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私:今月は、こないだの日銀の金融緩和策の変更についての各紙の報道について、「ななめ読み」をしているね。 比較のポイントは、このニュースが金融問題という専門性が強いので、各紙とも、どのくらい読者に分かりやすく書いているかだね。 A氏:見出しを見ると、朝日は「日銀緩和 量より金利重視」、読売は「日銀緩和 量から金利に」。朝日と読売は、ほとんど同じで、毎日は「日銀、長期金利に目標」となっていて、朝日、読売よりは意味がわかるかもしれないが、どうもピンとこないと池上氏はいう。 私:日経の見出しは「日銀、緩和の長期化視野」とあり、要するに日銀の金融緩和政策がなかなか成果を上げないので、長期的な視点から取り組むべく方針を変えたのかと、日銀の金融政策の新方針の本質を見事に言い当てていると池上氏は指摘し、見出しでは、日経に軍配を上げているね。 A氏:次に「中身」の記事の「ななめ読み」だね。 朝日の記事については、せっかく日銀の新政策を知ろうと新聞を読み始めた人は、新聞を投げ出すだろうと、酷評だね。 日銀の政策を子細に見ると、相当危うい橋を渡っていることがわかるが、新聞には、それを読者に伝えて警鐘を鳴らす責務があるが、専門家しか理解できない記事を書いていたら、読者は危機感を共有できなく、読者を置いてきぼりにする原稿を書いていては、民主主義の危機を招きかねないと厳しい。 私:朝日は、1面記事はスペースの制約があるので、解説が必要になり、2面の「いちからわかる!」欄に解説をしている。 これには、「景気を良くしてデフレから脱却するため、国債や金融商品を買い取って『市場に流し込むお金』を増やし、企業や家庭にもっとお金を使ってもらおうとしている」とある。 池上氏は「お金を市場に流し込む」という表現がわかりにくいと、さらにコメントしているね。 これは、読者は何がわからないか、記者がわからないまま記事を書くという典型例で、これは、毎日、読売も同じことだという。 A氏:そこで、池上氏は「模範解答」ともいうべき記事を書いている。 私:長くなるがそのまま引用しておこう。 「民間の銀行は、ふだん現金をあまり持っていないので、互いに資金の貸し借りをしています。『借りたい』という銀行より『貸したい』銀行が増えれば、需要と供給の関係で金利は下がります。 そこで日銀は、民間の銀行が持っている国債を大量に買い上げます。すると各銀行の手持ちの現金が増えるため、資金を「貸したい」という銀行が増え、金利が下がります。これが「金融緩和」です。この金利は返済期間が短いので「短期金利」と呼ばれます。 今回、日銀が目指すのは「長期金利」をコントロールすること。この長期金利は満期が10年の国債の金利です。日銀が金融緩和で大量の国債を買うので、民間の銀行は日銀への転売目的で満期が10年の長期国債を買い込みます。その結果、金利が低くても国債に買い手がつき、長期国債の金利が下がり過ぎました。これを下がり過ぎないようにする。これが今回の日銀の新政策なのです」。
2016.09.30
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私:先月号の「文藝春秋」でエマニュエル・トッド氏は20頁ほどの寄稿で「EU崩壊で始まる『新世界秩序』・ドイツ帝国に突きつけられたノーはグローバリゼーション終焉のサインだ」と述べている。 氏は、10月2~4日に開催される国際シンポジウム「朝日地球会議2016」(朝日新聞社主催)に参加するため来日するが、この新聞記事はその前のインタビュー記事だ。 A氏:エマニュエル・トッド氏は、各地の人口動態や識字率などを分析することで、ソ連の崩壊、帝国としての米国の凋落、欧州共通通貨ユーロの行き詰まり、さらに最近では英国のEU離脱を予見してきたという。 私:先進国社会の分断やグローバル化がもたらす危機についても、早くから指摘しており、「文藝春秋」の寄稿文もグローバル化がもたらす危機で一貫していたね。 昨年のある人口動態調査によると、45歳から54歳までの米国の白人の死亡率は、1999年から上昇していて、自殺や麻薬、肥満といったことが原因で、生活レベルの低下、退職後の不安といった、グローバル化による低賃金の労働力をめぐる競争などが、多くの人にとって耐えがたくなっているという。 これは、グローバリゼーション・ファティーグ(グローバル化疲れ)なのだと氏は指摘する。 トランプ現象もそれを反映している。 A氏:英国の場合、トランプ現象に当たるのはEU離脱問題で、原動力は、あまりにたくさんの移民を受け入れることへの拒否反応であって、英国でも民族や国民という問題が優先課題になったという。 英国の国民投票は、EU離脱を求めた大衆の声と、残留を訴えたエリートたちの対決であった。 英国には、エリートに敬意を払うという伝統があるが、それも指導層が国民の安全を守っていると考えられる時に限られ、国民投票の結果は、グローバル化に対する批判だという。 私:欧州は、国民国家が消滅することへの治療法を生み出しておらず、むしろ重症化させていて、今、EUは解体しつつあり、最後に神話を粉砕したのは移民危機だという。 氏は、民主主義は国民国家の枠組みの中でしかうまくいかない、と指摘している。 国同士が交渉して共通の目的を持つことは可能で、欧州がまだ国民国家の集まりだったころは、偉大な共同プロジェクトの時代でもあり、航空機のエアバスや人工衛星打ち上げ用ロケットのアリアンの開発などが実現したが、欧州が国家間の交渉を飛び越えようとしたときから、なんの決定もできなくなったという。 A氏:民主主義の危機は、(グローバル化した)経済の帰結ではなく、根源には高等教育の広がりがあるという。 高等教育を受けた人たちが階層を形成するまでになったため、受けていない人たちの不平等感が高まり、社会に緊張が生じていている。 教育には、民主主義を可能にする要素とそれを破壊する要素が同時に存在するという。 高等教育を受けても、グローバル化で苦しむ人は少なくない。 私:グローバル化の夢は一致に向かう夢で、すてきだが、非現実的な夢であるという。 家族構造の歴史の力学も同じで、一致ではなく分岐、分散に向かう力学なのだと氏はいう。 氏が予言するようにグローバリゼーションは、終焉に近づいているのだろうか。 TPPどころではなくなったね。
2016.09.29
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私:全く新しい「がん」治療薬「オプジーボ」は、日本の大学の基礎研究から生まれ、日本の製薬会社が世界に先駆けて製品化し、注目を集めているという。 ノーベル賞候補とも目される生みの親・京都大学名誉教授・本庶佑氏にインタビューしている記事が掲載された。 本庶教授は、分子生物学者で、免疫の多様性にかかわる研究などで世界的に知られ、現在、静岡県公立大学法人理事長。2013年、文化勲章受賞。 A氏:「オブジーボ」の基になる物質は、大学院生のちょっと面白い提案から始まった研究で偶然見つかった物質で、どんな働きをしているのか調べたら4年後、意外にも、異物を攻撃して体を守る「免疫」にブレーキをかける役割だとわかり、このブレーキをはずせば、免疫が「がん」を攻撃するのではないかと応用を考え始めたという、初めから「がん」の治療をねらっていたのではない想定外の展開。 私:免疫の力で「がん」を治す試みは、数多く行われてきたものの、いずれもうまくいかず、ほとんどタブーのようになっていたが、素人はそんな「常識」にとらわれずにすむ。 特許を共同出願した小野薬品工業は、1年がかりで国内の製薬会社に共同開発の打診をしたけれど断られ、逆に、こんなのに手を出したら会社がつぶれると忠告されたという。 米国のベンチャーを訪ねて話したら、「やる」と1時間で即決で、その後、別のベンチャーと小野薬品が開発することになり、あとはとんとん拍子。 米国の臨床試験で、手の施しようがない「末期がん患者」の2~3割に効いたという驚くような結果が出て、世界的に注目されたという。 A氏:今回は幸運にもうまくいったが、重要なのは、どんなに確信があったとしても、生命科学はやってみないことにはわからない、ということで、教授は、政府の科学技術政策の司令塔である総合科学技術会議の議員だったとき、基礎研究の研究費はばらまきだと批判され、むしろ、ばらまかないとだめなんだと言ったという。 私:教授は、政府のプロジェクト施策のように、5年間で何かをやる、というのは間違っていて、5年でできるとわかっていることはたいしたことはなく、種をいっぱいまかないと、どれが芽を出すか、わからないし、芽を出しても、枝が出るか、花が咲くか、さらには実がなるのか、わからないという。 基礎研究には幅広くたくさん投資することで、それが何万倍にもなって返ってきて、税収も増えて、リターンは大きいと教授は言う。 A氏:教授は、若い人たちの情熱とエネルギーが今回の幸運を呼び込んだと思うので、若い人が元気になれるような、やる気が出るような、環境作りがきわめて重要だという。 しかし、この20年あまり、大学の基盤的研究費が減るなど研究環境は悪化し、とくにひどい目にあっているのが若い人たちで、大学院に進学し、年に50万円もの授業料を払って奨学金もなし。 博士号を取っても、それに見合った職が少ない、これで進学するとしたらよほどのお人よし。 教授が、先日訪ねたドイツでは、州政府の政策で大学も大学院も大部分が授業料は無料、奨学金もかなりの確率でもらえるという。 私:教授は、大学院の授業料は無料にすべきで、財務省は受益者負担の原則をいい、教育を受けた者が受益者だから負担しろというが、とんでもない間違いだという。 受益者は国であり、国民であって、知の人材を育てることこそが、国にとって一番重要なことのはずだから、税金でまかなうべきで、こんな現状にした国の責任は重いと思うという。 A氏:日本の製薬業界には主要な会社だけでも30社以上あり、多すぎるのではという。 そもそも開発力を持つ製薬会社がある国は日本もふくめて6カ国程度。 それは、高度で知的な総合力が求められるからで、薬の開発は失敗することもあり、リスクが大きいから、資本力がものをいうので、集約化が必要。 私:米国では、バイデン副大統領が「ムーンショット2020」という、4年後までに「がんの征圧」をめざす計画を始めた。 「オプジーボ」のような新しいタイプの免疫治療の登場が大きなきっかけで、それを中心にいろんな、方法を組み合わせれば、「がん」は克服できる、と考えているという。 実現すれば、生活習慣病のような慢性の病気のように、「がん」と人間は共存していけるかもしれないという。 確かに、受益者は国であり、国民であって、知の人材を育てることこそが、国にとって一番重要なことだが、今の日本の大学のシステムを改善しないと、知的な人材が育たないね。 この問題は、下記のようにこのブログでの1つの知的街道をなしているね。 「ホームレス博士」、「高学歴ワーキングプア・『フリーター生産工場』としての大学院」、「博士離れ、止まらない:少ない研究職・企業は敬遠」、「『文系学部廃止』の衝撃」、「東工大、集う文系の達人 中島岳志氏・磯崎憲一郎氏ら次々教授陣に 教養重視の伝統」、「大学病院革命」など。 ところで、今年のノーベル生理学・医学賞はどうなるかね。
2016.09.28
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私:韓国で28日、公務員や記者らに対して3万ウォン(約2800円)を超える食事接待などを禁じる新法「不正請託及び金品授受の禁止関係法」が施行されると報じている。 朝鮮日報は、「接待文化を変える台風」の上陸に、400万人とも言われる対象者や飲食店などは戦々恐々としていると報じているという。 A氏:対象者は、公職者や報道関係者、私立学校職員らで、理由が何であれ、年間に計300万ウォン(約28万円)、1回に100万ウォンを超える金品を本人か配偶者が受け取った場合、刑事処罰の対象になり、最大で3年以下の懲役か3千万ウォン以下の罰金が科せられるという。 私:さらに、関係者がおびえるのが、韓国メディアが「パパラッチ」と呼ぶ申告制度だ。同法は、違反行為の申告者に最大2億ウォンの褒賞金を約束する。 立法の趣旨は、韓国社会に根強く残る不正腐敗の根絶だという。 昨年の国民権益委による世論調査では、59・2%が「韓国社会は腐敗している」と答えているという。 A氏:弁護士会や記者協会などが、憲法が保障する「法の下の平等」などを侵害すると憲法裁判所に提訴したが、憲法裁は今年7月末、同法が腐敗防止に必要だと指摘し、法施行が確定した。 私:ソウルでデザイン会社を経営する50代男性は昨年、大学病院の室内装飾を請け負い、担当の全ての関係者から賄賂を要求されたという。 「露骨に金額を示す人もいた。それが常識になっている」と顔をしかめたという。 不正を正すべきメディアや司法も例外ではなく、8月には、朝鮮日報の主筆が大企業から豪華なヨット旅行などの接待を受け、大統領府に対してこの企業幹部に便宜を図るよう働きかけた疑惑が浮上したため、主筆は辞職し、朝鮮日報は8月31日付朝刊の1面で読者に謝罪する騒ぎになった。 しかし、企業や政治家が、休暇や記念日などで記者に小遣いを渡す慣行は根強く残る。 A氏:一方、与党セヌリ党議員らの資料では、2011~15年に金品授受や過剰接待などで懲戒処分を受けた検事は46人、判事は10人に上る。 「いざという時」に助けてもらおうという知人から日常的に接待を受ける検事は、公然と「スポンサー検事」と呼ばれてきて、最近も最高検察庁の部長検事が、金品などの接待を受けたスポンサーの事件をもみ消すよう担当検事に依頼した事件が発生。 最高検は今月21日、部長検事の自宅などを強制捜査。 今月2日には、仁川地裁の判事が高級車など1億8千万ウォンの金品を受け取っていた疑いで逮捕されたという。 私:韓国が、新興国なみの賄賂社会とは驚いたね。 しかし、打つ手は速いね。 パチンコも2006年に法で禁止されている。 このブログの「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」、2の2 でふれている。 一方、日本も、こないだの政務活動費を不正に受け取ったとして富山市議を氷山の一角として、国会議員、地方議員の政務活動費の不正が問題になっているね。 日本は、前都知事はじめ、議員のカネ(税金)の使い方が、「せこい」体質があるようで、韓国に負けない後進国体質だね。 むしろ、韓国のほうが、パチンコ問題や賄賂問題のように修正行動が速いようだね。
2016.09.27
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私:この欄は、前回、「鴻海精密工業 黒衣の巨人、中小に種まき」と、鴻海精密工業をとりあげていたが、今回は、ゼネラル・エレクトリック(GE)社の進化をとりあげている。 世界的な株価指数のダウ工業株平均は1896年の開始以来、米国の産業構造の変化にあわせて構成銘柄が入れ替わったが、開始当初の銘柄だったGEは、今も残る唯一の会社だという。 それは、GEが、世の中の変化に対応し、進化してきたからだという。 しかし、08年のリーマンショックで、GEは、もうけの多くを金融部門に頼ったため、一時は資金繰りに困るほど経営が悪化。 経営トップのジェフ・イメルト氏は業績のぶれが大きい金融部門を縮小、製造業に回帰したが、昔のものづくり企業に戻るのではなく、最先端のデジタル技術と伝統的な製造業を融合させた新サービスの創造が狙いだった。 私:例えば、納入した医療機器の故障の予兆をつかみ、壊れる前に修理するサービス提供がある。 撮影装置をインターネットに接続し、取り付けたセンサーから得られる膨大な保守データを分析し、故障する前に不具合の部品を交換するので、緊急の修理がなくなり、通常の保守点検の時間も4割削減できた例があるという。 他の医療機器にもこのサービスを広げている。 作った機器をネットにつないで付加価値の高い情報を得る技術は「I o T(モノのインターネット)」と呼ばれ、世界で通信インフラが進展し、通信コストも安くなって可能となった。 GEでは「インダストリアル・インターネット」と名付け、幅広い製品に応用する。 例えば、航空機エンジンから得られるデータを分析し、航空会社に燃費効率のよい飛び方の提案まで行う。 GEはビジネスのあり方も変えつつある。 私:GEのソフトウェア開発拠点「GEデジタル」は米シリコンバレーに拠点を設けて5年。 ここで働く技術者は約1800人まで膨み、トップを含め、その多くは他社からの引き抜きで、オフィスには気晴らしに楽しめるようにゲーム機も置いてある。 機器を適切に動かすには優れたソフトウェアが必要だから、GEはここに顧客を招いてビジネス上の課題を聞き出し、課題解決のソフトを開発する。 2020年に、ソフト事業の売上高を現在の3倍の約1兆5千億円に拡大させる計画で、新しい収益基盤としてハードの上で動くソフトの開発を重視していく考えだという。 A氏;1981年にGEの経営トップになったジャック・ウェルチ氏は、トップダウン型の経営者だったが、01年に継いだイメルト氏もこの路線を引き継いではいるとはいえ、決断後のぶれない姿勢は共通するが、イメルト氏は関係者の話を聞く姿勢を大切にしているという。 変化の激しい時代だから、GEではチーム力を重視する傾向が強まっており、トップのリーダーシップだけでは通用しないのだという。 私:GEのルーツは、発明王エジソンが130年以上前に設立した照明会社までさかのぼり、GEヘルスケア・ジャパンの川上潤社長は、「創業時からビジネスの枠組みを変えずに続ける『130カ年の事業計画』なんてありえない。世の中の変化に応じて、常に自分自身を再定義してきたから生き残っている」と語る。 GEは、世の中の変化に対応してきただけでなく、これからも「インダストリアル・インターネット」で進化して、生き残っていくのだろう。
2016.09.26
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私:国連の予測では50年に世界の人口は100億人に近づき、現在より3割強増加。 一方、穀物生産量は2割弱しか増えないという。 そこに、農業に縁が遠く思えるITが登場する。 例えば、データを駆使し農作業に助言してくれる「精密農業」のシステムは、米種子大手モンサント傘下のクライメート・コーポレーションが提供していて、昨年12月、2021年までに農業からの温室効果ガスの排出を増やさない仕組みを実現する構想を掲げ、窒素肥料を減らす「フィールド・ビュー」を開発。 A氏:人工衛星が撮った農地の画像をネットワークでつないだコンピューターが分析し、端末で結果を見ると、作物の育ちが悪い場所が赤くなるので、地上からはわかりにくかった「異常」がすぐわかる。 一帯に降った雨などの量をもとに作物の育ちが悪い土地に窒素がどれほど残っているか推定してくれる。 窒素は作物の茎や葉を大きくするのに必要だから、土地に含まれた窒素が少ないと、どの程度窒素肥料を足せばいいかも教えてくれる。 私:「フィールド・ビュー」のおかげで、お金がかかる窒素肥料をまく量が減る一方、収穫を増やした例をあげている。 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の調べでは、10年の世界での温室効果ガス排出のうち、25%が農林業や土地利用からの排出で、モンサントは自社の技術を総動員し、排出削減に取り組む考えだという。 A氏:特定の除草剤をまいても枯れない遺伝子組換え作物を育てれば、除草は薬剤をまけば終わるので、除草目的で畑を耕す必要がなくなり、地中に含まれたメタンガスなどの放出が減り、収穫が増えれば、耕地を広げるため森林を伐採する必要もなくなる。 農業が温室効果ガスの排出削減の解決策を握っているという。 私:一方で、工場で食物を生産する技術がすすんでいる。 ニュージャージー州ニューアークの農業ベンチャー・エアロファームズの植物工場では、栽培棚は垂直に積み重なっていて、狭い場所で大量に生産できる「垂直農法」。 発光ダイオード(LED)のまばゆい光を浴びたミズナやケールが茂る。 今月できる近隣の新本社は、年産約907トンの能力を持つ世界最大級の植物工場になる。 生育に土も太陽光も使わず、照りつけるLED光の赤と青の色の配分は7年かけて成長に最適化してきたという。 狙いは、早く栄養豊富に成長させることで、水や肥料も根に噴霧して済ませ、殺虫剤使用はゼロ。 収穫は最大年30回で、生産性を引き上げる技術の核心は機械学習で、栽培棚には至る所にセンサーがあり、生育状況を常に監視し、収穫までに取る3万以上のデータをコンピューターが分析し、さらに効率よく栽培できる条件を探り続けることにより、「垂直農法」は食料問題の解決に貢献するという。 A氏:さらに農業の担い手不足を補う新技術も登場している。 農機具メーカーのヤンマーが開発するロボットトラクターは誰も乗らずに畑を耕していく。 タブレット端末を使い、走行コースを設定し、人工衛星の測位システムで位置を把握し、耕作の誤差は数センチメートル以内とし、人間が運転するより正確に進めることができるという。 私:IT化の波は畜産にも及び、富士通九州システムズが手がける「牛歩SaaS」は、ウシの発情を見逃すのを防ぐシステムで、ウシの脚に付けた歩数計が動きを記録し、見ていなくても発情して暴れたかどうかがわかるので、人工授精のタイミングをしっかりおさえることができるという。 「地方創生」でも、農業改革でも、ITの活用を積極にやってほしいね。 「全農、守りの改革 値下げPR、まずは肥料 小泉氏らが『包囲網』」でふれたように、自民党の小泉進次郎氏もITに関心をもって、強力に推進してもらいたいものだね。
2016.09.25
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私:岡崎教授は、専門は経済史。 今回のこの欄では、日本の経済史において、産業政策と金融機関の関係は、繰り返し論点になってきたことにふれ、最近の金融庁の動きを論じている。 金融庁は、地方銀行の地域経済への貢献度をはかる指標を、15日に公表したという。 50にも及ぶ項目の中には、「地域へのコミットメント」や「担保・保証に過度に依存しない融資」などが含まれているという。 A氏:「地方創生」という広い意味での産業政策に、金融庁が金融行政を通じて、協力する姿勢を表明した、といえるね。 担保・保証に過度に依存しないで、「地方創生」のため、地方企業に積極的に融資や投資をせよ、ということかね。 私:産業政策と金融機関の関係を歴史的に振り返ると、よく知られた事例として、1960年代前半の特定産業振興臨時措置法(特振法)案をめぐる議論があるという。 当時、通商産業省(現・経済産業省)は、資本自由化に備えて「特振法」を制定し、企業合併などによる産業再編成を通じて、指定された産業の国際競争力を強化することを意図した。 その際、通産省は、こうした政策への金融機関の協力を得るため、「特振法」の原案に、産業の再編成政策に金融機関が協力する義務を盛り込んだが、これに強く反対したのが、当時は金融行政も担当していた大蔵省(現・財務省)だった。 A氏:当時の大蔵省は、金融行政当局としての立場から、金融機関が産業政策のために政府から強い介入を受けることに歯止めをかけるために抵抗したとみられるという。 結局、「特振法」は廃案になる。 私:今回の金融庁の姿勢は、「特振法」案への大蔵省の対応と比較して、どう評価すべきだろうかと岡崎教授は述べている。 地域経済の活性化には、各地域の個々の企業、特に中小企業に関するさまざまな情報を蓄積している地域金融機関の役割が欠かせないから、地域金融機関の役割を期待し、経産省や内閣官房が、金融機関や金融庁に政策への協力を働きかけること自体は適切だし、これまでの金融監督・検査が過度に地域金融機関を萎縮させていたとすれば、それを見直して、必要に応じて緩和することもすべきだろうと教授は述べている。 A氏:しかし、教授は、金融行政当局が、通常の金融監督の範囲を超え、金融機関の融資姿勢・融資方針への介入を通じて、「地方創生」という産業政策に関与することには問題があると指摘しているね。 私:まず、90年代末以来、政府が一貫して追求し、現内閣も継承している規制緩和・市場重視という基本原則から外れている点だ。 金融機関に強い権限を持つ金融庁が、地方銀行の融資姿勢に政策的に介入すれば、金融機関の自主的な意思決定と金融市場の機能をゆがめる懸念がある。 広く預金を集めて融資業務を行う金融機関は、一般の企業に比べて自己資本比率が著しく低いという特徴があり、しかも預金者の多くは、金融機関を監視する能力を持たない少額預金者である。 A氏:預金者に代わって金融機関を監視することが、金融監督の本来の目的のはずだ。 金融庁が「地方創生」という政策課題を産業政策当局と共有して、金融機関にリスクをとるように求めることは、この金融監督の役割と齟齬をきたす恐れがある。 私:政府の政策を、経済全体にとって合理的・整合的なものにするには、各省庁がそれぞれの本来の役割を通じて、チェック・アンド・バランス(抑制と均衡)を機能させることが重要になる。 「特振法案」をめぐる通産省と大蔵省の例が示すように、産業政策当局と金融行政当局の間には、協力と同時に相互の牽制が必要とされると教授は言う。 たしかに「地方創生」のためにベンチャーにカネが必要だが、預金をリスクのある投資に使うのには、バランス感覚が必要だが、難しい判断だね。 「鴻海精密工業 黒衣の巨人、中小に種まき」のように、ポンと中小に資金を出す大企業があればいいのにね。
2016.09.24
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私:このプログで4月頃、「タックスヘイブン」(租税回避地)問題で登場した「パナマ文書」知的街道ができたね。 「『パナマ文書』米司法省が調査 各国首脳ら、租税回避か」、「パナマ文書、流出元にメス 地元検察、電子データ押収」・『暴露心配』『調査、来るのか』日本の一部富裕層、動揺」、 「『パナマ文書』報道 内部告発に連動、闇に光」、「パナマ文書、21万の法人と株主名を公開・日本関連の情報も、大手商社・飲料会社社長…」、「タックス・ヘイブン、逃げていく税金」 今度、新しく「タックスヘイブン」の流出ファイル「バハマ・リークス」が出たね。 すなわち、カリブ海・バハマの「タックスヘイブン」(租税回避地)の法人に関する大量の電子ファイルを南ドイツ新聞と非営利の報道機関「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が入手し、世界各国の記者たちの手に渡たり、バハマの法人情報に関する報道プロジェクトをICIJは「バハマ・リークス」と名付けたという。 A氏:入手したバハマ法人の登記関連情報を朝日新聞が分析したら、その中に、経営破綻した旧山一證券による「損失飛ばし」に使われたペーパーカンパニー4社の名前も含まれていたことがわかったという。 山一の社内調査報告書によると、1988年から93年にかけて、「ニューハイ」「ヒルトップ」「ニュートップ」「YFB」の4社をバハマに設立。 含み損を抱えた有価証券を引き取らせ、損失を隠していたという。 私:実体のないペーパーカンパニーで、役員は仮名で登録し、資本関係も山一から切り離していたとされ、調査報告書は「会計監査が形式的で、現地や日本の当局の追及も受けない」と指摘。 最終的に山一は損失を隠し切れなくなり、97年に経営破綻。 バハマは国際的な船籍の登録地として有名で、日本の大手海運会社などが船舶の保有会社を設立しており、外国人乗組員の配置が容易で、船舶登録の費用も安く、機動的にビジネスができるのが魅力だという。 主な企業では、日本郵船や商船三井が燃料運搬船を保有する会社などの設立に携わっているが、各社とも「日本の税制に従い、適切に納税している」などと説明しているという。 A氏:EUの行政を担う欧州委員会のネリー・クルス前副委員長が、バハマに設立された会社の役員だったことが分かったね。 欧州委員は企業役員の就任歴など経済的な利害関係の申告が義務づけられているが、クルス氏は申告していなかったという。 EUにとって、加盟国の財政悪化につながる「税逃れ」は大きな課題で、これを規制する側のEU高官とタックスヘイブンとの関わりが明らかになった。 スキャンダルだね。 私:NHKの分析によれば、日本関連とみられるバハマの法人が少なくとも80社あり、その役員として日本人や日本企業の名前が230以上確認できたという。 会社の名称の一部に「ショウグン」、「サムライ」、「キモノ」、「サシミ」などの言葉が使われた法人が多数あり、中には「カッパマキ」や「サヨナラ」という言葉がついた法人もあり、いずれも役員は外国人で、海外でなじみのある日本語にちなんで名付けられたとみられるという。 「パナマ文書」に続き、「タックスヘイブン」の抑制に効果が期待されるね。
2016.09.23
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私:21日に日銀は金融緩和策の「総括的な検証」を行い、金融緩和の枠組みの修正を決めたと報じている。 これまで市場に流すお金の量の目標を決めて「物価上昇率2%」を目指したが達成できず、長期金利の急低下で年金運用の悪化などの問題も出てきたため、新たに金利目標を設定し、金利の急低下を防ぎながら低金利も維持する政策に修正するという。 お金を流す「量」から「金利」に軸足を移し、物価上昇2%の目標達成の期限は「2年程度」は撤回し、「できるだけ早期に」実現するとしたという。 A氏:最初の「2年で物価上昇2%」の目標は、この3年半で達成できていないね。 その理由として、消費増税や原油価格下落、新興国経済の不透明さなどをあげている。 私:これはおかしな理由で、消費増税は民主党政権時代に動きがあったし、原油価格は日銀がコントロールしているわけでないから、「原油価格は一定として」という条件を最初から明らかにすべきだったね。 新興国経済の不透明さも同様だね。 要するに国際的に生き物のようにリンクしている市場の動きをコントロールできるという発想が、物価上昇2%の目標未達成の根本原因だと思うね。 A氏:今度は、長期金利が「ゼロ%程度」になるようにするという。 これは、最近、長期金利の指標になる満期10年物国債の利回りが、1月に導入を決めたマイナス金利政策の影響で、マイナス圏が続いたため、満期までの期間が10年超の国債の金利も低下し、そうした国債で運用する年金や保険の利回りが悪化し、老後資金へ不安が出たからだ。 私:日銀がそこまで金利操作に自信をみせるのは、日銀が毎月の国債発行額の9割近くを買っており、保有額は発行残高の3割超に達するためだという。 債券市場で巨大なプレーヤーとなっている日銀が、自在に長期金利を操作できるのだろうか。 黒田総裁は会見で「経済に最も望ましい実質金利の引き下げを実現していく」と語ったという。 A氏:ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏は「日銀が大量に買い入れ、市場に出回る国債が減っている。市場での日銀の存在感は大きく、金利操作は可能」という。 ただ、みずほ証券の上野泰也氏は「かなり強引な手法という印象。金利が固定されれば、市場機能は損なわれ、財政不安による金利上昇など市場のシグナルは見えなくなる」とその弊害を指摘する。 私:黒田総裁は記者会見で「伝統的に短期金利は中央銀行がコントロールできるが、長期金利は難しいとされてきたが、リーマン・ショック後、世界の中央銀行は長期国債の買い入れをして長期金利を下げようとし、実際に下げている。新たな補強策も講じているので、コントロールできると思っている」と言っているという。 経済を意のままにコントロールするには、統制経済のようにするのがいいが、一方で、自由な市場性の利点を失うおそれがあるね。 特にグローバル経済時代には、問題だね。 また、言い訳を外国経済の変化のせいにしないように願いたいね。
2016.09.22
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私:この欄では、今回、「鴻海精密工業」の進化をとりあげているね。 鴻海はテレビ部品メーカーとして郭氏が1974年に創業。 88年に中国・深センに進出すると、金型技術を磨いてコンパックなど米大手パソコンメーカーに認められ、製品の組み立てまで請け負うEMSに参入したのは99年。 そして、米アップルからiPhone製造を請け負う最大手となる。 ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」を組み立てる委託先の一つにも選ばれた。 当時のソニーは、主力商品は部品から自前で開発し、組み立ても自社工場で行う「垂直統合」を推し進めていた。 A氏:08年のリーマンショックを経て電機各社が中核部品の開発や商品企画に集中する一方、部品の調達や組み立てを外注する「水平分業」を加速。 鴻海はソニーからテレビ工場を買い、米デルからパソコン工場を引き取った。 私:鴻海の15年の売上高は約14兆5千億円で、従業員も世界に約100万人。 サムスンのように自前で製品を作ることも可能だが、自前ブランドは持たず、郭会長は鴻海のビジネスを「必要な技術を提供して顧客のコストを減らすサービス業」と説明する。 様々な企業に対して必要な技術やアイデア、工場をそろえる「黒衣」に徹する考えだ。 だから、大手企業の下請け的な仕事以外に、中小企業の製品の「黒衣」もてがける。 A氏;横浜の社員45人のベンチャー企業、「コヴィア」が自社ホームページとネット通販アマゾンを通じて、タッチパネルを本体から外してタブレット端末としても使えるという、日本の大手企業製なら10万円以上はするパソコンを2万9800円(税込み)の格安で販売中だという。 これができたのは、鴻海とタッグを組んだからで、試作品も鴻海からすぐに届き、1ヶ月後には鴻海の深セン工場で量産することになった。 同社の山本直行執行役員(42)は「アップルが認めた鴻海と組めたことで、大手メーカーと張り合える」という。 私:社員10名の東京のトリプル・ダブリュー・ジャパン(中西敦士社長(32))は、センサーの入った箱を下腹部に取り付けると、超音波で膀胱の動きを覚知し、「10分後におしっこが出ます」と知らせる製品を開発。 まだ、試作品だが、お年寄りの介護でトイレに誘導したり、家族のスマホに情報を送ったりするサービスが想定されている。 中西社長は鴻海主導の投資会社に支援を求めて、郭会長に小型化や省電力化を進める意欲を訴え、要望書に量産計画や販売の支援要請も書き込んだ。 郭会長は「イージー(簡単だ)」と言い、その場で5億円の支援が決まったという。 郭会長は6月、台湾で開いた株主総会で将来像を「健康な生活や長寿に貢献する」と語り、貪欲な「黒衣」は将来への「投資」も怠らないという。 シャープだけでなく、日本のベンチャーも鴻海に支援してもらっているとは、日本の投資会社もしっかりすべきだね。 日銀もそういう貪欲な投資を期待してカネをばらまいているんだから。
2016.09.21
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私:このテレビ番組は、「もしも、その時、天気が違っていたら、という視点か謎を気象学でひも解く『歴史検証』バラエティー」だという。 とりあげているのは「川中島の戦い」と「桜田門外の変」の2つ。 「川中島の戦い」は5回の戦いで有名なのは4回目で、これは例の「きつつき戦法」と頼山陽の「鞭声粛粛、夜河を渡る」という漢詩で有名だね。 これは、以前から興味があって、このブログでも川中島の戦いと歴史の選択・川中島の戦いがある。 川中島は、千曲川と犀川の合流地点で、朝霧が濃いので、これは上杉、武田の両将は熟知していたことだし、このテレビ番組は特に興味はなかったね。 だから、「桜田門外の変」のほうに興味があった。 A氏:「桜田門外の変」は、大老井伊直弼を水戸藩脱藩者17名と薩摩藩士の1名の計18名が暗殺する事件だね。 私:侍26人の護衛がついている行列に襲いかかかるのは無謀だと思われたが当日の「大雪」が幸いした。 まさに、天候が歴史を変えたね。 事件は3月3日に行われたが、これは旧暦で現在の暦では3月24日で東京では櫻がそろそろ開花する頃だから、「季節外れの大雪」だったことは確かだね。 A氏:夜半からの大雪で、井伊直弼のカゴを警護する侍は、刀に「柄袋」をかけていた。 この袋があると、袋をまず、とるため、抜刀のタイミングが遅れる。 遅れている間に、斬られてしまう。 私:警護していた侍の刀が今でも遺品として残っていたが、その「柄」には刀傷が3つほどあったね。 「柄袋」を取り除いて、抜刀しようとモタモタしているあいだに斬られたのだろう さらに警護の侍は下駄をはいていた。 これは、江戸城についたとき、雪で足袋が汚れないためであったという。 しかし、大雪で積雪があり、関東の雪はぼた雪だから、下駄は歯が雪にハマって動きにくい。 A氏:それに大雪なので、合羽を着ているが、これが紙製で表面に油を塗ったものでゴワゴワしていて、動きにくい。 前東京都知事舛添氏が、書を描くときチャイナ服をきるとスムースに腕が動いてよく書けるといっていたのを思い出したね。 私:襲う方はタスキがけで、草鞋履きだから動きは軽快で戦闘能力は高い。 それに短銃を使っていたね。 1発だけ井伊直弼のかごに向けて打ち、これが合図で3方から襲いかかった。 弾は籠の中の井伊直弼の腰に当たり、動けなくなった。 A氏:この行列が井伊直弼のものであり、籠も井伊直弼が乗っているものだというのは、「武鑑」という辞書みたいなものがあり、その情報で特定できたという。 浪士たちは、「武鑑」で井伊直弼の行列と籠を特定し、襲いかかったわけだ。 私:この無謀とも言える暗殺計画が成功していなかったらーーー。 まさに、「大雪」という天候が歴史に影響をあたえたといえるね。
2016.09.20
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今週、特に興味があったのは下記の1冊のみ。 ・早川英男〈著〉『金融政策の「誤解」 “壮大な実験”の成果と限界』評者・加藤出(東短リサーチチーフエコノミスト) 今週水曜(21日)に、日銀は、世界中の金融市場関係者がその成り行きに注目している、現在実施中の量的質的緩和策(QQE)とマイナス金利政策の経済への影響を評価する「総括的な検証」を公表する予定。 アベノミクスの効果が、昨年より疑問視する声があり、このブログでもその知的街道が下記のようにできているね。 「アベノミクスでいいのか」、日本国債、1段格下げ 「アベノミクス、信用力好転に至らず、「『アベノミクスは息切れ』米紙、社説で再考促す」、「アベノミクス・28兆円対策、効果は 貯蓄にまわる可能性 財源確保、見通せず:膨らむ対策、見えぬ道筋 旧来型の公共事業ずらり、借金頼み」、「アベノミクスの前提 成長主義の妥当性こそ争点」、「金融市場の乱高下 アベノミクスに欠けるもの」、「アベノミクス考 外からの視点」、(2016参院選)「アベノミクス考 かげる株高」、「アベノミクス」早大ファイナンス総合研究所顧問・野口悠紀雄氏に聞く・、「アベノミクス『分断』の現場・上・中・下」、など。 これらの記事を改めて読むと、本書で指摘している内容がよく理解できるね。 大体、共通しているのは、大勢はアベノミクス初期の株高、円安を好意的に評価しているが、その後の停滞を問題にしているね。 3年前、アベノミクスに失望し、株式投資を引き上げた有名な大手外国投資家もいる。 本書も2013年4月に開始された量的質的緩和策(QQE)は「壮大な実験」であり、「短期決戦」型の政策で、インフレ目標(2%)を2年で達成するため、国債の大規模購入などが実施され、その「緒戦の成果は驚くほどポジティブ」だったと好評価している。 しかし、経済や物価はその後鈍化、14年秋に国債購入の拡大等が決定されたが、「戦局は悪化」、追加緩和の「弾薬切れ」が市場で意識される中、日銀はマイナス金利を導入するが「不発」となり、図らずも「持久戦」に突入する事態となってきたと指摘している。 この3年以上の「実験」によって明らかになったのは「日本経済の長期低迷の原因はデフレではなかった」という点だと著者は鋭く指摘。 金融緩和に過度に頼るよりも成長戦略で潜在成長率を引き上げることが極めて重要だという。 今のままでは財政破綻が起き得るが、潜在成長率を1%上げられれば、20~30年後の生活水準は2~3割上がり、社会保障もある程度充実できるが、それがないままで増税や社会保障給付削減が不可避となれば、将来の私たちの暮らしは相当ミゼラブルなものとなってしまうという。 だが、日銀の政策が国債の金利を低く抑え込んでいるため、市場が警告を発する機能は麻痺し、政治家や国民の危機感は乏しいと著者は指摘。 本書は日銀が21日に「検証」に取り組む前に書かれたが、日銀は「虚心坦懐」に検証を行うべきだとの先見的な主張がなされていると評者はいう。 今週水曜(21日)の日銀の「総括的な検証」はどうなるか、期待したい。 しかし、少子高齢化で今後、日本は経済成長を望めないという基本的な見方もあるが、それにもふれてほしいところだ。
2016.09.19
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私:人工知能(AI)の利用が、いろいろの分野で進んでいて、それがマスコミでとりあげられているね。 小説や芸術といった人間の心情や直感など定量化が困難な「人間らしさ」が重要とされてきた領域で、AIが挑戦を続けているし、打ち手の決定に必要な計算量が膨大で、まだまだ人間の独壇場だと思われてきた囲碁や将棋でさえも、トッププロが苦杯を舐める事態が起きている。 A氏:蒸気機関の発明、電気化・機械化、コンピューター化に続く「第4次産業革命」として強く期待する向きもあり、9月10日には、政府が新たな成長戦略をつくる「未来投資会議」を設立し、AIやロボットの活用など「第4次産業革命」を進めると報じられた。 17日の朝日新聞「わたしの紙面批評」欄では、東工大准教授西田亮介氏が「AIに関して朝日新聞には多角的で分析的な記事が多数あったが、引き続き報道を通じて、急速な技術革新を経済や倫理、制度の問題と接続し、積極的な問題提起と議論を牽引してほしい」と朝日新聞に提言している。 私:怒濤の勢いで大きな成果が社会に提示されているが、それだけに制度や倫理面での対応が急務になっているという。 たとえば、自動運転車が自動運転中に、事故を起こした場合、責任は「運転手」にあるのか、それとも製造した企業にあるか、緊急ブレーキ機能などはすでに普及しつつあるが、そもそもどのような自動車を「自動運転車」と呼ぶのか。 捉え方次第で、保険や製造物責任、ひいてはビジネス全般が大きな影響を受けるだけに、現実に即した制度の整備が急がれるという。 すでに経産省や総務省が検討を始めており、人工知能学会も今年、倫理委員会を通じて、倫理綱領案を公開したが、既存制度との具体的な接続についての言及はやや弱い印象だと西田氏は指摘する。 A氏:その「自動運転車」について、17日夜のNHKスペシャルでは、「自動車運転革命」と題して、世界の産業構造と社会のあり方を変える「自動運転革命」が起きようとしていると報じている。 これを観ると、「自動運転車」は、AIの発展とともに精度の高いカメラやセンサーなど部品が不可欠だね。 自動車大国ドイツは、メルセデス・ベンツがいち早く高速道路での自動運転機能を市販車に搭載するなど、世界をリードし、対する日本勢は、遅れながら、トヨタ、日産、ホンダなどが開発を加速させている。 こうした中、自動運転に不可欠なセンサーなどの部品で世界のメガサプライヤーが市場を席巻し、日本の下請け部品メーカーは正念場を迎えている。 2020年の東京オリピックの頃には自動車業界はどうなっているかね。 私:西田亮介氏の新聞への提言に対応するように18日の朝日新聞は、トップで「人工知能、がん診断お助け ワトソン、8割で有用情報提示 遺伝子変異10分で特定」と報じている。 すなわち、米IBMの人工知能「ワトソン」をがん患者の診断支援に使った東大医科学研究所の研究で、8割近くの症例で診断や治療に役立つ情報を提示したとの研究成果がまとまり、がんの原因となっている遺伝子変異を10分程度で特定し、適切な抗がん剤の処方につながったケースもあったという。 今後、さらにより早い正確な診断・治療につながると期待されるという。
2016.09.18
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私:2001年9月11日の米同時多発テロ以来、15年たったが、テロは地域的にも拡大しているね。 中央アジア・キルギスの首都ビシケクで先月30日、中国大使館に車が突っ込んで自爆した事件が発生したね。 キルギス当局によると、運転手は中国政府が警戒するウイグル独立派組織のメンバーだったという。 キルギスは人口約560万人のうち、ウイグル人が約30万人とも言われ、中国から逃れたウイグル族も多く、新疆ウイグル自治区で厳しい締め付けを続ける中国への反感があるようだ。 A氏:しかし、キルギで首相補佐を務めるトコン・マミトフ氏は「今回のテロは、対中国よりも、イスラム過激派が中央アジアに進出したと告げる『合図』の意味合いが大きい」と指摘しているという。 過激派は連携して各地でテロを起こす傾向が強まっており、今回も中東の過激派組織が関与したとみられる。 私:過激派組織「イスラム国」(IS)などは、アフガニスタンから中央アジア、中国へとつながる地域に狙いを定めており、宣伝効果を狙い、中央アジアで最も民主的で報道の自由があるキルギスで、テロを実行したのかもしれないという。 イラクやシリアでの「イスラム国」は空爆でその存在がやや弱体化していると言われる中、「イスラム国」は「国家」というより、全世界的なテロ集団としての拡大戦略に集中してきているようだね。 A氏:一方、アフガニスタンのほうだが、2001年9月11日の米同時多発テロを機に、米軍主導でアフガニスタンのタリバーン政権への攻撃が始まって15年たつが、政権を追われたタリバーンが、反政府勢力として戦闘を続け、支配地域を再び広げつつあるという。 自爆攻撃や襲撃の件数は今年上半期だけで約1万件で、テロを止めるはずだった戦いが、テロの連鎖を生んでいるという。 私:アフガンで、15年続く「対テロ戦争」の足元では、反政府勢力のテロが教育の場にも及んでいて、テロの犠牲者の多くは戦いとは無縁の市民で、これまでに3万人以上が命を奪われたという。 アフガンだけでなくキルギスの例のように、各地でアルカイダから派生した過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威が増しており、クラッパー米国家情報長官は今年2月、米上院への報告で「治安悪化が続くアフガンで戦闘が一層激しくなっている」と強調した。 A氏:出口戦略を描けない米政権は昨年、公約のアフガニスタン完全撤退を断念し、今夏、約8400人の駐留延長を決めたね。 私:政情不安も足かせとなっていて、政治の停滞が続けば、かつて内戦状態にあった部族間の緊張が再び高まりかねない状況だという。 こういう状況は、ますます、「イスラム国」のテロ拡大の温床となり、すでにキルギスに拡大してきたね。 アフガン攻略で始まったテロとの戦いは、米国のイラク戦争の失敗で過激派組織「イスラム国」(IS)を生み、全世界にテロを拡大しようとしているね。 国際的なテロ根本対策の見直しが要求されるね。
2016.09.17
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私:このブログの「シン・ゴジラ、20年変わらぬ日本を破壊」でもとりあげたが、映画「シン・ゴジラ」が、今月上旬の時点で動員数は420万人を超えたという。 この映画について、いろいろな見方があるが、この記事欄の神里氏の見方は、見出しのように、「日本の宿命へのアイロニー」だね。 A氏:俺たちは見ていないが、神里氏は家族で大いに楽しんだという。 しかし、東日本大震災という重い主題が根底にあるのも、この映画の特徴だという。 実際、大震災直後に日本人が目の当たりにした惨状や混乱を、強く想起させるシーンが、何度も物語に登場し、非常にリアルなので、観客に過度の精神的ストレスがかからないかと、少し心配になったほどだと神里氏はいいう。 私:ゴジラと対峙する国家システムの迷走が濃厚に描写されていることも、「3・11」がモチーフであることを示唆するという。 かつては戦争に伴う暴力や悲劇を象徴していたゴジラは、今や地震・津波・原発事故の化身として、21世紀のスクリーンに再臨した。 「シン・ゴジラ」成功の最大の要因は、皮肉なことだが、現代日本の状況が第2次大戦後と似ていること、それ自体なのだという。 A氏:「シン・ゴジラ」では、主に政府の若手スタッフたちのチームワークによって、最終的にゴジラは「凍結」され、そのプロセスでは、一貫して政治の無能と行政の有能が強調され、またヒーローを必要としない日本型組織の有効性が、ある種の「美談」として描かれているという。 逆に、初代ゴジラに見られたような、ゴジラを生み出した私たちの文明のありように対する、疑念や苦悩は、明示的にはほとんど表現されていないようだ。 A氏:映画の冒頭で姿を消した牧という学者は、痛烈なニヒリズムで「好きにしろ」という彼の「遺言」は、ラストシーンで示され、ゴジラを「凍結」管理し続けるという宿命を背負った日本の未来を、まるであざ笑うかのようだと神里氏は指摘する。 そうやって、この作品に込められたアイロニーに気づくと、名状しがたい不安が襲ってきて、これは案外、厄介な作品なのかもしれないというのが神里氏の感想だね。 私:物語の骨格はシンプルで、巨大生物が街を壊し、人間が阻止するという、ただそれだけ。 幹となる物語以外の、主人公の恋愛や家庭などサイドストーリーは一切排除してある。 政府の危機管理体制を細密に描くことで、政界や経済界、学界から発言が相次ぎ、「シン・ゴジラ論壇」の様相を呈しているという。 13日の朝日新聞の「新ポリティカにっぽん」欄では早野透氏が、「シン・ゴジラ」は「原発」と理解し、原発反対に結びつけているね。 最後は、「シン・ゴジラ」=「原発」の数十万年にわたる放射能の消滅までの「凍結」管理だね。 「シン・ゴジラ」同様、日本の危機管理体制についてのまとまった論議が望まれるね。
2016.09.16
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私:日銀は2013年4月からの大規模な金融緩和で金融機関から国債などを買い、大量のお金を市場に流し、経済を活性化させることを狙った。 効果が目立つのは不動産業界だ 銀行などの不動産業界向けの貸出残高は約68兆円で、緩和前より12%増。 全業界への貸出残高の約465兆円、8%増より伸びが大きい。 住宅ローン金利は過去最低水準で、銀行同士の貸し出し競争が続く。 不動産需要の増加や資材高騰で新築マンション価格は首都圏で2割も上がった。 A氏:しかし、緩和マネーの勢いに陰りが見え始めている。 大手企業は16年3月期決算で過去最高益が目立ったが、円高や海外経済の変調で17年3月期は減収減益の見込みで、投資意欲は鈍り、お金の流れは停滞し始めた。 私:景気に停滞感が出る中、緩和マネーが存在感を増すのが金融市場だ。 日銀が買うのは、日経平均などに連動するETFとされ、ETFが買われれば株価が上がりやすい。 ETFを通じて日銀が実質的に大株主になる企業が増えているので、株式市場の「ゆがみ」も見え始めた。 A氏:株式売買で過半を占める外国人投資家は東京市場から手を引きつつあり、代わりの買い手が日銀で、日銀の保有が多いとされる企業は、今は助かるが、いつか売られれば、株価が急落の恐れがある。 私:日銀は13年4月、「2年程度で物価上昇率を2%に上げる」と宣言したが、今はマイナス0・5%(生鮮食品を除く)だ。 15年以降、物価上昇率はゼロ%前後が続き、今年3月からは5カ月連続マイナス。 小売りの業績は伸び悩み、吉野家は牛丼より安い「豚丼」を復活させ、ダイエーは330品目の値下げを決めた。 かつての「デフレ」のような動きだ。 日銀OBは「今の緩和の枠組みはもはや行き詰まりつつあるのではないか」と懸念する。 A氏:「ヘリコプターマネー」と、一般には聞き慣れない言葉が今年7月、金融市場で飛び交った。 「ヘリマネ政策」とも呼ばれ、政府が国債を中央銀行に渡し、中央銀行が刷ったお札をどんどん使う。 国債は返済期限も利子もなく、政府は返済の心配をせず、空からお金をばらまくように使い、経済は活性化し、やがて物価は上がるというストーリーだね。 現在、2013年の大規模緩和開始から3年半がたち、日銀が買い入れる国債の額は、毎月の発行額の9割に達し、保有残高は400兆円近くで、発行額全体の3割超だ。 私:国債は高値で安定し、金利は下がり、国の借金返済は楽になるという状態で財政が膨張すれば、「ヘリマネ政策」に近づきかねない。 社会保障費の増加などで財政規模は拡大が続く。 17年度予算の概算要求は101兆円で、3年連続で100兆円を超えた。 国と地方合わせて1千兆円超の借金が減らないなか、日銀の国債保有額は増え続ける。 日銀は20~21日の金融政策決定会合で政策の「総括的な検証」を行うが、国債買い入れのペースは緩めない見通しだという。 「異常な金融緩和で財政の膨張を許し、金融緩和もやめられない悪循環だ。日銀は事実上の『ヘリマネ』に片足を突っ込んでいる」と指摘する声もあるという。 「ヘリマネ政策」はいつまで続くのだろう。
2016.09.15
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私:12日に発足した政府の規制改革推進会議は、最初のテーマに農業改革を選び、13日、農業改革の議論を始めた。 農業はやり方によっては日本最大の成長産業になるとして、農協が深く関わる「生乳流通」と「農業の生産資材の価格形成」の見直しに優先して取り組み、今秋中に結論を出して構造改革の突破口とする考えだ。 A氏:委員のひとりは「首相官邸が既得権益者を打ち破り、構造改革を進める過程に意味がある」と説明。 「金融緩和」、「財政出動」に続く「3本目の矢」である成長戦略への姿勢をアピールする手段にも位置づけるという。 私:「生乳流通」と「農業の生産資材の価格形成」の見直しの二つのテーマには、7月に解散した前身の「規制改革会議」も取り組んだが、参院選を控えた自民党農水族が反発。 「生乳流通」については具体的な施策に踏み込まず「秋までに抜本的改革を検討する」とされた経緯があり、推進会議は安倍首相の裁定も仰ぎながら、規制改革を進める考えだという。 A氏:しかし、全農側は「現場の意見も聞いてもらいたい」とか、「推進会議には現場目線を持ってほしい。改めるべきは改めるが、機能しているところまで破壊することはない」と反論しており、農協が取り扱う肥料や農薬などの生産資材は、値段が他国より割高と指摘されているが、全農内部には「品質などが違い、単純比較はできない」と反発がある。 私:安倍首相の「攻めの農業の実現を加速」、規制改革会議の「国際競争力の強化」、自民党農林部会長小泉進次郎氏の「全農改革が本丸」という「実績欲しい官邸」に対し、全農側は「国産資材は高いという認識はない」、「改革ありきの『ためにする』議論だ」と厳しい反抗姿勢だね。 A氏:新聞記事によるとJAグループに近い自民党議員の一人は13日、「官邸の構造改革ごっこだ」と突き放したという。 私:「秋までに抜本的改革を検討する」というが、全農の抵抗に対して改革派の先頭に立つ小泉進次郎氏の腕のみせどころだね。 「3本目の矢」の最初の矢になるか。
2016.09.15
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A氏:今、新聞各紙、各テレビ局で「地下空間」が問題になっているね。 私:それを視聴していると、設計管理の基礎知識無しで報じていてかえって、問題を複雑にしているね。 A氏:ISO9001の設計管理という視点で、どうなっているのかね。 私:まず、設計にはインプットがある。 どういう内容の設計をするかを示したもので、「設計仕様書」ということがある。 顧客である都が建設会社に注文とともに渡す。 建設会社の設計部門はこれに基づき、「基本設計」を行い、設計アウトプット(図面)を作成する。 これが仕様書要求にそっているか、「検図」し、問題なければ、「詳細設計」に入る。 「詳細設計」が設計の最終図面で、この「検図」後、これにより現場の工事が図面通り行われる。 A氏:ISO9001の視点で見ると、「設計仕様書」「図面」には、作成者・審査者、承認者のサインが要求されているね。 「検図」も検図者のサインが必要だね。 私:だから、これらの文書、図面にあるサインの人を追っていけば、ブラックボックスにならず、簡単に実態を把握できる。 A氏:ようやく、今日、あるテレビ局で「設計仕様書」には、「地下空間」がないのに、「基本設計図」には空間があると報じていたね。 私:もう一歩、進めて、その「基本設計図」にサインのある設計者、「検図」者、承認者にヒアリングしなかったのは、残念だね。 ヒアリングすれば、原因は簡単にわかるね。 「設計」というのは、明確な情報伝達と「設計図」が顧客の要求通りになっているのかをチエックする「検図」というように担当が決まっており、サインもしているので、簡単に調査できる。 ブラックボックスはない。 サインした人が意図的にやっている。 マスコミも都議もそれに気づいて、早期に真の原因をつかむことを期待したいね。
2016.09.14
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A氏:先日のブログ「日本株曲がり角:海外投資家、売りに転換、公的マネー、ゆがむ市場」で、日本の株式市場の最近の「変質」をふれていたが、このテレビ時事放談でもとりあげられていたね。 私:日銀は、13年4月に、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)を年1兆円買い入れることを決定し、その後も買い入れ枠を拡大し、今年7月には年6兆円まで増やした。 公的年金の運用を担う年金積立金管理運用独立法人(GPIF)は、運用資産約129兆円(6月末)の世界最大級の機関投資家で、国内株の保有額は推計28兆円。 これらの「公的マネー」の株購入で東証一部上場の2千社の4分の1の筆頭株主になっているという。 A氏:丹羽氏も浜氏も、これでは、国策株市場で資本主義の自由な市場ではないと厳しいね。 独裁国家の株市場と同じという。 浜氏は、アベノミクスをもじって「アホノミクス」という著書をだしているが、この言葉はテレビ放送では禁句らしく、言いたいのを自制していたね。 積極的に企業業績向上の投資のために株を買うのでなく、株価維持のためだから、保守的な投資活動になっているという。 私:両氏とも、年金基金の株式投資も危険視しているね。 丹羽氏は、こないだの5兆円の損失を出したのに責任者が明らかでないのは問題と指摘していた。 問題はこれらの膨大な手持ち株の「出口」だね。 米国の低金利からの「出口」がなかなか見えないのも似ているね。 日本のこの年金の「GPIF」や日銀の「ETF」で買い込んだ膨大な株を「出口」として売るときよい買い手はあるだろうか。 浜氏は、独裁国家のようになり、最終的に国民が強制的に株を買うようになるのではという。 日本の株式市場は自由な市場でなく、作られた株価で機能的に危機に陥っているようだね。
2016.09.13
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今週は、下記5冊に興味をもった。 1.ケヴィン・ケリー〈著〉『〈インターネット〉の次に来るもの』、ジェリー・カプラン〈著〉『人間さまお断り』・評者・円城塔(作家) 産業の効率化は進み、現代社会はもはや、コンピュータなしでは地球人口を支えられない。 明るい予想を立てるなら、未来の人類は労働から解放されるが、言い方を変えると、労働の機会を奪われる。 創作は誰にでも可能なものとなり、無料でコピーされていき、それだけではなく、機械がつくるようになるかもしれない 理想郷があるとして、人類全員がたどりつけるかどうかはまた別であり、一部の人間だけが先に入ることのできる理想郷は猛烈な格差を生み出す 一番の問題は、変化があまりに速すぎることである。 2.一ノ瀬俊也〈著〉『戦艦武蔵』・評者・五十嵐太郎(建築批評家・東北大学教授) 大和の沈没が日本再生のための崇高な死とされ、感動の涙で消費されるのに対し、元乗組員・佐藤太郎の小説『戦艦武蔵』は通俗時代劇の話法を踏襲しているという。 これを批判した吉村昭の記録小説『戦艦武蔵』は事実だけを探求したとされるが、一ノ瀬氏によれば、都合よく台詞の創作や事実の取捨選択をした教訓の物語に過ぎず、戦争責任の問題もぼかされた。 大和に比べて、武蔵は多くの生存者が残り、海軍での恨みつらみを抱えていたことも武蔵の物語を暗くしたという。 このブログでも吉村氏の「昭和の戦争2・武蔵と陸奥と」をとりあげているね。 最後に著者が問題視するのは、「客観的な真実」を神聖化し、物語を排除することで、なぜ戦争が起きたのか、兵士の死がもつ意味を人々が考えなくなる近年の動向だという。 これを「事実への逃避」と呼び、これで武蔵は何者でもなくなり、無味乾燥な教科書の一ページや軍事マニアのネタとしてのみ記録され、ただの記号的な事実になるとき、太平洋戦争は本当に忘却されるのではないかと評者は痛感させられたという。 3.会田弘継〈著〉『トランプ現象とアメリカ保守思想 崩れ落ちる理想国家』・評者・立野純二(本社論説主幹代理) どの国にもその成り立ちや過去に由来する葛藤があり、米国の場合、それは人種問題である。 民族や宗教ではなく、自由と平等という理念を土台に出発した移民国家は、その建前と現実との間で揺れ続けてきた。 米社会を席巻するトランプ現象の不気味さは、その宿痾の悩みを呼び覚ましていることにあるという。 社会の多元化を拒む反動思考は、どう受け継がれてきたのか。それを探るために本書は、1950年代から確立される米国近代保守の思想をたどり、トランプ氏出現の脈絡を考える。 11月の選挙の行方は見通せないが、結果を問わず、トランプ現象の病原がこれからも漂い続けることは間違いない。 4.内藤正典〈著〉『となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』・ 評者・斎藤美奈子(文芸評論家) 世界中に15億~16億人と、いまや人口の4人に1人(将来的には3人に1人)を占めるイスラム教徒。 我々は常に欧米経由の価値観でイスラムをとらえ、ときに差別し恐れてきた。 その色眼鏡を外さないと、先には進めず争いも終わらない。 本書は、ヨーロッパ各国で吹き荒れる排外主義の背景や、イスラム国の暴力がなぜ起きたかにも言及。 誤解されがちな宗教体系から複雑な国際関係まで、これなら中学生にも理解でき、その解説力もスゴイと評者はいう。 5.海部陽介〈著〉『日本人はどこから来たのか?』(売れてる本)欄・評者・最相葉月(ノンフィクションライター) 約10万年前にアフリカを出た現生人類は、4万8千年前にヒマラヤで南北に分かれて拡散し、1万年後に東アジアで再会した。 日本へのルートは下記の三ルート。 サハリンを南下する「北海道ルート」、朝鮮半島から対馬を経由する「対馬ルート」、そして「沖縄ルート」。 沖縄の島々で発見された旧石器時代の人骨には豪州のアボリジニーに共通する特徴をもつものもあり、彼らがヒマラヤの南から南半球に下った集団の子孫であることを示唆していた。 ではどうやって海を渡ったか、多彩な研究者や探検家から成るチームで、当時大陸と地続きだった台湾から沖縄に渡った祖先の旅を草舟で追体験しようとしたが、黒潮に阻まれたのか、3万年前の再現実験が失敗した。 著者は黒潮変動史や移住者数シミュレーションなど新たなアプローチも加えて次の渡航に備えているという。
2016.09.12
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私:俺は米国の鉛汚染はあまり話題になっていなかったせいか、最初、クルーグマン氏の論にピンとこなかったんだが、家やアパートに鉛を含んだ塗料をたっぷり塗ったままにして、鉛汚染問題になったんだね。 鉛はたとえ血中濃度が低くても子どもの認知能力に大きな悪影響を及ぼす点で、意見が一致しつつあるという。 鉛による汚染はいまなお、恵まれない家庭で子どもが育つことと強い相関関係があるという。 A氏:しかし、鉛産業は、やっかいな規制で事業が制限されることを嫌い、科学をけなし、防御のための対策費を大幅に誇張した。 こうした戦略が成功して、対策は何十年も遅れ、この間、何百万軒もの家やアパートに鉛を含んだ塗料をたっぷり塗ったままにして、文字通り有害な遺物となった。 私:鉛を含む塗料は1978年についに販売禁止になるが、そこへ新自由主義的なイデオロギーが介入する。 レーガン政権は「政府こそが問題であり、解決策ではない」と主張。 もし、政府による解決が必要な問題を科学が指摘するなら、そのときは科学を否定し、科学者を締め上げるべきだ、と。 あるいは少なくとも政府の政策決定を支える審議会には業界寄りの広報係をそろえるべきだ、と。 ジョージ・W・ブッシュ政権もレーガン政権と同じだった。 A氏:ここで今の大統領選が、問題になるね。 クリントン氏は、5年以内に「あらゆる場所から鉛を排除する」と約束している。 こんなに野心的な政策だと、おそらく議会で予算を確保できないだろうが、彼女の歩んできた道のすべて、特に何十年も家族政策に焦点を当ててきたことを踏まえれば、真剣に取り組むだろうと考えられる。 私:一方、トランプ氏はというと、言うまでもなく、あらゆるたぐいの政府規制に反対して、わめき散らす人物だ。 不動産業の友人たちが、物件に残る鉛を取り除くよう強いられればどう思うか、想像はつくだろうという。 鉛汚染に関する見解の違いは、そのものが重要なだけではない。 もっと幅広い利害関係をあらわす指標ととらえるべきだ。 もし、あなたが「科学的な情報を基に政策をつくるべきだ」「子どもたちを有毒物質から守るべきだ」と考えるなら、それは、一方の党の見解と同じということになるとクルーグマン氏はいう。 A氏:それは、俺は当然、「科学的な情報を基に政策をつくるべきだ」「子どもたちを有毒物質から守るべきだ」と考えるね。 私:では、君の見解は、一方の党の見解、すなわち民主党の見解と同じになるね。 今後、米国の鉛汚染問題はどうなるのだろうか。
2016.09.11
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私:東京市場の売買代金の約7割を占め、「アベノミクス相場」の牽引役を担ってきた海外投資家が、日本株への姿勢をじわりと変えつつある。 東京証券取引所によると、今年1~8月の海外投資家による日本株の「売り越し」額は約5兆円。 昨年の同じ期間は約1・1兆円の「買い越し」だったし、13年には1年間で約15兆円も「買い越し」していたのに、状況は様変わりした。 日本企業の株式を海外投資家が保有する割合も、今年3月末に29・8%と4年ぶりに1年前を下回り、アベノミクスが始まったころの水準に戻ったという。 A氏:これは、大規模な金融緩和と財政出動によって、日本経済が「変わる」と考えた海外投資家の期待が失望に変わりつつあるからだという。 これは、このブログの「アベノミクス考 外からの視点」でも早くからふれているね。 足元でデフレから完全には抜け出せず、一時1ドル=125円台まで円安に振れた円相場も、101円台に戻っている。 1980年代には、東京市場の売買代金に占める海外投資家の割合は10%台だったのが、90年代末に4割弱に急上昇したのにね。 そして、超高速取引(HFT)の広がりで、15年には海外投資家のシェアは過去最高の67%に高まり、「日本株の値動きは、短期の売買を繰り返す投機筋を中心とした海外投資家次第」の構図が定着。 私:海外投資家と並ぶアベノミクス相場のもう一つの主役は、公的年金の運用を担う年金積立金管理運用独立法人(GPIF)のような「公的マネー」だ。 GPIFは、運用資産約129兆円(6月末)の世界最大級の機関投資家で、国内株の保有額は推計28兆円。 昨年度の運用損は5兆3098億円で、今年4~6月も5兆円を超えたが、巨額の損失は、株式市場を下支えしてきたことの裏返しでもあるという。 A氏:日銀も13年4月に、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)を年1兆円買い入れることを決定し、その後も「買い入れ枠」を拡大し、今年7月には年6兆円まで増やした。 私:さらに、上場企業の「自社株買い」も株式市場を押し上げた。 このきっかけは、アベノミクスの一環として昨年6月に導入された「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」で、株主との対話を求める指針に促され、株主還元策として市場から自社の株式を買い戻す企業が急増。 市場に出回る株が減れば株価は上がりやすくなるね。 今年度の自社株買いは過去最高の5兆6800億円と見込まれるという。 A氏:GPIF、日銀の「ETF買い入れ」、「自社株買い」の三つで、日経平均株価は1千円程度押し上げられていて、株価がゆがめられているとの批判も根強いという。 アベノミクスは株価下支えで必死のようだが、本来、株価は企業業績と素直に連動すべきだがね。 私:日本の個人の金融資産が預貯金に偏る長年の構造も変わらなく、現預金52・4%に対し、株式と投資信託は計14・4%と、4割を超える米国、25・9%のユーロ圏19カ国と比べて著しく低い。 その上、個人投資は海外投資家を中心とする超高速取引(HFT)の台頭で売買がしにくくなったともいう。 A氏:市場は平等で公平であるべきなのに、HFTや人工知能(AI)など、技術が進化するほど、資産家や知識に勝る人が投資で有利になる。 私:技術進歩で投資家を取り巻く環境は様変わっているが、公正さを保ちつつ、多様な投資家をどう取り込むか、東京株式市場に突きつけられた課題は重いとしているね。 しかし、これは、東京株式市場だけでなく、アベノミクスを進める政府の政策、日銀の金融政策の課題でもあるね。
2016.09.10
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私:小学校で英語を教科に格上げし、大学では授業を英語でするよう求めるなど、政府は英語を強化する改革を進めている。 これに対し、政治学者、施光恒氏は民主主義という観点から、「異議あり」を主張している。 A氏;施光氏の視点は、言語は、政治を考える上でとても大事で、様々な階層の人たちが生活実感をもとに、自分の言葉で自分の意見を表現し、それをもとに議論する。 そこから民主主義は生まれるが、一国の中でエリート層と一般の人たちの間で使う言語が違っていたら、意思疎通が十分できず、世論がきちんと形成されないおそれもあって、民主的な議論が難しくなってしまうという。 私:人々の間で言語がばらばらだったら、『私たちは同じ国の国民だ』という意識は生まれにくいという。 今後の日本にも、英語の必要性がことさらに強調され、人々の英語力の差が広がれば社会のあり方に影響し、ひとごとではないという。 大きな転換点が、小学校での英語の教科化で、日本社会はなかなか変わらないけれど、いったん変化すると一気に変わるという特徴があり、社会が英語重視へと、どっと流れるという。 A氏:3年前、当時の文部科学相が、有力大学は2023年までに授業の半分以上を英語でするよう求め、すでに予算的な制約をかけており、これを各大学がまじめに実行したら、将来的には、日本語が知的なことを論じたり、研究したりする言語ではなくなってしまうことを危惧するという。 私;幕末以来、日本は欧米の進んだ学問を翻訳で取り入れ、教科書や専門書も今は日本語で読めた。 しかし、大学の授業の英語化が進めば、先端的な用語、学術的な用語は翻訳されなくなり、日本語の専門書は売れなくなり、出版も進まなくなる。 高等教育を受けたい、大学で勉強したいと思っても日本語ではできない、となってしまう。 科学研究でも国際ビジネスでも英語は不可欠で、これからの人たちが世界で渡り合っていくためには、英語力をもっと鍛えなければというが、日本語が学問やビジネスの第一線の言語でなくなってしまって、それで日本の国力が高まるかというと疑問だという。 A氏:例えば、新しいことを考え、作り出す創造性は、既存のものへの違和感やひらめきから出発する。 そうしたことを言語化するのに強いのはやはり母語。 英語重視の改革が、そうした活動を後退させ、日本人の創造性を失わせてしまう懸念があるという。 このブログで紹介した「日本語の科学が世界を変える」はそれにふれているね。 私:民主的で社会を分断しない外国語教育として、施光氏は、「英語だけでなく、中国語も韓国語もフランス語もドイツ語も、多様な外国語を勉強したいと思う人が勉強しやすい環境を、教育業界や政府がつくるべきだ」という。 「英語ができるかどうかで人生の機会が異なってしまうのは、たいへん不公平なことで、国の施策としては、むしろたとえ英語が苦手でも稼ぎのいい仕事につける、高等教育を受けられるという環境を守ることが必要だ」という。 英語を理由に、人生の様々な選択肢が保障されないような社会になってしまっていいのかと施光氏は、「異論」を呈している。 一方で、その日本語がしっかりしないと、英語も中途半端、日本語も中途半端の言語頭脳ができてしまいそうだね。
2016.09.09
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私:昨日のブログの社会学者パットナム氏の「格差が深める米の分断」のインタビュー記事と同じように「米の分断」を指摘したNYタイムズのコラム記事が掲載された。 シーア派とスンニ派というのは、米国の政治はイスラム教の二つの宗派間で起きている中東の中核的な宗派対立にどんどん似てきているというフリードマン氏の比喩からきている。 A氏:今のままでは、中東の両派のように、合意点を探ることはほとんどないまま、行き詰まり、毒々しく、民主党対共和党の争いが起こるだろうとフリードマン氏はいう。 私:これは「偉大なる国」米国を治めるのではなく、破滅させるやり方であるとしているね。 問題は、共和党にあるとフリードマン氏は指摘する。 それは、トランプ氏の出現だ。 共和党がオバマ政権中に焦土作戦さながらの政治を始め、今になってその代償を支払わされていることは間違いなく、共和党は、妥協を許さないラジオのトーク番組の駄弁家や、あちこちの業界に雇われたシンクタンクのイデオローグたちに導かれるままで、彼らは共和党の庭に毒をまき、侵入生物種のトランプ氏がそこを乗っ取ってしまったというわけだ。 A氏:中道右派の共和党員たちがもし、「唯一の問題はトランプ氏で、彼がいなくなれば共和党は再び自分たちのものになる」と考えているなら悲劇だとフリードマン氏はいう。 私:トランプ氏個人の問題でないということだね。 フリードマン氏は、彼らの党(パーティー)は終わったといい、保守系の民主党員になるか、信頼に足る中道右派の共和党を定義し直すかのいずれかだという。 しかし、トランプ現象で米国の分断の深層が明らかになったことは、評価すべきではないかね。 そして、この分断解決のため、昨日のブログ「格差が深める米の分断」のパットナム氏が期待するように米国政治は「社会関係資本の低下や格差拡大という傾向を逆転させる」べきではないのかね。
2016.09.08
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私:ロバート・パットナム氏は、著書「孤独なボウリング」で米コミュニティーの崩壊を描くなど、米社会研究を続ける社会学者。 米社会の分断が深まっていて、米国の深層で何が起こっているのかをパットナム氏にインタビューしている。 A氏:トランプ現象がこの問題をクローズアップしたね。 私:トランプ氏の支持層の特徴は、2つあり、一つは低学歴、低所得層で、特に男性、さらに、白人男性に顕著で、これは、米国内の製造業の衰えなどに伴い、こうした労働者階級の白人男性たちの厳しい状況は20~30年前から始まっていたが、社会の成功者たちが、苦しむ人たちの問題に向き合ってこなかったのは事実だという。 もう一つの特徴は、社会的なつながりが少ない人たちだということで、過去、米社会で様々な階層や人種を結びつけてきた宗教関連団体やボウリングクラブといった社会的組織が弱体化し、(人々のつながり度合いを示す)「社会関係資本」が低下していて、社会関係資本が欠乏した地域であるほどトランプ氏支持が強い傾向が米メディアで指摘された。 1930年代のヒトラーのドイツにおいても、この二つの要因が指摘されているという。 A氏:社会関係資本が欠乏すると、社会的なつながりがなくなるので、人は孤立し、他人への寛大さや、他人と自分が平等だという意識、さらには政治的に協力する姿勢が低下すし、社会的な孤立や不満は乾燥した草原のようなもので、雷が落ちると、あっという間に炎が広がる。 トランプ氏が特に危険なのは、不満や怒りを集めていることだけでなく、その怒りをメキシコ人やイスラム教徒、女性といった特定のスケープゴートに向けていることだ。 私:社会的に孤立している市民は、通常の状況では政治的安定にほとんど脅威を与えない。危険があったとしても、集団の無関心によって沈静化されるため。 しかし、経済的や国際的な圧力が高まれば、こうした集団が不安定で、両極の反民主的な扇動家の操作を受けやすいことが証明されるかもしれないと、パットナム氏は、選挙前から、今の事態の発生を懸念していたという。 A氏:米国人は結果の均等よりも機会の均等を重視し、経済格差を気にしていなかったが、今はその機会の均等が失われ、子供にそれが出ているという。 私:貧しい人は貧しい人と結婚し、貧しい地域に住み、その影響が子供に表れているという。 貧困家庭の子供に社会が投資しないことで、米国の損失は5兆ドルに達すると試算され、格差の拡大は米社会に経済的損失をもたらすという。 予算の節約で教育投資を渋ると、犯罪率は上がり、結果的には警察や刑務所に、削ったよりも多くの予算を割かなければならない。 A氏:ISのテロに参加する若者が出るかもしれない。私:裕福な家庭より貧困な家庭の子供の方が肥満率が高く、糖尿病や心臓病にもかかりやすいという統計もあり、医療にもお金がかかり、保険の費用も高騰し、その負担は社会全体で負わなければならない。 このブログでふれた「世界の99%を貧困にする経済」で,スティグリッツ教授も米国国民の大きな経済的な不平等は結果的に米国経済によくないと言っているね。 A氏:格差の拡大がこのまま進むと、米国は格差が固定されたカースト社会になってしまい、全国民が平等であるという米国の根幹を揺るがし、政治システムの倫理性が問われる。 私:米社会は「私たち」の社会から「私」の社会に移行していて、その変化によるメリットは他人との違いに寛容になり、他の宗教の人や、同性愛者も受け入れるようになったが、社会全体で子供を育てるという意識がなくなったという点は問題だと、パットナム氏は指摘。 A氏:米国の将来の格差問題について、パットナム氏は、米国が以前、同様の経験をしているため、楽観的だという。 19世紀の終わりごろは経済格差が非常に大きく、政治も腐敗していたが、20世紀初頭にかけて、ニューヨークの貧困層に注目し、多くの人が、このような極貧が存在する社会には住みたくないと考え、改善を求める政治運動につながった。 私:当時の政治運動がもたらした大きな改革は、無償の高校教育の全米での導入。 結果的に米国の労働人口の教育水準が上がり、20世紀を通じて経済成長にもつながった。 それは富裕層や貧困層だけでなく、すべての米国民にとって受益をもたらした。 無償の高校教育に相当する現代の改革が何であるかはまだ分からないが、社会関係資本の低下や格差拡大という傾向を逆転させることができるのは間違いないとパットナム氏はいう。 大統領選でトランプ氏が敗れ、クリントン氏が勝利しても、民主党内で格差是正を唱えて、若者の支持を多く集めてきたバーニー・サンダース氏の影響は大きいだろうね。 新大統領で、米国はパットナム氏が期待する「社会関係資本の低下や格差拡大という傾向を逆転させる」ことができるだろうか。
2016.09.07
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今週は、下記5作品に興味を持った。 1.中澤克佳、宮下量久〈著〉『「平成の大合併」の政治経済学』・評者・諸富徹(京大教授) 1999年に始まった平成の大合併で、自治体数は3229から1727に激減。 明治、昭和に次ぐ第3の大規模合併となり、行政を効率化すると喧伝されたが、実際はどうだったのか、本書は、データに基づく実証的な検証を行う。 自治体にとって合併に向けた財政支援措置が、大きなインセンティブになったが、そのことは逆に合併自治体の財政規律律を弛緩させたという。 大合併は結局、失敗だったのか。 著者らは結論を急がず、さらに長い目でみる必要性も指摘する。 2.互盛央〈著〉『日本国民であるために 民主主義を考える四つの問い』・評者・武田徹・評論家 西欧の政治思想を踏まえ、国家主権のひとつである交戦権を、日米同盟に基づき、アメリカが自衛隊を介して行使する構図がある戦後日本では国民が主権者になれない事情が指摘される。 憲法9条と日米安保の同時廃棄という劇薬的対策を選ばずに本書が到達した着地点についてはぜひ読者自身で確かめて欲しいと評者はいう。 3.清義明〈著〉『サッカーと愛国』・評者・星野智幸・小説家 2014年3月、埼玉スタジアムの客席ゲートに、「JAPANESE ONLY」と書かれた差別表現の横断幕が吊るされた。 その後のJリーグの対応は迅速で、わずか数日で、浦和に無観客試合を科すという重い処分を発表した。 日本社会の大半がヘイトスピーチを野放しにし、止めようとしない中で、サッカーはすぐさま、差別は許さないことを行動で示したのだ。 本書によると、浦和事件の背景には、一部のレッズ関係者やサポーターが長年温存してきた朝鮮半島系の人々への敵対意識に加え、2002年の日韓ワールドカップ以降、日本社会に蔓延する嫌韓の気分があったという。 4.安田浩一〈著〉『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』・評者・斎藤美奈子・文芸評論家 ジャーナリストがジャーナリストの話を聞くということで、取材対象は琉球新報と沖縄タイムスの沖縄の2大新聞の記者とOB約20人。 取材のキッカケは自民党「文化芸術懇談会」で、作家・百田尚樹氏の「沖縄のあの二つの新聞社はつぶさなあかん」という発言だったという。 翌日、2紙は共同で異例の抗議声明を出すが、抗議のポイントは「つぶせ」発言ではなく、「普天間基地は田んぼの中にあった。周りには何もない。そこに商売になるということで人が住みだした」という虚偽の発言に対するものだった。 普天間基地の敷地内にはかつて10の集落があり、約9千人が住んでいたが、住民が捕虜収容されている間に米軍が土地を鉄条網で囲い、家並みを壊し、強権的に接収。 海兵隊が岩国基地から移転したのは76年で、宜野湾市の住民は5万人を超えていたというのが、普天間の真相。 記者たちは、基地問題は人権の問題なのだといい、「嫌われても、うるさいと思われても、大声で叫んでいくしかない」という。それが彼らの現実。知らないって怖いと思ったと評者はいう。 5.矢部宏治〈著〉『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』・評者・市川真人・批評家・早大准教授 「売れてる本」欄で紹介されていたもの。 私たちは無意識に「(これまでの)自分」を守ろうと、思考の前提としてきた情報や認識の書き換えを拒むのだ。 本書が突きつけるのも、驚愕の、そして根源的な認識の更新。 国連憲章でも事実上日本だけが今なお「敵国」扱い、日米原子力協定は条文のほとんどが“協定の終了後も引き続き有効”なる隷従的な側面を持ち、大気・土壌・水質の汚染関連法はあえて放射性物質を「汚染」の対象から外している。 日本の誇る憲法第九条は国連の世界政府構想の亡骸で、その夢がついえた後も日本を武装解除する手段だった。 我が目を疑う歴史観が、米公文書やウィキリークス、多数の歴史家の著作を基に示され、表題の二件に止まらず、我々が抱える疑問の多くを解きあかすという。 「トンデモ本」と黙殺するには重い一冊を、まずは冷静に読むべきだで、興奮も不快も賛否も、その後でよいと評者は言う。
2016.09.06
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私:大野氏は、日本語の研究を通して、日本とは何かを問い続けた。 「思う」と「考える」、「私は」と「私が」はどう違うのか。 大野氏が1999年に書いた「日本語練習帳」(岩波新書)はこうした疑問に明快に答え、200万部を超える大ベストセラーになった。 A氏:大野氏は、高校では、秀才ぞろいの友人たちがヨーロッパ文化に傾倒していくのに対し「そもそも日本とは一体何なのか。それが知りたい」と思い、若いときに抱いたこの疑問を解くために日本語研究に生涯を捧げた。 大野氏は自分で書いた原稿に何度も朱を入れるので、そのたびに校正刷りを取るため製作にコストがかかり、出版社泣かせだった。 酒は口にせず、体質もあったが「本気で学問をしようと思ったら、酒を飲んでいるヒマはないんだ」ということだったという。 私:大野氏が「日本語のルーツは南インドのタミル語にある」という説を発表したのは、60歳のときで、保守的な学界に衝撃を与え、大野は週刊誌などで激しい批判にさらされた。 大野氏は、豊かな語彙を持ち、事実をしっかりと見て、そのときどきにぴたっとあう表現ができる、それが言語の能力があるということだと考えていた。 何を見ても、何を感じても「やばい」の一言で済ませるのとは、対極にあると言える。 A氏:亡くなる年の2008年当時、流行した「KY」(空気が読めない)という言葉について、「こうした言葉が生まれて、大勢が使っているような社会は、言葉にとって危機的な状況」と憂慮し、「今の日本人が、どこかで物事をきちんと見ることを覚えない限り、明るい光は差してこないでしょう」と指摘した。 このブログでも、日本語の危機について、次のように長い知的街道があるね。 鈴木孝夫著「英語はいらない!?」、「マンガをもっと読みなさい」、鈴木孝夫著「日本人はなぜ日本を愛せないか」、金谷武洋著「主語を抹殺した男・評伝三上章」、金谷武洋著「日本語に主語はいらない」講談社選書メチエ(3の1)、(3の2)、3/3 、「漱石の漢詩を読む」、「街場の教育論・第10章国語教育はどうあるべきか」内田樹著・08年11月ミシマ社刊・3の1、3の2、3の3、中島文雄著「日本語の構造・英語との対比」、「日本語が亡びるとき・英語の世紀の中で」水村美苗著・筑摩書房08年10月刊・3の1 、3の2、3の3、「日本語への引きこもり・翻訳文化の時代が過ぎて」、「英語を社内公用語にしてはいけない3つの理由」、「日本語の科学が世界を変える」 私:グローバル時代に対応して、日本語については、しっかりした危機意識を持つべきだね。 再度、大野氏の「日本語練習帳」を読んでみようと思う。
2016.09.05
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私:庵野秀明総監督による映画「シン・ゴジラ」が、大ヒットして公開約1カ月で社会現象化しつつあるという。 俺は見ていないが、テレビのワイドショーで話題にしているので、大体のストーリーは分かっている。 A氏:明白に「もうひとつの3.11」を描いた映画であり、若手政治家と官僚たちがその知恵を総動員して危機に対抗する政治的なフィクションドラマだという。 テレビ番組の特集で民主党菅内閣のとき、官房副長官として、「3.11」に対応した福山哲郎議員に、この映画を見てもらってから、インタビューを受けて答えていたが、福山議員は、その当時を思い出したという。 映画では副官房長官が活躍するらしいね。 私:宇野氏によると作中で活躍する事務官、技官たちはいわゆる「オタク」的なメンタリティーの持ち主として描写されているという。 彼らのそれは世界を物語としてではなく情報の集積としてとらえるクールな視線であり、かつての「オタク」たちが手にしていた成熟の可能性だったという。 だが現実の日本ではこの20年で、この世代の「オタク」の一部はヘイトスピーカーと歴史修正主義者の温床となり、そして映画のように彼らをまとめる(ここ数年で決定的に衰退した平成の改革勢力たちが理想とした)強く柔軟なリーダーシップも出現することはなかったと厳しく論じている。 新しいゴジラはこの「何も変わらなかった日本」を破壊すべく再出現したのだという。 A氏:物語の結末において、人類(日本人)はゴジラを駆除するのではなく、「凍結」し、そしてその活動再開を防止するためのケアを継続しながら、長い復興の道を歩むことが示唆されているという。 ゴジラの「凍結」を主導した主人公格の若手政治家は、日本人はこれから時間をかけてゴジラと付き合っていくしかないと語る。 私:俺は、それを読んで、先日のブログ「福島の凍土壁 本当に破綻でないのか」の最後でふれたが、原子力規制委員会は、原子炉の制御棒など放射能レベルが高い廃棄物について、電力会社が300~400年間管理し、そのあとは国が10万年面倒を見るという基本方針を決めたという、気が遠くなるような「時間」を連想したね。 このゴジラとは福島第一が象徴する戦後日本の負の遺産のことに他ならないという宇野氏の言は的を射ているね。 A氏:4日の新聞では映画ジャーナリスト・大高宏雄氏が「政治的、社会派劇的な作品の枠組みさえ、ぶっ壊したかにも見える、まごうことなき野心作である『シン・ゴジラ』の単独製作をひとつのきっかけに、今の邦画製作の主流である製作委員会方式の作品群に見えるマンネリ化傾向が揺り動かされたらおもしろい」とコメントしているね。 私:「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」――それが同作の宣伝に用いられたキャッチコピー。 庵野総監督は20年の時間を経て、再びゴジラという怪獣を通じて公と私、政治と文学、世界と個人の現代的な関係を描くことに舵を切り、その手段としての「怪獣」の再定義とオタク的ポリティカル・フィクションの構築という野心的な試みの与えた衝撃は極めて、大きいと宇野氏は評価している。 そのうち、テレビで放映した時、観てみたいね。
2016.09.04
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A氏:農業改革に取組む小泉進次郎氏の新聞報道の「知的街道」ができているね。 「農協圧力、監視を強化 公取委、TPP発効前に」、「『攻め』の農業改革、道半ば:「『したたかさ』か『情熱』」か」9,10日朝日新聞・(けいざい+ 深話)欄、「進次郎が挑む:上、下、小泉氏『改革、考え方に開き』全農会長おひざ元・佐賀視察」27日朝日新聞・経済欄 私:小泉氏は、農協が農薬や肥料の流通を独占しているために高価格となり、農家の競争力を奪っていると主張し、PTは、韓国に比べて肥料が2倍、農薬は3倍になっていると指摘してきた。 この最後の佐賀視察のブログは、佐賀市は進次郎氏の議論に反発している全国農業協同組合連合会(全農)中野吉実会長のおひざ元への訪問報道で、農協グループ内で資材販売を手がける全農の中野会長は「やってきたことは間違っていない。韓国の肥料は安いが、今の(日本の)作業体系には合わない」などと反論したとある。 A氏:小泉氏の「改革への抵抗」かね。 私:この7月27日の記事の後、「小泉進次郎に恐れをなし、JA幹部と日本農業新聞が『全面降伏』」と月刊誌「選択」9月号が報じている。 それは、この小泉氏の佐賀訪問の4日後のJAグループの日刊紙「日本農業新聞」は、「自己改革を進める」と中野会長の談話を大きく掲載し、抵抗の「反省文」だとしているからだ。 この記事により、中野会長だけでなく、農業新聞も小泉氏に全面降伏したものと受け止められていると報じている。 A氏:この後を受けるように、2日の朝日新聞は、JAグループが、自らが販売する肥料など農業資材の価格引き下げに力を入れ始めたと報じていて、これは、小泉氏に農水省が足並みをそろえてできつつある「JA包囲網」に先手を打ってかわす狙いだという。 私:すなわち、従来より3~4割安い価格を実現しましたと、JAグループ内で、各地の農協などへの資材販売を手がける全国農業協同組合連合会(全農)は先月、発表をしたという。 韓国産肥料のうち、品質面に問題があるなどとして避けてきた安価品の輸入に初めて踏み切り、港から地域の農協を通さず直接農家に運ぶことで価格を引き下げたという。 A氏:小泉氏は、国内の農家が使う肥料の7割、農薬の6割、農機の5割を取り扱うJAグループのなかでも、特に全農の組織構造に問題があると指摘し、「全農改革が本丸」と強調している。 農水省も先月24日に決まった第2次補正予算に、資材価格を一覧比較できるホームページを立ち上げる費用を計上し、省内には価格引き下げにつなげる新法の構想まで浮上している。 私:全農にとって資材事業は、米や野菜の販売事業よりも多くの利益をあげる「ドル箱」、干渉されることはなんとしても避けたいのが本音だという。 一方、通産省の報告書によると、韓国の肥料は、国が育てた巨大メーカーが少品種大量生産を行って、日本の10倍の規模の原料輸送船を使うことで低コストを実現しているという。 全農幹部からは「批判はフェアではない」との不満も漏れるというが、なんで経済大国日本で、それができなかったのか不思議だね。 いずれにせよ、今頃になって指摘されるまで、農家を犠牲にして放置していた責任は誰にあるのだろう。
2016.09.03
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私:29日の「社説」では、福島第一原発の汚染水対策が、暗礁に乗り上げているとして、経済産業省と東京電力は凍土方式による遮水壁(凍土壁)を対策の柱と位置づけてきたが、いっこうに成果が上がらないとして、この問題をとりあげていたね。 ところが、その後、台風10号が観測史上はじめての東北上陸という事態を迎え、凍土壁の失敗などで対応が後手になっているときに、俺は、大潮と大雨の襲来で地下水のことが、心配になったね。 A氏:案の上、今朝の新聞で岩手の台風10号の豪雨による浸水被害とともに「福島第一、地下水が急上昇」と一面の左隅で報じているね。 私:原子力規制委員会の検討会では、以前から、外部有識者から「凍土壁の計画は破綻している」との指摘まで飛び出していたが、それでも、東電は未凍結部分にセメントを流し込むことなどでなお計画を進める考えを譲らず、世耕経産相も記者会見で凍結は進んでいるとの認識を示し、「東電を指導していく」と強調していた。 A氏:ところが、今回、凍土壁で遮蔽された下流のエリアの地下水位が、台風10号による降雨の影響以上に上昇していたことが1日、わかったという。 東電は、凍っていた凍土壁の2カ所が、度重なる大雨で溶けたと明らかにし、こうした穴を抜け、原子炉建屋側の地下水が下流に流れ込んだとみられるとした。 私:東電によると、凍土壁の下流の護岸の地下水位は、台風10号が通過した先月30日に一時、地表の下28センチまで上昇。 台風10号の通過前は35センチ下だったといい、7センチほど上昇。 台風10号による付近の降水量は1日で55ミリで、それだけなら5・5センチの上昇ですむはずだが、ポンプで740トンの地下水をくみ上げたにもかかわらず、降水量を超える水位の上昇があったという。 先月17日に接近した台風7号の大雨以降、凍土壁の2カ所で0度以下だった温度が0度以上に上昇し、度重なる大雨で大量の水が流れ込んだことで溶けたとみられる。 A氏:凍土壁の上流にある原子炉建屋には、高濃度汚染水がたまっており、東電は、建屋近くを通って汚染された地下水が、凍土壁の穴を抜けて下流に流れ込んだとみており、「凍土壁が機能していない状況」を認めたという。 地下水が地表まであふれ出た場合、側溝などを通じて海に流れ出す恐れもあり、東電の担当者は1日、「あと150ミリ降っていたら、地表面を超えていたかもしれない」といい、気象庁は当初、東北地方の多いところで24時間に200ミリほどの雨が降ると予想していたという。 今回の台風10号の上陸時点が福島だったら、汚染水は大変なことになっていたね。 私:3.11の原発事故で「想定外の津波」で自然の力に対する「原子炉の弱さ」を知ったはずが「観測史上初の東北の台風上陸」で「凍土壁の弱さ」を知ったことになるとはね。 根底にある自然に対する怖れの甘さが変わらないことを露呈したね。 ところで、原子力規制委員会は、原子炉の制御棒など放射能レベルが高い廃棄物について、電力会社が300~400年間管理し、そのあとは国が10万年面倒を見るという基本方針を決めたという。 10万年前を考えると、ホモ・サピエンスは20万年前から10万年前にかけてもっぱらアフリカで現生人類に進化した後、6万年前にアフリカを離れて長い年月をかけて世界各地に広がり、先住のネアンデルタール人などの初期人類集団との交代劇を繰り広げた。 島国の自然を相手に本当に10万年、面倒をみきれるのかね。
2016.09.02
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私:リオデジャネイロ五輪バトミントン女子ダブルスで高橋・松友組が、最後に逆転し、優勝し金メダルを獲得。 A氏:優勝を決めた瞬間、ヤセ型の監督らしい男性が、ものすごい勢いでコートに飛び込んできて選手と抱き合っていたね。 私:彼は「自分でもわからないうちにぴょんぴょん跳び上がって、コートに駆け込んだ」という。 実は、この監督は朴柱奉と言って、韓国人。 1992年バルセロナ五輪男子ダブルスの金メダリスト。 2001年に国際バドミントン連盟(IBF、現・世界バドミントン連盟、BWF)の殿堂入りを果たしているという。 現役引退後には、コーチとして母国の韓国やその他マレーシアやイングランドで実績をあげ、2004年、国際大会で弱かった日本の代表監督を引き受けた。 A氏:朴氏によると、日本選手は、才能は素晴らしいが、負けても笑って反省しない選手がいて、許せなかったという。 「参加するために試合をするのではない。勝つためだ」として、勝利への執念を植えつけ、実業団任せだった代表強化のシステムを変え、合宿を大幅に増やし、体力強化に砂浜での練習も導入。 猛練習で結果を出し、選手は変わり、目を合わせて朴氏のアドバイスを聞くようになったという。 私:14年の仁川アジア大会男子団体で日本は韓国との試合中、会場の空調で向かい風が強くなったと抗議した。 12年の李明博大統領(当時)の竹島訪問以降、日韓関係が悪かった時期で、後味の悪い負けに「なぜ韓国人監督を使う」という電話が日本バドミントン協会にかかってきたという。 スポーツに政治がからんできたね。 A氏:しかし、リオの実績で、日韓関係を超え、世界で認められたね。 東京五輪で金をとらせるつもりだったが、一足早く夢をかなえてくれたという。 私:朴氏は、日本協会から東京五輪までの続投を打診されたという。 「日本は再び、金メダルという大きな目標を持つべきで、これまで以上の厳しい練習が必要だと思っている」と朴氏はいう。 東京五輪にも金メダルを期待したいね。 それは、日韓関係にプラスにもなるだろう。
2016.09.01
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