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大野隆之

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カテゴリ: 文化研究
 鈴木耕太プロデュースといってよい国立劇場おきなわの企画「村々に伝わる組踊」を見てきた。鈴木氏は沖国の日文(たぶん国文学科時代)の卒業生なのだが、その後琉大と県芸大の大学院に行って、組踊の台本研究をしている。今回シンポジウムの基調報告はわかるのだが、後半組踊の「義臣物語」の演出まで務めた。研究者が演出って結構珍しいんじゃないだろうか。大したものである。いつもは「耕太」と呼んでいたのだが、今日のシンポジウムをみて、「鈴木氏」になった^^。

 まず鈴木氏の基調講演。いつも学生に講義の後に作れと言っている講義サマリー風にまとめてみた。

1.かつて王朝時代の組踊は王府に独占され、民衆からは縁遠いものと考えられていたが、現在ではかなり広い範囲(八重山等もふくむ)の村々にまで伝わっていたことが分かっている。

2.伝承者・指導者は、当時の「科」(コウ、士族が出世したりするときに受けなければいけない試験)の講師が地方の指導に行ったときに伝えたものや、地方士族が首里に奉公に行った際持ち帰られたと考えられる。

3.沖縄戦により中南部に伝わっていた組踊台本はほぼ壊滅してしまったが、北部や離島にはまだ貴重な資料が残っている。

4.明治以降、商業化する中で、組踊の演出は多様化した。これに対し、村々に伝わる組踊は、伝統を墨守する傾向があり、むしろ古形を残しているとみられる部分がある。(重要)

5.現在地方の演目に伝承されている、花火などの派手な演出や、鳴り物の激しい演出などは、王朝時代の演出を暗示している可能性がある。

6.現在村落によっては、組踊の継承が困難になって、ただの舞踊にかえたところもあるが、恩納村では伝統を継承している。

7.恩納村の組踊の撮影映像。衣装は軍事的な胸当てを再現しており、ちょっとロボットみたいな感じ。道行部分は背景が横スクロールしていく。すげえ。結構シュール。



 基調講演の後のデスカッションも興味深いものであった。

 琉球芸能研究家、宜保榮次郎氏は現在「伝統」と考えられているものが、実は案外新しいものであることを指摘する。例えば「下手、上手」というのは大和的な呼び方であり、本来は南面(おもて)、北面であった。「執心鐘入」の多様な演出を例に挙げ、より高度になっていく部分を十分評価しつつも、本来の古い形態も伝承すべきである、と主張する。

 琉球音楽の伝承者大湾清之氏の話も興味深かった。実は失礼ながら私は、地謡の人々は与えられた譜面を忠実に再現しているだけだと思っていたのだが、どのように各場面を音楽で盛り上げるか考え工夫していることが分かった。組踊が総合芸術であるという意味に対する理解が深まった。

 司会の嘉数道彦氏は司会・コーディネーターとしての役割に徹し、あまり自分の意見は言わなかったのが残念である。嘉数氏は抽象的・幾何学的なセットを用い、場面ごとに多様な解釈が可能になるという高度な演出を実践しており、今回の古形の再現と、今生きる芸術としての組踊についての意見が聞きたかった。





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Last updated  May 11, 2014 01:52:37 AM
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