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幼稚園は学校教育法で義務教育前の教育を担う場であり、保育所は児童福祉法で保護者に代わって保育する場とそれぞれ位置付けられていることから、本来の目的は異なっていて今までも議論の対象となっていたのだが、大きな違いは受け入れ対象となる子どもの年齢が、保育園が0歳児から幼稚園は3歳児からというところなのだ。それ以上に異なるのが幼稚園は小学校入学前のお子さんの「教育施設」であり、これに対して保育園や保育所は乳幼児を保護者に代わって預かる「児童福祉施設」であることで、保育士が幼稚園の教諭をすることはできないし幼稚園教諭と保育士の資格・免許を同じ試験で取得することはできないので、それぞれがスペシャリストとして教育と保育に携わっていつことになっている。 子供の預け方も幼稚園は日中が中心で保育園は朝晩の保育時間が長く取られているという特徴があるのだが、一般的に保育園は親が仕事や病気などの都合で子供を長時間預けなければならないといった場合に利用されるという。両親が仕事に就いていないと保育園等に入園の許可がおりないところがほとんどなのだが、一方の幼稚園は決められた年齢になれば入園できるというのだ。一番の違いは「保護者の事情によって、保育に欠ける」状態であるかどうかということで、家庭の生活環境や仕事の状態によって幼稚園か保育園のどちらを選択するか考えることが第一ステップとなるという。最近では幼稚園と保育園の特徴を合わせ持つ複合型保育施設の「認定こども園」も増えてきているそうだ。 幼稚園と保育園の違いは実際には徐々になくなってきているのだが、行政の世界はそうならずに幼稚園の管轄は文部科学省で、保育園の管轄は厚生労働省となっていてそれぞれの設立の目的が大きく異なっているということで統合は難しいというのだ。子供の世話をする人間も幼稚園は教諭免許が必要な「先生」で、保育園は国家試験を受けて「保育士」という資格を得るという違いがあるのだ。ところが厚生労働省は保育所に通う3歳以上の幼児に対し、歌うことを義務付けていないが国旗や国歌に親しむことを求める文言を初めて盛り込む「保育所保育指針」の改定案を公表したというのだ。文部科学省が公表した幼稚園の「幼稚園教育要領(案)」に表現を合わせた形だというのだ。 保育所は学校教育法に基づく教育施設ではなく保護者から幼児を預かる福祉施設のため、過度の押しつけにつながる可能性があるとの懸念が出ているという。「保育所保育指針」の改定案には国旗について「保育所内外の行事において国旗に親しむ」とされ、国歌については「正月や節句など日本の伝統的な行事・国歌・唱歌・わらべうたや、日本の伝統的な遊びに親しむ」という表現で盛り込まれたそうなのだ。文部科学省が公表した幼稚園の教育要領見直し案にも同様の趣旨が盛り込まれており、「保育所保育指針」との名称で私立の保育所も対象になるというのだ。現行指針には国旗や国歌に関する記述はないが、専門家からは「過度の押し付けになってはならない」との懸念も出ているという。 保育指針改定案はパブリックコメントを実施し来年度から施行する予定というが、厚生労働省は改定についてここでは「幼稚園と保育所の一体化を進めており、文科省の教育要領の見直しに合わせた。国旗掲揚や国歌斉唱を強制するものではない」と説明しているという。国旗国歌を強制するものではないと国旗国歌法作るときにも言っていたのだが、現在の学校教育現場では思いっきり押し付けているし、幼稚園行事等のプログラムを見ると「敬礼」と書いてあるのは「国旗に礼」のことで、その後では「国歌斉唱」が行われるというのだ。近年学校では愛国教育的なものが強化されており、現行の学習指導要領には小中学校ともに「入学式や卒業式で国歌を斉唱するよう指導する」と明記しているという。 幼稚園等での国歌斉唱など浜で良いほうみたいで、今問題となっている大阪の学校法人が運営している幼稚園などは、戦前の教育勅語を唱和させる独特の教育内容で知られ、差別的発言の疑いがある言動には懸念が出ているというのだ。大阪市淀川区で運営されている「塚本幼稚園」のホームページには「毎朝の朝礼において、教育勅語の朗唱や国歌である君が代」を斉唱します」となっているそうなのだ。また前名誉校長は山口県から選出されているタカ派政治家の夫人だし、右派論客を招いた教育講演会にも力を入れているそうなのだ。幼稚園の保護者への配布文書に「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載し問題となり、あの大阪府でさえ籠池泰典理事長から事情聴取をしているというのだ。
2017年02月28日
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春闘がいよいよ来月に本番を迎えるが賃上げは期待外れに終わるとの見方が強まっているといわれており、中国経済の変調や金融市場の混乱などによる景気の先行き不透明感などが背景だとされている。賃金底上げで個人消費に火がつかなければ、アベノミクスが目指す「経済の好循環」実現が遠のくわけだが、足元の円高や景気回復の遅れ原油安に伴う物価上昇率の鈍化などもあり、労働組合の賃上げ要求は昨年よりトーンダウンしているという。連合は「2%程度を基準」としたベースアップを要求しているが、昨年の春闘は「2%以上」だった自動車メーカー労組は要求を昨年の半額の月額3000円とすることで足並みをそろえており、自動車総連は春闘の取り組み方針で全体の底上げにつながるような格差是正を要求している。 春闘を先導する自動車大手の労働組合が昨年と同じ「月3千円」のベースアップを求め、本格的な労使交渉が幕を開けた。安倍政権による「官製春闘」が続き経営側も4年連続のベアに応じる方向だが、トランプ米大統領の動きは懸念材料となり前年並みの賃上げが実現するかは見通せないというのだ。安倍首相は企業収益の果実を設備投資や賃上げに振り向けて、経済の好循環を実現するよう繰り返し経団連などに要請しており、黒田東彦日銀総裁は衆院予算委員会で企業収益や労働需給からすると賃金上昇はやや鈍いとの認識を表明している。また衆院財務金融委員会では労働需給の引き締まりが続いていることに触れ、「賃金が今後も上昇していく環境は十分整っている」と期待を示していた。 労使の方針が出そろい、2017年の春闘が本格化しているが、第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは今春闘について、少なくとも1年前よりは環境は厳しく今年の春闘賃上げ率は「どちらかというと下振れ含み」とみている。「円高株安で景気の先行き不透明感が強まれば、慎重姿勢を強めるかもしれないし、こんなに固定費を増やすわけにはいかないと思う経営者が増えてもおかしくない」と述べているが、連合の昨年の春闘最終集計結果によるとベアと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は2.2%だった。ベアが確認できた組合の平均ベアは0.69%だったそうなのだが、野村証券の須田吉貴エコノミストは賃上げ率を2.15%程度の定期昇給部分を除いたベア分は約0.6%と予想している。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は賃上げ率を2.1%程度、ベア分が0.6%程度とそれぞれ予想しているが、自動車業界は昨年から円高の影響で減速局面に入っており、2017年3月期は大手7社中5社で営業利益が前年割れの見通しとなっている。労組からの要望書を受け取ったトヨタ自動車の伊地知隆彦副社長は「足元でも中長期でも、経営状況は厳しく不透明だ」と話し、日銀が2%の物価目標を掲げる中で目指すべき賃上げ率はベアで最低2%と考えられるが実際にはベアも1%に届かないと指摘している。政府は「国内最大のリスクはここ数年に始まった賃上げが停滞することで個人消費の回復がさらに遅れること」と述べているが、日銀は春闘の動向について昨年よりも関心を強めているという。 春闘で賃上げ率が下振れそこからインフレ期待が低下につながっていくと、「追加緩和への思惑が高まりやすい。少なくとも、市場はそう見るだろう」と経済評論家は述べている。経営側が賞与も含む年収全体での賃上げを主張する一方、労働組合側は従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ実施を要求するなど双方に隔たりはあるが、今後の交渉を通じ、4年連続の賃上げをぜひとも実現してもらいたいものなのだ。私の所属している建設業界でも公共工事で3月からの積算については労務費単価等が上昇することになっており、今国会で審議中の17年度予算案には賃上げを行う中小企業への支援策も盛り込まれているし、長時間労働の是正など「働き方改革」も今年の春闘の大きな焦点になるという。
2017年02月27日
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春闘がいよいよ来月に本番を迎えるが賃上げは期待外れに終わるとの見方が強まっているといわれており、中国経済の変調や金融市場の混乱などによる景気の先行き不透明感などが背景だとされている。賃金底上げで個人消費に火がつかなければ、アベノミクスが目指す「経済の好循環」実現が遠のくわけだが、足元の円高や景気回復の遅れ原油安に伴う物価上昇率の鈍化などもあり、労働組合の賃上げ要求は昨年よりトーンダウンしているという。連合は「2%程度を基準」としたベースアップを要求しているが、昨年の春闘は「2%以上」だった自動車メーカー労組は要求を昨年の半額の月額3000円とすることで足並みをそろえており、自動車総連は春闘の取り組み方針で全体の底上げにつながるような格差是正を要求している。 春闘を先導する自動車大手の労働組合が昨年と同じ「月3千円」のベースアップを求め、本格的な労使交渉が幕を開けた。安倍政権による「官製春闘」が続き経営側も4年連続のベアに応じる方向だが、トランプ米大統領の動きは懸念材料となり前年並みの賃上げが実現するかは見通せないというのだ。安倍首相は企業収益の果実を設備投資や賃上げに振り向けて、経済の好循環を実現するよう繰り返し経団連などに要請しており、黒田東彦日銀総裁は衆院予算委員会で企業収益や労働需給からすると賃金上昇はやや鈍いとの認識を表明している。また衆院財務金融委員会では労働需給の引き締まりが続いていることに触れ、「賃金が今後も上昇していく環境は十分整っている」と期待を示していた。 労使の方針が出そろい、2017年の春闘が本格化しているが、第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは今春闘について、少なくとも1年前よりは環境は厳しく今年の春闘賃上げ率は「どちらかというと下振れ含み」とみている。「円高株安で景気の先行き不透明感が強まれば、慎重姿勢を強めるかもしれないし、こんなに固定費を増やすわけにはいかないと思う経営者が増えてもおかしくない」と述べているが、連合の昨年の春闘最終集計結果によるとベアと定期昇給を合わせた平均賃上げ率は2.2%だった。ベアが確認できた組合の平均ベアは0.69%だったそうなのだが、野村証券の須田吉貴エコノミストは賃上げ率を2.15%程度の定期昇給部分を除いたベア分は約0.6%と予想している。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は賃上げ率を2.1%程度、ベア分が0.6%程度とそれぞれ予想しているが、自動車業界は昨年から円高の影響で減速局面に入っており、2017年3月期は大手7社中5社で営業利益が前年割れの見通しとなっている。労組からの要望書を受け取ったトヨタ自動車の伊地知隆彦副社長は「足元でも中長期でも、経営状況は厳しく不透明だ」と話し、日銀が2%の物価目標を掲げる中で目指すべき賃上げ率はベアで最低2%と考えられるが実際にはベアも1%に届かないと指摘している。政府は「国内最大のリスクはここ数年に始まった賃上げが停滞することで個人消費の回復がさらに遅れること」と述べているが、日銀は春闘の動向について昨年よりも関心を強めているという。 春闘で賃上げ率が下振れそこからインフレ期待が低下につながっていくと、「追加緩和への思惑が高まりやすい。少なくとも、市場はそう見るだろう」と経済評論家は述べている。経営側が賞与も含む年収全体での賃上げを主張する一方、労働組合側は従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ実施を要求するなど双方に隔たりはあるが、今後の交渉を通じ、4年連続の賃上げをぜひとも実現してもらいたいものなのだ。私の所属している建設業界でも公共工事で3月からの積算については労務費単価等が上昇することになっており、今国会で審議中の17年度予算案には賃上げを行う中小企業への支援策も盛り込まれているし、長時間労働の是正など「働き方改革」も今年の春闘の大きな焦点になるという。
2017年02月26日
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幼稚園は学校教育法で義務教育前の教育を担う場であり、保育所は児童福祉法で保護者に代わって保育する場とそれぞれ位置付けられていることから、本来の目的は異なっていて今までも議論の対象となっていたのだが、大きな違いは受け入れ対象となる子どもの年齢が、保育園が0歳児から幼稚園は3歳児からというところなのだ。それ以上に異なるのが幼稚園は小学校入学前のお子さんの「教育施設」であり、これに対して保育園や保育所は乳幼児を保護者に代わって預かる「児童福祉施設」であることで、保育士が幼稚園の教諭をすることはできないし幼稚園教諭と保育士の資格・免許を同じ試験で取得することはできないので、それぞれがスペシャリストとして教育と保育に携わっていつことになっている。 子供の預け方も幼稚園は日中が中心で保育園は朝晩の保育時間が長く取られているという特徴があるのだが、一般的に保育園は親が仕事や病気などの都合で子供を長時間預けなければならないといった場合に利用されるという。両親が仕事に就いていないと保育園等に入園の許可がおりないところがほとんどなのだが、一方の幼稚園は決められた年齢になれば入園できるというのだ。一番の違いは「保護者の事情によって、保育に欠ける」状態であるかどうかということで、家庭の生活環境や仕事の状態によって幼稚園か保育園のどちらを選択するか考えることが第一ステップとなるという。最近では幼稚園と保育園の特徴を合わせ持つ複合型保育施設の「認定こども園」も増えてきているそうだ。 幼稚園と保育園の違いは実際には徐々になくなってきているのだが、行政の世界はそうならずに幼稚園の管轄は文部科学省で、保育園の管轄は厚生労働省となっていてそれぞれの設立の目的が大きく異なっているということで統合は難しいというのだ。子供の世話をする人間も幼稚園は教諭免許が必要な「先生」で、保育園は国家試験を受けて「保育士」という資格を得るという違いがあるのだ。ところが厚生労働省は保育所に通う3歳以上の幼児に対し、歌うことを義務付けていないが国旗や国歌に親しむことを求める文言を初めて盛り込む「保育所保育指針」の改定案を公表したというのだ。文部科学省が公表した幼稚園の「幼稚園教育要領(案)」に表現を合わせた形だというのだ。 保育所は学校教育法に基づく教育施設ではなく保護者から幼児を預かる福祉施設のため、過度の押しつけにつながる可能性があるとの懸念が出ているという。「保育所保育指針」の改定案には国旗について「保育所内外の行事において国旗に親しむ」とされ、国歌については「正月や節句など日本の伝統的な行事・国歌・唱歌・わらべうたや、日本の伝統的な遊びに親しむ」という表現で盛り込まれたそうなのだ。文部科学省が公表した幼稚園の教育要領見直し案にも同様の趣旨が盛り込まれており、「保育所保育指針」との名称で私立の保育所も対象になるというのだ。現行指針には国旗や国歌に関する記述はないが、専門家からは「過度の押し付けになってはならない」との懸念も出ているという。 保育指針改定案はパブリックコメントを実施し来年度から施行する予定というが、厚生労働省は改定についてここでは「幼稚園と保育所の一体化を進めており、文科省の教育要領の見直しに合わせた。国旗掲揚や国歌斉唱を強制するものではない」と説明しているという。国旗国歌を強制するものではないと国旗国歌法作るときにも言っていたのだが、現在の学校教育現場では思いっきり押し付けているし、幼稚園行事等のプログラムを見ると「敬礼」と書いてあるのは「国旗に礼」のことで、その後では「国歌斉唱」が行われるというのだ。近年学校では愛国教育的なものが強化されており、現行の学習指導要領には小中学校ともに「入学式や卒業式で国歌を斉唱するよう指導する」と明記しているという。
2017年02月25日
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東日本大震災の復興工事が進む岩手県の建設会社の8割近くで、労働法の違反があったことが岩手労働局の調べで明らかになったという。その中でも東日本大震災の復興工事で社員に長時間労働をさせたとして、大船渡労働基準監督署は鉄建建設の現場所長を労働基準法違反の疑いで書類送検したという。この現場では当時41歳の男性社員が事務所内で倒れ死亡しているが、この社員の残業時間は労使協定の上限の60時間を36時間超過する96時間だったというのだ。その件では東日本大震災の復興工事で社員に違法な長時間労働をさせたとして、大船渡簡易裁判所は鉄建建設と現場所長に対して、それぞれ労働基準法違反で罰金30万円の略式命令を出していすが両者はともに近く罰金を納付する予定だという。 今回の略式命令などによると鉄建建設の社員は岩手県大船渡市内で、JR大船渡線をバス高速輸送システムとして復旧する工事に携わっていたが、昨年3月の夜に現場事務所内で仕事中に倒れ搬送先の病院で死亡している。社員は当時41歳で死因は急性大動脈瘤解離だったというのだが、この社員は死亡する直前の2月に労使協定で定めた月60時間の上限を超える約96時間の残業をしていたというのだ。大船渡労働基準監督署は鉄建建設と現場所長を労基法違反の疑いで書類送検し、併せて遺族からの労災申請に対して過労死として労災認定している。建設会社の長時間労働問題を巡っては広島簡裁が鹿島道路に、労基法違反で罰金20万円の略式命令を出したことがあるのだ。 この広島簡裁の命令確定後に国土交通省は鹿島道路を中国地方で3日間の営業停止としていることから、国土交通省は今回も大船渡簡裁の略式命令が確定すれば、事実関係などを調査・検討したうえで鉄建建設を営業停止にするとみられている。また大船渡労働機銃監督署は送検後の昨年5月に大船渡市や陸前高田市を含む気仙地域で復旧・復興工事の受発注者を集め、過重労働の解消を目指す会議を開催し、適正な労働時間の管理や過重労働の未然防止に向けた職場環境づくりなどを掲げた「気仙宣言」を採択している。過重労働の解消を目指す会議には発注者として大船渡市・陸前高田市・岩手県・国交省東北地方整備局・都市再生機構・JR東日本が参加しているそうなのだ。 受注者では鹿島や清水建設・戸田建設といった大手建設会社のほか、岩手県建設業協会が参加しているが、会議の参加者は「気仙宣言」に基づく取り組み状況を検証する会合を昨年3回開催しているそうなのだ。その結果気仙地域の大規模工事の18現場では「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外・休日労働をした労働者の数が前年に比べて減少し、9月は前年の23人から7人に10月は前年の15人から3人にそれぞれ大幅に減ったというのだ。現場での定時退社を達成した延べ回数は9月が前年の17回から54回に、10月が13回から51回にそれぞれ大幅に増えたという。ところが大船渡労働基準監督署の鉄建建設への略式命令に関して建設業界では「事務ミス」と捉える向きもあるというのだ。 復旧・復興工事を受注した建設会社の間では労使協定で、月100時間超としている現場も珍しくなくなかには「月120時間を設定している会社もある」というのだ。鉄建建設は復旧・復興工事以外の一般現場と同様に労使協定で月60時間と設定して大船渡労働基準監督署に届け出ていたというのだ。このことから一部建設業者からは「もし鉄建建設が月100時間と設定していれば、たとえ社員が96時間の残業をして死亡しても、今回のような罪に問われることはなかったかもしれない」との指摘もあるというのだ。その意味で労働法制の不備を浮き彫りにしたと言えるわけなのだが、月100時間を超える時間外労働を設定して届け出た場合には労働基準監督署は見直しを求めることしかできないというのだ。 この勧告に建設会社が従わなくても労働基準法上では労働基準監督署は届け出を受けざるを得ないというのだ。しかも被災地では建設会社が「早期復旧・復興のために月100時間超の時間外労働が必要だ」と主張すれば、労働基準監督署としても反対しづらい雰囲気がある。大船渡労働基準監督署では「気仙宣言」の実現に向け「早期復興のために今日は早めにお帰りください」と呼び掛けるポスターを作成し、「復興を成し遂げるその日まで、現場で倒れる人を決して出さない」と訴えるキャンペーンを展開しているが、多くの建設業者は「現場の規模に対して職員が不足しているので設計変更書類の提出や完成検査の時期に残業が増えているが、求人に対する応募がほとんどない状況だ」というのだ。
2017年02月24日
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TVの特番でも月末の金曜日に早く退社できれば、消費者は買い物や旅行に金を充てるのだろうかという事が放送されていたのだが、政府と経団連は毎月最終金曜日の午後3時をめどに従業員に仕事を切り上げさせ、消費を促す「プレミアムフライデー」を実現しようとしているというのだ。全国の企業に対して対応を呼びかける方針だというが、安倍首相は「今月から毎月プレミアムフライデーが実施される。政府においてもできる限り多くの職員が楽しめるよう工夫したいと思う」と述べている。政府の「経済財政諮問会議」で毎月の月末の金曜日に企業などの終業時間を午後3時に早める「プレミアムフライデー」を実施し、低迷している消費を喚起する契機としていくことなどを話し合った結果だというのだ。 会議では民間議員が「旅行需要を喚起するよう工夫すべきだ」とか、「政府は子どもの休み方についても検討してほしい」などと述べたというが、「金曜夕方にモノを買う機会ととらえるだけなら、買う日が土日から移るだけになる」といった指摘もあるそうなのだ。この「プレミアムフライデー」を実施に合わせて夕方に旅行業界や外食産業などが連携してイベントを開催したり、デパートや百貨店も独自の商品を売り出したりと手を打つみたいなのだ。特に都心のホテルの楽しみはなんといっても高層階からの夜景で、週末は夜景のきれいなホテルのレストランで食事をしたり、部屋の窓に広がるダイヤモンドのような夜景を楽しんだりすれば、疲れも飛んで行ってしまうかもということでPRに余念がないという。 民間議員はこのほか中長期的な消費意欲の喚起策として、賃上げの継続を通じた可処分所得の拡大なども提言したそうなのだが、消費というのは結局懐具合で決まってしまうので、「働き方自由でいいよ」と「映画観に行きたかったら早くあがって観に行ってもいいよ」なんていくら言っても、結局お金を払うのは自分ですから会社が出してくれるわけでなければ消費拡大には繋がらないという意見のほうが大勢を占めているそうなのだ。だから消費を喚起するということになると使う時間がフレキシブルになることも重要なにだが、もっと大事なことがあってそれは実入りが増えることなのだ。所得環境を改善することが大前提にないと、いくら使うのが自由になりますといった雰囲気が出てきても萎えるばかりだというのだ。 「時間だけ自由でもお金がないよ」ということになりかねないので、「プレミアムフライデー」だけではなかなか消費は増えないという。石原経済再生相は新聞記者の「大臣自身がしたいことは」という問いに関して、「働き方改革の一環として皆さんとともに3時くらいから、のんびりできるというのはある意味では望ましいのではないか。ここは国会に委ねざるを得ない、そういう立場でございますので」と述べたそうなのだ。経済産業省は「強制ではなく、あくまで賛同した事業者がするものです。テレワークやフレックスタイム制を視野に入れて取り組んでほしいと思っています」というし、経団連になると「有休を使いたくても使えないという従業員もいるはずです。それが公認となれば休めるようにもなるのではないでしょうか」と言っているそうなのだ。 日本は全員課長になれる可能性があるよというかたちで採用しているので、その代わりに残業もさせ放題であるだけでなく、異動や転勤・転籍、・出向なんかもやり放題ということで、会社側の権限がひじょうに強いといわれている。そういうやり方をしている以上は長時間労働をしない限りは給料も上がらないということになると、どうしても長時間になりがちな環境になってしまうのだと指摘されている。ネット上からは「消費に充てる給料をください」とか「毎日定時に帰れるようにして」といった切実な声が聞こえてくるが、「そもそも金曜の15時にあがれる会社なんて普通だったらいらないじゃないか」というように、一部の企業で働く人のための日になり給料が低い人や休めない人は対象外というのが実態のようなのだ。
2017年02月23日
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私も楽しみにしている恒例の「サラリーマン川柳コンクール」の入選作100句を、今年も第一生命が今年も発表したのだが「働き方改革を進めるぞ」との政府の掛け声に、全国の企業経営者も発破をかけているというのだ。だからといって「業績を落として良い」などというケースはないという事で、残業時間削減と成果の両立という二律背反に苦慮する現場の状況を呼んだ句が目立ったのはそんな世相を反映したものとの選者の言葉である。働き方改革のそもそもの目的は生産性と競争力の向上なのだが、日本企業は停滞期に設備投資を抑え社員の労働負荷を高めることでしのいできたが、ここで働き方改革をすすめるならシステム投資や自動化・人件費増などの経営判断とセットで行うのが筋だといわれている。 今年の一句としてビジネス誌で話題となったのが17文字の中に、時代を象徴する2つのテーマが盛り込まれている見事な作品だということで、「主婦業も 36協定 結びたい」という句だそうなのだ。1つは女性の社会参画ということで、出産や育児など何らかの事情で休職や退職をされて今は主婦となって女性の句だそうなのだが、旧来型の日本企業の男性を前提とした働き方を改革することは女性の負担を軽減し様々な活躍の場を広げることにつながるのだ。 さらに「36協定」という言葉を盛り込んだことで長時間労働への社会的な問題意識の高まりを反映しており、政府が今月に「働き方改革実現会議」で「36協定」についての見直しの原案を示したことから時相を反映しているというのだ。 政府の「働き方改革実現会議」で罰則付きの時間外労働の上限について、年間最大720時間の月平均60時間としようという内容なのだが、日本経済における今年の大テーマである「働き方改革」において最重要ワードであることは間違いないだろう。嫁さんもよく愚痴っているが「家事に育児と24時間365日働くのが主婦」であるが、給与がでないというだけで経済的にも社会的にも多大な貢献をする存在であることは変わりない。「私も36協定を結びたい」と作者の臨時専業主婦さんが叫ぶのはうなずけるというのだ。たしかにこの句のように「家庭内36協定」が成立するような環境を実現すれば、政府が掲げる「一億総活躍社会」も実現に近づこうというものだがなかなか難しいというのだ。 私の庶務場の代表という事で「36協定」に署名・押印しているのだが、労働基準法32条で1日8時間の週40時間を超えて労働させることを禁止している。ただし労使が「36協定」を締結すればこの上限を原則月45時間の年間360時間まで引き上げることができる。さらに特別条項付き36協定と呼ばれるものを結べばこの上限を取り払うことができるというものなのだ。特別条項付き36協定を結べば労働時間は青天井で、さらに「サービス残業」が常態化しているという有様では自殺者も出ようというものなのだ。今回の政府原案はこの特別条項付き36協定に上限を設けようとしているわけで、その上限時間設定にあたって焦点になりそうなのがいわゆる「過労死ライン」を超えることを認めるかどうかだというのだ。 実際に「家庭内36協定」を締結することはできるのかとなると、パートナーによる家事・育児の分担が欠かせないというのだ。パートナーの勤務時間を午前9時から午後6時で、週休2日で法定労働時間通りの8時間とすると、通勤時間は30分ずつで計1時間の睡眠は各々8時間とすると、パートナーが家で活動できるのは7時間となり、残る9時間が主婦のみが家庭を守り家事労働をする時間となる計算なのだ。もちろん実際には夜泣きで起こされたり夫婦で寝る時間がずれたりするし、パートナーが家事・育児を完璧にこなせるかも不明だが、パートナーが残業なしとしても1日あたり11時間程度は主婦が育児・家事に専念する必要があるとなり、これは政府原案にある月平均60時間という数字と符合するというのだ。 月間労働日数を20日とした場合にはちょうど残業時間は3時間となるからで、すなわち残業なしで帰宅するパートナーがいれば、家庭内でなんとか新しい基準における「特別条項付き36協定」を結ぶことができそうだ。パートナーが残業するとどうなるかというと、月平均60時間の時間外労働の場合にはパートナーは朝9時から夜9時まで働き夕飯を食べずに帰宅する。計算上は家で4時間活動できるが疲労なども蓄積しているだろうし、家事や育児に持続的に向き合うことは難しいということで、「家庭内36協定」といった話ではなくなるというのだ。このようなケースでは主婦が働きに出ようとしても相当ハードルが高いだろうから、一億総活躍など夢のまた夢ということになりそうだということみたいだ。
2017年02月22日
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ポーランド出身の将棋棋士であるカロリーナ・ステチェンスカさんが、第44期岡田美術館杯女流名人戦予選2回戦で勝利し、「女流棋士番号」が与えられ正式なプロ棋士となる女流2級への昇級を決めたという。これにより正式な女流棋士となり史上初の外国籍棋士が誕生したわけなのだが、カロリーナ女流2級は10年前にマンガ「NARUTO -ナルト-」をきっかけに将棋に出会い、インターネットで将棋を研究していたところ5年前に来日し将棋の勉強を続け女流棋士3級へ昇級していたというのだ。また留学生として山梨学院大に通いながら女流棋士養成機関「研修会」に入会し、一昨年には規定の成績を挙げ「女流棋士仮資格」に該当する女流3級への昇級を果たしたそうなのだ。 彼女自身が愛読していたマンガ「NARUTO -ナルト-」の登場人物である奈良シカマルが指していた将棋をインターネットで調べたのがきっかけ興味を持ったというのだ。それから下校後にインターネット将棋対戦サイトで将棋を指すなど1日5時間勉強したそうなのだが、インターネット対局で彼女の指し手を見た女流棋士の北尾まどか二段は驚いたというのだ。それからは将棋の対価では好成績を残しており、フランスで行われた国際将棋フェスティバルに出場し女性では最高成績の4位となっているし、翌年には海外招待選手として出場した第2期女流王座戦一次予選1回戦で女流棋士の高郡佐知子三段を破り、女流棋士に初めて勝利した外国籍のアマチュア女性選手となったというのだ。 ハンガリーのブタペストで開催されたヨーロッパ将棋選手権において、ヨーロッパチャンピオンとワールドオープンチャンピオンの両部門をダブル制覇し、一昨年には第5期女流王座戦でアマチュア予選東日本大会を5連勝で通過し、1次予選では二人の女流棋士を降して2次予選進出したというのだ。アマチュアでも本戦入りすれば女流2級でのプロ入り権利を得られるところだったが、女流王座戦2次予選決勝で永世称号「クィーン名人」の中井広恵六段に敗れあと一歩のところで本戦入りとプロ入り権利を逃したというのだ。しかし3日後に関東研修会例会で3勝1敗とし直近9勝3敗の成績として、外国人で初めてとなる女流3級の資格を獲得したそうで、棋風は振り飛車党の力戦型だといわれている。 研修会のC2クラスに合格し外国籍の女性として初の研修会入会者となっていたカロリーナ・ステチェンスカさんの女流3級は、仮資格のため正式資格である女流2級に昇級しないと資格は剥奪されることになっていたのだが、女流2級への昇格は女流3級になって2年以内に、1年間で参加公式戦数と同数の勝ち星をあげるか、2年間で参加公式戦数の4分の3以上の勝ち星をあげるか、昇段級の女流1級に該当のいずれかを満たすことが条件となっているそうなのだ。カロリーナ・ステチェンスカさんは女流3級となって以降、あと1勝で女流プロ棋士という対局が2回あったがいずれも敗れていたそうなのだが、昨日の勝利で決まった同予選決勝進出が「女流1級に該当」の条件を満たすことになり昇格が決まったというのだ。 カロリーナ・ステチェンスカ女流2級には双子の妹がいるそうで、彼女と同じように漫画を愛好するが対照的な性格で将棋には関心を持たなかったそうなのだ。将棋以外に好きな日本の文化は漫画と和食で好きな和食は蕎麦と寿司だという。将棋を覚えたての頃は片上大輔・北尾まどか夫妻宅にホームスティさせてもらい将棋留学を行ったそうなのだ。山梨学院大学の現代ビジネス学部3年に入学し現在は大学院に留学しているそうなのだ。師匠筋の北尾まどか二段によると連勝連敗型の棋士で「波がある」と評しているが、日本将棋連盟の佐藤康光会長は「厳しい道のりでしたが、見事な戦いぶりでした。将棋界初の外国人女流棋士として、これからますますの活躍を期待しています」とコメントしている。
2017年02月21日
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あの大きな震災から6年が近くなり合わせて発足から5年が経過しているが、岩手県釜石市の野田武則市長は「震災直後の生々しい記憶や復興に携わる意識が薄れたように感じる。事務的になった」と話している。東日本大震災からの復旧復興を担う組織として鳴り物入りで発足した復興庁に被災地は、省庁縦割りの打破と再生へのけん引役を期待していた。これまで「司令塔」としての機能は発揮できたのか、復興の完遂に今後果たすべき役割はどうなのかということを、被災自治体と中央政官界の声から現状の評価と課題が問題となっているという。組織の変質を指摘する声は国会でも上がっており、玄葉光一郎衆院議員が東京電力福島第1原発事故で被災した自治体への補助金を復興庁に問い合わせたというのだ。 すると野党議員からの問い合わせだったのか復興庁の担当者から「うちの交付金ではない。経済産業省に聞いてほしい」と断られたというのだ。復興庁の岡本全勝前事務次官は現場嫌いと前例踏襲といった官僚の習癖が非常事態の障壁になると感じ、従来の概念を覆して産業やコミュニティー再生にも国費を投入した東日本大震災からの復興に関して、発生直後から政府の事務方を仕切り先導したことで「霞が関の治外法権」と庁内外で呼ばれたという。そして岡本氏は被災地に職員の視察派遣を何度も繰り返し、「仮設住宅の前では、きれい事だけでは通じない。何らかの答えを出さざるを得ないはずだ」と語っていたという。そして「グループ化補助金」など前例のない施策が省庁から提案させたというのだ。 兵庫県職員として阪神大震災の復興を担った経験を買われ、復興副大臣を務めた谷公一衆院議員も、かつて「個人の事業に税金を使えるわけがない」と門前払いされたことから、東日本大地震からの復興政策は隔世の感があったという。復興庁の取り組みを評価する一方で限界も指摘されているそうで、「道路や港湾整備の予算は復興特別会計だが、事業自体は国交省の直轄になる。復興庁が事業全体を十分にコントロールできたかどうかは課題が残る」と言われているし、高木毅復興相の時代には「ワンストップ機能は十分でないと聞いた」と神妙に答えたがその頃は復興相自身が復興の重荷になっていたのだ。特に就任直後には下着窃盗疑惑や慶弔費支出問題が発覚し復興特別委の審議は追及に割かれていたのだ。 次に就任した務台俊介復興政務官も台風10号豪雨で被災した岩手県を視察した際に、職員におんぶさせて水たまりを渡る姿が批判を浴び資質を問われていた。官邸関係者は「内閣改造を繰り返すにつれ、政務三役を適任者でそろえることが難しくなった」と打ち明けている。その復興庁は来年度予算の概算要求を発表しているが、災害復旧や住宅再建事業の進行に伴って関連経費が減ったため総額は過去最少となる2兆円を切っているのだ。集中復興期間が終わって復興・創生期間に入った本年度に政府は全額国費の交付金事業を見直したこともあって、自治体は一部導入された地元負担の重さ以上に被災地と共に歩んできた復興庁の変心を鋭く感じ取っているともいわれている。 「カネがかかると目を付けられているようだ」と被害の大きかった三陸海岸沿岸部のある自治体首長は憤慨している。人口減少が続く被災地の人材育成策に重点を置いたというのだが、人材確保対策として計11億円を計上し被災地の企業への就職を促すため、大学生のインターンシップを受け入れる企業を支援することも考えているそうなのだ。新潟県中越地震で全村避難した旧山古志村の元村長で、副大臣を約2年間務めた長島忠美衆院議員は、「復興にめどが付いたと考えてはいけない。被災地では、まだ新たな発想と施策が必要とされている」と語っているが、風評被害対策費など東京電力福島第1原発事故の復興関係費の一部は金額を明示されてないことも地元には不満だといわれている。
2017年02月20日
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内閣府は昨年9月に15~39歳のひきこもりが約54万人に上るとの推計結果を公表したが、その間にも増加しているとされる「大人のひきこもり」の実態は不明だとされていた。そこで「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が厚生労働省の助成を受け、40歳以上の61人について家族らへの聞き取りを実施し中間報告を行ったという。40歳以上の「ひきこもり」に関して民間団体が行った初の実態調査は初めてで、ひきこもりが長く続いている間に行政などの支援が途絶えたり、生活時間が昼夜逆転したりしている傾向が明らかになったという。それによるとひきこもりの平均期間は22年にもなっており、一度は行政や病院の支援を受けたのにその後に途絶えていたケースが半数に上ったというのだ。 ひきこもりの間に見られた行動は昼夜逆転が49人で最も多く、家庭内暴力の15人などが多かったという。「ひきこもり」とは家族以外との関わりがまったく途絶えてしまった、あるいは家族とさえもコミュニケーションが取れなくなってしまったなど、本人が社会から孤立した状態にあるかどうかで見なければいけないそうなのだが、ケースワーカーや相談所等に訴えてくる内容はほぼ共通しているというのだ。相談内容は「どこにも行き場がない」とか「周囲の視線が気になって人目を避けてしまう」・「何もない自分を表現できない」・「将来が見えない」などなのだが、生きるために仕方なく外に出ている人もいるが、地方では「外を歩くだけで不審者扱いされて怖い」と脅える人もいるというのだ。 山形県や島根県の調査によれば「ひきこもり」層に占める40代以上の割合は半数を超えているといわれ、自治体の間接調査とはいえ高年齢化の傾向はすでに顕在化している。これまで「ひきこもり」というと不登校の延長にある学校卒業後の「若者の問題」として語られることが多かった。しかし「ひきこもり」中核層は確実にその存在が見えにくいまま長期化・高年齢化してきているとされ、外の社会に自分の存在を受け入れてくれたり認めてくれたりする人たちがいないために、かつての友人や同級生などの人脈もだんだんと途切れて遠のいてしまうというのだ。もはやこうした状態にある本人たちのことを「若者」だけで語れないし、選別が行われてきたことによって深刻な当事者ほどますます水面下に追いやられる弊害をうみだしている。 「ひきこもり」というとよくドラマや映画などではカーテンを閉め切ってジメッとした部屋にこもるイメージで描かれるが、現実には部屋や家から外出できるかどうかで線引きすると本質を見誤るというのだ。なぜなら本人たちの多くはコンビニや図書館などへは外出しているからで、街等を散策している人も意外と多いというのだ。ひきこもり状態に陥るのには様々な理由があって、例えばいじめや体罰・暴力・受験、・職活動の失敗・失業・事件事故・災害・親の介護・病気・LGBT等への偏見などだ。「ひきこもり」は誰でも起こり得る状態であり、誰にとっても決して他人事ではないのだから、大事なのはなぜそうなったのかではなくどうして抜けられないのかという検証だといわれているのだ。 学校や社会などでさんざん傷つけられてきた「ひきこもり」の当事者たちは、「もうこれ以上傷つけられたくない」し自分も「他人を傷つけたくない」などと、自分の生命や尊厳を防御するために場面回避を繰り返して撤退していくという。そして生きる意欲や意義さえも失いあきらめの境地に至ってしまった人たちなのだが、「大人のひきこもり」はこうした社会的な課題であるにもかかわらず国のデータ的根拠がほとんどないことが問題だとされている。内閣府の調査でも35~39歳のひきこもり層が最も多かったにもかかわらず、その後に打ち出した施策は先を見据えた対策ではなく39歳以下に限ったものだったのだ。「ひきこもり」を年齢で区切る根拠はどこにもないし本人や家族を地域で孤立させてはならないのだ。
2017年02月19日
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犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」の要件を変え「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐり法務省は、「正当に活動する団体が犯罪を行う団体に一変したと認められる場合は、処罰の対象になる」との見解を明らかにしたそうなのだ。これまで政府はくりかえし「一般の市民は対象にならない」としてきたが、捜査当局の解釈や裁量によっては対象になることが明らかになったということなのだ。衆院予算委員会の理事懇談会で法務省が文書を示したのだが、法案はまだ国会に提出されておらず「テロ等準備罪の具体的内容は検討中」と前置きしたうえで、対象となる「組織的犯罪集団」については「結合の目的が重大な犯罪などを実行する団体」という趣旨で検討していると説明しているというのだ。 犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を変えた「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐり、外務省は他国の法整備の状況を明らかにしているが、法案の成立が東京オリンピック開催の「必要条件」なのかただした国会の質問に安倍首相は、「もしテロリストに襲撃をされるということを法的な制度の中において、それを防ぎ得ないという、もし穴があるのであれば、それはおもてなしとして不十分であろう。考えうる限りの対応は取っておく、私は責任を果たしていくべきだという考え」と答弁したそうなのだ。政府は「国際組織犯罪防止条約の締結のため、国内法の整備が必要だ」としているが、すでに条約を結ぶ187の国・地域のうち、締結に際して新たに「共謀罪」を設けた国は少数だというのだ。 加えて自公政権が共謀罪法案制定理由に上げている「国連越境組織犯罪防止条約(パレルモ条約)」は、マフィアなどの組織的経済犯罪を対象としたものでテロ行為を対象にしたものではないとされており、「もともと正当な活動をしていた団体」もその目的が「犯罪を実行することにある団体」に一変したと認められる場合は、組織的犯罪集団に当たり得るとの見解を示すなど国際法の趣旨からは逸脱しているものなのだ。法務省は「組織的犯罪集団」の定義について「結合の目的が犯罪を実行することにある団体という趣旨で検討している」と説明し、「もともと正当な活動を行っていた団体についても、目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団に当たり得る」との考えを示している。 例えば「沖縄の基地建設反対の市民団体が工事車両を止めようと座り込みを決めれば、捜査機関は組織的威力業務妨害が目的の組織的犯罪集団と恣意的に認定し、デモに加わりそうな全国な労働組合の組合員を逮捕できる」という懸念さえあるのだ。政府は「組織犯罪処罰法改正案(テロ準備罪法案)」について、対象とする犯罪を原案の676の罪から277に絞り込む方針を固めたというが、組織犯罪と関連が深い罪に限定し3月上旬にも「組織犯罪処罰法改正案」改正案を閣議決定し国会に提出するというのだ。公明党は「テロと関連性のない罪が含まれている」と絞り込みを求めていたが、その内訳は事前に計画ができない性質の「業務上過失致死罪」や「公職選挙法違反」など組織犯罪との関連性が薄いものだけだというのだ。 日本の刑法は未遂罪として「犯罪の実行に着手」することを構成要件としており、共謀共同正犯も「犯罪を実行」することを構成要件としているために、組織的かつ重大な犯罪が計画段階で発覚しても、内乱陰謀などの個別の構成要件に該当しない限り処罰することができず、したがって強制捜査等もできないことになっている。しかし国際連合の総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」が重大な犯罪の共謀や、マネー・ロンダリングに司法妨害などを犯罪とすることを締約国に義務づけたため、「国際組織犯罪防止条約」の義務を履行しこれを締結するための法整備の一環として、刑法を改正して組織的な犯罪の共謀罪を創設する提案がなされているとの説明を繰り返しているばかりなのだ。 これは米国の「コンスピラシー」が元になっていて、何らかの反社会的なものという含意を伴う行為を達成するために秘密裏に行動することを決意することをいうのだが、共謀により刑事責任を負うべき状況を作出することであり、それ以外の決意をすることを犯罪としたものではないと判示されているのだ。「テロ等準備罪」について法務省幹部から説明を受けた安倍首相が了承したことは複数の政府関係者が明らかにしているが、原案は過去3度廃案になった法案と同様に「懲役・禁錮4年以上」の犯罪を対象としているのだ。組織犯罪に関連が深い277の犯罪についてテロ等準備罪の対象となる「重大犯罪」と位置づけているが、対象となる罪の数は今後の与党内の調整で変わる可能性もあるともいわれているのだ。
2017年02月18日
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文部科学省の会議室では「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」の3回目の会合が開かれたそうなのだが、この会議はインターンシップの質的・量的拡大を目指し現状を把握するとともに、推進策を議論するためキャリア教育の専門家や、インターンシップを仲介する担当者に経団連や経済同友会・日本商工会議所・中小企業団体中央会といった経済団体の担当者らをメンバーにして発足しているそうなのだ。3月末までに結論を出す予定となっていることから日程的にも佳境を迎えるなか、今回の会議で議論の取りまとめの骨子案が出されたという。インターンシップからの採用を解禁するといった意見もあり、そうなれば採用日程ばかりか一括採用制度まで崩壊するとの声があったという。 その中でインターンシップと就職・採用活動との関係について、「インターンシップで取得した学生情報を活用したいなどの要望があるが、就職・採用活動の早期化・長期化につながることは避けるべき」としたという。「現在の就職・採用活動時期を前提としたうえで、インターンシップが就職・採用活動そのものとして行われることのないようにする」と明記するというのだが、インターンシップについては文科省・経済産業省・厚生労働省の3省が作成した、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」にその定義やあり方が記載されているのだ。そこでは就職活動の解禁日より前に開催するインターンシップについては、広報活動や選考活動を行ってはならないとされているというのだ。 インターンシップで入手した学生情報についても広報活動や選考活動に使用できないとされており、罰則規定はないがひとつのルールとして多くの企業がこれを意識した採用活動を行っているというのだ。解禁前の時期に会社説明会と変わらない内容の「1dayインターンシップ」や「ワークショップ」等の名目で行われる選考活動が増加しているが、これらは本来の定義するインターンシップとはかけ離れているためその名称を使わせないようにするという。この規定に対し内閣府が設置する規制改革会議がとりまとめた「規制改革に関する第4次答申」で、インターンシップで取得した学生情報を学生が希望すれば使用できるようにし、また中小企業に対しては人材確保に活用できる仕組みの方策を講ずるよう求めているという。 就職・転職が安心してできる仕組みづくりを実現させるために、インターンシップを活用したミスマッチの防止や、人材の確保が難しい中小企業のためにインターンシップの活用を投げかけていた。関係各省に検討を行うよう求められ、今回の会議でも議題のひとつとして挙がっていたそうだが、会議では「ノー」の方向性が示されたというのだ。インターンシップからの採用を認めるということになれば実質的にそこが就活の場となり、就活の早期化や長期化につながる懸念があるからだというのだが、そもそも「インターンシップの推進策を考えるのが会議のテーマだったはずで、就職活動の日程の議論とは切り離して考えていると文部科学省の関係者はそう語っていたそうなのだ。 今回の会議の骨子案を見るとむしろ「インターンシップの定義」をより明確化したい意図が見えるそうで、具体的には大学での単位化を進めていくためにその要素を定義し、事前事後学習の実施に加えて原則5日間以上のプログラムを「単位型インターンシップ」とすることを明示しているというのだ。さらにインターンシップの定義を再確認し在学中に自らの専攻や、将来のキャリアに関連した就業体験を行うことをインターンシップに求め、「就業体験が伴わないプログラムについては別の名称を用いるように促す」と付記しているという。経団連は「採用選考に関する指針」の中で夏の時期に行うインターンシップを想定して、解禁前に行うインターンシップの期間を最低5日以上と定義しているのだという。 しかし採用解禁時期が3月に変更となったこともあって12月~2月に冬のインターンシップの開催が可能となっているが、「冬の時期に5日以上のインターンシップを組むのは難しい」として来年度の採用以降にその定義の見直しを検討しているそうなのだ。ただ今回の骨子案が何かしらの影響を及ぼす可能性があるということで、骨子案ではこのほかインターンシップの具体的な推進方法などが盛り込まれているそうなのだ。「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」ではこの骨子案に対しさまざまな意見が出されたが、この骨子案をベースにそうした意見を踏まえて、議論の最終の取りまとめ案を年度内に作成する予定となっている というのだが、そうした議論にいったん終止符が打たれようとしているみたいなのだ。
2017年02月17日
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東京電力が福島第1原発2号機で実施していた内部調査で、溶融燃料の可能性がある黒や褐色の堆積物が初めて映像で確認されたという。事故からまもなく6年が経過する中で今後の廃炉作業に向けた重要なデータが得られる可能性があるとされるのだが、「溶融燃料が映っているとすれば、人類の誰もやったことのない廃炉作業にチャレンジするうえでの大きな一歩。今後の取り出し作業の大きなヒントになるのではないか」と、東京電力福島復興本社の石崎芳行代表は福島市内での記者会見でこう述べたという。公開された2号機内部の写真は計11枚で動画も公開されているそうなのだが、金属製の格子状足場に堆積物がこびりついている状況のほか水滴が天井から雨のように滴っている様子もみられたという。 初めて堆積物が映像で確認できたことで原発事故の進展状況の解析や、廃炉作業に必要な位置関係などの情報が得られる可能性もあるが、内部調査が進んでいるのは2号機だけで水素爆発を起こして大きく損傷した1・3号機については足踏みしているという。1号機では一昨年の4月に格納容器の貫通口を経由して遠隔操作ロボットを投入したものの、高い放射線に阻まれて溶融燃料を確認することはできなかったのだ。東京電力は今年に別のタイプのロボットを投入する計画だが、原子炉直下にアクセスできる格納容器の貫通口付近は放射線が高く2号機と同様の調査は困難だとされている。また3号機は格納容器にたまった汚染水が1号機や2号機に比べて多く水深は約6.5メートルもあるというのだ。 そのため水中を動けるロボットを開発している段階だが3号機の調査のめどは立っておらず、どちらにしても放射線と汚染水が内部調査を阻んでいるというのだ。事故当時に2号機には核燃料が548体分の約164トンあったとされているが、原発事故で炉心を冷やす電源を失ったために溶け落ち、一部は圧力容器を突き抜けて格納容器下部で冷えて固まったとみられている。炉心は事故当時2000度以上に達し核燃料を含む炉内の金属が溶け出したのだが、溶融燃料には山側から流れ込んでくる地下水が触れて放射性汚染水が日々発生しているのだ。廃炉のためには放射能汚染源である溶融燃料を取り出す必要があるが、高い放射線に阻まれ具体的な場所を特定できない状況が続いていたのだ。 公開された映像では堆積物が格子状の足場などに広範囲にこびりついて固まっている様子がとらえられており、今後の取り出し作業の難しさを浮き彫りにしているという。東京電力は福島第1原発2号機の格納容器内部で撮影した映像を解析した結果、グレーチングに穴が2カ所見つかり内部の放射線量は最大毎時530シーベルトだったと発表している。これは第1原発事故で観測された線量としては最大で、カメラなどを尾の部分に搭載した遠隔操作のサソリ型ロボットを投入し本格的調査を始める計画だが、今回のカメラ挿入はその準備としてロボット操作の障害になる物の有無の確認などのため行ったという。その結果二つの大穴があって走行ルート上に位置することからこのままでは調査が出来ないというのだ。 専門家である北海道大学の奈良林直教授は「塊の放射線量を測定してみなければ断定できないが、溶融燃料の可能性が高い。事故で溶け落ちた核燃料の一部が、グレーチングに引っかかって、冷やされたのではないか」と分析している。また公開された映像では堆積物が広範囲に映っていることから、「溶融燃料は1カ所だけに固まっているのではなく、炉心内の機器などに張り付いているのではないか」と推測し、「遠隔操作ロボットでこれらを全て回収する必要があり、廃炉作業は相当困難になることを覚悟する必要がある」と話している。政府と東京電力は1~3号機の廃炉について20年後から30年後に作業を完了することを目指しているが、「改めて廃炉の道が遠いと感じざるを得ない」と指摘している。
2017年02月16日
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乗用車と軽貨物自動車の自動ブレーキについて、国連の作業部会で国際的な性能基準を策定することが決まったと国土交通省が発表した。早ければ来年度中にも基準ができるため国土交通省は国内で販売される新型車に搭載を義務付けるかどうか検討するという。国土交通省によると自動車メーカー各社が自動ブレーキの開発を進めているが、性能などに差があるのが現状で、統一的な国際基準ができることでメーカーの開発コスト低減などが期待されるというのだ。国連で設置される自動ブレーキの基準づくりの検討会議に参画し、国際基準を国内に導入する考えだというのだが、将来の自動ブレーキの導入義務化への環境を整え、国連の会議では日本が基準づくりを主導的に進めるという。 国際的な交通規則を定めた「ジュネーブ条約」や世界各国の「ジュネーブ条約」に基づく道路交通法は、現在のところ車両に運転を制御する人が乗っていることを前提としているが、このため事故が起きた場合の責任は一義的にはドライバーにあることになっている。国土交通省の担当者は「世界のほとんどの国がウィーン条約またはジュネーブ条約という道路交通の国際条約に基づいて車を走らせています。そこに車両には必ず運転者がいなければならないと記載があるのです。これに従う限り、人間の運転者がその責任の範囲内で車を動かさないといけません。日本ではジュネーブ条約を採択しており、日本の道路交通法にも運転者が車両を操縦しなければならないと書かれています」と語っている。 日本が提案し関係国が策定に同意した内容では、専門家会議が設置され早ければ1年程度で基準ができるというのだが、米国は会議には加わらず日本とヨーロッパ各国を中心に議論が進む見通しだという。自動ブレーキの基準づくりの対象となるのは乗用車と軽トラックで、半年間で定義や技術的な項目といった検討項目を固めるそうなのだ。具体的な基準が決まるには1年から2年はかかるとみられているが、国内を対象にした調査では自動ブレーキ搭載車は搭載していない車に比べ対車への事故が70%減で、対人への事故が33%減の効果があるとされている。新車への搭載状況は約45%まで伸びており、頻発する高齢運転者の死亡事故の抑制に効果があるとされているそうなのだ。 これまで自動ブレーキの国際基準ではバスやトラック等の大型車のみを対象として追突を想定した対車両試験を定めていたのだが、今回は基準の対象を乗用車等へ拡大するとともに乗用車等については対歩行者試験を追加することについて、検討する専門家会議の設立を日本が提案したそうなのだ。国連の会議で自動ブレーキの基準づくりをリードし、国内メーカーに有利な基準内容にする考えだというのだが、国連内に専門家会議が発足し国際基準の改正案の検討が行われる予定だとされている。この国際基準が成立した際には我が国でも有識者会議での審議を行い、パブリックコメント等を経てこの基準を道路運送車両の保安基準として採用していく方針としているそうなのだ。 ここ数年で普及した「自動ブレーキ」は高精細のカメラやミリ波レーダーに、超音波センサーを駆使して前方衝突を防ぐ方式だとされ、他にも走行車線からクルマが出ないようにハンドルを自動制御する「レーンキープ技術」や、後方カメラやセンサーを使って駐車スペースを把握しハンドル操作をせずに済む「自動駐車システム」など、人工知能による複雑な判断を必要としない限られたシーンではすでに自動運転の要素技術が生きているというのだ。会議に加わらない米国では米運輸当局と自動車メーカーが、自動車に自動ブレーキを標準装備することで合意しているという。自動運転車で先行する米国は独自にルールをつくる方針だが、日欧が連携し共通基準の採用を働きかける意向だとされている。
2017年02月15日
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世間は受験シーズンの真っただ中なのだが、この季節に高校や大学などの入学試験を受けるほかでは、入社試験など何らかの社会人になるための試験かあとはせいぜい運転免許試験くらいで「受験」という経験を終える人が多いとされている。しかし我々のような土木技術者はそうはいかないみたいで、入職後は様々な資格試験が人によっては中高年まで続くのだ。私の愛読している業界紙でも読者対象のアンケート調査を実施しているが、建設会社や建設コンサルタント会社・官公庁などに勤務する土木技術者を中心とする読者514人から回答を得たところでは、土木技術者における技術士の人気は根強いというのだ。また中高年になっても資格の取得を望み受験に励む土木技術者が少なからずいるという。 土木技術者がこれから取りたい資格をアンケート調査したところ、回答者の54.1%が技術士(建設部門)を挙げており、様々な土木・建設関連の資格のなかで最も高い支持を集めたというのだが、土木界で尊敬される国家資格の一つである技術士の建設部門を、40歳になる前に保有する割合はわずか12%程度だというのだ。40歳代で約26%に上がるがまだ取得希望率より低いという。技術士は大方の土木技術者にとって、若手から中堅に上がる忙しい日々の合間を縫って試験勉強に励み取得を目指す資格となっているというのだ。50歳代でようやく保有率が取得希望率より高くなるものの取得希望率も約26%と低くはないという。定年まであと何年という年齢になっても受験する技術者もいると思われる。 技術士の総合技術監理部門は建設部門など何か一つの部門で技術士を取った技術士が次に狙う資格だけに取得年齢はさらに高くなる傾向があるが、40歳代でも取得希望率は保有率を大幅に上回っているそうなのだ。中高年の受験者が多いと思われる資格はほかにもあって民間資格ながら魚王開始の調査では、読者の間では技術士に次いで人気が高いコンクリート診断士だという。その保有率と取得希望率の傾向は技術士とは大きく異なっており、技術士ではおおむね年齢が高くなるにつれて保有率が上がり、取得希望率は下がっていくのに対してコンクリート診断士の保有率と取得希望率の傾向は、年齢にほとんど連動しておらず取得希望率は何と50歳代で最も高くなるそうなのだ。 何回も不合格になったからというよりは受験を始めた年齢が高めだった技術者もいるとされるのだが、まだ歴史が浅いコンクリート診断士ではこのパターンの該当者も多いと思われている。既存のコンクリート構造物の維持管理や補修に深く関わるこの資格は、インフラ老朽化問題の深刻化に伴って注目度が高まっているというのだ。大手の会社に勤務して第一線で活躍する技術者だからといって資格の取得でも優等生だとは限らないそうで、実務で鍛えた技術力を試験ではうまく発揮できずたびたび苦杯を喫するうちに年配になっていく技術者も数多くいるといわれている。土木構造物は社会の仕組みや時代の流れの中で大きな役割を担っているのだが、土木技術者は社会情勢や時代の変化でこれまでにない能力を求められているのだ。 何歳であろうともその能力に対応した資格を取らざるを得ない場合があるのだが、社会情勢や時代の変化の影響は一級土木施工管理技士にさえも及んでいるという。本来は多くの土木技術者にとって最初に取得する登竜門のような資格で、若いうちに取るのが当然というイメージがあるが一級土木施工管理技士の保有率と取得希望率は、「若いうちに取るのが当然」というイメージにふさわしい傾向を示しているそうなのだ。保有率は40歳代で早くも50%を超えるが取得希望率は50歳代以上でもゼロにはならないという。この資格の対策講座を設けている総合資格学院によると、最近は中高年の受講者が増える傾向があるという背景には、近頃の建設技術者の不足があげられているというのだ。 多発する自然災害への対策や東京五輪関連で土木工事の発注はやや活発になっても、依然として若い人材が集まりにくい業況があるようだが、記憶力や集中力が低下していく年齢で資格取得のために試験勉強をするのはなかなかきついことだという。定年後も現役の技術者として働くうえで資格が武器になることも事実だが、少子化で若者の総数が伸び悩む限り土木界が若い人材を獲得する苦労は続くといわれている。土木工事に占める老朽インフラの補修や改修のウエートが拡大していく時代には、資格取得で精神的に若返って奮闘するシニア技術者こそが現場の主役になっていくのかもしれない。もっとも私などは早くリタイヤして悠々自適の生活を望んでいるがそうれは夢になりそうなのだ。
2017年02月14日
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三重県は予算の財源不足を賄うため来年度からの3年で、人件費31億円の削減を県職員労組と県教職員組合に申し入れ合意したというのだ。当初予算案の編成に伴う財源の確保を目的に三重間が一般職の給与削減に向けて県職員労働組合などに協議を申し入れたというのだが、賃金カットの協議は難航することも予想されるが今後は職務別の削減幅や期間などを巡って話し合いを進める考えだという。三重県は当初予算案の編成に当たって昨年12月時点で約二百十九億円の財源不足があると見込んでいたというのだが、、歳入ならびに歳出両面で財源不足の圧縮を進めても、昨年5月に行われた「伊勢志摩サミット」と呼ばれた主要国首脳会議開催の負担などがのしかかっているというのだ。 関係者によると削減対象は県職員と教職員に警察官の計約2万4000人の人件費で、削減額は管理職分が7億円で一般職員分が24億円となるという。今後3年間にわたり年2回の期末・勤勉手当であるボーナスから減額するとされるが、三重県では昨年度の人件費は2227億円だったというが、歳出総額に占める職員の人件費の割合は三割を占めており、一昨年度では全国九番目の高さになっているそうなのだ。これは五十代の職員の割合が高いこともあって退職手当の支給総額も多いというのだ。総務省によると国家公務員を100とした場合の給与水準「ラスパイレス指数」は102.8で、都道府県の中では神奈川県に次ぐ二位になっていることもあって総務省からは減額の指導を受けていたそうなのだ。、 三重県に交付した地方交付税交付金からすでに給与減額分に相当する83億円を減額しているというのだが、鈴木三重県知事は会見で「県民サービスを後退させないために現実的な対応が必要だった。職員には申し訳なく思っており、国に対して今後こうした措置を行わないよう強く申し入れたい。」などと釈明したというのだ。三重県の財政は今から過去の借金の公債費償還のピークを前に厳しさを増しているとされているが、昨年のサミット関連予算は国の補助を除いた三重県の負担は49億円余となっており、うち約35億円に県債を充てているという。今年度の一般会計当初予算案は総額7011億円の見通しだというが、財源不足に苦しみ三重県は1月中旬に労組に「人件費を含む財政調整」の協議を申し入れたという。 厳しい予算編成を強いられたことから今月中に県議会に一般会計当初予算案と関係条例の改正案を提出する見通しだというが、鈴木英敬知事就任後からは人件費削減は3回目となっているということもあって、三重県職等の労働組合は反発していたが馬鹿のことに「断腸の思いで妥結」というのだ。公務員給与は、本来「民間給与の相場を参考に決める」とされている。 人事院や地方の人事委員会が該当地の民間企業の給与を調べることになってはいるが、なのに公務員の給与や退職金が異常に高いのかというと、人事院の民間給与調査は「企業規模50人以上かつ事務所規模50人以上」の大企業の事務および技術系正社員に限定されていることから中小企業や派遣社員は切り捨てられているからだというのだ。 それでも人間である以上、きれいごとでなく、給与を下げられた分、手を抜こうとか、残りは明日にして今日は帰ろうとか考えるのが当然で、その意味では今回の三重県の給与削減では、県政に何らかの影響は出ざるを得ないと思われているというのだ。あるいは全職員が火の玉となって大和魂で乗り切りってしまうという意見もあるが、この点に関してはどちらとも断言できないということだろう。それでも民間企業でも通用する優秀で今からでもやり直しができる若い県職員ほど転職圧力が強まるとされ、給与削減に関する組合の機関紙が発行されてから数日が経つというが、若手の間で転職に関する話をよく耳にするようになっているというのだ。優秀な人材に限らずとも危機感を持った若手は民間や給与水準の高い市町に流出していくという。 役所の「課長」はその多くは部下が一人かゼロの「名ばかり管理職」だそうで、公務員給与は本来「民間給与の相場を参考に決める」とされており、人事院や地方の人事委員会が該当地の民間企業の給与を調べることとなっている。中小企業では課長職の持つ部下は平均で6人だとされているが、部下10人以上を持つ「課長」になれる人は一握りだというのだ。課長職なら「二係以上または構成員10人以上の課長」に限られており、顧客の中小企業では、課長職の持つ部下は平均で6人だそうで、部下10人以上を持つ「課長」になれる人は一握りだろうが、、少なくとも俸給表上は課長並みの給与がもらえるようになるというのだ。役所では誰でも必ず課長並みの給与がもらえるようになるというのだ。
2017年02月13日
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三重県は予算の財源不足を賄うため来年度からの3年で、人件費31億円の削減を県職員労組と県教職員組合に申し入れ合意したというのだ。当初予算案の編成に伴う財源の確保を目的に三重間が一般職の給与削減に向けて県職員労働組合などに協議を申し入れたというのだが、賃金カットの協議は難航することも予想されるが今後は職務別の削減幅や期間などを巡って話し合いを進める考えだという。三重県は当初予算案の編成に当たって昨年12月時点で約二百十九億円の財源不足があると見込んでいたというのだが、、歳入ならびに歳出両面で財源不足の圧縮を進めても、昨年5月に行われた「伊勢志摩サミット」と呼ばれた主要国首脳会議開催の負担などがのしかかっているというのだ。 関係者によると削減対象は県職員と教職員に警察官の計約2万4000人の人件費で、削減額は管理職分が7億円で一般職員分が24億円となるという。今後3年間にわたり年2回の期末・勤勉手当であるボーナスから減額するとされるが、三重県では昨年度の人件費は2227億円だったというが、歳出総額に占める職員の人件費の割合は三割を占めており、一昨年度では全国九番目の高さになっているそうなのだ。これは五十代の職員の割合が高いこともあって退職手当の支給総額も多いというのだ。総務省によると国家公務員を100とした場合の給与水準「ラスパイレス指数」は102.8で、都道府県の中では神奈川県に次ぐ二位になっていることもあって総務省からは減額の指導を受けていたそうなのだ。、 三重県に交付した地方交付税交付金からすでに給与減額分に相当する83億円を減額しているというのだが、鈴木三重県知事は会見で「県民サービスを後退させないために現実的な対応が必要だった。職員には申し訳なく思っており、国に対して今後こうした措置を行わないよう強く申し入れたい。」などと釈明したというのだ。三重県の財政は今から過去の借金の公債費償還のピークを前に厳しさを増しているとされているが、昨年のサミット関連予算は国の補助を除いた三重県の負担は49億円余となっており、うち約35億円に県債を充てているという。今年度の一般会計当初予算案は総額7011億円の見通しだというが、財源不足に苦しみ三重県は1月中旬に労組に「人件費を含む財政調整」の協議を申し 入れたという。 厳しい予算編成を強いられたことから今月中に県議会に一般会計当初予算案と関係条例の改正案を提出する見通しだというが、鈴木英敬知事就任後からは人件費削減は3回目となっているということもあって、三重県職等の労働組合は反発していたが馬鹿のことに「断腸の思いで妥結」というのだ。公務員給与は、本来「民間給与の相場を参考に決める」とされている。 人事院や地方の人事委員会が該当地の民間企業の給与を調べることになってはいるが、なのに公務員の給与や退職金が異常に高いのかというと、人事院の民間給与調査は「企業規模50人以上かつ事務所規模50人以上」の大企業の事務および技術系正社員に限定されていることから中小企業や派遣社員は切り捨てられているからだというのだ。 それでも人間である以上、きれいごとでなく、給与を下げられた分、手を抜こうとか、残りは明日にして今日は帰ろうとか考えるのが当然で、その意味では今回の三重県の給与削減では、県政に何らかの影響は出ざるを得ないと思われているというのだ。あるいは全職員が火の玉となって大和魂で乗り切りってしまうという意見もあるが、この点に関してはどちらとも断言できないということだろう。それでも民間企業でも通用する優秀で今からでもやり直しができる若い県職員ほど転職圧力が強まるとされ、給与削減に関する組合の機関紙が発行されてから数日が経つというが、若手の間で転職に関する話をよく耳にするようになっているというのだ。優秀な人材に限らずとも危機感を持った若手は民間や給与水準 の高い市町に流出していくという。 役所の「課長」はその多くは部下が一人かゼロの「名ばかり管理職」だそうで、公務員給与は本来「民間給与の相場を参考に決める」とされており、人事院や地方の人事委員会が該当地の民間企業の給与を調べることとなっている。中小企業では課長職の持つ部下は平均で6人だとされているが、部下10人以上を持つ「課長」になれる人は一握りだというのだ。課長職なら「二係以上または構成員10人以上の課長」に限られており、顧客の中小企業では、課長職の持つ部下は平均で6人だそうで、部下10人以上を持つ「課長」になれる人は一握りだろうが、、少なくとも俸給表上は課長並みの給与がもらえるようになるというのだ。役所では誰でも必ず課長並みの給与がもらえるようになるというのだ。 ----- Original Message ----- >From: "" <> >To: ??????@yahoo.co.jp >Date: 2017/2/12, Sun 09:34 >Subject: 12日の日記 ><楽天ブログの日記更新メールです> ><このメールに返信するとブログ記事が書けます> ><画像を添付することも出来ます> >
2017年02月12日
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JR北海道はJR東日本とJR四国はJR西日本に統合させて4社体制にするべきだとの意見もあるそうだが、そのJR四国は今年の1月に特急用新型車両の2600系ディーゼルカーが完成させて、今月には高松運転所へ到着させると発表しているのだ。特急用新型車両の2600系は予讃線や土讃線・高徳線で使用されている2000系ディーゼルカーの、老朽化にともなう置き換え用として新製された車両だとされ、今回は2両編成2本となる計4両が納入されるそうなのだ。2両編成の定員は98人で最高運転速度は時速120kmとされている。JR四国によるとデザインコンセプトは「Neo Japonisme(ネオ・ジャポニスム)」だそうで、日本の伝統意匠を現代的にアレンジし安らぎと先進性をあわせ持たせた特急車両となっているそうなのだ。 新型車両の外観は四国の自然に映える「ディープレッド」を基調とし、あわせて金を配色して「ディープレッドのラインを筆の流れにみたてて、紅墨汁のにじみのごとく、赤い色彩がステンレスボディに染み入る様をゴールドの縁取りで表現」しているというのだ。JR四国の車両というのは少し特殊で8000系電車や2000系気動車などのように、民営化後に自社で開発した車両は大手私鉄の車両のような4桁の数字のみだというのが。旧国鉄で使われていた「キハ」・「クハ」などの記号がつかない形式番号を表示しているそうなのだ。国鉄時代の昭和30年代半ば「無煙化」ということでSL列車をディーゼルカーや電車に置き換えるモデル地区として、大量の新型ディーゼルカーが投入され「気動車王国」とまで呼ばれていたという。 これまでは中古車両の寄せ集めの様相を呈していたそうなのだが、民営化後は積極的な経営改善策による新車導入が行われ、民営化後10~15年後にはJR鉄道会社中平均車齢が最も若いまでになったというのだ。JR四国の車輌は華やかさこそ無いものの、基本性能に優れ、客室設備なども地域の事情を考慮したモノが適材適所に配置され、デザイン面以外では非の打ちようが無く、「花より実を取った」という感じで実に気持ちよく利用できるともいわれて鉄道ファンから愛されているそうなのだ。今回の新型車両も車内には和柄をモチーフにした装飾をドアやシートのアクセントデザインに採用し、シートは車両ごとに臙脂と紺色が用いられており、このシートは8600系特急形電車の普通車と同じタイプだというのだ。 座席は背もたれと連動して座面が前方にスライドするリクライニング機構になっており、各座席にはコンセントに可動式枕だけでなくドリンクホルダーやコートフックなどが設けられるほか、ノートPCなどの利用を考慮しテーブルが大型化しているそうなのだ。多機能トイレにはオストメイト対応設備や温水洗浄便座・ベビーベッド・ベビーキープ・フィッティングボードなどが設置されているというのだ。バリアフリー整備ガイドラインを考慮した車内設備とし、車いす対応多機能トイレを設置までしているそうなのだ。室内照明にはLED照明を採用するとともに安心して利用してもらうために車内に非常通報装置や防犯カメラを設置しているという。またJR四国は観光列車の整備も進めているのだがそうするしかない実情もあるというのだ。。 それでも私も毎日利用しているにもかかわらずJR四国によると、利用状況では国鉄が赤字に苦しんでいたその末期の基準で考えた場合、JR四国の路線のうち過半数の区間が鉄道を廃止して路線バスへの転換が適当と判断される状況であるというのだ。国鉄末期に制定された「国鉄再建法」によって需要が少ない路線は「バスへの転換が適当」とされていたのだが、橋国鉄の赤字路線は鉄道の廃止とバスへの転換や、地元自治体などが路線運営を引き受ける第三セクター鉄道化が行われていたのだ。このとき「需要が少ない」と判断された基準は輸送密度4000人/日だとされ、それ未満の路線は例外を除き先述のとおり路線バスへの転換や第三セクター鉄道化が進められたのだ。 JR四国が発表したデータによるとその全路線のうち61%が輸送密度4000人以下で、単純に「国鉄再建法」へ当てはめると香川県内と高知県・徳島県・愛媛県の県庁所在地を結ぶ路線と瀬戸内工業地域付近を走る39%しか、そのままの形で路線が維持されないという状況になっているというのだ。ただ「国鉄再建法」には「ピーク時の乗客が一方向1時間あたり1000人を超す場合は除外」といった項目があるため、ただちにJR四国路線の61%が「バス転換が適当」とはならないとされてはいるが、それに近い状況であることは確かだということなのだ。そんなことから今年の4月からは香川県多度津・琴平から徳島県大歩危間を走る観光列車として「四国まんなか千年ものがたり」が誕生するというのだ。
2017年02月12日
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昨年にアイドルグループ「TOKIO」が日本テレビ系バラエティー番組「ザ、鉄腕DASH」の企画で、2年がかりで取り組んだ究極の「世界一美味いラーメン」が出来上がり、テレビで試食の様子が放送されたのだが、とにかく素材にこだわっていて高知土佐清水の宗田鰹に能登の海塩や函館の真昆布など18の材料が使われたそうなのだ。麺に使われたのは福島産の最高級小麦「春よ恋」だったそうで、私の見ていたのだが誰が作ったラーメンかを伏せた試食会でも、麺やスープを口にした人の表情が見る見る変わっていくのを見ると、よほど美味しく出来たラーメンだということがうかがえたのだ。ただし一杯の原価が630円だそうで仮に店舗で販売すると値段は2000円以上になるというのだ。 実際には福島の食料からは放射性物質はほぼ検出されていないと言ってもいいが、生活協同組合コープふくしまが県内の100家庭の食事を「陰膳方式」といわれる一般家庭で調理された食事と同じものを検査し、栄養素や化学物質の総量を推定する調査で測定したところ、100家庭すべてで福島県産の食材も使用されていたが、どの家庭からも検出限界値の「1キログラムあたり1ベクレル」のセシウムは検出されなかったという。この調査結果を「コープふくしま」がウェブサイトで公開しているが、厚生労働省が定めている食品に含まれる放射性セシウムの基準値は一般食品の場合では1キログラムあたり100ベクレルで、福島で出されている食事はこの基準値を大幅に下回っており、福島県産食材は安全と言ってもおかしくない状態なのだ。 「風評以外の何物でもないよ。きちんと検査をしてセシウムは検出されていない。それでも『放射能が心配』と買ってもらえない。それが風評でなくて何だ」と激しい口調で憤る福島県の60代の桃農家は、売り上げが一番酷い時期で原発事故前の4割にまで落ち込んだという。放射能に関して安心なのはゴボウ・長ネギ・タマネギ・もやし・セロリ・アスパラなどだが、そもそももやしは室内で土を使わす栽培されるしネギなどはセシウムが吸収されにくい性質を持っているそうなのだ。福島第一原発の爆発事故で放射性物質のセシウム・ストロンチウム・ヨウ素・テルルが放出されたが福島県の農産物の検査はセシウムのみであり、海外市場からは「日本の食品の輸入を規制していることからある程度判断ができる」と言われているのだ。 月日が経って原発事故の薄れていく記憶とは反比例に、募る放射能による子供への影響の不安はなくならず、未だに食品には不安が多く神経質に過ごす毎日には、起こった出来事の大きさを少しも忘れることはありませんという意見も多いのだ。基準内の放射性物質しか含まれていないとしても、わざわざ内部被曝を高めるかもしれない食物は取る必要が無いという意見も依然強いのだ。放射性物質の半減期を踏まえるとこの4年間で空間線量は56%減少したが、いまだに食べ物からは東日本の広い範囲で基準値を超える値が検出されており、特に顕著なのが鹿・猪などのジビエや、原木シイタケなどの野生キノコに、イワナ・ワカサギなどの淡水魚などで、特にたけのこはセシウムの移行率が高いので要注意だといわれている。 「風評被害」という言葉は震災のあった年の「新語・流行語大賞」にも選ばれたのだが、「被曝を恐れる心理から、農畜産物や魚、工業製品が過剰に避けられたりした」として、食品検査の放射性セシウム基準値が1kgに500Bqに設定され、それをクリアした米や野菜に魚を買わない消費者は「風評被害を助長する」と責められたのだ。農林水産省も「買って応援」とか「食べて応援」といったキャンペーンを展開し、福島県内の学校給食には地元の米や野菜が食材として使われるようになったという。もっとも「風評被害」とは「根拠のない噂のために受ける被害」と定義されているが、福島第一原発の爆発も放射性物質の拡散も事実なのだから「福島のものは食べたくない」などということを「風評」だとは言い切れないだろう。
2017年02月11日
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ベンチャー企業などがドローンを武器にして建設業界への参入を目指す動きが活発だそうなのだが、新参者たちは既存のプレーヤーに割って入ることができるかという点では、兵庫県はドローン等の小型無人機による空撮動画を使って河道の状況を把握し、日常の点検などに生かす河川管理・監視システムの開発に乗り出すというのだ。上空から撮影することで急流など人が近づきにくい危険な箇所の状況を素早く把握できる。撮影データは地理情報システムで管理して情報検索や経年変化の分析が容易にできるようにし、地理情報と連動して動画や静止画を見られるようにするという。このシステムを発案した兵庫県姫路土木事務所が兵庫県測量設計業協会と兵庫県まちづくり技術センターと共同でソフトウエアを 開発したそうなのだ。 兵庫県姫路土木事務所が兵庫県測量設計業協会と兵庫県まちづくり技術センターとの3者で近くソフト開発の基本協定を結ぶ予定だというが、協定締結後に兵庫県姫路土木事務所管内を流れる2級河川の市川と夢前川の延長計約10kmの区間で、2月末から3月にかけてドローンを飛ばして空撮しデータを収集する。今夏をめどにソフトを試作してその後さらにドローンの試験飛行を繰り返して課題を整理したうえで、来年3月末までの完成を目指すという。開発費用は400万~500万円を見込んでいるそうなのだが、河川の点検業務は従来なら委託先の測量設計会社の社員らが目視で調査し写真や文書などで情報を記録して、その情報をもとに日常の河川の管理や監視を行ってきたというのだ。 人が近づきにくい箇所や目視では見えにくい箇所では調査に手間がかかるうえに、的確な状況の把握が難しいという問題もあったのだが、ドローンで上空から撮影すればそうした箇所でも樹木の繁茂の状況や増水後の土砂の堆積状態に、堤防の損傷具合などを素早く正確に把握できるという。台風や豪雨などの後にドローンを飛ばして被害状況などを撮影すれば平時との比較が可能となり、有効な河川改修や災害対策につなげられるとの期待もあるというのだ。開発したソフトは河川の点検を委託する測量設計会社に無償で提供する予定で、業務を受託した会社はまちづくり技術センターのホームページからダウンロードしたソフトに、自社で空撮したデータを取り込み兵庫県に提出するというのだ。 兵庫県はそのデータをパソコンに取り込み日常の河川の管理や監視に活用するのだが、測量設計業協会がソフト開発と併せて整備する空撮マニュアルなどを用いて、会員向けの研修を実施してまちづくり技術センターとともにシステムの普及を図ることも考えられている。兵庫県によると河川の点検や監視でドローンを活用するのは自治体では初の試みで、今後は姫路土木事務所管内で試行し兵庫県内全域に広げていくかどうかを検討するという。ドローンによる写真測量をもとに短時間で高精度な三次元図面を作成し、土量や工事の進ちょくを管理できるシステムは今でも開発されているが、現在のところ大規模な造成工事に適用し効果を確認されているにすぎないのが実態で、私も実際には利用したことがないの だ。 建設業界で人手不足が顕在化する中遠隔操作や自動制御で飛行し撮影などができるドローンを活用する企業が増え始めたtrはいるが、「人が登れない急斜面や山間部での業務に向く」と導入効果が講習会等では語られているのだ。工事現場を空撮し画像データを測量などに役立てており、高精度の施工管理や作業員の安全確保、経費節減などにつながると期待はされている。高度成長期に造られた橋などの老朽化が全国で進む一方、自治体は技術者や予算が不足しており、「ドローンの活用はますます進む」というのだが、赤外線カメラで橋などの表面温度を測定しその温度変化から傷みなどが予測される空洞部分を検知できるシステムなどは、従来の人による点検と比べて大幅な経費削減と期間短縮につながると いう。 ----- Original Message ----- >From: "" <> >To: ??????@yahoo.co.jp >Date: 2017/2/10, Fri 09:33 >Subject: 10日の日記 ><楽天ブログの日記更新メールです> ><このメールに返信するとブログ記事が書けます> ><画像を添付することも出来ます> >
2017年02月10日
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文部科学省による天下りのあっせんについて衆議院予算委員会の集中審議で、前事務次官や仲介役OBへの追及から浮かんだのはOBに厚遇ポストを与え、再就職の支援活動を組織ぐるみで下支えする違法な構図だという。文部科学省の組織的な天下りあっせん問題で、仲介役だった人事課元職員の嶋貫和男氏の支援策を検討した文書を、文部科学省人事課職員が作り当時の山中伸一事務次官も報告を受けていたことがわかったという。しかも文部科学省職員らが加入する団体保険を取り扱う保険代理店から、年500万円程度の収入を得ていたことなどまでも明らかにしたというのだ。文科省OBが代々就いていた明治安田生命保険の顧問職を得て月2日程度の勤務で年1000万円の収入も確保していたというの だ。 天下りあっせんを担う嶋貫氏を文科省関連組織が連携して資金面で支える構図が浮き彫りとなったということなのだが、今回出された人事課元職員の嶋貫和男氏の支援策を検討した文書は別の次官経験者にメールで送られ、計3人の次官経験者が嶋貫氏の処遇を相談した形跡もあるというのだ。OBの支援に文科省ぐるみで関与していた構図が鮮明になった文書は、文科省が公表した「再就職支援業務について」なのだが、文書によると文部科学省の担当者が嶋貫氏について「週2日程度の保険会社顧問に就任し、残り3日間で再就職支援業務をボランティアで行う」と提案し、審議役だった一般財団法人の教職員生涯福祉財団に「秘書給与や執務室賃料を負担していただけないか」と求めたという。 一般財団法人の教職員生涯福祉財団は「再就職支援業務が財団から切り離されるのであれば」との条件付きで「秘書給与や執務室賃料を支援できる」との立場を示したという。また人事課元職員の嶋貫和男氏の支援策を検討した文書では、嶋貫氏の処遇について元事務次官で財団理事長だった国分正明氏から、同じく元次官で放送大学教育振興会の理事長だった井上孝美氏に「相談する」とも記され、生涯福祉財団顧問弁護士だった清水潔元事務次官の同席予定も記録されているというのだ。松野博一文科相は「文科省から手当が出ていなくても、環境づくりに大きく関与してきたのは事実だと思う」と答弁しているが、問題の一つとなったのは顧問だった「明治安田生命」での嶋貫氏の待遇だったという。 本省の人事課に通算15年以上の勤務経験がある嶋貫和男氏は、職員の異動を担う任用班の事実上の責任者を務め人事課企画官などを経て10年前に退職して教職員生涯福祉財団の審議役と都内の保険代理店の顧問に再就職しているが、嶋貫氏の処遇について省内で「保険会社顧問に就任し、再就職支援業務をボランティアベースで行う」とする案がつくられた翌年に就任している。民進党の小川淳也議員は顧問報酬について「月2日勤務で1千万円か」と衆議院予算委員会の集中審議で質問すると、嶋貫氏が「社に出向く回数は基本的にそう」とか「金額はその通り」などと答えたというのだ。すると他の委員や傍聴人からは「おお」とか「1カ月2回か」とどよめきが起きたという。 嶋貫氏は教職員生涯福祉財団では週三日程度の勤務で年約七百万円、都内の保険代理店からは打ち合わせがある時などに出向く勤務実態で年約五百万円の報酬を得ていたと明らかにしているが、この保険代理店は文部科学省の職員らが加入する団体保険を取り扱っているそうで、保険料の集金業務を嶋貫氏が参与に就いていた公益財団法人「文教協会」に委託し年間約七十万円の集金手数料を支払っていたという。公益財団法人「文教協会」は大学関連の出版などを手掛け文科省から補助金と書籍購入費を得ており、嶋貫氏が代表を務める一般社団法人「文教フォーラム」に事務所を提供していたという。しかもこの一般社団法人「文教フォーラム」は天下りあっせんのための組織だったことが文科省の調査で明らか になっている。 ----- Original Message ----- >From: "" <> >To: ??????@yahoo.co.jp >Date: 2017/2/9, Thu 09:33 >Subject: 9日の日記 ><楽天ブログの日記更新メールです> ><このメールに返信するとブログ記事が書けます> ><画像を添付することも出来ます> >
2017年02月09日
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厚生労働省は閣議に昨年度の厚生労働白書を報告したのだが、高齢化を乗り越える社会づくりがテーマだったというが、40~59歳の男女ではなんと約84%の人が、高齢期の独り暮らしを不安に感じているとする調査結果を紹介している。しかも高齢者を地域全体で支える重要性を訴えている厚生労働省が、来年度の公的年金支給額を前年度から0.1%引き下げると発表したというのだ。年金額改定の指標となる昨年1年間の物価水準が下落したためで、引き下げは3年ぶりで6月に支給する4月分から適用するそうなのだ。毎月の支給額は国民年金が満額1人分で前年度比67円減の6万4941円となり、厚生年金が夫婦2人の標準世帯の場合は227円減の22万1277円となるそうなのだ。 まさに「年金カット法案」が発令されたとおりの結果となったというわけなのだが。昨年に成立した年金改革法では賃金下落に伴い高齢者の給付額が減るため、民進党は「年金カット法案」と批判したにもかかわらず、低所得者への支援に関する議論は国会で十分に進まなかったし、最後は自民党をはじめ与党の強行採決で年金カットが決まってしまったのだ。さらに厚生労働省は国民年金の月額保険料も発表しているが、来年度は今年度比230円増の1万6490円としその次の年には1万6340円とするというのだ。年金額は物価や賃金に連動して毎年度改定しているのだが、昨年1年間の消費者物価指数の総合指数は前年比0.1%減となり、こうした結果を踏まえ年金額を確定したというのだ。 年金給付額の抑制を柱とする年金制度改革法が成立し、少子高齢化が進む中で将来の給付水準を確保するのが目的ということなのだが、物価が上昇しても現役世代の賃金が下がれば支給額を引き下げる新ルールを導入するというのだ。現役世代向けの年金を増やすため厚生年金の加入対象を拡大する規定なども盛り込んでおり、給付の伸びを物価や賃金の上昇率より低くする「マクロ経済スライド」の強化が目的でというのだ。「マクロ経済スライド」は13年前に導入されたがデフレ時には適用しないため、実施したのは1回だけで給付額が下がらず財政悪化を招く原因だといわれているのだ。このためデフレ時に低くできなかった分を景気回復時にまとめて低くする仕組みを導入するというのだ。 円高による輸入価格の低下や消費者の根強い節約志向も物価の上昇を抑えたわけだが、景気低迷が続けば「マクロ経済スライド」強化の効果が十分に発揮できない可能性があることから、景気にかかわらず毎年発動すべきだとの声も根強いという。2点目は現役世代の賃金下落に合わせ給付額を減らす新たな仕組みで、現在は物価が上昇していれば賃金が下がっても高齢者の生活に配慮し給付額を据え置いているが、物価が下落し賃金がさらに下落した場合も現在は物価に合わせ給付額を引き下げるが、今後は賃金に合わせて引き下げることにするというのだ。給付額抑制で生活保護世帯の増加も懸念される中、年金を含む社会保障制度全体でのセーフティーネット構築が課題だとされているのだ。 そこで「日本老年学会」などは年金カットを正当化するために、現代人が心身ともに若返っているという事まで言い出す始末なのだ。65歳以上とされる高齢者の定義を75歳以上に引き上げるべきだとする提言なのだが、65~74歳は準備期間として新たに「准高齢者」と区分するよう求めたという。提言は現代人が10~20年前と比較し加齢に伴う衰えが5~10年遅く「若返り」がみられると指摘し、65~74歳では活発に活動できる人が多数を占め社会一般の意識としても高齢者とすることに否定的な意見が強いとしているのだ。その上で高齢者の年齢を75歳以上に引き上げ65~74歳は就労やボランティア活動ができるよう後押しし、「社会の支え手」として捉え直すべきだとしてもっと高齢者も勤労すべきだとしているのだ。
2017年02月08日
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コンクリート構造物の品質を向上させるという視点で新たに注目されているのが、コンクリート表層の仕上がり状態の管理手法を利用して、表層をひび割れなどのない良好な状態に保つことができれば、コンクリート内部への水や塩分などの浸入が減り、結果としてコンクリート構造物の劣化を防げるというのだ。品質管理の手法を築き上げた一例が大手ゼネコンの鹿島と横浜国立大学による取り組みで。脱型したコンクリートの表面を目視して品質を評価する「目視調査に基づく品質管理手法」を開発したというのだ。「美しいコンクリートは品質と耐久性が高い」という相関性を踏まえた手法なのだが、「見栄え」を尺度にしながらコンクリートの品質を判定する手法でコンクリート品質の向上効果を確認できているというのだ。 現場での品質確認はまずは現場の技術者など複数の調査者が、打設したコンクリート表面とサンプル画像を目で比べるのだが、比較項目は「表面の色つや」・「沈みひび割れ」・「表面気泡」・「プラスチック収縮ひび割れ」・「砂すじ」・「のろ漏れ」・「打ち重ね線」・「豆板」の8項目だという。いずれもコンクリートが密実であるか否かを示す仕上がり性状となっており、確認した結果は色むらや打設時にできる模様などに着目してグレード別に分類するというのだ。例えば「表面の色つや」は「S(最優)」・「A+(優)」・「A(良)」・「A-(可)」・「E(不適合)」の計5段階に区分するというのだ。「豆板」であれば「有」か「無」の2段階で評価し、残り6項目は「A+(優)」から「E(不適合)」までの4段階に分けているというのだ。 ひび割れの幅や範囲などに応じて設定しており、「沈みひび割れ」の「A+(優)」では「ピーコン近傍に沈みひび割れがない」で、「A-(可)」は「天端の鉄筋位置以外に幅0.2mm以下のひび割れが発生」といった基準を設けているという。調査者が評価したグレードを点数化するわけなのだが、見た目を点数化するという手法は見た目の機械的な判定を可能にすることも示唆していろというのだ。トンネルの覆工コンクリートなどで表層の状態をデジタルカメラで撮影し、その画像解析結果をもとに仕上がり状態を評価する技術を大手ゼネコン各社は開発しているそうなのだ。そして見た目を評価した点数が低い項目については、作業員等に周知して次の工程で改善を図ることにしているそうなのだ。 例えば「表面の色つや」の点が低ければ型枠を清掃したり剥離剤を変更したりといった具合なのだが、こうした評価を部材ごとに行うことで構造物全体の品質を高めるというのだ。さらにコンクリート構造物の施工品質と施工条件などとの因果関係のデータ解析を進める手法を取り入れて成果を上げているというが、施工条件などのデータとしてコンクリートの性状と運搬や打ち込みに環境という四つの視点から設定した全40項目を取得しているそうなのだ。出荷時と荷下ろし時のスランプやコンクリート温度・空気量のほか、運搬時間や打設量などを用いて目視で評価したコンクリート品質との関連性を確認しているというのだ。その結果品質評価結果と施工条件などの一部に相関性が認められたそうなのだ。 表面の色つやではコンクリート温度や打設速度に打ち込みに要した時間だけでなく、施工時の外気温や剥離材が大きな影響をもたらしていたというのだ。施工品質に及ぼす施工条件などがデータとして明確になると対策を講じやすくなり、剥離材の塗布方法を改める取り組みなどを進めたことによってコンクリート表層の施工品質を向上できたそうなのだ。こうしたコンクリートの表層管理による品質評価は発注機関も着目し始めており、国土交通省東北地方整備局ではコンクリート構造物の建設に当たって、表層の見栄えでコンクリートの品質を判断して得られた改善点を次の打設サイクルに生かす「目視評価法」の導入を図っているというのだ。そしてコンクリートの表層の見栄えを高める具体的な手立ても編み出しているというのだ。
2017年02月07日
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労働問題に詳しい弁護士や大学教授ら11人でつくる「ブラック企業大賞実行委員会」は、昨年のブラック企業大賞に下馬評どおり大手広告代理店の「電通」を選んだと発表している。ブラック企業大賞は5年前から始まり今年で5回目なのだが、長時間労働やパワハラなど過酷な条件下で労働者を働かせる「ブラック企業」として問題になった企業の中から、「ブラック企業大賞実行委員会」が毎年大賞を選んでいる。グランプリを受賞した「電通」では一昨年に新入社員だった高橋まつりさんが過労で自殺し今年9月に労災と認定され、これを受け東京労働局などが本社と3支社を労働基準法違反容疑で強制捜査している。そこで労働環境を改善するため人事評価制度なども見直しているという。 過労死や過労自殺によって毎年200件ほどの労災認定が行われており、脳・心臓疾患やうつ病にり患して労災認定を受けた件数も800件ほどに上るという。「電通」の事件があったとは言え毎年これだけもの命が奪われ、命の危険に迫る事例があるということにこれまで国は十分な施策を打たずにきた事実にどう向き合うのかだが、政府が働き方改革に向け残業時間の上限を年720時間の月平均60時間とする方向で調整しているというのだ。繁忙期は月100時間まで認めるが2カ月平均で月80時間の制限も設ける模様で、青天井の残業が事実上可能な労使間の「36(さぶろく)協定」を見直しほぼ全業種を対象に上限を設定し、違反企業に罰則を科し過労死を招くケースもある長時間労働を是正するそうなのだ。 政府は今月から「働き方改革実現会議」を実施して残業の上限規制に関する議論を本格化したというが、年内に労働基準法改正案を提出し上限規制を導入したい考えだ。厚生労働省はこれまで「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を策定したり、過労死の労災認定基準について「1カ月100時間超の残業」または「2~6カ月間平均で月80時間超の残業」と定めていたりしている。これら過労死の基準に抵触せず企業活動の実態にも配慮し残業の上限を設けるというが、今でも月100時間超の残業をした場合には産業医等による面接指導を制度化するなどして企業に行動を起こすように促してきたが、結果として過労死・過労自殺は減っていないのが実情なのだ。 法定労働時間は1日8時間の週40時間だが、労基法36条に基づく「36協定」を結ぶとこの時間を超えて働かせることができる。残業時間の上限は月45時間で年360時間だが、特別条項付きの「36協定」なら1年間のうち半年は無制限で残業させることが可能となっている。今後は特別条項付きの協定を結んだ場合でも残業時間を年720時間の月平均60時間に制限する方針だというが、論点整理案は「同業他社との競争が厳しい中、各企業の自主的な取り組みに任せるだけでは限界がある」として法改正の必要性を訴えている。残業の上限時間については具体的に示していないが1日や1週間単位で設ければ、繁忙期などへの対応が困難となることに留意が必要だという指摘もなされている。 長時間労働が常態化している業種・職種についても「業務の特性や取引慣行などの課題がある」としており、一律規制に反対する経済界に配慮した格好だということもあって、政府は労使の代表者や有識者らを交えた「働き方改革実現会議」で残業規制の議論を本格化させるということなのだ。時間外労働の上限設定と違反した企業への罰則の在り方が焦点となるが、加藤勝信働き方改革担当相は「働き過ぎで尊い命を落とすことがないよう長時間労働を是正していく」と述べ、緊急性の高い課題として取り組む姿勢を示している。政府の方針は残業上限を設けるという方策についてはその第1歩として評価できるものであろうが、企業にはもう少し結果を求めるべきで実効性をどう担保するのか注視されている。
2017年02月06日
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昨年にアイドルグループ「TOKIO」が日本テレビ系バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の企画で、2年がかりで取り組んだ究極の「世界一美味いラーメン」が出来上がり、テレビで試食の様子が放送されたのだが、とにかく素材にこだわっていて高知土佐清水の宗田鰹に能登の海塩や函館の真昆布など18の材料が使われたそうなのだ。麺に使われたのは福島産の最高級小麦「春よ恋」だったそうで、私の見ていたのだが誰が作ったラーメンかを伏せた試食会でも、麺やスープを口にした人の表情が見る見る変わっていくのを見ると、よほど美味しく出来たラーメンだということがうかがえたのだ。ただし一杯の原価が630円だそうで仮に店舗で販売すると値段は2000円以上になるというのだ。 実際には福島の食料からは放射性物質はほぼ検出されていないと言ってもいいが、生活協同組合コープふくしまが県内の100家庭の食事を「陰膳方式」といわれる一般家庭で調理された食事と同じものを検査し、栄養素や化学物質の総量を推定する調査で測定したところ、100家庭すべてで福島県産の食材も使用されていたが、どの家庭からも検出限界値の「1キログラムあたり1ベクレル」のセシウムは検出されなかったという。この調査結果を「コープふくしま」がウェブサイトで公開しているが、厚生労働省が定めている食品に含まれる放射性セシウムの基準値は一般食品の場合では1キログラムあたり100ベクレルで、福島で出されている食事はこの基準値を大幅に下回っており、福島県産食材は安全と言ってもおかしくない状態なのだ。 「風評以外の何物でもないよ。きちんと検査をしてセシウムは検出されていない。それでも『放射能が心配』と買ってもらえない。それが風評でなくて何だ」と激しい口調で憤る福島県の60代の桃農家は、売り上げが一番酷い時期で原発事故前の4割にまで落ち込んだという。放射能に関して安心なのはゴボウ・長ネギ・タマネギ・もやし・セロリ・アスパラなどだが、そもそももやしは室内で土を使わす栽培されるしネギなどはセシウムが吸収されにくい性質を持っているそうなのだ。福島第一原発の爆発事故で放射性物質のセシウム・ストロンチウム・ヨウ素・テルルが放出されたが福島県の農産物の検査はセシウムのみであり、海外市場からは「日本の食品の輸入を規制していることからある程度判断ができる」と言われているのだ。 月日が経って原発事故の薄れていく記憶とは反比例に、募る放射能による子供への影響の不安はなくならず、未だに食品には不安が多く神経質に過ごす毎日には、起こった出来事の大きさを少しも忘れることはありませんという意見も多いのだ。基準内の放射性物質しか含まれていないとしても、わざわざ内部被曝を高めるかもしれない食物は取る必要が無いという意見も依然強いのだ。放射性物質の半減期を踏まえるとこの4年間で空間線量は56%減少したが、いまだに食べ物からは東日本の広い範囲で基準値を超える値が検出されており、特に顕著なのが鹿・猪などのジビエや、原木シイタケなどの野生キノコに、イワナ・ワカサギなどの淡水魚などで、特にたけのこはセシウムの移行率が高いので要注意だといわれている。 「風評被害」という言葉は震災のあった年の「新語・流行語大賞」にも選ばれたのだが、「被曝を恐れる心理から、農畜産物や魚、工業製品が過剰に避けられたりした」として、食品検査の放射性セシウム基準値が1kgに500Bqに設定され、それをクリアした米や野菜に魚を買わない消費者は「風評被害を助長する」と責められたのだ。農林水産省も「買って応援」とか「食べて応援」といったキャンペーンを展開し、福島県内の学校給食には地元の米や野菜が食材として使われるようになったという。もっとも「風評被害」とは「根拠のない噂のために受ける被害」と定義されているが、福島第一原発の爆発も放射性物質の拡散も事実なのだから「福島のものは食べたくない」などということを「風評」だとは言い切れないだろう。
2017年02月05日
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福井県にある高浜原子力発電所で大型のクレーンが2号機の原子炉の近くにある核燃料を保管する建物に倒れかかり屋根の設備を損傷したという事故があったのだ。関西電力によると周辺の環境に影響はないということなのだが、強い風でクレーンが倒れたものと見て設置状況に問題がなかったかなど詳しく調べているという。福井県高浜町にある高浜原発の構内で大きな音がしたため関西電力が確認したところ、2号機の原子炉が入っている格納容器の隣にある核燃料を保管する建物に大型クレーン1台が倒れかかっているのが見つかり、クレーンは長さが110メートル余りあって核燃料を保管する建物の屋上の縁の部分で折れ曲がり、原子炉補助建屋と呼ばれる隣の建物にかけて屋上に横たわったような状態になっていたそうなのだ。 福井県高浜町の高浜原発2号機で転倒し建屋の一部を壊した大型クレーンは、アーム部分先端からワイヤでつるした約5トンの重りを接地させる措置により、風速42メートルまで耐えられると想定されていたというのだ。この事故では関西電力の調べで屋根の雨水を集める設備で損傷が確認されたのだが、周辺の放射線量に変化はなくけが人もいないという。原子力規制庁の検査官がクレーンの倒れかかった建物内の壁で、一部パネルがずれているのを確認したということもあって、外部に放射性物質を漏らさない機能が損なわれていないかなどを引き続き、調べているというのだ。事故当時に福井県内には暴風警報が出ていてそうなのだが、関西電力は強い風でクレーンが倒れたものと見ている。 高浜原発1号機と2号機は去年に運転期間の延長が認められ、安全対策の一環として工事が行われていたのだが、原因の究明が済むまで工事は中断するという。関西電力によると大型クレーンが倒れかかった建物の内部には核燃料を保管するプールがあり、259体の核燃料が入っているというのだ。新しい核燃料が44体と使用済み核燃料が58体保管され、それに燃料として使用し再び原子炉に入れる予定の核燃料が157体だという。関西電力はこれまでのところ建物の天井から保管庫内への落下物などはなく、プールに異常がないことを確認しているということだが、高浜原子力発電所の高島昌和運営統括長は「皆さまに心配をおかけして誠に申し訳ありません」と陳謝しただけで済ましたというのだ。 長大なアーム部分が強風にあおられ倒れたとみられ、関西電力が公開した現場ではそのアーム部分が建屋に沿うように無残な姿をさらしていたという。高浜原発1号機と2号機は原子力規制委員会が原則40年の運転期間の延長を初めて認めていて、安全対策工事のためのクレーンが原発施設を損傷させたことに、福井県民から関西電力の安全管理への疑問と、事故の根本的な検証と確実な対応を求める声も上がっているという。高さ百メートルを超え重さ二百七十トンの大型クレーンがバランスを崩し、高さ約三十メートルの「燃料取扱建屋」の屋上部分に接触しており、折れ曲がったアームは燃料取扱建屋を通り越して、原子炉冷却機器のある原子炉補助建屋の先まで達していたという。 燃料取扱建屋の屋根は厚さ十五センチのコンクリート製で、その下には核燃料が貯蔵されているのだが、航空機テロなどを念頭に進めた補強工事がその工事の重機で自ら原発施設を傷める皮肉な結果を招いたというのだ。強風による転倒については「一部検討が至らなかったかもしれない」と述べるにとどめたという。関西電力によると事故のあった日には暴風警報が出ていたが、担当者は「問題ないと判断して、特段対策は取っていなかった」としてクレーンを伸ばした状態のままにしていたそうなのだ。事故を受け別の三台のクレーンはアームを二つ折りの状態に戻したというのだ。二つ折りにすると「先端が接地するのでより安全」なのだというが、それならなぜ最初からこの安全策を取らなかったのか。
2017年02月04日
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4月の入庁予定者を対象にした一般行政に技術職を含む宮崎県の採用試験の競争倍率は4.7倍で、平成に入った1989年度以降で最低となったという。少子化や民間企業の採用意欲が増していることが背景にあるとみられ「安定志向」から狭き門だった公務員人気に陰りが見えた形だというのだが、地方創生に取り組む中で宮崎県の人事委員会は人材確保に危機感を募らせているそうなのだ。その公務員といっても仕事の内容は幅広いもので、一般的には試験を受けなければならないこともあって、それなりに勉強や準備も必要になってくることから、「安定しているから」という理由だけで簡単になれるわけではないといわれていたのだが、低収入のプレッシャーには勝てない時代になって来ているそうなのだ。 安定したイメージを持つ職業の一つである公務員だが、安定志向の人にとっては理想の仕事かもしれなかったというのだが、実際に公務員になった人はどうして今の仕事に就こうと思ったのか理由を聞いてみると、「親が公務員なので、働いている姿を見ているうちに自分も同じ道に進みたいと思うように。仕事に対する憧れというよりも、親のことを尊敬していたので自分も同じようになりたいという気持ちが強かったです」とか、「警察官の兄の影響が大きいです。仕事がとても充実しているようで、『責任感が大きくてやりがいがある』といつも言っていました」というように、身近な家族が公務員だと自然と将来の選択肢のひとつになっているが、やりがいやメリットも大きい仕事のようだから応募したという答えもあるようなのだ。 その中には「消防士になるのが小さいころからの夢でした。たまたま公務員だったというだけで、とくに安定や収入を考えたわけではありません」とか、「地元の人口がどんどん減ってしまっていて、観光スポットも閑散としています。大学では上京して地元を離れたものの、やっぱり住み慣れた街で暮らしたいという思いが強くなっていきました。地元に戻って、少しでも街が盛り上がるようなことがしたいと思って公務員に。今は市役所の観光課で働いています」という声もあるそうなのだ。公務員だから今の仕事に就いたというわけではなく、やりたいことができるのが公務員だったという人も多く、たしかに、公務員にしかできない仕事もたくさんあってその社会的地位や安定性から公務員が人気だというのだ。 しかしその人気に陰りが見られるというのだが、公務員の給与水準が民間の中規模企業より低く加えて仕事量の多さなどを理由に、公務員から民間企業へ転職する人も少なくないといわれている。公務員の54.9%が「公務員の身分に誇りを持っている」とした一方で、72.1%は「学歴、年齢、経歴が同じ民間企業社員より収入が低い」と答えているのだ。景気回復で採用を増やす民間企業に学生が流れ自治体受験者が減少しており、人材を確保するため異例の追加募集に踏み切ったり対策を検討したりする自治体もあるそうなのだ。自治体も優秀な人材に受験してもらえるようにアプローチしないと、自治体自身の将来も危うくなりことから、調査結果について「栄誉ある職業も、低収入のプレッシャーには勝てないようだ」と指摘されている。 それとは別に「安定志向」ということでは、大阪府職員の藤京子と市職員の福田恵が地方自治体における市民サービスの向上を目指して結成した漫才コンビがあるというのだ。市民サービス向上の名のもとおもしろければなんでも首をつっこむフットワークの軽さと、公務員らしい地味で細かい着眼点が持ち味で結成間もないころからネタの安定感には定評があるというのだ。M-1グランプリの3回戦に進出しており、公務員あるあるという共感しづらい漫才の他妙齢女子の共感を呼ぶコントなどを創作しているというのだ。もっとも府職員で中学校教諭の藤京子が第3子を妊娠したことから、コンビ活動を定期的に継続することが困難になったということもあって、現在は無期限で活動を休止しているそうなのだ。
2017年02月03日
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中国電力が島根原発2号機で中央制御室の換気に使う空調配管を点検したところ、腐食した穴が見つかったと発表したのだ。この配管は安全上重要な設備に該当しており、中国電力は必要な機能を満たしていないと判断して原子力規制委員会に報告したという。。島根2号機は現在、再稼働の前提となる規制委の審査を受けている。穴がいつ開いたかは分かっておらず、中国電は原因調査と補修を実施する予定。備が見つかり審査合格後に再調査ってこれが新基準なのかね。「再稼働の審査に合格して運転している九州電力川内原発1号機などを対象に調査することを決めた。」配管は外気を中央制御室に入れるのに使われており、審査のため外側の保温材を外したところ、腐食が判明した。 保温材を全て外したのは30年前に運転開始して以来初めてだったそうで、これまでも外気取り入れ口付近の目視点検や異音検査などが実施された例はあったのだが、配管の保温材を全て外した上での目視確認は行っていなかったというのだ。原子力規制庁は審査・検査に合格した原発について速やかに、中央制御室や事故時の拠点となる緊急時対策所の換気配管の保温材を外し直接点検するよう電力会社に求めたが、これからは審査に合格していない原発も順次点検を求めるというのだ。中央制御室は原発を運転・監視する中枢施設で運転員が24時間常駐する場所で、通常は配管を通じて外気を取り入れ換気するが事故発生時には外気を遮断し機密性を保つ機能が求められているのだ。 中国電力が島根原発2号機で運転開始後初めて配管に巻かれた保温材を外し、腐食や穴を発見し必要な機能を満たしていないと判断して原子力規制委員会に報告した事件では、これまでは運転中や運転可能な全国の商用原発42基のうち40基で、重要設備である中央制御室の空調換気配管の詳細な点検が行われていなかったことが、原発を保有する電力9社と日本原子力発電への取材で分かったのだ。中国電力島根原発2号機の換気配管では腐食による穴が多数見つかっており、事故が起きた場合に機能を維持できない恐れがあるという。再稼働していて私の住む愛媛県にある四国電力伊方原発3号機の点検でも、中央制御室の換気に使う空調配管の保温材を外していないというのだ。 何度も書くが中国電力島根原発2号機で重要設備である中央制御室の空調換気配管に多数の腐食や穴が見つかった問題で、原子力規制委員会は再稼働の前提となる審査に合格し、運転中の鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発1号機などを優先的に調査すると決めたというのだが、点検方法は各社の判断に委ねて点検後に原子力規制委員会が全国の原発の実態を確認するというのだ。、原子力規制委員会は島根2号機で見つかった中央制御室の換気に使う空調配管の腐食について「規制基準に抵触する可能性がある」とみており、中国電力の「海に近いため塩分を含んだ空気が配管に流れ込み、腐食が進んだ可能性がある」と説明に点検がずさんで会ったとしている。 原子力規制委員会の審査・検査に合格した原発は川内1・2号機や四国電力伊方原発3号機などだが、このうち現在運転しているのは川内1号機と伊方3号機の2基なのだ。配管に穴が確認された場合には10日以内に修復する必要があって、できなければ運転上のルールから逸脱するため運転停止となってしまうのだ。原発設備の審査を担当する原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は「中国電力が島根原発2号機は放射能漏れなど確認できず環境に影響はないということなのだが、保温材を取って直接見る調査をしてほしい」としている。そして原子力規制委員会は「稼働中でも点検はできると聞いている。稼働していないプラントは、できるだけ早く点検するよう求める」と説明したというのだ。
2017年02月02日
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景気回復などで企業の倒産が減少する一方で資力に余裕を残したまま休廃業や解散をする企業が増えているそうなのだが、建設業では昨年に休廃業・解散の件数が倒産の5倍近くに達しているというのだ。経営者の高齢化や事業承継の難しさが背景にあるとみられるのだが、東京商工リサーチが今月に公表した調査結果で明らかになったという。建設業では昨年の企業倒産が前年比4.8%減の1605件と8年連続で減少し、1469件の1990年以来の低水準となるなか休廃業・解散した企業数は前年比7.4%増の7527件に上ったといわれている。建設業では休廃業・解散した企業数は5年前までは増加傾向にあったが、ここ数年は公共事業の増加などで前年より減少していたというのだ。 しかし昨年は人手不足の深刻化に加え経営者の高齢化や後継者不足などの影響で再び増加に転じており、これは産業全体でもおおむね同様の傾向にあるというのだ。昨年の企業倒産は前年比4.1%減の8446件と8年連続で減少し、26年ぶりに8500件を下回った一方で昨年に休廃業・解散した企業数は前年比8.2%増の2万9583件で、調査を開始した20年前とくらべて最多となったという。休廃業・解散した企業の代表者の年齢は、60代以上が82.3%を占め調査開始以降で最高となっている。なかでも建設業は60代以上が85.4%と全体の構成比を上回り85.6%の卸売業に次ぐ高さとなっていることから、東京商工リサーチでは「建設業は他産業に比べて経営者の高齢化が進んでいると分析している。 今後も経営者の引退に伴って休廃業や解散をする企業が増えるだろう」とみているが、建設業における倒産件数が増加しているのは私の住んでいる四国地区だけだったそうなのだ。東京商工リサーチによると「休廃業」とは企業活動を停止している状態を指し、官公庁等に廃業届を提出して企業活動を終えるケースを含んでいるそうなのだ。そして調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではないという。「解散」とは企業が解散した場合を指し主に商業登記等で解散を確認するのだという。そして「休廃業・解散」は企業活動停止が確認できた企業のなかで、「任意整理」や「法的整理」といった倒産に分類されないケースだとしている。 建設業の倒産件数の減少傾向は製造業・卸売業・小売業・サービス業他を加えた主要5産業の中でも著しく、15年ほど前には6000件を上回っていた建設業の倒産件数は、一昨年は3分の1以下に減少しており、昨年度の対前年度減少率を見ても建設業が小売業を上回ってトップだった。建設業の倒産件数を負債総額別で見ると全体の7割を占めたのは負債1億円未満の小規模企業で、従業員数別では10人未満の企業の倒産が9割近くを占めている。倒産した建設会社の業種を小分類で見ると、332件の「土木工事業」が最多で320件の「建築工事業」が続いているが、建設業の倒産について東京商工リサーチでは、公共事業の拡大などで当面は急増する要因はないとみているそうなのだ。 一方で労務費や資材費の上昇によって収益の改善が進まない企業は少なくないとされ、倒産企業の大半を占めた小規模企業を中心に今後の動向に注目が必要だとしているという。 東京商工リサーチが集計の対象としているのは負債総額が1000万円以上の倒産で、法的倒産のほかに銀行の取引停止処分などの私的倒産も含めているが、背景には建設投資拡大の恩恵を受けて「建設業」の倒産が大幅に減少したほか、中小企業金融円滑化法の終了後も引き続き返済猶予を受けている企業が多いことが挙げられている。中小・零細企業を中心に後継者難や代表の高齢化が深刻化しており、倒産に至らないまでも事業継続を断念し「休廃業・解散」を選択する件数が倒産件数の約3倍にものぼっているというのだ。
2017年02月01日
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