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マジック・ザ・メイカー21話「魔女と覆う影3」 「アマチャンフラッシュ!」 ステッキから閃光が迸る。電柱から伸びていた黒い影の触手は散っていく。 『やったっすね晴凛!ダークスポット消去っす!』 「あの……アマチャンフラッシュて叫ばなきゃダメだったの?」 『大事っすよ!声に出して叫ぶことでダークパワーは安定するっす!!まぁ今の魔法はアマチャンが9割発動だから叫ぶ必要は特になかったっすけど』 「えぇ~……それなら恥ずかしいし叫びたくないなぁ」 『アマチャンフラッシュは太陽の輝きの力!』 「アマちゃん前とテンション違いすぎ……」 『そんなことないっすよ、アマチャンはいつだってやる気っす!』 夜の街で遊ぶ約束を冥珂としたアマトは魔法少女の力を増幅し自らの魔法を使って晴凛をサポートするようになった。 「それにしてもアマちゃんの本気凄いね……ダークスポットのバケモノを寄せ付けないで一方的に追い詰めて、とどめはアマチャンフラッシュ」 『もっと褒めるっすよ!』 「(アマちゃん優秀だけどメインの使い魔にしない冥珂さんの気持ちなんとなく解った気がする)」 『ん?どうしたっすか?』 「な、なんでもないよ……そういえばアマちゃんの他にスフィンクスもエジプト系の名前だなーって何となく気になって……」 『ん?言ってなかったすか?アマチャンはマアトの化身の一部でスフィンクスは冥珂の契約主から召喚されたバステトの系譜の使い魔っすよ。まぁエジプトに行くまでスフィンクスの正体は冥珂も知らなかったっすからスフィンクスって名前では呼んでなかったんす』 「ほぇ~そうなんだ……確かに冥珂さんのスフィンクスごつい銀色の猫だもんね、エジプトにあるスフィンクスと全然イメージ違うし分かんないよね」 『あのエジプトのスフィンクスままの姿じゃあちょっと使い魔としてはきついっスよ。アマチャンも本当はオウムじゃないっすからね?』 「そうなんだ、そういやアマちゃん人型にはならないの?」 『なるっすよ!ホストクラブで豪遊するときに真のアマチャンの姿を見せるっす!』 『……気をつけろ』 それまで黙っていたクー・ホリンがふいにつぶやいた。 『魚野郎の気配がする……ダークスポットやらのおかげでかなり力を蓄えさせてもらったからな、感覚が戻りつつあるのさ』 「さ、さかなやろうってカトラ……?」 『恐らくな。だが今の所近づいてくる様子はねぇ、油断せずに出方を見るぞ』 晴凛はほうきで飛び上がり用心しながらカトラの気配がする方向に近づいていく。気配は近づくと離れ近づくと離れを繰り返し晴凛を誘っているかのような動きを見せる。 気配を追い住宅街を抜け鉄橋の下の河原にたどり着いた。 『あ!』 アマトが叫ぶ。鉄橋の高架下から触手が飛び出してきた。咄嗟に飛び出して晴凛をかばうアマト。 「!!」 『ちっ』 触手に捕らえられ高架下の影に引き込まれるアマト。 『ンアアアアアアアアアアッ!!』 アマトの叫ぶ声が聞こえる。そして閃光が走り一瞬周囲を照らした。 『晴凛!俺に代われ!!』 「え、えっと……うん」 クー・ホリンと代わる晴凛。金髪になりステッキをクルージーンに変形させる。 『行くぞ晴凛!』 「アマちゃんを助けなきゃ!」 高架下に飛び込むとそこにはカトラではない、黒いもやに包まれた触手を多数生やした物体が居た。アマトは地面に倒れている。羽根は折れ、片足を失い胸には穴が開いていた。 「アマちゃん!!」 『ヘマしたっす……』 『デエエイ!』 クルージーンを横薙ぎに振るクー・ホリン触手を数本切断してアマトに駆け寄る。 「カードに戻ってアマちゃん!」 『そ、そうするっす……この損傷はマジでヤバいっす……からね』 光の塊になったアマトは戦車のカードに飛び込む。 「あ!」 晴凛の体が光に包まれ魔法少女の衣装が解除される。 『やっぱりそうなるか。晴凛、今のお前はダークパワーを全く使えない。アマトからダークパワーが送られて来てないからな』 「ど、どうしようクーちゃん」 『俺の蓄えたダークパワーでなんとか凌ぎ切って逃げるしかねえな』 晴凛の体が再び光る。鮮やかな青の外套に細かい鎖を編み上げた鎧、革のスカートの衣装に変わった。 『この状態は紙切れが燃え尽きる程の時間しかもたねえ、急ぐぞ!!』 全方向から襲い掛かる触手を回避しクルージーンで斬り落とすクー・ホリン。バックステップで距離を取ってガエ・ボルガを構える。 「クーちゃん体が痛い!」 『我慢しろ!アマトのように俺は細かい調整はできねえんだよ』 ガエ・ボルガを放つクー・ホリン、黒いもやの化物はバネの様に跳ねて回避。しかしガエ・ボルガの弾丸は見えない壁で跳弾したかのように方向転換し化物に突き刺さる。 「GIIIIIIIIIIIIIIIYAAAAAAAAAAAAAAA!!」 黒いもやから赤黒い棘が無数に突き出し出し肉片が飛び散る。 『よし、逃げるぞ!』 矢のように駆けるクー・ホリン。そのまま跳躍し一気に堤防まで駆け上がり住宅街の屋根の飛び乗る。 「追いかけてこない?」 『全力のガエ・ボルガを叩き込んでやったんだまだまだ枝分かれする棘に貫かれ続けてるだろうよ。魔獣だろうが霊体だろうが追ってはこれまい』 住宅街の屋根を飛び跳ねてクー・ホリンは晴凛の部屋に窓から飛び込んだ。ベッドに転がった瞬間変身は解除される。 『悪いな晴凛、どうやらこの辺が限界みたいだ。カードの中で休ませてもらうぜ』 戦車のカードの中に赤黒いリボルバーが吸い込まれる。 「う、うんクーちゃんもアマちゃんもゆっくり休んでね」 晴凛はカーテンを閉めて布団をかぶり冥珂に電話をかける。 「……もしもし冥珂さん夜遅くすみません」 「ええよ魔女は昼寝してたら十分やし。それよりどうしたん?」 「アマちゃんが……クーちゃんが……」 冥珂の声を聞いてほっとした晴凛は涙が止まらなかった。しばらく泣いてゆっくりと事情を話す。 「……そっか、わかった。今から行くし安心して」 「は、はい……」 「ようがんばったな晴凛ちゃん、後はアタシにまかせとき」 電話を切る冥珂。テーブルの上にはタロットカードの死神が置かれている。 『冥珂、何となく嫌な予感がするぜ』 テーブルの下にいる大きな銀色の猫スフィンクスが言った。 「せやな。でも行かなあかん、見過ごすわけにはいかんよ」 『晴凛の話に出てきた黒いもやの敵の様子が気になるな。そいつは魔法少女ではなさそうだ。油断していたとはいえアマトをズタズタにするなんてなぁ……ダンプカーに跳ね飛ばされてもケガ一つせずにピンピンしてやがったのに』 「……深海の魔女が出てきたんかもね。といっても復活はまだできひんらしいし何かを触媒としてこっち側に来てる可能性があるな」 『で、どうする?今すぐ行くのか?』 「もちろん!後の事はリティーシャに任せて大丈夫やろ。行くでスフィンクス」 冥珂は40秒で支度を済ませほうきに乗って飛び出す。それに気付いた弟子のリティーシャは自作の偵察ロボット・ディスクバットを飛ばして後を追わせた。 「師匠あいかわらずですね……」 冥珂は1番の魔術師、4番の皇帝、11番の欲望のカードを発動させる。ローブ姿に金色のアーマーを着こんだ姿、ほうきにはジェットエンジンが出現する。加速する冥珂の速度は音速を超える。リティーシャは焦ってディスクバットに冥珂のダークパワーを辿って飛ぶように命令した。 冥珂は光の帯となって大阪に向かう。晴凛の家の上空に到着すると、ゆっくりと下降して部屋の窓をノックした。 「晴凛ちゃん」 「え!冥珂さんだ!!速い!!」 「まぁ色々気にせえへんかったらこんなもんよ。緊急事態やしね」 冥珂は浮いたまま晴凛の部屋に入り晴凛の戦車のカードの手をかざす。 「これでアマトもすぐに元気になるしクー・ホリンにもダークパワー補充しておいたし安心やで」 冥珂はカードを晴凛に渡すとそっと抱きしめた。 「ごめんねぇ、勝手な事頼んで怖い思いさせて。後は任せとき、これから晴凛ちゃんを襲った敵を退治してくるわ」 「そんな冥珂さん私こそふがいなくて……」 「気にせんでええよ。ゆっくりお休み」 冥珂は2番女教皇のカードを取り出して晴凛の頭に乗せた。うすい乳白色のベールが広がり晴凛を包み込む。そしてゆっくりとベッドへ寝かせた。 「これで晴凛ちゃんも回復するはずや……」 『冥珂……俺を連れていけ』 晴凛の戦車のカードからクー・ホリンの声がする。 「どうしたん?」 『あの化物との決着はついてねぇ止めを刺してやる……ただ待っているのは性に合わないんだよ』 「いやアカン、あんたはここで晴凛ちゃんを守ってて敵は一人とは限らんしね」 『……ちっ、まぁそうか。あのカトラとかいう奴が晴凛を狙ってくる可能性はあるか……それならガエ・ボルガの穂先を一つ持っていけ。そいつをあの化物にぶち込んでくれ』 「まかせとき、化物の心臓に撃ち込んだる」 『ほんのわずかだがあの化物と接触した時……俺の全身の毛が逆立った。カトラとやらとは比べ物にならない油断するな』 「大英雄のアンタにそこまで言わせるとは……本気の本気、超本気モードで行かせてもらうわ」 冥珂はジェットほうきに飛び乗り一気に加速、晴凛の家から一瞬で離脱する。冥珂は晴凛が化物と接触した川を上から観察する。 『おいおい……こいつはヤバイんじゃないか?』 「これは……」 川は墨汁を思わせる黒に染まり中から次々とフィッシュメンが上がってきている。周囲に霧が立ちこみ始め強烈な腐敗臭が広がっていく。 「19の太陽、剣の8妨害!」 2枚のカードが冥珂の体から飛び出し光の塊となって合体。8つの小型太陽に姿を変え川の上流と下流に分かれて飛び込んだ。 「GLIAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」 黒い川から水柱が次々上がり巨大な触手が伸びる。 『クー・ホリンの言ってた化物は川の中にいるっぽいな』 「聞いた話よりかなり巨大化しとるな……」 『あれは魔女……なのか』 「わからん、けどあれを始末しんとこの街は終わりや!」 触手が伸び上空の冥珂を狙う。対して冥珂は回避行動をしつつ手のひらから蛇を出現させた。蛇が触手に巻き付いた瞬間に黒い砂となって崩れる。 『そいつを使うのか……』 「超本気モードやねん」 『そいつ、とは不敬であるぞスフィンクス』 蛇から声がする。 「頼むわアセル、川から飛び出すヤバイもん全部狩って!報酬は用意する!!」 『良かろう!余に任せておくがいい』 蛇はスーツ姿の短髪の浅黒い男となって着地する。手には黒い犬の飾りをつけた大鎌を持っている。 『不浄の輩よ!これより外には一歩も出ることを許さん!!』 川から上がり堤防に迫って来るフィッシュメンらに向かって叫ぶアセル。 『散れい!!』 大鎌を横に振るとフィッシュメンの首が次々と飛んでいく。首と胴体はすぐに黒い塵となって消えていった。 「アタシの使い魔の中で一番扱いが難しいけど頼りにはなるねん13番死神のアセル」 『あいつ久しぶりなのもあって張り切ってやがるな』 「わらわら出てくる奴はアセルにまかせてアタシらは本体を叩くで!」 『よし!』 冥珂はスフィンクスを大砲の姿に変えて構える。 「剣の6と10!」 『いつでも行けるぜ!』 スフィンクスが叫んだ。黒い川の水面が盛り上がり触手の集合体が人型になっていく。 「DAAAAAAAAAAAAAAAGOOOOOOOOOOO!!」 人型の化物は見る見るうちに巨大化していく。その間水の中からは、とめどなくフィッシュメンが上がってきている。 「ファイヤー!」 青白い螺旋の閃光が迸り巨大な化物を貫く。直径3メートル程の穴を開けゆっくりと体を傾ける。 『手ごたえがおかしいぞ?』 「あいつのパワーの集まってる所、心臓っぽいのを打ち抜いたんやけどな……」 霧は益々濃さを増し、やがて巨大な化物はその中に消えていく。 『……成分は分からんが毒の霧だぞこれは。普通の人間は一呼吸でくたばるほどだ』 「フル装備で良かったわ……19の太陽と剣の8で黒い水と霧の拡散防いで正解やな」 濃霧の影響で徐々に視界が狭まり聞こえてくる音も小さくなっていく。アセルの戦闘音も冥珂の耳には届かなくなりつつある。 「この中はあかん」 『化物のテリトリーか』 反転しほうきを加速させる冥珂、突如霧の中から触手が現れ左腕を打った。 「くっ……!」 乱杭歯の生えた触手は冥珂の黄金のプレートアーマーに食い込む。 『後ろだ!』 触手を振りほどこうとする冥珂の後ろから別の触手が出現。スフィンクスは爪で触手に飛び掛かる。つづく
Dec 23, 2018
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Fallout76出ましたね!ボチボチやっております。このキャラはグウェンドリンさん。カイリーナやエリカの先祖です。
Dec 9, 2018
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