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書籍の感想です。今回は「ここはボツコニアン4 ほらホラHorrorの村」です。ここはボツコニアン 4 ほらホラHorrorの村 (集英社文庫(日本)) [ 宮部 みゆき ]ボツコニアンの4巻です。ほらホラHorrorな村の前半は3巻に描かれておりましたが、その後半です。設定としては途中で投げ出されたホラーゲームということみたいで、色々な雑な設定、雑な室内の描画などがされているようです(手抜き!?)しかも謎が解けてみると、ボスがいない!ということになり、無理やりボスを呼び出すという非道ぶりw自分で呼び出したボスを倒してミッションクリアって、マッチポンプですよね・・・はてさて後半はロボットがたくさん働いているサンタ・マイラという街での代理戦争です。ロボット物かと思ったら、宇宙人が登場し、その宇宙人にもほっそい宇宙人がいるかと思ったら、ふっとい宇宙人もいて・・・ちなみにロボットに名前がついておりまして、アシモフ、ハインラインなんていういかにもな名前がついておりましてSFのテイストです。ただ、SF映画系の登場人物の名前がバンバン出てくるのですが、私、映画はあんまり見ないのでちょっとわかりませんでした。それにしても、伝道の書を6冊集めることが目的っぽいのですが、4巻でまだ2冊。でも次の5巻で最終巻らしい!?どうなるのかな?
2021.10.31
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書籍の感想です。今回は「Fate/Zero 1 第四次聖杯戦争秘話」です。Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫) [ 虚淵 玄 ]はい、Fateです。Fateと言えば、今だとFate Grand Orderの方がメジャーなのかな?後はアニメでいえば、Fate Staynightもね。Zeroはstaynightの前日譚であり、staynightが本編なわけですが、私は断然Zeroの方が好きです。Zeroのアニメを録画してあって、何回か見返していたのですが、いよいよ小説を読む機会に恵まれました。1巻はアニメの1話~3話くらいのところですかね。切嗣や綺礼に関する記述が多いのは当然として、ウェイバーもなかなかのボリュームで、彼という人物を深く知れて良かったです。アニメでもそうですが、ウェイバーとイスカンダルの相性は当初はあまり良くないように感じていました。ウェイバーはああいう豪放磊落を絵に描いたような人物は苦手でギルガメッシュとはまた別の意味でサーヴァントに振り回されることになります。そして「さっさと英霊の一人や二人、居場所を突き止めてみせんかい」などと命令される始末。これではどっちがマスターか分かったものではないですね。変なプライドが高いウェイバーには受け入れ難い状態でしょうが、アニメよりもイスカンダルへの恐怖が克明に描かれており、従わざるを得ないという感じです。この二人の関係の変化が小説でどう描かれていくか今後に期待ですね。あと、龍之介。彼はこの聖杯戦争の異端なわけですが、彼の生い立ちとか考え方とかなどが詳しく書いてあるのは良いですね。殺人鬼なので、彼が町々ですることを想像したくはないですが・・・それにしても、切嗣は高い理想と、悲しいまでの現実主義という二面性を持っているわけですが、この相反する2つを持ちながら良く壊れないものです。・・・いや、もう壊れていたのかな?世界のすべての人の幸せを願いながら、破滅に向かうかのような切嗣。そしてそんな切嗣に興味を持つ綺礼。二人の関係も今後さらに深く描いていって欲しいです!
2021.10.29
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書籍の感想です。今回は「躯体上の翼」です。躯体上の翼 [単行本版]【電子書籍】[ 結城充考 ]タイトルから何となく想像できるかもしれませんが、SFです。私は主にファンタジー、お仕事物を読むのですが、SFも結構好きです。言葉とかが難しいものが多いのが難点ですが。今回の「躯体上の翼」も時代設定の難易度が少々高め。最初、どういう時代でどういう状態になっている世界観なのかさっぱり分かりませんでした。どうやら高度に科学が発展した未来であること。世界のほとんどが炭素繊維に覆われた世界。過去の文化、娯楽、風習などと言ったものをことごとく排斥し、ただ「存在するために存在している」かのような世界。そんな鬱屈とした世界に遺伝子操作をされた生物、員(エン)はいた。エンは対狗衛士と呼ばれ、狗と呼ばれる変異種の生物に対抗するために存在している。エン自身も炭素繊維で覆われ、ケガをしても驚くほどの速さで回復し、また、生物の血を飲むことで対処の遺伝子情報をコピーし、その存在になることができる。例えば蝙蝠を食いちぎることで、腕の下に幕ができ、空を飛べるようになる、とか。100年前、エンは狗と戦い、倒せはしなかったものの、狗を撃退した。今回100年振りに輸送船の護衛任務がエンに割り当てられる。そんな退屈極まりない中、エンはcyという存在と出会う。彼はエンの知らない知識を有していた。それは過去の文化なども含まれた知識であり、エンは情報がただの数字の羅列でないことに胸を躍らせた。しかし、政府はエンとcyとの通信を微細な異常としてキャッチしていた。そしてcyのいると思われる場所を緑化するために輸送船の行き先は急遽変更となったのです。「緑化」と言われて「?」に思ったのですが、政府は増え過ぎた炭素繊維を緑化するという名目で炭素繊維を破壊し、緑化する「緑化露」というものを撒く緑化船団というものを動かしていました。しかし、実情は政府として存在することがふさわしくないものを消滅させるための行動なのでした。ほとんどのものが炭素繊維でできているこの世界では「緑化露」をまかれたら最後被害を免れることはできません。エンはcyに逃げるよう伝えます。しかし、cyは縛りつけられていて逃げることはできないという。悩んだ末にエンは出した結論は「自分一人で緑化船団を全て堕としてcyを救う」というものでした。かくして、エンの一人だけの反乱が始まるのでした!という感じのお話なのですが、対狗衛士の能力は段違いで一般の衛士ではまったく相手になりません。しかし、政府には道士と呼ばれる戦術担当官がおり、それがダウンロードされてきます。そう、ダウンロードです。道士は普段は魂だけの存在で、どこかにいて(眠っている?)、必要に応じて緑化船団の旗艦内の安置されている体に魂をダウンロードするのです。しかし、100年という歳月は、なぜ体を適切な温度で冷凍しておかなければならないのかなどといった知識も失うには十分な時間でした。道士がダウンロードされると体はほぼ腐っていて、満足に動くこともできない状態でした。強化用外骨格を身につけることでなんとか動くことができるようになり、道士は対狗衛士を仕留めるための策を練っていくのです。この辺の「形骸化した組織」みたいな限界を見せているのもなかなか面白いところですね。もう世界そのものがどうにもゆがみを抑えきれないところまで来ているような印象です。それをエン、cy、道士、さらには道士の体を管理する冷凍士、清掃用のAIロボット、土着の土地の人々などの想いなどを絡めて描いていきます。最初は全然話しが掴めなくてもう読むのやめようかと思ったのですが、全く別の話だと思っていたことがだんだん絡み合い、話が見えてきたところから凄く面白くなり、SFっぽい難しい言葉も「何となくこんな感じだろう」とさらっと流して、読み進むことができました。なかなか面白かったです。
2021.10.28
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書籍の感想です。今回は「ここはボツコニアン3二軍三国志」です。ここはボツコニアン 3 二軍三国志 / 宮部みゆき ミヤベミユキ 【本】迷作(?)のボツコニアンの第3巻です。今回はタイトル通り三国志キャラがわらわら出てきます。それにしても何をもって「二軍」とするのか。まあ、劉備、関羽、張飛のような一軍の英雄とそうでない方々がいるのは重々承知ですが、知名度とか人気とかだと曖昧な基準かなと思っていたのですが、宮部みゆき一軍基準は三國無双のプレイヤーキャラかどうか、みたいです。というわけで魏からは郭嘉、荀彧、楽進が参戦。呉からは程普、魯粛、張昭、蔣幹が参戦。あとは蔡瑁、張允とかね。うむ、三国志であれば、軍師または内政大臣として大活躍するキャラもいますが、三國無双だとね。軍師系は不利だわな。諸葛亮や周瑜はビーム出して活躍してますが(笑)ちなみにこの本が出たのは2013年。その頃出た三國無双7ではとうとう楽進さん一軍に昇格されたそうですね。この小説のおかげだったら面白いですね。その後も赤壁の戦いではなく、紅白戦(赤白戦)だったり、ゴジラもどきが出て来たり。相変わらず無茶苦茶、ゆるゆる、ふわふわで話は展開。次はホラー系ゲームパロディらしい。私はホラー系やらないので、ちょっとわからないですが。この調子で7つ鍵を集められるのかな?この集める作業自体がボツな気がしてきた。
2021.10.24
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書籍の感想です。今回は「紅霞後宮物語第七幕」です。紅霞後宮物語 第七幕(7) (富士見L文庫) [ 雪村花菜 ]寛と康という2つの国に同時に攻められるという苦しい立場になった大宸帝国。その防衛を任された小玉だが、寛と康が一枚岩でないことを見抜き、見事に戦い抜きます。もともと戦上手で知られた小玉でしたが、後世に名を残せるようにという思いで送り出した文林の期待に違わぬ活躍ぶりです。ただ・・・小玉が弓による怪我を負ってしまいます。弓には毒が塗られていることが多いわけですが、明らかな致死性の毒は持ち運びが難しくなるため、矢じりを不潔にするということのようです。これでも傷口からバイキンが入ってしまえば破傷風とかなって命に関わることとなります。まさにそんな症状が現れた小玉の運命は!?というところで今回はおしまいです。まあ、小玉が死んじゃったら、この小説も終わると思うのでまだ死なないと思うのですが、誰が救ってくれるんですかね?やっぱり「私は生きて、責任を果たさねばならない」と強い決意を顕わにしたあの方ですかね。
2021.10.23
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書籍の感想です。今回は「立川忍びより 忍ビジネスはじめました!」です。立川忍びより 忍ビジネスはじめました! [ 仁木 英之 ]現代に受け継がれた忍びの一族の活躍(?)を描いた作品です。主人公の大倉多聞は就職した会社がブラック企業で心が折れ、実家に戻ることに。そんな実家は中華料理屋なのだが、借金で経営がピンチの状態でした。そんな大倉家を救ったのが、藤林家で、借金を帳消しにする代わりの条件が多聞を居候兼小間使い兼娘の杏子の許嫁となるというものだったのです。かなり設定に無理がある気がしますが、まあ、マンガみたいなものだと考えれば良いですかね?多聞は藤林家で家事一切を担当することになったのですが、いかんせんこのままでは収入がない。そんなわけで働こうと思いつつも、ブラック企業での記憶がトラウマとして思い出され、なかなか一歩が踏み出せない。そんな時、元恋人と偶然出会い、口から出まかせで「何でも屋みたいな人を助けるビジネス」を始めたと見栄を張ってしまう。かくして、藤林家の忍びの力を借りて、「人を助けるビジネス」を開始する多聞でした。設定は少々無理がありますが、話はまあまあ面白いです。藤林家の面々も個性的で面白い。藤林家の当主で、頑固な昔気質の源吾、本当はヴァンパイアで情報戦のスペシャリスト、源吾の奥さんである美佐、超デブながら身体能力はピカ一の息子三太、超絶美人で元アイドル、今は多聞の許嫁の杏子、大ガエルの山王丸。報酬は給料1ヶ月分で頼みを叶えるのです。忍びの力を借りながら、解決していく様はなかなか面白いです。実は大倉家ももとは忍びだったらしいのです。ですが、多聞の祖父が子供に忍びの知識を伝えることを止めたことで、多聞の父、そして多聞は普通の人として暮らすことになったのですが、多聞自身には忍びの才能が若干あるようで、藤林家の方々に鍛えられるうちに徐々に才能が開花してきているのが窺えます。忍ビジネスはあまり儲からないようですが、これからも続けていくことを多聞は決意します。今後は多聞自身が忍術(?)を駆使して人助けしていくのでしょうかね?忍ビジネス楽しそう、ちょっと体験してみたいかもw
2021.10.22
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書籍の感想です。今回は「本と鍵の季節」です。本と鍵の季節 [ 米澤 穂信 ]図書委員でたまたま一緒になった松倉詩門と謎を解決していく物語。疑り深くて、ちょっと世間を斜めから見ているような松倉とどちらかというとすぐ人を信じてしまう主人公の堀川。性格は似ていないが謎を探求することは嫌いではなく、二人は正確の違いから別々の思考ルートで正解を導いていく。みたいな話です。それにしても、この小説、ちょっとした違和感が、そのまま解決に結びつくことが色々あってなかなか面白かったです。例えば、ある人からの依頼で、本を探す話があるのですが、名前が分からない本を探すということで本の外観を確認していきます。その中で、「判型はどんなでしたか?四六判とか新書判とか文庫判とか?」と聞かれた際に依頼者が「判型か・・・四六判」と答えるシーンがあります。新書判とか文庫判とか出ているので、本の大きさを聞いているのだと思いますが、一度見ただけの本の大きさを「四六判」と断じることなんできるのかな?と違和感を感じました。でも、たまたま知っていた、なんてこともあったのかな、なんて思っていたら、やはり依頼者の依頼は嘘で、別の理由でそれっぽい本を探しているだけだったのです。他にも、6年前からどこかに停めてあり、行方が分からない車を探す話では、見つかった場所は月極駐車場でした。(毎月の駐車場代はどうなっているんだろう??)と思っていたら、やはりこれにも裏があって・・・みたいなかんじでした。他にも本の分類番号がカギになっているんだけど、それは事件の本質じゃなくて・・・みたいな話とか、謎の多くが本に関係していてなかなか面白かったです。ちなみに、ラストの展開にはびっくり。松倉、確かにちょっと変わった子だとは思っていたけど、そんなことだったとは。堀川の想いが届いてほしいとも思うし、松倉が幸せになったら良いな、と思う。
2021.10.20
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書籍の感想です。今回は「異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女」です。異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女 (COBALT SERIES) [ 谷瑞恵 ]図像学という分野があるそうです。絵に意味を寓意として書き込む手法、さらにはそれを解釈することを目的としています。宗教的な絵画であることがほとんどで今では数が少なく見かけることも少ないようです。主人公の千景はそんな図像学をイギリスで学んでいました。しかし、図像学の師匠とも言える祖父の死を機に日本に戻ってきて、祖父の営んでいた画廊の手伝いをするようになります。そんな中、気の合わない幼馴染の透磨から盗難絵画の鑑定の手伝いを依頼されます。その盗難絵画ですが、ただの絵ではなく、人を死に追いやるほどの強い力を持った図像としての意図が隠されているらしいのです。そこまでいくと、美術品ではなく、呪い、魔術の類いに近しい存在であり、放置しておくわけにもいかないため、透磨が嫌だけど仕方なく手伝う羽目になります。果たして絵に隠された図像とは・・・図像の謎を追うのがストーリーのメインなのですが、千景は小さい頃に誘拐されたことがあり、それが元で誘拐されたこと、そしてそれ以前の記憶を失ってしまっています。誘拐の際に透磨が助けに向かったようなのですがまだまだ深いトラウマとして認識しているようで透磨がどうにも気になるものの、誘拐のことは思い出さずに終わります。このトラウマは両親への激しい憎しみとも繋がっていて、蓋を開けた時、どうなるかちょっと恐いですね。図像を持った絵ですが、寓意を、文字で説明しているため、少し弱い感じもしました。重要なシーンの一つのはずですが、恐ろしさがあまり伝わってこず・・・少し残念。ちなみにひとりものすごく怪しいと思っている人がいるのですが、特に何事もなく終わりました。間が悪いというだけにしてはちょっと怪しすぎるんだよなあ。ちなみに続刊があるのですね。そこで千景の過去とか、あの人の真実とか色々語られるのかなあ。
2021.10.18
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書籍の感想です。今回は「神様の御用人10」です。神様の御用人10 (メディアワークス文庫) [ 浅葉 なつ ]長らく続いてきた御用人シリーズもこれでいったん終了とのこと。毎回、楽しみにしていたので、少々寂しいですね・・・日本の神様に興味を持ったのもこのお話の影響です。御用人とは別に古事記とか借りてきたり、いろいろ勉強できて楽しかったです。まあ、そうは言っても有名どころしか神様の名前は覚えられないのですがね・・・前巻で黒龍に飲み込まれてしまった黄金。黄金はもともとは金龍と呼ばれ、黒龍ともども国乃常立神の眷属なのだそうです。国乃常立神とは神世七代の最初の神様と言われている神です。神世七代は天照大御神より古い神様ですね。大物です。そんな黄金を助けるために奔走する良彦。始めは飲み込んだ黒龍を敵をみなしていた良彦ですが、必ずしも敵ではない、と思い始め、黒龍も含めて助けたいと思うようになります。それにしても白狐は何か隠していると思ったらそんな重要なキーとなることだったとは。あの人があの人と同一人物とはなかなか想像できない展開でした。そして、聡哲が忘れていたこと、それは頑なだった黒龍、荒脛巾神の気持ちを溶かすのに非常に重要な記憶でした。その記憶を思い出すのに大きな役割を果たした穂乃香。みんながみんな、とても小さな存在だけど、自分のやるべきことを果たしたことでとても素敵な終わりを迎えることができたのでした。一番最後に書かれている「後々」にはそんな彼ら、彼女らの後日談らしき物が書かれています。つまり、あの人はこうなって・・・とか幸せな妄想が膨らんできます。とても楽しいお話でした。
2021.10.16
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書籍の感想です。今回は「あずかりやさん 彼女の青い鳥」です。あずかりやさん 彼女の青い鳥 (一般書 236) [ 大山 淳子 ]盲目の青年が営むちょっと変わったお店、「あずかりや」が舞台の小説です。一日100円でどんなものでも預かってくれるお店です。もし不要な場合は取りに行かなくても良くて、その場合はあすかりやさんが売るなり捨てるなりしてくれます。預ける理由は人それぞれ。まさに人生そのもののような真剣なものから勉強の邪魔になるから試験が終わるまでと軽く預けられた本まで。そんな預けものを店主の桐島さんは淡々としかし誠実に、そして大切に保管するのです。この小説の特徴的なところはそんな桐島さんの視点ではなく、お店においてある品物等の視点で進行するところです。例えば、小説の原稿、例えば、柱時計。彼らに感情があるとすれば確かにそんなこと考えていそう、なんていう独白が繰り広げられます。桐島さんと物たちは会話をするわけではありません。物たちは人間の会話を聞き、行動を見て、色々感想を言い募るわけですね〜半年分の料金(18,000円!)を払って手紙を預ける少女の覚悟はエピソードとしては短いものの非常に胸に迫るものがあります。不思議な魅力のある本です
2021.10.15
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書籍の感想です。今回は「ここはボツコニアン2 魔王がいた街」です。ここはボツコニアン 2 魔王がいた街 / 宮部みゆき ミヤベミユキ 【本】続きを読もうかどうか悩んでいるとか書いたのですが、宮部みゆきの作品ですし、巻が進めば楽しくなってくるのかな、なんて。まあ、最後まで読んでみないとわからないですしね〜というわけで2巻です。文体は相変わらず軽い。軽いというか、緩い、ちょっとおフザケ入っています。ただ物語としては進み始めた感じがします。この世界には神様とは別に魔王がいるらしく、しかもその名前に似合わず、かなり重要な役割を担っているらしい。なにしろ、あまりにも目に余るボツがきたときに、飲み込んで無に帰するなんてことをするそうです。魔王、良い奴じゃね?というわけで大きな目標としては「魔王に会う」が設定されたわけです。しかしそこは簡単にはいきません。鍵を6個集めないといけないみたいで、RPGらしくなってきました。ちなみにラストで三国志が出てきます。ワタシ、三国志大好きなのでテンション上がったところだったのですが、ボツ世界なだけに二軍三国志だそうです(笑)早死して出番の少なかった武将やあんまり人気のない武将とかが出てくるようです。トップバッターは魏のあの早世の天才ですがこの先どんなのが出てくるのかな?次巻が楽しみになってきました♪
2021.10.13
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書籍の感想です。今回は「図書館ホスピタル」です。図書館ホスピタル【電子書籍】[ 三萩せんや ]もともと病院のなかにあった図書室。病院が後継者がおらず閉院することになったが、院長の遺言で図書室だけ継続することになりました。そんな私設図書室「しろはね図書館」で働くことになった元木悦子の物語です。彼女は司書ではなく、そもそも本もほとんど読んだこともありません。なので図書館で働くことを夢見ていたわけではなく、彼女が働くことになった理由は非常に後ろ向きです。単純に就職活動でことごとく落ち、拾ってくれたのが、ここだったというわけです。なので、大学の友人に「なんでそんなところで働いているの?」と聞かれて答えられるわけもなく・・・ですが、それを見つけるために、頑張って働いてみることを決意するのです。図書館ホスピタルという名前はしろはね図書館の二つ名で、来館した利用者が元気になって帰っていくことがたびたびあることからこの名前で呼ばれているようです。元気だけが取り柄の悦子にはこの図書館はぴったりでした。悩んだり、苦しんだり、迷ったりしている利用者に寄り添い、本を探す手伝いをしているうちに利用者を助け、そして自分自身が幸せな気分になっていることに気づくのです。そして悦子はなぜここで働くのかという問いに自分なりの答えを持つようになるのです。図書館ホスピタル、とても素敵です。利用者を癒やし、そしてスタッフも幸せにする。とても良いお話しでした。
2021.10.12
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書籍の感想です。今回は「神様に一番近い動物~人生を変える7つの物語~」です。神様に一番近い動物 〜人生を変える7つの物語〜【電子書籍】[ 水野敬也 ]なんか表紙からしてちょっとふざけている印象がありますが、水野さんと言えば、「夢を叶えるゾウ」の作者さんですね。ふざけているようで、実は良いお話に違いありません。・・・・・・7つのお話はそれぞれ独立した短編となっており、笑いあり、考えさせるものありという感じですが、非常に軽く読めます。私が素敵だなと思った作品は・宇宙五輪・役立たずのスター・神様に一番近い動物の3つです。宇宙五輪は名前にそぐわず壮大な話が展開されます。人類を超えた、地球規模での友愛というか。人類の愚かさを浮き彫りにして、それをどう変えていくか、変えていけるか・・・変えないと滅んでしまう、そこまでいかないと人類は友愛に気付けないのかもしれません。役立たずスターはスターになることを目指していた女性の物語。スターを目指して努力していたけど、テレビに出ている人の実力を目の当たりにするにつれ、自分の力のなさを痛感し、もう努力することをあきらめようかと悩む。そんなさなか、彼女の前にスターが現れます。スターはスターなんだけど、別にスターになれる方法を教えてくれるわけでもない。文字通り「役立たずのスター」。でもね、スターは「YOUにはスターの資格があるぞ」と教えてくれる。それは気休めかもしれない、まやかしの希望かもしれない。しかし、自分を信じて、努力し続けれる者だけがスターになれるのだ。神様に一番近い動物は牛の話。ここでは牛が神様に一番近い動物として扱われている。曰く、牛は神様に感謝し、他者の幸せのために喜んで命を差し出す、神様の一番近くにいる動物なのだそうです。しかし、ネズミに唆されたマギーは運命に抗い、脱走しちゃいます。そして広い世界を知ります。とはいえ、広い世界を知ったところで、どうなるというのでしょう?牛が牧場を抜け出して、ずっと暮らしていくのは難しいです。そいて、マギーが脱走したままになれば、代わりの牛が召されてしまうだけなのです。悩んだ末にマギーが行ったこととは・・・どれも良いお話ですよ~
2021.10.11
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書籍の感想です。今回は「影を呑んだ少女」です。影を呑んだ少女 [ フランシス・ハーディング ]幽霊を自分の中の取り込むことができる一族のお話です。その一族は幽霊を自分の中に取り込むことができ、代々先祖の霊を取り込んできました。こうすることで、過去の叡智を代々受け継ぐことができるというわけです。そんな一族は自分の妻以外の子、いわゆる婚外子を作ることが多いのです。というのも、一族全てにこの「霊を取り込む能力」が発現するわけではなく、さらに不慮の事故で亡くなりそうになった時、器がなければ幽霊もいずれ溶けてなくなってしまうのです。そのため、婚外子の中で素質のあるものは館に迎え入れられ、万一に備えさせられていたのです。器として。霊を取り込むときに、もともとの魂は基本的に残れません。一人の体に霊は7人分ほどしか入ることができないのです。ですから、代々のご先祖様を入れていったら、自分の魂をはじき出すしかないのです。婚外子の子たちが「器」と書いたのはこのためです。主人公のメイクピースはこの一族の婚外子であり、この運命を知り、抜け出すために奮闘する、という物語です。彼女も幽霊を取り込むことができるため、最初は一人で戦っていたのですが、一緒に戦ってくれる仲間として、死にそうになっていた医者、生前の罪を悔いていた兵士などを自分の中に取り込み、彼らの助言などを助けにしていくというのはなかなか面白い発想でした。設定も面白く、彼女が精いっぱい努力して大きな敵と戦う姿は良いですね。ちょっと暗い描写もありますが、訳が良いのか読みにくい印象もなく、最後まで読むことができました。
2021.10.10
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書籍の感想です。今回は「ここはボツコニアン」です。ここはボツコニアン [ 宮部みゆき ]宮部みゆきさんの作品です。「RPGファンタジー」ということでゲームも好きだし、ファンタジーも好きだし、RPGも好き。というわけで読み進めてみました。・・・・・・うーむ、ちょっとこれはどうなんだろうなぁ?設定がゆるゆるで、目的も曖昧で・・・いや、つまらない、と断じるほどではないのですが、そこまで先へ先へとワクワクするような感じではないです。ピピ(姉)とピノ(弟)がいる世界はできそこないが集まった「ボツコニアン」という世界なのだそうです。それをより良い世界に創り変えるために長靴の戦士として二人は旅立つ、という感じです。この「より良い世界に創り変える」というあたりが曖昧で二人が旅に出る目的が良く分からないです。なんだかよく分からないままチュートリアルを受け、良く分からないまま王様に謁見を求めて城に行く、という感じです。チュートリアルをクリアしても、お城のイベントをクリアしても、ボツ世界がより良い方向に変わった感じがしないのも目的がつかめないです。ところどころでメタルギアソリッドとか、FFVとか、メトロイドとか、ファイアーエムブレムとかゲームの名前とその小ネタも出てくるんで、ゲーム好きならちょっとは楽しめる内容かも。けど、RPGファンタジーというから、ソードアートオンラインみたいな話を期待していたんだけどなぁ。内容もなんだけど、作者自体が脱力して好き勝手書いてます!という感じも作品に入り込めない理由かもしれません。ちなみにこのボツコニアンってタイトルはボスコニアンと関係あるのかな?ボスコニアン - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ - atwiki(アットウィキ)ボスコニアンっていうのは古いシューティングゲームねw関係ないんだろうなぁwちなみに全5巻です。続き読むかどうか悩みます・・・
2021.10.08
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書籍の感想です。今回は「迷子の竜は夜明けを待ちわびる」です。迷子の龍は夜明けを待ちわびる [ 岸本 惟 ]ファンタジーノベル大賞を受賞した作品です。ですが、「あんまり面白くない」なんていう批判的なレビューも見かけて、読む人を選ぶのかな、とか少し心配だったのですが・・・すんなり最後まで読み進められました。私は嫌いではないです。舞台は現代の日本のような世界。そこに天空族という少数民族がいます。大多数の人々は大和族と言うのですが、天空族のセイジの物語です。セイジのもとにある男が訪れます。彼は「余命わずかな主人のために主人の妻が残した日記を読み聞かせてあげて欲しい」と依頼してきます。妻は天空族で、天空族は独自の言葉、独自の言語を持っているため、天空族のセイジに依頼が来たということのようです。引き籠もり状態だったセイジは、この依頼を受けることにします。セイジはほとんどしゃべることもできないほど衰弱した主人に妻の遺した日記を読み聞かせます。それは主人が楽しかった時期のことで楽しい思いに包まれたまま最後を迎えたいという考えでしたが、主人には他に心残りがあるのでした。それは幼くして山で行方不明になってしまった息子のユッカの行方でした。ユッカは40年ほど前、山に行ったきり、戻ってこず、必死の捜索にも関わらず見つからず、さらに妻も息子の安否が分からないことに錯乱したのかある日窓から飛び降りてしまいます。そんな主人に日記を読み聞かせているセイジですが、彼女も心に大きな傷を抱えています。天空族は肌の色が緑がかっていることもあり、からかいの対象になることが多かったのです。そのため、セイジは話をすることを恐れ、自分を卑下し、自分に自信のない、言い返すこともできない女性になっていました。彼女の中には天空族とはいえ、自分と彼らはどこが違うのか、同じではないか、という思いがあったのだと思います。だから、違いを強調するようなからかいに我慢がならなかった。しかし・・・主人のいる館を訪れると、彼女の目に「龍」が見えたのです。天空族は龍神を信奉する一族ではありましたが、今までそんなものが見えたことは一度もありませんでした。そして、龍から天空族の秘密、というか、出自を聞かされ、天空族が特殊な存在であることを知るのでした。同じであることを願った彼女でしたが、現実はむしろ大和族との違いを鮮明に知ることとなったのです。しかし、そのことは逆に彼女に「自信」と「誇り」を生み出したようです。ユッカの件を解決し、主人の依頼を無事果たした彼女は自信をもって「天空族のセイジ」として生きていくことを誓うのでした。後半、龍から色々説明をしてもらえるのですが、そこはちょっと説明ばっかりな印象はあります。急にすべてわかってしまう感じ。ですが、それでもそんなに割る印象はないです。セイジの挫折と再生の物語なのです。
2021.10.06
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書籍の感想です。今回は「絵に隠された記憶 熊沢アート診療所の謎解きカルテ」です。【中古】 絵に隠された記憶 熊沢アート心療所の謎解きカルテ 宝島社文庫/一色さゆり(著者) 【中古】afbタイトルからよくある謎解きものかなと思っていたのですが、かなり心療というか、カウンセリングとかそういった方向に寄った内容になっています。とはいえ、別にとっつきにくいわけではなく、院長の熊沢さんの落ち着いた雰囲気もあって常に優しい雰囲気で進行します。一応謎解きもあるのですが、それよりもそれぞれの人が抱える悩みに真摯に向き合い、解決に向かっていく姿がとても良かったです。ちなみにアート診療所とあるように絵を描くことで自身の気持ちを整理するという試みがいくつも描かれ、その辺も興味深かったです。なお、主人公である聡子はこの診療所にインターンとしてやってきて、様々な経験を経るうちに自身の過去にも気づきを得る事となります。すっきりする終わり方で良かったです。
2021.10.03
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書籍の感想です。今回は「秘仏探偵の鑑定紀行」です。秘仏探偵の鑑定紀行 宝島社文庫 / 深津十一 【文庫】仏師が主人公のお話です。職人とか大好きです。ついでに言うと、如来とか菩薩とか地蔵とかのうんちくを読むのも好き。主人公の織田真人は仏師を目指す仏師助手です。腕前は半人前ながらある特殊能力があります。それは彫刻に手を触れると、作者の記憶(?)が流れ込んでくるかのように見えてくるというものです。そんな真人が彫刻教室でその能力を生かして子どもたちの相手をしていたらある大学の准教授に仏像に関する調査の手伝いを依頼されます。どうやら、彼の「作者の記憶が見える」という能力が必要としているようです。そんな彼が出会うのは合掌していて持つことができないのに錫杖とセットの地蔵菩薩。もう擦り切れてしまい、形もほとんどわからないくらいになってしまっている虚空蔵菩薩。どちらもなかなか面白い秘密が隠されていて面白かったです。この小説の良いところは彼の「特殊能力だけ」で謎が解決するわけではないところ。准教授はある程度推論を重ねていて、その推論を補うために真人を呼んだ、というのが正しいところのようです。ちなみに「虚空蔵菩薩」のお話の中では、依頼人のために真人が新たに虚空蔵菩薩を彫ることになります。3日3晩寝ずに彫った先にまだまだ粗削りながら望む形ができたとき、大きな満足が生まれるのでした。ちなみになぜ彼が望む形に彫れたかというと、作者の記憶を追体験し、もともとの形を「視た」ことがあったから。特殊能力そのものですべてが解決するわけではなく、特殊能力が少しだけ後押ししてくれるという展開は良いなぁと思いました。最終話ではなぜ彼に声をかけたのかも判明し、すっきりします。そして、この体験をもとに真人は仏師として一人前になるためにさらに励むことでしょう。
2021.10.03
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