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http://www.asahi.com/national/update/0228/TKY201102280270.html山岳警備隊員、雪崩に巻き込まれ2人重体 富山の剱岳28日午後1時20分ごろ、富山県上市(かみいち)町の北アルプス・剱岳の「池ノ谷ガリー」(標高2750メートル)付近で、冬山での救助訓練をしていた富山県警山岳警備隊の3人が雪崩に巻き込まれ、斜面を標高差で約450メートル下に流された。自力で脱出した飛弾(ひだ)晶夫警部補(40)が、丸山政寿巡査部長(45)と木村哲也巡査(33)を救助したが、2人とも意識不明の重体。同じ行程を遅れて進んでいた他の隊員3人が飛弾警部補らと合流、重体の2人を雪崩の発生場所から約850メートル離れた地点まで運び、6人で野営して救助を待っている状態という。現場は雪が降って視界が悪いため、県の防災ヘリは出動したが、この日は救助を断念。県警は、天候の回復を待って1日早朝にも救助に向かう予定だ。県警によると、隊員6人は飛弾警部補を班長とし、比較的斜面が緩やかで登山者の野営ポイントになっている通称「マッチ箱」(同2650メートル)を28日午前8時に出発。その後、3人ずつに分かれて池ノ谷乗越(同2850メートル)を目指しながら訓練をしていた。出発の際には、飛弾警部補からふもとの上市署馬場島警備派出所に無線で「小雪が降っている程度で、視界は100メートルほど。新雪が20センチほど積もっている」などと報告があったという。雪崩の発生時も、飛弾警部補から「雪崩に巻き込まれた」と同派出所に無線連絡があった。飛弾警部補は電波で居場所を知らせる発信器(ビーコン)を使うなどして、約3分後に木村巡査を、約20分後に丸山巡査部長を雪の中から救助したという。山岳警備隊は2月25日から3月4日までの日程で、27人を三つの班に分けて、剱岳一帯で救助訓練中だった。積雪期の山の状況把握と技術の向上を図るため、あえて難しい条件下で野営しながら訓練をしていたという。 --------------剱岳には登ったことがないので、手元の山岳地図で確認したのですが、「池ノ谷ガリー」だの、「マッチ箱」だのという、一般登山者が近付かないようなバリエーションルート上の地名は、昭文社の地図には掲載されていませんでした。でも、だいたいの場所の見当は付きましたが。どこかに写真がないかと検索したら、夏山の写真がありました。あちこちのサイトから拾ってきた「池ノ谷ガリー」の写真。↓上から下を見下ろしている警察の山岳警備隊というのは、山に関してものすごい技量を持っているのですが、彼らをもってしても、雪崩の発生は予知できなかったようです。ただ、一般的に言って、降ったばかりの新雪があるときは、雪崩の危険性は高いです。特にカチカチのアイスバーンの上に新雪が積もっている状態は危険といわれます。こんな急斜面で、新雪が降ったばかりというのでは、明らかに雪崩のリスクが高い状態だったと思われます。もし同じ条件で同じ場所に向かう登山者がいたら、山岳警備隊自身が「雪崩の危険があるからやめてください」と言ったに違いないと思うのですがねえ。幸いにして、私自身は雪崩発生の現場を目撃したことはないです。ただ、ゴールデンウィークの涸沢なんか行くと、年にもよりますが全山デブリ(雪崩の跡)だらけ、ということもあります。新穂高温泉の少し上で、雪崩が砂防ダムを木っ端みじんに吹っ飛ばした跡を目撃したこともありますが、雪崩のエネルギーがいかにすさまじいか、そのとき実感として理解できました。一昨日の西穂高岳独標は、ついうっかり登山届けを出すのを忘れてしまったのですが、やっぱり基本的には登山届は出すべきですね。私も、通常は登山届を持って山に行くのですが、今回は持っていくのを忘れました。あと、登山届は持っていったけれど、登山届けのポストが登山口になかった、ということがたまにあります。著名な山、著名な登山口ではそういうことはありません。南北アルプス、八ヶ岳(南八ヶ岳)では、まずたいていの登山口に登山届のポストがある。しかし、八ヶ岳でも北八ヶ岳、奥多摩の山などでは、登山届のポストがない登山口もありました。そういうときは仕方がないのですけれど。登山口で尋ね人のポスターを見かけることがあるのです。「×月×日に『埼玉方面の山に行く』と言って家を出て行方不明になりました」みたいな。「埼玉方面」って、それじゃあどこの山で遭難したか全然わかんないじゃありませんか。
2011.02.28
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昨日北アルプスに行ってきて、今日はその写真をビックカメラに現像に出してきました。気がつけば、リバーサルフィルムの手持ちが残り1本になってしまったので、新しいフィルムを購入しました。いつも、5本パック(以前は6本パックだったのですが)の、フジカラープロビア100Fというフィルムを使っているのですが、前回購入したのは去年の夏くらいだったのかなあ。それで気がついたのは、また一段とフィルムの売り場が縮小したようです。私は、未だに山の写真は銀塩フィルムの一眼レフだけで撮影しています。あと、子どもの写真もそうです。デジカメは持っていません。(相棒のデジカメがあるのと、携帯にカメラが付いていますが)フィルムのカメラというのは手間のかかるものです。特にリバーサルフィルムはそうです。ネガと違って「同時プリント」ができないですから、現像とプリントを別々に頼まなくてはなりません。パソコンに取り込むのも、スキャナーで一枚一枚読み込むわけですが、時間がかかる上に、埃も一緒に取り込んでしまうので、その除去にも手間がかかります。(スキャナには埃を自動的に消去する機能が付いているのですが、完全ではありません)私のもっているスキャナーにはフィルムスキャンの機能もありますが、これはプリント写真を取り込むより時間と手間がかかります。それに比べると、デジカメは圧倒的に楽です。現像のためにお店に足を運ぶ必要がないし、パソコンへの取り込みもあっという間です。だから、パソコンに取り込むことをメインに考えるなら、フィルムのカメラには何のメリットもありません。ただ、プリントした写真の美しさという意味では、リバーサルフィルムは別格だと私は思うのです。ま、根拠のない思いこみかも知れないですけれど。でも、どんなに写真がきれいでも、手間がかからないという魅力には絶対かなわないのが今の時代です。山でも、フィルムのカメラを使っている人は見かけなくなりました(皆無ではないけど)。もうそろそろデジカメに移行した方がいいかなあ、と思い始めてから、もう4~5年経っていますが、未だにリバーサルフィルムです。だけど、ビックカメラのフィルム売り場の縮小からも明らかなように、フィルムの市場規模は年々減少しています。以前はドイツのアグファとか、日本のコニカミノルタもフィルムを生産していたけれど、今は富士とコダックだけです。それも、いつまで生産継続するでしょうか。思えば、私が一眼レフを手にしたのは、そんなに昔のことではなく、12~3年のことです。それも、最初はネガを使っていたので、ポジで写真を撮るようになったのは10年前くらいからに過ぎません。だけど、子どもの写真を、ずっとポジで撮っている(室内ではネガでも撮るけど)というのが、結構大きくて、愛着があるんですよね。気に入った写真は4ツ切りに引き伸ばしているのですが、その枚数は年間せいぜい10枚。だけど、ちりも積もれば何とやらで、10年かかって、その総数が何と100枚ですよ。子どもの写真が半分、山と南米の写真が半分です。4ツ切りは1枚1000円かかるので、100枚だと10万円(全部がポジではなく、ネガから伸ばした写真もあるので、実際ははもう少し安いかな)。10年がかりなので、1年あたりでは1万円くらいですけど。だけど、子どもが0歳の時から7歳まで、ずっと4ツ切りの写真が残っているのは、我ながら一つの歴史だと思うのです。(でも、子どもが大きくなるにつれて、だんだん撮影する写真が減ってきたような・・・・・・)ま、デジカメの写真だって4ツ切りくらいプリントできるでしょうが、リバーサルフィルムと比較するとどうなんでしょう。2年後3年後に写真フィルムが消えているとは思わないけど、10年後はどうでしょうね。果たしてフィルムはまだ生産されているでしょうか。もしフィルムの生産が中止されたら、否応なくデジカメに移らざるを得なくなるわけですが、果たしてどうなのでしょう。
2011.02.27
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実は、昨日の午後から休みを取って、西穂高岳独標に行ってきました。昨日の夕方、高山行きの高速バスで平湯温泉へ。1泊して、今朝新穂高温泉へ、ロープウェーで西穂高口まで行って、西穂独標まで往復、という計画だったのですが、いろいろと齟齬がありまして、結果的にはタイトルのとおり、山頂目前にして、引き返してきました。最大の齟齬は、そもそも、昨日午後からしか休みが取れなかったことですよ。そりゃもちろん、出来ることなら昨日朝から休みを取りたかったのですが、仕事上の都合が色々ありましてね。そういうわけで、昨日は平湯温泉に泊まり、今朝新穂高温泉に向かいました。天気は快晴、こりゃ最高の登山日和だなとおもって、新穂高温泉に到着したら・・・・・・。ロープウェーの客待ちがとんでもないことになっていました。ロープウェーの始発が9時で、私は8時半に着いたにもかかわらず、その時点ですでにものすごい客待ちの行列。その大半は団体ツアー客です。ひたすら待つ待つ待つ。で、結局ロープウェーに乗れたのは10時過ぎ。つまり当初の予定より1時間遅れてしまいました。あの乗客がみんな登山者だったら、登山道は大変なことになっているところですが、実際にはもちろん乗客の95%は一般観光客で、登山者は20人に一人くらいでした。それでも、登山者は結構多かったですけれど。2本のロープウェーを乗り継いで、歩き始めたときはもう11時近かったかも知れません。この段階で「独標までは多分無理だなあ」と思ったのですが、とにかく歩き始めました。朝、ロープウェーを待っている段階では、稜線上はものすごい雪煙が渦を巻いていたので、「こりゃすごく風が強そうだなあ」と思ったのですが(ロープウェーも、強風のため速度を落として運行と、言っていました)、歩き出してみると、風がほとんど止まってしまいました。西穂山荘について12時。稜線上に出れば当然風があるだろうと思っていましたが、やっぱり風はありません。天気は快晴、最高の登山日和です。目指す西穂独標は、目の前にあります。感覚的には、無雪期よりも近くに見えました。多分、こんなに天気が良くて、かつこんなに風がない日なんて、おそらく一冬に1度あるかどうかってところでしょう。でも、西穂山荘から上は急斜面なので、さすがにペースが落ちました。風がなくてぽかぽか陽気だけど、足下の雪面はカチカチのアイスバーンで、斜度も結構あります。どんどん登って、独標直下にたどり着いたのが1時半。岩場のトラバースを超えて、目の前の独標を見上げたら、「うーーーーん、これに登るのは、ちょっと無理かなあ」と思いました。時間的にちょっとね。技術的にも、正直言って自信がなかった。慎重にゆっくり登って、それ以上に慎重にくだれば、全然無理とは思わなかったけど、時間に追われている状況では、それは無理。うーん、西穂山荘に1泊しようかなあ。でも相棒には今日中に帰ると言って出てきたので、無断延泊なんかしたら、家庭内の平和が・・・・・・。それに、明日は天気が崩れるという予報だし。そういえば、つい2週間ほど前、ここで滑落事故が報じられていたなあ。なーんてことをあれこれ考えて、結局山頂100m手前(いや、もっと近かったかも知れません)から引き返してしまいました。西穂高岳独標は、西穂本峰の手前の手前の・・・・・・山(いくつ手前のピークなのか、正確には知りませんが)なので、「山頂」と言っても山頂ではないんですよね。で、下山してみたら、ロープウェーは相変わらず長蛇の列でした。まあ、これだけ天気が良ければお客さんが多いのは当然かも知れませんが。写真も撮りましたが、例によってリバーサルフィルムなので後悔に時間がかかります。とりあえずは携帯で撮った写真など。※もともと強い日差しで液晶画面が見にくい上に、その対策のためサングラスをかけているから、写真を撮っているとき携帯の液晶画面はまったく見えていません。写っているんだかいないんだか、手ぶれしているかいないか、まったく分からずにシャッターを切っているんだから、写真の質についてはご容赦を。(そのうちに、ちゃんとした写真もアップします)左が笠ヶ岳、中央右側は多分双六岳でしょう。撮影場所からは北西方向になります。上記とは正反対に南東方向に向けて。霞沢岳です。手前の谷底が上高地になります。上高地を撮ったつもりですが、多分隠れています。写っているのは大正池あたりでしょう。中央は前述の霞沢岳、右奥に切れかかっているのは乗鞍岳。ちょっと分かりにくいですが、中央奥が焼岳、もっと遠方の左手が乗鞍岳です。西穂高岳独標は、中央部にごちゃごちゃと並んでいるピークのうち、右から2番目です。(一番右は白、その隣の独標は茶色く写っています)もう少し近くから撮った写真。独標は、ちょうどど真ん中の茶色い(右端に少し白い部分もある)ピークです。私が引き返した地点は、この写真では多分手前のピークの影に隠れています。いや、天気は最高でしたが、とにかく時間に余裕がなさ過ぎました。雪の上に座り込んでゆっくり過ごす時間が全然なかった。やはり、雪の時期のこの行程は、西穂山荘で1泊した方が良いようです。(無雪期は、またちょっと状況が違うのですが)
2011.02.26
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000012-maiall-bus_all<輸入小麦>4月売り渡し、18%値上げ 不作、新興国需要増受け農林水産省は23日、民間の製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を4月から主要5銘柄平均で18%引き上げ、1トン当たり5万6710円とすると発表した。同省は毎年4、10月に価格を改定しているが、値上げは昨年10月に続き2期連続で、上げ幅が2桁に達するのは08年10月以来2年半ぶり。生産国の不作や新興国の需要拡大、農産物市場への投機資金流入などで国際相場が高騰しているためで、パンやめん類などの製品価格に転嫁されれば、食卓にも大きな影響が出そうだ。日本が消費量(09年で約626万トン)の85%を輸入に頼る小麦は、大半が政府を通じて輸入されている。農水省は売り渡し価格を改定時期の2カ月前までの6カ月間の輸入価格を基に算定しているため、その時期の国際価格が反映される。シカゴ市場での小麦の先物価格は、08年2月に1ブッシェル(27・2キロ)あたり12・8ドルの史上最高値をつけた後は値下がりに転じ、10年半ばまでは4~5ドル台の落ち着いた相場が続いた。しかし、同年8月に干ばつで不作となったロシアが穀物輸出を停止したことなどをきっかけに再び上昇基調に転じ、豪州での洪水や中国の干ばつも加わり今月初めには8ドル台にまで上昇した。(以下略)---------3年ほど前にも食料価格が猛烈に上昇しことがありました。その当時、日本は幻想のようにはかない「好景気」の時代でしたが、その後世界同時不況によって食料価格も大幅に下落しました。しかし昨年から再び食糧の高騰が始まっています。3年前と違って、日本は(先進国の多くも同様)不景気のただ中にあるのですが、食料価格はどんどん上がり、とうとう3年前の水準を超えてしまいました。http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20110204-OYT8T00322.htm食糧農業機関(FAO)が3日発表した1月の世界の食料価格指数は230・7となり、比較可能な1990年以来、過去最高となった。新興国の需要の増加などにより、指数を構成する砂糖、穀物、乳製品などの価格が上昇したためだ。指数の上昇は7か月連続。---------食糧高騰の原因は、異常気象による生産の低迷、それにも関わらず食糧の需要が世界的に増大していること、投機マネーの流入、食糧の一部がバイオエタノールに流れていることなどの原因によるようです。前回は好景気下の食糧高騰でしたが、現在は不景気下であるため、前回よりなお一層影響が大きいように思います。資源にしろ食糧にしろ、生産には限界があります。好景気下での高騰ならともかく、不景気下でも高騰しているということは、食料価格が下落する材料は見あたらない、ということになります。それどころか、地球の気候は、地球温暖化の影響もあって、不安定さを増しているように思いますから、ますます異常気象による不作のリスクは増大しているのではないでしょうか。金さえあれば外国からいくらでも食糧が買える、という時代がいつまでも続くとは思えません。それにも関わらず、菅政権は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加を検討と言っています。TPPに参加して、農産物に一切の関税がかからなくなると、日本の農業はどうなるのか。農水省の試算では、現在約40%の食糧自給率(カロリーベース)が14%にまで下がるといいます。今だって日本の農業は危機的ですが、自給率14%なんてことになったら、危機的を通り越して壊滅です。金さえあれば外国からいくらでも食糧が買える時代が、今後も長く続くならそれでも良いのかも知れませんが、どう考えたって危険すぎると私は思うのです。
2011.02.24
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私は、南米・メキシコという比較的治安の良くない地域にばかり旅をしており、ドロボーにやられちゃったことも2度ほどあるのですが、ただ自然災害には幸いにも遭遇したことがありません。ペルーもチリも地震・火山噴火・津波のよくあるところだし、ボリビアも私が最後に行ったとき(2001年12月)の2ヶ月ほど後に、首都ラパスが死者数十人の水害に見舞われたことがあります。私が旅行していた間にも、ラパスでは、ちょっと雨が降っただけで驚くほど増水して、中心街の大通りが川になってしまったことがありました。下水が貧弱だから、すぐにあふれかえっちゃうらしいです。東京でも1960年代は下町でよくあった光景かも知れませんけれど。買い物に出かけて、宿に帰ろうと思ったら、さっき渡ってきた横断歩道が水の中で、大いに焦りました。何とか水のないところをたどっていったのですが、最後にどうしても幅3~4メートルの濁流が立ちふさがっているんですよ。走り幅跳びなら何とか超えられそうな距離でしたが、荷物を持っているし、飛んでみたらちょっと届かなくて、片足を濁流に突っ込んでしまいました。濁流といっても水深20センチくらいでしたけれど、問題は濁流の原因が、前述のとおり「豪雨で下水があふれかえった」ことです。どういう水か、分かりますよねえ。そりゃもうとてつもなく汚いわけです。ま、そんな話は生命に危険のあることではない一種の笑い話ですけれど、「この程度の雨でこんなに水が溢れるとは、水害には弱そうな町だな」とそのとき思ったのです。豪雨といっても、最近では東京でも夏場によく見かける集中豪雨ほどではなかったのですから。そうしたら、案の定その2ヶ月後に大水害が起きた。私が買い物をした楽器店も水没したそうです。そうそう、災害とは微妙に違いますが、私の演奏仲間が、やはりボリビアで夜行バスに乗っていて、バスもろとも道路から転落して大けがを負ったことがあります。その話を聞いたときは「ふーーーん」と思いましたが、数年後、実際に同じコースのバスに乗ってみたら、「こんなところでバスごと転落して『大けが』で済んだら、すごい幸運かも」と思いました。あんなところでバスが転落したら、たいていの場合は、命ないでしょう。ガードレールもない、街灯もない、舗装もされていないうねうね道を何百キロも走るんですから。昨日ニュージーランドで起こった地震ですが、当初マグニチュード6.3と聞いて、そんなに気にもとめていなかったのですが、マグニチュードは小さかったものの、震源がクライストチャーチのほぼ直下だったこと、震源の深さが4kmと、非常に浅かったことで、マグニチュードから想像されるより遙かに大きな被害になってしまったようです。それにしても、こんなに多くの日本人が地震に巻き込まれるとは、思っても見ませんでした。救出には全力を尽くしてほしいですが、地震発生からまる1日以上経ってまだ救出されていないということは、残念ながら行方不明者のかなりの部分が、生存が絶望的な状況と思わざるを得ません。海外で災害に遭遇した場合は、生活の基盤がそこにないだけに(場合によっては言葉も分からない)、なかなか厳しいことになることが多いようです。海外での医療費は、びっくりするほど高額であることが多いし、国によっては医療費をけちるととんでもないことになる場合があります(ニュージーランドは違うでしょうが)。ボリビアは、街中に手のない人や足のない人を見かけることの多い国なんですが、内戦があるわけでもないのになぜだろうかと思ったら、「ここでは医療のレベルが低いから、ちょっと複雑骨折でも医者が面倒がって切断しちゃうんだよ」と聞いて、ひーーーーーっ、と思ったものです。(今回の地震でも、救出の際に足を切断された方がいらっしゃるようですが、これはがれきに足を挟まれていたため、やむを得なかったようです。ひょっとすると、救出の時点で壊死していたりのかも知れません)だから、私は海外旅行では必ず旅行保険をかけてます。ただし、旅行保険も、今回のような災害に対しては、効果がない。戦争と大規模災害は保険金支払いの対象外になってしまいますからね。ツアーとか、学校の団体旅行の場合は、旅行会社や学校を通じてのサポートがあるでしょうが、個人で渡航している場合はそれもない(私も、団体旅行で海外に行ったことはほとんどありません)。そうすると、海外で災害にあったときに一番確実な対策は、そもそも海外になど行かないことだ、ということになってしまいそうですが、人間どこにいたってリスクは必ずあるし、東京だって明日大地震に見舞われたって不思議ではないんだから、そういう意味では、どこにいたって同じだ、とも言えます。私は、旅行に行ったときに「旅先で災害にあったら」と頭をよぎることはありますが(特に、冬山の登山は一応遭難の可能性を考えますから)、じゃあ怖いから旅行を止めるかというと、絶対そんなことはしないんですよね。
2011.02.23
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チュニジア・エジプトに続いて今度はリビアが騒乱状態になっているようです。カダフィー大佐がデモ隊に対して発砲を命じて、大量の死者が出ていると報じられています。それが事実とすれば、もはや体制の崩壊は目前に迫っていると考えざるを得ません。また、イラン、イエメンなどの国々でもデモが起こっているようです。国境を越えてデモが次々と伝播していくのは、インターネットの威力でしょう。エジプトは、それに対して国全体をネットから切断という暴挙に出たけれど、そんなことをしても、一度動き出した流れは止められなかった、ということでしょう。それにしても、この間倒壊した(倒壊しようとしている)政府の顔ぶれを見ると、なかなか面白い。チュニジアとエジプトは、親米派の政府が倒壊し、リビアでは反米派政府が倒壊に瀕しています。(厳密に言えば、カダフィー政権は米国と手打ちをしているので、もはや反米派とは言えないのですが、過去の経緯も含めて「反米派と思われている政権」と言う方が正確かもしれません)親米反米問わず、既存の政権が次々と倒壊しているわけです。しかし、親米と反米という違いはあっても、これらの国々の政権には一つの共通点があります。それは、ものすごく長い期間政権に就いていた、ということです。チュニジアのベンアリは1987年から23年間、エジプトのムバラクは29年間、リビアのカダフィは41年間、権力の座にあります。イエメンのサレハも17年間。しかも、程度の差はあるけれど、反対派に対する弾圧があった。そういった国々の政権が、次々と倒壊に追い込まれているわけです。次はどこの国がどうなるのか、興味深いところではあります。
2011.02.22
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実は、昨日新しいハードディスクを買ってきました。私のパソコンは去年自作したばかりですが、ハードディスクがどうも今ひとつよくない。何が良くないって、ピーッガリガリガリッと、すごい音を立てるのです。CPUファンより電源ファンより、ハードディスクのアクセス音が一番うるさい。あまりにうるさいので、SSDを導入して、OSはSSDに入れてハードディスクはデータ保存専用にしたので、これで劇的に静かになりました。が、データ保存専用にしても、デフラグかけたり、ウィルスチェックかけたり、メールをダウンロードするときは、やっぱりガリガリガリガリっと、凄い音がする。頻度は非常に減ったので、「うるさくてかなわない」ということはないのですが、何だか今にもハードディスクがぶっ壊れそうな音なので、どうも精神衛生上よろしくないのです。それで、とうとう新しいハードディスクを買うことにしました。ところが、昨日は相棒が外出、子どもが「お寿司食べたい」というので、2人で回転寿司屋へ。食べ終わったら、「家に帰る」という子どもをなだめて、秋葉原へ。実はですね、最近フォルクローレの練習にはいつも子どもを連れて行くのですが、練習以外で子どもと2人で出かけるのは(というか、付いてきてくれるのは)、かなり久しぶりです。練習の時は、いつも他のメンバーが同じくらいの年の子どもを連れてくるので、一緒に遊ぶのが楽しいのですが、おとーちゃんと2人だけだと、どうもね。おとーちゃんがハードディスクを選んでいる間は、子どもは面白くなさそうでしたが(パソコンのパーツを眺めるのが楽しいと思う子どもも、あまりいないでしょうが)、帰路は、秋葉原から神田川沿いを3駅ほど歩いたら、それは結構楽しかったみたい。購入したのは、5900回転という、少し低速のハードディスク(その方が音が静かそうですから)ですが、容量は2テラバイトもあります。お値段は7500円ほど。容量2テラバイトですよ、でかい。その容量の大きさを、パソコンに取り付けてから、痛感することになりました。データ専用のハードディスクを交換するだけですから、再インストールなどはなく、ただハードディスクをフォーマットしてデータを移し替えるだけ、なんですけどね、そのフォーマットが・・・・・・・・午後3時過ぎに始めて、9時までかかりました。所要時間6時間。2テラバイトのハードディスクって、フォーマットだけでこんなに時間がかかるものなんですねえ。驚きました。交換前のハードディスクも、容量1テラバイトだったので、フォーマットに3時間かかったはずなのですが、そのときは夜中にフォーマットさせておいて自分自身は寝ていたので、実際にどれだけ時間がかかったのか知らなかったのです。30分かかって10%もフォーマットが終わっていないことに気がついたとき、「しまった、クイックフォーマットにすればよかった」と後悔したのですが、もう遅い。フォーマットを途中で止めたら、ハードディスクが壊れてしまいますからねえ。全然終わらないから、昨日のブログの記事も、ハードディスクをフォーマットさせながら打ち込みました。で、肝心のデータですけれど、実は140GBほどしかありません。容量的には、2テラバイトどころか1テラバイトでも充分に間に合ったのですが・・・・・・・。それにしてもですね、私が始めて購入したパソコンは、1999年2月、NECのバリュースターで、そのスペックはハードディスク6.4GB、メモリー64MB、CPUはセレロン366MHzというものでした。今使っているパソコンは、ハードディスクが2テラバイト、メモリー4GB、CPUはアスロンIIX4 605e(2.3GHz)というスペックなので、ハードディスクの容量は初代パソコンの300倍以上にもなります。メモリーは64倍(ただし、WinXPでは一部認識できない容量がある)、CPUは周波数では6倍くらいですが、コアが4つあるCPUなので、実質は6×4で24倍?どのパーツも12年間で随分性能が上がっていますが、中でもハードディスクの容量の増加が一番急激なようです。追記ですが交換前のハードディスクと、交換後のハードディスクをベンチマークテストで比較してみました。交換前は1年前に購入した1テラバイト、7200回転の高速爆音ハードディスク(日立のHDS721010CLA332)、交換後は2テラバイト、5900回転の低速静音ハードディスク(SeagateのST32000542AS)。・・・・・・実は速度差がほとんどありませんでした。シーケンシャルアクセス(連続読込/書込)は、高速爆音ハードディスクの方が早いのですが、その差は1割にも満たないので体感上の差はないし、ランダムアクセスは低速静音ハードディスクの方が早い。(これも微差ですが)音は、低速静音ハードディスクの方が全然、圧倒的に静かです。
2011.02.21
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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110220ddm001010066000c.html明日はある…か?:消費税・考/1 「15%でも財政悪化」 内閣府の試算、お蔵入り◇昨年5月 鳩山首相、菅財務相は言葉を失った昨年5月上旬。東京都内のホテルの一室で、鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務相、平野博文官房長官(いずれも当時)は、配られたグラフを見つめ「うーん」とうめいたまま、言葉を失った。消費税を14年から5年間、(1)毎年1%ずつ10%まで引き上げる(2)2%ずつ15%まで引き上げる--の2ケースを想定し、内閣府が作成した「消費税増税シミュレーション」。医療・介護など現行の社会保障制度維持を前提に、国と地方の借金(長期債務)残高が国内総生産(GDP)比でどうなるかを示した折れ線グラフは、15%のケースでも右上がりに反り返り、財政赤字の膨張が止まらないことを示していた。ところが、この試算に衝撃を受けたはずの菅氏は首相就任後、「消費税10%」を唱えた。参院選の公約で10%を提案していた自民党に抱きつくため、「全く足りないと分かりながら腰だめの数字を打ち出した」(政府高官)のだ。政府内で「公表すべきだ」との声もあった「増税シミュレーション」は、お蔵入りになった。89年の消費税導入時、日本の借金残高はGDP比で約60%(約250兆円)と英国の43%、フランスの約40%よりやや悪い程度で、税率を5%に上げた97年も96%だった。財政状況は今よりかなり余裕があり、消費税は「所得税など直接税に偏った税制の是正や、景気対策などの所得減税による税収減の穴埋めに使われてきた」(加藤寛・元政府税制調査会会長)。しかし、97年の山一証券破綻などの金融危機を転機に状況は一変。長期の景気後退に、自民党政権は大型財政出動と減税を繰り返し、社会保障費増大も重なって財政赤字の拡大は加速した。10年度末の借金残高はGDP比180%超(約870兆円)と財政危機に陥ったギリシャの130%を大きく上回る。消費税は「財政悪化に歯止めをかける最後の手段」になりつつある。「日本が危機になっていないのは、銀行が国債を買い続けている結果、国債価格の急落(金利急騰)が避けられているためだ」。大蔵事務次官経験者はこう話す。だが、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今年1月、日本国債をダブルAからダブルAマイナスに格下げし、市場の信頼は崩れつつある。ギリシャは財政危機で長期金利が一時、10%近く跳ね上がった。日本で長期金利が2%上がれば、14年度の国債の返済、利払いに充てる費用は、財務省試算の27・1兆円から35・6兆円に跳ね上がる。峰崎直樹・内閣官房参与は「財政改革が遅れれば、日本はデフォルト(債務不履行)に陥る」と断言する。「長期金利が1%上がれば、大手行全体で保有国債に2兆円超の評価損が生じる」。自民党が国債暴落に備えて発足させた「Xデープロジェクト」(座長・林芳正参院議員)の2月16日の会合で、梅森徹・企画局審議役ら日銀幹部は、こう警告を発した。銀行が経営危機を避けようと国債売却に走れば、国債は暴落し財政は一気に破綻する。巨額財政赤字を放置してきた結果、その毒は日本経済の総身に回り、官民もろとも奈落に突き落とされようとしている。(以下略)----------------------うーーーーーーん、この状況は重大であり、子ども手当とか高速無料化なんてことをやっている場合ではない、ということは言えます。参院選での民主党大敗の大きな原因は、選挙直前になって菅首相が「消費税10%」をブチ上げたことにありますが、消費税を10%でも全然足りないというのが実際のところです。ただし、私は思うのですが、財政赤字で増税というのはまあある面仕方がないとは思うのですが、なぜそれを消費税増税だけでまかなおうとするのでしょうか。所得税の最高税率は、1980年代初めには75%でした。住民税の最高税率が18%だったので、合計93%。以降の推移は以下のとおりです。1983年まで所得税75%住民税18%合計93%1984年 70% 18% 88%1987年 60% 18% 78%1988年 60% 16% 76%1989年 50% 15% 65%1999年 37% 13% 50%2007年 40% 10% 50%最高税率がどんどん落ちている。一方で消費税は1989年に3%、97年に5%。消費税は逆進性が強い、つまり低所得者ほど税負担の大きな税制です。つまり、この20年以上、高所得者にはどんどん減税して、低所得者にはどんどん増税してきたのが、この国の税金の制度であるわけです。(ただし、2007年に所得200万円未満の最低税率が10%から5%に引き下げられたので、再底辺層には多少の減税があった)私は思うのです。消費税増税は仕方がないかも知れない。しかし、それと合わせて所得税の最高税率も再引き上げをするべきではないでしょうか。30年前の最高税率93%に戻せ、とまでは言いませんけれど、20年前の50%(および住民税15%)くらいの水準には戻すべきでしょう。もう一つ、実はこの記事には重要な点が触れられていません。債務残高のGDP比が日本は圧倒的に高い、スペインやドイツ、米国はもちろん、経済危機が表面化したアイルランドやギリシャより遙かに高い、これは事実です。ただし、債務残高の中身が違います。日本以外のほとんどの国は、債務残高のかなりの割合が対外債務です。それに対して、日本は対外債務は事実上存在しません。対外債務はあるのですが、対外債権もそれと同じくらいあるので(日本政府が毎年、巨額の米国債を買っている話などはご存じの方も多いと思います)、差し引きすると対外債務はないに等しいのです。ということは、日本の財政赤字というのは、国内からの借金というわけです。直接的には、金融機関が国債を買っています。その原資は預金ですから、間接的には銀行に預金をもつ国民や一般企業が国債を買っているようなものです。金融機関は、企業に融資するより国債を買う方が安心なので(企業は倒産して不良債権になる可能性がありますが、国は倒産しない-とは言い切れませんが、一般企業よりは可能性が低いので、国債に投資する方が安心だと、多くの金融機関は思っているのでしょう)、国債をどんどん買っている。財政赤字について、国民一人あたり500万円という数字が言われます。しかし、この借金の貸し主もまた、我々国民自身(企業も含めて)ということになるわけです。だから借金を続けても大丈夫だ、というわけではありません。国債に買い手が付かなくなったらどうにもなくなるのは、借り手が国内でも国外でも同じことですから。国内の銀行がもう国債を買ってくれない、というときに、国外で国債が売れるはずもないですからね。ただ、既存の累積赤字を一掃してしまうことは可能です。あまり想像したくもない事態ですが、猛烈なインフレが起これば、実質的に借金の価値は目減りしてしまいます。物価が10倍になれば、借金は1/10になるのと同じですからね。対外債務は、そんなことをしても自国の通貨レートが下がるだけだから借金の価値は変わりませんが、借り手が国内なら、可能ではあります。もちろん過去の累積債務はそれで帳消しにできても、日本経済はひっくり返り、財政と日本円の信用も地に落ちることになるわけですから、まさかそんなことはやらないと思いますけれど、財務省はきっと検討はしているんじゃないかと思います。ところで、国債発行残高の推移を見てみると、確かにバブル崩壊以降ものすごい勢いで国債発行残高が増えています。そして、民主党政権になっても国債発行残高は更に激増している。特に2009年がすごい。過去最高の伸び率です。しかし、今年度の伸びもすごい。2009年は、政権交代は9月のことで、その年の国家予算は自民党政権が作ったわけだから、この責任の大半は自民党にあるけれど、今年度に関しては、民主党政権に責任があります。つまり、結局のところ、自民党も民主党も、国の借金を増やすことしかやってこなかったと言えます。
2011.02.20
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http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/02/18/20110218k0000e040044000c.html調査捕鯨:妨害受け打ち切り 予定1カ月残し南極海で活動する調査捕鯨船団(4隻)が反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による妨害や追尾で、3月末まで予定していた捕鯨が中断している問題について、鹿野道彦農相は18日、船団を帰国させることを決めた。閣議後会見で鹿野農相は「乗務員、調査船の安全確保の観点から調査を切り上げる」と述べた。SSの妨害による中止は初めてで、船団は3月上旬にも帰国する。11年度以降の南極海での調査捕鯨実施に影響を与えそうだ。今回の調査捕鯨船団は昨年12月に出港し、1月1日にSSに初めて妨害行為を受けた。今年度の妨害はスクリューに絡ませるためにロープを捕鯨船の進行方向の海中に投げたり、船体に瓶を投げるなど計9回あった。2月に入り、捕獲した鯨を調査、解体する母船「日新丸」が妨害され、その後も追尾され続けたため、調査を中断していた。水産庁によると、約850頭を捕獲する計画だったミンククジラの捕獲は170頭に、50頭を計画していたナガスクジラは2頭にとどまった。SSの妨害は05年度の調査捕鯨から続いている。日新丸への妨害は過去にもあったが、そのたびにSSの妨害船が燃料切れでいったん日新丸から離れたため、活動中止には至らなかった。今回は追尾中の1隻に加え、もう1隻が近づく可能性が高いため、やむを得ず調査切り上げを決めたという。(以下略)--------------私は、捕鯨賛成派、反対派双方に対して異議があります。これについては、以前に書きましたので、そちらを参照してください。ただ、捕鯨推進派の主張にも首をかしげるところはあるものの、それに対して、暴力行為で捕鯨を妨害というのは、いくら何でも常軌を逸していると言わざるを得ません。こういう行為を許しておいて良いのか、と思います。それにしても、シーシェパードの側は、最初から「合法性」などかなぐり捨てています。そういう行為に対して、対抗策というのはなかなか難しい。抗議船が捕鯨船にぶつかってきたからと言って、「じゃあぶつけ返せ」というわけにはいかない。相手が違法行為を厭わないから、こちらも違法行為でやり返す、というのは許されないことだし、ぶつけて船が壊れることは捕鯨船側としては困ることですから。「船が壊れても捕鯨を妨害できればいい」と思っている側と、「船が壊れたら捕鯨が継続できなくなるので困る」と思っている側では、船をぶつけるという行為に対して対等ではないわけです。しかも、「調査捕鯨」と言っても、実際には捕獲した鯨肉を販売しているので、採算を度外視したこともできません。それに対して抗議側は採算などというものは最初からない。(寄付金が途切れたらそれまで、ということは言えるでしょうが)つまり、シーシェパード対捕鯨船、異なる土俵で戦わなければならないわけで、いわば非対称戦争のようなもので、捕鯨船側は非常に不利な条件に置かれている。捕鯨船側も、度重なる妨害行為に対抗するために海上保安官が同乗して、抗議船に対する放水とか、音響弾の投擲などの反撃も行っていたようですが、それでも妨害をはねのけることは出来なかった。もうあとは巡視船を出して護衛するくらいしか手がないわけですが、さすがに費用対効果を考えると、今や消費量がどんどん減っているクジラ肉※のためにそこまでやるのか、ということを考えざるを得なません。※毎日新聞の報道によると、「一方で日本人の鯨離れは進んでいる。水産庁の統計では、国内の鯨肉在庫は10年末現在で5093トンと5年前より4割も増加。捕鯨中止ですぐに鯨肉が足りなくなることはない。」とのこと。私自身、父の存命中は、父がクジラ肉が好きだったために、時々クジラ肉を口にする機会がありましたが、父の死後は食べたことがありません。クジラ肉は好きだけど、わざわざ自分で買いに行くほど(近所のスーパーでは売っていない)でもない、というのが正直なところです。
2011.02.19
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http://www.asahi.com/politics/update/0217/TKY201102170122.html小沢系16人が造反の構え 会派離脱届 首相退陣求める民主党の小沢一郎元代表を支持する同党衆院議員16人が17日、衆院の会派「民主党・無所属クラブ」(307人)からの離脱を求める意向を表明した。離脱には党の了解が必要で執行部は認めない方針だが、16人は菅直人首相の退陣を公然と要求。小沢氏の党員資格停止処分に反発して予算案や予算関連法案の採決で造反する構えもみせており、菅内閣の「倒閣」の動きが党内から噴き出した。16人は「民主党政権交代に責任を持つ会」と称する会派を立ち上げたい考えで、会長についた渡辺浩一郎衆院議員(比例東京ブロック)は17日記者会見し、「無原則に政策の修正を繰り返す菅政権に正当性はない」と述べ、首相退陣を迫った。16人は全員、2009年総選挙で比例区単独で当選。当面は離党しない方針だが、造反の動きを表面化させ、予算関連法案を社民党とともに衆院の3分の2の賛成で再可決・成立させることを目指す首相の戦略を揺さぶる狙いがある。3分の2の確保を見通せなくすることで、民主党と社民党との修正協議に水を差す思惑もありそうだ。小沢氏もこの動きを容認しており、こうした動きがさらに広がる可能性がある。(以下略)----------------何というか、もはや完全に終わったな、という感想です。菅政権の方向性は、完全に新自由主義指向の自民党亜流劣化コピー政権となっているし、対する小沢はというと、政治と金の問題で強制起訴、その小沢を盲目的に支持する議員たちは会派を離脱するんだというのです。もう滅茶苦茶です。私はもともと民主党を信用してはいませんでしたが、それでも、自民党政権よりはまだ多少マシとの思いから、一昨年9月の総選挙では、消極的に支持し、小選挙区だけは民主党に票を投じました。多くの有権者は、私と同様に、もう自民党政治はうんざりだという思いから、民主党に票を投じたのだと思います。しかし、その有権者の思いを、民主党はものの見事に裏切ってくれた。もちろん、今回初めて期待を裏切ったわけではなく、今まで散々期待を裏切り続けてきたのですが、この期に及んで、支持を回復するための方策を模索するのではなく、党内抗争の挙げ句に分裂だというのだから、どうにもなりません。民主党が前回総選挙に勝利した日に、私はこんな記事を書きました。---物事には必ず始めと終わりがあります。自民党政治の始まりは1955年、そして、終わりは2009年8月30日。いや、厳密にはこのあと麻生内閣が総辞職する日かも知れませんが。私は民主党は好きではないけれど、それでも自公政権よりは何割かマシと思っていますので、この結果は非常に喜ばしい。しかし、問題はこれからです。政権交代も大事ですが、そのあとどんな政策を実行していくのかは、もっと大事です。民主党政権になったからと言って日本が劇的に変わるとは思えませんが、多少は期待しています。多くの人々の期待に背く結果となれば、次回総選挙では民主党が今回の自民党のような結果になるかもしれません。---私の危惧は完全に的中してしまったなあと言う感じです。だけど、たった1年半でここまで徹底的に誰の期待も裏切る結果になるとは、さすがに予想していませんでした。
2011.02.17
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先日記事を書いた鳩山前首相の「方便」発言に対して、与野党から批判と反発が集中しているようです。まったくもって度し難い発言であり、批判を浴びるのは当然のことです。が、それはともかく、海兵隊が本当に「抑止力」なのかという点については、よく考えた方がいいでしょう。以前にも書いたことがありますが、沖縄の米軍は、米国の世界戦略上の目的(言い換えれば、米国の国益)のために駐留しているのであって、日本の「防衛」のために駐留しているわけではありません。しかし、米国の世界戦略に盲目的に従っていればよい、という考えの政権にとっては、米国の国益=日本の国益ということになるのでしょうから、「日本を守るために米軍が駐留している」ということになるのでしょう。でも、本当に米国の国益=日本の国益なのか、ということは、よく考えた方がいい。少なくとも沖縄の人たちにとって、米国の国益=沖縄の利益、ではないことは一目瞭然です。そこまで極端ではないにしても、かつては大戦争を繰り広げたことすらある日本と米国の間で、(安全保障面のみに限定しても)利害が完全に一致する、などということは本来あり得るはずがありません。利害が一致しない部分は、双方が譲り合って折り合うのが「対等な関係」だと思うのですが、とにかく米国には(軍事面では)盲目的に従うべきだと信じて疑わない人たちが大手を振っているのが今の日本でしょう。ところがそういう人たちに限って、対韓国とか対中国となると、突然「日本の誇り」だのなんだのと言い出したりする。産経新聞などが典型的ですが、米国の靴先を喜々としてなめている人間が、今更何言ってんのと思います。で、話を抑止力に戻すと、米海兵隊が抑止力だというのは、非常にマユツバな話です。抑止力とは、はてなキーワードによると「行為の達成が困難、または代償が高くつくことを予見させ、その行為を思いとどまらせる力。」だそうです。別の言い方をすると、戦争を起こさせないための備えが「抑止力」です。戦わないための「抑止力」です。自衛隊も、そうだというタテマエになっています。しかし、米海兵隊はそうではない。第二次大戦以降の世界の主要軍事組織の中で、もっとも実戦経験が多いのは米海兵隊ではないかと思われます。つまり、海兵隊の存在によって戦争が抑止されるなどということはまったくなく、むしろ海兵隊の存在によって戦争が激化するというのが現実なのです。海兵隊とは海軍傘下の陸上部隊(米軍においては、軍政上は海軍の一部であり、軍令上は独立した軍隊)であり、その本質は両用戦部隊、つまり上陸作戦を行うための軍隊です。上陸作戦とは、敵の支配する地域に海の上から攻め込んでいって占領する作戦ですから、攻撃的な行動です。それを行う専門部隊ということは、海兵隊は防御のための軍隊ではなく、攻撃のための軍隊だということです。実際、過去の海兵隊の戦歴を見れば防御作戦に使われたことは少なくて、大半は攻撃作戦に使われています。(ま、米国自体の戦歴そのものが、防御戦は少なく攻撃作戦が圧倒的に多いのですが)つまり、沖縄の海兵隊の目的は、「日本を守ること」ではなく「沖縄を拠点に世界各地に出撃して攻撃をかけること」であることが歴然としているわけです。それを「抑止力」と呼ぶのは、あまりに無理があります。
2011.02.16
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この3連休、結局は風邪のため山には行かなかったのですが、もし風邪でなければ、実は北アルプス西穂高岳独標に行こうと思っていました。ところが、その西穂独標で・・・・・・・・・http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110214-OYT1T00790.htm順天堂大医学部教授、西穂高岳で滑落し死亡14日午前7時55分頃、長野県松本市安曇の北アルプス・西穂高岳(2909メートル)で、千葉県浦安市今川、順天堂大医学部教授山田至康さん(61)が雪に埋まっているのを、捜索していた長野県の防災ヘリが見つけ、引き揚げたが、すでに死亡していた。死因は脳挫傷。松本署の発表によると、山田さんは11日、同大医学部山岳会OBの4人パーティーで、岐阜県側から入山。12日午前9時30分頃に、標高2701メートル地点の独標付近で滑落して行方不明となり、仲間が通報した。山田さんは、同大浦安病院勤務で、日本小児救急医学会理事長。六甲アイランド病院(神戸市)院長時代の2006年には、第35回医療功労賞の県表彰を受賞。北アルプスで夏山シーズンに開設される山岳診療所に滞在し、診療した経験もあった。--------------うーーーーーん。やっぱり、やめておいて正解だったかな。遭難した方が、目標が西穂高岳本峰だったのか、独標までだったのかが分かりませんが、もし西穂本峰をこの時期に目指していたとするなら、相当のベテランだったはずです。ただ、そうだとしたら独標あたりで滑落はしないかな。西穂高岳は山頂までに数多くの小ピークが連なっているのですが、独標はその小ピーク群の中で一番手前に位置するピークで、無雪期ならば山登り初心者がここまでなら登れる、というところです。(ここから先の西穂本峰までは、初心者には無理)無雪期なら初心者でも登れるけれど、積雪期は初心者には結構厳しい。実は、一度、雪の時期に登ったことがあるのですが、そのときは山頂手前100mくらいで引き返してしまいました。職場の同僚と5人(リーダーは、先日紹介した、マッターホルン登頂経験のある人)で稜線上を歩いていたら、そのうちの一人が誤って水筒を落としてしまったのです。そうしたら、その水筒が雪の斜面をさーっとすごいスピードで滑り落ちていった。あれを見て、リーダーを除く全員の血相が変わりました。落ちていったのが水筒だったから良かったけど、あれが人間だったら・・・・・・。で、いよいよピークの直前にきたら、何だか目の前のピークがものすごい断崖絶壁に見えたんですね。実際、ピークの手前、ほんの十メートルくらいは手を使わないと登れない。無雪期なら手を使うくらい当たり前ですけどね、積雪期となると話が変わってくる。しかも、そのときは結構猛吹雪だったんです。で、何となく尻込みしていたら、他の3人もやっぱり「引き返そうか」と。リーダーは大ベテランだけど、それ以外は全員、私と似たり寄ったりの冬山経験だったんです。マッターホルン組のリーダーだけが「え、ここで引き返しちゃうの?」と驚いていましたけど、その他の全員が尻込みしたので、結局はそこまでになりました。猛吹雪で視界もほとんどなかったですしね。その後、10月末に登ったことがありますが、雪がなければ、まったくどうということはないのです。で、今回改めてと思っていたのですが、ま風邪も引いたし、そうでなくてもこの天気ではあの山頂は絶対無理と思い、中止しました。再来週か、あるいは3月の3連休に雪山再チャレンジの予定ですが、行き先は・・・・やっぱり、西穂独標はやめて、八ヶ岳にしておいた方がいいかなあ。もっとも、そのときと同様に山頂手前100mで引き返す手もありますが。西穂高岳。右端から2番目のピーク(山頂が台形に見えるところ)が独標です。西穂独標から西穂高岳本峰方面を見たところ。この後、写真一番手前のピークの途中まで行ったのですが、夜行日帰りだったので時間切れで引き返しました。西穂独標から振り返って撮った写真。3月に登ったときは、確かこのあたりを抜けてちょっと行ったところで引き返しました。同行者の水筒が滑り落ちていったのは、確かこのあたりではなかったかと。雪の西穂高岳です。これは、2006年に家族旅行で新穂高温泉に行ったとき、ロープウェーの終点から撮った写真です。当時2歳の子ども連れでしたから、もちろん遊歩道しか歩いていません。それはともかく、東京はまた雪ですね。金曜日は「積もる積もる」と言って、結局屋根の上以外積雪はなかったのですが、今日は結構積もっていますね。帰宅時、職場を出たときは雨、電車を降り時は雪だったのですが、そのときはそんなに寒く感じなかったので、「多分積もらないな」と思ったら、予想が外れました。明日の出勤時の交通機関は果たして・・・・。
2011.02.14
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昨日の記事では、鳩山前首相の発言をちょっと評価したばかりなんですけどね・・・・・・http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20110213rky00m010007000c.html普天間移設問題:「抑止力は方便」断念理由後付け 鳩山前首相が証言鳩山由紀夫前首相は12日までに琉球新報などとのインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の移設交渉の全容を初めて語った。「県外移設」に具体的な見通しがなかったことを認めた。「県外」断念の理由とした在沖米海兵隊の「抑止力」については「辺野古しか残らなくなった時に理屈付けしなければならず、『抑止力』という言葉を使った。方便といわれれば方便だった」と述べ、「県内」回帰ありきの「後付け」の説明だったことを明らかにした。在沖海兵隊の「抑止力」の根拠の薄弱さを浮き彫りにした前首相の歴史的証言は、県民の反発と波紋を広げそうだ。海兵隊の抑止力については「一朝有事のときに米国人を救出する役割だから、存在自体が直接、戦争の抑止、攻撃の抑止になるわけではない。全体として4軍そろっていることが必要で、全て連関している中での抑止力となる」と説明。米側とは「県外移設」に向けた具体的交渉はなく、「最後はオバマ米大統領との間でやるような話だったと今、後悔している」と述べた。「県外」困難視の閣僚や辺野古案支持の官僚を最後まで統率できなかったことを力量不足と振り返った。(以下略)---------------そりゃまあ、沖縄の海兵隊が「抑止力」だなんて、馬鹿馬鹿しいもいいところでして、そんな話を真に受けるのはよほどの親米派だけでしょう。が、それにしても、鳩山が「沖縄の海兵隊は日本を守る抑止力だ」などと寝言を言って、普天間基地の県外・国外移設を放棄し、社民党の離反を招き、政権を投げ出したのは、たった9ヶ月前のことです。その、県外移設を断念する「根拠」として挙げた「抑止力」が、ただの方便でしたって、いくら何でもあまりに言葉が軽過ぎはしませんか?いや、まあ鳩山の言葉が軽いのは当時から分かっていたことではありますけどね。たった9ヶ月で「真相」を公表できるならば、なぜそれを、その当時国民に対して、沖縄住民に対してきちんと説明しなかったのか。普天間基地の県外移設には困難が伴うことは分かります。だけど、問題なのは鳩山がこの問題解決に向けて、具体的に努力をしている形跡がまったく見られなかったことです。実際、記事によれば「具体的な見通しがなかった」「米側とは「県外移設」に向けた具体的交渉はなく」だそうです。見通しもなく具体的な交渉もないでは、何も努力していないのと同じです。その挙げ句に、「3月の予算成立後で7月の参院選の争点化を避けたタイミング」という政治的都合から、「5月までに決着」などというタイムリミットを自分で設定して、間に合わないからやっぱり辺野古に移転って、馬鹿馬鹿しいにもほどがあります。普天間基地の海外移設を願う誰もが、「5月までに決着」なんてことは要求していなかったし、だいたい辺野古移転という自民党政権時代の案だって、普天間基地の移設が決まってから移転先が決まるまでに8年かかっているんです。基地は、ひとたび作ってしまったら、何十年も使われてしまいます。今の沖縄の米軍基地は、すでに60年以上続いている。交渉に10年かかっても、拙速に交渉して60年基地が残るよりはずっといい。「最後はオバマ米大統領との間でやるような話だったと今、後悔している」国外移設を実現するために本気で交渉するつもりなら、それが必要不可欠なのはわかりきった話だと思うのですが、どうでしょう。大統領との直接交渉を模索するのは当たり前で、それをやらなかった(ことを後で後悔している)時点で、必要な努力を怠っていたのは明らかです。で、海兵隊の役割については、「一朝有事のときに米国人を救出する役割だから、存在自体が直接、戦争の抑止、攻撃の抑止になるわけではない。」・・・・・・やっぱり正しく理解していない気が。米海兵隊は、「一朝有事のときに米国人を救出する」ためのものではありません。そういう目的にも使えるでしょうが、そのために3個師団もの強大な兵力を維持しているわけではない。それにしても、普天間基地移設問題は、私にとっても民主党政権に対する評価のターニングポイントでした。あれ以降、民主党政権を評価しよう、応援しようという気は、全然ないですからね。あとは、個別の政策で賛同できるものは賛同する、というだけなのですが、しかし私が賛同できる民主党の政策(夫婦別姓、外国人地方参政権、大型開発の中止など)は、ほとんど何も実現しておらず、あまり支持できない政策(子ども手当増額とか)ばかりが実現しているという、悲しい現実。というか、そもそも実現した政策自体があまりないですけどね。実現した政策の中で私にとって賛同できるものは、高校無償化くらいですね。
2011.02.13
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http://www.asahi.com/international/update/0210/TKY201102100191.html「とんがった空気の日ロ外相会談 北方領土問題、進展なし」モスクワを訪問中の前原誠司外相は11日午前(日本時間同日午後)、ロシア外務省でラブロフ外相と約1時間50分、会談した。ラブロフ氏は冒頭、メドベージェフ大統領の北方領土訪問を菅直人首相が「許し難い暴挙」と発言したことに不満を表明。領土問題で議論は平行線をたどった。ラブロフ氏は「今日の会談はより良好な雰囲気の中で行いたかったが、残念ながらそうではない。北方領土の日に受け入れがたい行為があったからだ」と述べた。7日の北方領土返還要求全国大会で菅首相が昨年11月の大統領の北方領土訪問を「許し難い暴挙」と非難したことなどに反発する発言だ。外相会談後の共同会見でも日本政府の姿勢について「平和条約問題の解決に役立たない」と述べた。一方でラブロフ氏は「平和条約問題についてロシアは議論を続ける用意がある」と指摘。領土問題は「前提なし、一方的な歴史的結びつけなしで進める必要がある」と歴史専門家による委員会設置を提案した。日本側の「旧ソ連の不法占拠だ」といった立場に反発した発言と見られる。(以下略)-------------- 日本の抱える領土問題は、尖閣諸島、竹島、北方領土の3つがあります。このうち、竹島問題については、私はきちんと調べていないので、発言は控えます。尖閣諸島問題については、日本側の主張に理があると私は思います。しかし、北方領土問題については、残念ながら日本側の主張には理がないと言わざるを得ません。確かに、北方領土はかつて日本の領土でした。それを旧ソ連が第二次大戦末期に、侵略によって不法に占領したことは事実です。しかし、占領の経緯が不法だったから現在の実効支配も不法なものだ、とは言えません。そんなことを言い出したら、米国は領土をすべて先住民とメキシコから奪っているんだから、まさしく「不法国家」だし、日本自身だってかつて独立国だった琉球を侵略して領土に組み入れているんだから、やっぱり「不法占拠」だということになってしまいます。以前にも書きましたが、日本は、国後・択捉の2島については、サンフランシスコ平和条約で放棄しています。日本政府自身が、当時は国会答弁で「国後・択捉は千島列島に含まれる」と明言している。5年後になって、政府はこの答弁を取り消していますが、中国が尖閣諸島について、以前は日本領だと認めていたのに後から中国領だと言い出したのと同様で、説得力に欠けます。更に、日ソ共同宣言では、こうなっています。日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。歯舞・色丹の2島は千島列島ではないので、サンフランシスコ条約では放棄していないはずなのですが、この共同宣言によって、「平和条約が締結された後に、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡す」つまり、逆に言えばそれまでは北方領土はソ連の統治下にあり続ける、国後・択捉はどちらにしても返還しないということを日ソ両国が共同宣言として確認しているわけですから、平和条約未締結の現在、ロシアの北方領土統治は(歯舞・色丹も含めて)「不法占拠」ではないのです。私だって、北方領土は返還されるべきだと思います。しかし、そのための交渉の出発点として、ロシアが北方領土を「不法占拠している」と非難するのは、事実として誤りだし、交渉ごととしても、そんなことを言ったら相手が怒るだけで、「はい、分かりました」と返還に応じるはずなどありません。サンフランシスコ平和条約にしろ日ソ共同宣言にしろ、永久不変の条約ではありません。沖縄だって、サンフランシスコ条約で米国の信託統治領とされましたが、20年後に返還されています。北方領土だって、サンフランシスコ条約では放棄したけれど、その事実を認めた上で返還交渉するしか、解決策はないと思います。現実問題として、四島返還は99%以上ないでしょう。しかし、歯舞・色丹の二島返還なら、可能性はある。その意味で、鳩山前首相が「四島を同時に返せというアプローチであれば、今のような現実の中で未来永劫平行線のままだ」と指摘した。その上で「2島にプラスアルファという考え方で、プラスアルファの解釈に知恵が必要だ」と述べ、歯舞群島、色丹島の返還を前提に、国後、択捉両島の帰属問題に関しても協議を進展させる方法を模索すべきだとの考えを示した。と、講演で述べたというのは、まったくそのとおりだと私は思います。(でも、首相在任中にそれを言って欲しかったですが)前原外相が北方領土の「不法占拠」を非難し、菅総理がロシア大統領の北方領土訪問を「暴挙」と非難したのは、国内向けに、対外強硬論好きの世論向けの人気取りだったのかも知れませんが、そんなことを叫んで北方領土返還が実現できる可能性は、皆無であると言うしかありません。
2011.02.12
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本当は、今日の今頃は八ヶ岳の雪の中で山登りをしているはずでした。しかし現実には風邪をひいて家にいます。ま、東京も雪なので、なんちゃって雪山気分、と言いたいところなのですが、雪は結構な勢いで降っているけど、気温が高いのでまったく積もりません。ま、風邪でなくても、この天気で山に行っていたら、猛吹雪の中を登る羽目になっていたでしょうけどね。雪の上のスポーツといえば、スキーとスノボがありますが、私は学生から20代前半にかけて、ほんの何回かゲレンデスキーをやったことがありますけれど、それ以降十数年、まったくスキーをやったことがありません。(スノボは一度もやったことがない)今では、雪の上というのはもっぱらアイゼンとピッケルでガシガシと登り降りするところだと決めてかかっています。でも、いつだったか、ゴールデンウィークの涸沢で、奥穂高山荘からザイテングラードを下ろうと思った瞬間、すぐ隣から、山スキーの人がサーーーーっと滑り降りていくのを見て「うらやましいなあ」と思った記憶があります。うらやましいんだけど、ゲレンデの初心者コースしか滑ったことのない私には、そんなところはとてもスキーじゃ降りられないんですけれどね。ザイテングラードを上から見ると・・・・・・あまり、見えてませんね。下から見ると・・・・・写真左側にトレースがたくさん付いていて、何人か人の姿もあるのが分かるでしょうか。このルートがザイテングラードです。もっと遠くから見ると・・・・・・左の奥穂高岳と中央の涸沢岳の間の鞍部に向かって登る斜面がザイテングラードです。こういうところを登るには、アイゼンとピッケルが必須です。ピッケル(英語ではアックスと呼ぶ)アイゼン(同じくクランポンとも)アイゼンを登山靴に付けたところところで、歴史的に見ると、登山用具の中でまずピッケルが先に発明されて、アイゼンは少し後で発明されたと聞いたことがあります。確かに、工業技術的に見て、ピッケルよりも、靴にきちんと装着できるアイゼンの方が難易度が高そうです。そして、1865年、エドワード・ウィンパーがスイスアルプスのマッターホルンを初登頂した当時、ピッケルは既にあったけれど、アイゼンという登山道具はまだなかったのだそうです。※えーーーーーー、と思います。私は、冬山でもアイゼンだけ持ってピッケルを持たずに登ることは時々ありますが、ピッケルだけ持ってアイゼンをもたずに冬山に登ったことは一度もありません。私はもちろんマッターホルンなんて登ったことはありませんが、職場で先輩が登ったことがあります。彼は、日本では槍ヶ岳の北鎌、北岳バッドレス、谷川岳一の倉沢など名だたる岩場をいくつも登ったことのある人ですが、マッターホルンではガイドをお願いしたそうです。岩登りの技術がなければマッターホルンはとても登れない。もちろん、雪線高度より上にあるので、夏でも雪です。そんなところをアイゼンなしで登る・・・・・・とても想像できません。(いや、私にとってはアイゼンがあったって想像できないのですが)いったいどうやってと思うのですが、ピッケルで雪面にステップを切って登ったらしいですね。氷雪地帯とはいえ、岩雪ミックスで、岩がむきだしの部分も多いでしょうし。ウィンパーの初登頂時、下りでザイルが切れて、7人のパーティーのうち4人が墜死したというのは有名な話ですけれど、そりゃアイゼンがなければそうなるのも当然です。今、マッターホルンにウィンパート同じ装備で登るというのは、ものすごく危険度の高い(ほとんど無謀な)冒険になるでしょうね。なんて記事を書いていたら、降雪が一段と激しくなってきて、隣家の屋根がうっすら白くなってきました。※ただし、ウィンパーの時代にはまだピッケルしかなくてアイゼンがなかったという話は、そのマッターホルンに登った職場の先輩から聞いたのですが、ネット上で検索した限りはソースは発見できませんでした。
2011.02.11
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http://www.asahi.com/national/update/0209/SEB201102090021.html「山口県、ハクチョウなど358羽殺処分へ 鳥インフル」山口県は9日、宇部市の常盤公園で飼育していたコクチョウが死に、遺伝子検査で高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたと発表した。宇部市はコクチョウと同じ湖内で、切り羽して放鳥飼育しているハクチョウ類358羽と、ガン41羽の殺処分作業を始めた。コクチョウは9日朝、死んだ状態で見つかった。そこから約100メートル離れ、コクチョウが見つかった湖と網で仕切られた湖内では6日、衰弱した野鳥のキンクロハジロが見つかった。死後、鳥インフルエンザウイルス(A型)が検出されており、高病原性かどうか鳥取大で遺伝子検査をしている。常盤公園は、近くの幼稚園まで空を飛んで通うようになり、園児たちと遊ぶ姿が話題となったモモイロペリカンの「カッタ君」がいた場所。ペリカン45羽はキンクロハジロ側の湖で放鳥飼育しており、市は異常がないかどうか監視を続ける。-----------口蹄疫騒動のときにも疑問を感じたのですが、鳥インフルエンザでも、感染症の流行を阻止するための殺処分というのに、どうも違和感を感じるのです。少し前の記事にも書きましたが、高病原性の鳥インフルエンザが最近各地で続々と発見されていますけれど、これが、鳥の世界で強毒性鳥インフルエンザが大流行しているという意味なのかどうかはかなり疑問の余地があると思っています。鳥インフルエンザが問題視される前は、鳥の死体があるからといって、いちいちウィルス検査などやっていなかったでしょう。だから当然高病原性鳥インフルエンザのウィルスも発見されることがなかった。それだけのことであるような気がするのです。なぜなら、野外で鳥インフルエンザによる野鳥の大量死のような事態は日本では特に報告されていないからです。野鳥とはいえ、越冬中のガンカモ類は多数が密集して生活していますから、感染症が流行していれば、大量死が観測されていないはずがありません。私の推測が正しいとすれば、このくらいの頻度で強毒性鳥インフルエンザが存在することが「あたりまえ」なのであり、それを完全に撲滅するなんてことは無理な相談だと思うのです。日本中から野鳥(特に水鳥)を完全撲滅するなら、鳥インフルエンザも完全撲滅可能かも知れませんが、そんなことは不可能だし、やって良いことでもありません。それでも、家畜や家禽は、もともと人間が利用するためのものですから、ある面では殺すの仕方がないとも言えます。しかし、この記事の場合は、殺処分の対象は、飼育されているとはいえ、家禽ではなく野生種であるように読めます。野生種の鳥は、人間が利用するために存在しているわけではないのです。それを、鳥インフルエンザが出たから全部殺処分というのは、どうも違和感がぬぐえません。
2011.02.09
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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110207k0000m010038000c.html名古屋トリプル投票:河村氏陣営が完勝 市長、知事選制す任期満了に伴う愛知県知事選と前市長の辞職に伴う出直しの名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票が6日投開票された。市長選は前職の河村たかし氏(62)=減税日本公認=が過去最多得票だった前回(09年4月)の約51万票を約15万票上回り、再選された。知事選は河村氏が担ぎ出した前衆院議員の大村秀章氏(50)=公明県本部支持=が初当選。直接請求(リコール)による住民投票は、賛成票が7割を占め、市議会解散が決まった。政令指定都市でリコール成立により議会が解散されるのは初めて。市議会との対立から「トリプル投票」を仕掛けた河村氏の勢力が完勝した。(以下略)-----------名古屋市議会の任期は、もともと今年4月までで、統一地方選で改選の予定になっていました。その場合の投票日は4月10日です。(統一地方選の前半戦)それが、今回のリコールによって投票日は3月13日になると報じられています。1ヶ月前倒しになるわけです。たったそれだけのことです。そのためにリコール運動をやって、解職の可否を問う選挙をやり、それによって莫大な公費が使われたわけです。更に言えば、河村市長自身も、任期途中で市長の職責を放り出して、再立候補という挙に出ています。表向きの理由は色々ありますが、実際は愛知県知事選に合わせて市長選も行えば選挙上有利だから、であることは明白です。市議会の場合は、1ヶ月前倒しの選挙で任期は4年ありますが、河村市長の場合、辞任して再選挙で当選しても、任期は辞任前の残り期間までです。つまり、2年後には次の市長選挙を行わなければならないわけです。選挙は民主主義に必須のものですが、だからといって選挙が多ければ多いほどよい、というわけではありません。衆議院には解散がありますが、それ以外の選挙は基本的に定められた任期の間、職責を全うするという前提で議員や首長は選ばれているはすです。それを、党利党略で、途中で辞任して再出馬というのは、どうも非常に違和感があります。それに、彼のいう、10%恒久減税と、解職請求や途中辞任で余計な回数の選挙を行うこと(それによって余計な公費がかかる)は、どうも矛盾があるように思えますが、それでも河村市長は今回の選挙で圧勝してしまいました。時の勢いというものでしょう。私は、河村たかしの政治的首長の大半に反対です。しかし、それはそれとして、彼の主張が愛知県で支持を集めた事実は否定しようがありません。6年前、郵政選挙で自民党が圧勝しました。しかし、4年間に自民党は完全に支持を失い、前回選挙では自民党が惨敗、民主党が圧勝。その民主党も1年ですっかり支持を失いました。民主党が失った支持は自民党に戻ったかというと、そうではありません。前回参院選で自民党が復調したように見えるのは、小選挙区制が有利に作用しただけで、実際には自民党の得票数・得票率は過去最低を更新しています。(この辺りのことは過去の記事を参照してください)では、民主党が失った支持はどこに行ったのかというと、みんなの党に行ったわけです。今回の愛知県知事選・名古屋市長選・市議会リコール選挙は、民主党の敗北であると同時に自民党の敗北でもあります。自民党の推薦候補だって惨敗しているんですから。そして、去年の参院選で躍進したみんなの党も、今回の選挙では惨敗しました。民意の風はコロコロ変わる。それはいつの時代でも同じですけれど、風向きの変わる速さが、どんどん加速しているように思います。河村も、大阪の橋下もそうですが、勇ましい発言をする「ワン・フレーズ。ポリティックス」的な政治家がもてはやされ、思うとおりに行かないと、風向きはあっという間に変わり、一瞬で墜落。どうもそのような傾向が近年著しいように思えます。政治の傾向として、そういう状況が好ましいとは、私には思えないのですが。
2011.02.07
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高尾山といえば、東京に住んでいる人は、まずたいてい、一度は行ったことのある山でしょう。標高600mに少し欠ける高さ(私が子どもの頃は、海抜600mって地図にあったのですが、現在は599mということになっているようです)で、小学校の遠足で一度は行ったことがあるでしょう。私も、何度となく登ったことがあります。現在でも、ほぼ毎年1回は登っている。子どもも、2回連れて行きました。最初は3歳になったばかりのとき、史実を守る会の某氏とその奥さん(当時は婚約者)と4人で登ったのですが、そのときは残念ながら自分の足では10mと歩かなかった。全部私がおんぶして登りました(当時の子どもの体重はまだ20kg未満だったので、冬山のテント山行の荷物よりは軽かった)。2度目はその翌年ですが、誕生日の直前だったので、まだ3歳でした。しかし、子どもの脚力の進歩はめざましいもので、1年前は全部おんぶだったのに、そのときは全行程の8割は自分の足で登りました。2~3年前でしたか、ミシュランの観光ガイドで高尾山が「三つ星観光地」として認定されたというニュースが報じられたことがあります。ミシュランのレストランガイドの方は、三つ星レストランなんて私は一度も行ったことがないし、かなりいい値段のお店ばかりのようで、とても「行きたい」という気にはなりません。ある意味、値段が高いお店がおいしいのは、ある意味当たり前の話で、意外性がない。もちろん、値段ばかり高くて、あまりおいしくないお店も珍しくないことは承知していますが。しかし、観光ガイドの方は、知床、日光、京都、奈良、富士山などと肩を並べて、あの高尾山が三つ星観光地というのは、なかなか意外性があります。東京に住んでいれば安上がりに旅行できる場所ですし。※ただし、ミシュランのレストランガイドは日本語版が発売されていますが、高尾山を三つ星観光地に認定している観光ガイドの方は、フランス語版と英語版しかなく、日本語版は出ていないようです。この高尾山を訪れる人は、近年急激に増加しており、年間に260万人に達しているそうです。時期的にいうと、やはり紅葉の時期つまり11月が一番多い。そういえば、ここ数年私も紅葉の時期に高尾山に行くことが多いけれど、確かに表参道は異様に混んでいます。だから、自然研究路3号路か4号路を通るようにしています。表参道がどんなに混んでいても、この脇道を通る人はあまり多くないので。というわけで、紅葉を中心にして高尾山の写真など去年の11月の写真ですこれは、2006年の山頂のモミジの紅葉ですやはり2006年、山頂のカシワの木ケーブルカーの終点付近、モミの大木(2006年)2005年、山頂のモミジ本当は、裏高尾まで足を伸ばせば、登山者はほとんどいなくなります。ただ、裏高尾まで行くと、登山道が非常に長い。高尾山から陣馬山まで縦走するコースは、全長18kmもあります。高校生の時、生物の教師に引率されて、有志数名で高尾山から陣馬山まで夜間に縦走したことがありますが、終電近い電車で高尾山口に着き、夜通し歩いて陣馬山の山頂で夜明けだった記憶があります。季節は、確か秋だったと思うのですが、何月だったか正確な記憶はありません。さて、こんなに誰もが行ったことのある手軽な山ですが、実は意外に貴重な自然の宝庫なのです。高尾山に自生する植物種は、1300種以上とされています。日本全体で植物種は6000種あると言われますから、その五分の一以上が、この小さな山に自生しているわけです。イギリス全土に自生する植物種が1500種とされているので、高尾山ひとつでイギリス全土並の植物の多様性ということになります。位置的にいうと、高尾山は照葉樹林帯の北限に位置しています。だから、南斜面では照葉樹(常緑広葉樹)林、北斜面では落葉広葉樹林、山頂付近には、両者の中間に位置する、中間温帯林と呼ばれる暖地性の針葉樹林が広がっています。更に、なぜかブナが自生している。ブナ(シロブナ)は、落葉広葉樹の中でも雪が多くて寒冷な地域に分布する木で、東京付近だと奥多摩の海抜1500m近い山にしか分布していません。それが、なぜか飛び地のように、高尾山だけにポツリと分布している。理由ははっきりとは分かっていませんが、一説には、近世の小氷期と呼ばれる江戸時代中期の寒冷期に分布を広げたものがかろうじて生き延びているのだと言われます。実際、樹齢200年を超える大木ばかりで、若木や稚樹、実生はまったくないので、このまま行けば100年後にはみんな枯れてしまうかも知れません。それに、おそらくフランス人の目には、照葉樹林というのはかなり熱帯の森っぽく見えるのだろうなという気がします。実際、照葉樹林の中でよく目にするヤツデなんて、どう見ても熱帯の植物然としています。下草の刈払われた「庭園」然とした森ではなく、鬱蒼とした、原生林然とした森が、東京の都心から1時間あまりのところにある、というのはある種の驚きかも知れません。
2011.02.06
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3月12日(土)午後6時より(2部構成予定)場所 ペルー料理店・スポーツカフェ「ティア・スサーナ」総武線・信濃町駅より徒歩約5分料金 チャージなし(レストランですから、食事はしてください)演奏 キラ・ウィルカ曲目 コンドルは飛んでいく、トリニダーより、蜃気楼の歌、出会い、など(多分16曲くらい演奏します)私inti-solは、笛(ケーナ・サンポーニャ)4割、ギター6割演奏します。ちゃんとした演奏で笛を吹くのは本当に久しぶり(多分一昨年の10月以来)です。キラ・ウィルカ↓(このときとはメンバーが少し違いますが)会場地図↓
2011.02.05
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http://www.asahi.com/politics/update/0204/TKY201102030540.html自民、石原氏4選に動く 都知事選「今から探せない」4月の東京都知事選に向け、自民党都連などが石原慎太郎知事(78)に4選出馬を促そうと動き出した。今期での引退が既定路線だったが、同党の支持団体などから「ぜひ、もう1回」と声を上げていき、機運を高める作戦だ。告示まで2カ月を切っても知事が進退を明言しない中、「今さら出ないと言われても、候補はいない」との本音も漏れる。「もう1期、やっていただきたい」。1月に石原知事が顔を出した業界団体の新年会で、団体側からの「待望論」が相次いだ。笑ってやり過ごす知事。そんな様子を見た自民都議は「何としても石原知事を出したい」。別の都議も「今から別の人を探すのは無理。都民の声が高まれば、4選をめざす大義もできる」。(以下略)-----------現在78歳、つまり4年間の任期を終えると82歳になる人間に次の知事をやってくれというのは、どういうことかと思います。そういえば、過去には84歳まで都知事の座にしがみついた人物がいました。鈴木俊一です。前任の美濃部知事の作った財政赤字を批判して知事になったのに、結局彼は美濃部を上回る財政赤字を残しました。その財政赤字のほとんどは、3期目4期目に巨大建築物を次々と作ったことによって生じています。新宿の都庁、有楽町の東京国際フォーラム、江戸東京博物館、などなど。石原も、新銀行東京という大失策を2期目にしてすでに犯しています。3期目は、オリンピック招致の失敗※があり、新銀行東京の追加融資もあった。青少年健全育成条例改正(改悪)という悪行もあった。その結果、東京国際アニメフェアが主要漫画出版社からボイコットされるという事態も招いている。もちろん、差別主義丸出しの問題発言の数々も大問題です。こんな人物を、それでもまだ都知事4選に担ぎ出したいという自民党は、いったいどういう神経をしているのか。いや、もちろん石原同様にファシズムと差別主義丸出しの神経をしていることは容易に想像がつくのですが、それにしても安易すぎるでしょう。だいたい、石原でなくたって、知事は多選を重ねるほどおかしくなっていく傾向は、鈴木俊一を見れば明らかです。美濃部だって、1期目2期目と比べて、3期目は明らかに精彩に欠けていた。今度の選挙に石原が出たとして、いくら今民主党に逆風が吹いているとはいえ、今度は早々大差で勝てるとは思えません。そもそも、自民党系(「たちがれ」とか「みんなの党」も含めて)の中からだって、今度は他の候補も出てくるのではないかと思います。もし、それでも石原が四選してしまったら、まあ都政の暗黒時代としか言いようがありませんね。※オリンピック招致は、失敗してよかったと個人的には思いますが、それにしても、リオデジャネイロに決まった後の、リオデジャネイロに対して砂をかけるような子どもじみた悪口、100億もの公費を招致に注ぎ込んだこと、そして、集まった以上の額を招致に注ぎ込んでしまい、広告代理店に未払い金が生じているという事実は、大問題です。
2011.02.04
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父が相撲を好きだった影響で、私も子どもの頃は相撲をよく見ていました。(もちろん、テレビで。国技館に行ったことは一度もありません)その頃記憶にある力士は、高見山、北の湖、輪島、三重ノ海、若乃花(先代)など。それ以降も新聞で取り組み結果を見るくらいはしていましたが、若貴全盛期あたりから相撲への興味をほとんど失い、最近は力士の名前もほとんど言えない状態です。というわけで、私は正直言って大相撲の野球賭博にも八百長にも、それ自体にはそれほどの興味があるわけではありません。ただ、相撲は各種格闘技の中でも、もっとも観客に勝敗がはっきりして分かりやすく、見ていて面白いスポーツだとは思っていました。(柔道の優勢勝ちなんて、どちらが勝ちか負けかよく分からないし、ボクシングも判定勝ちだとよく分かりません)でも、実際は、その内情はあまり「分かりやすく」はなかったようですね。もっとも、ほとんどの人にとって、これは「驚天動地の新事実」ではなく「ああ、やっぱりねえ」という印象ではないでしょうか。日本相撲協会自身が「無気力相撲」なるものが存在していることは事実として認めていました。「無気力相撲」と八百長と、いったいどこが違うのか。要するに勝ち星のやり取りを巡って取引は行っていない、一部の力士個人が勝手に無気力な相撲をおこなっているだけだ、ということなのですが、プロの格闘技選手であり、勝ち星の数で番付が決まるというのに、見返りもなく一人で自滅的に「無気力相撲」を取るというのは、かなり不自然な話としか思えません。「無気力相撲」なるものの向こう側に八百長があるであろうことは、誰にでも想像の付く話でしょう。実際、今になって放駒理事長が、あっさりと「(無気力相撲と八百長は)ある意味イコールだと思っている」と認めてしまった。では、今まで八百長報道に対して裁判まで起こしてきたのは一体何だったのか、と言いたい。私が鮮明に覚えている「無気力相撲」(か八百長かは分かりませんが)は、若貴兄弟が優勝決定戦で対戦したとき。弟の貴乃花が、実にあっさりと負けた。私の目には、貴乃花が自分から膝を折って転んだようにしか見えませんでした。その後、その取り組みを再度見る機会がないので、今見たらどういう印象かは分かりませんが。で、こういう団体が公益法人だと。冗談ではないと思います。
2011.02.03
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110201_424059.htmlIntel、6シリーズチップセットに不具合、リコールへ米Intelは1月31日(現地時間)、Intel 6シリーズ(コードネーム:Cougar Point)のチップセットに不具合があるとし、リコールを行なうと発表した。 この不具合はSATAに関連するもので、時間の経過と共にHDDやDVDドライブの性能が低下するという。この問題を修正するためにはシリコンレベルでの修正が必要になる。影響を受けるのは4つの3Gbps SATAポートのみで、2つある6GbpsのSATAポートは影響を受けないとしている。すでにIntelは問題があるチップセットの出荷を停止しており、問題を修正した新バージョンの生産を始めている。2月下旬にも新バージョンを顧客へ提供し、4月にフルボリューム提供への回復を目指す。また、OEMパートナーと協力し、問題がある製品の修正や交換をサポートしていく。1月9日以降にシステムを購入したユーザーは、購入した店舗またはPC製造業者に問い合わせるよう呼びかけている。また、Intel Customer Supportで特設ページを用意し、ライブチャットで質問を受け付ける。同社では問題があるチップセットの搭載製品が出荷されたのは1月9日以降のため、比較的少数のユーザーのみがこの影響を受けるとしている。交換や修理のために必要なコストは7億ドルとしており、2011年第1四半期で3億ドルの減益を見込んでいる。--------------この1月にインテルが新しいCPUシリーズ「Sandy Bridge」を発表したので、ちょうど昨日あたりに発売になったパソコン雑誌は、みんなこのCPUシリーズの特集を組んでいるのです。ところが、それらのパソコン雑誌が店頭に並んだときには、肝心のCPUが使えなくなっていた、という、悪夢のような展開です。厳密に言うと、CPUそのものには不具合はないそうですが、CPUだけあってもマザーボードがなければパソコンは動きません。「Sandy Bridge」シリーズのCPUに対応するチップセットがインテル6シリーズしかない以上、不具合がなくても使えない。その状態でもCPUの販売は継続しているそうですが、いったい誰が買うんでしょうか。「Sandy Bridge」シリーズは、発表以来インテルの最大主力CPUなので、各パソコンパーツショップでは、インテル6シリーズのマザーボードを販売中止にしたら、インテルCPU向けマザーボードはほとんど売るものがない状況に追い込まれてるようです。空っぽの平台で、インテルの発表によると、「問題を修正した新バージョンの生産を始めている。2月下旬にも新バージョンを顧客へ提供し、4月にフルボリューム提供への回復を目指す。」のだそうですが、ということは、2月下旬まで3週間以上、そんな状況が続くと言うことで、秋葉原のパソコンパーツショップは今頃真っ青かも知れません。メーカー製のパソコンは、まだこのCPUを搭載したモデルは販売が始まっていないようですが。ちなみに、私も自作機を使っています(自分用と相棒用の2台とも自作)が、どちらもAMD製のCPUを使っているので、インテル製品の不具合には、あまり影響を受けません。で、問題は、6つあるシリアルATAポート(古い規格で転送速度がやや遅いポートが4つと、最新規格で高速のポートが2つ)のうち、やや遅い4つのポートが、使っているうちに接続機器の性能が下がっていく、という現象だそうです。ふーーーん、じゃあ、2つの高速ポートだけ使えばいいじゃん。なーんて思ってしまうんですけどね。世のパソコンユーザーの9割は、多分ハードディスクとDVDドライブ各1台ずつしかパソコンにつないでいないと思われます。私のパソコンは、SSDとハードディスク、DVDドライブと3つのストレージを接続していますが、DVDはウルトラATA接続なので、やっぱりシリアルATAは2つしか使っていません。ま、出たばかりの最新のマザーボードに飛びつくのは、基本的にパソコンヘビーユーザーでしょうから、そういう人にはシリアルATAポートが2つしか使えませんというのは、ちょっと厳しいかもしれませんね。
2011.02.02
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チュニジアの政変に端を発して、エジプトにも激しい反政府運動が飛び火していますが、これに対して、エジプト政府は国内のインターネットをすべて遮断するという挙に出たようです。当初、経済的影響が特に大きいと思われるエジプト証券取引所のサイト、それに政府機関のホームページだけ動いていたそうですが、現時点ではそれも切断されています。携帯電話網も一時切断されていたようです。(携帯は復活した、との報道もありますが)今の時代に、こんなことをやれば、経済面で甚大な被害が出ることは想像に難くありません。人間が呼吸を止めるようなもので、断末魔の状態と言ってもいい。それにしても、エジプト政府が4大プロバイダーに切断命令を出しただけで、国内がすべてネット鎖国状態になったそうですが、日本だとどうなんでしょう。もちろん、自民党だろうが民主党だろうが、いくら何でもそこまでバカげたことをやることは、さすがにないでしょうが、ISPは、政府が「切断しろ」と言うと、唯々諾々とそれに従ってしまうものなのかどうか、というのは少々気になるところではあります。
2011.02.01
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