蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/09/27
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
「ソンジェ、ここで働くのか?どうなんだ?」
恭一がぼんやりと考え込んでいるソンジェの顔を覗き込む。
「え?ええ・・・」
「考えている余裕なんてあんのかよ。お前が佳織と宗太を養ってやるんだろ?」
恭一は、急に冷ややかな表情になった。
「はい・・・。恭一さん、ここで働かせてください」
自分が一番苦手とする職業だと、ソンジェは思った。
しかし佳織と宗太を守らなくてはならない。そうソンウに約束したのだ。やるしかなかった。
「よ~し、わかった。明日から来てくれ。お前、スーツは持っているか?」

「仕方がないな。当分店にあるのを貸してやる。でも買っておけよ」
「はい、わかりました」
「じゃ、せっかく来たんだから、仕事の説明をしておこうか。おいサム!」
恭一が呼ぶと、さっきドアのところで会った若い男がやってきた。
「店長、何ですか?」
「あぁ、サム、こいつは新入りのソンジェだ。明日から働いてもらう。ちょっと仕事のことを教えてやってくれないか」
サムは、ソンジェを上から下まで値踏みをするように見た。
「わかりました。おい、じゃこっちへこいよ」

サムに連れられて、奥の部屋から出て店に入った。
まだ早い時間だからか、客は来ていない。ソンジェはこの場所で毎夜繰り広げられている光景を想像してみた。
客に微笑みかけ、心地よくなるような言葉を並べ、酒を注ぐ。しなだれかかる客の肩を抱く。そして・・・。

『できない。僕には到底できる仕事じゃない』
やはり断ろう。恭一のいた部屋の方を向く。
サムが話しかけてきた。
「おい、お前はなんで金が欲しいんだ?」
「え?」

サムはからかうようにソンジェの肩を押す。
『そうだ、僕は金が欲しいんだ。佳織と宗太のために』
「お前、韓国人か?国の家族に送金するためか?」
サムが執拗に聞いてくる。
「えぇ、僕は韓国人ですが、送金するために金が必要なんじゃありません。同居している家族のためです」
「ほう、お前結婚してんのか」
「いえ・・・」
はっきり否定しようかとも思ったが、くわしく説明する気にもなれなかった。ソンジェは適当に言葉を濁した。
それからサムに仕事の説明を受けたが、ソンジェはうわの空だった。不安ばかりがつのって来る。
『僕にホストなんて出来るのだろうか』
再び葉子の顔が浮かんできた。彼女はまだ陶芸を続けているだろうか。ソンジェを覚えていてくれた頃の葉子が、今のソンジェの姿を見たら、なんというだろう。
『葉子さんはきっと悲しい目で僕を見るに違いない』
ソンジェは胸がちくりと痛んだ。

夜も更けて、ソンジェは部屋に戻った。
宗太はとっくに寝ていたが、佳織は起きていた。
「佳織さん、待っていなくてもいいのに、先に寝ていてください」
「ソンジェさん、あの人のお店、どうだった?何のお店なの?彼、お店を持ったことを私に自慢していたんだけど、仕事の内容は決して言わなかったのよ。いかがわしいところなんじゃないの?」
問い詰める佳織に、どういう返事をしていいものか、しばしソンジェは迷った。しかし嘘を言うわけにもいかない。
「あの・・・恭一さんのお店は・・・ホ、ホストクラブです・・・」
佳織の顔色が変わる。
「え?まさか、ソンジェさん、そんなところで働かないわよね?ことわってきたんでしょ?」
「いいえ、明日から働きます」
「どうして?ソンジェさんが働くようなところじゃないでしょ」
ソンジェはため息をついた。佳織には納得してもらわないといけない。
「そんなに感じの悪いところではありませんでしたよ。それに働かなくてはいけませんから」
「他にもっとソンジェさんにあった職場があるでしょう?何もホストクラブで働かなくても」
佳織の瞳を見つめ、ソンジェは諭すように言った。
「僕は韓国人なんです。韓国人が日本で職場を見つけるのは、大変なことなんです」
佳織ははっとしたような顔をした。
「・・・ごめんなさい。私、忘れていたわ。ソンウが仕事を見つけようと必死だったときのこと。結局建設現場での肉体労働しかなくて、ソンウは、ソンウは・・・」
涙声になった佳織の肩に、ソンジェは手を置いた。
「大丈夫です。ホストの仕事はそんなに体を酷使しないようですから」
佳織はそれ以上、何も言わなかった。
宗太の隣に佳織は横になった。
ソンジェは隣の部屋に布団を敷き、ふすまを閉める。佳織は何か言いたそうだったが、しばらくして目を伏せてしまった。
ソンジェも布団の上に横になる。天井のシミを見ながら、明日から始まるホストの仕事のことを考え、憂鬱な気分になった。









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最終更新日  2005/09/28 12:12:33 AM
コメント(16) | コメントを書く


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現実  
sachiko さん
 金田の世話になりたくないと思っても、仕事が見つからない、自分が韓国人であること、宋太と佳織のこともある。葉子への想いに後ろめたさを感じながらも仕方なかったんですよね。ソンジェが自分に嘘をつき始めていく・・・これからいくつの嘘を重ねていくんだろう・・・佳織なりにソンジェのことを思い反対もするが、なぜか、強い口調で話しているように感じてしまいます。きっとオンエア時の「気が強い女」のイメージが定着しているせいですね。 (2005/09/28 01:21:04 AM)

Re:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
kaochan(*^-^*)  さん
ソンジェは優しすぎです~(T▽T)
佳織、そのうち勘違いしちゃうから・・(苦笑) (2005/09/28 08:31:59 AM)

ホストの仕事・・・仕方なく・・・  
トッちゃん さん
佳織さんと宗太のために嫌なホストの仕事をする、日本では韓国人には他に仕事は無いのですね。3人で生活するにはお金もかかるし・・・。ソンジェさんが佳織さんと同じ部屋でなく隣の部屋で寝て、良かった。ずーっと隣の部屋で寝てよね。 (2005/09/28 09:06:11 AM)

Re:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
由香里 さん
ソンジェが隣の部屋でお布団敷いてくれてよかった。
佳織はかわいそうですが、やっぱりソンジェは葉子でなくっちゃ納得できません。私の中では・・・でもソンジェはすごいやっちゃです。
普通は女性が同じ部屋にいてたら、一度ぐらい過ちを犯してしまうかもしれないのに、真面目で愛に対して純粋なんですね。
そこが、たまらなく好きです。
ほんと、今時絶対にいません。こんな男性・・。
もしいてたら、拾いに行きたいです。
ホストのソンジェ・・・これからどんどん試練の世界ですね。これじゃあ病気にもなります。
異国で働くって想像以上に大変なんでしょうね。 (2005/09/28 12:01:32 PM)

Re:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
コスモス さん
そうですよね、ソンジェの性格に一番合わない仕事だと思います!でも金田を頼るしかなかったですよね。本当は安岡先生がいいけど葉子に近づいちゃうし・・。

でもジヌ君綺麗だからホストの格好もステキでした☆☆☆ (2005/09/28 03:45:15 PM)

Re:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
しいな2005  さん
ホストの仕事・・ソンジェが女性客の肩を抱くなんて考えたくもなかった・・。
 ソンジェが布団の中で葉子を思いながら枕を涙で濡らす姿が眼に浮かんじゃいました。←これって、普通女性よね。ごめん。 (2005/09/28 06:42:29 PM)

生活のためにホストの道へ  
こゆき さん
いくら生活のためとはいえ、ホストしかなかったの?前のクレープ屋さんのような仕事では生活
ゆきづまってしまうかな・・?
しかし、よかった・・。寝るのは別々の部屋で。
やっぱり私だけと(いや、いや葉子でした 苦笑)
愛を交わして欲しいから・・。 (2005/09/28 10:38:29 PM)

Re:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
ナツアカネ  さん
ホストという職業はソンジェには合わないけれど、黒いのスーツ姿は決まっていましたね。
なんて佇まいの美しい男・・・。

そんなソンジェと一つ屋根の下で暮らす佳織も残酷ですよね。
(2005/09/28 11:42:08 PM)

Re:現実(09/27)  
蘇芳色  さん
sachikoさん

>ソンジェが自分に嘘をつき始めていく・・・

自分に嘘をつくのが、一番辛いことなのに・・・。ソンジェが追い詰められていきますね。(涙)

>きっとオンエア時の「気が強い女」のイメージが定着しているせいですね。

そうかも。ほんとうは辛いことが一杯あった女性なんですが・・・。
(2005/09/29 12:31:00 AM)

Re[1]:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
蘇芳色  さん
kaochan(*^-^*)さん

>ソンジェは優しすぎです~(T▽T)
>佳織、そのうち勘違いしちゃうから・・(苦笑)

優しさってものを、ソンジェはお勉強しなおさなきゃ・・・。
でも佳織も勘違いしちゃいますよね・・・。
(2005/09/29 12:32:01 AM)

Re:ホストの仕事・・・仕方なく・・・(09/27)  
蘇芳色  さん
トッちゃんさん

>ソンジェさんが佳織さんと同じ部屋でなく隣の部屋で寝て、良かった。ずーっと隣の部屋で寝てよね。

ふふふ、やっぱりそうですよね。
一つ屋根の下で暮らすのだって嫌だけど、一緒の部屋でなんて、許せない~~~!(笑)
(2005/09/29 12:33:19 AM)

Re[1]:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
蘇芳色  さん
由香里さん

>ソンジェが隣の部屋でお布団敷いてくれてよかった。

皆さん、ここに反応されてますよね。(笑)
私も一つの部屋で寝て欲しくないので、あえて書きました。(笑)←嫉妬

>普通は女性が同じ部屋にいてたら、一度ぐらい過ちを犯してしまうかもしれないのに

ソンジェに限って、そんなことはありえませ~ん。すっかり自分に都合のよいソンジェ像を作っています~。(汗)

>そこが、たまらなく好きです。

私も!そんなソンジェが大好き!

>もしいてたら、拾いに行きたいです。

私も、かっさらいに行きます。(笑)
ミルクあげちゃう、仔犬のソンジェに。 (2005/09/29 12:36:52 AM)

Re[1]:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
蘇芳色  さん
コスモスさん

>本当は安岡先生がいいけど葉子に近づいちゃうし・・。

陶芸の仕事より、やっぱりホストのほうが、たくさん稼げそう・・・。ソンジェの肩には、佳織と宗太が・・・。

>でもジヌ君綺麗だからホストの格好もステキでした☆☆☆

もう何着ても、さまになりますよね~。
ホテルマンの姿にも、胸キュンでした。
ジヌくん、コスプレもいいかも。
ファンミでリクエスト?(笑)
(2005/09/29 12:39:26 AM)

Re[1]:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
蘇芳色  さん
しいな2005さん

>ホストの仕事・・ソンジェが女性客の肩を抱くなんて考えたくもなかった・・。

そんなことしないから、恭一に怒られるの。(笑)

> ソンジェが布団の中で葉子を思いながら枕を涙で濡らす姿が眼に浮かんじゃいました。

いいかも。仔犬のソンジェがキュ~~ンって・・・。(違)
(2005/09/29 12:40:31 AM)

Re:生活のためにホストの道へ(09/27)  
蘇芳色  さん
こゆきさん

>前のクレープ屋さんのような仕事では生活ゆきづまってしまうかな・・?

たぶん・・・。佳織と宗太が養えないかも・・・。あぁ~ソンジェ、かわいそっ!

>しかし、よかった・・。寝るのは別々の部屋で。

もちろん!ソンジェの心の中には葉子しかいないんだもん~。

>やっぱり私だけと(いや、いや葉子でした 苦笑)
>愛を交わして欲しいから・・。

きゃ~っ、こゆきさん。「愛を交わす」って、思わずクリ&ドラ劇場を思い出してしまいましたよ~。
(2005/09/29 12:42:59 AM)

Re[1]:もう一つの「ヤクソク」その45・・・ホストの仕事(09/27)  
蘇芳色  さん
ナツアカネさん

>黒いのスーツ姿は決まっていましたね。
>なんて佇まいの美しい男・・・。

も~、どんな格好しても美しい!
いろんなコスプレさせてみたい・・・。(壊)

>そんなソンジェと一つ屋根の下で暮らす佳織も残酷ですよね。

何にもされないって、女としてみてくれていないことだから、やっぱり辛いでしょうね、
(2005/09/29 12:44:29 AM)

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