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2021.11.16
カテゴリ： 小説
暴走弁護士 （文芸社文庫） [ 麻野涼 ]
いやあ作者の警察小説は読めたもんじゃなかったが、この法廷モノになると本当にすごい話で、なるほどこういうミステリーもありだなと、さすがの私も納得。
ようするに本作のストーリーそのものがトリックなのだ。
つまり高速道路上の事故に殺人未遂が成立するか否かという話なのだが素人である読み手がずんずん取り込まれ、まるで偶然が次から次へと重なった、業務上過失傷害罪、つまり人身事故で終わるか否か、というだいそれた話に突っ込んでいく。
そもそも表題から私はやりすぎる弁護士と予想したのだが、それは間違っていた。
暴走とは正に読んで字の如く走り屋、暴走族のことで、若かりし頃暴走族だったヒーローが司法試験に受かって弁護士になったという話なのだ。
それはともかく彼(ヒーロー)は事件に真摯に立ち向かい、ちょっと怪しげな興信所を使い、真実に迫っていく。
たしかに不条理が働いているし、そのために必殺仕置人のごとき復讐もありなのだけれど、そのことに読み手はかなり早くから気づいているのに、作者は何らかのトリックを凝らしてそう思わなくさせてしまう、つまり、あたかもそれが真実であるように思わせてしまう状況を醸し出すのだ。
まるで催眠術のようだ。
その催眠術に決してかからない人がいるそうだが、そういう人が本作を読んだらまたぐだろう。
読む必要なし、きっとそう言うだろう。
でも騙され屋たる私はこの話が本当に単なる偶然であってくれ、そのほうがとても面白いじゃないかなど最後まで悪あがきしていましたな。
いやあ、それにしても小説って本当に面白い。
暴走弁護士 （文芸社文庫） [ 麻野涼 ]
いやあ作者の警察小説は読めたもんじゃなかったが、この法廷モノになると本当にすごい話で、なるほどこういうミステリーもありだなと、さすがの私も納得。
ようするに本作のストーリーそのものがトリックなのだ。
つまり高速道路上の事故に殺人未遂が成立するか否かという話なのだが素人である読み手がずんずん取り込まれ、まるで偶然が次から次へと重なった、業務上過失傷害罪、つまり人身事故で終わるか否か、というだいそれた話に突っ込んでいく。
そもそも表題から私はやりすぎる弁護士と予想したのだが、それは間違っていた。
暴走とは正に読んで字の如く走り屋、暴走族のことで、若かりし頃暴走族だったヒーローが司法試験に受かって弁護士になったという話なのだ。
それはともかく彼(ヒーロー)は事件に真摯に立ち向かい、ちょっと怪しげな興信所を使い、真実に迫っていく。
たしかに不条理が働いているし、そのために必殺仕置人のごとき復讐もありなのだけれど、そのことに読み手はかなり早くから気づいているのに、作者は何らかのトリックを凝らしてそう思わなくさせてしまう、つまり、あたかもそれが真実であるように思わせてしまう状況を醸し出すのだ。
まるで催眠術のようだ。
その催眠術に決してかからない人がいるそうだが、そういう人が本作を読んだらまたぐだろう。
読む必要なし、きっとそう言うだろう。
でも騙され屋たる私はこの話が本当に単なる偶然であってくれ、そのほうがとても面白いじゃないかなど最後まで悪あがきしていましたな。
いやあ、それにしても小説って本当に面白い。
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