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2017年03月09日
英国実態指標「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月10日18:30発表結果検証済)
2017年3月10日18:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年1月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は24pipsとなっています。平均値である24pipsを超えたことが46%あり、この数字は大きいと言えます。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
同じ実態指標である小売売上高1月集計結果は、市場予想を大きく下回りました。また直近は、GBPにとって悪いニュースもありました(EU離脱後も英国に大きな分担金の可能性、スコットランド独立の騒ぎ再燃など)。
ところが、1月の製造業の実情を表すと考えられる製造業PMIの12月・1月集計結果は悪くなく、むしろ良い数字です(56付近)。悪化は2月分集計結果からです(と言っても54.6です)。PMIは、景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。
悪化に向かうという点までは理解できるものの、市場予想がこれほど悪化しているのは、直近の印象で予想が行われているような気がします。つまり、反応に直結しやすい前月比は、市場予想よりは上振れするのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いということになります。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線で一致しています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、事前に陽線か陰線かを示唆する傾向は見出せませんでした。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(清書中:巻頭文言を参照ください)
以下は2017年3月10日21:50頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については次のように捉えていました。
結果は、前月比が市場予想を僅かに上回りました。
反応については次のように捉えていました。
結果は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線です。なお、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
期待的中率通り、シナリオ勝率も推移しています。
続きを読む...
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 現在、市場では個別の指標発表結果がどうなるかよりも、来週のFOMC利上げに向けてどう動くかがテーマとなっています。よって、指標発表前にGBPUSDとUSDJPYのトレンドを確認しておき、その方向に反するならポジションを持つのを諦めるぐらいが良いのかも知れません。
なお、本指標による反応は前月比>前年比です。また通常の市場環境では、本指標が他の主要国製造関連指標よりも安定して反応が大きいこともご注意ください。
- 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
がしかし、サービス業関連指標は1月集計分から悪化に転じた気配があるものの、製造業関連指標の1月集計データは本指標の今回発表がそれほど大きく悪化している気配がありません(むしろ1月PMIは12月PMIよりも微減したものの55と非常に高い)。
つまり、反応に直結しやすい前月比の今回発表は、市場予想よりも上振れするのではないでしょうか。
- 直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いという結論です。
- 直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。
つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線という結論で一致しています。
- 直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、過去の傾向からは、事前に陽線か陰線かを示唆する結果は見出せませんでした。
がしかし、上記の通り今回は前月比が市場予想よりも上振れすると予想しています。ゆえに、陽線での反応を見込んでいます。
- 直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は24pipsとなっています。平均値である24pipsを超えたことが46%あり、この数字は大きいと言えます。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
同じ実態指標である小売売上高1月集計結果は、市場予想を大きく下回りました。また直近は、GBPにとって悪いニュースもありました(EU離脱後も英国に大きな分担金の可能性、スコットランド独立の騒ぎ再燃など)。
ところが、1月の製造業の実情を表すと考えられる製造業PMIの12月・1月集計結果は悪くなく、むしろ良い数字です(56付近)。悪化は2月分集計結果からです(と言っても54.6です)。PMIは、景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。
悪化に向かうという点までは理解できるものの、市場予想がこれほど悪化しているのは、直近の印象で予想が行われているような気がします。つまり、反応に直結しやすい前月比は、市場予想よりは上振れするのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いということになります。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線で一致しています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、事前に陽線か陰線かを示唆する傾向は見出せませんでした。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(清書中:巻頭文言を参照ください)
2017年3月10日18:30発表
以下は2017年3月10日21:50頃に追記しています。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については次のように捉えていました。
- 現在、市場では個別の指標発表結果がどうなるかよりも、来週のFOMC利上げに向けてどう動くかがテーマとなっています。よって、指標発表前にGBPUSDとUSDJPYのトレンドを確認しておき、その方向に反するならポジションを持つのを諦めるぐらいが良いのかも知れません。
なお、本指標による反応は前月比>前年比です。また通常の市場環境では、本指標が他の主要国製造関連指標よりも安定して反応が大きいこともご注意ください。
- 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
がしかし、サービス業関連指標は1月集計分から悪化に転じた気配があるものの、製造業関連指標の1月集計データは本指標の今回発表がそれほど大きく悪化している気配がありません(むしろ1月PMIは12月PMIよりも微減したものの55と非常に高い)。
つまり、反応に直結しやすい前月比の今回発表は、市場予想よりも上振れするのではないでしょうか。
結果は、前月比が市場予想を僅かに上回りました。
反応については次のように捉えていました。
- 直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いという結論です。
- 直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。
つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線という結論で一致しています。
- 直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、過去の傾向からは、事前に陽線か陰線かを示唆する結果は見出せませんでした。
がしかし、上記の通り今回は前月比が市場予想よりも上振れすると予想しています。ゆえに、陽線での反応を見込んでいます。
- 直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
結果は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線です。なお、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
【9. シナリオ検証】
期待的中率通り、シナリオ勝率も推移しています。
以上
続きを読む...
2017年03月04日
4-4. 英国指標DB
2017年3月4日更新
【4-4-1. 英国指標全体の過去傾向と取引方針】
ほとんどの英国指標は17:30(現地冬時間は18:30)に発表されます。多少残業のある会社でも、最近は現地冬時間なので、仕事を急げば取引できそうですね。
先日、ブリグジット関連法案で、交渉権限を首相に委ねる法案が可決されました。そのため、BOEが現在の金融政策を見直したり、EU主要国幹部が英国の関連法案成立を邪魔するとも思えません。間の悪いことに、FRB幹部からは利上げ発言が続いており、最近の英国指標は市場予想を下回ったときの陰線の大きさが目立ちます。
GBPとの取引量が多いEURだけは、ギリシャ債務問題や主要国選挙で夏まで弱い状況が続くでしょう。つまり、当面のGBPはEURと引き分け、USDに対して弱くなる可能性が高いと見込んでいます。但し、EU側がブリグジット交渉で厳しい条件を突きつけることは既定です(EUのその他の国への見せしめと、EU主要国で選挙が続くため)。
全体としては、GBPJPYが135円付近まで下がり、それを下抜けるまで何週間を要するかがポイントと捉えています。
チャートは、先週始めに90日移動平均線を下抜けしています。そして今週、陽線側に大きく動かない限り、21日移動平均線が90日移動平均線とデッドクロスしてしまいそうです。
こうしたGBPJPYの動きは、GBPUSDの動きと同じです。GBPUSDは、先週始めに90日移動平均線を下抜けし、パラボリックも下降転換、一目均衡表は雲を下抜け遅行線が基準線・転換線を下抜けました。チャート上で現在より安値側のポイントは135円付近までないように見受けられます。
IMM投機筋ポジションは、先々週まではGBP売り持ちが増えていました。先週もGBPUSDは下落側に動いたので、売り持ちが増えても自然です。つまり、投機筋のトレンドは1週遅れで↓継続と判明しています。
株価・金利の動きは、3月6日以降のGBPの動きの予想に結び付きません。3/1以降は主要国株価がほぼ全て高値側に留まっている割に、各国10年債金利が下がっていません。株価と金利が逆に動かないと、どちらが通貨を引っ張るかが予想できません。
3月6日週は、10日に貿易収支と鉱工業生産が予定されています。がしかし、その日の関心事は米雇用統計のはずです。
ファンダメンタルの短期的側面から、3月6日週はGBP市場環境の悪さとチャートテクニカルの悪さを否定できる要素が何もありません。
【4-4-2. 主要指標】
以下、主な英国経済指標について下記一覧します。
指標名をクリックすると、その指標が示す内容・反応を、調査・分析・検証したリンク先に跳びます。
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
2017年1月17日にBOE総裁は「今後数年間の英成長は鈍化する見込み」で「個人消費の進展が政策にとっての鍵になる」と発言しています。また、2017年2月2日に四半期インフレ報告で「インフレ見通しが2017年は2.7%、2018年は2.6%」と示されました。
(1) BOE政策金利 (2017年2月2日発表結果記載済)
(2) MPC議事録(上記と同時発表)
(3) 四半期インフレ報告(上記と同時発表)
A3. 景気指標
A31. 産業
(1) 製造業PMI (2017年3月1日発表結果検証済)
(2) サービス業PMI (2017年3月3日発表結果検証済)
A4. 物価指標
主要国でCPI・RPI・PPIが一度に発表されるのは英国だけです。CPIやRPIの発表結果が揃って改善/悪化すると、驚くほど大きく反応するので注意が必要です。
(1) 消費者物価指数・小売物価指数・生産者物価指数 (2017年2月14日発表結果分析済)
A5. 雇用指標
(1) 失業保険申請件数・失業率 (2017年2月15日発表予定、事前分析済)
B. 経済情勢指標
B1. 経済成長
(1) 四半期GDP速報値
(2) 四半期GDP改定値 (2017年2月22日発表結果検証済)
(3) 四半期GDP確定値
B3. 実態指標
B31. 消費
(1) 小売売上高指数 (2017年2月17日発表結果検証済)
B32. 製造
(1) 鉱工業生産 (2017年3月10日発表結果検証済済)
以上
2017年03月02日
英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月3日18:30発表結果検証済)
2017年3月3日18:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去25回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。反応が大きな指標だと言えるでしょう。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性で劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
全般的には2016年7月を底とした改善基調が続いていました。今回の市場予想は前回結果よりも0.5ポイント低下となっています。市場予想通りだと、前月に続いて低下が続くことになります。
関連指標を参照してみましょう。
同じ2月分の景気指標は、製造業PMIが前月結果・市場予想を下回り、GFK消費者信頼感調査が市場予想通りだったものの1月よりも1ポイント低下しています。
実態指標はまだ2月分が発表されていません。但し、前月1月のBRc小売売上高調査は大幅悪化(前月より1.6ポイント低下し2016年8月以来のマイナス)となっています。
物価指標もまだ2月分が発表されていませんが、CPIとRPIの前月比が1ポイントずつ悪化してマイナスに転じています。
英政府・中銀関係の動きとしては、2月上旬にBOEがどちらかと言えば経済見通しに強気の声明・発言を続けていた一方、EU離脱交渉で首相一任権限を認める法案が議会審議されていました。
これらの状況を踏まえると、市場予想を更に下回るのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
ぱっと見で、直前1分足は陰線が目立ちます。
また、直後1分足と直後11分足を見比べると、直近では2016年8月以降、反応方向が一致しています。そして、
特徴的偏りがあります。直前10-1分足と直後1分足の方向を見比べると、指標発表前の10-1分足が指標発表後の反応方向を示唆しているように見受けられます。一致率数値については、後記「反応一致性分析」「指標一致性分析」をご覧ください。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が87%、方向一致時の両者値幅を比べて後者反応が伸びたことは70%となっています。この数字なら、指標発表後に反応方向を見てから追いかけても、まぁ安心です。
仮に、直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅を狙って解消するとき、期待できるpipsは過去平均から言って19pipsです。
悪くない。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が77%となっています。但し、過去の平均値で見ると、直前1分足は跳幅が8pips・値幅が4pipsとなっています。一般にGBPJPYのスプレッドが大きいことを踏まえると、終値までポジションを持たずに、跳幅を狙ってさっさと利確した方が良いでしょう。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が74%・76%と高い指標です。発表結果が市場予想を下回れば素直に陰線で反応する公算が高い訳です。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月3日22:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標については次のように捉えていました。
分析通りでした。
在庫・売上・受注が他の関連指標で良くないと予想され、先行き不安をあおる報道が多ければ、PMIが悪化して当然です。
メインシナリオは次の通りです。
結果は、直後1分足・直後11分足ともに陰線で反応し、反応は伸びていきました。
但し、その伸びは小さく、対象時間外の19時頃には陽線側へと反転しました。週末のポジション整理と、当夜にFRB幹部講演が利上げの話題を出すと見込んで、動きに迷いが現れています。それが、いつもよりも反応が伸びなかった理由と考えられます。
補助シナリオは次の通りです。
結果は陽線となりました。
つまるところ、分析・シナリオの正否は成績で判断するしかありません。
個々の指標で成績が悪いことが分析・シナリオ構築方法が間違っているとは言えません。役に立たないだけです。がしかし、成績が良ければ分析・シナリオに問題なし、ということはできるでしょう。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去25回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。反応が大きな指標だと言えるでしょう。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 2016年7月以降は改善基調だったももの、今回の市場予想は前回結果よりも0.5ポイント低下となっています。市場予想通りだと、前月に続いて低下が続くことになります。
関連指標を調べてみると、景気指標・実態指標・物価指標のいずれも低下に転じつつあるようです。英政府・中銀関係の動きとしては、2月上旬にBOEがどちらかと言えば経済見通しに強気の声明・発言を続けていた一方、EU離脱交渉で首相一任権限を認める法案が議会審議されていました。
これらの状況を踏まえると、市場予想を更に下回るのではないでしょうか。
なお、指標一致性分析結果に依れば、本指標は発表結果が前回結果・市場予想を下回ると、素直に陰線で反応しがちです。 - メインシナリオは次の通りです。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が87%、方向一致時の両者値幅を比べて後者反応が伸びたことは70%となっています。この数字なら、指標発表後に反応方向を見てから追いかけても、まぁ安心です。
仮に、直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅を狙って解消するとき、期待できるpipsは過去平均から言って19pipsです。 - 補助シナリオは次の通りです。
反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が77%となっています。但し、過去の平均値で見ると、直前1分足は跳幅が8pips・値幅が4pipsとなっています。一般にGBPJPYのスプレッドは1pips程度と大きいことを踏まえると、終値までポジションを持たずに、跳幅を狙ってさっさと利確した方が良いでしょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性で劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
全般的には2016年7月を底とした改善基調が続いていました。今回の市場予想は前回結果よりも0.5ポイント低下となっています。市場予想通りだと、前月に続いて低下が続くことになります。
関連指標を参照してみましょう。
同じ2月分の景気指標は、製造業PMIが前月結果・市場予想を下回り、GFK消費者信頼感調査が市場予想通りだったものの1月よりも1ポイント低下しています。
実態指標はまだ2月分が発表されていません。但し、前月1月のBRc小売売上高調査は大幅悪化(前月より1.6ポイント低下し2016年8月以来のマイナス)となっています。
物価指標もまだ2月分が発表されていませんが、CPIとRPIの前月比が1ポイントずつ悪化してマイナスに転じています。
英政府・中銀関係の動きとしては、2月上旬にBOEがどちらかと言えば経済見通しに強気の声明・発言を続けていた一方、EU離脱交渉で首相一任権限を認める法案が議会審議されていました。
これらの状況を踏まえると、市場予想を更に下回るのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
ぱっと見で、直前1分足は陰線が目立ちます。
また、直後1分足と直後11分足を見比べると、直近では2016年8月以降、反応方向が一致しています。そして、
特徴的偏りがあります。直前10-1分足と直後1分足の方向を見比べると、指標発表前の10-1分足が指標発表後の反応方向を示唆しているように見受けられます。一致率数値については、後記「反応一致性分析」「指標一致性分析」をご覧ください。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が87%、方向一致時の両者値幅を比べて後者反応が伸びたことは70%となっています。この数字なら、指標発表後に反応方向を見てから追いかけても、まぁ安心です。
仮に、直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅を狙って解消するとき、期待できるpipsは過去平均から言って19pipsです。
悪くない。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が77%となっています。但し、過去の平均値で見ると、直前1分足は跳幅が8pips・値幅が4pipsとなっています。一般にGBPJPYのスプレッドが大きいことを踏まえると、終値までポジションを持たずに、跳幅を狙ってさっさと利確した方が良いでしょう。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が74%・76%と高い指標です。発表結果が市場予想を下回れば素直に陰線で反応する公算が高い訳です。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月3日18:30発表
以下は2017年3月3日22:00頃に追記しています。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標については次のように捉えていました。
- 2016年7月以降は改善基調だったももの、今回の市場予想は前回結果よりも0.5ポイント低下となっています。市場予想通りだと、前月に続いて低下が続くことになります。
関連指標を調べてみると、景気指標・実態指標・物価指標のいずれも低下に転じつつあるようです。英政府・中銀関係の動きとしては、2月上旬にBOEがどちらかと言えば経済見通しに強気の声明・発言を続けていた一方、EU離脱交渉で首相一任権限を認める法案が議会審議されていました。
これらの状況を踏まえると、市場予想を更に下回るのではないでしょうか。
なお、指標一致性分析結果に依れば、本指標は発表結果が前回結果・市場予想を下回ると、素直に陰線で反応しがちです。
分析通りでした。
在庫・売上・受注が他の関連指標で良くないと予想され、先行き不安をあおる報道が多ければ、PMIが悪化して当然です。
メインシナリオは次の通りです。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が87%、方向一致時の両者値幅を比べて後者反応が伸びたことは70%となっています。この数字なら、指標発表後に反応方向を見てから追いかけても、まぁ安心です。
仮に、直後1分足終値でポジションを取得し、直後11分足跳幅を狙って解消するとき、期待できるpipsは過去平均から言って19pipsです。
結果は、直後1分足・直後11分足ともに陰線で反応し、反応は伸びていきました。
但し、その伸びは小さく、対象時間外の19時頃には陽線側へと反転しました。週末のポジション整理と、当夜にFRB幹部講演が利上げの話題を出すと見込んで、動きに迷いが現れています。それが、いつもよりも反応が伸びなかった理由と考えられます。
補助シナリオは次の通りです。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が77%となっています。但し、過去の平均値で見ると、直前1分足は跳幅が8pips・値幅が4pipsとなっています。一般にGBPJPYのスプレッドは1pips程度と大きいことを踏まえると、終値までポジションを持たずに、跳幅を狙ってさっさと利確した方が良いでしょう。
結果は陽線となりました。
【9. シナリオ検証】
つまるところ、分析・シナリオの正否は成績で判断するしかありません。
個々の指標で成績が悪いことが分析・シナリオ構築方法が間違っているとは言えません。役に立たないだけです。がしかし、成績が良ければ分析・シナリオに問題なし、ということはできるでしょう。
以上
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2017年02月28日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月1日発表結果検証済)
2017年3月1日18:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年1月分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。FX会社などの経済指標ランク分では、他国と同程度の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。がしかし、米国や欧州指標発表時のUSDJPY・EURJPYの反応と比べると、英国指標発表時のGBPJPYの反応は1ランク上の大きさになるようです。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去25回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。反応が大きな指標だと言えるでしょう。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
次に、今回本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
これまでの推移を見てみると、2016年7月分の48.2を底に、前回2016年11月分データは56.1ですから、半年足らずの間に7.9も上昇しています。
2016年6月がブリグジットとなった国民投票でしたから、翌7月の底はわかります。その後の上昇は、EU諸国で英国製品に関税がかかる前に仕入れが増えたのでしょうか。だとすれば、昨年末ごろからハードブリグジットが報道されているので、改善基調がまだ暫く続くのかも知れません。このあたりの機微は現地報道を調べてみなないとわかりません。
2月中旬には、メイ首相が正式にEU離脱にあたっての英政府方針を発表しました。けれどもGBPJPYもGBPUSDもあまり大きな動きはなかったようです。首相の演説は、改善基調が続くという上記の見方に影響するイベントではなかったようです。
次に、今回の市場予想は、前回結果より0.1ポイントの悪化となっています。
なお、PMIでは今週発表が予定されている建設業PMIも対前月0.2ポイント悪化、サービス業PMIも対前月0.5ポイント悪化と予想されています。そして、先週発表されたGFK消費者信頼感調査では対前月1ポイント悪化となっています。英国の2月景況感は全体に悪化と見込まれているようです。
また、実態指標は、まだ12月分までしか発表されていないものの、製造業生産指数が12月には前月比2.1%と、2013年以降で2番目に高い水準となっていました。製造業生産指数は11月・12月と2か月続けて前月比1%と超えたことは、2013年以降ありません(未発表の1月分以降は落ち込む可能性が高い)。
そして、2月上旬にはMPC参加者から「利上げ可能性」についての発言があり、中旬にはメイ首相のハードブリグジットの方針に関する議会説明がありました。
市場予想が前回結果よりも0.1ポイント悪化というのは甘く、もっと悪化するのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が83%となっています。がしかし、後者終値が前者終値を超えて伸びたことは58%(2回に1回)です。指標発表結果を見てから追いかけてポジションを持つなら、ポジションは早めに解消した方が良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足の陽線率が70%、直前1分足の陰線率が72%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が各92%・75%となっています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月1日23:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
結果は、前回結果・市場予想を1.2ポイント下回りました。
次に、メインシナリオは以下のように用意していました。
発表結果が市場予想を下回り、陰線で反応しました。
また、直後1分足と直後11分足の方向は一致しました。がしかし、方向こそ一致したものの、直後11分足終値は直後1分足終値から戻す動きとなりました。追いかけてポジションを持っていたなら、早々に解消すべきだったはずです。
補足シナリオは以下のように用意していました。
直前10-1分足・直前1分足ともに陽線となりました。
シナリオ4のポジション取得を止めたのは、指標発表前までが強い上昇トレンドが続いていたため、です。結果的に読みが当たり、損失を被らずに済みました。
全般的には、強い上昇トレンド中の指標発表となりましたが、4本足チャートを見ればわかるように、市場が本ブログと同様に市場予想を疑っていた節があります。大きく市場予想を下回ると捉えられていたからこそ、不自然に指標発表直前だけ陰線となった、と考えられます。
さて、本ブログを始めてからの本指標発表前後に取引は、幸い、非常に成績良いようです。以下に示します。
続きを読む...
本指標要点は下表に整理しておきました。
英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。FX会社などの経済指標ランク分では、他国と同程度の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。がしかし、米国や欧州指標発表時のUSDJPY・EURJPYの反応と比べると、英国指標発表時のGBPJPYの反応は1ランク上の大きさになるようです。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去25回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。反応が大きな指標だと言えるでしょう。ちなみに、調査対象期間中に最も大きく反応したときは110pipsにも達しています。
次に、今回本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回の市場予想は、前回結果より0.1ポイントの悪化となっています。がしかし、同じく景況感で発表済・発表予定の結果・予想を見る限り、また実態指標である製造業生産指数の発表済12月分から1・2月を推測する限り、そして2月月初から中旬にかけての要人発言を見る限り、今回の市場予想が前回結果よりも0.1ポイント悪化というのは甘いのではないでしょうか。
- 指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が各92%・75%となっています。過去データを見る限り、発表結果に対し素直に反応しています。
そして、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が83%となっています。がしかし、後者終値が前者終値を超えて伸びたことは58%(2回に1回)です。指標発表結果を見てから追いかけてポジションを持つなら、ポジションは早めに解消した方が良さそうです。 - 反応一致性分析の結果、直前10-1分足の陽線率が70%、直前1分足の陰線率が72%となっています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
これまでの推移を見てみると、2016年7月分の48.2を底に、前回2016年11月分データは56.1ですから、半年足らずの間に7.9も上昇しています。
2016年6月がブリグジットとなった国民投票でしたから、翌7月の底はわかります。その後の上昇は、EU諸国で英国製品に関税がかかる前に仕入れが増えたのでしょうか。だとすれば、昨年末ごろからハードブリグジットが報道されているので、改善基調がまだ暫く続くのかも知れません。このあたりの機微は現地報道を調べてみなないとわかりません。
2月中旬には、メイ首相が正式にEU離脱にあたっての英政府方針を発表しました。けれどもGBPJPYもGBPUSDもあまり大きな動きはなかったようです。首相の演説は、改善基調が続くという上記の見方に影響するイベントではなかったようです。
次に、今回の市場予想は、前回結果より0.1ポイントの悪化となっています。
なお、PMIでは今週発表が予定されている建設業PMIも対前月0.2ポイント悪化、サービス業PMIも対前月0.5ポイント悪化と予想されています。そして、先週発表されたGFK消費者信頼感調査では対前月1ポイント悪化となっています。英国の2月景況感は全体に悪化と見込まれているようです。
また、実態指標は、まだ12月分までしか発表されていないものの、製造業生産指数が12月には前月比2.1%と、2013年以降で2番目に高い水準となっていました。製造業生産指数は11月・12月と2か月続けて前月比1%と超えたことは、2013年以降ありません(未発表の1月分以降は落ち込む可能性が高い)。
そして、2月上旬にはMPC参加者から「利上げ可能性」についての発言があり、中旬にはメイ首相のハードブリグジットの方針に関する議会説明がありました。
市場予想が前回結果よりも0.1ポイント悪化というのは甘く、もっと悪化するのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が83%となっています。がしかし、後者終値が前者終値を超えて伸びたことは58%(2回に1回)です。指標発表結果を見てから追いかけてポジションを持つなら、ポジションは早めに解消した方が良さそうです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足の陽線率が70%、直前1分足の陰線率が72%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が各92%・75%となっています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月1日22:30発表
以下は2017年3月1日23:30頃に追記しています。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
- 今回の市場予想は、前回結果より0.1ポイントの悪化となっています。がしかし、同じく景況感で発表済・発表予定の結果・予想を見る限り、また実態指標である製造業生産指数の発表済12月分から1・2月を推測する限り、そして2月月初から中旬にかけての要人発言を見る限り、今回の市場予想が前回結果よりも0.1ポイント悪化というのは甘いのではないでしょうか。
結果は、前回結果・市場予想を1.2ポイント下回りました。
次に、メインシナリオは以下のように用意していました。
- 指標一致性分析の結果、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が各92%・75%となっています。過去データを見る限り、発表結果に対し素直に反応しています。
そして、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が83%となっています。がしかし、後者終値が前者終値を超えて伸びたことは58%(2回に1回)です。指標発表結果を見てから追いかけてポジションを持つなら、ポジションは早めに解消した方が良さそうです。
発表結果が市場予想を下回り、陰線で反応しました。
また、直後1分足と直後11分足の方向は一致しました。がしかし、方向こそ一致したものの、直後11分足終値は直後1分足終値から戻す動きとなりました。追いかけてポジションを持っていたなら、早々に解消すべきだったはずです。
補足シナリオは以下のように用意していました。
- 反応一致性分析の結果、直前10-1分足の陽線率が70%、直前1分足の陰線率が72%となっています。
直前10-1分足・直前1分足ともに陽線となりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオ4のポジション取得を止めたのは、指標発表前までが強い上昇トレンドが続いていたため、です。結果的に読みが当たり、損失を被らずに済みました。
全般的には、強い上昇トレンド中の指標発表となりましたが、4本足チャートを見ればわかるように、市場が本ブログと同様に市場予想を疑っていた節があります。大きく市場予想を下回ると捉えられていたからこそ、不自然に指標発表直前だけ陰線となった、と考えられます。
さて、本ブログを始めてからの本指標発表前後に取引は、幸い、非常に成績良いようです。以下に示します。
以上
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2017年02月21日
英国経済指標「四半期GDP改定値」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年2月22日18:30発表結果検証済)
2017年2月22日18:30に英国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2016年10-12月期の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。よって、残念ながらポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
GDPについて、特に解説は必要ないでしょう。省略します。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2013年1-3月期分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
改定値ですから、市場予想はほぼ速報値の発表結果と一致しています。もともと、英欧GDPは日米GDPと違って、速報値を除けばブレが小さいようです。
今回の市場予想は、速報値結果と同じで、前期(2016年7-9月期)よりもやや悪化となっています。上記の通り、ほとんど結果はブレません。先月の10-12月期速報値への反応は小さく、直後1分足が陽線、直後11分足が陰線で反応しました。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足は、ヒゲの小さな陰線が目立ちます。ヒゲが小さいことから、発表直前まで陰線側に向かうことが多いものの、その動きと直後1分足の反応方向とは関係ありません。この動きにつられて、意味なく売ポジションを持つことがないようにしてください。
直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多いようです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%あり、それら両者終値同士を比べて同方向に値が伸びたことが、そのうち60%あります。発表後に反応方向を確認してから追いかけても構わない数字ですが、前述の通り、過去のローソク足を見る限り陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立っています。こうした場合、値動きに対し逆張りせざるを得なくなるので、ポジションを取るならばご注意ください。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
がしかし、本指標では市場予想と発表結果がブレたことが少ないため、この数字はアテにできません。例えば、下表における事前差異と直前10-1分足の方向一致率は100%となっていますが、これはブレた2回での100%です。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年2月23日に追記いたしました。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を以下に検証します。
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
結果は、前期比が前回結果・市場予想よりも改善、前年比が前回結果・市場予想よりも悪化、となりました。
事前に記していた通り、本指標改定値が速報値から改訂されることは珍しい、と言えます。がしかし、現時点において見識・見解が信頼できる報道機関における本結果解説記事は、インターネット検索の結果、見つけられませんでした。
次に、メインシナリオですが、次のように記していました。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向は逆となりました。
1分足チャートでは、直後1分足終値がついてすぐに、陽線側にヒゲを残して方向反転が起きました。そして、直後1分足跳幅・値幅は18pipsと、過去平均16pipsとほぼ同じになっています。
この動きに合理的解釈を加えるならば、前述の通り、本指標発表結果が市場予想とブレることは少ないものの、前期比と前年比が逆方向にブレたことが原因とも考えられます。
今後のための備忘として記録すると、もしこの動きに意味があるのなら、発表直後は前期比のブレに反応したものの、すぐに前年比への反応へと移行したように見えます。再現性のある動きか否かは、今後も観察を続けて確認していきます。
そして、補足シナリオについては、次のように記していました。
まず、過去の直後1分足の陽線率が高いことを根拠にしたシナリオ2、直後1分足終値頃に反応方向を追いかけてポジションを取るシナリオ3は、幸い利確できました。
指標結果は市場予想からブレたため、その結果が確認でき次第、ポジションは早めに解消しました。
直後1分足には上ヒゲがない状態で終わっていたので、そのまま暫くポジションを保持して利益を伸ばしたかったのですが、事前方針通りに早めのポジション解消が結果的に幸いしました。
直前1分足の陰線率が79%と高いことを根拠としたシナリオ1は損切となりました。実際、直前1分足は僅かに陽線となっているので、分析が外れたことになります。
がしかし、損切は1.23pipsですから、ほぼGBPJPYのスプレッド分(1.19pips)です。たまたまポジションを取るタイミングが良かったため、損切を小さくできたようです。
つまるところ、指標分析や反応分析の精度は、損益で判断するしかありません。本指標(改定値)については、本ブログを始めてからは最初の取引となります。
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本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 本指標は市場予想からのブレがあまり起きないことがわかっています。その結果、過去発表時の直後11分足は、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多い、ということです。ご注意ください。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%あり、それら両者終値同士を比べて同方向に値が伸びたことが、そのうち60%あります。
発表後に反応方向を確認してから追いかけても構わない数字ですが、上記の通り、過去のローソク足を見る限り陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立っています。こうした場合、値動きに対し逆張りせざるを得なくなるので、ポジションを取るならばご注意ください。
逆張りで損切を繰り返すぐらい可能性があるなら、1度読みを外したら2度目はやらないつもりでいた方がマシです。 - 発表結果が市場予想とブレた場合、直後の反応方向は過去の傾向から読み取れません。こうした場合、取引を控えた方が得策と考えます。
- 過去15回の結果は、直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%となっています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。よって、残念ながらポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
GDPについて、特に解説は必要ないでしょう。省略します。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2013年1-3月期分以降前回までの15回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
改定値ですから、市場予想はほぼ速報値の発表結果と一致しています。もともと、英欧GDPは日米GDPと違って、速報値を除けばブレが小さいようです。
今回の市場予想は、速報値結果と同じで、前期(2016年7-9月期)よりもやや悪化となっています。上記の通り、ほとんど結果はブレません。先月の10-12月期速報値への反応は小さく、直後1分足が陽線、直後11分足が陰線で反応しました。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足は、ヒゲの小さな陰線が目立ちます。ヒゲが小さいことから、発表直前まで陰線側に向かうことが多いものの、その動きと直後1分足の反応方向とは関係ありません。この動きにつられて、意味なく売ポジションを持つことがないようにしてください。
直後11分足には、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多いようです。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%あり、それら両者終値同士を比べて同方向に値が伸びたことが、そのうち60%あります。発表後に反応方向を確認してから追いかけても構わない数字ですが、前述の通り、過去のローソク足を見る限り陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立っています。こうした場合、値動きに対し逆張りせざるを得なくなるので、ポジションを取るならばご注意ください。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
がしかし、本指標では市場予想と発表結果がブレたことが少ないため、この数字はアテにできません。例えば、下表における事前差異と直前10-1分足の方向一致率は100%となっていますが、これはブレた2回での100%です。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017.2/22.18:30発表
以下は2017年2月23日に追記いたしました。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を以下に検証します。
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
- 本指標は市場予想からのブレがあまり起きないことがわかっています。その結果、過去発表時の直後11分足は、陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立ちます。これは発表後にも方向が定まりにくいということですから、損切にせよ利確にせよタイミングが難しいことが多い、ということです。ご注意ください。
結果は、前期比が前回結果・市場予想よりも改善、前年比が前回結果・市場予想よりも悪化、となりました。
事前に記していた通り、本指標改定値が速報値から改訂されることは珍しい、と言えます。がしかし、現時点において見識・見解が信頼できる報道機関における本結果解説記事は、インターネット検索の結果、見つけられませんでした。
次に、メインシナリオですが、次のように記していました。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が71%あり、それら両者終値同士を比べて同方向に値が伸びたことが、そのうち60%あります。
発表後に反応方向を確認してから追いかけても構わない数字ですが、上記の通り、過去のローソク足を見る限り陽線側・陰線側の両方にヒゲが目立っています。こうした場合、値動きに対し逆張りせざるを得なくなるので、ポジションを取るならばご注意ください。(以下略)
結果は、直後1分足と直後11分足の方向は逆となりました。
1分足チャートでは、直後1分足終値がついてすぐに、陽線側にヒゲを残して方向反転が起きました。そして、直後1分足跳幅・値幅は18pipsと、過去平均16pipsとほぼ同じになっています。
この動きに合理的解釈を加えるならば、前述の通り、本指標発表結果が市場予想とブレることは少ないものの、前期比と前年比が逆方向にブレたことが原因とも考えられます。
今後のための備忘として記録すると、もしこの動きに意味があるのなら、発表直後は前期比のブレに反応したものの、すぐに前年比への反応へと移行したように見えます。再現性のある動きか否かは、今後も観察を続けて確認していきます。
そして、補足シナリオについては、次のように記していました。
- 発表結果が市場予想とブレた場合、直後の反応方向は過去の傾向から読み取れません。こうした場合、取引を控えた方が得策と考えます。
- 過去15回の結果は、直前1分足の陰線率が79%、直後1分足の陽線率が71%となっています。
まず、過去の直後1分足の陽線率が高いことを根拠にしたシナリオ2、直後1分足終値頃に反応方向を追いかけてポジションを取るシナリオ3は、幸い利確できました。
指標結果は市場予想からブレたため、その結果が確認でき次第、ポジションは早めに解消しました。
直後1分足には上ヒゲがない状態で終わっていたので、そのまま暫くポジションを保持して利益を伸ばしたかったのですが、事前方針通りに早めのポジション解消が結果的に幸いしました。
直前1分足の陰線率が79%と高いことを根拠としたシナリオ1は損切となりました。実際、直前1分足は僅かに陽線となっているので、分析が外れたことになります。
がしかし、損切は1.23pipsですから、ほぼGBPJPYのスプレッド分(1.19pips)です。たまたまポジションを取るタイミングが良かったため、損切を小さくできたようです。
【9. シナリオ検証】
つまるところ、指標分析や反応分析の精度は、損益で判断するしかありません。本指標(改定値)については、本ブログを始めてからは最初の取引となります。
以上
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2017年02月16日
2017年2月17日18:30発表ー英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(結果検証済)
2017年2月17日18:30に英国実態指標「小売売上高指数」の発表が行われます。今回の発表は、2017年1月分のデータが公表されます。
以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。もし宜しければ、どれか広告をクリック頂き提携先に興味を持って貰えればもっと幸いです。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本指標に先行する関連指標には、サービス業PMIや物価指数が挙げられます。直近の相関度については、近々に求めてみたいと思います。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月分以降前回発表までの24回分のデータに基づいています。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは46%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、指標発表を跨いでポジションを持つことは避けた方が良いでしょう。
本指標の過去の動きを下図に示します。
今回、市場予想は前回結果よりも低く悪化となっています。
そして、先日発表された物価指数やサービス業PMIも1月分はかなり悪化していました。悪化に対する反応はいずれも陰線です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前1分足で陰線が目立ちます。直後1分足には陽線が目立ちます。
直後11分足で大きく陰線に伸びた2016年6月は、何と跳幅157pips・値幅96pipsにも達しています。この月はブリグジット絡みで反応が大きかった訳ですが、もしこんなことが再度あっても、なかなか自信をもってポジションは取れませんよね。
1月は、先日発表された物価指数やサービス業PMIが悪化しています。いずれも陰線で反応しています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%です。そこそこ高い一致率ですし、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%となっています。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得して追いかけても、直後1分足終値と直後11分足跳幅との差25pipsが狙えます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が86%あります。1分足であっても過去平均の跳幅は10pipsあります。
また、直後1分足の陽線率が70%あります。こちらは過去平均の跳幅が29pipsもあります。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
見るべき点は、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%ある点です。発表前にも関わらず、過去平均で直前10-1分足は跳幅が22pipsもあります。そんじょそこらの指標ではないですね。
また、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%あります。指標発表結果を確認したら、追いかけても良い数字でしょう。但しそのとき、直後1分足跳幅の過去平均29pipsを超えていたら、追いかけは慎重にやってください。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
いやはや、驚きましたね。17時頃から19時過ぎまでに200pips弱の落ち方でした。
ところで、発表後の落ち方には段差がありましたね。これは、一段目が発表結果を反映して、二段目が19:00からシティが動くのを見越して、三段目が株取引が始まって、でしょうか。
19時になってやっと形成中の4時間足が陽線に転じました。がしかし、もしこのまま戻っても140.7までは行かないかな、と見ています(1時間足の転換線がそのあたりにあって、ほぼ半値戻しにあたる値。但し、この半値戻しは指標発表前の下降も反映されているので、141.5ぐらいで力尽きるのではないでしょうか)。
ともあれ、週末の取引きです。気を付けて楽しんでください。
取引結果は次の通りでした。
事前分析では、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が70%と示していました。そこそこ高い一致率であり、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%とも記していました。そして、指標一致分析の結果として、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%ある、としていました。
大きくは分析通りに動いたと言えるでしょう。
がしかし、直後1分足が過去平均跳幅の29pipsを超えていたら、追いかけは慎重に行うように指摘していました。
もし、直後1分足終値でポジションを取り、直後11分足跳幅で解消していても利確はできたと思います。がしかし、リスクを考えての助言だったとは言え、結果から言えば今回のケースでは不適切でした。でもまぁ、予め結果がわかっている訳でもなし、どんどん追いかけろとは言えませんよね。ご容赦ください。
最終的には、分析及びシナリオの妥当性を検証するには、結果を見るしかありません。
本ブログを始めて、本指標で事前に分析結果を示しての取引は2回目でした。大した利益ではありませんが、まぁそんなことは半分どうでも良いのです。シナリオ毎の勝率が75%あるか否かが大事で、75%を下回るようになれば、何か分析方法を見直さないといけません。
あくまで、指標毎の集計は、シナリオが当たった否かに着目するため、です。
常識に照らして、いくら事前分析がどうあれ、今回のシナリオ2のようにポジションが取れないほど、事前の動きが激しい場合はあります。そのような場合、「シナリオが通用しない状況」と見なして、取引は中止しています。
あくまで「少数に絞ったシナリオ」が通用するかが大切で、必ずいくつか当たるようにシナリオを多く用意し過ぎたり、シナリオで想定している状況でもシナリオに固執する、というのは馬鹿げています。
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以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
- 指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは46%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、発表時刻を跨いでポジションを持つ場合には、慎重になった方が良いでしょう。 - 今回、市場予想は前回結果よりも悪化となっています。そして、先日発表された物価指数やサービス業PMIも1月分は悪化という結果でした。悪化に対する反応はいずれも陰線でした。
- 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%でした。そこそこ高い一致率ですし、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%となっています。また、指標一致分析の結果、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%あります。
指標発表結果を確認したら追いかけても良い数字でしょう。但しそのとき、直後1分足跳幅の過去平均29pipsを超えていたら、追いかけは慎重にやってくださいね。 - 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が86%あります。1分足であっても過去平均の跳幅は10pipsあります。
もし発表後の反応を陽線側と考えておられる方がいても、ポジション取得はあまり早くしない方が良さそうです。 - 反応一致性分析では、直後1分足の陽線率も70%ありました。こちらは過去平均の跳幅が29pipsもあります。
がしかし、一応シナリオも用意したものの、直近の関連指標で1月の状況が悪すぎます。
過去24回で陽線率が70%と言っても、反応を陽線に決め打ちするには少し怖い状況だと言えるでしょう。 - 指標一致性分析の結果、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%ありました。発表前にも関わらず、過去平均で直前10-1分足は跳幅が22pipsもあります。
なお、今回の事前差異は市場予想が前回結果よりも悪いのでマイナスです。この間に陰線となる1分足タイミングを見計らって、ポジションを取るのも一興かと思います(一興ですから、軽めのポジションを薦めます)。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。もし宜しければ、どれか広告をクリック頂き提携先に興味を持って貰えればもっと幸いです。
?T.調査
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本指標に先行する関連指標には、サービス業PMIや物価指数が挙げられます。直近の相関度については、近々に求めてみたいと思います。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月分以降前回発表までの24回分のデータに基づいています。
指標発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の過去平均値は29pipsとなっています。そして、その平均値を超えたことは46%です。調査期間中、最も反応が大きかったときには67pipsとなっています。
大きく反応しがちな指標ですから、指標発表を跨いでポジションを持つことは避けた方が良いでしょう。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
今回、市場予想は前回結果よりも低く悪化となっています。
そして、先日発表された物価指数やサービス業PMIも1月分はかなり悪化していました。悪化に対する反応はいずれも陰線です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前1分足で陰線が目立ちます。直後1分足には陽線が目立ちます。
直後11分足で大きく陰線に伸びた2016年6月は、何と跳幅157pips・値幅96pipsにも達しています。この月はブリグジット絡みで反応が大きかった訳ですが、もしこんなことが再度あっても、なかなか自信をもってポジションは取れませんよね。
(2-3. 関連指標)
1月は、先日発表された物価指数やサービス業PMIが悪化しています。いずれも陰線で反応しています。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は70%です。そこそこ高い一致率ですし、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%となっています。
過去平均値では直後1分足終値がつく頃にポジションを取得して追いかけても、直後1分足終値と直後11分足跳幅との差25pipsが狙えます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が86%あります。1分足であっても過去平均の跳幅は10pipsあります。
また、直後1分足の陽線率が70%あります。こちらは過去平均の跳幅が29pipsもあります。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
見るべき点は、事前差異と直前10-1分足の方向一致率が74%ある点です。発表前にも関わらず、過去平均で直前10-1分足は跳幅が22pipsもあります。そんじょそこらの指標ではないですね。
また、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%あります。指標発表結果を確認したら、追いかけても良い数字でしょう。但しそのとき、直後1分足跳幅の過去平均29pipsを超えていたら、追いかけは慎重にやってください。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/16.22:30発表
2017年2月17:21:34追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
いやはや、驚きましたね。17時頃から19時過ぎまでに200pips弱の落ち方でした。
ところで、発表後の落ち方には段差がありましたね。これは、一段目が発表結果を反映して、二段目が19:00からシティが動くのを見越して、三段目が株取引が始まって、でしょうか。
19時になってやっと形成中の4時間足が陽線に転じました。がしかし、もしこのまま戻っても140.7までは行かないかな、と見ています(1時間足の転換線がそのあたりにあって、ほぼ半値戻しにあたる値。但し、この半値戻しは指標発表前の下降も反映されているので、141.5ぐらいで力尽きるのではないでしょうか)。
ともあれ、週末の取引きです。気を付けて楽しんでください。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
事前分析では、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が70%と示していました。そこそこ高い一致率であり、両者方向が一致したときに値幅が伸びたことは69%とも記していました。そして、指標一致分析の結果として、事後差異と直後11分足の方向一致率が79%ある、としていました。
大きくは分析通りに動いたと言えるでしょう。
がしかし、直後1分足が過去平均跳幅の29pipsを超えていたら、追いかけは慎重に行うように指摘していました。
もし、直後1分足終値でポジションを取り、直後11分足跳幅で解消していても利確はできたと思います。がしかし、リスクを考えての助言だったとは言え、結果から言えば今回のケースでは不適切でした。でもまぁ、予め結果がわかっている訳でもなし、どんどん追いかけろとは言えませんよね。ご容赦ください。
【9. シナリオ検証】
最終的には、分析及びシナリオの妥当性を検証するには、結果を見るしかありません。
本ブログを始めて、本指標で事前に分析結果を示しての取引は2回目でした。大した利益ではありませんが、まぁそんなことは半分どうでも良いのです。シナリオ毎の勝率が75%あるか否かが大事で、75%を下回るようになれば、何か分析方法を見直さないといけません。
あくまで、指標毎の集計は、シナリオが当たった否かに着目するため、です。
常識に照らして、いくら事前分析がどうあれ、今回のシナリオ2のようにポジションが取れないほど、事前の動きが激しい場合はあります。そのような場合、「シナリオが通用しない状況」と見なして、取引は中止しています。
あくまで「少数に絞ったシナリオ」が通用するかが大切で、必ずいくつか当たるようにシナリオを多く用意し過ぎたり、シナリオで想定している状況でもシナリオに固執する、というのは馬鹿げています。
以上
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2017年02月15日
2017年2月15日18:30発表予定ー英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」発表前後のGBPJPY反応分析
2017年2月15日18:30に英国雇用指標「失業保険申請件数・失業率」の発表が行われます。今回の発表は、2017年1月分のデータが公表されます。
以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません(とはいえ、20pips程度あるので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応しますが)。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は、2015年1月分から前回2016年12月分までの24回の発表結果を集計したものです。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は35pipsとなっています。そして、平均値を超えたことは42%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは75pipsでした。
但し、2015年後半から、なぜか本指標への反応は小さくなっています。ですから、この数字を見るより後記「反応性分析」のグラフを読み取る方が良いでしょう。直近12回のデータを見ると、直後1分足跳幅平均値は19pipsです。
(※ 本指標分析で、過去データが24回分と多いことは、このように「反応程度」に誤差を生じます。がしかし、「反応方向」の分析にはデータ数があった方が良いので、ご容赦ください。)
失業保険申請件数は対前月増減を表しています。最近はややプラス傾向が続いています。
失業率のグラフを見ると、市場予想は単に前回結果を踏襲したもので、予想としての意義はありません。
少なくとも、現時点における現地報道において、特に失業保険申請件数や失業率が変化しているという話題は目立っていません。これらが話題に挙がるのは、ブリグジット後を睨んだ記事のおいてです。
むしろ、昨日発表された物価指標では、消費者・小売・生産を通し、上昇基調が継続しています。経済的弱者と言える国でない限り、物価が上昇基調のときには雇用も改善基調が続くと考えられます。
今回の市場予想では、失業保険申請件数がやや改善、失業率は横這い、となっています。妥当な予想であって、上振れ・下振れの予想はつきません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は16pips・10pipsとなっています。発表前であってもかなり大きく動いています。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は11pips・7pipsとなっています。これも10pipsを超えて動くことが多いようです。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は35pips・24pipsとなっています。
2015年後半から、なぜか本指標への反応は小さくなっています。直近12回のデータを見ると、直後1分足跳幅平均値は19pipsです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は45pips・31pipsとなっています。
これもなぜか2015年後半から反応が小さくなっています。直近12回のデータを見ると、直後11分足跳幅平均値は28pipsです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は74%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは71%となっています。この数字なら、指標発表後の初期反応を見てから追いかけでポジションを取得しても良さそうですね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率70%、直前1分足は陰線率70%、それらを補強するように、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は30%(不一致率70%)となっています。
直後11分足は陽線率が70%となっており、直後1分足との方向一致率が74%ゆえ、直後1分足も陽線となったことが多いということになります(直後1分足単体の陽線率は63%となっています)。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
特に注目すべき偏りは見出せません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
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以下に本指標の過去傾向に基づくポイントを整理しておきます。
- 発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は35pipsとなっています。そして、平均値を超えたことは42%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは75pipsでした。
但し、2015年後半から、なぜか本指標への反応は小さくなっています。直近12回のデータを見ると、直後1分足跳幅平均値は19pipsです。 - 少なくとも、現時点における現地報道において、特に失業保険申請件数や失業率が変化しているという話題は目立っていません。これらが話題に挙がるのは、ブリグジット後を睨んだ記事のおいてです。
むしろ、昨日発表された物価指標では、消費者・小売・生産を通し、上昇基調が継続しています。経済的弱者と言える国でない限り、物価が上昇基調のときには雇用も改善基調が続くと考えられます。
今回の市場予想では、失業保険申請件数がやや改善、失業率は横這い、となっています。妥当な予想であって、上振れ・下振れの予想はつきません。 - 反応性分析の結果、過去の直後1分足と直後11分足の方向一致率は74%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは71%となっています。この数字なら、指標発表後の初期反応を見てから追いかけでポジションを取得しても良さそうですね。
- 反応一致性分析の結果は次の通りです。
直前10-1分足は陽線率70%、直前1分足は陰線率70%、それらを補強するように、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は30%(不一致率70%)となっています。
直後11分足は陽線率が70%となっており、直後1分足との方向一致率が74%ゆえ、直後1分足も陽線となったことが多いということになります(直後1分足単体の陽線率は63%となっています)。 - 指標一致性分析では、目立った偏りを見出せませんでした。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。以下は「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
?T.調査
【1. 指標概要】
日本を除く主要国では、雇用統計発表直後の反応が他の指標発表時よりも大きくなる傾向があります。これは、雇用統計がその国の景気を最もよく表している、と考えられているからです。
どの国でも失業率は「失業者÷労働力人口×100」と定義され、失業者は「働く意思があるのに失職中の人」とされています。がしかし、働く意思があるのに失職中の人をカウントすることは難しいのです。年金受給者・生活保護者・収監者を除いたり、細かな定義を見ると算出の難しさがわかります。
そのため、失業保険申請件数や雇用者数を集計して、失業率の算定がおかしな数字となっていないことをチェックしている訳です。ちなみに、英国では失業保険申請件数を失業率と同時に集計・発表しています。
以前はかなり大きな反応をする指標でしたが、最近はなぜかあまり反応しません(とはいえ、20pips程度あるので、日欧の雇用指標に比べると大きく反応しますが)。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は、2015年1月分から前回2016年12月分までの24回の発表結果を集計したものです。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は35pipsとなっています。そして、平均値を超えたことは42%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは75pipsでした。
但し、2015年後半から、なぜか本指標への反応は小さくなっています。ですから、この数字を見るより後記「反応性分析」のグラフを読み取る方が良いでしょう。直近12回のデータを見ると、直後1分足跳幅平均値は19pipsです。
(※ 本指標分析で、過去データが24回分と多いことは、このように「反応程度」に誤差を生じます。がしかし、「反応方向」の分析にはデータ数があった方が良いので、ご容赦ください。)
(2-1. 過去情報)
失業保険申請件数は対前月増減を表しています。最近はややプラス傾向が続いています。
失業率のグラフを見ると、市場予想は単に前回結果を踏襲したもので、予想としての意義はありません。
少なくとも、現時点における現地報道において、特に失業保険申請件数や失業率が変化しているという話題は目立っていません。これらが話題に挙がるのは、ブリグジット後を睨んだ記事のおいてです。
むしろ、昨日発表された物価指標では、消費者・小売・生産を通し、上昇基調が継続しています。経済的弱者と言える国でない限り、物価が上昇基調のときには雇用も改善基調が続くと考えられます。
今回の市場予想では、失業保険申請件数がやや改善、失業率は横這い、となっています。妥当な予想であって、上振れ・下振れの予想はつきません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は16pips・10pipsとなっています。発表前であってもかなり大きく動いています。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は11pips・7pipsとなっています。これも10pipsを超えて動くことが多いようです。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は35pips・24pipsとなっています。
2015年後半から、なぜか本指標への反応は小さくなっています。直近12回のデータを見ると、直後1分足跳幅平均値は19pipsです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は45pips・31pipsとなっています。
これもなぜか2015年後半から反応が小さくなっています。直近12回のデータを見ると、直後11分足跳幅平均値は28pipsです。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は74%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは71%となっています。この数字なら、指標発表後の初期反応を見てから追いかけでポジションを取得しても良さそうですね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前10-1分足は陽線率70%、直前1分足は陰線率70%、それらを補強するように、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は30%(不一致率70%)となっています。
直後11分足は陽線率が70%となっており、直後1分足との方向一致率が74%ゆえ、直後1分足も陽線となったことが多いということになります(直後1分足単体の陽線率は63%となっています)。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
特に注目すべき偏りは見出せません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/14.22:30発表
後日追記用
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
【9. シナリオ検証】
以上
続きを読む...
2017年02月13日
2017年2月14日18:30発表ー英国物価指標「小売物価指数・消費者物価指数・生産者物価指数」発表前後のGBPJPY反応分析(結果検証済)
2017年2月14日18:30に英国物価指標「小売物価指数・消費者物価指数・生産者物価指数」の発表が行われます。今回の発表は、2017年1月分のデータが公表されます。
以下にポイントを整理しておきます。
以下の「?T.調査」「?U.分析」は事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
消費者物価指数(CPI)とは消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。
小売物価指数(RPI)に含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されます。
生産者物価指数(PPI)はあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
本指標は、過去平均から言って20-30pipsぐらい動きます。比較的反応が大きな指標と言えるでしょう。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月以降前回発表までの24回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は30pipsとなっています。そして、平均値である30pipsを超えたことは42%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは69pipsでした。
本指標の過去の動きを下図に示します。
全般的には、2015年10月頃から改善傾向が続いています。英中銀のインフレ目標2%のにCPIが達するのにあと僅かです。もし市場予想を超え2%を上回った場合、短期的に利上げが意識され、その後は現在のEU離脱交渉への不安から大きく戻すのではないでしょうか。
但し、前回発表で先行するPPIコアは悪化(停滞?)に転じています。またCPIの前月比が大きく悪化しました。それらの点で改善基調が続いているとは言え、反応を陽線に絞り込むには不安があります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ15pips・8pipsとなっています。
後記する反応一致性分析に依れば、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は38%(不一致率は62%)となっています。そして、直前10-1分足は陽線率76%で、直前1分足の陰線率は81%です。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ10pips・6pipsとなっています。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ30pips・17pipsとなっています。
着目すべき点は、事前差異と直後1分足の方向一致率が76%、事後差異と直後1分足の方向一致率が83%と高い点です。これは、英国指標発表時のGBP初期反応が素直になりがちだという点を踏まえると、市場予想が当たりがちで、今回の事前差異はマイナスゆえ陰線で反応する公算が高いということです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ36pips・19pipsとなっています。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は65%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは40%しかありません。
割愛します。
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
次回参考のため、本指標結果について ブルームバーグ記事(2017年2月14日 19:33) を要旨抜粋して引用します。
すなわち、英国では1月にインフレがエコノミスト予想ほどは加速せず、BOEの目標にも市場予想にも達しませんでした。がしかし、燃料コスト上昇とポンド安が相まって、インフレ率はBOEが目標とする2%を近く超える見通しです。一部エコノミストは年内に3%に達すると見込んでいます。論拠のひとつとして、生産者物価の仕入価格は2008年以来の大幅上昇となり物価圧力が高まる兆候を示しています。この日の発表によると、総合インフレ率を押し上げたのは自動車燃料で、食料品価格の下落率はここ2年余りで最小でした。1月の輸入物価は前年同月比で20%余り上昇し、2008年以来の高い伸びを記録。原油は88%値上がり。21世紀に入ってから最大の上げを演じています。
なお、本要点抜粋において誤りがあれば、それはブルームバーグの責ではなく全て引用者の責に帰します。
取引結果は次の通りでした。
事前分析で「全般的に2015年10月頃から改善傾向が続いており、英中銀のインフレ目標2%のにCPIが達するのにあと僅かです。もし市場予想を超え2%を上回った場合、短期的に利上げが意識され、その後は現在のEU離脱交渉への不安から大きく戻すのではないでしょうか」と見解を述べていました。
今回は市場予想を下回る結果だったので、本分析の正否は確認できていません。
また「前回発表で先行するPPIコアは悪化(停滞?)に転じており、CPIの前月比が大きく悪化していました。それらの点で改善基調が続いているとは言え、今回の反応を陽線に絞り込むには不安がある」と分析していました。
結果は分析通り悪化となりました。
事前の反応一致性分析では「直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は38%(不一致率は62%)」となっていました。
結果は、直前10-1分足が同値終了で、直前1分足が陰線でした。本ブログの分析では、比較する一方ないしは両方が同値の場合、分析正否のカウントには入れません(損益無しとなるため)。詳しくは「4-4. 反応一致性分析」をご参照ください。
事前に過去データを見た限りでは、直後1分足と直後11分足の方向一致率は65%となっていました。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは40%でした。指標発表直後の初期反応を見てポジションを持つには不安がある数字でした。そして、そのままポジションを持ち続けても良い数字ではありませんでした。
結果は分析に反して、直後1分足と直後11分足は同方向で値幅は伸びました。
また、着目すべき点として、事前差異と直後1分足の方向一致率が76%、事後差異と直後1分足の方向一致率が83%と高い点を挙げていました。これは、英国指標発表時のGBP初期反応が素直になりがちだという点を踏まえると、市場予想が当たりがちで、今回の事前差異はマイナスゆえ陰線で反応する公算が高い、という傾向を挙げて説明しました。そして、早めのポジション解消を推奨しました。
結果は分析通り、事前差異・事後差異ともにマイナスで陰線で反応しています。おかげで、比較的短時間のうちにそこそこのpipsが稼げました。
幸い、3つのシナリオを用意し、3つとも利確できました。シナリオ及びポジション取得・解消のタイミングに問題はありません。
結果的に、直後1分足より直後11分足の終値は伸びて、ポジション解消が早すぎるようにも見えます。
がしかし、事前分析では両者方向一致時に反応が同方向に伸びた過去確率は40%でした。このような数字を見て、ポジションを保持したまま利益を伸ばすことには抵抗があります。結果的には利確が早すぎたように見えますが、これはこれで良しとします。
本ブログを始めて、本指標でのシナリオ取引数が10回に達しました。そこで今後、シナリオ検証は数字で確認していきます。
別にいまさら自慢したい訳でもありませんが、ここに挙げた数字が悪化し始めたら、分析方法を見直す必要があるということです。
以下にポイントを整理しておきます。
- 全般的には、2015年10月頃から改善傾向が続いています。英中銀のインフレ目標2%のにCPIが達するのにあと僅かです。もし市場予想を超え2%を上回った場合、短期的に利上げが意識され、その後は現在のEU離脱交渉への不安から大きく戻すのではないでしょうか。
但し、前回発表で先行するPPIコアは悪化(停滞?)に転じています。またCPIの前月比が大きく悪化しました。それらの点で改善基調が続いているとは言え、今回の反応を陽線に絞り込むには不安があります。 - 反応一致性分析に依れば、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は38%(不一致率は62%)となっています。そして、直前10-1分足は陽線率76%で、直前1分足の陰線率は81%です。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ15pips・8pipsとなっています。そして、直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ10pips・6pipsとです。 - 過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は65%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは40%しかありません。
指標発表直後の初期反応を見てポジションを持つには不安がある数字です。そして、そのままポジションを持ち続けても良い数字ではありません。 - 着目すべき点は、事前差異と直後1分足の方向一致率が76%、事後差異と直後1分足の方向一致率が83%と高い点です。これは、英国指標発表時のGBP初期反応が素直になりがちだという点を踏まえると、市場予想が当たりがちで、今回の事前差異はマイナスゆえ陰線で反応する公算が高いということです。
但し、この場合にも直後1分足の値幅を超えて直後11分足終値が伸びることは、過去実績から40%しか期待できません。早めのポジション解消は意識しておいた方が良いでしょう。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ30pips・17pipsです。
以下の「?T.調査」「?U.分析」は事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後の投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
事前投稿した分析は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。それでも的中率は75%程度で、100%ではありません。
残念ながら、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を負いかねます。その点を予めご了承の上、ポジションを持つ上でご参考になれば幸いです。
?T.調査
物価は、生産者→小売→消費者の順に波及すると考えられます。他の主要国ではこれら物価指数が別々に発表されますが、英国は一度に発表しています。
消費者物価指数(CPI)とは消費者の製品・サービス購入価格を指数化した指標で、どの国でも最重視されています。英国は年2%のインフレ目標が設定されています。CPIコアは、CPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国ではタバコ・アルコールの価格変動が大きいのでしょうか。
小売物価指数(RPI)に含まれてCPIに含まれない対象に住宅費があります。RPIではCPIよりも数値が高くなります。RPIコアは、RPIから価格変動の激しいエネルギー・食品・タバコ・アルコールを除いた数値を指しています。英国では年金給付額が法律によってRPI規準で決定されます。
生産者物価指数(PPI)はあまり大きな反応を生じないように見受けられます。
本指標は、過去平均から言って20-30pipsぐらい動きます。比較的反応が大きな指標と言えるでしょう。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月以降前回発表までの24回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅平均値は30pipsとなっています。そして、平均値である30pipsを超えたことは42%です。調査期間中、最も反応が大きかったときは69pipsでした。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
全般的には、2015年10月頃から改善傾向が続いています。英中銀のインフレ目標2%のにCPIが達するのにあと僅かです。もし市場予想を超え2%を上回った場合、短期的に利上げが意識され、その後は現在のEU離脱交渉への不安から大きく戻すのではないでしょうか。
但し、前回発表で先行するPPIコアは悪化(停滞?)に転じています。またCPIの前月比が大きく悪化しました。それらの点で改善基調が続いているとは言え、反応を陽線に絞り込むには不安があります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ15pips・8pipsとなっています。
後記する反応一致性分析に依れば、直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は38%(不一致率は62%)となっています。そして、直前10-1分足は陽線率76%で、直前1分足の陰線率は81%です。
直前1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ10pips・6pipsとなっています。
直後1分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ30pips・17pipsとなっています。
着目すべき点は、事前差異と直後1分足の方向一致率が76%、事後差異と直後1分足の方向一致率が83%と高い点です。これは、英国指標発表時のGBP初期反応が素直になりがちだという点を踏まえると、市場予想が当たりがちで、今回の事前差異はマイナスゆえ陰線で反応する公算が高いということです。
直後11分足跳幅・値幅の過去平均値は、それぞれ36pips・19pipsとなっています。
過去データを見る限り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は65%となっています。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは40%しかありません。
(2-3. 関連指標)
割愛します。
?U. 分析
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/14.18:30発表
2017年2月16日10:30追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
次回参考のため、本指標結果について ブルームバーグ記事(2017年2月14日 19:33) を要旨抜粋して引用します。
すなわち、英国では1月にインフレがエコノミスト予想ほどは加速せず、BOEの目標にも市場予想にも達しませんでした。がしかし、燃料コスト上昇とポンド安が相まって、インフレ率はBOEが目標とする2%を近く超える見通しです。一部エコノミストは年内に3%に達すると見込んでいます。論拠のひとつとして、生産者物価の仕入価格は2008年以来の大幅上昇となり物価圧力が高まる兆候を示しています。この日の発表によると、総合インフレ率を押し上げたのは自動車燃料で、食料品価格の下落率はここ2年余りで最小でした。1月の輸入物価は前年同月比で20%余り上昇し、2008年以来の高い伸びを記録。原油は88%値上がり。21世紀に入ってから最大の上げを演じています。
なお、本要点抜粋において誤りがあれば、それはブルームバーグの責ではなく全て引用者の責に帰します。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
事前分析で「全般的に2015年10月頃から改善傾向が続いており、英中銀のインフレ目標2%のにCPIが達するのにあと僅かです。もし市場予想を超え2%を上回った場合、短期的に利上げが意識され、その後は現在のEU離脱交渉への不安から大きく戻すのではないでしょうか」と見解を述べていました。
今回は市場予想を下回る結果だったので、本分析の正否は確認できていません。
また「前回発表で先行するPPIコアは悪化(停滞?)に転じており、CPIの前月比が大きく悪化していました。それらの点で改善基調が続いているとは言え、今回の反応を陽線に絞り込むには不安がある」と分析していました。
結果は分析通り悪化となりました。
事前の反応一致性分析では「直前10-1分足と直前1分足の方向一致率は38%(不一致率は62%)」となっていました。
結果は、直前10-1分足が同値終了で、直前1分足が陰線でした。本ブログの分析では、比較する一方ないしは両方が同値の場合、分析正否のカウントには入れません(損益無しとなるため)。詳しくは「4-4. 反応一致性分析」をご参照ください。
事前に過去データを見た限りでは、直後1分足と直後11分足の方向一致率は65%となっていました。そして、それらの方向が一致したとき、直後11分足終値が直後1分足終値の方向で伸びたことは40%でした。指標発表直後の初期反応を見てポジションを持つには不安がある数字でした。そして、そのままポジションを持ち続けても良い数字ではありませんでした。
結果は分析に反して、直後1分足と直後11分足は同方向で値幅は伸びました。
また、着目すべき点として、事前差異と直後1分足の方向一致率が76%、事後差異と直後1分足の方向一致率が83%と高い点を挙げていました。これは、英国指標発表時のGBP初期反応が素直になりがちだという点を踏まえると、市場予想が当たりがちで、今回の事前差異はマイナスゆえ陰線で反応する公算が高い、という傾向を挙げて説明しました。そして、早めのポジション解消を推奨しました。
結果は分析通り、事前差異・事後差異ともにマイナスで陰線で反応しています。おかげで、比較的短時間のうちにそこそこのpipsが稼げました。
【9. シナリオ検証】
幸い、3つのシナリオを用意し、3つとも利確できました。シナリオ及びポジション取得・解消のタイミングに問題はありません。
結果的に、直後1分足より直後11分足の終値は伸びて、ポジション解消が早すぎるようにも見えます。
がしかし、事前分析では両者方向一致時に反応が同方向に伸びた過去確率は40%でした。このような数字を見て、ポジションを保持したまま利益を伸ばすことには抵抗があります。結果的には利確が早すぎたように見えますが、これはこれで良しとします。
本ブログを始めて、本指標でのシナリオ取引数が10回に達しました。そこで今後、シナリオ検証は数字で確認していきます。
別にいまさら自慢したい訳でもありませんが、ここに挙げた数字が悪化し始めたら、分析方法を見直す必要があるということです。
以上
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2017年02月08日
2017年2月10日18:30発表ー英国実態指標(製造業)「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(結果検証済)
「?T.調査」「?U.分析」は事前投稿です。「?V.結果」「?W.検証」の投稿日時は?Vのタイトル行付近に記載しています。
2017年2月10日18:30に英国実態指標(製造業)「鉱工業生産」の発表が行われます。今回の発表は2016年12月のデータです。
本指標での反応は大きく、ポジションは慎重に持つ必要があります。
ざっくりポイントを以下に整理しておきます。
- 本指標による反応は前月比>前年比です。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
- 本指標の直後1分足跳幅の平均値は25pipsとなっています。平均値である25pipsを超えたことが48%あり、この数字は大きいと言えます(30%前後となる指標が多い)。なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。このことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう
- 直前10-1分足は事前差異との方向一致率が27%となっています。今回、事前差異はマイナスなので、過去データに依れば陽線となる確率が73%です。
- 直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が22%となっています。つまり、直前1分足は直前10-1分足と逆方向に反応したことが78%です。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が70%となっています。直後1分足と直後11分足とが同じ方向に反応したとき、前者終値よりも後者終値の反応が伸びたことは69%となっています。注意すれば、指標発表後の反応方向を見てからポジションを取っても良いでしょう。直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅で解消するとき、過去データの平均値では18pips程度が期待できます。
?T.調査
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。生産高を金額を捉えているか量を捉えているかは調査中です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表しています。
本指標による反応は前月比>前年比です。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
本指標について既に公開されている情報を整理します。
以下の調査・分析は2015年1月以降前回発表までの23回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は25pipsとなっています。平均値である25pipsを超えたことが48%あり、この数字は大きいと言えます。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
前年比は前回発表結果よりも改善と予想されています。がしかし、反応への影響が大きい前月比は、今回の市場予想が前回結果よりも1.9ポイントも下がっています。
今回の事前差異はマイナスとなっています。事前差異と直前10-1分足・直前1分足は、それぞれ方向一致率が27%・77%となっています。すなわち、過去データに従えば、今回の直前10-1分足が陽線となる確率は73%、直前1分足が陰線となる確率は77%ということです。
事前差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率には、偏りが見いだせません。また、事後差異と直後11分足の方向一致率にも偏りは見出せません。そして、事後差異と直後1分足には方向一致率が70%となっています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を以下に示します。
直前10-1分足の過去平均値は、跳幅が13pips、値幅が9pipsです。
直前10-1分足は事前差異との方向一致率が27%となっています。今回、事前差異はマイナスなので、過去データに依れば陽線となる確率が73%です。
直前1分足の過去平均値は、跳幅が9pips、値幅が5pipsです
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が22%となっています。つまり、直前1分足は直前10-1分足と逆方向に反応したことが78%です。
直後1分足の過去平均値は、跳幅が25pips、値幅が15pipsです。
事前差異からは、直後1分足の反応方向を示唆していたという偏りが見いだせません。但し、事後差異がプラスなら陽線、マイナスなら陰線という方向一致率は70%です。発表結果には、やや素直に反応していたようです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が70%となっています。直後1分足と直後11分足とが同じ方向に反応したとき、前者終値よりも後者終値の反応が伸びたことは69%となっています。
注意すれば、指標発表後の反応方向を見てからポジションを取っても良いでしょう。直後1分足終値がつく頃にポジションを取り、直後11分足跳幅で解消するとき、過去データの平均値では18pips程度が期待できます。
(2-3. 関連指標)
割愛します。
?U. 分析
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/10.18:30発表
2017年2月10日21:10追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
今回は、製造業生産・建設支出・貿易収支と同時発表でした。漠然としたイメージでは、これらのうち鉱工業生産の結果に最も反応するという感覚があります。
今回は、いずれも市場予想に対し改善結果となったため、これらの指標間の強弱を比べることができませんでした。今後、発表日時が重なることが多いこれら指標の強弱関係について定量化していくつもりです。
本指標の直後1分足跳幅の過去平均値は25pipsとなっていました。平均値である25pipsを超えたことは48%ありました。
今回跳幅は10pipsですから、従来に比べて小さな反応となりました。おそらく、発表時(141.59)に日足チャート上で転換線(141.34付近)を上抜けたばかりだったため、ヒゲを残して反転する恐れがあったからではないでしょうか。
事前分析では、直前10-1分足と事前差異の方向一致率が27%となっていました。今回、事前差異はマイナスなので、過去データに依れば陽線となる確率が73%でした。
結果は陽線となりました。
また、直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が22%となっていました。
がしかし、実際は直前10-1分足と同じ方向(陽線)となりました。
そして直後11分足は、直後1分足との方向一致率が70%となっていました。そして、直後1分足と直後11分足とが同じ方向に反応したとき、前者終値よりも後者終値の反応が伸びたことは69%となっていました。
結果は分析通りとなりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオには問題ありません。
本指標は相性が良いのか、ブログを始めてからの成績も良好です。
以上
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2017年02月03日
2017年2月3日18:30発表ー英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(結果追記済)
2017年2月3日18:30に英国景気指標「サービス業PMI」の発表が行われます。今回は2017年1月分の発表となります。
過去発表時のポイントは次の通りです。
本指数は、(1) 各国のPMI同士を比較しやすいこと、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) サービス業景況指数は製造業のそれより精度が高く近い将来の状況を表すと考えられること、から重要度・注目度が高い、と言われています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。これは、サービス業の仕入れ・雇用が1か月程度先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられるため、です。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退です。
指数の意義は、景気転換をGDPや他の指標よりも先行示唆することです。
それに、英国重要指標全般に言えることですが、他の主要国と比較して反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。FX会社などの経済指標ランク分では、他国と同程度の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。がしかし、米国指標発表時のUSDJPYの反応と比べると、英国指標発表時のGBPJPYの反応pipsは、1ランク上の大きさになるようです。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
なお、PMIとはPurchasing Manager's Index(購買担当者景気指数)の省略形です。
調査主体であるMarkit社の日本語案内資料によれば、「各国の製造業とサービス業の PMI 調査は、400 を超える企業の上級担当責任者(もしくは同等職)を対象とするアンケート調査への回答に基づいています」。サービス業の「アンケートは事業活動・新規事業・受注残・サービス単価・購買価格・雇用・事業見通し」について行われ、その「集計結果をMarkit社のエコノミストが調査結果についてまとめています」。もし本説明内容に誤りがある場合には、引用者である当会のミスによるもので、Markit社案内資料の問題ではないことを付記しておきます。
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
前回結果56.2に対し今回の市場予想は55.8となっています。前回発表時は、直後1分足・直後11分足ともに陽線で反応していました。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去24回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。がしかし、直後1分足跳幅が平均値24pipsを超えたことは24回中7回(28%)しかありません。つまり、比較的大きく反応することもあるので平均値を釣り上げている訳です。
本指標の過去の動きを下図に示します。
全般的には2016年7月を底とした改善基調が続いています。
さて一般論として、物価は上流から下流に(生産者物価が上がると小売物価も上がる)、景気は下流から上流に(小売景況感が良くなれば生産者景況感も良くなる)伝搬します。がしかし、参考までに製造業PMIを下図に示します。
一般論とは違って、2016年7月の直近の底だけでなく、小さな底・頂の時期がサービス業PMIと製造業PMIでほぼ一致しています。少なくとも過去2年程度の期間で見る限り、どちらがどちらの先行指標とは言えないのではないでしょうか。
もしかすると、報道・統計の同時掌握性が以前に比べて格段に進んだ最近は、景況感や物価といった指標の伝搬速度が極めて早く、以前のように先行性の期間が非常に短くなっているのではないでしょうか。
そしてもしそれが正しいならば、先日(2/1)に発表された製造業PMIは、前回に対し微減、市場予想通りでした。そしてこのとき、反応は直後1分足が同値、直後11分足が陽線となっています。当日GBPJPYは15時から上昇基調でしたので、直後11分足の反応はトレンドに沿ったものと理解できます。
今回、本サービス業PMIの市場予想は、前回発表値に対し微減となっています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前10-1分足の過去の跳幅平均は13pips、値幅平均は7pipsとなっています。
陽線・陰線への偏りはありません(陽線率50%)。
事前差異(市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと直前10-1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率57%)。
直前1分足の過去の跳幅平均は8pips、値幅平均は4pipsとなっています。
過去24回中17回(81%)が陰線となっています。
事前差異(市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと直前1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率48%)。
直後1分足の過去の跳幅平均は24pips、値幅平均は15pipsとなっています。前述の通り、実際には跳幅が24pipsを超えたことは28%しかありません。2回に1回が超えるpipsは19pipsです。
事後差異(2?発表結果ー市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が73%となっています。期待的中率75%には僅かに達していませんが、発表結果に対してほぼ素直に反応するということが言えるでしょう。
直後11分足の過去の跳幅平均は34pips、値幅平均は19pipsとなっています。
次に、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことは、過去24回中19回(86%)となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、その19回のうち13回(68%)です。
事後差異(2?発表結果ー市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が78%となっています。
指標発表後に反応方向を見てからポジションを取っても良さそうです。
製造業PMIについて上記の通り対比検証しました。
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)の参考にできます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
前回結果56.2・市場予想55.8を下回る54.5となり、直後1分足・直後11分足ともに陰線となりました。
当日は日本時間から少しずつ上昇を続けていたものの、17:35に141.98の高値を付けると、発表直前の18:26には141.58付近まで下降しました。
取引結果は次の通りでした。
シナリオ1に基づき直前1分足始値前に売ポジションを取得したものの、直前1分足は予想に反して陽線となりました。取引そのものは、ポジションの取得が早すぎ、解消も遅れて発表直後となってしまいました。利確できたことは幸いでした。
シナリオ2は、シナリオ1のポジション解消が遅れたため、取引中止となりました。
シナリオ3は、発表後の反応を見て売ポジションを取得し、分析通りにそのまま陰線側に伸びたため利確することができました。
前回結果56.2に対し今回の市場予想は55.8となっていました。事前差異はマイナスで、発表直前までの動きは陰線側となっていました。直後1分足もまた陰線に反応しました。
直前1分足が過去24回中17回(81%)が陰線となっていました。がしかし、今回は陽線で反応しました。
事後差異と直後1分足の方向一致率が73%となっていました。結果も事後差異と直後1分足の方向が一致しています。発表結果に対してほぼ素直に反応する、という分析通りの動きと言えます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が86%となっていました。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は78%となっていました。直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち68%となっていました。
実際の結果もその通りの動きとなりました。
シナリオ2を実行できなかったことは残念でした。シナリオには問題ありません。
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過去発表時のポイントは次の通りです。
- 前回結果56.2に対し今回の市場予想は55.8となっています。前回発表時は、直後1分足・直後11分足ともに陽線で反応していました。
- 関連指標として、先日(2/1)に発表された製造業PMIは、前回に対し微減、市場予想通りでした。そしてこのとき、反応は直後1分足が同値、直後11分足が陽線となっています。当日GBPJPYは15時から上昇基調でしたので、直後11分足の反応はトレンドに沿ったものと理解できます。
- 直前1分足が過去24回中17回(81%)が陰線となっています。直前1分足は過去の跳幅平均が8pips、値幅平均が4pipsとなっています。
- 事後差異と直後1分足の方向一致率が73%となっています。期待的中率75%には僅かに達していませんが、発表結果に対してほぼ素直に反応するということが言えるでしょう。
- 直後1分足と直後11分足の方向一致率が86%となっています。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は78%となっています。直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち68%となっています。
?T.調査
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 各国のPMI同士を比較しやすいこと、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) サービス業景況指数は製造業のそれより精度が高く近い将来の状況を表すと考えられること、から重要度・注目度が高い、と言われています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。これは、サービス業の仕入れ・雇用が1か月程度先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられるため、です。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退です。
指数の意義は、景気転換をGDPや他の指標よりも先行示唆することです。
それに、英国重要指標全般に言えることですが、他の主要国と比較して反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。FX会社などの経済指標ランク分では、他国と同程度の重要度・注目度に位置づけられることが多いように見受けられます。がしかし、米国指標発表時のUSDJPYの反応と比べると、英国指標発表時のGBPJPYの反応pipsは、1ランク上の大きさになるようです。そのためポジションを持つ場合には注意が必要です。
なお、PMIとはPurchasing Manager's Index(購買担当者景気指数)の省略形です。
調査主体であるMarkit社の日本語案内資料によれば、「各国の製造業とサービス業の PMI 調査は、400 を超える企業の上級担当責任者(もしくは同等職)を対象とするアンケート調査への回答に基づいています」。サービス業の「アンケートは事業活動・新規事業・受注残・サービス単価・購買価格・雇用・事業見通し」について行われ、その「集計結果をMarkit社のエコノミストが調査結果についてまとめています」。もし本説明内容に誤りがある場合には、引用者である当会のミスによるもので、Markit社案内資料の問題ではないことを付記しておきます。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
前回結果56.2に対し今回の市場予想は55.8となっています。前回発表時は、直後1分足・直後11分足ともに陽線で反応していました。
指標発表結果に対し最も率直に反応するのは直後1分足跳幅だと言えます。過去24回のデータでは、直後1分足跳幅は平均24pipsの反応でした。がしかし、直後1分足跳幅が平均値24pipsを超えたことは24回中7回(28%)しかありません。つまり、比較的大きく反応することもあるので平均値を釣り上げている訳です。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
全般的には2016年7月を底とした改善基調が続いています。
さて一般論として、物価は上流から下流に(生産者物価が上がると小売物価も上がる)、景気は下流から上流に(小売景況感が良くなれば生産者景況感も良くなる)伝搬します。がしかし、参考までに製造業PMIを下図に示します。
一般論とは違って、2016年7月の直近の底だけでなく、小さな底・頂の時期がサービス業PMIと製造業PMIでほぼ一致しています。少なくとも過去2年程度の期間で見る限り、どちらがどちらの先行指標とは言えないのではないでしょうか。
もしかすると、報道・統計の同時掌握性が以前に比べて格段に進んだ最近は、景況感や物価といった指標の伝搬速度が極めて早く、以前のように先行性の期間が非常に短くなっているのではないでしょうか。
そしてもしそれが正しいならば、先日(2/1)に発表された製造業PMIは、前回に対し微減、市場予想通りでした。そしてこのとき、反応は直後1分足が同値、直後11分足が陽線となっています。当日GBPJPYは15時から上昇基調でしたので、直後11分足の反応はトレンドに沿ったものと理解できます。
今回、本サービス業PMIの市場予想は、前回発表値に対し微減となっています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前10-1分足の過去の跳幅平均は13pips、値幅平均は7pipsとなっています。
陽線・陰線への偏りはありません(陽線率50%)。
事前差異(市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと直前10-1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率57%)。
直前1分足の過去の跳幅平均は8pips、値幅平均は4pipsとなっています。
過去24回中17回(81%)が陰線となっています。
事前差異(市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと直前1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率48%)。
直後1分足の過去の跳幅平均は24pips、値幅平均は15pipsとなっています。前述の通り、実際には跳幅が24pipsを超えたことは28%しかありません。2回に1回が超えるpipsは19pipsです。
事後差異(2?発表結果ー市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が73%となっています。期待的中率75%には僅かに達していませんが、発表結果に対してほぼ素直に反応するということが言えるでしょう。
直後11分足の過去の跳幅平均は34pips、値幅平均は19pipsとなっています。
次に、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことは、過去24回中19回(86%)となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、その19回のうち13回(68%)です。
事後差異(2?発表結果ー市場予想—前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が78%となっています。
指標発表後に反応方向を見てからポジションを取っても良さそうです。
(2-3. 関連指標)
製造業PMIについて上記の通り対比検証しました。
?U. 分析
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、分析結果のみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)の参考にできます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/3.18:30発表
2017年2月3日21:38事後追記用書式
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
前回結果56.2・市場予想55.8を下回る54.5となり、直後1分足・直後11分足ともに陰線となりました。
当日は日本時間から少しずつ上昇を続けていたものの、17:35に141.98の高値を付けると、発表直前の18:26には141.58付近まで下降しました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
?W. 検証
シナリオ1に基づき直前1分足始値前に売ポジションを取得したものの、直前1分足は予想に反して陽線となりました。取引そのものは、ポジションの取得が早すぎ、解消も遅れて発表直後となってしまいました。利確できたことは幸いでした。
シナリオ2は、シナリオ1のポジション解消が遅れたため、取引中止となりました。
シナリオ3は、発表後の反応を見て売ポジションを取得し、分析通りにそのまま陰線側に伸びたため利確することができました。
【8. 調査分析検証】
前回結果56.2に対し今回の市場予想は55.8となっていました。事前差異はマイナスで、発表直前までの動きは陰線側となっていました。直後1分足もまた陰線に反応しました。
直前1分足が過去24回中17回(81%)が陰線となっていました。がしかし、今回は陽線で反応しました。
事後差異と直後1分足の方向一致率が73%となっていました。結果も事後差異と直後1分足の方向が一致しています。発表結果に対してほぼ素直に反応する、という分析通りの動きと言えます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が86%となっていました。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は78%となっていました。直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち68%となっていました。
実際の結果もその通りの動きとなりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオ2を実行できなかったことは残念でした。シナリオには問題ありません。
以上
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