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2025年6月 キンカンの花196この前、ニュースで言ってたけど、今年はセミが鳴かないという噂だ。梅雨が短かったのと、連日の猛暑が関係しているという。土が乾いてカチカチになっていると、非力なセミはまず、土を掘って地上に出ることすらできないらしい。セミ稼業も大変だなあ。ホンマかどうかは知らんけど。 笑ウチの庭では、例年なみに、連日、朝早くからクマゼミの大合唱が続いてるので、余計にセミがいないなんてウソこくなって思ってしまう。なんだってそうだけど、いるところにはちゃんといるんだって。それとも、何かい?毎日庭に大量の水を撒いているのが、草木だけでなくセミにとってもありがたいってことかい?そのへんはようわからんけど、一つだけはっきり言えることがある。クマゼミが鳴くのはだいたい午前中で、気温が32〜33度を超えるあたりから鳴かなくなるってこと。どうやら、セミが鳴く適正気温っていうのがあるみたいやね。197世界三大ミネラルイベントと言えば、ツーソン、ミュンヘン、サンマリー。それぞれ開催時期が毎年決まっているが、6月と言えば、サンマリー(フランス)。ほたみね(ほたるみねらる)の店主がそのサンマリーミネラルショーに仕入れに行くという情報はかねてより知っていた。そして、先日、その仕入れた新着標本のライブ配信をやるというので、興味本位に2回(第一弾、第二弾)とも見てしまった。まず、進行役の「こんばんはー。今日もよろしくお願いしまーす」という第一声を聞いて、あれ?と思った。なんだこのアニメ声の女性は?店主のアシスタントか何かだろうか?でも、話を聞くうちに、彼女自身がサンマリーに乗り込んで、自分の趣味でいろんな石を買って来たということがわかり、こちらの大きな勘違いにやっと気がついた。なあるほど。店の雰囲気や商品の包装デザイン等、すべてが女性っぽくて可愛らしいのは、店主本人が女性だからか!しかも、この人、ほぼ間違いなくアニメ、ファンタジーオタクである。ああ、何ではじめからそれに気づかなかったのか。いや、むしろ、何故店主を男性と思い込んでいたのか、それが不思議だ。動画配信の方は、1時間ほどの時間で60個あまりの石を見せるので、あまり込み入った内容の話はしない。そもそも鉱物そのものが、知性よりはもろ感性に訴えてくるものなので、言葉も自然にシンプルで感覚的なものになる。商品のサイズがサムネイルからミニチュアに集中していることもあってか、店主が多用する言葉の一番手が「かわいい」というのはうなずける。しまいには「お値段の方もかわいいですね」と言い出したのには笑ってしまった。また、投稿テロップで流れる視聴者のコメントにも面白いのが沢山あった。フローライトの結晶を琥珀糖やナタデココに例えたり、抹茶色の多結晶トルマリンを「竹林感が出てます」と評したり、みなさん、感覚をステキに全開って感じで楽しんでおられた。やはり、鉱物の画像を見る際の楽しみの一つは、こうした絶妙なコメントに触れることでもある。かつて、長野まゆみはアメシストファントムをウスムラサキノチョウに喩えてこう言った。「まぼろしのチョウの羽を氷のなかに閉じこめた。そんな淡いスミレイロがまたたく標本だ」ああ、一度でいいから、こんなエッジの効いたセリフを吐いてみたい。 笑198これは数週間前にほたみねさんから購入したアクアマリンの標本である。とは言え、サンマリーから届いたばかりの新着標本ではない。いつ頃仕入れた品かはわからないが(発売日は2025年4月20日)、しばらくの間売れ残っていたものであることは確かだ。ミニチュアサイズながら、アクアマリンだけあって、少々値が張るのが売れ残った原因かもしれない。水色のベリル(海柱石/アクアマリン)が母岩の白い長石とマッチして、バランスよくまとまった感じの標本である。初めてこれを見た時から、いいなと思っていたのだが、購入に踏み切ったきっかけは別の標本の存在だった。この写真は「鉱物たちの庭」というサイトから勝手にお借りしたものである。管理人の山川倫央氏が2003年のツーソンショーで手に入れた標本だという。これを見た時は心底、欲しい!と思った。 笑けど、残念ながら非売品。コレクターである山川氏、もしくはその親族が放出しない限り、手に入ることはない。売って下さいとお願いしても、どこの馬の骨ともわからん者に譲ってくれるはずはないよなあ。 笑これのどこがいいの?うーん、全部まるごと。 笑なんか崩壊した建物の瓦礫みたいな感じを醸し出しながらも、色的には爽快感を感じさせるところがいいのかなあ、なんて説明し出すと嘘っぽくなるから、やめとこう。そんなことよりも、この標本の産地に着目してほしい。ナミビアのエロンゴ鉱山である。ナミビアと言えば、ツメブをはじめ、オコルス、ブランドバーグなど有名な鉱山をたくさん抱えている鉱物資源大国であるが、その中にあって、長い歴史を誇るペグマタイト地質のエロンゴ山も、アクアマリンやフローライトの産地として広く知られている。まあ、要するに、ちょっと石をかじったばかりのわしでも知っている鉱山ってこと。さて、ここらで振り出しに戻るとするか。最初にあげたほたみねさんとこのアクアマリンも実はそのエロンゴ産なのである。やっぱり同じ山の出ということで、雰囲気が似てるよね。よく見ると、ショール(鉄電気石/ブラックトルマリン)が共生しているところも同じだったりする。ああ、もうこれは買うしかない!山川氏のアクアマリンが手に入らないのなら、その代理品として、ほたみねさんとこのアクアマリンを買うしかない。といういきさつで、例の標本は今わしの家にいるのである。 笑
2025.07.29
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ここは一体何処なんじゃー?梅や拓殖の木の近くにアフリカ原産のトロピカルな花が咲いとるがな。一般的にはパイナップルリリーの名で知られているが、分類上はキジカクシ科ユーコミス属の植物とされている。植えたのはわしじゃない。わしの親爺である。親爺が何を思ってこれを植えたのかはわからないが、今でもこうやってたまに花を咲かせる。前回見たのは5年前くらいかな。気まぐれ屋さんなので、毎年は咲かない。去年の秋から今年の冬にかけて、スモモや梅の木を強剪定したことによって、パイナップルリリーのテリトリーに降り注ぐ日光の量が変化したことが久しぶりの開花につながったのかもしれない。サボテンなんかを育てている人なら知っていると思うが、光の量と開花との間には明らかに相関関係があるようだ。あるいは、今年我が家の庭の4種類のデイリリーが全部咲いたことも何か関係しているのかもしれない。シンクロ的伝播とでも言うのかな。他のリリーたちに刺激を受けて、パイナップルリリーも奮起したってわけだ。 笑冗談っぽく聞こえるかもしれないが、これも植物の世界ではありふれた事象。しばらく植物を観察していればわかること。この写真を見れば、この植物が何故パイナップルリリーと呼ばれるかがよくわかるのではないか。これがもう少し成長するとパイナップルの実になるんですよ、お客さん。なんて言われると、そのまま信じてしまう人だっているのではないか。 笑花茎の先端に葉のようなものが放射状に広がっているが、これは苞葉というのだそうな。まずはこいつがいかにもパイナップルっぽいよね。それに粒々状の蕾も十分それらしさを醸し出している。やっぱりこの時期が一番パイナップルらしく見えるような気がする。花のどアップ。開花期になると、総状花序の下の方から上の方へと少しずつ蕾が開いていく。花弁は6枚で、触るとセルロイドの造花みたいな感じがする。花びらには紫色と黄緑色の筋がうっすらと走り、幾何学的に申し分ない形状と相まって、なかなか見事なデザインではなかろうか。仮に花弁評論家なる人種がいるとすれば、彼らはこの花をとても高く評価するのではないかと思う。 笑これは先日購入したブルガリア産のアメシストクラスターである。こういうタイプのクラスターはなかなか見かけることがなかったので、見つけて即買ってしまった。まあ、一目惚れかな。 笑見てのとおり、薄紫(ラベンダー色)と薄緑(モスグリーン)の絶妙なコンビネーションがたまりまセブンなんでござる。 笑薄紫の方はいわゆるファントムアメシストと言われているものだが、他のものと比べて、この標本の紫色はひたすらに淡い。濃いのが好きな人もいるが、こういう仄かなやつが好きな人もいるわけである。 笑その仄かな紫がどちらかと言えば乳白色に近い感じの水晶の中に閉じ籠められているのだが、このすりガラスっぽい半透明な質感の水晶というのも、ブルガリア産の特徴の一つかもしれない。まあ、でも、それよりも何よりも、この薄紫のファントムと薄緑の結晶が同じクラスター内で同居しているというのが、ちょっと珍しい。では、この薄緑っぽく見える結晶は何なのか?目を近づけてよく見ると、結晶の付け根や柱面に抹茶のような粉状の鉱物がくっついているのがわかる。これこそが薄緑の正体とも言える緑泥石(クローライト)である。ガーデンクォーツとか苔入り水晶と呼ばれている水晶のインクルージョンもこれである。ただ、苔入り水晶と違って、この標本の水晶は緑泥石を内包しているという感じではない。あと、もう一つ、現物を見て初めて気づいたのだが、この石には「愚者の金」とも呼ばれる黄鉄鉱まで同居しているではないか!業者さんが撮った写真では黒っぽく見えたのでノーマークだったが、よく見ると結晶のつけ根の部分や母岩の表面に金色の鉱物がバッチバチに(?)はりついているのであった。というわけで、25%オフで購入したこのブルガリア産アメシスト、またしても超お買い得だったと言えそうだ。もちろん、サイズも気に入っている。ミニチュアサイズより少し大きめくらいで、クラスターにしてはこじんまりとまとまっている。そして一番気に入っているのは、その触感。こんだけ結晶が集まっていると、手の指をそっと置くだけで、先端部があちこちに刺さりまくって気持ちいいのだ。 笑たぶん浄化のエネルギーが結晶の先っぽから大量に放出されているのだろう。
2025.07.14
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先日、Sさん家にやって来た紫陽花。こんなの初めて見た。オランダ産でピンパーネル・オーベルジーヌという品種らしい。うん?オーベルジーヌという語を見て、久しぶりに西脇先生を思い出した。『雑談の夜明け』という本の中に「オーベルジンの偶像」というエッセイが入ってたよな、たしか。「オーベルジーヌ」というのはフランス語でナスやナスの紺色、つまり暗い紫色を表す形容詞だという。茄子といえば、先生のお気に入りの植物。「茄子」という詩の終いの部分がふと思い出される。アポロンよ / ネムノキよ / 人糞よ / われわれの神話は / 茄子の皮の上を / 横切る神々の / 笑いだ先生に言わせると、茄子を見て、「あゝ、なんちゆう紫の瓢箪だ」と思うのが詩の直接の目的なんだとか。これをもじっていうと、わしは上の紫陽花を見て、「あゝ、なんちゅうナミビア産のフローライトだ」と思ってしまった。緑と紫のバイカラーがオコルス鉱山で採れるフローライトの迷彩色を連想させるのだ。 笑でも、数日後、再び見に行くと、花全体が薄緑一色みたいに変化していて、さすが紫陽花だけのことはあると感心した。なんじゃ、こりゃ?人の背丈ほどもあるアザミの化け物みたいなこの花を見て、わしは思わず呟いた。「アーティチョークです」とMさん。ご自宅前の庭に何株も突っ立っているその姿は、いやが応にも通行人の目を惹く。Mさんの話によると、どうやら観賞用に植えてあるようだが、ヨーロッパでは春から初夏にかけての野菜として親しまれている。もちろん、わが国でも、グルメの間では人気の食材かもしれない。食用として利用されるのは花蕾の部分で、これを茹でて食べると、そのホクホクの食感がゆりねやタラの芽、あるいはそら豆の食感に似ているという。わしはまだ食べたことはないが、蕾を食べる野菜ということで、ブロッコリーやカリフラワーみたいなイメージだろうか。これは前回UPしたバナジン鉛鉱と同様、50%オフに釣られて購入したフローライトである。産地は中国の内モンゴル自治区にある銀都鉱山。このあたり特有の淡いブルーと紫色のバイカラーが、フローライトファンの間ではお馴染みの石かもしれない。クォーツであれば、結晶内部に見える色の滲みや帯のことをファントムといい、例えば、グリーンファントムなどは「緑幻影水晶」などと訳してあったりして、かっちょえーなんて思ったりするのだが、フローライトに置き換えると、これはいわゆるゾーニングに相当するみたいだ。亀田氏によると、ゾーニングもファントムも「同じ意味だが定義は曖昧で結晶内部のカラーバンドを指すが、必ずしも帯状ではなくモヤのような広がりを持つことなど様々。」ということらしい。というわけで、上のフローライトの内部に見える紫色もゾーニングの一種と言えそうだ。もちろん、フローライトファンの間では、こうしたゾーニングが大変好まれるのは言うまでもない。この標本の一番の売りは、涼しげに見えることではないかと思う。業者さんが撮った絶品ものの写真を見て、わしが速攻でバラシースと感じたのも、その薄い水色の透明感だった。これぞ夏向きの鉱物と言えるのではないか。でも、名前からはあまり涼しさを感じられない。ちょっと石のことを知っている人なら、これが重晶石(バライト)だと聞いて意外に思うかもしれない。「砂漠のバラ(バライトローズ)」でお馴染みのあのバライトである。いや、むしろ一般的には、バリウムの主要な鉱石と言った方が通りがいいかな。いずれにせよ、色としては、ふつう無色、白、灰色、帯黄色、褐色あたりが思い浮かぶ鉱物ではないかと思う。そのバライトにブルーバライトなるヴァリエーションがあるなんて!それだけでもゲットする価値があるのではないか。28×20×20mmのちっちゃい石だけど、そこそこの値がついているのには理由がある。薄板状の結晶はバライトによくありがちなものではあるが、ブルーバライトの場合、それが天女の羽衣のように感じられ、重ね重ねバラシース! マンガンを含む鉱物が赤色やピンク色になるのはよく聞く話だが、だからと言って逆も真かと言えば、どうもそうではないようだ。実際のところ、上にあげたコバルトカルサイトが含有しているのはマンガンではなくコバルトである。え、コバルト?コバルトってふつうコバルトブルーを連想するけどなあ。だけんど、しかし、炭酸カルシウムを主成分とするカルサイト(方解石)の場合は、微量のコバルトを含有することでピンク色を発色するのだという。これはどういうカラクリなのか。よくは知らないけど、どうもカルサイトはコバルトイオンを微量含有することで、特定の波長の光を吸収、反射するのだという。つまり、ピンク色に見えるのは、私たちの目にピンク色として認識される光が強く放出された結果らしい。ついでにもう一つ、知ったかぶりの情報を垂れ流す。コバルトカルサイトは愛と美の女神「アフロディーテ」に例えられることがあり、スピリチュアル的には恋愛成就のためのお守りなんだとか。まあ、でも、そんなこと、日々衰滅の一途を辿るばかりのジジイには何の興味もない話ではある。わしがこの石に惹かれたのは、まず、岩山のミニチュア版のような形。それから、白い母岩とピンク色のコントラストの美しさである。白い母岩といっても、たぶんこれはコバルトを含有しないカルサイトの塊ではないかと思う。それに石英なんかも混じっているかもしれない。
2025.07.01
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