房長官らは譲歩の姿勢を一切見せなかったね。 私:不信感を募らせた翁長氏は日米を飛び越え、国際社会に訴えることを決意。 今回の発言で、両政府の態度を「ネグレクト」と表現した。 日本語訳は「ないがしろ」。 「無視する」というだけでなく、「責任や義務を果たさずに」という意味合いも持たせた。 スイスへの機中で辞書で一語ずつニュアンスを確かめ、この言葉を2度盛り込んだという。 A氏:翁長氏の訪欧を支援した東京のNGO「市民外交センター」の上村英明・恵泉女学園大教授は「民主的な選挙で住民に選ばれた知事が、先進国と見られている日本や米国による人権侵害を訴えた。知名度は低くても、インパクトはあったはず」と分析。 異例のスピーチを終えた翁長氏は「沖縄が間違っているのか、日米両政府の民主主義が間違っているのか。世界に判断していただきたい」と記者団に語ったという。 私:俺は翁長知事が、国連人事委員会に訴えたこの記事を見て、このブログでとりあげた「琉球独立論・琉球民族のマニフェスト」を思い出したね。 ここでは、そして、国連憲章や国際法による民族自決権を頼りに琉球民族としての独立国家となる方策を詳細に述べているからだ。 翁長知事の行くつく先は非武装中立の「沖縄(琉球民族)独立」運動かね。
2015.09.25
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A氏:安保法成立後の保守派の動向について、進歩派の朝日新聞は、社会面の片隅で紹介しているね。 私:保守派の改憲の議論は進むのか、非常にデリケート。 弾みがつく可能性もあるし、解釈変更で一段落したんだからと議論が遠のく可能性もあるとも見られる。 青山学院大の伊藤憲一名誉教授(国際政治学)は、解釈改憲で集団的自衛権を容認するとした政府見解と異なり、「集団的・個別的を問わず、自衛権はもともと認められている」とする立場。 一連の議論を「憲法論の立場から言えば、必要のないことをやっていると、冷めた目で見てきた」と話す。 A氏:そのうえで、教授は、来夏の参院選では「改憲を争点とすべきだ」と主張する。 衆院で改憲勢力が3分の2を占める「歴史的なチャンス」ととらえるとともに、安保法案の議論を通じて「意外と改憲志向が国民の間に強い」と感じたという。 「国会審議では建設的な議論がなかった。 今度こそ本当の議論ができると、国民は耳を傾けると思う」という。 私:一方、保守派の若手評論家の古谷経衡氏は、法成立によって改憲は遠のくとみる。 集団的自衛権の行使を認めない「憲法の縛り」こそが「改憲の推進剤」だったと考えるからだ。 憲法のせいで集団的自衛権が使えず、国際的に見捨てられ、日米同盟にもひびが入る。 状況を打破するには憲法改正しかない――。 戦後何十年も主張してきたこの保守派のロジックが今度の安保法で「死に体」になったとみる。 A氏:改憲しなくても集団的自衛権の行使は容認された。 だから「あ、もういいじゃん」となるというわけだ。 私:漫画家の小林よしのり氏は、憲法を改正して自衛隊を正式な軍隊にすべきだという立場で、解釈改憲による集団的自衛権行使の容認に反対。 8月にあった日本外国特派員協会の会見では「安倍政権の解釈改憲のやり方で、国民が警戒してしまった。 このままでは憲法改正を発議しても、とても国民投票で勝てない」と話した。 保守について研究してきた中島岳志・北海道大准教授(政治学)は「9条改正論者の多くは『押しつけられた憲法を変えたい』というアイデンティティーが先行。 『戦後レジームからの脱却』と言いながら、現実的には対米追従を認める『ねじれ』は、今回の安保法制で深まった」とみる。 保守派も難問にぶつかっているね。
2015.09.24
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私:この新聞記事は、財界人による安保法の評価だね。 経団連の榊原定征会長は「我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」などとして歓迎するコメントを出したが、ビジネス面については触れなかったという。 A氏:前伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎氏は、この「対論」の記事で、安保法の成立は、日本の経済界としては喜ぶべきことではないという。 多くの憲法学者が違憲だと言っている。 これから各地で違憲訴訟が続発して混乱するのではないか。 自治体でもいろんな問題が起きてくるのではないか。政治に波風が立つことは、経済界としてもやりにくくなると批判的だね。 私:一番の問題は、考えてもみなかった国を敵に回す可能性があることで、米国が「敵」とする相手は、すべて日本の敵になりうる。 テロの標的にもなりかねない。 どこかの国から経済制裁を受けても大変。 それがどうして日本の安全と平和に役立つのかと疑問を呈しているね。 日本は世界のすべての国と平和で自由で安定した取引をしなければならない。 どの国とも仲良くやるのが日本の立ち位置だ。 資源にしても食料にしても、あらゆるものを海外から買っているからだ。 一方の米国は、他国とけんかをしたとしても自活できる。 これが日米の大きな違い。 仮に日本が食べられなくなっても、米国がきちんと面倒をみてくれればいいが、TPP交渉でもめているほどで期待できるわけがない。 どう考えても、戦争に近づくリスクは日本にとってのリスクだという。 A氏:一方、昭和電工会長を経て11年から交流協会(日・台湾)会長、日中経済協会副会になった大橋光夫氏は、日本の安全保障は、日米同盟が前提にあり、5年前や10年前と比べて国際環境が明らかに変わったという認識に立てば、「国民の生命財産を守るには、安保法制が必要だ」と同盟の強化を訴える安倍政権の考え方は理解できるという。 私:国民の理解が十分ではないと政権側も自覚しながら、それでも決めざるを得なくなったのは政権と自民党のためにも残念だという。 しかし、中国を仮想敵国とするのは、日本経済にとっても得策ではない。 経済的なパイプをより太くするため、中国への投資だけでなく、中国から日本への投資も増やし、相互依存を一層高める必要があるという。 財界人は違った見方をするね。
2015.09.23
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私:中西氏はどちらかというと保守的な論客だから、朝日新聞とはちょっと違和感のある人選だね。 最近、安保法問題でもそうだが、朝日新聞は賛否両論を併記することが多いね。 中西氏は、まず、中国の強大化、米国の国力低下など安全保障上の変化を強調しているね。 A氏:日本国憲法は日本敗戦時の国際的な特殊条件で作られた。 国際連合が加盟国の侵略行為に対して制裁を加える集団的安全保障という枠組みがちゃんと機能すると考えられていた時期でで、敗戦国は武装解除されて長く国連の監視下に置かれるだろうと見られていた。 憲法9条は50年代、日本が独立したとき、あるいは自衛隊が正式に発足したときに改正するのがスジだったという。 私:しかし、国内の政治対立や国民の間に軍事への反感があり、できなかった。 「個別的自衛権は行使する」という解釈に落ち着いたのは、当時の日本の政治家の知恵で、今回のように、環境が変わったら別の解釈に移るということは、十分ありうると思うと中西氏はいう。 A氏:ただ、今回、解釈を変えるときのやり方は、いささか乱暴で、憲法解釈の変更方法や国際法との関係について幅広く憲法学者や国際法学者を招いて議論し、世論の場でも合意を形成していくやり方もあり得たとし、時間はかかっただろうが、論理的には可能だったと思うという。 私:デモに対しては、厳しい見方をしているね。 東アジアの安全保障の変化のために日本の防衛力をどう使うのか、議論をし、備えをしておく必要があり、感情的に反対運動をしている人たちに足りないのは、そういう議論だという。平和主義と外交・安全保障をどう両立していくか、そこから目をそらすならば、結果的に日本の平和や繁栄が保てなくなる可能性が高いという。 A氏:氏は「日本の安全保障や防衛の問題で不幸なのは、政府・与党は『おれに任せておけば、心配ない』という態度をとり、逆に野党や反対派は一律反対で揚げ足とりを優先し、議論が深まらないことです」という。 私:運用のうえで懸念される「悪いシナリオ」は作戦の成功が十分見込めないのに世論の圧力で自衛隊を動かしてしまうということだという。 リスクの高い作戦をリスクを十分に検討することなく実行すれば、自衛隊員や人質、現地の人に犠牲が出てしまうという。 現実主義的な正論だね。
2015.09.22
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私:半藤氏は公開中の映画「日本のいちばん長い日」の原作者で昭和史家。 この作品は、終戦時の軍事クーデターを描いているが、半藤氏は「いま安全保障を考えるとき、軍の存在が抑止力になるという『軍隊による安全』という視点ばかりが正面に出てきていおり、本来は『軍隊からの安全』という視点も必要なはず」だという。 戦後70年もたった今の日本には「軍隊からの安全」に関する意識が無いという。 A氏:半藤氏は「特攻隊を題材にした『永遠の0』がヒットしたが、特攻を作戦化し命じた立場にありながら戦後ものうのうと生きのびた指揮官たちを私は実際に知っています。 でもそういう本質的な構造の問題より、若い隊員の純真さとか勇気の方に焦点を当てて特攻が語られてしまう。歴史が物語になっていると感じました」という。 私:物語にしないための「戦争の歴史の語り方」について、半藤氏は「当時の日本政府が国民に『焼夷弾はそれほど恐れるものではない』というメッセージを出していたのはなぜか、米国はなぜ、非人道的な無差別空襲という手段を採ったのか、 空襲を指揮したカーチス・ルメイ氏に日本政府は戦後、なぜ叙勲したのか。 事件や関係した人々について多角的・総合的に考えることで、歴史を学習していくことはできると思っています」という。 A氏:安保条約で国民が法案に相当に反対をしても、今年4月、安倍政権が米国政府との間で約束を交わしてしまったときから、安倍首相は関係ないものとして扱うだろうと予測していたという。 私:漫画家の小林よしのり氏も同じことを言っていたね。 出来レースだとね。 半藤氏は安保法制への批判も、現実主義の視点からしているという。 中東へ自衛隊の精鋭部隊を送ったら日本列島の守りは薄くなる。 それをカバーするための軍事費の膨張は、経済や財政の現状に照らして可能なのか、 そういう議論をすべきだという。 原発についても、地政学的に海岸線が長い日本には、もともと敵からの攻撃を防ぎにくい弱みがあるのに、海岸線に40基以上も原発がある。 それを攻められたらお手上げだという。 原発再稼動の推進は、安全保障の抑止力低下になるとは皮肉だね。 半藤氏はこの先、こんなに自給自足ができない国、借金が1千兆円もある国が「大国」になれるわけがない。 それが日本の現実(現在地)だと半藤氏はいう。
2015.09.21
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私:今週は2冊の本に興味を持ったね。 1冊目は、書評欄にある本でなく「著者に会いたい」コーナーで紹介があった津野海太郎氏著「百歳までの読書術」。 津野氏の友人で本の山に埋もれて死んだ人いるという。 氏は「本を抱えたまま死んでいくのは自分がうっとうしいし、ワイフや親しい若い人に委ねるのもね」という。 そこで、氏の「百歳までの読書術」の登場だ。 「本を減らす」。蔵書を(1)すぐ捨てる本(2)つぎに捨てる本(3)つぎのつぎに捨てる本(4)死ぬまで捨てない本に分け、一度ではなく小刻みに減量する。7千冊から、2500冊ほど減らしたところで中断中だという。 A氏:君のやり方と似ているね。 私:「あまり本を買わない」という。 図書館をフル活用している。 新刊は図書館で借りてざっと目を通し、手元におきたい本だけ買う。 結果、ほとんど買わない。 昔読んだ本を読み直すと、いろいろなことがわかる。 違うところに自分が来ているという発見や、長く生きてないと味わえない重層感があるという。 これは俺も参考になったね。 もう1冊は松岡完氏著「ケネディはベトナムにどう向き合ったか」だね。 評者は、武田徹氏。 A氏:1963年5月8日、古都フエで政府と仏教徒の衝突が起きる。南ベトナムのゴ・ジン・ジェム政権はそこから崩壊に向けて転げ落ち始め、軍のクーデターでジェムと、実質的に権力を独占していた弟のニューが11月2日に殺害される。 私:この政変はアメリカの影響下で起きた。 共産主義勢力と共に戦っていたはずのケネディとジェムが水面下で繰り広げていた「戦争の中の戦争」を本書は描き出す。 圧倒されるのは記述の精密さだという。 体制への反発感情の高まりを恐れて米国は軌道修正を求めるが、ジェムとニューに手綱をうまくかけられない。 一方、米国側の内部でも大統領と駐越大使、CIA等の間で不協和音が生じていた。 もちろん米国の「冷戦外交」はベトナムだけを対象にしていたわけではない。 たとえば日本の60年安保反対運動や岸首相退陣要求を巡っても日米間でなんらかのやり取りが水面下であったのではないか。 ベトナム戦争史の研究水準が上がると、翻って十分に調査がなされていない空白が改めて気になり始めると評者は言う。 「百歳までの読書術」は待ちが多すぎるので諦め、このケネディの本だけ図書館に予約。
2015.09.20
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私:この判決の1例で派遣先企業に左右される派遣社員の不安定な労働の実態が浮かび上がってくるね。 A氏:今年7月、大手派遣会社アデコから日産自動車に6年近く派遣された後に「派遣切り」された女性の裁判の判決の内容だね。 原告の女性はアデコに登録し、2003年10月から日産本社で働いていた。 私:女性が日産の面接のため、アデコの担当者と日産を訪れたのは03年9月下旬。 アデコの担当者と会ったのはこの時が初めてだったという。 A氏:判決によると、面接した日産社員は、「英語は使えるか」「エクセルの関数は使えるか」「職場の飲み会には参加できるか」などと質問した。時間は約20分。 私:どの人を派遣するかを決めるのは派遣会社だというのが決まりで、派遣先が派遣社員を選ぶことは「特定行為」として禁止されている。 判決は「派遣法が禁止する『特定行為』が行われていた疑いが強いというべきである」と述べた。 A氏:女性の仕事は派遣法が定める「5号」。 パソコンを使ってデータを入力する仕事。 今の派遣法では専門的だとされ、無期限に派遣を使える仕事の一つだ。 しかし、女性は「1年くらいはコピーやホチキス止めなど。社員のためにお菓子や弁当を買いにも行った」。 無期限に派遣を使える契約を結びながら、実際には違う仕事をさせることは違反。 判決も女性が庶務の仕事をしていたことを認めて、「日産本社で就労していた期間を通じて5号業務には該当しなかったものと認めるのが相当である」と述べた。 私:判決は、アデコの担当者が女性の仕事内容を確認することを怠っていたとして、「派遣元事業主としての責任を果たさず、多くの派遣法違反を招いていた」と断じた。 また、08年6月ごろ、同じ仕事をしていた正社員が産休に入るため、他の部署からの異動か中途採用で補充するらしいという話を聞いた。 派遣法には、同じ仕事で正社員を採用する場合、派遣社員が優先されるという規定があったが、これも守られなかった。 今月11日に成立した改正労働者派遣法は、派遣社員が同じ派遣先で3年働いた場合、派遣会社が派遣先に直接雇用を依頼することなどを義務づけている。 「希望する人には正社員への道を開く」と政府が主張する根拠だ。 でも、女性はこう言う。「すべては派遣先次第。派遣会社がどうこうできる話ではありません」という。 少子高齢化でも正社員減少、非正社員人増は当分の間、続くのか。
2015.09.19
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私:外国人年間訪問客は政府が2020年までに年間2千万人の達成を目指していたが、意外に早期に達成できそうな勢いだね。 観光庁によると、今年8月までの外国人旅行者数は1287万人で、前年同期と比べて49%増。 8月単月では、前年比63%増えて181万人。 過去最高だった7月に次いで、過去2番目だという。 A氏:9月10日までで1342万人を超え、過去最多だった昨年1年間の実績(1341万人)を上回ったという。 買い物目当ての中国からの旅行客は、株式市場が変調をきたしても増加傾向は変わらない。 観光庁は16日、今年の年間の旅行者数が1900万人に達するとの見通しを明らかにしたというから、2020年を待たずに来年にも政府目標を達成できそうだね。 私:中国では7月以降、上海の株式市場の株価が乱高下し、景気の減速もはっきりしてきたが、今のところ、訪日旅行者に目立った影響は出ていないという。 8月単月でも59万人と過去最高を更新。 観光庁の田村明比古長官は、「今後も旅行者が伸びる可能性がある」と強気だという。 中国の訪日客の多くは、所得が伸びている中間層で、株式取引のもうけで旅行しているわけではない、とみているためだという。 A氏:中国以外でも、韓国やイタリアやスペインは単月で最高になった。 台湾は8月としての過去最高を記録。 私:訪日外国人の増加傾向は、円安で旅行や買い物にかかる費用が割安になっていることも背景になっているね。 7月の旅行収支は、1295億円の黒字と過去2番目の水準で、日本の景気にとって下支えの一つになっているという。 人手不足は少子化の影響だが、これだけは、成長戦略で明るいニュースだね。一部は「地方創生」も関連している。 分析が必要だね。
2015.09.18
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私:米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズは16日、日本の国債格付けについて、「AAマイナス」から「Aプラス」へと1段階引き下げたと発表したね。 A氏:「デフレ脱却や経済成長をめざした政府の経済政策が、国債の信用力の低下傾向を今後2~3年で好転させる可能性は低い」として、安倍政権の経済政策「アベノミクスの効果が見込めないことを理由に挙げたという。 私:格付けは、借金の返済能力を判断したもので、スタンダード・アンド・プアーズが日本国債の格付けを下げるのは2011年1月以来、4年8カ月ぶり。Aプラスは21段階あるスタンダード・アンド・プアーズの格付けのうち上から5番目。 AAマイナスの中国や韓国より悪くなり、アイルランドと同水準となる A氏:安倍政権は6月末、政権の成長戦略である「骨太の方針」と、20年度までの財政健全化計画を決定。 高い経済成長と税収増によって財政健全化を進めていく姿勢を鮮明にしたがね。 しかし、アベノミクスの第3の矢がどうもハッキリしないし「地方創生」も音無しのようだね。 私:スタンダード・アンド・プアーズは企業業績の好転などによる税収増を織り込んでも、国内総生産(GDP)に対する政府債務残高の伸びは年5%以上に達すると予測し、「日本の財政状況が極めて脆弱であることは、重大な弱み」と指摘した。さらに「アベノミクスは当初奏功する兆しがみられたものの、経済が今後2~3年で国債の信用力を好転させるまでに改善する可能性は低い」と結論づけたね。 A氏:格付けの主要3社のうち、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスと欧米系のフイッチ・レーティングがここ1年の間に日本国債を格下げしており、これで主要3社がそろって日本国債を「シングルA」格相当にしたことになるね。 私:日本国債の格下げに合わせて、国内の企業の格付けも引き下げられるのが通例だ。 海外からお金を借りる金融機関や商社などがこれに合わせて格下げされると、より高い金利を支払う必要に迫られるという。 日銀は、さらに金融緩和をすすめるようだね。
2015.09.17
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私:東芝の不適切な会計処理の問題が大きな話題となっている。 東芝は、2003年4月施行の改正商法特例法に基づいて、同年6月にいち早く委員会設置会社に移行するなど、コーポレートガバナンス(企業統治)改革に関して先進的な企業として知られていた。 A氏:今年6月から、東京証券取引所の1部・2部への上場基準に、2人以上の社外取締役の選任という条件が加えられた。 だが東芝の事例は、こうした一連の制度改革とその背景にあるコーポレートガバナンスに関する議論が、まったく的外れとは言わないまでも、本質的な論点を見逃していたことを示唆している。 私:東芝の歴史をひもとくと、新旧の社長の対立を契機に見事に再生したことがある。 石坂泰三氏は昭和32年、販売部門出身の岩下文雄氏に社長の座を譲るが、業績が悪化。 A氏:岩下氏の経営手腕に不満を持った石坂氏は、石川島播磨重工業(現IHI)会長だった土光敏夫氏の招へいに動いた。 土光氏は40年に東芝社長に就任。回想録で、「与えられた責務は、減配続きの東芝の立て直しである」と語っている。 私:俺は土光改革の直後、東芝本社を訪問したことがある。 前任の岩下社長は昼頃社用車で出社。社長室にスタンドバーがあり、ここで一杯やって、4時頃帰る。 これに対して土光新社長はタクシーでカバン持ち無しで8時出社。 8時半まで社員は誰でも意見があれば自由に入れるようにした。 工場の始業は8時半なので本社も9時から8時半に変更。 社長室のスタンドバーは撤去。 部長の個室を廃止し、大部屋に机を置いた。 俺の先輩が専務室で打ち合わせに行ったら、「今日は曇りなので窓際で打ち合わせましょう」と窓際で打ち合わせをしたという。 要するに日中は電灯をつけないようにいていたわけだ。 A氏:すごい改革だね。 私:現場主義で、IHI時代、男子トイレでたまたま横に総務部長が来たら「今日の現場の出勤率はどうか」と聞いたという。 即答できないとだめなんだね。 総務部長だといって椅子にふんぞり返っていたら失格だね。 今の東芝には当時の迫力はあるのだろうか。
2015.09.16
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私:富山市は1世帯あたりの昆布購入額が日本一。 県民にとって、昆布は「ソウルフード(その地域で親しまれている郷土料理)というのには驚いたね。 A氏:でも、富山で昆布はとれない。富山で昆布屋営んでいる四十物氏は「うちで扱う昆布も大部分が北海道産です。なぜ、富山で昆布が根づいているのか不思議に思われるでしょう」という。 私:歴史は江戸時代の北前船にまでさかのぼるんだね。 北前船は北海道と西日本とを行き来し、日本海沿岸にも寄港した。 北海道からの積み荷に昆布があったため、寄港地では昆布を使った独自の食文化が生まれたというわけだ。 A氏:このブログの「北前船再考 港の街々に、新たなつながり」多賀谷克彦筆8月2日朝日新聞・波聞風問欄:北前船と長州藩の財力と明治維新」でも北前船が日本海側の各地に産業をおこすきっかけを作ったことをとりあげているね。 今で言う「地方創生」だね。 今は太平洋岸が経済の中心で、日本海側はさびれた感じだが、江戸時代は逆だったんだね 私:もう一つ忘れてならないのが、明治期の北海道開拓。 富山から北海道に渡った生地の人は、根室や羅臼など東端の地を開拓して、住み着いた人が故郷からさらに人を呼び寄せた。今でも羅臼町は生地にルーツを持つ人が多いという。故郷へ帰るお土産に昆布を持ち帰って、富山で、さらに食べられるようになった。 A氏:四十物氏は北陸新幹線で自分が暮らす地域がどう変わってきているのか、正直まだよくわからないというが、交流の広がりには期待しるという。 よそから人を呼んだり、観光や仕事で東京に出て行く人が増えていったり、新幹線が「第2の北前船」みたいな存在となって、沿線で新しい文化や伝統が生まれることを期待しているという。 私:もちろん、富山の伝統である昆布も広めていきたいし、西日本では、北前船のお陰で昆布が暮らしに根付いている。 北陸新幹線開業後、長野など沿線で販路も少しずつ拡大しているという。 「第2の北前船」が「地方創生」に役立つといいがね。
2015.09.15
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私:今春、フランスで出た「悪循環」という小説(副題が「第3次世界大戦の発端」)の始まりは、日々にらみ合っている日本と中国の戦闘機が、ついに南シナ海上空で不測の事態を引き起こすというもの。 互いに近づきすぎて、一方の戦闘機が相手を撃墜。パイロットは無事に脱出したが、やられた側はすぐ報復に。相手国の艦船を攻撃して沈没させた。 乗組員約20人が犠牲になる――。 A氏:「偶発的」な衝突だとしても、ひるむわけにはいかない、と双方で「毅然」路線に駆け出す政治家たち。 ナショナリズムが盛り上がる。 それがまた政治を追いたてる。 社会も政治も次第に引っ込みがつかなくなる。 戦争は不可避か。 展開は刻々と「必然」の様相を強めていく。 私:作者は仏ロピニオン紙の論説記者、クロード・ルブラン氏(51)。 日本語が堪能でたびたび訪日して取材を重ね、3.11後は福島にも通った。 日本についての月刊情報誌「ズーム・ジャポン」(部数6万部)の編集長としても活躍している。また日本の多くのローカル線に乗り、「列車から見た日本」という本まで書く日本通だ。 「フィクションだけど、衝突後のストーリーは、両方の国の政治や社会の取材に基づいてなるべくリアルに描こうと努めた」という。 A氏:登場するのは安倍首相や中国の習近平国家主席をはじめほとんどが実在の人物で生々しい。 「偶発的衝突」がこんな危機を招かないための「日中海空連絡メカニズム」作りが両国の間で続いている。 陸上自衛隊研究本部長だった笹川平和財団参与の山口昇氏は、1993年にロシアとの間で合意した協定がモデルになるだろうという。 お互いに近づいたときに、模擬攻撃したり曲技飛行をしたりしない、緊急に連絡しあうときの周波数を定める、といった現場での対応のほか、万一の場合の当局者間での情報交換のルートの設置などを盛り込んだ協定。 私:「中国軍、特に海空軍の近代化はめざましい。能力が伸びれば南シナ海や東シナ海での活動も活発になる。攻撃的か否かにかかわらず、これまでも活動してきた日米の艦船や飛行機と遭遇する頻度は確実に増える」と山口氏は言う。 それにしても、現在、スクランブルで飛び立つのは自衛隊機だけで、米空軍機のことはあまり聞かないのは何故だろうね。
2015.09.14
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私:今週は「書評」欄よりも「ニュースの本棚」欄に興味が湧いたね。 国会の安保法改定に関連して、近現代的の視点からみると「日英同盟」「日独伊三国同盟」「日米安保」の3つの同盟が続き、仮想敵国も変わってきた。 日米安保も吉田路線、岸安保、現下の安倍安保の3つの時期に分かれる。 そうした歴史の流れに今週の国会で1つの決着が下されようとしている。 これらの最新情報の理解には「検証・安保法案」が役立つというので図書館に予約しようとしたが図書館になし。次の機会にする。 A氏:「憲法・安保体制」にいたる道として、豊下楢彦氏著「昭和天皇の戦後日本」が書評欄であげられているね。 私:敗戦から講和条約発効までの6年8カ月間、天皇制には二つの危機があった。 憲法改正時には天皇制廃止の危機、そして東西冷戦下では内外の共産主義による天皇制打倒の危機だという。 この二つを昭和天皇はどう乗り切ったのか、そこに見られるリアリズムを検証した書だという。 東條が東京裁判で用いる国家の論理は、かなり杜撰であり、「責任者の“無責任さ”の極致」である。 そのことを天皇は不快に思い遠ざけたことが、結果的に天皇制の温存につながった。 著者はマッカーサーとの多くの政治的会話を推測しつつ、天皇の胸中に入りこむ。 天皇の矛盾もまた浮きぼりになっていくと評者保阪正康氏は言う。 本の終盤でふれている安部首相のあまりに軽い戦後レジームの清算論に「歴史家」の怒りを見るという。図書館に予約。 A氏:天皇に関連して宗教人類学学の植島啓司氏の新刊「伊勢神宮とは何か」とジョン・ブリーン氏〈著〉「神都物語」がとりあげられているね。 私:植島氏は、床下の心御柱をめぐって、機能にこだわる建築学とは異なり、根源的な宇宙軸だという見解を示した。 この本は神域、近郊の神社、川や湾などのフィールドワークをもとに論じたエッセイで、伊勢の神々は海からやってきたのではないかというと評者五十嵐太郎氏は指摘する。図書館に予約。 明治以降、伊勢神宮の意味が劇的に変容してきたかをジョン・ブリーン氏は「神都物語」で周辺のエリアがどう変化したかを論じる。 明治期は、意外だが、歴史上初めて天皇が伊勢を参拝し、王政復古を権威づけ、立ち入り禁止の空間を増やし、清々しい神苑のイメージをつくり、各地域とつなぐ御師を廃止した。 一方で江戸時代のような庶民に親しまれた巡礼地ではなくなっていくんだね。
2015.09.13
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私:文藝春秋今月号は、「日本よ、中国を超克せよ・厄介な隣人の『真実』が見えてきた」というメインタイトルで中国大特集を組んでいるね。 A氏:同時発売の「中央公論」も中国特集だね。 トッド氏はソビエト連邦の乳児死亡率の高さに注目し、「ソビエト連邦は崩壊する」と大胆に予想した。当時は米ソ冷戦の真っ只中にあり、社会主義圏の盟主としてのソ連の政治体制は盤石に見えた。しかし、トッド氏の予想通り、1991年、ソ連は崩壊。 2002年、「帝国以後」では、ソ連に勝利した超大国、米国を分析し、「米国は衰退に向かっている」と予想し、イスラム圏での識字率の向上、出生率の低下などから近代化の兆候を読み取り、チュニジア、エジプトなどで起きた「アラブの春」を予言したね。 私:そのトッド氏が、中国は経済的に見ても、政治的に見ても「帝国」でないという。 経済的な繁栄は、西洋の資本主義諸国から押し付けられたもので中国の指導者が主体的に活動したものでないという。 トッド氏の専門分野である人口問題の視点からは中国は現在、年金など社会保障制度が整備されないまま猛スピードで少子高齢化が進んでいることは問題だという。 トッド氏は中国の未来については悲観的だね。 A氏:トッド氏はAIIBも時期尚早と見ているね。 中国は伝統的な家族形態で、強力な父権主義と兄弟間の平等主義の価値観が強いので、今の大きな格差が受け入れがたいので、指導者はこの不満をナショナリズムに向けているという。 私:これに対して、トッド氏は、日本はそのナショナリズムに引き込まれずにプラグマティックな態度で対応すべきという。 靖国問題にこだわるなと提言している。 そしてその間に日本自身の防衛力の強化が不可欠だという。 日本は巨大な中国に対して、科学技術上、経済上、そして軍事技術上の優位性を保つべきとしている。 今、国会で問題になっている安保法問題も、感情的でなく、冷静に考えるべきとしているね。
2015.09.12
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私:アベノミクスの継続でいいのか。「第2ステージ」の課題は?。 朝日新聞は大規模な金融緩和をめぐり立場が異なる2人の論客に聞いている。 岩本氏はアベノミクスの「第1の矢」である大胆な金融緩和は、無益で有害だという。 「異次元緩和」が従来の金融緩和と大きく違うのは、2%の物価目標の達成時期を2年程度と明確に約束したことだが、2年たっても物価上昇率はゼロ近辺に戻った。 約束が果たせなかったのは明白。 A氏:経済の高成長が実現すれば喜ばしいが、以前の政権も成長戦略を掲げてきたのに実現しなかった。 従来のような低成長に終わる可能性は排除できないという。 私:まず従来の堅実なシナリオのもとで、基礎的財政収支を黒字化するために財政運営の戦略を立て直す。そのためには歳出削減が必要だし、増税も必要。 日銀も、長期国債を大量購入するのはやめる。 アベノミクスに合格点はつけられないが、そのような希望をもって、甘めに40点としたい。舗装された道を進み、財政危機を招いたときには0点だという。 A氏:反対に片岡氏は、アベノミクスが本格起動した13年は、財政政策の効果もあいまって高額品を中心に消費が伸び、インフレ期待が高まったとして、ここまでの評価は90点。 私:しかし、高まった期待に水を差してしまったのが14年4月の消費税増税だという。 経済政策は、成長を通じ国民一人ひとりの満足度を上げることを目指すべきで、消費や投資が主導する形で景気が回復していく好循環をつくらないといけない。 しかし、4~6月期は消費や投資が低迷し、実質成長率はマイナス。どうも、これが心配だね。 A氏:「骨太の方針」では「我が国経済は、1990年代初頭のバブル崩壊後、およそ四半世紀ぶりの良好な状況を達成しつつある」との認識が示されたが、楽観的だという。 14年、15年に入ってからのアベノミクスの評価は50点だという。 私:中国経済の減速懸念や米国の利上げの行方に注目が集まるなど、世界経済の雲行きは急速にあやしくなっている。今こそ国内総生産(GDP)の6割を占める消費の政策的な底上げが急務。 具体的には1人あたり3万円の定額給付金支給などを主眼にすえた、総額5兆円規模の経済対策を早急に実施すべきだという。 岩本氏は増税必要、片岡氏は増税抑制と正反対だね。
2015.09.11
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私:WOWOWの終戦70年戦争映画7作品の1つで、昨日放映されたのを観た。 1965年に撮影されたもので、白黒だね。 特技監督が円谷英二氏で、リアルな戦争映画になっている。 もっとも、戦闘シーンがない戦争映画だがね。 A氏:ネットの紹介記事では「1943年、北太平洋上のキスカ島に孤立していた日本の守備隊員を米軍の包囲をかいくぐって全員無事撤収させた奇跡の作戦の模様を、実話にもとづいて映画化した戦争映画」とあるね。 1943年、北太平洋上のアッツ島で、米軍の猛攻に遭った日本軍が玉砕。 同じアリューシャン列島にあるキスカ島の守備隊員約5200名も同様の運命を待つのみかと思われる中、日本軍が濃霧にまぎれて艦隊を島に送り込み、敵の包囲網を破って全員無事撤収させることに成功した「キスカ撤退作戦」。 この奇跡の作戦の全容を、監督・丸山誠治、特技監督・円谷英二、主演・三船敏郎の顔合わせでスリリングに映画化。 観る者の快哉を誘う会心作に仕上がったとあるね。 私:俺はこの映画を若い時に見ていないが、撤退作戦の指揮をとる木村昌福海軍少将(当時)の役を壮年時代の三船敏郎がやっている。 堂々たる名演技で、今、日本映画界でこれだけの貫禄のある俳優はいないね。 映画は、多数の米国艦船に囲まれて、レーダー監視の中を濃霧にまぎれて島の沖合に停泊し、島にいる5200名の兵士をひそかに収容するわけだから、一種のサスペンスのようにハラハラするね。 A氏:しかも、一度、1943年14,15日と決行したが途中で霧が晴れてしまい、突入を断念せざるを得なかった。 私:木村少将は精神主義の多い日本軍人らしからぬ慎重な合理性の持ち主で、「退くこと」を知っていた指揮官だね。 しかし、「退いた」ことで一時非難されるが、7月29日に濃霧の中、再挑戦し成功する。 兵士は大砲も鉄砲も捨てて、50分位の短時間のうちにそっと島を撤収する。 これを知らない米軍は、8月15日、艦艇100隻余りを動員、艦隊による十分な艦砲射撃を行った後で濃霧の中、兵力約34000名をもってキスカ島に上陸。 上陸した米軍は、日本兵は無人なので自国兵を日本兵と見間違い各所で同士討ちが発生。 死者約100名、負傷者数十名を出してキスカ島攻略を完了した。 上陸したアメリカ軍の見たものは、遺棄された数匹の犬だけだった。
2015.09.10
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A氏:内閣府が8日発表した2015年4~6月期の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価変動の影響をのぞいた実質成長率が、8月発表の1次速報から上方修正されたね 私:ただ、修正の主な要因は在庫の増加によるもので、GDPの内容が改善したとはいえないという。 在庫の増加はGDPではプラスに計算されるが、「企業が販売増を見込んで在庫を増やしているというより、個人消費がふるわずに在庫が積み上がっている可能性がある」という。 GDPの約6割を占める個人消費は1次速報からほぼ横ばい。 A氏:個人消費はなかなか伸びないね。 私:厚労省が4日発表した7月の毎月勤労統計(速報)で、実質賃金指数が前年同月比0・3%増と2年3カ月ぶりにプラスに転じたというから個人消費は次のGDP速報で増加するだろうか。 次の消費税増税の山だね。 設備投資は1~3月期に高い伸びを示していたが、今回、大幅に下方修正された。 化学工業や食料品製造、鉄鋼業の減少が影響した。 今回の2次速報では中国経済の減速の影響がさらに色濃く出たようだね。 A氏:1~3月期の設備投資増で経済が大きく上向くと思ったんだがね。 やはり中国経済減速の影響が出ているのかね。 株価も依然としてよくないね。 私:一方、貿易や投資による日本と海外のお金の出入りを示す「経常収支」は相変わらず好調だね。 「経常収支」の黒字は1兆8086億円。黒字は13カ月連続。 訪日外国人による消費や日本企業の海外でのもうけが増え、黒字幅は前年同月から1兆4050億円に拡大。 国内生産が海外に行き、空洞化と言われるが、資本では海外で稼いでいる。 A氏:円安の影響で、7月の訪日外国人旅行者は過去最高の191万8千人に上ったことから、旅行者によるお金の出入りを示す「旅行収支」の黒字は1295億円で、全体に占める額は少いが7月として過去最大の黒字。 私:しかし、貿易収支のほうの赤字傾向は相変わらずで、1080億円の赤字。 原油安による原油輸入額の減少などで、赤字幅は前年同月から7501億円縮まったがね。 今後、原油安は続くと予想されるから、赤字額の増加はないだろう。
2015.09.09
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私:100年余り前にジェロントロジー(老年学)という学問が創出されたという。 人間の加齢変化を観察したり、分析したりすることが関心の的である。 これは簡単なことのように思うが、加齢変化が実は錯覚にすぎないことがあるという。 東京のある区で高齢者の研究をしていた若い研究者が「日本人は80歳を超えるような年齢になると東北弁のような喋りぐせになるようだ」と言ったという。 その地域に住む若い人にも80歳未満の高齢者にも東北弁の訛りは全く存在しないのだという。 よく調べると、原因はその地域の80歳以上の住民が若かった50年くらい前に、かなりまとまった集団で東北地方のある村から移り住んだのだということがわかった。 加齢による変化でなかった。 A氏:加齢変化の錯覚だね。 私:「高齢者は若いときには肉をたくさん食べていたのに、加齢とともない食欲がなくなったり食養生のため肉を食べなくなり低栄養に陥っている」というのも加齢変化の錯覚だという。 今80歳の人が20歳であった1955年には肉の摂取量は大体12グラム。 30歳のときは20g未満。30歳を超えると30gくらい。 現在80歳の人の肉の摂取量は60gくらい。 A氏:今の老人の20歳、30歳のときよりたくさん肉を摂取しているね。 加齢変化によるものではないね。 食生活の時代による変化だね。 私:集団就職で東京へ東北地方から若い人が大量に移住したが、これらの人は今高齢化しつつあるから東京の高齢化は急速に進むね。 当然、介護問題が重要になるね。 東京オリンピックと平行して、高齢化が進み、この介護費用は東京都政の大きな課題だね。 オリンピックエンブレムで大損失を出しているのは痛いね。
2015.09.08
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私:東京五輪の次にあたる24年夏の開催地として有力視されていた米ボストンは、唐突に招致レースから降りたという。 この1年、招致反対を市民にデンプシー氏が訴えたのは五輪費用の怖さだ。 「費用は際限なく増える。充てられるのはあなたの税金。それでも賛成しますか」と聞いたからだという。 デンプシー氏によると、各都市が招致で低予算ぶりを競いつつ、同時に「超過分は全額地元が負担」と誓約させられるが、「いったん開催が決まると、見えや焦りで費用は歯止めなく膨らむ。後で泣くのは納税者だ」という。 A氏:東京五輪の招致ファイルでも、超過費用は都と国とでカバーするという条項がある。 日本の納税者も大丈夫じゃない。 東京の新国立競技場の建築費が納税者の知らぬ間に膨らんだのは、五輪特有の症状だという。 私:3年前のロンドン五輪で同じザハ・ハディドさんが設計した水泳施設の工費が膨らんで大騒動になったばかり。 近年の開催費用は招致段階の平均3倍に膨らんでいるという。 もっとも深刻だったのはカナダ・モントリオール五輪(76年)で、実に13倍。 祭典ムードに流され、突貫工事や警備に費用がかさんだ。 閉幕後、市と州の財政は傾き、増税に踏み切る。 完済したのは市が大会の20年後、州にいたっては30年後の2006年冬だった。 同じカナダのバンクーバーは、2010年冬季五輪で地元の建設会社が「栄えある五輪ゆえ無償で」と大見えを切って選手村を建てた。だが閉幕後にあえなく倒産。 とばっちりで市民の税負担が増えた。 A氏:どうやら五輪というものは古今東西、開催地の政財界に同じ2つの病害をもたらすものらしいね。 1つ目は、「せっかくだから派手に盛大に」症候群。 森元首相の「国がたった2500億円も出せなかったのかね」発言がそれだね。 2つ目は北京やギリシャのように「あとは野となれ山となれ」症候群。 私:本番は5年も先だというのに、日本は早くも新国立で60億円を失った。 エンブレムでも億単位の損失が懸念される。 大会マスコットとかテーマ曲とか開会式の演出とか、この先も何やかや嵐が来そうな悪い予感がすると、納税者としては今から不安だと山中氏は言う。 これに日本人の無責任体質がからむ。
2015.09.07
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【中古】文庫 第2図書係補佐 / 又吉直樹【画】 私:又吉直樹氏の「火花」を読んで見たいと思い、文藝春秋を買って、読み始めたが、なんだか、つまらなくなり、2、3頁で放り出した。 芥川賞の選考員の一人の村上龍氏も似たようなコメントをしていたようだ。 ところが、今朝の新聞読書欄の「売れてる本」コーナーで又吉直樹著「第2図書係補佐」の紹介があった。 A氏:「火花」の売れ行きにつれて過去の本も売れているのだろうね。 私:本作は、又吉のエッセー集。 エッセーの題名には太宰治から村上春樹まで、名作文学の題名が並ぶ。 だが大半は、これらとは関係のない話が語られるという。 又吉に小説の執筆の依頼をした編集者は、彼のエッセーからその文才を見出したという。なるほど、確かにエッセーのうまさは際立っていると評者は言う。 エッセーだから、気軽に読めるし、彼の文才にふれてみたいと思い、図書館に予約した。 A氏:書評によると、テレビでマラドーナを見た又吉少年は、その日以来、サッカー部の練習で左でしかボールを蹴らなくなる。周りは大変困る。又吉は元来右利き。蹴ったボールはコースをずれ、パスがつながらなくなる。周りからは「右で蹴れや!」と怒号が飛ぶ。だが、怒号はむしろ、ギャップのあった又吉とチームの間の交流のきっかけになっていくのだという。 私:カフカ「変身」の項では、珍しく小説の中身についてたっぷり触れられる。 虫に変身してしまうという異常な状況に晒されながら、主人公は自分がセールスマンという職業を選んでしまったことを悔いている。 又吉は、そのずれに笑う。 一方、本作が戦時下「運命に身を委ねるしかない」一般市民の不条理が描かれていると知り真剣に再読する。 でもやっぱり「笑ってしまう」のだという。 A氏:小説「火花」には、世間一般との「ずれ」を追求する天才肌のお笑い芸人が登場する。 彼は、それを追求し過ぎて苦難の道を歩むことになる。 お笑いとは「ずれ」である。そして、文学との間に「ずれ」は意外とないのかもしれない。 実際、カフカも自作を爆笑しながら友人に読み聞かせた逸話があるようだという。 私:お笑い芸人と文学。ギャップがあるようでない。 それがこの一冊から強く感じられるという。 読むのが楽しみだね。
2015.09.06
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私:保守論客佐伯氏の9月分の寄稿。 資本とは、それを元手にして利益を生み出す資金である。したがって、資本主義とは、元手となる資本をたえず増殖させる運動である。 この資本増殖が、われわれの生活に役立つモノの生産やサービスの提供をもたらせば問題はないのだが、ただ金融市場を資本が回るだけで元手が増えるとすれば、困ったことであると佐伯氏は言う。 A氏:カジノ資本主義だね。 私:どうしてこういうことになったのか。 今日の先進国では、どれほど新たな技術開発を行い、新製品を次々と市場へ送り出しても、さして大きな利益は得られないからである。 そこで中国などの新興国の市場を当てにすることになる。 しかし新興国経済は十分に安定していない。 となると、先進国もたえず景気後退への不安を抱えることになり、また傾向的な成長率の低下にさいなまれる。 つまり、グローバル市場は激しい競争をもたらすわりには、さして成果を生み出していないという訳だ。 A氏:水野一夫氏の言う「資本主義の終焉」だね。 アベノミクスは、脱デフレと景気回復を掲げたいわば緊急措置であった。第1の矢である「異次元的金融緩和」は、脱デフレに向けた強力なカンフル剤であった。そして、一定の成果をあげたことも間違いない。 しかし、それがさらに過剰な貨幣供給をもたらし、投機資本に餌をばらまくという危険と隣り合わせであったことも事実だという。 私:しかし、そもそも景気が十分に浮上しない最大の原因は、日本経済はすでに資本も生産能力も過剰になっている点にある。 日本社会は、少子高齢化、人口減少へと向かっている。 こうした社会においては、市場はさして拡張しない。 つまり、モノをいくら生産しても、それを吸収するだけの十分な需要が発生しない。 A氏:「デフレの正体」の藻谷浩介氏の考えと同じだね。 私:「異次元的に」供給される資金を、国内の長期的な産業基盤や生活基盤として国内で循環させることこそが重要であるが、これらは即効の利益を生み出すものではないからそれを市場競争に委ねるのは無理である。 短期的な市場の成果主義ではなく、長期的な公共政策こそが求められている。 われわれは一刻も早く、貪欲で即物的な金融中心のグローバル資本主義から決別しなければならないと佐伯氏は強調している。
2015.09.05
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私:国会で審議中の安保関連法案をめぐっては、6月4日、衆院憲法審査会に参考人として招かれた憲法学者3人全員が「憲法違反」と指摘。自民党推薦の長谷部恭男・早大教授までも違憲とした。 A氏:そこで、自民党は「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも内閣法制局でもない」という論理を出してきたね。 私:そして、政府や自民党は、75年以上前の砂川事件の最高裁判決を法案の合憲性の「根拠」に挙げ出す。 この主張は、最初、公明党から「集団的自衛権を視野に入れた判決ではない」などと反発を受け、一時は「封印」されていたが、「最高裁こそ権威」との訴えを支えるものとして再び使われるようになった。 安倍首相は同26日の衆院特別委員会で、「平和安全法制の考え方は砂川判決の考え方に沿ったもので、判決は自衛権の限定容認が合憲である根拠たりうる」と答弁。 同判決が集団的自衛権の行使を容認する根拠になると明言。 A氏:これに対し「憲法の番人」のトップを務めた当の山口繁・元最高裁長官が昨日の朝日新聞のインタビューで集団的自衛権の行使を認める安保関連法案を「違憲」と指摘し、安倍政権による憲法解釈の変更や立法の正当性に疑問を投げかけた。 「最高裁こそ権威」も危なくなってきたね。 私:さらに山口氏は「日米安保条約5条では、日本の領土・領海において、攻撃があった場合には日米共同の行動をとるとうたわれている。 米国だけが集団的自衛権を行使して日本を防衛する義務を負う、実質的な片務条約。 日本が米国との関係で集団的自衛権を行使するためには、安保条約改定が必要で、それをしないで日本が米国を助けに行くことはできない。 しかし、条約改定は、様々な問題が噴き出して大変なことになる。 政府はどう収拾を図るつもりなのかと、逆に安保条約改訂をしなくていいのか、と山口氏は疑問を呈しているね。 A氏:山口氏は砂川判決で扱った「旧日米安保条約」は日本には自衛権を行使する手段がそもそもないのだから、集団的自衛権の行使なんてまったく問題になってない。 砂川事件の判決が集団的自衛権の行使を意識して書かれたとは到底考えられないという。 私:集団的自衛権を行使したいのなら、山口氏が指摘するように9条を改正するのが筋であり、正攻法だね。 安全保障環境の変化への対応は理解できるが、何かやり方が姑息だね。
2015.09.04
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】マリアビートル [ 伊坂幸太郎 ] 私:「映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!」というどこかの書評か宣伝に乗せられ、図書館から借りた。 文庫本で600頁近い長編だが、たしかに場面の展開にスピード感があり、2日間で一気に読了。 第7回大学読書人大賞作だそうだ。 A氏:あまり聞かない賞だね。 私:日本国内の大学の文芸部、文芸サークルなどのノミネートと投票より選出され、大学生に最も読んでほしい本を選ぶことを目的とした文学賞だという。 エントリー基準が通常の文学賞のような「発表年」では無く「刊行年」であるため、新訳や文庫化なども含まれ、更にジャンルを問わないため純文学、外国文学からノンフィクション、更には通常の文学賞では選考対象にはほとんどならないライトノベルまで含まれ、通常の文学賞ならばまず見られない組み合わせとなったという。 A氏:どういう話なんかね。 私:図書館の要旨によると、次のようになる。 幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような 心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と 「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。 疾走する東北新幹線の車内で、 狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。 映画やマンガ 、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点! A氏:題名のマリアビートルとはどういう意味かね。 私:「天道虫」は「レディービートル」だが、その「レディー」が「マリア様」の意味を持つということで、「マリアビートル」にしたそうだ。 興味があったのは、伊坂氏には当時4才の息子さんがいたそうで、機関車トーマスのファンで、そのためか、トーマスのエピソードをたくさん取り入れていた。 俺も孫が小さい時、トーマスの玩具を沢山買っていたので、懐かしかったね。 パーシーとか、ゴードンとか多くの機関車の名前が、エピソードとともに登場する。 まぁ、こういう娯楽小説もあるのだと、別世界が開いた感じだね。
2015.09.03
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私:戦後70年談話(安倍談話)に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」で座長代理を務めた北岡伸一・国際大学長は31日、日本記者クラブで会見し、安倍談話の「侵略」をめぐる表現について「私の希望としては『日本は確かに侵略した。こういうことを繰り返してはいけない』と、一人称でできれば言ってほしかった」と感想を述べたと言う。 A氏:やはり、有識者会議「21世紀構想懇談会」からも主語の問題である一人称問題が提起されたね。 安倍談話では、日本の行為としての「侵略」には直接言及せず、国際紛争の解決手段として「事変、侵略、戦争」を二度と用いてはならないとうたっただけで、「侵略」は一般論で、日本は主語にないね。 これは日本の植民地支配も同じだね。 これは、このブログの安倍談話と村山・小泉談話の植民地支配・侵略・お詫びの違い でもふれていたね。 私:北岡氏が中心になって取りまとめた懇談会の報告書には「日本は、満州事変以後、大陸への侵略を拡大し」と明記されている。 これが無視された談話だね。 報告書には「複数の委員より、『侵略』という言葉を使用することに異議がある旨表明があった」との注釈もついたが、これについて北岡氏は「異議を唱えたのは(16人中)2人で、この2人も満州事変が侵略であることは認めている。(報告書に)書くのはどうかということだった」と強調したという。 A氏:安部首相は、「村山・小泉談話」と違い日本の戦争を侵略戦争と明確に認めたくなかったのだろうね。 また、北岡氏は、安倍談話全体の評価としては「満足している」としつつ、談話が「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とした点について、「(首相は)『もうおわびしない』と言っているのではない。『私の世代はおわびする』ということだ」と語ったという。 私:「私の世代」はあいまいでもめそうだね。 終戦の時、小泉元首相は3歳、安倍首相は生まれていない。 次世代とは、平成生まれの首相からかね。 次の戦後80年談話のときか、100年談話の時か、はっきりしないね。 有識者会議「21世紀構想懇談会」はその点も明らかにすべきだねところで、「安倍談話」は官僚の作文と思ったら産経新聞が「首相の肉筆」と書いているという。
2015.09.02
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私:「消費大国アメリカ」を象徴する大型ショッピングモールが米国で苦戦している。 中核店舗として客を引き寄せてきた大手百貨店の撤退が相次いでおり、それがきっかけで活気がなくなっていく。 空いたスペースには大学やオフィス、医療施設などが入居するケースも出てきた。 A氏:米国でショッピングモールと呼ばれる複合商業施設が登場したのは50年代。 休日に家族そろって車で出かけ、終日を過ごすスタイルが浸透し、90年代半ばには全米で年間150ほどのモールが新設された。 ところが10年以降、新設されたモールは10カ所に満たない。 私:中核店舗としてJCペニーと、小売り大手『シアーズ』が入ることが多く、「全米のモールの約半分に両社が入居している」(米不動産の調査会社)という。 しかし、この両社は最近、業績不振にあえぐ。 買い物をネットで済ませる消費者が急増し、実店舗が主力のデパートに行かなくなったためだ。 JCペニーは10年以降に全米約60店舗を閉め、今年4月にはさらに40店舗を減らした。 シアーズは、15年2~4月期まで約3年間(11四半期)続けて赤字を出し続けた。経営危機がささやかれるほどだ。 A氏:不振モールが多い中、高級百貨店が入る富裕層向けのモールは各地で堅調だ。 ニューヨーク郊外のウェストチェスター地区には、高級百貨店ニーマン・マーカスやティファニーなどが入る富裕層向けモールと、中級のデパートや手ごろな専門店が多いモールが近接する。 二つを比べると、小売りの業績の目安となる1平方フィートあたり売上高は、富裕層向けが3倍超と差がある。 私:背景には米国の中間層の疲弊があるね。 08年のリーマン・ショック後、強力な金融緩和で株価は回復。 株を多く持つ富裕層は株高の恩恵を受け購買力が高まったが、中間層以下に恩恵はなく、給与も上がらない。 中間層が支えたモール離れは加速し、ディスカウント店や1ドルショップ(日本の100円均一ショップ)に客が流れている。 日本も同じ傾向ではないかね。 三浦展氏著「格差固定」によると、日本でもこの10年で公務員は上流が増え、「現代のお代官様」は洋服代も食費も多いそうだ。 日本も中間層は消えつつあるね。
2015.09.01
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