“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2022.02.20
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雨水の連続講座 繁盛店のお客様を増やす原理 その5

 ~『四方よし通信』2014年1月号より

2 人口減少時代の見込み客が店を知るきっかけづくりの原理
 ~ターゲットを明確にしたメディア戦略を練らねばお客様が来ない時代
 見込み客に知っていただけなければお客様は増えません。
見込み客に知っていただくにはお客様が自分の店を知った動機を理解しないといけません。
 店を知るきっかけは、「見て」「聞いて」「連れられて」「調べて」になります。
インターネットやスマートフォンが普及するまでは、ほとんどの場合が「見て」「聞いて」「連れられて」でした。
「見て」とは、「店舗を見て」、「テレビで見て」、「CMで見て」、「雑誌を見て」、「折込広告を見て」などを意味し、前提に、自然に知る媒体(メディア)を見て店舗のことを知るきっかけがあったと言えます。
つまり、いかに情報を発信して、知っていただくかが重要なのです。「聞いて」は家族や食べ歩きが好きな友人などから聞いて店を知る場合です。


 このように、店の情報を話してくれてお客様を連れて来てくれる顧客を「お金を家にもたらしてくれる」という意味で、贔屓客と呼びます。
「連れられて」はお客様の中には良い店を発見すると繁盛を願ってなのか、お客様を連れて来てくれる人がいます。
このようなタイプのお客様は最高の贔屓客と言えるでしょう。
一番大切にしたいお客様ですが、このタイプのお客様をつかむには、オーナーやサービスマンとの信頼関係がとても重要です。
店を知ったきっかけは予約時やサービスで「当店をどちらでお知りになりましたか?」という質問をぶつければ、容易に知ることができます。

 2000年代初頭までの飲食店は、見て95%、聞いて4%、連れられて1%などと言われました。しかし、インターネットが普及して情報が大衆化したことによって、「調べて」のウエイトが極めて大きくなっています。スマートフォンの普及によりコンピューターを持ち歩く時代になりましたので、より情報が大衆化していますから、「調べて」のウエイトは「見て」のシェアを食い始めています。
また、コンピューターを持ち歩くと、利便性が高まる一方、情報も相互方向で発信できますので、高度成長期の日本の根幹をなした上から下へ情報を流す構造(Public Relation)が崩壊して、同じ価値観を共有して結び付けられた関係に店とお客様の関係は変化しています。その結果、コンピューターの使われた方(店の選ばれ方)は、利便性軸の低価格と経営理念で結ばれた作り手・売り手・買い手の関係を超えたコミュニティに二分化しつつあります(Public Engagement)。たとえば『食べログ』の店選びでも、点数至上主義派とレビュア共感型のふたつに分化しています。
これらを踏まえた上で、見込み客に戦略的な情報発信をする必要があります。


大久保一彦の本


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Last updated  2022.03.04 11:56:12


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