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私:経済成長と人口の増加で、インドのエネルギー需要は増加。 国際エネルギー機関(IEA)によると、石油需要は昨年第2四半期(4~6月)に日本を抜いて米国、中国に次ぐ世界3位。 IEAは、40年にインドの石油需要は13年の2・6倍、天然ガス需要は3・3倍になるとみており、アナリストは「(爆発的に需要が増えた)10年前の中国と似ている」と口をそろえるという。 A氏:インドは人口の4分の1の3億人が電気のない生活を送り、政府は「22年までに全世帯に給電」と掲げる。 発電用エネルギーの4割を30年までに太陽光などの非化石燃料でまかなうとするが、化石燃料の需要も大幅に増えるのは確実だ。 車の普及もニーズを増やし、インド自動車工業会によると、14年度の乗用車の国内生産台数は約322万台で、26年までに業界規模は3~4倍に成長し、米中に次ぐ世界3位の自動車市場になるとみられる。 私:世界屈指の天然ガス埋蔵量を誇るトルクメニスタンからアフガニスタン、パキスタンを通ってインドに至る事業は4カ国の頭文字を取って「TAPI」と呼ばれ、19年の完成を目指す。 紛争の多い政治的に不安定な地域だが、紛争の論理を超えて、エネルギー需要が急拡大するインドへガスを運べばもうかるという経済的な現実があるという。 タリバーンも「我々はTAPIを支持する」と声明し、計画の最大の障害が取り除かれた。 紛争地帯を通るパイプラインは世界では珍しくない。実現可能だと期待される。 背景には中国への対抗心もある。 中国はトルクメンからのパイプラインを09年に完成させ、中央アジア諸国と関係を深めている。 A氏:中東などの産油・ガス産出国にとって、消費が急拡大するインドの存在感が増している。 昨年末には25年の長期契約に縛られ、高値での購入を余儀なくされていたカタールからのLNG価格を半値に下げさせた。 私:インドは、コメなどの食料供給を産油国に保証し、逆に石油やガスの供給を約束させることも検討中。 水に乏しい湾岸諸国がアフリカなどで農地を手に入れ、食料を確保しようとしていることに目をつけ、インドのプラダン石油相は今月7日、「すべての湾岸諸国がインドを見ている。インドの石油安全保障と、他国の食料安全保障の問題はつながっている」と語ったという。 明日は、世界の製薬市場で活躍するインドの話題に移ろう。
2016.03.31
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私:同紙は、インドの成長に注目し、「興流インド」欄として、上・中・下3日連載の予定だね。 「上」の主なテーマはインドの軍拡で、インドは今、軍備の近代化と拡張を加速しているという。 A氏:インドは中国などを上回り世界最大の武器輸入国。 2011~15年の武器輸入は世界の総取引の14%を占め、05~10年のおよそ倍増。 米国からはボーイングの哨戒機P8Iを調達し、ロシアから中古の空母を購入して就役させた。 フランスからラファール戦闘機も36機購入し、日本からも救難飛行艇US2の導入を目指して交渉が続く。 私:背景にあるのは、中国の存在。 中国はスリランカやパキスタンなどで、インドを取り囲むように空港や港湾を整備する「真珠の首飾り」戦略を進め、インド洋進出の動きを強めているね。 南シナ海でも中国が勢力圏拡大の動きが続くなか、米国や日本にとっても、中国と対抗しうるインドは重要なパートナーと映る。 インドは、武器の国内生産にも力を入れ、輸入費の負担減と国内産業の技術向上の一石二鳥を狙っている。 A氏:かつて「非同盟諸国の雄」として、東西両陣営から距離を置いたインドだが、近年は、地域の主要国として中国を牽制する役割を期待されている。 米国は、日本が今年から正式参加するインドとの合同海上演習を、南シナ海に近いフィリピン海で行う方針。 ジャイシャンカル・インド外務次官は昨年3月、「インドはバランスを取るだけでなく、地域を主導する強国を目指す」と明言し、インド海軍は昨年10月に海洋安全保障戦略を発表し、インド洋のほぼ全域やペルシャ湾、紅海などを海洋権益での「最重要区域」と設定したうえで、南シナ海、東シナ海をそれに次ぐ「第2区域」に設定。 モディ政権は「アクト・イースト」政策に変更し、アジアでより積極的に行動する意思を鮮明にしたね。 私:インドが今年、ベトナムで人工衛星のデータセンターを建設し、観測データをベトナムなど東南アジア諸国に提供するという。 各国が領有権を争う南シナ海での中国の人工島建設などの動きが念頭にある模様で、インドも中国と国境問題などを抱えており、ベトナムと連携して中国を牽制する意図があるとみられるという。 2月、パリカル国防相は政権のビジョンを「今後10~15年でインドを経済・軍事両面で超大国にする」と踏み込んだ表現で語ったという。 この軍拡の背景にインドの世界最速の経済成長がある。 明日は、その経済成長の話題に移る。
2016.03.30
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私:エストニアの「電子政府」サービスの実態について27日・朝日新聞「ワールドけいざい」欄で詳しくふれているね。 エストニアでは、税の申告や投票、会社の設立登録や薬局での薬の受け取りが、一つのIDカードで済ませられる。 日本の「マイナンバー制度」に似た国民番号制度が定着しているためだという。 薬局では、客が差し出したIDカードを読み取るだけですぐに、医師が発行した電子処方箋と客に渡す薬が、薬剤師のパソコン画面に映し出され、薬剤師はいちから情報入力の必要がある紙の処方箋に比べ、お客さんの待ち時間もずっと少なくて済む。 A氏:これも「電子政府」のサービスによるもので、行政への申請手続きは電子化され、役所や公的機関、薬局や病院が必要な情報をやりとりできる。 病院では患者が別の病院で受けた治療歴もすぐ調べられ、医師は、別の病院にわざわざ問い合わせる必要はなくなった。 私:ICチップ入りのIDカードは、2002年から。15歳以上は所持が義務づけられ、約9割の国民が持つ。 政府のポータルサイトからは税金の申告や会社登録などの申請ができ、インターネット上で本人の意思を確認できる電子署名機能を活用して、05年には電子投票を始めた。 紙のやり取りが減り、労働時間が短縮されて、国内総生産(GDP)の2%分を別の仕事にまわせるとの試算もあるといい、サービス業の生産性向上に貢献しているね。 A氏:ひるがえって、1月に本格運用が始まった日本のマイナンバー制度は、情報流出や個人情報を管理されることに不安も根強く、エストニアのIT事情に詳しい前田陽二氏は、9日(THE HUFFINGTON POST)で主に基本計画と情報公開に大きな違いがあると分析する。 エストニアではIDカードシステム構築にあたっては、1998年に基本方針が策定され、7年ごとに推進計画を示して進度や予算をネットで公開してきた。 建国25年、人口130万人の小さな国で、時間をかけて慎重に「技術だけでなく、法律、体制、予算を同時に検討してきた」のが成功の原因だという。 私:日本はどうか。 利用者の不安の理由は、制度全体の将来像が見えないことも大きいのではないか。 「将来の全体像を示した中で、まず税と社会保障に利用する、といった説明がないと、国民の合意を得ることは困難」と前田氏は訴える。 日本のマイナンバー制度はエストニアのIDカードと同じようにサービス業の生産性向上に貢献できるだろうか。
2016.03.29
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今週、書評で興味があったのは、下記の3冊。 1.『江戸時代の通訳官 阿蘭陀通詞の語学と実務』 片桐一男〈著〉・評者三浦しをん(作家) 江戸時代、長崎の出島にあるオランダ商館が、海外に開かれたほぼ唯一の「窓」だった。商館のオランダ人とやりとりするには、オランダ語ができなくてはならない。 そこで、町人身分である「阿蘭陀通詞(オランダつうじ)(通訳)」が大活躍したという。 通詞の家に生まれたら徹底的にオランダ語を勉強する。 いつの時代にも、言葉を武器に、未知の世界、新しい世界と触れあおうとする人々はいた。 かれらの努力と好奇心が積み重なって、いまがあるのだとつくづく感じたと評者は言う。阿蘭陀通詞の研究を長年つづけ、門外漢でも興味を抱ける本を書いてくれる本書の著者もまた、過去と現在を結ぶ「通詞」だと言えるだろうと評者は言う。 3千円を超える本で厚いと思ったが、一応、図書館予約。 2.『バラカ』桐野夏生〈著〉・評者原武史(明治大学院大学教授) あの日の震災で、福島第一原発がすべて爆発した。 あり得たかもしれない現実を鋭くあぶり出す小説を世に問うてきた著者が、ついにあの震災をテーマとする長編小説に挑んだのが本書であるという。 タイトルの「バラカ」は、震災後に警戒区域で発見された一人の少女の名前を意味する。 日系ブラジル人として生まれながら、中東のドバイで人身売買により日本人夫妻の子とされたバラカは、東京で震災にあい、被曝して甲状腺がんの手術を受ける。 そして日本各地を転々とするうち、自分たちの運動のシンボルとして利用しようとする原発推進派や反原発派と次々に遭遇する。 こうしていつしか原発をめぐる生々しい政治の渦中に巻き込まれてゆくという。 図書館に予約したが待ちが殺到し、諦める。 関連した小説にこのブログでとりあげた「ディアスポラ」勝谷誠彦著があるね。 3,『琉球王国と戦国大名 島津侵入までの半世紀』黒嶋敏〈著〉・評者本郷和人(東京大学教授) 歴史をひもとき、史料をきちんと読んでみると、「島津氏が上、琉球が下」という固定した関係があったわけではないという。 島津氏には島津氏の浮沈があり、琉球には琉球の事情があった。 もちろん琉球が頭を垂れることはあったが、時に島津氏が下手に出ている事例も確認できる。 本書は東アジア情勢の確かな理解を踏まえて、状況とともに変化する両者の関係を丹念に追っていく。 史実を正確に知ることは不可欠であり、そのために本書は有意義な情報を与えてくれる。信頼できる一冊であると評者は言う。 図書館に検索したら、購入していないので予約を諦める。 関連してこのブログに「琉球独立論・琉球民族のマニフェスト」があるね。
2016.03.28
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私:ドナルド・トランプ氏の躍進で、共和党が混乱しているが、話は、2012年の大統領選の後での共和党の全国委員会の報告書にさかのぼる。 ここで、もっとも強調されたのは富裕層の減税や自由貿易などを維持しながら、ヒスパニックの有権者を共和党に引きつけるため、移民受け入れを打ち出すべきだ、という内容だった。 これに共和党支持者の多くが反対し、トランプ氏はそういう人たちの支持を集めているという。 A氏:現在、多くの先進国で三つのことが共通して起きている。 00年ごろから経済の成長が鈍り、分配できる富が減り、次に、高齢化が進み、社会保障を必要とする人が増えていて、より少ない富をより多い人で分けなければならず、富の分配をめぐる争いの解決が困難になっている。 この結果、各国では従来の社会保障の維持を掲げ、移民に反対する政治勢力が台頭している。 さらに、08年の経済危機が追い打ちをかけ、戦後生まれのベビーブーマーが現役を退こうとしていた時に、個人の経済状況が想定よりも悪くなり、年金や公的医療保険などの社会保障がいっそう重要になってきた。 私:そういう背景に、移民で中間層や低所得層で職を失う人もいるし、人口流入による社会の混乱も起きる。 トランプ氏の訴えがこうしたしわ寄せを受けている有権者の共感を得ている。 一方、共和党執行部は、献金をしてくれる富裕層ばかりを気にして、その人たちが恩恵を受ける減税を今でも強調している。 トランプ氏が大統領にならなくても、将来の政治に与える影響は相当に大きい。 共和党の政治家が富裕層だけでなく、労働階級の白人の関心事にも注意を向けるべきだという考えが広がり、それに伴って政界再編が起きる可能性もあるという。 経済的な格差が広がり、現状への不満や転落への不安を抱く人たちがトランプ氏に共感しているからだともいう。 民主党にとっても同じことが言え、ヒスパニックやアジアからの移民が民主党の支持者になれば、組合に所属する白人や黒人ら、従来の支持者との間のあつれきは起きるという。 A氏:米政治の歴史は変化しつつあるね。 私:日本でも最近の朝日新聞社の全国世論調査のデータから、世帯年収が低い層、特に300万円未満の層で自民支持に代わって増加が目立つのは、無党派層で、この層に注目するのは、この人たちが経済的な格差が拡大しているという見方を強くもっているとみられるからだという。 トランプ現象のように格差拡大は日本でも次の選挙に影響があるだろうか。
2016.03.27
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私:今月の「新聞ななめ読み」は2017年度から使われる高校教科書の検定結果を報じる新聞各社の報道を扱っているが、これほど各紙の報道が違うのには驚いたね。 朝日は冒頭で高校教科書の検定に計270冊が合格したとあるが、合格しなかった教科書があるのか明らかでない。 毎日は今回の申請は全10教科で244点で、242点が合格したとある。 2点は不合格なことはわかるが、どうして合格しなかったのか不明。 池上氏が指摘するように。「冊」と「点」とは、どう違うのかわからないし、数字が異なるので、読者は迷うね。 A氏:読売は「今回の検定は26社から244点の申請があり、内容などに6601件の検定意見が付いたが、修正のうえ、取り下げられた2点を除く242点が合格した」とあるが、なぜ2点が取り下げたのかわからない。 ところが、産経を見ると、出版社が「編集方針の変更」で取り下げたことがわかり、かゆいところに手が届く記事というのは、こういうことを言うのだと池上氏の評価は高い。 私:朝日は、教科書検定は、内容に間違いがないか文科省がチェックするものだが、〈過度に内容を縛ってしまうと、子どもの幅広い学びの可能性を損ないかねない〉と記者が指摘しているという。 A氏:毎日は安倍政権が注力した集団的自衛権の行使容認など安全保障に関する記述や、領土に関する表現に対する検定意見が目立ち「安倍カラー」が強くにじむ結果となったと指摘。 読売は、「慰安婦」に関しての記述が見直されたことや竹島と尖閣諸島に関して、〈記述内容の充実が目立ち〉と書いていて、検定結果を評価しているという。 私:しかし、産経の記事には別の問題がある。 この4月から中学校で使用される歴史教科書について、唯一、慰安婦に関する記述を採用した教科書が「最難関校と呼ばれる学校を含め、少なくとも30以上の国立、私立中で採択されていたことが18日、分かった」と書いており、高校の教科書検定に関する記事より大きな扱い。 4月から使用される中学校の教科書は、既に文科省の検定を通っているので、検定を通った教科書を使うことが、どうして大きな扱いの記事になるのか池上氏は疑問を呈している。 産経が所属するフジサンケイグループには、中学校の歴史教科書を発行している出版社があり、そのライバルに当たる教科書出版社の教科書採択を批判的に報道するというのでは、報道の意図を勘繰られかねないと池上氏は厳しい指摘だね。 この教科書検定問題でも朝日、毎日、読売、産経それぞれ個性が出ているね。
2016.03.26
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私:先月だと思うがWOWOWで映画「るろうに剣心」というのを見た。3巻で3日連続で放映したように記憶する。 これを思い出したのは、23日の夕刊に東京宝塚劇場で宝塚歌劇「るろうに剣心」を公演するという広告を見たからだ。 映画では、剣劇シーンで主人公は、剣を振りながら、空を走るように飛び回る。 A氏:和月伸宏氏原作の「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」は、1994年4月に週刊少年ジャンプにて連載開始後、シリーズ売上累計5900万部を超える大ヒットコミックで、アニメや実写映画も次々と大ヒットを重ね、今や世代を超えて多くの人に愛される作品だというね。 私:俺はコミックファンではないが、映画の剣劇の最近の変化に興味があったね。 昔、俺達の子どもの頃の剣劇はチャンバラといって、白黒映画の時代には剣劇のスターがいたね。 片岡千恵蔵、阪東妻三郎、大河内伝次郎、嵐寛寿郎、市川右太衛門、長谷川一夫とともに「時代劇6大スター」と言われ、これに月形龍之介を含めて「七剣聖」と呼ぶ場合もあるという。 月形龍之介は剣道の有段者で映画では真剣を使ったと言われていたね。 大河内伝次郎は隻腕・隻眼の剣客丹下左膳の役で有名。 嵐寛寿郎は鞍馬天狗。 嵐寛寿郎で思い出すのは中国大陸で慰問旅行をしていた時、軍の上層部は昼から慰安婦と遊んでいたことを見て嘆いていたことだね。 A氏:剣劇で多数の相手と戦って有名なのは宮本武蔵の一乗寺下り松の決闘だね。 吉岡一門の百人を相手としたという。 私:武蔵は田のあぜ道を使って、1対1で戦う。 あぜ道の左右は泥田だから、敵は横から攻められないというわけだ。 日本刀の権威の岩崎航介氏は、吉川英治の小説で「武蔵が百人ほどを相手にしたから、武蔵の刃は欠けるはずなのに、刃が欠けたと書いてない、本当の戦いを知っている昔の人は、必ず、刃がノコギリのようになったとか、ささらのようになったとか、弓のように反ったとか描写している。実際の斬り合いを見ていない現代人はスバリスバリと切って刃がなんともならないように考えている」と言って、吉川英治の家に乗り込んだという。 このため、この小説では、後半で刀の研師が登場することになるね。 A氏:後、有名なのに伊賀の上野の鍵屋の辻の決闘があり、これは荒木又右衛門の36人斬りで有名。 私:後に、これ史実でなく又右衛門が斬ったのは相手の幹部3人だということで、これは別な映画で三船俊郎が荒木又右衛門に扮して、鎧姿で、3人を斬っているね。 剣劇も時代とともにCGを使い劇画風になってきたね。
2016.03.25
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私:22日のベルギーの同時多発テロでまた、「イスラム嫌い」が増えるかもね。 今月のピケティコラムは、この同時多発テロ前の原稿だろうが、タイミングよく掲載されたね。 A氏:まず、ピケティ氏はイスラム人口が欧州の人口に占める少ない割合を冷静に示しているね。 実際、EUの人口5億1千万人のうち、およそ5%にあたる2500万人がイスラム文化に属す、あるいはイスラム教徒であるという。 最も多いのはドイツとフランスで、6~7%である(両国の人口計約1億5千万人のうちの約1千万人)という少数派。 この数字はアラブ・イスラム教世界の反対側にあるインドに比べ確かに少ない(インドでは人口の15%近い)し、米国は、人口の1%以下にすぎないというわけだ。 私:議論の方向を変え、移民8300人の生活を、彼らの子孫8200人の生活、さらには外国にルーツを持たないフランス人の生活と比較した研究では、その結果、「不均衡な統合」が明らかになったという。 すなわち、移民の子どもたちは教育を受けたり、移民の出自をもたない配偶者や友人を得たりすることで、両親の話す言語をしばしば重視しなくなり、その一方で、移民の子どもたちは長年失業に悩まされ、同レベルの学歴の他の若者たちと同じような職につけるわけではない。 A氏:経済学者マリアンヌ・バルフォール氏の研究はこの分析を裏付け、イスラム教の家庭出身の若者が職業上の差別をどれほど受けているのかを示している。 手法は簡単で、6231の求人に、研究者が偽の履歴書を送り、応募者の氏名や略歴は無作為にし、採用面接の通知がくる割合を調べた。 結果は気のめいるもので、応募者がイスラム教徒風の名前で、特に男性である場合、返信の割合はがくんと下がる。 こうした応募者で面接の通知を得たのは5%以下で、それ以外の場合は20%。 さらにひどいのは、最高の学歴をもち、考えられる中で最良のインターンを経験した場合でも、イスラム系の男であるという事実の前だと、返信率がほとんど上がらなかったということだ。 別のいい方をすれば、成功のための表向きの条件をいかに満たそうとも、自分では変えられないものに関する差別がつきまとうのであるという。 私:ピケティ氏はそろそろ、欧州とその統合モデルの再起動を、フランスとドイツが打ち出す時で、そのためには債務の一時支払い猶予が必要だし、インフラと教育の分野に大規模な投資をするべきであり、さもなければ、外国人嫌いの衝動に足をすくわれるかもしれないと警告している。
2016.03.24
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A氏:安倍首相は予定通り、22日、3回目の国際金融経済分析会合を開き、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授と世界経済の情勢について意見を交わしたね。 同教授は、君の予想通り、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げの先送りを進言したという。 私:同教授は会合後、記者団に「日本はデフレを脱するための、大気圏を脱するロケットのようなスピードには行っていない。消費税の税率アップは、いまやるべきではない」と語り、そのうえで「(会合で)財政刺激をもっとすべきだと提案した。(アベノミクスの)3本の矢は金融政策に重きが置かれすぎた」と指摘したと報じている。 また、サミットで求められる対策として「(リーマン・ショック後にあった)09年のG20で、協調して刺激策をとるべきだという方向性を発出した。あれと同じことが必要だ」とも語ったという。 A氏:朝日新聞社説では、消費税先送り反対だから、このクルーグマン教授の意見に批判がほしいところだね。 単に増税延期賛成・反対の両論並立だけでなくてね。 私:今日の紙面では朝日新聞紙面協議会の4人の委員の同紙に対する評価と提言が載っていたが、東工大教授中島岳志氏の朝日新聞が大正時代に大正デモクラシーを牽引していた時代があったことを述べていたことに興味があったね。 大正期の「大阪朝日新聞」の中心にいたのは鳥居素川・編集局長、長谷川如是閑・社会部長、丸山幹治・通信部長といった、陸羯南が主幹の新聞「日本」出身の記者たち。 国民主権ナショナリズムを基盤としたオールドリベラリストこそが、大阪朝日の「民本主義」を支えていた。 A氏:この体制が崩壊したのが1918(大正7)年の白虹事件で、朝日バッシングが拡大し、村山龍平社長が辞任。「日本」系の記者たちも次々に退社。 白虹事件以降の朝日新聞は、社内では萎縮・自主規制が蔓延し、ラジカルな政権批判をトーンダウンさせる。 そして30年代以降、結果として戦争に加担する紙面を作り続けたことになる。 私:白虹事件とは、大阪朝日は1918(大正7)年、記事中に「白虹日を貫けり」の言葉を用いた。 「白虹貫日」は中国の古典で兵乱が起こる兆候とされる。 政府が問題視して発売禁止にして筆者らを起訴し、将来にわたっての発行禁止も求めたが、朝日新聞は全面的に謝罪し、発行禁止は免れた事件。 いま取り戻すべきなのは、白虹事件以前の朝日新聞ではないのかと中島氏は提言する。
2016.03.23
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私:英国では2014年にスコットランド独立の住民投票があったね。 投票前から、賛否が僅差で、どちらに行くかわからなかったが、結果も僅差で英国残留となったね。 A氏:独立賛成は約162万票(約45%)だったのに対し、反対は約200万票(約55%)だったね。 投票率は84.6%と、英国の選挙史でまれに見る高さだったという。 さて、今度は「EU離脱」の国民投票で6月に行われる。 私:今度の国民投票でも、賛否の僅差が予想されるようだね。 産業界が離脱支持派と残留支持派に割れていて、ほかのEU諸国と取引が多い大企業は残留を訴えるが、中小企業経営者にはEUの規制などを嫌って離脱を支持する声もあるという。 「EU離脱」となれば、経済の混乱も避けられそうにないようだ。 A氏:中小企業がなぜ、「EU離脱」を臨むかというと、「EU」では労働者の権利を守るため、労働時間や休憩時間などが規制で細かく決められており、条件を満たせば規制の一部は除外されるが、「申請手続きが複雑。一日の半分を書類作りなど規制のために費やす必要がある」からだという。 英国のシンクタンクの試算ではコストがかかる上位100のEUの規制の対応で、2014年の英経済の負担は333億ポンド(約5兆3千億円)だという。 中小企業からは負担が重いとの声が出ているという。 私:逆に大企業は、「無関税」なので「EU」離脱に反対だね。 英自動車工業会の残留支持を表明する3日の記者会見には、自動車大手幹部らが集まったが、会員企業への調査では、77%が「ビジネスには残留が最善」と答え、離脱支持は9%。 単一市場のEU内での取引は関税がなく、輸出とともに部品の調達でもメリットは大きい。 金融機関の営業では、加盟国の1カ国で許可を取ればほかの国でも自由にできる制度もある。 A氏:英政府は残留を呼びかけているが、国民投票で「EU離脱」が選ばれれば、英国の経済成長の鈍化を見込んで資金を引きあげてポンド売りが加速する恐れがあるという。 「EU離脱」となればさらに投資や輸出などに影響が出るとみて、17~19年の国内総生産(GOP)の成長率は計4%落ちると試算されるという。 世論調査では、「EU離脱」賛成37%、残留40%と僅差だね。 スコットランド独立投票のように、僅差で残留が勝つのではないかね。
2016.03.22
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私:書評で読みたい本を選ぶ基準の一つは金額で、二千円以下の本を選ぶ。 理由は、高い値段の本は厚いので、図書館で借りても期限内に読めないからだが、これは本を買っても同じで積読になりやすいのと同じ。 今週は、特に読みたいという本は登場しなかったね。 興味を持ったのは、書評欄の次のページにある「ビジネス」関係の書評だ。 これは毎回、1冊ずつ紹介される。 今週は、「シャープ崩壊 名門企業を壊したのは誰か」日本経済新聞社〈編〉をとりあげている。 評者は森健氏(ジャーナリスト)。 A氏:2月、シャープが経営再建の相手に選んだのは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業だね。 私:創業百余年、電卓や太陽電池など独創的な商品をつくってきた名門がなぜこんなことになったのか、答えは本書の帯に「この惨劇は人災だ」と端的に記されているという。 人事抗争に明け暮れた結果、起きた悲劇で読後感も苦いと評者は言う。 解決法はあったはずだが、経営陣の態度が問題を複雑にした。 社内事情を優先する内向き志向で、人事は情実で采配し、コンサルは5社も次々契約で混乱。 経営能力に欠けるトップが失敗すると、商売敵との交渉まで進める人も出てくる。 読んでいくうち、これはダメだという苛立ちばかり募り、技術者たちは当然だろうが、取材する記者の筆にすら無念の思いが滲むという。 経営実務と社風について戒めの書とも言えると森氏は評価する。 A氏:同日の朝日新聞の「日曜に想う」欄で「鴻海隆隆、シャープ寂寂」と題して特別編集委員・山中季広氏が、シャープ問題をとりあげているね。 山中氏は、台北郊外にある鴻海(ホンハイ)精密工業の本社に取材に行く。 本社は簡素な4階建てで、一見どこかの町工場風だ。 あのシャープがこの鴻海の手に渡るかと思うと寂しさが胸にズンと来たという。 私:東芝を含め家電大手が沈むなか敗因分析が盛んだ。 この数十年、日本で開発された製品から日本の消費者がどれほど誇りや自信をもらったことか。 シャープのワープロ「書院」、携帯端末「ザウルス」、「亀山モデル」の液晶テレビ。 ソニーの「ベータマックス」「ウォークマン」。 お世話になった品々に改めてお礼を申し上げたい気分だと山中氏は言う。 俺も最初の「ウォークマン」にとびついたし、「ベータマックス」を愛用していたね。。 いまも日本の企業エンジニアたちは次世代に挑む。 接客ロボット、無人運転車、通訳機、人工光合成――。 どれも地球規模で暮らしを一変させる力を秘める。 日本の技術がもう一度世界の消費者を夢中にする日まで、意地でも長生きしてみたいと思ったと氏は言うが、同じ世代の俺もそう思う。
2016.03.21
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私:3月26日、道民の「長年の悲願」と言われてきた北海道新幹線が開業するね。 しかし、祝賀ムードの陰で、JR北は深刻な経営危機にあると日比野氏はこの欄で指摘している。 A氏:鉄道事業は年400億円の赤字で、黒字路線は一つもないし、頼みの新幹線も年50億円規模の赤字が出る見通し。 2013年にレール検査数値の改ざんが発覚して国の事業改善命令を受け、安全投資に2600億円を投じねばならないし、このままでは手元資金が枯渇し、21年に経営破綻するとの試算も社内にはあるという。 私:JR北は、年500億円近い赤字が出ることを前提に発足したが、この額から逆算して6822億円の経営安定基金が設けられ、運用益で赤字を埋めるはずだったが、90年代半ば以降の低金利で運用益が半分に減り、収支のつじつまを合わせるために安全投資を削り続けた。 そのツケが近年、事故やトラブルの形で一気に噴き出したという。 A氏:JR北はいま、経営を立て直し、安全最優先の企業へ再生する改革を進めているが、日比野氏の視点からは、政治家や道民の方が、「最後は国が助けてくれる」という「甘え」から抜け出せず、JR北の進める改革の足を引っ張っているように見えるという。 私:国にも問題があり、道庁が1月に開いた地域公共交通検討会議で、国土交通省の川勝敏弘・北海道運輸局長は「運用益の減少はJR北の創意工夫で補うべきだ」と述べた。 赤字体質の会社を発足させた責任を棚上げし、突き放す発言に、座長の岸邦宏・北大大学院准教授も「納得する人はいない」と反論したという。 国には、JR北が安全投資を削るのを知りながら黙認してきた責任もあるから、経営安定基金の積み増しなど、枠組みの抜本的な見直しを進めるべきだと日比野氏は提言する。 A氏:人口減少時代にふさわしい地域の足のあり方を考え、練り上げる責任は、道民にあり、来年は国鉄分割民営化から30年。 それぞれが「甘え」を捨てて知恵を出し合い、全国のモデルとなる新たな鉄道の姿を、ここ北海道から生み出したいと日比野氏は言う。 私:前途多難の北海道新幹線だが、いよいよ来週北海道の原野を走る。
2016.03.20
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私:このブログの「景気足踏み、苦慮の政権 GDP10~12月期、年率1.1%減」でもふれたが、安倍首相らが世界経済について有識者と意見を交わす「国際金融経済分析会合」が16日、始まったね。 この日の初会合で、講師役のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は来年4月の消費増税の延期や積極的な財政出動を提案。 スティグリッツ教授は、2013年に、消費税増税には反対だったが、安倍政権は2014年4月より8%増税に踏み切って、これがその後、消費の落ち込みにつながった。 A氏:だから、「国際金融経済分析会合」にスティグリッツ教授を呼んだのは、消費増税延期の布石か?という憶測がながれたね。 私:16日、首相官邸で開かれた初会合で首相自ら講師に指名したノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ氏が強調したのは、「大低迷」と表現するほどの世界経済の厳しさだったという。 教授は、「2015年は(08年ごろの)金融危機以降、最悪の状況だったが、16年はさらに弱体化し、世界的な需要不足が加速している」と指摘。 日本のアベノミクスによる大胆な金融緩和は評価しつつ、「金融政策だけでは不十分で、消費税は総需要を増加させるものではないので、引き上げは今のタイミングでは適切でない」と述べ、来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう進言したという。 A氏:やはり消費税増税には反対だね。 私:安倍首相は17日、2回目の国際金融経済分析会合を開き、講師役のデール・ジョルゲンソン米ハーバード大教授や元日銀副総裁の岩田一政・日本経済研究センター理事長と、世界経済の情勢について意見を交わし、ジョルゲンソン氏は首相に対し日本の財政を持続可能にするため、消費税増税が必要だと安倍首相に提言したが、会合後、来年4月に予定通り消費税率を10%に再増税すべきかについて「判断は時期尚早」と述べ、明言を避けたという。 岩田氏は世界の金融市場が混乱している原因について解説し、「中国にも潜在的にデフレの懸念がある」と述べたという。 A氏:最後の3回目の会合は3月22日の予定だが、ここにノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大学教授が登場するが、おそらくスティグリッツ教授と同じ意見だろうね。 私:一方、17日の朝日新聞社説は、「経済分析会合 増税先送りの布石か」と題して、増税先送りに反対しているね。 グルーグマン・コラム@NYタイムズを持つ朝日新聞としては22日の同教授の意見は興味があるだろうね。 どうなるか。
2016.03.19
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私:「公式戦で現金やりとり 勝てば「円陣」発声役が総取り 笠原元投手が証言」の問題は、巨人、阪神、西武と続いて、君の予想通り、その後、ソフトバンク、広島、楽天、ロッテと拡大したね。 現在、7チーム。 広島は、試合前の円陣の声出しで、4~5年前から、5連勝した時のみ祝儀として現金を出す習慣があり、一昨年までは1選手について1千円ずつ、昨年は1万円ずつ出し合い、声出しした選手が全額を受け取っており、負けた場合の支払いはなかった。 参加は自由意思で、参加していた選手数は明らかになっていないという。 A氏:楽天は球団の公式ホームページで発表。 2014年の交流戦時期の2週間、野手一人当たりから千円ずつ集め、試合に勝った場合は円陣で声出しした選手がいったん受け取り、その後、選手会の会費にあてられていたという。 ソフトバンクは金銭のやりとりがあったのは、公式戦の試合前に行われる野手の円陣。3連勝や5連勝がかかった試合に勝った時、円陣で声出し役を務めた選手に対して「縁起物」として1人1千円ずつ支払っていた。 試合に負けた場合のやり取りはなく、投手は含まれていなかった。 数年前から昨年まで行われていたという。 工藤監督は「野球協約に違反していなくても、モラル的によくない行為。しっかり自覚してやめなければいけない」としたという。 私:もう一つのニュースの中3の自殺問題「『万引き』冤罪気づけず、失った命 広島の中3自殺」で、非行歴は入試の推薦基準に用いられるべきなのか、対応は学校ごとに異なっていることがわかったね。 自殺のあった中学校と違い、同じ府中町の別の中学では、推薦基準に「学習に意欲的」「指導に従って生活できる」などの項目はあるが、「触法行為」はない。 校長は「法に触れる行為をすれば考慮はするが、あくまで総合的な判断」と話しているという。 A氏:千葉県のある公立中学校長は「非行が続いていたら別だが、一度きりの万引きで推薦しないということはあり得ない」と語る。 非行歴を理由に、一律に推薦対象から外すような基準は設けていないし、生徒の推薦を検討する場合は校長が本人と面談して判断するという。 「生徒が反省し、更生が確認できれば推薦もあり得る」という。 私:3年前に退職した福岡県内の元公立中学校長の男性は、中1の時に喫煙や窃盗を繰り返した生徒を地元の進学校に推薦した経験がある。 教員の生徒指導で生活態度が落ち着き、成績も伸びたからで、「一度のつまずきで全てを判断するような姿勢は、教育と言えないのではないか」という。 自殺した中3の生徒は、学校運に恵まれなかったことになるね。
2016.03.18
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私:身に覚えのない「万引き」の非行歴を理由に私立高校への推薦を断られ、後に自殺した中学3年の男子生徒。 広島県府中町の町立府中緑ケ丘中学校であったことで、学校は3年時に万引きなどの触法行為があれば私学に推薦しないという基準をさらに厳しくし、入学以降の触法行為に広げた。 担任は生徒の1、2年時の触法行為の確認を指示されていたという。 A氏:始まりは、別の生徒の「万引き」を自殺した男子生徒の行為と誤って記録したことだったという。 2013年10月6日、広島市内のコンビニエンスストアから「1年の男子2人が万引きをした」と学校に連絡があり、店に出向いた教諭は7日に生徒指導担当の教諭に口頭で報告。 この教諭はパソコンに誤って自殺した男子生徒の名字を入力した。 聞き間違いか、誤入力だったかは定かでないという。 私:この自殺問題は、この間違った記録の問題と、「万引き」レベルまで記録に残しているというこの学校の生徒に対する指導姿勢も問題だね。 「ゼロトレランス」方針なのかね。 中学時代というのは大人のはじまりで、好奇心が旺盛で反抗心も強い。 つい「万引き」をしてしまうから、きめ細かい指導が必要だが、この学校はどう対応してきたのだろうか。 「万引き」をきちんと指導せず、記録だけ残し、内申書に反映させるというこの学校の教育姿勢が、記録の間違いを気付かせず、「万引き」をしていない生徒を自殺に追いやったといえる。 「万引き」記録主義と生徒の自殺問題とは同根だね。 A氏:生前、男子生徒は「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と親に話していたという。 校長は「教員と生徒の心の交流が欠けていた。彼の悩みを聞き取ることができなかった」と話したという。 私:関西学院大の中村豊教授は、特段の配慮が求められる非行歴を担任が廊下の立ち話で確認するなど、学校の態勢がずさんだったことは否めず、一回でも悪いことをすればその子の芽を潰すようなやり方は、人権の観点からも問題だという。 生徒を信頼し、気持ちに寄り添いながら指導するカウンセリングマインドが希薄だったのではないかと指摘しているが、その通りだね。 そして、教授は部活動の指導や事務量の増加など「世界一忙しい」とされる日本の教員が、生徒と向き合う時間をより確保できるよう真剣に議論すべき時に来ているとも指摘している。 このケースの場合、そうだったか分からないがーーー。 ただ、一人の中3生徒の自殺で終わらせてはならないね。
2016.03.17
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A氏:プロ野球・巨人の4投手が野球賭博に関わっていた問題に続き、巨人1軍の大半の選手が自チームの勝敗を対象に金銭のやりとりをしていたことが13日、新たにわかったと報じているね。 私:遅れて15日には朝日新聞は一面トップで「巨人、現金やりとり横行 円陣発声、勝てば総取り 練習エラー最多で支払い 球団、昨秋把握」と報じている。 同社説では「プロ野球賭博 全球団の調査を急げ」として、巨人と日本野球機構(NPB)が昨年とった対応は、甘かったと言わざるをえないとし、開幕直前にファンの疑念を改めて深めてしまった責任は重く、金額がいくらだろうと、自チームの公式戦に多くの選手が絡んで常態的に金銭が動いていた事態は驚きで、球界の自浄能力に、疑問符がつく。 全球団への調査は熊崎コミッショナーが先頭に立ち、厳しい姿勢で臨むべきだ。検察や警察のOBらによる第三者委員会が必要ではないか」と指摘している。 A氏:写真には昨年のクライマックスシリーズで、阪神との試合前に円陣を組む巨人の選手たちが写っていて中央は現監督の高橋選手が写っているね。 私:社説の指摘が当たったように、15日の昼にテレビで、阪神四藤慶一郎球団社長が、阪神チーム内でも試合前の円陣での「声出し」やノックで現金のやりとりがあったことを認めたね。 私:ところが、15日にはさらに西武も選手が公式戦で現金のやりとりをしていたことが、分かった。 西武の鈴木葉留彦球団本部長は数試合に勝ち続けた場合に「声出し」をした野手が他の野手から千円ずつを受け取っていたと説明した。 巨人、阪神に続き3球団目が登場したが、これですむのだろうか。 A氏:3球団とも、始まった時期や、やり方が似ているから、他球団もありそうだね。 私:企業不祥事に詳しい郷原信郎弁護士は、昨年11月の調査の報告書が不十分で、今や一部の選手の違法行為ではなく、チーム全体で日常的に現金がやりとりされていた可能性が出てきたとし、報告書とは本来、不祥事を生んだ組織内の文化や習慣に踏み込んで原因をあぶり出し、再発防止のために提言されるべきもので、野球賭博の根っこにあるものを絶つための調査、報告が改めて必要ではないか」と指摘しているね。 問題は、選手たちが「現金のやりとり」をした問題と、これを軽くみている球団幹部と日本野球機構の問題と2つあるね。 野球好きの俺にとっては残念だが、プロ野球は史上最大の問題にぶつかった。
2016.03.16
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A氏:このブログでは高浜原発の知的街道ができていたね。 高浜4号機、汚染水漏れ 補助建屋内:原因はボルトの緩み、「高浜原発4号機の再稼働、遅れる可能性 原因解明できず」、「高浜再稼働認めず」、 私:「高浜原発4号機の再稼働、遅れる可能性 原因解明できず」では、4号機の緊急停止のトラブルについて、変圧器の保護機器が原因との見方を示し、さらに調べて原因を確定できれば、対策などをまとめた報告書を7~8日にも原子力規制委員会に出すと報じられていたが、その重要な報告の報道が、その後ないね。 A氏:これはその直後の高浜原発3、4号機の再稼働をめぐり、福井地裁の樋口英明裁判長は14日、住民らの訴えを認め、運転を禁じる仮処分決定を出し、3、4号機の運転は停止されたので、 これで、変圧器の保護機器が原因のさらなる原因追及の報道が消えたのかね。 私:ところが14日の「避難基準値、半数測れず 川内原発周辺の放射線量計 高浜再稼働時、京都66%未設置」の報道で、また、高浜原発が登場したね。 報道では運転中の九州電力川内原発(鹿児島県)周辺に設置されたモニタリングポストのうち、ほぼ半数が事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れないことがわかったという。 そして、高浜原発の周辺でも、計画する数が設置できておらず、事故時の住民避難の態勢が十分に整わないまま、原発が再稼働したという。 A氏:鹿児島県は昨年8月の川内原発1号機の再稼働までに、5~30キロ圏に判断の基準となる48台のポストを設置。 うち22台は毎時80マイクロまでしか測れず、すぐに避難する判断には使えないという有様。 私:京都府は、高浜原発の5~30キロ圏で、規制庁の「5キロ間隔程度」との目安に基づき、おおむね小学校区ごとに41カ所でポストを整備する計画を定めたが、3号機に続き4号機が再稼働した2月末時点で66%にあたる27カ所で未設置。 京都府環境管理課は「設置場所の選定を進めていたが、先に再稼働してしまった」と説明し、今月末までに27台を設置するという。 A氏:「先に再稼働してしまった」とはひどいね。 私:規制庁は「不十分だったり未設置だったりする状態で再稼働するのは問題だ」としているというが、こういう状態では、裁判で再稼動停止の仮処分が出るのは当然だね。 今朝(15日)の朝日新聞社説で「放射線量計 事故の教訓はどこへ」と題してこの問題を扱っているが、「住民が個人で判断できる災害もある。しかし、原発事故は違う。国と自治体の役割と責任ははるかに重いはずだ」というのは正論だね。
2016.03.15
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今週の日曜書評欄で興味があったのは、下記の1冊のみ。 1.『戦国大名の兵粮事情』久保健一郎〈著〉・評・本郷和人東大教授 戦国の合戦を語るとき、つい戦術に目を奪われるが、「戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る」だという。 ところが、確たる兵站の理論など、戦国時代にはなく、それが十分に成熟していないことこそが戦国の合戦、さらには戦国という社会の特色なのだという。 著者は小田原・北条氏を中心とする様々な史料を深く読みこみ、鋭く分析することにより、従来ほとんど語られてこなかった兵粮事情の具体的なありようをみごとに復元してみせる。 たいへんな労作で、戦国の軍隊はいかに食べ、戦ったか。「イメージとしての戦国」に飽き足りぬ方々に、おすすめの一冊であると評者は言う。 厚くない本なので図書館予約。 2.『あの日』小保方晴子〈著〉・評・五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授) 話題の本だ。評者は、いわば、まわりの大人たちに振り回されながら、その期待に応えようとして、本人は一生懸命頑張る涙と根性の物語であるという。 研究者の複雑な人間関係、主人公が女性であるがゆえの周囲の特別視といった側面からも読めるだろうと評している。 書評を読んだだけで特に読みたいとは思わなかった。 ところで、今週、東京電力福島第一原発事故から5年が経った。 一体なぜ事故が起きたのか。その原因が、安全性を軽視し、無責任に原発を拡張し、原子力を開発してきた体制そのものにあるのは明白である。 関係者に責任をとらせ、この体制そのものを解体しなければ、原子力をめぐる問題は、これからも生み出されるだろうということで、同じ読書欄の「ニュースの本棚」(大島堅一・立命館大学教授評)では、原発に関する図書をとりあげている。 この中から下記、2冊に興味を持ち、図書館予約。 1.小森敦司著『日本はなぜ脱原発できないのか』 いわゆる「原子力村」の内実を見事に明らかにしていて、福島原発事故後初のエネルギー基本計画策定過程で、政府が国民から集めた意見の9割が原発反対であったことを経産省は隠した。 原子力死守の動きをえぐり出し、白日の下にさらしたくだりは圧巻であるという。 2.study2007『見捨てられた初期被曝(ひばく)』(岩波科学ライブラリー) 事故発生直後に防護体制が全く機能しなかったこと、さらには、被曝被害が小さく見せかけられてきたことを実証した貴重な文献である。 被害の矮小化は、原子力規制委員会が作成した原子力災害対策指針に事故の教訓が生かされていないことにもつながっているという。
2016.03.14
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私:テレビで5年前の東日本大震災の津波のものすごい破壊力の姿を映しているが、流れている家を見ると地震では破壊されていない家が多いように思うね。 大津波に気を取られ、地震の震度を忘れがちだが、震度は7でかなりのものだ。 しかし、家の建築は耐震性があったのか、地震で倒壊した家が津波で流れていくシーンはあまり見なかったね。 A氏:12日の「私の視点」のフランシス・ゲスキエール氏によると、2011年3月の東日本大震災から、5年の間を振り返ると、自然災害の恐ろしさを思い起こす一方、安全な都市をつくる日本の優れた技術に、改めて気づかされるという。 日本は、高度経済成長期を経て、最も強固な建築基準法や建築行政を確立した国の一つとなった。 1995年の阪神・淡路大震災では、81年に改定された新耐震基準の建物と、旧耐震基準の建物で、被害に顕著な違いがみられ、成熟した建築基準や建築行政によるリスクの軽減効果は明らかだという。 私:阪神・淡路大震災でさらに、耐震基準が改定されたようだね。 一方、低中所得国では、建築基準などの規制づくりや、その規制を有効活用する建築行政の整備が遅れていて、昨年のネパール大地震では、周辺国を含め8900人以上が死亡し、2010年のハイチ大地震では22万人以上が犠牲になった。 過去10年間に世界で起きた自然災害のうち、低中所得国で発生したのは全体の53%だが、犠牲者は低中所得国に93%が集中しているという調査もあり、最新の科学の恩恵を享受できない国々では、無秩序な都市開発が災害のリスクを拡大させている。 A氏:世界的な都市化の進行で、途上国を中心に、50年までに世界で新たに10億戸の住居が建設されるといわれており、昨年3月に仙台であった第3回国連防災世界会議で採択された世界の防災指針「仙台防災枠組 2015―30」では、途上国でも厳しい建築基準を設けるだけでなく、それを守る人材や検査体制を整備する重要性が指摘された。 日本における基準とその運用の仕組みを、低中所得国と早急に共有する必要があるとゲスキエール氏はいう。 私:世界銀行と日本政府は共同で14年、東京に「世界銀行東京防災ハブ」という活動拠点を作った。 専門チームが、防災に関する日本の技術やノウハウを、途上国の開発計画の初期段階から盛り込む役割を果たしているという。 世界で急速に進む都市化で、途上国では今世紀中に地震だけで260万人が犠牲になると予想されている。 日本は、途上国でも「防災の主流化」が進むよう、世界でさらにリーダーシップを発揮して欲しいとゲスキエール氏は期待している。
2016.03.13
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私:年をとると医者に行くのが自然に増えるね。 そして、「あの医者はいいとか、悪いとか」医者の評価もするようになる。 近所の知人の老人が、治療が大変なので総合病院の医者は手術をすすめるが、拒否している。 理由は、その病院の手術例が少なく、手術の腕前を信じていないらしい。 別の知人の老人も総合病院で手術をすすめられたがやはり拒否して、逆にベテランの老いた町医者に切り替えたね。 A氏:日本の歴上始まって以来の高齢者社会の到来で、いくら医療技術が進んだと言っても、経験したことのないような老人の多様な症状に医者が対応するのは大変だね、 認知症患者も増えるだろうしね。 私:ところで、この「私の視点」欄で述べているが、2017年度から医師の専門医制度が変わり、従来の2年間の初期臨床研修に加え、内科や外科といった基本領域から一つを選び、さらに3年間の研修を受けるのだという。 高齢化が進む日本では高血圧、糖尿病、骨粗鬆症など複数の疾病がある患者が増え、在宅医療や地域医療の分野では医師に幅広い知識が求められ、専門医の質も高める必要があるためという。 しかし、新制度導入のお題目は立派だが、問題もあるようだ。 A氏:心臓血管カテーテルや内視鏡などの高度な医療技術を身につけるには時間がかかるのに、新制度では循環器内科や呼吸器内科の専門的なトレーニングを始めるのは早くても30歳。 研修を終えるのは30代半ば以降になる。 一方で医師の引退時期は変わらないのだから、スタートが遅れれば実質的に専門医が減ることになる。 命にかかわる高度医療を受けられない患者が増えてしまうと考えられるという。 私:さらに、新制度は地域医療にも大きな打撃を与える可能性があるようだ。 これまで主に大学病院は研究、国公立・民間病院が地域医療を担い、若手医師の多くは後者での研修を希望してきた。 ところが新制度では、大学病院などでしか治療していないようなまれな疾患も、全員が経験するよう求められている。 そのため、民間病院の多くは大学病院と連携することになり、研修を受ける医師は大学病院でも一定期間の勤務を求められる。 逆に、大学病院からも地域の病院に医師が派遣されることになるが、地域の病院に直接就職する医師と、大学病院から短期で派遣される医師に同じことは期待できない。 大学病院の医師は「お客様」として経験を積むために勤務するのであり、地域の病院の医療スタッフを教育したり、退院した患者を外来で長期間にわたってフォローしたりする役割は担えず、地域医療への影響は避けられないという。 どうもピンピンコロリが一番いいようだね。
2016.03.12
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私:2大政党の一つ共和党の大統領選候補者選びで、トランプ氏の快進撃が止まらないが、彼の演説の特徴を現場で聞きながら、国末氏はその特徴をよくまとめているね。 A氏:国末氏は、トランプ氏がテキサス州フォートワースで2月末に開いた演説会をのぞいてみたが、ほとんど白人ばかり数千人の参加者を前に、堂々と、よどみない口調で、彼は1時間近くしゃべり続け、冗談と皮肉を取り混ぜて会場を沸かせ、話の途中で次々とテーマが変わり、内容が拡散する。 私:その言葉を聴きながら「何だ、話しぶりも論理展開もそっくりじゃないか」と思い浮かべた人物がいて、国末氏がフランスでの特派員時代に接した右翼「国民戦線」前党首ジャンマリ・ルペン氏だという。 共通点を3つあげている。 (1)標的を定めて攻撃 すべてを味方と敵に分け、敵を徹底的にののしる。豊かで鮮やかな罵倒表現。断定、決めつけ、単純化の姿勢は共通する。 (2)庶民の言葉で語る 自らの言葉で語る両氏の演説に、偉人の言葉や故事成句の引用のようなものはない。 代わりにあるのは、単純な言葉の2度言い。「これはダメ、これはダメ」と繰り返すことで、話にメリハリを付ける。 (3)説教でなく共感 トランプ氏やルペン氏は説教をしない。日常に不満を持つ市民とともに喜び、怒り、留飲を下げる。つまり、人々は問題への解決が欲しいわけではないのだ。そう簡単には解決策が見つからないことなど、言われなくてもわかっている。求めているのは、問題があることを理解し、一緒に憤慨してくれる人物だ。 A氏:これに対し民主党のヒラリー・クリントン氏の集会を訪れたら、才覚と経験を誇るクリントン氏は次々とデータを披露し、政策を訴えるので、聴いていて、まるで教室で叱られた少年時代の気分になるという。 トランプ氏と逆だね。 私:国末氏は、現代の米国は行政機構がしっかりしており、多少変な人物がトップに立っても大崩れしないだろうという。 「本選ではどうせクリントン氏が勝つ」との安心感もあるが、それでも間違ってトランプ氏が当選した場合、少々のお笑いで済むかどうかが、問題だという。 アイオワ州立大学元教授でジャーナリストのディック・ハウズ氏は「トランプは単なるポピュリストにとどまらない。親しみやすい独裁者になり得る」と心配した。 もしそうなら、後で「しまった」と思っても遅い。 米国に限らず、繁栄と安定が長い文明社会はしばしば、火遊びや疑似冒険をしたがると国末氏はいう。 どうも世界的な賭けのようになってきたね。
2016.03.11
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私:このインタビュー欄は東日本大震災の復興に関するものだが、富山氏の意見は、東日本だけでなく、日本経済の成長一般についても言えると思った。 氏の会社は福島、岩手などのバス会社を子会社にして経営再建を進めているが、今抱えている悩みが、運転手の人材不足だという。 A氏:高齢者のバス利用が増える一方で、少子化と首都圏への人口流出で働き手は減少。 団塊世代の大量退職に端を発する人手不足が、中小企業を中心に東北全体に広がりつつあり、とくに交通、飲食、小売り、介護などのサービス産業で目立つというね。 私:人口減社会で人手不足を解消するには、従業員1人あたりの生産性を高めるしかないが、経営の効率化を地道に進めた結果、バス会社の業績は好調だという。 この数年で賃金は約1割上昇したという。 トヨタのような世界トップの生産性を誇る企業がさらに経営改善するのは大変な仕事だが、もともと生産性が低い会社には、改善余地がある。 富山氏のような改善コンサルタントが重要な役割を果たしているね。 無駄を省き、精緻な経営を行えば、伸びしろが大きいというわけだ。 A氏:生産性が低いために低く抑えられていた賃金が上昇すれば、消費も拡大する。賃金を引き上げる企業が増えていけば、若者たちは首都圏により高い賃金を求めて出て行かなくても、地元で家族を養い、生活できるようになる。 生まれ育った地域で自立できる内部循環型の持続可能な社会に生まれ変われる。 私:さらに、地域密着型の産業を活性化させるには、中核都市の人口密度を維持する政策が最も効果的。 過疎化が進めば生産性が低下して利益は減り、賃金を上げられない。 数十万人規模の都市に人口、公共サービス、産業などを集約する「コンパクトシティー」化を進める必要がある。 A氏:被災地の将来を考えるとき、富山氏が「希望がある」と強く感じるのは、若者世代の価値観や行動様式が、社会貢献を重んじる方向に進んでいることだという。 これは世界的な潮流で、10代からネットに親しみ、2000年代に成人した「ミレニアル(千年紀の)世代」と呼ばれる若者たちは、ネットを経由して世界中の情報に触れ、世間のカラクリも相応に理解している。 私:「復旧」でなく「復興」を通じ、全国に先駆け、少子高齢化に伴う課題を解決する新しいモデルを提示する秘めたる可能性が、東北にはあると富山氏は指摘している。
2016.03.10
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私:安倍政権は8日、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」の初会合を16日に開くと発表した。 そして、16日の初会合にノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ・米コロンビア大教授が招かれたね。 「首相自らが指名した」という。 A氏:同教授はこのブログの知的街道の一つだね。 「世界の99%を貧困にする経済」、「今週の書評から、ジョセフ・E・スティグリッツ著『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』、『アベノミクスに欠けるもの』コロンビア大学ジョセフ・スティグリッツ教授のインタビュー」 これを読むと、同教授の興味は世界的な格差是正だね。 私:2013年に教授は、アベノミクスの3本の矢は日本経済を立て直らせる正しい取り組み方だと言っており、アベノミクスが成功すれば、やがて人々の実質所得が増え、経済成長率が高まれば、増税にも対応できるようになり暮らしはよくなると楽観的だったね。 A氏:しかし、教授はアベノミクスに欠けているものは、格差是正だと厳しい注文を出していたね。 3本目の矢は単なる成長戦略でなく、格差是正に配慮すべきだという。 これが、アベノミクスに欠けていると言っていた。 私:だから、教授は逆進性を持つので格差が拡大する消費税増税には反対で、経済成長が先だと言っていた。 2013年に、教授は、消費税増税には反対だったが、安倍政権は2014年4月より8%増税に踏み切った。 A氏:消費税増税後の結果はどうだったか。 第2次安倍政権の発足から3年余。 13年通年で313兆円あった実質個人消費は、消費税率が上がった14年は310兆円、15年は306兆円と減り、金融緩和による円安で企業業績を高め、賃上げにつなげて消費を増やす「経済の好循環」への道のりは険しい状況となっている。 私:翌17日に開く「国際金融経済分析会合」の第2回会合に招かれた元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長も、14年11月の消費増税判断の際に「1%ずつ段階的に増税する方が良い」と、2%を一気に引き上げるやり方に否定的な見解を述べていたという。 安倍首相の10%増税の判断には、難問が控えているね。
2016.03.09
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私:「スラップ訴訟」とははじめて聞いたね。 会社などを批判した人が会社から訴訟を起こされることで、元々は米国で生まれた考え方で訴訟を利用して会社に対する批判的な言論や住民運動を封じようとする手法を指すという。 A氏:「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の頭文字SLAPP(スラップ)の略語で、米国で生まれた概念。 直訳は「市民参加を排除するための戦略的訴訟」だが、「恫喝訴訟」「嫌がらせ訴訟」などと訳され、大企業や公的機関、宗教団体などが、市民活動家やジャーナリストなどによる批判を抑圧する目的で、名誉毀損や業務妨害を理由に訴えることを指すという。 私:新聞では1例として、長野県伊那市の例をあげている。 斜面に太陽光発電パネルが並ぶ、その下側に住む土生田(はぶた)勝正さん(66)は2014年3月、パネルを設置した市内の建設会社から6千万円の損害賠償を求める訴訟を起こされた。 12年夏に計画を知り、温度上昇や災害対策に不安を感じた周辺住民は説明会の開催を要求し、土生田さんは「企業の姿勢そのものが不安」などと説明会で発言したら、会社から訴状が届いた。 「科学的な根拠を確認せず計画を批判し、会社が住民の命や生活環境に危害を加えるかのような印象を与えた」。 計画の一部を断念させられて損害を受けた、と訴えていて、被告は土生田さん1人だったという。 A氏:「スラップ訴訟」だね。 私:土生田さんは他の住民と相談し、「反対運動を抑え込む目的の不当な訴訟だ」として、逆に200万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。 長野地裁伊那支部は昨年10月、「説明会で反対意見を述べるのは当然。反対運動も平穏な言論行為だ」と会社の請求を棄却し、会社に対しては「提訴自体が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く」として50万円の支払いを命じ、会社は控訴せず確定したという。 A氏:特定の発言を封じるだけでなく、将来の他の人の発言にも萎縮効果をもたらし、言論の自由に対する大きな問題で法的規制も検討するべきだね。 米国では1980年代、公害への抗議や消費者運動をした市民に、大企業が高額賠償を求める訴訟が多発し、「表現の自由への弾圧」と批判され、90年代以降に防止法が作られたという。 新聞では、日本での「スラップ訴訟」の数例をあげているが、米国同様、日本も弁護士が活躍する訴訟社会に次第になるのかね。
2016.03.08
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今週は、とりあげている書籍が、珍しく2000円以下の小冊子が並んだ。 次の3冊に興味を持ったが、借りて読むほどでなかった。。 1.「小倉昌男 祈りと経営 ヤマト『宅急便の父』が闘っていたもの」森健〈著〉評・萩上チキ(「シノドス」編集長・評論家) 伝説の経営者、小倉昌男。ヤマト運輸の宅急便事業を成功させ、運輸規制と闘い、福祉事業に力を注いだが、だが、なぜ小倉は、福祉の世界に尋常ならざる情熱と財産を注ぎ込んだのだろう。 そんな疑問にあえて立ち止まり、真正面から挑む本がいよいよ現れ、それも、気鋭のジャーナリスト、森健氏による力作。 小倉が「困っているひと」に寄り添うようになったのは、それが自身の問題であったためではないか。 大きな正義のためでなく、身近な困りごとのために、闘わざるを得なかったひと――。そう捉えると、途端に小倉の姿が身近に感じられてくる。 小学館ノンフィクション大賞受賞作。 俺は小倉の運輸規制との戦いのドキュメントが読みたかったね。 2.「シャルリとは誰か?人種差別と没落する西欧」エマニュエル・トッド氏〈著〉・評・柄谷行人(哲学者) このブログの「展望なき世界」に登場するトッド氏の再登場で厳しいフランス批判だ。 氏はこれまでの著作で、世界各地の社会の政治や思想のあり方を、4種類の家族形態の違いから、統計学にもとづいて説明してきた。 それによって、彼はフロイトやマルクスとは違った「無意識」の構造を照らしだし、思いもよらぬ省察がそこから生まれる。 トッドによれば、フランスは、4種類の家族形態が地域的に分布している(欧州では)唯一の国である。 それが歴史的にフランスの特異な在り方をもたらしてきた。 たとえば、中央部にフランス革命がある一方で、周縁部では中世的なカトリック信仰が残っていた。 このような地盤がここ20年ほどのうちに急激に変容したのである。 異教を排撃するのは、自らの宗教を信じていない時である。 トッドの考えでは、フランスに反イスラム主義が生まれたのは、カトリックが衰退してしまったからだ。 自分の信じていた宗教を冒涜する、ゆえに、他人の宗教を冒涜する権利と義務がある、と彼らは考えるというわけだ。 痛烈なフランス批判だね。 3.「医療政策を問いなおす」島崎謙治氏〈著〉、「貧困大国ニッポンの課題」橘木俊詔氏〈著〉・評・諸富徹京大教授 日本の医療制度が様々な問題を抱えているのは事実だ。 他方でそれは、世界で最も成功している医療制度でもある。 国際比較に照らしてみれば、日本の医療は国民皆保険のもと、誰もが医療機関にアクセスでき、比較的高い水準の医療を保ちつつ、医療費の制御に成功している。 問題は、少子高齢化などで今後もその成功が続く保証がないことだろうね。 両氏とも消費税増税の必要性を主張している。
2016.03.07
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私:今月の保守論客の佐伯氏の寄稿は、つめが甘いように思ったね。 とりあげている中心の話題は今年、東大を始めとするいくつかの大学が推薦入試を実施したことだ。 いわゆる受験秀才ではない独自の思考力をもった学生を集め、将来、国際的に活躍できる超秀才、あるいは天才の卵を入学させようというわけで、「小アインシュタイン」を発掘しようというわけだ。 A氏:ムンバイで開催された国際物理オリンピックで銅メダルを獲得した人が理学部に合格したとのこと。 この人は東京都教育委員会による「次世代リーダー育成道場」にも合格した、という、まさに「スーパー高校生」であり、政府の進める「スーパー・グローバル・リーダー」候補だろう。 さらに、高校時代にもっぱら河川の水質と生息生物の研究に没頭して論文を書いた人が工学部に合格。 また、高校3年で、ニューヨークの国連本部で「難民問題」について模擬国連世界大会で優秀賞を獲得した人は法学部に合格したそうだ。 私:しかし、佐伯氏は、「スーパー・グローバル・リーダー」を若いうちから育成するという今日の政府方針、教育をとりまく風潮には実は大きな疑問も感じるという。 社会において様々な分野での「スーパー科学者」や「スーパードクター」を探しだし、有名人に仕立てるという風潮があることに異論を唱えている。 とくに若い時期には、目にみえた成果などとは無縁の人文的なものに浸り、そのなかで自分の生の意義を問うて悪戦苦闘することはたいへんに大事なことで、挫折を知ることも若者の特権であるという。 A氏:そして、現実には、こころに問題を抱え、対人関係で悩み、社会と調和できないと思っている若者たちは随分と多いのであって、この「普通の」若者が自分の道を見つける場所もまた高校や大学なのであるという。 私:アインシュタインは、確かに彼はずば抜けた数学と物理の才能はあったようだが、学校では決して秀才ではなかったが、数値的成果主義などとは無縁のすばらしい感受性やユーモアのセンスをもった人であったことは疑いないようだと氏は指摘する。 発明王エジソンもそうだね。 日本の理系の出身大学別ノーベル賞受賞者は、東大4人、京大6人、名大3人、東工大1人、長崎医大1人、北大1人、東北大1人、神戸大1人、徳島大1人、山梨大1人、埼玉大1人とばらついていて、東・京大以外のほうが多いね。 それを論じて欲しかったね。
2016.03.06
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私:中東の大国、イランとサウジアラビアの断交は世界情勢にも大影響を与えているので、専門家のイアン・ブレマー氏と田所昌幸氏の両氏に意見を聞いている。 A氏:両氏とも、イランはシーア派、サウジはスンニ派と宗派対立をあげているね。 これは、このブログの「展望なき世界」では、トッド氏は、中東のシーア派とスンニ派の戦争は新たな宗教戦争でなく、イスラム圏でも宗教的信仰は薄れつつあり、人々がその代わりになるものを探している中で起きているという指摘をしているがね。 私:田所氏は、両者の対立は、「アラブの春」以降の中東の不安定化によって激化したという。 日本人には想像しにくいが、アラブ世界では主権国家の権力基盤は脆弱で、「アラブの春」をきっかけに、弱かった政権がばたばたと倒れ、宗教的連帯や地縁・血縁に基づく集団が割拠して内戦が始まり、「権力の真空」が生まれたとみる。 イランもサウジも、それを自分に都合のいい勢力で埋めようとし、勢力争いが起こっているのだという。 A氏:トッド氏の指摘と似ているね。 私:中東ではオスマン帝国崩壊以来、100年にわたってずっと秩序再建に苦闘し続けているというのが実態。 中東に国境を画定し、主権国家の秩序を打ち立てるのは簡単でなく、事態が急激に改善することは望み薄だという。 A氏:イアン・ブレマー氏は、米国が主導したイランとの核合意で、米国とイランとサウの関係は、この1年ほどで、物事がものすごい勢いで正反対の方向に動いたという。 私:氏は、シェール技術で、サウジは経済的にも原油安による厳しい圧力にさらされ、こうした状況下で今後、サウジがイランに挑戦的な姿勢で臨む可能性もあるが、両者の紛争以上に、サウジ自体の政情不安を懸念しているという。 また、米国にとってもISは最重要課題だが、最も重要なのはシリア問題の深みにはまらないことで、ISの打倒ではないとみているね。大統領選に現れている孤立主義だね。 世界の地政学的なリスクが高まるなか、景気は減退期にあり、政治状況は悪化。 テロ、サイバー、難民など歴史的にも直面したことがないリスクも増えていて、われわれは、これらにどう対処していくのかを突きつけられていると両氏とも悲観的だね。
2016.03.05
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私:ここ何年か夫婦別姓を選択できるという制度が憲法との関係で議論されてきたが、昨年12月、最高裁は「夫婦は同姓」と定めた民法を合憲と判断したね。 A氏:しかし、日本で夫婦が同じ姓を名乗るようになったのは、1898年(明治31年)の民法制定以来のことであって、もちろん、古代の日本は夫婦別姓であったことはよく知られれているね。 私:愛知県・立大丸山教授は、この新聞欄で正倉院文書のなかには、反古(ほご)として使われた古代の戸籍が残っているものを夫婦別姓の例として引用している。 702年の筑前国嶋郡川辺里(福岡県糸島地方)の卜部乃母曾(うらべののもそ)さん(49)の戸籍によると、母は葛野部(かどのべ)さんで、卜部ではない。 葛野部さんは卜部さんと結婚して、戸主の卜部さんを産んだ。 2歳年下の妻は卜部さんなのだが、これは結婚して同姓になったのではなく、もともと同じ姓だったもの。 A氏:日本には中国のような同姓不婚の慣習がなかったので、同じ姓で結婚することは珍しくない。 地方では同族に限らず、同じ姓が多く、ちなみに721年の下総国葛飾郡大嶋郷(東京都江戸川区・葛飾区)の戸籍など、全人口の9割が孔王部(あなほべ)さんだという。 違う姓の人は妻で、他の郷から入籍したと考えられる。 私:日本の氏姓は、天皇から与えられて、天皇に奉仕するかたちを示す標識のようなものだった。 住んでいた地名によるものと、職業に由来するものとがあったが、卜部さんなどは本来占いを職業にしていたのであろう。 同じ姓だからといって、必ずしも同族というわけではなかった。 古代の日本で姓がないのは、姓を与える側の天皇・皇族と、奴婢(ぬひ)などの賤民だけであった。 A氏:正倉院には、献納された宝物として、聖武天皇や光明皇后が自ら筆写した典籍があり、皇后が書写した「楽毅論(がっきろん)」もその一つで、末尾には、日付が書かれ、その奥にひときわ大きい字で、光明皇后の署名が「藤三娘(とうさんじょう)」(藤原氏の三女)とある。 藤原という姓は、光明皇后の祖父中臣鎌足がその死の直前、天智天皇から賜ったもので、鎌足の子である不比等の三女が、後の光明皇后だ。 この「藤三娘」の署名は皇后が44歳のときのもの。 新聞には、その達筆な署名の写真が掲載されている。 結婚前の姓である藤原氏の娘であることに、ゆるぎない自信をもった皇后の姿が見えてくるような気がすると丸山教授は指摘する。
2016.03.05
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】世界の権力者が寵愛した銀行 [ エルヴェ・ファルチャーニ ] 私:欧州の銀行の中を、巨額の「汚れた金」が通ってタックスヘイブンへ向かう。 タックス・へブン、すなわち、ヘブン(heaven天国)でなくヘイブン(haven逃避地)に向かう。 A氏:この本はこのブログの「日曜書評を読む・11月22日」の2冊目で紹介していたように世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だね。 私:中味は、「事実は小説より奇なり」だが、俺が興味が持ったのは、この日本訳の監修をした橘玲氏の前書きだね。 氏は、ヨーロッパのタックスヘイブン事情を知らないと、日本の読者は主人公の行動が理解できないだろうということで、長い前書きを書いている。 A氏:ポイントはヨーロッパとは日本人が考えるような「国家」の集合体でなく、「できそこないの帝国」だという。 私:近世の歴史学では15世紀から18世紀にかけて、中華帝国(明・清王朝)、インド帝国(ムガル帝国)、イスラーム帝国(オスマン帝国)、ロシア帝国(ロマノフ朝)、ヨーロッパ帝国の5つの帝国が世界を分割していたと考える。 しかし、ヨーロッパ帝国だけは地理的・歴史的・政治的なさまざまの理由で「内乱」を繰り返していて統一できず、群雄割拠の戦国時代が延々と続いた。 辺境だったヨーロッパで近代が始まったのは、兵器開発のために科学と進歩を必要としたからだという。 A氏:このブログの「ヨーロッパ覇権史」でふれている「軍事革命」だね。 「産業革命」のもとにもなるね。 私:「できそこないの帝国」のヨーロッパに近代になってフランス、ドイツ、イタリアなどの主権国家が成立するが、その過程で本来「国家」になれるはずもないのに、歴史の偶然から「主権」を手に入れた地域が生まれた。 モナコ公国、リヒテンシュタイン、サンマリノ、アンドラ、ルクセンブルク、マルタ、キプロスなどなどだ。 A氏:こうしたミニ国家・地域は規模が小さくて自立できないので、「主権」を利用して金融機関や富裕層に有利な税制を定めることで生き残りをはかる独特の戦略を採用した。 私:それがタックスヘイブンだというわけで、国民一人あたりのGDPをみればその戦略効果は明らか。 ドル建てで第1位はヨーロッパのタックスヘイブン、ルクセンブルグで11万2000ドル。 日本は24位の3万9000ドル。 今では、全世界の銀行預金総額の5分の1をタックスヘイブンが保有し、グローバル経済の隠れた中心だという。
2016.03.04
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私:関西電力は29日、高浜原発4号機で発電と送電を始めた直後に変圧器周辺でトラブルが起き、原子炉が自動で止まったと発表したね。 A氏:このブログの28日の「高浜4号機、汚染水漏れ 補助建屋内:原因はボルトの緩み」でその対策の甘さで、この原発の管理体制に疑問を持っていた君の予感が当たったね。 私:2月29日午後2時、発電と送電を始める作業をしたところ、発電機と変圧器の異常を知らせる警報が鳴って、発電機が自動停止し、これを受けて、原子炉も自動停止。 変圧器の保護のために電気が流れすぎると警報を鳴らす装置が作動していたもので、関電は送電する前に電圧を上げる変圧器周辺で、何らかの異常が起きたとみているが、トラブルの原因はわかっていないという。 A氏:また、原因不明かね。 関電は原因特定まで、再稼働に関わる作業をストップ。 営業運転の開始時期は3月下旬としていたが、「調査には日単位で時間がかかる」とし、遅れる可能性が高まっているという。 私:福島原発事故以来、長い間、停止していたのを再稼働するわけだから、点検をきちんとしていたかどうかだね。 4号機は再稼働前の20日に放射性物質を含む水漏れが起きたばかりで、このときは、ボルト締めをしっかりしていなかったのが原因で、対策は「今後はしっかり、緊張を持ってやります」という精神論だったようだね。 通常、ボルト締めは簡単なようで案外むずかしい作業なので重要な箇所は経験者が行う。 そして、きちんとしめたボルトの位置に線を引き、管理者がその線に一致ししているかを点検して、記録するんだが、関電はどういう対策をとったのかわからない。 精神論では、そこまできちんと技術的な手を打っていないのでないかね。 A氏:今回も原因として送電線に関するヒューマンエラーが出そうだね。 私:ボルト締めの緩みをボルト締めだけの問題にして、他の80個のボルト締めを点検したというが、ボルト締め以外の他のヒューマンエラーを起こしそうな箇所を同時に点検してないように思うね。 これはトラブル対策の「水平展開」というのだが、どこまで水平の広さを展開したのか、問題だね。 原発は機械化・自動化が進んでいるようだが、案外、人手に頼る部分が多く、これが弱点だから、弱点であるヒューマンエラーを十分カバーする、管理・技術体制が重要だがね。
2016.03.03
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私:先週は両氏とも例の不公正な報道に対しては電波停止もありえると述べた「高市総務相発言」をとりあげているね。 これはこのブログの「高市氏の電波停止発言 権力は油断も隙もない」でもとりあげた。 A氏:高橋氏の時評の中に、「世界報道自由度ランキング」で、民主党政権時、11位だった日本は、昨年3月、61位と先進国で最下位にまで落ちこんだという。 だが、そのことに対する危機意識は、意外なほど乏しく、メディアはもう『萎縮』してしまっているのだろうか」とあるのには驚いたね。 私:小熊教授は、興味ある視点から論じているね。 例えば八百屋は野菜を、電器屋は家電製品を扱う専門職である。 もし電器屋が「××社の製品はどれもお買い得です」と言えば、それは公正ではない。しかし「この冷蔵庫は色が白で、高さは何十センチです」としか言わないなら、「ネット通販で十分だ」とみなされるだろう 報道機関の人々は、幅広く情報を集め、それを理解しやすく提示するための専門的訓練を受けており、これが専門職でなくて何だろうか。 ならば、専門職にふさわしい仕事をするべきだという。 情報をただ流すだけで、専門職としての役割を果たしているといえるだろうかと教授は指摘する。 A氏:「文句がつかない」ことだけを重視するなら、政府広報と天気予報だけを流すのが、いちばん「無難」であるだろう。 ふた昔前の、広範に情報を届ける機関がなかった時代なら、それでも一定の役割を果たしているといえたかもしれないが、ネットが発達した現在、そんな報道機関は、誰も必要としていない。 私:現代の報道機関は、情報を広範囲に届けるだけでは十分ではなく、情報を総合し、何が起きているかを診断し、放置すれば悪化することを警告するのは、社会に必要な役割であり、報道の「公正」なあり方であり、いわゆる「権力の監視」という役割も、ここに含まれるという。 A氏:各分野の専門職と協力して、状況を改善するための対策を提示するのも、「公正」な報道のあり方だ。 もちろん特定の政治勢力を、何の根拠もなく支持する報道は、「公正」の範囲を逸脱するだろうが、社会が必要とする対策を実現しようとしている政治的動向を重視した報道をするのは、「公正」の範囲に含まれると思うという。 私:日本の将来は多難であり、専門職である医者や八百屋や電器屋と同様に、報道に携わる人々も、自信と自覚を持ち萎縮せず職務にあたることを期待すると教授は最後に述べている。 ところで29日、田原総一朗氏、岸井成格氏、大谷昭宏氏、青木理氏、鳥越俊太郎氏、金平茂紀氏のテレビで活動するジャーナリスト6人が会見を開き、高市発言に「私たちは怒っている」と題する声明を発表したね。
2016.03.02
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拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 私:「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社刊)というのは本の題名で、拉致被害者・蓮池薫氏の実兄で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」のかって、事務局長であった蓮池透氏が書いたものだ。 その蓮池透氏がこの「淳と隆の週刊リテラシー」の1時間番組に出演した。 私:拉致被害者・蓮池薫氏ら5名は、一旦、日本の土を踏んだら、また、北朝鮮に戻る予定だったのを帰さなかった。 この決断をしたのが安倍首相(当時副官房長官)であったというのは、ウソで、この本では兄の蓮池透氏が、北朝鮮に帰さなかったのだという。 A氏:これは1月頃、国会で民主党が事実かどうか質問しているのだね。 当時の国会でのやりとりが録画で示されていたが、この質問に対する安倍首相の答弁は「私は議員のバッジにかけてもウソを言っていない。それが事実なら議員をやめる」とものすごくいきり立った回答だったね。 蓮池氏は、「では、バッジを捨ててやめればいいではないか」と笑っていたね。 首相は何か痛いところをつかれたような反応だった。 そして、こういう国内の批判は北朝鮮の思う壺だと、安倍首相は蓮池透氏を北朝鮮の工作員とも受け取れかねない発言を付け加えていたね。 私:テレビに出演していた蓮池氏は、安倍首相の北朝鮮工作員呼ばわりみたいな答弁で、安倍首相は器が小さいと苦笑していたね。 また、この件について朝日新聞では安倍首相は、蓮池薫氏に直接、帰国しないように携帯電話で確認したと報じているというが、蓮池薫氏は北朝鮮から帰国したばかりで携帯電話などもっていなかったので、これだけでウソだとわかるという。 私:これより前に民主党が拉致問題の質問を首相にしたら、「私は父の秘書時代からこれにかかわっている。そのとき、あなたは何をしていたのか」と、また逆ギレしたという。 この国会の安倍首相の答弁について、上杉隆氏はおかしいという。 上杉氏は、拉致問題については拉致という言葉がない99年頃から、政府関係者に20回くらい取材しているが、その頃、安倍氏の姿を見ていないという。 安倍首相の拉致問題についての自己顕示欲は強いようだ。 安倍首相の答弁に対し、大手マスコミは蓮池氏の意見を対峙させていない。 唯一、MXテレビの「淳と隆の週刊リテラシー」の番組でとりあげているようだ。 それにしても講談社はすごいタイトルの本を出したものだね。 蓮池氏の出版の意図は、風化しそうな拉致問題について、若い人たちに知ってもらいたいということで、すべての事実を書いたのだという。
2016.03.01
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