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2007/04/19
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カテゴリ: 病気・医療関連
衝撃の事実! がん治療先進国アメリカの敗北 1
衝撃の事実! がん治療先進国アメリカの敗北 2
衝撃の事実! がん治療先進国アメリカの敗北 3
衝撃の事実! がん治療先進国アメリカの敗北 4

◆戦いに勝つために
この残酷な戦いについてのアメリカの認識を変えるには、がん研究者がこの病気の撲滅に一致団結することが必要である。個人ではなく集団でこの病に立ち向かうというシドニー・ファーバーの33年前の望みを叶えられる十分な知識を今日の医師や研究者は手にしているのである。
NCIは研究資金の提供方法を大幅に変えることで、こうした変化を起こすことができる。大局的な問題に焦点を当てた共同研究にNCIがより多くの資金を回すことで、RO1(マウスを使用した無数の模倣実験を支えた助成金)によって形成された集団思考を白紙に戻すことができるのだ。NCIはすでに「SPORE」(「specialized programs of research excellence」の略称)と呼ばれるプログラムでこうした資金提供における方針の転換を実施し始めている。これらは異なる専門分野の研究者が協力してがんの様々な問題を解決しようというプログラムである。しかし、個人研究の助成金は同機関の研究予算の4分の1を占めており、SPORE向け助成金の実に12倍以上に達している。NCIは基礎科学研究の金蔓であることを止めて、がん転移を阻止する方法や、人の反応に類似したより良い実験モデルを見つけ出すことなど、捉えどころのないこの病魔に徹底的な攻撃を仕掛けるために税金を使うべきである。
同時にNCIは、がんの成長を示すバイオマーカーの発見に全力を傾けるべきである。また、病気を回避あるいはコントロールできるチャンスを患者に与えてくれるような、簡単な血液検査や尿検査(例えばPSA検査)、あるいは高度な分子画像技術(PETやCTスキャン)で分かるバイオマーカーの発見にも尽力すべきだ。さらに言えば、喫煙の習慣を止めさせるだけで、アメリカ国内で何万件ものがんを防ぐことができ、がんによる死亡を30%減少させることができる。こうした明らかにまっとうな見解はインタビューしたすべての研究者から聞かれた。

残念ながら、これは百万ドルどころではなく、十億ドルに値するほどの挑戦だろう。しかし、アメリカではすでに研究費用として何十億ドルもの資金が投じられており、そのうえ1年間に治療費として640億ドルも金が支払われているのである。研究資金のシフトを円滑に進めるには、議会が国のがん研究資金の供給先を5つの国立機関から1つに絞る必要がある。がん研究は復員軍人援護局や国防総省ではなく、NCIが統括すべきである。
同様に重要なのは、がん研究をリードする学者、FDA、議員が、臨床試験と承認プロセスを転換させ、薬の効果についての情報がもっと早く患者に届くようにすることが必要だ。
臨床試験が患者に、単なる既存薬治療の改善と思われる以上の効果をもたらすことができれば、臨床試験に参加するがん患者は急増するだろう。参加率が上昇すれば、プロセスの進展は加速し、より多くの併用療法をより早く、より安く試験できるだろう。
しかし、どの薬が本当に有望かを見極めるには、さらにもうひとつ、やらなければならないことがある。それらの薬を病気があまり進行していない患者で試験することである。ここでも、がんの遺伝子的な不安定性が理由である。つまり病状の進行は、体に大きなダメージを与えるだけでなく、腫瘍に数多くの突然変異をもたらし、早期の患者とはかなり違った状態となるためだ。末期のがん患者であれば、早期のがんに効くとみられる薬はさほど効かないだろう。しかし、現在の多くの規則により、製薬会社は助けられる見込みの少ない患者で治験を行わざるを得ない状況にあり、唯一できることといえば、既存治療を少しでも上回る治療法を見つけることなのだ。現在、一部のがん患者を救える可能性がある薬の開発が中止されるのは、もともと助かる見込みがなかった患者をこの薬では助けられないという理由によるものだ。こうしたことは止めるべきである。
血管形成プロセスを阻害するために開発された新薬、つまり腫瘍に酸素と栄養素を供給する毛細血管の発達を阻害するように開発された化合物の状況を見てみよう。最も知られているのはアバスチンであるが、現在、約40もの血管新生阻害剤が臨床試験中である。
こうした薬の背景にあるのは、ここ何十年間、がん研究者が真剣に取り上げず、助成金もほとんど受けてこなかった考え方のひとつである。現在、ボストン小児病院の外科医であるジュダ・フォークマンがこうした概念を初めて唱えたのは43年前だ。海軍の研究所で人工血液を研究中に、彼は単純で一見して正しいと思われるアイデアがひらめいた。どの細胞も成長には酸素が必要であり、それはがん細胞とて同じことである。体内の酸素は血液によって運ばれるため、急速に成長する腫瘍も、血管へのアクセスなしには大きくなれないという考え方である。
後にフォークマンは、腫瘍は生体信号を送ることで新たな血管形成を促しているとの結論に至った。そうした成長信号を止めることができれば、腫瘍を飢えさせ、成長を阻止することができると推論した。彼は様々な医学雑誌に実験レポートを送ったが、ことごとく却下された。しかし、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の編集者がフォークマンの講義を聞き、1971年に同誌のベスイスラエル病院セミナーのセクションに記事を掲載することを申し出た。1971年というのは皮肉なことに「がんとの闘い」が始まった年である。
何十年もの抵抗の後、がん研究者はようやくフォークマンの考え方に同意するようになった。アバスチンを歓迎する反応がこうした変化を如実に語っている。しかし、早期段階の患者の治療に使用されて初めて、血管新生阻害剤はその最大の存在意義を示すことができる。腫瘍への血液供給を阻止するように開発された薬は、従来の毒性のある化学療法に比べ、作用するまでに、はるかに時間がかかる。末期の患者や進行が速いがん患者にはこのような時間はないだろう。加えて医師にはこれらの薬をいくつか併用できる自由も必要である。腫瘍はいくつかのシグナル伝達メカニズムによって血管新生を促すと研究者は考えている。よって最良のアプローチはいくつかの薬を用いて、すべてのルートを遮断することである。
正解は誰にも分からない。フォークマンが40年間取り組んできた概念から新たな治療の枠組みが生み出される可能性もある。しかし、単純で明白と思われるこうした転換を実現するには、新薬承認をコントロールしている規制から不法行為法や知的所有権に至るまで、がん研究に関わるすべてが変わらなければならない。今日、科学は知識と手段を手に入れた。今度は我々が行動を起こす番だ。

(出典:PRESIDENT Online)





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最終更新日  2007/04/19 08:18:21 AM
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