《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2010年11月15日
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カテゴリ: 幸せ読書日記

今年の元旦のブログの中で『最後の授業』について触れた。

しかし、それはYouTubeの映像を見てのコメントだった。

素晴らしいものなので是非みてほしい。

実際にカーネギーメロン大学で行われて講義のビデオだ。

http://www.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA&feature=related

これはその書籍版。

最後の講義を終えた後書かれたものらしい。

「はじめに」に、この本を書く意味が書かれている。

僕はエンジニアリング上の問題をかかえている。

基本的にはすこぶる健康だが、肝臓に腫瘍が10個あり、あと数ヶ月しか生きられない。

僕は三人の幼い子供の父親で、妻は理想の女性だ。自分をかわいそうだと思うのは簡単だが、それでは妻と子供にとっても、僕にとっても、何もいいことはない。

このごく限られた時間を、どのように過ごせばいいのだろう。

わかりやすい答えは、家族を大切にして一緒に過ごすことだ。許されるあいだは一緒にいられるすべての瞬間をいつくしみ、彼らが僕のいなくなった人生を穏やかに過ごすために必要な準備をすることだ。

わかりにくい答えは、これから二〇年かけて教えていくべきことを、いま、どのように伝えるかということだ。そうした話をするには、子供たちはまだ幼すぎる。

親ならだれでも、自分の子供に善悪の分別を教え、自分が大切だと思うことを伝え、人生で訪れる問題にどのように立ち向かうかを教えてやりたい。自分が人生で学んだことを話して、こどもが人生を歩むみちしるべのひとつにしてほしい。僕も親としてそう思うから、カーネギーメロン大学の『最後の授業』を引き受けた。

最後の授業は録画されることになっている。僕はその日、学術的な講義をするふりをしながら、自分と言う人間を空き瓶に詰めこみ、海辺に流れ着いたその瓶を子供たちが拾う日のことを考えていた。僕が画家だったら、子供たちのために絵を描くだろう。ミュージシャンだったら曲をつくる。でも僕は教師だ。だから講義をした。

はじめからわかっている。この「講義」のどれも、生きている親のかわりになどならない。でも、大切なのは完璧な答えではない。-限られた中で最善の努力をすることだ。最後の講義でもこの本でも、僕はそのとおり努力した。

親ならだれでも教えてやりたいと言うが、誰でもできるわけではない。

具体的に、これは親に教わったんだと言えることを持っている子供はどれだけいるだろう。

せいぜい親の背中を見て学ぶぐらいだ。

そもそも自信を持って、人生で学んだことを子供に教えられる親など、いったいどこにいるのだ。

いつも右往左往しながら、その場しのぎで問題をやり過ごしているのが大多数だ。

子供の目には反面教師としてしか映らないだろう。

ランディは理想を求めている。

自分の人生の残された時間を知って、自分の中の一番大事なものを掘り起こしたときに見つけた真実だったのだろう。

しかし、『最後の講義』を行うについて、妻のジェイは賛成ではなかった。

「自分勝手だってことはわかっているの」とジェイは言った。「でも、私はあなたのすべてがほしい。あなたが今回の講義のために費やす時間は、すべて失われた時間になるのよ。子供たちと私から時間を奪うのだから」

今回の講義がなぜ大切なのか、僕は考え直す必要があった。僕は生きていると自分も確認したいし、みんなにもわかってほしいからか? まだ講義をする元気があると証明するため? 自分の最後をみてほしいという目立ちたがりの精神?

答えはすべてイエスだった。

「傷を負ったライオンは、まだ吠えられるかどうか確かめたい」と、僕はジェイに言った。「威厳と自尊心の問題だ。虚栄心とは少しだけ違うんだ」

ランディの病気は"膵臓癌"だった。

僕の義母も今年初め膵臓癌が発見された。

http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/201003260000/

僕もランディと同じく膵臓癌についてグーグルで検索し、数十秒後に絶望感を味わった。

癌に付き物の「告知」の問題は、若い担当医が「膵臓癌の疑いがある」とあっさり告げてしまったのでこちらが悩むことはなかった。

義母は膵臓癌についての知識はなかったようだ。

案外けろっとしていて、新築できれいになった病室をホテル並みだと喜んでいた。

ランディはそうは行かない。

膵臓癌は癌の中でもっとも死亡率が高く、患者の半分が半年以内に、96%が5年以内に命を落としていることを知っている。

診察室にはパソコンがあり、電源が入れたままだった。看護婦が消し忘れていったのだ。画面には僕のカルテが表示されていた。僕はコンピュータに詳しいが、このときはハッキングするまでもなかった。僕のすべての記録が目の前にあった。(中略)

「おしまいだ。万事休す」

「どういう意味?」と、ジェイが訊いた。

僕はCA19-9の数値を伝えた。癌治療についてはジェイも独学で学んでいたから、二百 八という数値が癌の転移を意味していることはわかった。死の宣告だ。

ドアをノックする音がして、ウォルフ医師がファイルを手に入ってきた。彼はジェイを見て、僕を見て、パソコンのCTスキャンの映像を見て、何が起きたのかを悟った。僕は先手をうった。「知っています」

その時点で、ジェイはほとんどショック状態で泣き叫んでいた。僕ももちろん悲しかったが、ウォルフ医師が癌患者の家族を相手に過酷な仕事に取り組もうとする姿に感銘を受けてもいた。彼はジェイの隣に座り、彼女を慰めた。そして穏やかに、僕の命を救う努力は、これ以上しないつもりだと説明した。

「私たちが挑戦するのは、ランディに残された時間を引き延ばして、最高の人生を送れるようにすることです。この状況になったら、通常の寿命まで生きるために医学ができることは、もう何もありません」

ある意味で、奇妙な安心も感じていた。何ヶ月もはりつめた日々を過ごし、再発するのか、それはいつなのか、ジェイと僕はずっと知らせを待っていた。いま、こうして腫瘍軍団が勢ぞろいした。待つのは終わりだ。これからは、次に何が起こっても立ち向かうために前を向こう。

「明日のスキャンの結果が悪かったとしても、生きていることはすばらしくて、今日ここにきみと一緒に生きていることはすばらしいという気持ちを、君に知っていてもらいたい。

どんな結果を知らされても、その瞬間に僕が死ぬわけじゃない。翌日も死なないし、その次の日も、まだ死なないだろう」

だから今日は、いまこのときは、とてもすばらしいね。僕がどんなに楽しんでいるか、わかってほしいんだ」

僕はあのときのジェイの笑顔を思い出した。

そしてわかったのだ。僕の残りの人生は、そういう風に生きていくべきだと。

『最後の授業』のタイトルは『子供のころからの夢を本当に実現するために』に決まった。

夢をかなえる道のりに

障害がたちはだかったとき、

僕はいつも自分にこう言い聞かせてきた。

  レンガの壁がそこにあるのには、理由がある。

  僕たちの行く手を阻むためにあるのではない。

  その壁の向こうにある「何か」を

  自分がどれほど真剣に望んでいるか、

  証明するチャンスを与えているのだ。

良い家庭に生まれ、良い指導者に恵まれ、良い仲間に巡り合ったランディは幸運だったろう。

幸運に手伝われて、子供の頃思い描いた夢を次々に実現させた。

しかし、大切なのは夢を実現させたという実績ではない。

夢を求めていく過程で学んだ多くの教訓が人生で得たものなのだ。

結果ではない、過程にこそ重要な意味がある。

自分に夢を見る自由を与える

格好よくあるよりまじめであれ

ときには降参する

不満を口にしない

他人の考えをきにしすぎない

チームワークの大切さを知る

人のいちばんいいところを見つける

何を言ったかでなく、何をやったかに注目する

決まり文句に学ぶ

「最初のペンギン」になる

相手の視点に立って発想する

「ありがとう」を伝える

 人にしてもらったことを人にしてあげる

謝るときは心から

とにかく頼んでみる

すべての瞬間を楽しむ ・・・

人生をどう生きるか、ランディの人生の中で学んだものを、限られた時間の中で必死に思い起こしている。

これを伝えたい人がいるから。

僕が思う親の仕事とは、子供が人生を楽しめるように励まし、子供が自分の夢を追いかけるように駆り立てることだ。親にできる最善のことは、子供が自分なりに夢を実現する方法を見つけるために、助けてやることだ。

だから、僕が子供たちに託す夢は簡潔だ。自分の夢を実現する道を見つけてほしい。僕はいなくなるから、きちんと伝えておきたい。僕がきみたちにどんなふうになったほしかったと、考える必要はないんだよ。きみたちがなりたい人間に、僕はなってほしいのだから。

僕もまったく同じ意見だ。

そのように子供たちには接してきたつもりだ。

配偶者の意見は無視することになっても。

僕がもし何かの事情でこの世からいなくなったら、これを遺言としてきみたちに残したいと思う。

ランディは講義の最後をこう締めくくった。

「夢をどのように実現させるかという話をしたのではありません。人生をどのように生きるかという話をしたのです。人生を正しく生きれば、運命は自分で動きだします。夢のほうから、きみたちのところにやってくるのです」

この部屋にいるみなさんだけのために話したのではありません。

「僕の子供たちのためなんです」






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最終更新日  2010年11月15日 08時23分03秒 コメントを書く
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