《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2010年11月13日
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テーマ: 足下を掘れ(72)
カテゴリ: 僕の心の置き所

建築関係の仕事をしていた頃、職長研修などで何度か"安全"の勉強をした。

重大災害を防ぐためのマニュアルである。

建築現場での重大災害は、即、人の"死"に繋がる。

大きな現場はよく人が死んだ。

「六本木ヒルズ」などの巨大現場では毎月のように朝礼で黙祷をしていた。

僕の仕事は仕上げ工事の部類だったので、躯体工事にくらべ危険度は低いほうだったが、それでも現場内は危険と隣りあわせだった。

30階から落としたドライバーが、たまたま下を歩いていた職人の頭上に当たり、貫通して亡くなった事故もあった。

熱中症でもよく死んだ。

クレーンが倒れて下敷きになった事故もあった。

すべて防げない事故ではない。

現場で重大事故が起きると、監督署の検査が入り一ヶ月間工事が止まる。

どんな現場も工程に追われている。

工期の遅れを取り戻すために無理をして事故を起こす。

おかげでますます遅れる。

しわ寄せが来るのは仕上げ業者で、先の工事が終わってないところに無理やり入って始めるので、あやの着いた現場はいつもぐちゃぐちゃだった。

そんな中、研修で必ず出るのが『ヒヤリ・ハットの法則』だった。

重大事故の前には必ず小さな事故があり、小さな事故に至る前には、ヒヤリとしたりハッとしたりする未然の事故がある。

その未然の事故を減らすことが、ひいては重大事故を防ぐことになる、と言う内容なのだが、詳しく述べようと思い、ググッてみると驚いたことに、正式名称は『ハインリッヒの法則』というものだった。

誰もそんな言い方してなかったぞ。

『ハインリッヒの法則』

法則名はこの法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)(1886年 - 1962年)に由来している。彼がアメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をしていた1929年11月19日に出版された論文が法則の初出である。

彼は、同一人物が起こした同一種類の労働災害5000件余を統計学的に調べ、計算し、以下のような法則を導いた。「災害」について現れた数値は「1:29:300」であった。その内訳として、「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「 ヒヤリ・ハット 」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きていたことになる。

更に、幾千件もの「不安全行動」と「不安全状態」が存在しており、そのうち予防可能であるものは「労働災害全体の98%を占める」こと、「不安全行動は不安全状態の約9倍の頻度で出現している」ことを約75,000例の分析で明らかにしている(詳細は ドミノ理論 参照)。なお、ハインリッヒは「災害」を事故と事故を起こさせ得る可能性のある予想外で抑制されない事象と定義している。

上記の法則から、

  • 災害を防げば傷害はなくせる。
  • 不安全行動と不安全状態をなくせば、災害も傷害もなくせる(職場の環境面の安全点検整備、特に、労働者の適正な採用、研修、監督、それらの経営者の責任をも言及している)。

という教訓を導き出した。

                          By ウィキペディア

現場で働いていた頃は、安全にうるさい現場は仕事がしづらくて嫌いだったが、今思えばその方向が正しい。

どんなめんどくさい現場でも、いつかは終わるが、命は失われれば取り返せない。

現場によっては口では安全をいいながら、あの手この手で尻をたたき、短期間で収めることを自慢するところもある。

そういう現場は危なくてしょうがない。

現場を仕切るトップの考え方が優先順位を決定する。

トップ(所長)の考えが部下の監督に踏襲され、職長に伝えられる。

職長はその方針に従って作業をせざるを得ない、工程なのか安全なのか。

組織はトップなんだよなぁ。

さて、そんな『ヒヤリハットの法則』なのだが、生活に役立たせることもできる。

一番効果的なのは、車の運転だ。

運転したての頃はそれこそ、ヒヤッとしたり、ドキッとしたり、ありゃりゃと思ったり、あっちゃーとなったりする。

その経験から学び、だんだん上達する。

経験がなければ学べないし、学びの姿勢がなければ身につかない。

以前こんなことがあった。

夕暮れ時、交通量の割と多い道路で右折をしようと待っていると、対向車が左折のウィンカーを出して止まった。

てっきり譲ってくれたのかと思い、パッシングをして急いで右折をすると、車の陰から自転車が走ってきた。

間一髪自転車が避けたが、タイミングはばっちりだった。

ヒヤリどころかぞっとした。

いわゆるサンキュー事故という奴で、ありがちなパターンだ。

対向車が本当に譲ってくれたのか、自転車の行過ぎるのを待って止まったのかは解らない。

とにかく車の陰の自転車には気をつけろだ。

「見えないものは信じない。」

「譲ってもらっても急がない。」

たっぷりと教訓を脳に浸み込ませた。

先日、左折で合流しようとしていたところ、トラックが待ってくれた。

右手を挙げお礼の挨拶をしながら、アクセルを踏んだところ、左から猛スピードで自転車が突っ込んできた。

タイミングはばっちりだったが、余裕で止まれた。

ヒヤリ体験が生かされて、無意識ながら脳は安全確認の指示を出していた。

その時以前の危なかったシーンが一瞬フラッシュバックのように蘇った。

学習してたぞ俺。

人は間違いや失敗を繰り返して成長する。

大切なのは小さな失敗の経験から教訓を得て、大きな失敗を防ぐことだ。

ついてなかったとか、たまたま偶然だとかで片付けず、しっかりと経験をインプットし、対策を講じ、学習してはじめて失敗が生かされる。

己の感情は伏せ、現実に起きた事実だけに目を凝らさなければならない。

小さな失敗から目を背けてはいけないのだ。






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最終更新日  2010年11月13日 20時29分21秒コメント(0) | コメントを書く
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