今日、何読んだ?

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2024.11.22
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カテゴリ: 安達瑶

降格警視【電子書籍】[ 安達瑶 ]

 ミステリーのお約束には、動機・機会・方法があって、昨今のミステリー業界は、 警察を中心にしたものを書いていることから、私はそれに、 警察組織、 刑事法、物語性の3つを加えて評価することにしている。
 さて本作はその一番大事な3大お約束、動機・機会・方法についての詳細な記述はないものの物語性はある。
 しかしながら刑事法については異常に詳しく、 そもそも常人逮捕などという(私人逮捕とは言っているが)ところから入ってくるし、 動物愛護法などという玄人好みの法律を勉強しているなと思われるものの、警察組織についてはかなりの粗さ が見えた。
 2020年以降の作品にも関わらず今も生安が薬物犯罪の捜査をしているような書きっぷりでは、 リアルさにもとる。
 薬物犯罪の資料については、 平成16年に生活安全課から刑事課に引き継がれたと聞いている。
 それが本作では、 生安の事件捜査という形で語られているから、 もうこの時点で本作を読もうという気がなくなったのだった。
 面白い要素が1つもないのだ。
 例えば、 密室、 例えば暗号、 例えば交換殺人、 例えば顔のない死体などなど書き続けたら、きりがないが本作ではなんとなんと全くその気配がないのだ。
 つまり、 薄っぺらいということになる。

 生安は刑事、組織犯罪対策、 警備、 交通で担当する犯罪捜査以外の全ての事件の捜査をしていると述べるうすらバカさも私は気に食わない。
 なのに、 もう2冊も読まなければならないのはどうも私にとっては拷問だ。
 しかしながら私のポリシーとして最後まで読み届けなければならない。
 これは私の義務である。
 だからミステリーリーダーなのだ。
 さて、 本作の殺人事件であるけれども、 世田谷一家殺人事件に似せた事件は犯人が半端すぎやしないか。
 普通この容疑者としてあげられた人物は、最後に犯人ではないというオチが必ずつくのであるけれども、結局この犯人をそのまま使ってしまったのが私には気に食わない。
 そもそも 猫殺しと人殺しは繋がらない。
 こういうリアリティのなさがあまりにも目についたなあと私には見えた。(9/6記)





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最終更新日  2024.11.22 05:00:13
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