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マジック・ザ・メイカー17話 藤一を抱えて蔵に戻っためいかが見た者は黒焦げ死体になった黒谷幽遊斎であった。 『脱出しようとして黒焦げ死か。当然だなあの魔術は魔獣も閉じ込める』 「……」 『これからどうするんだ?』 「藤一と村の皆を殺した親玉を潰す……」 『幽遊斎とやらが戻ってこないと知れば次の刺客を送ってくるかもな……あまり時間は無いぞ』 「うん……」 めいかは泣きながら蔵の横に藤一を埋めた。その後蔵に入り、手のひら程の大きさに切った和紙数十枚にルーン図形を書き込み色を付けていく。早打気砲の弾を込め、補充の弾を袋に詰める。脇差と鏡を手に取り帯と革袋に詰める。鋼弩にはルーンを刻み込む。 『それは何を書いてるんだ?』 「名前や……冥珂……漢字かけるようになったから自分の名前書いて藤一に見せようと思っとったんや」 冥珂は和紙に名前を書いた。 『この国の字か』 「あたしは立花冥珂。夫、立花藤一の敵を討つ!」 冥珂はすぐに神社向かい倒れていた覆面男の胸に針を刺す。そして覆面男の周りに図形とルーンを描き降霊術を行う。 「ああああ……やめてくれぇ……寒い苦しい……お願いだ……入れないでくれぇ」 男の体から人型の青白いもやが立ち上っている。周囲にいた地縛霊を男に憑依させかけてその苦痛から尋問する死霊術の応用であった。 「楽にして欲しかったら答えるんやな!村を襲うように指示したのは誰や!!」 「丸安の年寄家の……丸安永衛門」 「どこにおる!!」 「山を越えた所にある屋敷……」 冥珂は早打気砲を銃剣にしたほうきに乗り山を越える。白壁の屋敷が見えてくる。袋から鏡を取り出しダークパワーを集中させる。すると鏡に屋敷が映し出される。 『暗視グラスの代わりか』 「丸安の親玉はどこや……」 ゆっくりと降下し屋根の上に降りる。通気穴から忍び込んだ冥珂はほうきで浮きながら鏡を覗き込み、下の部屋の様子を探る。 『あの爺さんがそうじゃないか?』 一人で本に向かっている老人を見つけた。冥珂は慎重に天井板を外し音もなく老人の背後に降り、目をふさいで喉元に脇差を突き付けた。 「騒いだら殺す……お前が立花藤一を……村を襲撃するように仕向けた親玉か」 「だ、誰だ……忍か?」 「村の生き残りや。あたしの他は全員死んだ……」 「そうだと言ったら殺すか?そうでないと言ったら殺さないか?……フフフ、やはり忍では無いな甘い甘い」 「あたしに失うものはもう無い。順番に聞いていくだけや」 『馬鹿、冥珂。こういう時は何も余計な事は言わず名前を聞けばいいんだぜ……』 「お前の名前は!」 「丸安永衛門……」 「なら死ね」 「どうかな?嘘かもしれんぞ……フフフ」 老人は一瞬の隙をついて体をひねり冥珂を投げ飛ばす。そして掛け軸のそばにあった刀を手に取って抜き「であえ!であえ!曲者じゃあ!」と叫んだ。 「くっ……」 『暗殺者めいた慣れない真似をするからだ。どうする?こうなったらもうやるところまでやるしかないぞ?』 「うああああああっ!藤一の敵!皆の敵!!」 早打気砲の弾丸を老人に浴びせる冥珂。すぐに障子を破って飛び出して上昇する。「永衛門さま!」「お館様!」と言う声が聞こえた。 『当たりだったな!これで気が済んだか?』 「村に戻って皆を埋めてあげないと……」 『そうか、そうだな……』 村に戻った冥珂はルーンを使い土を操作して村人の遺体を埋めて行った。全て終えた時には日が昇り始めていた。 『冥珂しっかりしろ!ここにいるのはまずいぞ』 「せやな……でもどこに行けば?」 『とりあえず山に入るぞ』 山に入る冥珂。ルーンを書いた和紙を木々に張り付けて人払い獣除けをしたあと枝の上に寝床を作って横になった。これらの作業は森を好む魔女にとってはできて当たり前の事であった。 『俺様が見張っておいてやる休め』 「……」 『気絶したか……』 丸一日寝込んだ冥珂、目を覚ますと使い魔のチャーリーが話しかけてきた。 『妙なことになってるぞ冥珂……黒焦げになったはずの黒谷幽遊斎が何人も山に入ってきている』 「……どういう事?」 『仮面をつけてるせいで分からなかったが、ありゃあ洗脳魔法の一種だな。黒谷幽遊斎となった奴らが本人に操られてるんだ。あいつの自動人形を見ただろう?』 「……うん」 冥珂は魔女の中に自動人形やゴーレムを制作するのを得意とする者が居るのを思い出した。 『厄介だぜ……あの類は本体を叩かない限り終わらない……そしてああいう性質の奴は安全な所にいるもんだ』 「……それでも倒す!藤一と皆の敵!!」 『面と向かって戦うのはお前に向いてない。お前は誰かと組んでそいつに適した道具や薬、武器なんかを作ってやるのに向いているメイカーって呼ばれるくらいだからな』 「……もうメイカーやない!レヴィでもない!!立花冥珂や!!だから……」 『分かってる協力してやるよ。今までもこれからもな』 「どうやって戦ったらええ?」 『下に降りずに木を飛び移りながら狙撃していくんだ。ルーンの罠も仕掛けておけ』 「わかった」 冥珂は木々を飛び移りながら罠を仕掛けて黒谷幽遊斎を探す。鬼面をつけた煌びやかな着物の男は目立つためすぐに発見できた。 『あの仮面……怪しいな、狙ってみろ』 「うん」 ルーンを刻んだ鋼弩に矢を乗せる冥珂。ルーンの効果で矢の軌道を一度だけ曲げられる。息を殺し冥珂は黒谷幽遊斎の仮面めがけて矢を放つ。外れたかに思えたが矢は軌道を変え仮面に命中。仮面がはじけ飛ぶと糸が切れたかのように倒れた。 『この調子で行くぞ。今まで戦闘なんか訓練くらいしかしてなかったんだ、焦るなよ。毒の霧や自動追尾する魔獣でも召喚できればすぐなんだがな……』 「そういえば昔アカデミーで……」 『ん?』 「そう、確か弓が得意な魔女がこんな風に……」 和紙に描いたルーンを矢に取り付け鋼弩を引く冥珂。藤一の工夫で特殊な歯車機構になっており冥珂にも弦が引けるほど軽かった。 矢を放つと無数の光に分かれ木々に反射する。冥珂は鏡を取り出し光の矢が魔法陣を描いていくのを見つめる。 『なるほど、一瞬で陣地を作ったのか。おもしろいやりかただな、これなら幽遊斎全員の居場所が分かる』 「そんなに長い時間張り続けられへんけど……今はこれで十分、居場所が分かれば」 陣地の効果が切れる前に木を飛びまわり仮面を狙って狙撃していく冥珂。20人の幽遊斎は一人を残すのみとなった。 『もうすぐ陣地の効果が切れるぞ』 「あと一人!」 最後の一人に狙いをつける冥珂。 幽遊斎に向かって放たれる矢。仮面に命中する寸前で幽遊斎は片手で受け止めた。 「あ……」 『あれが本体のようだな。こっちに気づいたようだ向かってくるぞ』 幽遊斎は懐から札を取り出し矢に張り付け投げる。加速し一直線に冥珂に向かって飛んでくる。 『ちっ!』 チャーリーは冥珂の袖を引っぱり回避させる。慌てて早打気砲銃剣ほうきを飛ばす冥珂、木の枝から飛び上がり上空で幽遊斎を待ち受ける。 幽遊斎は背負っていた桐箱から顔は鳥の人型の羽の生えたからくり人形を取り出した。幽遊斎は人形に体を掴ませると飛び上がらせて冥珂を追ってくる。 『距離を取れ冥珂!』 「速い……」 「妖術使い、逃がさぬぞ」 幽遊斎は腰に下げた太刀を抜いた。 「色々と聞き来たいことはあるがそうも言ってられぬ。雇い主をやられたのでな」 太刀で突いてくる幽遊斎、冥珂はトンボ返りで回避する。 「……藤一の、村の皆の敵!!」 『ちっ……近接に付き合うな!逃げろ、逃げながら戦うんだ!』 「どうやって?」 『さっきの山の中に入るんだ罠を仕掛けたろ?うまく誘導しろ』 「分かった」 急降下する冥珂、山の中に入り張り付けたルーンを確認する。 『ギリギリまで引き付けて発動させろ、動きが止まったら早打気砲を全弾発射だ。それで仕留めきれなかったら俺がぶちかましてやる』 「来た!」 「逃げてもこちらの飛行速度の方が上、無駄。それにこんな木など」 幽遊斎は太刀を持った手首だけを回転させ枝を伐採しながら進んでくる。 『今だ!』 ルーンを発動させる冥珂、幽遊斎は爆風をまともに受け大木の幹に叩きつけられる。 『撃て冥珂!』 『うああああああああああっ!!』 早打気砲を全弾撃ち込む。幽遊斎の体は衝撃で痙攣する。 『なんだ?手ごたえが妙だぞ?』 「ふっふっふ……見事。拙をここまで傷つけたのは貴女方が初めてだ」 「なんやお前は!なんで平気なんや!!」 「拙は鬼なるもの也」 「オニ……?」 『よく分からんがこの国でいう所の人ならざる存在か』 幽遊斎は着物から上半身をあらわにする。肩に取り付けられたからくり義手、生身の腕は胸の下で組まれていた。弾丸は全て皮膚で止まっていた。 「立花藤一が死んでしまったのは誤算であった。仲間にしようと考えていたのだが」 「藤一はお前なんかとつるまへん!」 「ふっふっふ……果たしてそうかな?病を抱えながら完成の見えぬ研究を続けておったのだ。拙とくれば病など気にする必要は無くなるのだ」 「病!?嘘や!!藤一は病気になんか……!!」 「気が付かなかったのか?生きていたとしても藤一はもって後半年ほどであったぞ。全身を悪腫瘍が蝕む不治の病よ」 「そん……な……」 「まぁもうそれは過ぎた事。拙の興味は貴女方に移った。異国の術者に実際に出会う機会など今まで無かったのでな。殺すにはおしい」 太刀を向ける幽遊斎、手首が回転を始め空気を切り裂く男が聞こえる。そしてゆっくりと体を起こす。 「(どうするチャーリー……武器はもう脇差しか無い……)」 『距離を取れ、ほうきの操縦はサポートしてやる。逃げながら対抗策を考えるぞ』 「(わかった)」 ほうきを飛ばす冥珂。追う幽遊斎。 『その剣、ワキザシといったか?かなり特殊なものだぞダークパワーを感じる』 「(ただの脇差じゃない……けどあの幽遊斎相手に剣で戦うのは無謀やって)」 『お前の剣の腕じゃ無理だ。だからその剣を魔女の杖代わりにしてデカい一撃を食らわせてやれ。この前やったルーンの合わせ術で何とかならないか?』 「(……やってみる。セフィロトの樹を召喚。ケテル、ビナー、ベート)」 冥珂の体を淡い赤色のもやが包み込む。 「(イメージは剣……剣……と言えば……)」 『ちっ……幽遊斎の奴わざと追いつかないのか?一定の距離を保ってるぞ』 「(アタシの魔法に興味あるんとちゃうの?好都合やん、今のうちに術完成させる)」 冥珂は滑らすように脇差に手をかざしてダークパワーを纏わせる。 「(そういえばアカデミーで剣の魔女が居たなぁ……そうか剣……あの魔女のようにはいかないけど……やってみるかな。チャーリー、あたしの手の動きをサポートして。高速で動かしたい)」 『いいぜ』 そして脇差にルーンと図形、色を付けていく。 『これは……十字剣……』 「(うん……剣の魔女が一度だけ見せてくれた剣をイメージしてん。あの子は色んな聖剣魔剣をオリジナルに近い再現できる子やった。あたしにはそんなことはできひんけど複製の複製やけど、成功すればそれなりに威力のあるのを発動させれるはずや。あの魔女が再現して見せたのは……確かフラガ・ラッハ!)」 『フラガ・ラッハか。敵に向かって投げれば剣自らが敵を倒し戻ってくる。そしてつけられた傷は治らない……』 「(再現に大切なのはその物をどれだけ知っているか、どれだけ良いイメージで描けるか。どれだけオリジナルと自分のイメージの差を無くせるか……て言ってた)」 『お前の得意分野とは少し違うな……それはむしろ造形に近い。彫刻のようなものだ。お前が得意なのは絵や図形だ。その差をどうやって埋める?』 「(剣の魔女の再現したものも見てるしフラガ・ラッハについては気になってそれなりに調べたからイメージはできてる……後は自分で足りないものを補う!フラガ・ラッハは1本の剣……剣は風、混乱の雲は剣によって払われる。三日月、太陽、蛇、王冠……)」 『冥珂……無茶だぜ。ダークパワーで神経が千切れるぞ!こんなもん魔法書のルーンを発動させながらスクロールに描いていくものだ。空中で直接剣に刻むものじゃない』 「(大丈夫いける……フラガ・ラッハにはかなり遠い複製やけどこの剣なら……)」 脇差は輝く十字剣に変わる。刀身は根元から先に向かって徐々に細くなり。鍔は三日月と太陽のシンボル。柄はとぐろを巻いた蛇に形どられていた。 『おぉ……これは……並の魔法剣なんか超えてるぞ』 「(名付けてソードエース!コレを幽遊斎に当てる!!)」 それを見た幽遊斎が距離を詰める。回転する太刀は風車の如く。木々を伐採していく。 「さぁさぁ異国の術を拙に見せるのだ」 「ソード……」 冥珂は急ターンして幽遊斎に向き直す。「エース!!」 続く
Sep 21, 2018
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マジック・ザ・メイカー16話「魔女と昔話2」 冥珂は目の前にいる少年の話を聞きながら昔を思い出していた。 あどけない少女の面影を残し、目立った活躍は無く細々と魔女をしていた頃、レヴィと名乗っていた。イギリスのロンドンに居たレヴィは魔術を学びに来た神学者の男アルフォンスと恋に落ちた。レヴィは覚えたての大規模な降霊実験を男と共に行い成功させる。アルフォンスはこれをきっかけに魔術にのめりこんでいった。レヴィは魔女の間でも有名になり、魔女同士の抗争に巻き込まれていく。そしてすれ違いからアルフォンスと別れることになった。レヴィは自分を取り巻く環境から離れるため東へ東へと旅を続け海を渡り、遠い極東の島国へとたどり着いた。 レヴィが難破同然でたどり着いたのは言葉の通じない国の小さな漁村。たまたま通りがかった20代後半から30代の男に保護され回復していった。 男の家には大量の本、オランダ製の空気銃、反射望遠鏡、玉燈、御懐中筆、鋼弩、神鏡(銅製魔鏡)などの道具が大量に置かれていた。男は村人から『先生』と呼ばれ慕われていた。 黒いローブを纏ったレヴィの姿に村人は戸惑ったが先生が置いてる人ならばと少しずつ慣れていった。レヴィは毎日先生のため込んだ本を読みふけりそれ以外の時間は外の様子を眺めていた。 「ここにきて1週間、しかしおまえさん何も話さへんなぁ……しゃべれへんのとは違うんやろ?」 「…………」 レヴィは小さく頷きすぐに本に視線を戻した。 「元気になって良かったわ、詮索はせん。好きなだけここにおったらええ、せやけどおるんやったら何か仕事してもらうで?」 「……」 レヴィは小さく頷き指を空中で動かしルーン文字を描く、すると指先に炎が出現した。 「むむっ?」 次は指先に電を走らせる。 「おおっ?そりゃあどういう仕掛けや?」 「Magic」 「まじっく?……術か。俺は使えへんけど見たことはあるで不思議なもんやなぁ」 「Name……なま、え。おしえ……て?」 「お??」 「なまえ……おしえて?」 「お、おお。俺の名前は立花藤一や。おまえさんの名前は?」 「……」 首を振るレヴィ。 「好きじゃ……ない……」 「言いたくないんか……それでも呼ぶのにいつまでもおまえさんじゃあなぁ~……あだ名とか無かったんか?」 「あだ……な?」 「名前の他にも呼ばれとったやつや。なんか無かったか?」 藤一の言葉にレヴィは首を傾げやがて一言…… 「Makerめいかー……」 「めいかぁ……か。ほなら『めい』もしくは『めいか』やな」 「メイ……めいか……分かっ…た」 レヴィはめいかとして村にしばらく居ることにした。少しずつ言葉を覚え村人の為に薬や道具を作り馴染んでいった。 居心地は良かったが魔女と人間は住んでいる世界が違う。藤一は長生きしても80歳そこそこ、それに対し魔女は1000歳を超えるものもいる。藤一と長くいればいるほど別れがつらくなるのをめいかは感じながら過ごし気が付けば1年が経っていた。 「あるふぉんす?」 「うん、それが別れた男の名前や」 「そうか、ほならめいかは今空いとるんやな?」 「え?……まぁそうやけどあたしが言いたいのは……」 「分かっとる、魔女なんやろ?ちょいと人間と違うっちゅうだけやん、俺はなんも気にせえへんで」 「それはつまり……」 「俺の嫁になってくれめいか!お前こそが俺の求めとった最高の相棒や!!」 「え!?本気……なんやね?……嬉しいけどちょっとだけ考えさせて」 「ああ、分かった」 めいかは藤一の家の裏道から山に入り太い枝の木に登り夕日に染まった海を眺める。 「はぁ~……魔女の森にいた頃よくこうやってたなぁ……」 めいかは日が沈み切るまで眺める。そろそろ戻って藤一に返事しようと決め村の方を見ると煙が上がっていた。 「火事!?」 急いで飛び降りるめいか、降りた瞬間足の裏に激痛が走った。 「あああっ!?何かが……」 めいかの足の裏には4方向に突き出した木製の錐(木製撒菱)が突き刺さっていた。 「お命頂戴!」 紺色の布を顔に巻いた男が二人めいかの前に現れ黒く塗られた刃物を抜いた。 「誰!?」 「答える必要は無し」 男が手裏剣を投げる。めいかは転がって避ける。 「逃がさぬ!」 もう一人の男が刃物を振り上げる。 丸腰のめいかはとっさに木の枝を拾い男の手を打って凌いだ。 「(一体何が?藤一は、村の人たちは?)」 「ぐああああっ!」 「ぎゃあああっ!!」 男たちが倒れる。倒れた後には銀色の山猫が浮かんでいた。 「チャーリー!!」 後にスフィンクスと名付けられる使い魔。 『へっ……俺様がいなければお前は本当にダメだな!この1年見守らせてもらってたがよ……魔女としてお前は全然なっちゃいねぇ』 「だったら何?魔女としての契約を切る?」 『今更それはできねぇ。ここで切ればお前の肉体はあっという間に骨になるぜ?普通ならとっくに死んでいる時間を過ごしているからな。俺様もお役御免でこの世界からサヨナラだ。主もそれは望んではいないだろうよ俺様を通じてこの世界を見ているからな』 「説教をしにきたん?」 『いいや?魔女にとって1年なんて短い時間何をしようと勝手だが魔女は魔女でしかない。それを忘れてないかとな』 「……忘れてへんよ。ちょっと疲れたし休んでただけや」 『新しく覚えた言葉気に入ったのか?まぁいい、お前がすべきことは何だ?』 「あたしがやるべきこと……」 『お前が魔女になったのは』 「小さな鍵と指輪、平和の為……」 『平和?違うだろレヴィ正義だ!人類の滅亡を防ぐ為のな!主との契約だぞ、主は人間好きだからな!!』 「正義……は何か恥ずかしいやん。それにあたしは今はめいかや!」 『なんでもいい、行動しろ。休暇はおわりだぜメイカ!』 銀色のほうきに変形するチャーリー。めいかは跨ってしがみつく。 『急ぐぞメイカ!トウイチの家の方からダークパワーが集まってるのを感じるぜ』 村は火の海になっていた。顔を布で覆った集団が火をつけて回っている。 「やめろー!」 ほうきで滑空するめいか。火をつけている男らに突進していく。 『敵の数が多いな。何の道具も持ってねぇお前と俺様じゃあちと骨が折れるな』 「急いでチャーリー!早く藤一の所へ!!」 藤一の家にたどり着くめいか。家は炎につつまれ藤一の姿は見えない。 「藤一!!藤一!!」 『めいか後ろだ!』 振り向くと甲冑をつけた武者と煌びやかな着物を身に着けた鬼面の男が立っている。 「立花藤一の家の者か?奴はどこへ行った?隠すと為にならぬぞ?」 「あんた誰や!」 「黒谷幽遊斎」 「なんでこんな事すんのや!何が目的や!!」 「言う必要はないが冥土の土産とやらに聞かせて進ぜよう。どの道、立花藤一の他は皆殺しにする予定なのでな」 黒谷幽遊斎は通る声でゆっくりと言った。 「奴の才能に嫉妬し疎ましく思う者が居る。奴の居場所を無くし目の届く所に置きたいのだ浅ましいことよ。だが、拙には関係の無い事」 『どこの国も同じだな……』 黒谷幽遊斎が指を向けると甲冑武者がゆっくりと太刀を抜く。 『来るぞメイカ!』 上段からの斬撃をチャーリーのほうきで受けるめいか。吹き飛ばされ藤一の蔵の扉に衝突する。 『メイカ、そこはまだ火の手が回ってねぇ。その中に使えるものがあるはずだ』 蔵に飛び込むめいか、目の前にあったのは先日藤一が完成させたばかりの20連発早打気砲であった。オランダ製の空気銃を改良したものである。 『それだ!使い方は分かるな?』 「ええ!」 チャーリーが包み込んだ早打気砲を構えダークパワーを集中させる。 「……!」 甲冑武者が蔵に入ってきたのを見計らってめいかはダークパワーで強化した早打気砲を撃つ。 「……!?」 連続発射される弾丸は甲冑武者の鎧を粉砕、ゆっくりと仰向けに倒れる。 『やったか……?いや、おかしいぞ。あれは人間じゃねぇ』 粉砕された甲冑の中から見えるのは針金と木製の歯車。 「ほう、拙のからくり武者を破壊するとは。早打気砲と妖術の合わせ技か」 黒谷幽遊斎は腰に下げた刀を抜く。 『早打気砲は弾切れか……メイカ、ダークパワーで弾丸は作れるか?』 「急には無理や……」 『なら、突貫して切り抜けるしかないな!』 チャーリーは変形し早打気砲を銃剣へと変える。 「やあああっ!」 距離を詰めるめいか、刺突で迎え撃つ黒谷幽遊斎。めいかの肩を刃がかすめる。そのまま走り抜け蔵から出た。 めいかは地面にルーンを刻み後方へと飛びのく。撒菱で受けた傷が痛んだ。 「道具が無かったらこんなに何もできないなんて……ルーンを書く暇もないし」 『発動の時に痛みは感じるが体にルーンを刻む方法もあるのにお前はしなかった』 「こんな状況になるなんて考えてへんかってん!」 『来るぞ!』 地面のルーンを発動させて土の壁を黒谷幽遊斎を狙って伸ばす。黒谷幽遊斎は足を掛けて軽く跳躍、めいかの前に着地し切りつけてくる。 「チャーリー、セフィロトの樹を召喚する!剣、それからビナー、ケブラー、ホド、マルクトを繋ぐからそれを早打気砲に刻んで!」 銃剣で斬撃を受けながらめいかはチャーリーに言った。 『ルーンの位置は?色は?図形は?最終的な形は?』 「位置と色と図形は組みながら言う!最終的な形は剣……10本の剣で!!」 『一つ組み合わせを間違うと発動しないぞこんなもの。カードにでもして持ち歩いとけよ』 「それは考えてんの!何回も使えて複雑なルーン、図形、色を組み合わせたカードを」 『ああ是非とも完成させてほしいね!斬撃を耐えながらこんなことするのは二度とゴメンだ!』 黒谷幽遊斎の斬撃がめいかの右大腿をかすめる。 「あぐっ……」 『もう少しだメイカ、仕上げの組み合わせを送れ……よし、行けるぞ!!』「はあああああっ!!」 銃剣から青白い10本の剣が現れ黒谷幽遊斎の周りに突き刺さる。そして稲妻が発生し閉じ込めた。 「ぬう!?この妖術は……」 「一歩でも動いたら黒焦げにする!チャーリー、藤一を探しに行くで!」 銃剣型のほうきにのるめいか、低空飛行で村を飛び藤一を探す。 「藤一!とういちー!!」 『人影は無いな』 「……村の皆が……」 『逃げる暇もなくやられてるな。黒谷幽遊斎とやらの話を信じるなら藤一は殺されていないはずだ。北に神を祀っている建物があったな、そこはまだ行ってねぇ』 「うん」 神社に向かうめいか。そこには覆面の男数人と倒れている藤一、幼い子供がいた。 「とういちぃ!」 急降下で突進、覆面の男たちを吹き飛ばす。 「藤一!ああ……ひどい火傷……」 「めいか……無事やったんやな……俺はこの子も助けることが出来んかった……皆は……?」 「……あかん」 「そんな……」 息が荒くなっていく藤一。 「水、水で冷やさないと……!井戸は確かあっちに」 「待ってくれめいか……さっきの返事聞かせてくれるか?」 「何言うてるの!すぐに冷やさんと死んでしまう!!」 「……その前に聞かせて欲しいねん、意識途切れそうでな……」 「嫁になる!あたしはあんたの嫁や!!立花めいか!!」 「はは……良かった……せや、今日の晩飯はおまえの作るあの味の変化する粥がええな」 「分かった分かった!なんぼでも作ったる!だから無理にしゃべらんでええ、すぐに水持って来る!!」 めいかは井戸まで全速力で飛び水を汲んで藤一の浴びせた。 「藤一!!」 藤一は答えない。 「藤一!!あかんて!!絶対あかん!!目開けて!!嫌やって!!」 チャーリーが藤一の手首に触れ鼻に近づく。 『藤一はもう……』 「うるさいっ!!……水や!水で冷やしたらな!!薬も塗ってあげんと……」 『メイカ……』 「こんなん嫌やって……なんでこんなことになったん……うああああああああ」 めいかは藤一にしがみつき大声を上げて泣いた。 続く
Sep 9, 2018
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マジック・ザ・メイカー15話「魔女と魔法少女4」 ―翌日 晴凛は自室で時計のアラームで目を覚ました。鵜蔵池の底にある石柱を破壊したところまでは覚えていた。 「あの後どうなったんだっけ?この前倒したのより更にデカい超巨大なボスキャラ出てきて……やっつけた?」 ゆっくりと体を起こす晴凛。20メートルの超巨大魚人を倒した記憶がぼんやりあった。これが夢であるののか昨夜の出来事かはハッキリしなかった。 「オハヨウ!晴凛!オハヨウ!」 ベランダに止まったアマトが言った。晴凛は窓を開けてアマトを部屋に入れる。 「アマちゃん昨日の夜のことハッキリ覚えてないんだけどどうだったっけ?」 『えぇ~!?あんなにアマチャンがんばったのに覚えてないっすか?ショック……ボスキャラの超巨大魚人をアマチャンとクー・ホリンの力を使って倒したっすよ。晴凛は疲れすぎて気絶してしまったんすよ(改竄した記憶はこれでOKのはず)』 「そ、そうだよね。それであってるんだ良かった……」 『後の始末は冥珂の指示でアマチャンがやっておいたので鵜蔵池は元の平和な池に戻ったっすよ。魔法少女の初任務終了おめでとー!』 「思ってたよりずっと大変だったね……それと冥珂さんの魔法が凄いのがよーく分かったよ。真似なんて全然できないんだもん」 『そりゃあそうっすよ、冥珂は世界七大魔女の一人と呼ばれてるんすよ?」 「そうなの!?」 『本人は嫌がってるけどね。冥珂は万能系で広い範囲のジャンルを扱えるとして魔女界では有名人っすよ。七大魔女の中には破壊力のある魔法を使えるけど探索も精製も召喚もできないのがいるっすからね』 「え~!」 『冥珂は派閥も組織も持ってないし、弟子も今は一人しかいないっすけど、七大魔女の中には1000人くらい弟子やら従者やら抱えてたりしてるんすよ』 「うわぁ……その魔女とあんまり関わりたくない気がする」 『まぁ~……他の七大魔女とは色々あったよ。冥珂から直接聞いたらいいっすよ、アマチャンがあんまり余計な事しゃべるわけにはいかないっす』 「その1000人の家来とか連れてる魔女は魔法少女も従えてるのかな?」 『もちろんっすよ!見た目で選んだという48人の魔法少女がいるっす!』 「何かアイドルみたい」 『その魔女は従者にランク付けとかして競わせてるっすよ悪趣味ですなー。さぁお話はここまでっすよ晴凛、学校に行く準備しなきゃ』 「そうだった!うひゃ~……」 晴凛は慌てて着替え始めた。 「いってきまーす!」 バス通学をやめた晴凛は自転車に乗って走り出した。 ―放課後 晴凛は和美とラーメン屋に行く約束をしていた。待ち合わせ場所は晴凛の家から一駅の栢島駅の改札前。 「おまたせ晴凛、行こっか」 「うん」 エレベーターから出てきた和美。二人はそのまま改札を出て駅前広場に出た。 「えっと……あ、あそこだ!屋台もう開店してる!!」 「ホントだ!もうすでに周りのテーブルにお客さん入ってるね……」 「まだ4時前だしすぐに食べれるよ」 屋台に駆け寄る晴凛と和美。前に並んでいるのはサングラスをかけた金髪の女性だった。 「へいらっしゃい!注文先にお聞きしやしょう!」 タオルを頭に巻いた威勢のいい店員がメニューを持って前の3人の女性に注文を取りに来た。 「スープ超濃厚、麺、具、マシマシマシで、サイズはこのチョモランマ盛りを」 それを聞いていた晴凛と和美はメニューを見て確かめる。 「チョモランマ盛りって……麺だけで1㎏だって!!すご……」 「私たち二人でも全然無理な量だよね。あの人いけるのかなぁ残したら追加料金だよ」 「私たちは普通の並で」 並を頼んだ晴凛たちは金髪の女性と隣のテーブルに着く。しばらく待つとラーメンが運ばれてきた。 「こっちはチョモランマ、こっちは並2つお待ちぃ」 出されたラーメンはスープが透き通り味噌の良い香りが漂っている。隣のチョモランマは丼の大きさは通常の3倍以上、もやしとキャベツ煮豚で麺は隠れその高さは30cm程になっていた。 「うっわぁ~隣のチョモランマすご……」「あんまり人の見てないで食べよ?」 「そ、そだね。あ、具の真ん中に味噌がある!これを溶かしながら食べるんだね」 「おいしそう~いただきま~す!」 「おいしいねー!」 食べ始める晴凛と和美。チョモランマを頼んだ客が気になって隣を見る。 「え!?もう半分無くなってる……」 「超速くない?速いけど食べ方きれいだね」 見てる間にチョモランマを頼んだ女性はスープまで完飲し立ち上がる。晴凛たち二人はまだ半分ほどしか食べていない。 勘定をする金髪女性。そこに医療用マスクをつけた黒髪の女性が近づいてきた。 「アリナ、行きますよ」 「待ってフロー、向こうにあるたこ焼きが気になるのですが」 「時間ですアリナ、17時までに現場に入らなくてはなりません」 「……仕方ないですね諦めましょう」 二人は駅前広場のロータリーに停車しているワゴン車に乗り込んで去って行った。 「なんかすごい人見ちゃったね……あんなに食べてあのスタイルなんだ」 「まだ食べようとしてたね……スタイル良かったね、呼びに来た人も。芸能人とかモデルかな?現場とか言ってたし」 「この後どうする晴凛?」 「今日はこの辺で帰るよじゃあね和美また明日。ラーメン美味しかった!」 「じゃあね晴凛~」 晴凛は駐輪場に向かう。その時後ろで大きな爆発音がした。思わず身を縮めた晴凛はゆっくりと振り返る。すると向かいの道路にヘリコプターが墜落していた。 「た、大変だ……」 「晴凛~!!」 改札の前から引き返してきた和美が駆け寄ってきた。 周囲の人々の視線は墜落して炎上し始めるヘリコプターに注がれている。 「警察呼べ警察!」 「爆発するぞ逃げろ」 「なになに?事故?」 「うっわ……ワゴン車直撃じゃん」 ヘリコプターの下敷きになったワゴン車は先ほど晴凛たちの隣でラーメンを食べていた少女が乗っていたものであった。 「あ……さっきの人たちが乗った車だよ晴凛……」 「え!あ、ホントだ……やだ……どうしよう」 爆発するヘリコプター。巨大な爆炎が巻き起こり破片が飛び散る。見ていた人々は一斉に逃げ出す。 「あ……あれ」 晴凛が指をさしたのは向かいの商業施設の屋上。そこに先ほど見た少女二人が立っていた。 「え?何?どうしたの晴凛?」 「あ、居なくなっちゃった……」 「晴凛私たちも逃げよ、危ないって」 「そ、そだね……(どういうことなんだろう……)」 ―京都市内の古い3階建てのビルの一室で冥珂は電話をしていた。 「あんた京都に来れへん?」 「もうちょっと待ってもらえます?完成させたいものがあるので……1週間くらい」 電話の相手は東京にいる冥珂の弟子である。 「わかった。ほんであんたの相棒は付いてくるのん?」 「もちろんですよ!私と彼はチームですので!!あ、いやらしい関係は一切ないので変な想像はしないで下さいね!まぁ師匠なら私も安心ですよ、私の相棒はオバサンに興味はなさそうなので変な事にはならないでしょう」 「はいはいオバサンで良かった良かった……うっ」 冥珂はふいに眩暈に襲われた。 「??師匠?」 突然冥珂に頭の中にフラッシュバックする。赤く染まった空、黒い太陽。大量に飛び交う象よりも大きな鱗の鳥たち。金属鎧を着た弟子と少年がそれらに攻撃され墜落する光景が見えた。 「……いや何でもないよ、なるべく早ようこっちに来てなあんたの好きな銘柄のミルクぎょうさん用意しとくし」 「……?本当に大丈夫ですか?師匠が私を頼るなんて……」 「色々準備しときたいねん」 「そうですか……そういう事ならできるだけ早くそちらに行けるようにします」 「じゃあまたなんかあったら連絡するわ」 電話を切る冥珂。机の上に置いた21宇宙のカードを見つめる。 「(……あの光景はほうき星の続きかもしれんなぁ)」 『おい冥珂、ビルの周りをウロウロしてるガキがいるぜ?』 「ん?子供?昨日来たおっさんやなくて?」 スフィンクスの声を聞いて冥珂は水晶玉を覗き込む。 「ほんまやな、人払いの結界に気づいてるんかもね。京都やし魔術師やら能力持ったんやら闇の住人がぎょうさんおるしその類かもね」 『どうする?』 「結界に何かしようものならカウンターくらう仕掛けにしてるしほっといてもええけど……それにしてもこのえらい思いつめた顔してるなぁ。ちょっと話かけてみるわ」 階段を降りシャッターを開け外に出る冥珂。それに気が付いた少年は安堵した表情を浮かべた。 「こんにちは、ここで何してるの?」 少年の右腕義手の異様な存在感に目が留まった。 「この辺ウロウロしてたみたいやけどどうしたん?迷った?」 「いえ、人を探してまして……タチバナメイカさんて人に会いたくて」 「へぇ……その人この辺にいるの?」 「それがハッキリしなくて……この辺にいるってのは聞いたんですけど」 「ふ~ん……誰に聞いたん?」 冥珂は煙草に火をつけてから指輪の宝石にダークパワーを注いで反応させる。 「それは教えることはできないんです、名前も知らない者で……でも信用はできるんです。その者のいう事に従わなければいけないって……すみません意味わからないですよね」 「うーん(嘘はついてない……か。暗示をかけられてる様子も無いし人形でもない。右腕が異常なだけの男の子や)」 冥珂は宝石を覗き込みながら少年を観察する。 「タチバナメイカさんにどうしても会わないといけないんです。すみません失礼します」 「ちょっと待ち」 「はい?」 「アタシ占い師やねん。せやからそのタチバナメイカさんの居場所占ってあげるわ。キャンペーン中で先着3名様無料や。君が3人目よ」 冥珂はシャッターを開けて小さなテーブルと折り畳み椅子を出した。 「さ、座って」 「はい……」 冥珂はタロットを使って占いを始める。 「君は……そのタチバナメイカさんに会って未来の道を切り開こうとしている。障害はとても大きなもの……過去に失敗をしている」 「あ、あの……」 「君が……障害を乗り越えるにはいくつもの流れを一つにまとめなければならない」 冥珂に再びフラッシュバックが起きる。火の海になった街。そこに息絶えた様子の少女を抱えた目の前の少年の姿。 「君はタチバナメイカと誰かを会わせようとしている」 「そ、そうです!知り合いのお母さんなんですが……」 「実を言うとタチバナメイカさんは良く知ってるんよ。忙しい人やし今日の夜も予定が……。でもちょっと予定をずらせば君の知り合いのお母さんに会えるかも」 「そうなんですか!……実は俺、貴女がタチバナメイカさんじゃないかって思ってたんです。なんとなくそんな気がして」 「そっか、ほな立ち話もなんやし向かいのファーストフード店にいこか。もちろんアタシのおごりや」 続く
Sep 2, 2018
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