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雨が激しく降っている。まだ松葉杖を手放せない私は、これじゃどこにも行けない。今日は丸一日静養日にすべきなのだろう。 ああ、温泉へ行きたいな。私には湯治が必要。のんびり湯につかって、風呂上りのビールをくぴっ! 浴衣で畳に寝転がり、好きな本を読んでいるうちにうたた寝するの。 そしてまたお湯につかり、同じことの繰り返し……。 だけど、迎えに来てくれる王子様はいない。 ようやくかかとをついて歩けるようになった。まだ、ちょっとした瞬間に痛みが走るので無理はできないけれど。 雨さえ降っていなければ、タクシーと電車併用でニコタマの温泉へ行けるかもしれないな。近いうちに、実現できるといいな。 ……。 一生で一番疲れた一週間かもしれない。 松葉杖で歩くことを、私は全然恥ずかしいとか、惨めだとか、思ったつもりはなかった。でも、おそらく、いつもとは違う視線に疲れたのだろうと気づいた。 笑いたければ笑え。どう思われようと、構いやしない。 しかし、浴びせられる視線、あるいは故意に避けられる視線のありかは、それとなくわかる。 視線に疲れたのだなあ。 この一週間、いろんな電車やバスに乗ったが、席を譲ってもらったのはたったの一度だった。あとは「知らないふり」をされた。「インビジブル・マン」を書いたアメリカの黒人の気持ちが痛いほどわかった。 昼ごはんを食べ損なって夕方入った大和駅前の「コロラド」で、あからさまに無視され、忌避された経験を私は一生忘れないだろう。松葉杖で独り歩く女性がそんなに怖がれるとは。 というわけで、やはり酒を飲まずに居られないのだった。足がジンジンこようと、なんだろうと。 これも怪我のせいとは分かりつつも、ひがみっぽくなっている自分だった。 色々な方から励ましのメールをいただき、それはそれで嬉しかったけれども、でも、「これは神様が休めと言っているのだから、休みましょう」という言葉は素直に聞き入れられなかった。 私の仕事は、誰も代わりになれる人がいない。 それが、嬉しくもあり、やりがいがあり、生きがいに直結しているのだが、その厳しさ、恐ろしさを知った。そして、この感覚を共有できる人は、ほとんど存在しないことも知った。 神様がなんと言ったか。それは「休め」ではなく、私を罰しているのだと思った。自信過剰で自惚れやの私を罰しているのだと思った。 思えば、そんな罰を受けたのは私の人生でこれが三度目だと思った。しかも、二度目はつい最近。最愛の人を私の何気ない一言で傷つけたことだった。 弱っている人を助けることを仕事に選んだからには、この世のあらゆる……というか、可能な限りのいろいろな痛みのバリエーションを引き受けねばならないのだろう。 もしかすると、この足が一生不自由なほうが、自信過剰になりやすい、強者の視点に偏りがちな私にはちょうどいいのかもしれない。 絶対、うつ病にだけはなりそうもないと思われた私も、怪我をきっかけに危機的状況に陥ったようだった。 こんなときは、呑むっきゃないね。あはは。 コート・デュ・ローヌの濃厚なやつを、結構、楽しんだのでした。ワイン・マニアでよかったなあ。ガス抜きの色々な方法を知っておくことは、決してムダにはならないよ。
2003年05月31日
午後2時からの日赤医療センターでの取材は、近いので自宅から往復タクシー利用で合計3,000円少々。 取材で来たんだってば。でも、通り過ぎる看護師さんが松葉杖の私を見る目は、普通の人とどこかちがう。看護の「看」は目の上に手をかざしてじっくり見守るさまを表す象形文字から来ている。彼女たちの目はやはり、「見守るプロ」の目つきそのものだと分かる。 夜の朝日カルチャーセンターでの講習は、がんばって銀座線~大江戸線利用。渋谷の銀座線のホームはなんと三階にあるのだけれど、新しくできた井の頭線の駅ビル経由で行けば、エスカレーターでたどり着けることを思いついたのだった。 問題は、青山一丁目での乗り換え。下り階段がえんえんと続き、疲労困憊した。手すりにつかまりながら、右足ケンケンで、どすん、どすんと一段ずつ降りるのだが、そのたびに全重量が右足にかかるわけで、だんだん膝とふくらはぎが痛み始めた。あわや両足肉離れの危機か。 諸富先生のレクチャーの内容はまたいずれ。 帰りは大江戸線~半蔵門線でエレベーターと上りエスカレーターを乗り継げて良かったけれど、早くおうちへ帰りたいOL&サラリーマンの皆さんのダンダンダン!と激しい勢いの上りの音に圧倒され、ちょっと怖くなる。疲れも手伝って、あやうくステップを踏み外しそうになる。あれでコケたら、エスカレーターのステップとステップの間に指先を挟まれて切断されていたかも。 私も怪我する前は、ハイヒールでカツーンカツーン言わせながら猛スピードで歩いていたのだよなあ。それが一転弱者の立場に置かれると、なんとも複雑な気分。 boots on the ground の行進の轟きにおびえる戦場の婦女子の気分ですわ。そんなことを思いながら、私をずんずん追い抜かして上っていく逞しくて健康そのものの足、足、足を見上げた。 自宅前までの帰りのバスは、一台待てば確実に座れたけれども、早く帰りたい一心で混雑しているのに乗ってしまった。当然のように、誰も席を譲ってくれない。優先席で眠りこける酔っ払いオヤジ。ま、わざとらしいし気の毒だから、優先席の前に立つのはやめて、出口付近のパイプにつかまる。 カーブのたびに足が痛む。3つ目のバス停で、眠りこけて座っていたはずの目の前の女の子が突然飛び起き、そそくさと降りたら、私の隣の若い男があっという間に座っちゃった。くそー。 でも3つ連続で座席が空いたので後ろのほうへえっちらおっちら向かおうとすると、真ん中の席にすばやく腰掛けた女の子が、私を気遣って腰を浮かせてくれた。大丈夫、後ろが空いていますから、座れます(^^) 今夜初めて出会った善意になごむ。 私の足はそのうち治るはずだからいいけれども、うちの近所の足の不自由なおねえさんは、毎日、杖をついて通勤している。雨の日や季節の変わり目は足が痛んで「タクシー代で1日の稼ぎがなくなっちゃう」とか。 歩くこと自体が苦行の人も、世の中には決して少なくないのだよなあ。 さて、明日は午前中が西新宿で取材、午後は小田急線の大和にて。この間のアクセスはまあ、大丈夫だろう。問題は、帰り。疲れるだろうから、新宿に出てタクシーで帰ろうか。下北沢で井の頭線に乗り換えるのは階段が急だから大変そうだよなあ。 怪我する前だったら、シモキタのバーで一杯引っ掛けてから帰るところなのにね。
2003年05月29日
筋肉の治療には、血流が悪くても良すぎてもイケナイと、あるお方からアドバイスをいただきました。全くその通りだと体感するに至ったのでした。 今日は午前中に打ち合わせが1件と、午後3時から取材が1件で、お昼をはさんで空き時間が長いため、のんびりできるレストランでランチをとることにしました。コーヒーとデザートのセットをつけてネ。 禁煙席がよいならと、窓際の見晴らしのいい席をあてがわれ、ゴキゲン。いちばん奥なので、松葉杖の置き場所にも困りません。 オーダーを終えたら、携帯電話にコールあり。なんだ、午後の取材が先方の体調不良で延期とのこと。だったら……と、グラスワインの白をオーダーしちゃいました。呑気だね。 パスタランチのホタルイカ冷製パスタを選びました。イカのワタの味とトマトソース、ほんの少量バスサミコかな?あとニンニクとオリーヴオイル。あともう少し塩が効いていれば完璧だったなあ。水菜と絹さやで色味付けしたセンスもすばらしい。両方とも鮮度がよく、シャキシャキの歯ごたえでした。よい気分だわ。 白ワインはソーヴィニオン・ブランかな。アミノ酸を強く感じ、口にえぐいような甘みが残る。でも冷えすぎなくらい冷えているのでさほど気にならない範囲でした。 デザートのケーキは、ナッツのペーストをスポンジではさんだもの。甘すぎず、まあ、悪くない。コーヒーはエスプレッソ。 しかし、酒量が急激にダウンしたせいか、酔いの回りが激しくてちょっと焦った。転ぶとヤバイぞ。 おそるおそる席を立ち、ゆっくりトイレを済ませてから、酔い覚ましに階下の書店へ。心理学のコーナーへ向かい、いつもの調子で3冊ほど抱え込み、ハタと気づいた。「松葉杖じゃ、こんなに持てない!」 仕方なく、オンラインカウンセリングの本1冊に絞ることにした。1冊ならリュックに入るものね。 歩いているうちに、なんだか悪いほうの足がジンジンしてきちゃった。血行が良すぎてしまったのね。ああ。 帰宅後、仕事をするつもりが足がだるくて断念。ま、こういう日もあるさと、本を読み浸る。 橋本治さんの『「わからない」という方法』(集英社新書)をイッキ読み。おもしろすぎる。>二十世紀は「わかる」が当然の時代だった。自分はわからなくても、どこかに「正解」はある――人はそのように思っていた。 という「わかる」こと批判から始まる。>「どこかに自分の知らない正解はある」と思い込んでいる二十世紀病 と、言い切る。「私はくどい」と自ら言う著者はさらにたたみかけるのであった。>二十世紀が終わると同時にやってきたのは、(正解がどこにもないという=引用者付記)「幻滅」ではなく、ただの「現実」なのだ。>それを「幻滅」と言うのなら、それは、「なんでも他人まかせですませておける」と思い込んでいた、無精者の幻滅なのである。 そのとおりだと思う。キャリアカウンセリングの世界でも、「自分の天職」や「転職の王道」という「正解」があると思い込んでいる人が多いけれども、そんなものは存在しないのだ。「他人まかせ」でマニュアル引き写しの履歴書で不採用になっても、まだ「自分には何がわかっていなくて、何をわかろうとすればいいのか」がわからない人が多い。「自分がわかっていないこと」や「自分ができないこと」が何であるかを知り、「わかるようになろうとする」ことや「できるようになること」をし始めた人にだけ、自分のほんとうのゴールが見えているのだ。 この本の最後のほうに「自分の身体は頭がいい」という表現が出てきて、それをそっくりそのままいただいちゃって、内田樹先生は『私の身体は頭がいい』(新曜社)という新刊を上梓したばかりで、では次にこれを読んでみようかな。 橋本さんは「身体でわかる」という方法について提案しているのだけれど、これはまさに「腑に落ちる」ってことだろうなと、私は腑に落ちたのであった。 現代人は頭でっかちになる一方で、さんざ身体をバカにしてきたようなところがあるんじゃないか。かくいう私自身も、身体の発する悲鳴を聞きそびれ、その一部を「殺して」しまった。 カウンセリングの入門講座でよく使うネタですが、さて、あなたのココロはどこにあるでしょうかと問えば、誰もが胸のあたりを指す。ココロはハート、ハートは心臓である。ハートは脳みその中にはないのだ。そんな大事なこともつい忘れがちなんじゃなかろうか。
2003年05月28日
いまようやく、月刊誌の原稿を書き終えたところ。これから寝て6時半に起きて、いよいよ生まれて初めての松葉杖冒険旅行!へ出発です。正直に言うと、少し不安。ラッシュアワーと重なるので、もたついて人波に乗れなくて突き飛ばされやしないか、下りエスカレーターにうまく乗れるか(実は子どものころ苦手だった!)、予想外の段差で転びやしないか、揺れる満員電車の中で立っていられるか……。ううう、試練だわ。こんな私も女の子だから、涙がにじんじゃう。仏様にお線香をあげてから出発しよう……絵に描いたような苦しいときの神頼みである。 ……。 無事に帰ってきました。恐怖を感じることなく、淡々と行程をこなすことができ、少し自信もついたかな。それにしても、一本足……というか1.5本足ぐらいかもしれないが……で歩くのは予想以上に大変で、2件目の取材から帰ってくるなり、バタンキューで3時間ぐらい爆睡してしまいました。 始発駅からの乗車は大正解で、遠慮なく着席でき、終点まで安心していられました。北千住では、ホームからのエレベーターを予定どおりに利用できたものの、事前の調査とは違って、改札を出てから2箇所の下り階段に行く手をはばまれ、それでも駅の階段の段差は小さいので、なんとか足をかばいつつ降りることができました。不自由な左足のほうで手すりを使って体重を手にかけて支え、一段ずつ慎重に。このとき、松葉杖はかえって邪魔なので、右手に持ちます。 駅からは予定どおりタクシーで会場の葛飾区女性センターへ。2,000円少々と、これも予算の範囲内で済みほっとしました。 いったん帰宅した後、五反田にある某化粧品メーカーの取材へ。家からバスに乗り、このときの乗降の段差がきつかった。入り口は狭い分だけ、手すりなどに体重をかけられるからまだしも、中途半端に広い出口は体重を支えにくく難儀しました。 これを機に、やっぱり減量かな。体重が重いということは、それだけ筋肉やら骨やらの関節やらの部位に負担がかかり、疲弊しやすいということでしょうね。 渋谷駅の山手線への上り階段にはエスカレーターがついているのですが、折悪しく、車椅子の方の利用のためにいったん停止させている最中で、使用不能。仕方なく、上り階段をえっちらおっちら上っていきました。怪我をしていない右足の脛に体重が余分にかかるせいか、ぴしっと痛みが走り、あわや二次災害の危機。うーむ、やっぱり体重が重い。 五反田の駅では、思ったとおりに下りエスカレーターがなく、人波が切れたころを見計らってえっちらおっちら。おっと、反対側ホームに電車が到着し、どっと人が降りてきた!でも、焦ってはいけません。どうぞお先に。 駅から会社までの道のりは、アスファルトの凸凹がひどくて松葉杖の先が宙を舞うシーンが何度かあったものの、転倒することはなく、だんだん扱いにも慣れてきて、おばさん二人組みを追い抜かすぐらいのスピードで歩けるようになってきた。あっ!やはりせっかちな私です。 困ったのは、会社の正面玄関から入り口までの階段。駅よりも段差が大きく、幅広で手すりがないため、これも難儀しました。 考えてみれば、松葉杖をついた女性が哀れっぽい姿で突然現れると、何かの慈善団体が寄付を求めに来たみたいで相手はビビるかもね。受付のおねえさんの笑顔が凍りついていたような……。 ちなみに今日の服装は、黒い長袖のニットジャケットに、エトロのペイズリー柄ピンク系パンツ、赤いコーチのリュックサック。中途半端にフォーマルなのも凄み(?)が利いていたかしらん。 不安は杞憂に終わり、実は編集者が前もって先方へ電話を入れてくれていて、「エアロビクス中の事故だったんですってね」なんて開口一番に言われてしまいました。とほほ。そこまで詳細に伝わっているとは。 痛みもだいぶ引いて、名刺交換のために立って数歩歩み寄るぐらいは難なくできるようになり、ひと安心。 雨が降ってきた帰りは、担当の広報部長さんが出口まで見送ってくださって感謝感激。折りたたみの超軽量傘だったので、片手に松葉杖、片手に傘でもそれほど負担なく歩けました。 帰りのホームで、また別の車椅子の女性を見かけました。自分が健康なころは、体が不自由な人の姿はそれほど目に留まらないものですが、こうなってみると、世の中、意外に体の不自由な人が多いのだと気づかされます。痛みが分かって初めて見えない人たちが見えてくる……。 あ、電車が来た。ホームと電車の間の隙間の大きさも、以前より気になります。松葉杖を落としたらオオゴトだな。自分が落ちたりしたら、もっと大変。 ほんのちょっとの差でラッシュアワーを避けられ、それでも空席がなかったので出口付近の手すりにもたれつつ、渋谷まで。空席ができた瞬間、若い人が一目散にやってきてゲット。みんな疲れているのかな。 渋谷でちょっと休憩してソフトクリームでも食べようかなあと思いつつも、やっぱカッコ悪いし、歩くと疲れるから早く帰ろうと思うのでした。 足が不自由な間は、買い物もままなりませんね。ま、余分な出費を抑えられていいかも。 実家と隣り合わせなので食品調達をしなくていいのも恵まれています。独り暮らしのお友達は、「私だったらそういうとき、店屋物ばっかりになりそう」とメールに書いていました。でもいまどき店屋物は古いゼ、デリバリーと言いましょうね。 帰りのバスも非「ノンステップ」タイプでステップをよっこらしょっと。空席は最後列のシートのみで、松葉杖の置き場に困るので仕方なく出口脇のパイプにつかまり踏ん張りましたが、正直、バスの揺れは不自由な足にかなりの負担になります。カーブを曲がるたびにイツツツツ……。途中、目の前の席が空いたのが不幸中の幸い。やれやれ。 というわけで、特別に親切にされたわけでもなく、特別に邪険にされたわけでもなく、淡々と空気のように、不自由でなかったころと同じように過ごすことができ、これでよかったのだと思います。 明日もあさっても、なるべくタクシーを利用しないで、バスと電車で頑張ってみよう。 普段使っていない筋肉に意外に負担がかかるせいか、疲労度は運動していたころよりも大きいけれど、睡眠と栄養をたっぷりとって備えましょう。明日の取材先は午前が渋谷で午後が西麻布です。ガンバ! おまけの告白。風呂上りにビール飲んだけれど、運動していたころと比べたら、全然、美味しくないや。足が不自由な間は飲み歩けないし、肝臓クンには一番の休息だね。
2003年05月27日
今朝、早起きして原稿を書こうと思い、トイレに立ったら貧血で倒れてしまいまいした。初めての大怪我で心身ともにショック状態なのかもしれません。 やはりエアロビマニアの友人からお見舞いのメールをもらったところ、彼女も太ももの肉離れを経験したときに痛くて貧血になってしまったとか。 肉離れっていかにも間抜けな名前ですが、実質、筋肉が切れたり伸びたりしているわけですから、場所によっては歩けなくなってしまうのですね。 これから病院へ行き、もう一度診てもらい、昨日、保険証なしの自費診療だった分を返してもらい、ついでに松葉杖を借りてくる予定です。痛くて足がまったくつけない状態になってしまいまいした。やれやれ。 ……。 たくさんのお見舞いメールをありがとうございます。お礼にかえて続報を少々。 病院へ着くと、案内台のところにボランティアさんがいて、整形外科まで案内してくれるとのこと。車椅子に乗せていただきました。 金髪ロッカーねえちゃんが車椅子に乗っている図が異様なのか、好奇心たっぷりの視線を感じましたね。やれやれ。 順番を待っていると、歩くのがつらそうなお年寄りが大勢やってきて、時折、慣れた調子で車椅子をぶっとばす若い女性の姿も見かけました。入院患者かな。 今日の担当医は昨日よりもお座なりな感じで、でもハンサムだったから許そう(^^;)ま、安静にしている以外、処置なしとのことです。 看護師さんに松葉杖を調整していただき、ものの5分とかからず受診終了。待ち時間とその後の会計の待ち時間を含めると1時間半ぐらいかかったのですが。 松葉杖の扱いは慣れないけれど、平坦な道であれば楽そうです。これで階段を上るとなると、どうなることやら。 ちょっとした冒険になるし、二次災害(?)が心配ですが、明日は地下鉄とタクシーを併用して講演会場へ向かう予定です。 調べたところ、JRよりも地下鉄のほうがエスカレーターの設置状況が優れていて、しかし、上りのみなので下りには難儀しそう。 なんだかバリアフリーについて考えさせられますね。その立場になってみないと、なかなか辛さ不自由さ不便さを実感できないものです。 朝のラッシュアワーと重なるので、明日はなるべく早めに家を出て、比較的すいている階段を選んでゆっくり下って行きたいと思います。 タクシー利用は1回2,000円以内に抑える予定ですが、それでも1日に1万円近くかかってしまうだろうなあ。明日は午前中に地下鉄・千代田線で亀有まで、お昼にいったん帰宅してから五反田まで出る予定。五反田までは帰りにJRにチャレンジしてみようか。 ほんの一瞬の筋肉の動きが、私の人生を変えてしまいました(大げさ)。あの一撃がなければ、いまごろスポーツクラブへ行く準備をしているのになあ。次に行けるのは3週間後?1か月後?ああ。 さて、これからは丈夫な脳みそを使って仕事しなくちゃ。これも残存能力の活用ですかね。生きていくためには、何でもやらなくちゃ。負けないぞ。 ……。 もうちょっといい情報をゲットしました。 千代田線・亀有じゃなくて、日比谷線・北千住を利用すれば始発の中目黒にも北千住にもエレベーターがあるので、楽チンなことを発見。日比谷線は偉いぞ!しかも、駅舎には上り下り両方のエスカレーターがあるのでした。ヤッタね! というわけで、まるでバリアフリー試験をするような一週間になりそうです。そう考えれば苦役も半分楽しくなるかな。 とはいえ、水曜は西麻布、木曜は日赤、金曜は西新宿だから、みんなタクシーで家から片道2,000円圏内だなあ。問題は金曜日午後の小田急線・大和と来週火曜日の横須賀なんですが、それまでには左足を地面につけるようになれるといいな。 こちら方面のバリアフリー情報に詳しい方がいらっしゃいましたら、情報提供をお願いします。 ……。 肉離れについて詳しいページを発見。あとで熟読玩味のためにメモメモ↓http://www.sports-n.com/injr/htm/0025-j.htm
2003年05月26日
ホットプレートで作るパエリア、今回も大好評でした。具は魚介類がホタテ、エビ、イカ、アサリで、これに鶏肉をあわせるのがパエリアの特徴ですよね。野菜はさいの目トマト、ベルギー・エシャロットとニンニクのみじん切り、グリーンピース、仕上げに細かく刻んだ万能ネギ。 ホットプレートを熱して油をひき、まず貝類以外の魚介類にさっと火を通して取り出し、 次に鶏肉とエシャロット、ニンニクを炒め、貝類を入れて蓋をし、 温度が上がったら分量の水(米3合に対して750cc)を加え、 再び蓋をして貝類の口が開いたらトマトとサフランを加え、 米を入れてから先に炒めておいた魚介類とグリーンピースを上に乗せ、蓋をしてぐつぐついってきたら温度を180℃ぐらいに落とし、 そのまま約15分おいて全体に火が通ったらできあがり。 上に万能ネギのみじん切りを散らし、レモンを絞っていただきます。 ちゃんとおこげもできます。 ムール貝はワイン蒸しにして前菜に食べちゃった。魚河岸で箱で買ってきてもらった新鮮な品物なので、「ムール貝観」が変わるくらいの超絶美味。ふっくらして全然生臭くなく、ひたすらウマイ!……。 本当なら今ごろエアロビクスの3本目をやっていたはずなのに。 1本目の途中で足をキックした瞬間、ぷちっとふくらはぎの筋が音をたてた感じで、それっきり、左足を使えなくなってしまいました。 インストラクターの肩を借りてスタジオから退場し、しばらくアイシングしてもらった後、スポーツクラブの人が付き添ってくれて近くの休日救急対応の病院へ。 まったく歩けないので、病院入り口から車椅子で運んでもらうというていたらく。ドクターはとてもいい方で、やさしく接してくれました。 肉離れの原因は一般にはよく分からないそうですが、私の場合は、自分の運動能力を過信したのがいけなかったのだと深く反省。 エアロビクスの中でもステップ台を使う運動のときに、それは起きたのでした。ステップ・エクササイズは大好きで得意なほうなので、より大きく動いて運動強度を上げようとしたのがいけなかった。 このまま歩けなくなったらどうしようかと、病院で診てもらうまでは不安で不安で気分が悪くなってしまいました。 お医者さんや看護師さんの最初の仕事って、いかに本人や付き添いの家族の不安を和らげるかなんだろうって、思いましたね。 やさしく、共感的、受容的に接してくれて、しかも専門家として的確な診立てと治療法についてのアドバイスをくれて、本当に癒されました。 全治2~3週間で、その間は普通の人の倍のスローモーさで動きなさいと。 ううう。しかし、今週は火曜日から毎日、取材と講演のスケジュールで埋まっているのでした。タクシー代が何万円になるやら。トホホホ。
2003年05月25日
ムール貝がだいすきなんだけれども、皆さんはいかがでしょうか。ちょっと形がエッチだという説もありますが、ほっくりと食べ応えのある貝の味が堪らん!私はどうも子供のときから貝類大好きなのでした。縄文系か? ネットで検索したレシピ一覧です。どれにしようかな♪http://www.president.co.jp/dan/special/recipe/0132.html ムール貝の白ワイン蒸しhttp://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Rose/9874/Recipe-MusselTomatosauce.html ムール貝のトマトソースhttp://www.e-obs.com/top/recipe/0206014.htm ムール貝のエスカルゴ風http://www.meidi-ya.on.arena.ne.jp/wine-club/food/shokuzai.html ムール貝のクリーム煮 自己流レシピは、ベルギー・エシャロットのみじん切りをバターで炒め、小麦粉を振り入れたのにムール貝を入れ、ワインを振りかけて蒸し煮にするもの。これにパセリのみじん切りを足すか、バター+小麦粉+エシャロットをやめてオリーヴオイル+アンチョビ+にんにくにするか迷うところです。うーむ。 最初はさらっとオリーヴオイルで作り、貝が余ったら身を取り出してバターを足し、パン粉を振りかけてオーブンで焼くというのがいいかもね。 さて、これから大掃除しないと、とてもじゃないけれどよその人を招きいれられる状態じゃなくて(^^;)私が家事の中で一番苦手なのは掃除と整理整頓です。ああ、つらい。お料理は大好きなんだけれどね。
2003年05月24日
おはようございます。今朝は5時に起きて原稿を1本仕上げたところ。今回のエッセイのテーマは、ハーブの香りでした。 6月1日から9月末まで、小田急線の通勤電車の中に、ローズマリーやラベンダーなどの数十種類の植物から抽出した香りを漂わせて、消臭とリラックス効果を図るのだとか。 香りが好きじゃない人のために偶数号車だけに限るそうです。2001年から夏季限定で同様の試みを実施し、利用者アンケートでは8割強の人が支持しています。 何かと新しいもの好きな日本人ですが、ハーブやアロマテラピーが入ってくる以前から、植物の香りがもつ癒し効果を上手に利用してきたのですよね。 ネットでいろいろ調べたところ、香りの歴史に関する面白いページに行き当たりました。興味のあるかたは、こちら↓へどうぞ。日本人とハーブの関係「縄文人もハーブを食べていた?」日本での香りの歴史日本香道 香りの歴史同、香りの歳時記 六月『日本のハーブ事典』(村上志緒著、東京堂出版)という本も注文しました。楽しみ。 私も一時、ハーブに凝った時期があり、料理本や栽培法についての本を沢山集めました。きっかけは大学生のころだからもう20年以上前かな。ディルやタイムといったハーブを図案化したデンマークのクロスステッチに凝って以来、いろいろ調べてみたくなって。 いまの私からは、刺繍に凝っていたなんて想像できないけれど、まあ、そんな時期もありました。ざっくりした麻の生地に、ハーブで染めたやさしい色合いの木綿糸で刺繍していくのです。ああ、懐かしい。 母や友達にプレゼントしてしまって、手元にはほとんど作品が残っていないのでした。 さあ、今日はこれから松戸へ出発です。みんなのグループワークでどんな成果が出てくるか楽しみ。後日、ご報告しますね。
2003年05月23日
ある事情で今日は「死んで」いました。たまにはこんな日があってもいいかな。昨夜、女ともだちに誘われるまま飲み屋をはしごして、気がついたら外が明るくなっていた! ようやく今になって酒が抜けてきた感じです。トホホ。それでも、明日の講座のレジュメと週刊誌の企画書をなんとか仕上げ、送信し終えたところ。 明日は、松戸市の「しごとサポートボランティア養成講座」の2日目です。再就職したいと望む主婦を、同じような立場の主婦がサポートするシステムを築くべく、そのサポーターを育てる講座です。なかなかユニークな試みでしょう。「松戸モデル」として全国へ普及すればいいなあと願っています。 講座は1年かけて行い、受講料はもちろん無料です。当初の予想を上回り、なんと40人近くの女性が集まりました。30代前半から定年後の女性まで、ユニークな顔ぶれとなりました。 講座2日目の明日は、「女性が働くことの大変さと問題点」について認識を深めることを目的としています。それぞれに新聞記事や書籍から集めた「問題点」を表す資料を持ち寄り、グループ別に内容を検討し、模造紙にまとめて発表してもらう予定。 講師役の私は全体の進行を行い、最後にまとめの意味で1時間少々レクチャーをする予定です。漏れがないように、「問題点」を整理するわけですね。 女性の有償労働と無償労働の対比という切り口で調べたところ、おそるべきデータを発掘しました。なーんてちょっと大げさですが、Excelの使い方がまだまだへたくそな私は2時間近くかかって画期的なグラフを作ったのでした。じゃーん! 元データは、内閣府の「平成13年度社会生活基本調査」です。この調査では、仕事、家事、睡眠、食事、余暇活動などにかけるそれぞれの時間の平均を出しています。この調査の中から有職男性と有職女性について、有償労働(1日の勤務時間、通勤時間など)と無償労働(家事、育児、介護などの)の平均時間を抽出して比較したところ、次のような数字が得られました。有職男性の場合の無償労働:有償労働=4:100同、有職女性の場合=30:100同、家事等のかたわらに仕事をする女性(つまりはパートタイマー)の場合=118:100ちなみに実際の時間数は次のようになっています。有職男性の1日の無償労働時間=平均0.26時間同、有償労働時間=平均7.49時間有職女性の1日の無償労働時間=平均1.76時間同、有償労働時間=平均5.95時間パート女性の1日の無償労働時間=平均3.92時間同、有償労働時間=平均3.33時間有償労働としてカウントしたのは、仕事、通勤の時間です。無償労働としてカウントしたのは、買い物、育児、看護・介護、家事の時間です。無償労働比率で三者を比較してみると、次のようになります。有職男性:有職女性:パート女性=4:30:118 家庭をもつパートの女性がいかに「働きすぎ」であるかが一目瞭然でしょう。 この数字を見て、みなさんはどのように考えるでしょうか。 アンペイドワークとは「無償労働」のことで、この内容についての論点を整理したページを見つけました。ご参照ください。http://www.pat.hi-ho.ne.jp/musashi/index.dousureba7.htm 「社会生活基本調査」の統計データはこちら↓http://www.stat.go.jp/data/shakai/2001/shuyo/shuyo.htm
2003年05月22日
今日は久々にお料理の話題から。土曜日は毎月1回恒例のパーティなのです。また人数が多くなりそうなので、好評の卓上パエリアにしましょうか。ホットプレートで簡単にできちゃうのさ。 途中、なんとも言われぬよい香りがただよい、食欲がいや増すのであった。アサリの殻がぷちんぷちんとはじけるさまが、透明な蓋ごしに見えたりするのもうれしい。高くても香りがいいから、旬のグリーンピースは生を使おう。 魚介類を実家の魚屋にオーダーする際、ムール貝を余分に頼んだ。ベルギー人やフランス人がバケツいっぱい食べるというワイン蒸しを作ろう。白ワインが飲める飲める飲めるぞっと。 野菜中心の前菜は、まぐろとアボカドのサラダ、タコとコリアンダーのサラダ、スナップえんどうと生ハムのサラダはいかが?まぐろとアボカドのサラダはちょっと凝ったレシピで、マグロの赤身はタタキにして醤油に漬け込み、玉ねぎスライスはオイルで薄く色づくまで炒めてからオリーヴオイルとマスタードで和えるのね。味が濃厚になってたまらん! SKIPで頼んだグリーンアスパラはいつ届くかなあ?ベーコンと一緒にオーブン焼きにしようか。サワークリームを絡め、上にパン粉とパルミジャーノを散らして焼くのさ。スペインの食卓といえば、マッシュルームのガーリックオイル焼きも欲しいよなあ。小エビのオイル焼きも捨てがたい。ま、エビはパエリアに入るからいいか。 参加予定者のひとりが、卵料理が好きだと言っていた気もするので、ブルーチーズ入りオムレツも作ろうかな。赤&緑ピーマンを入れてスペイン風に。 パエリアを食べた後、ゆるゆると赤ワインを楽しむために、砂肝、レバー、ナンコツなどの燻製モノと、ソーセージなどの盛り合わせも少々。オリーヴの実のおいしいのがあれば、欲しいし。 今日は、外出の仕事が午後3時からなので、少しゆったりした気分。とはいえ、それまでに企画書を1本、まとめなくちゃね。好きな音楽を聴きながら、山になった新聞を切り崩しにかかろうっと。 ……。 ただいま18時過ぎ。次の仕事を始める前の小休止として、誰か気の合うパートナーと雑談する……つもりで。 それにしても「PAUL」のパンは美味しいね。ある人が言っていたけれど、パンとワイン、そしてバターまたはオリーヴオイルって、ひとつの完成された「食事」だと思う。日本食で言えば、さだめし一汁一菜とご飯かしら。 おっと失敗した。ワインを飲めるときまで取っておけばよかったけれど、つい、小腹がすいて食べちゃった。黒と緑の二色のオリーヴが入った小さくて丸いフランスパン。フランス語は「2つのオリーヴ入りパン」でけれど、日本語だったら「2色のオリーヴ入りパン」と表現するでしょう。この辺の情緒が日本語の素敵なところね。 今日は「MOT(技術経営)」をテーマにしたレポートを書くための取材だったの。四谷駅近くと聞いて、これは帰りに「PAUL」に寄るっきゃないと思ったね。時間があれば、前に寄って美味しいキッシュをランチに食べたのに。ま、フトコロもさびしいし、ガマンガマン。 会社員と違って、25日と日曜が重なった場合、その次の月曜日に振込みになるのがフリーのつらいところだね。要は後回しなのさ。 それはさておき、MOTとは、技術・開発部門の中から経営参画できる人材を育て、「経営戦略と技術戦略の整合性のある経営」を実践することで、この大競争と加速する技術革新の時代をブレイクスルーしようという考え方……と、まとめちゃっていいかな。 つまり、どの研究成果や技術開発の成果がイケてるかを直観的に見抜き、それを事業化へ結びつけるという一連のプロセスをマネージメントできる人を育てるわけね。 ノーベル賞を取った島津製作所のエンジニア・田中耕一さんには向かない分野だろうという話が出たけれど、まさにその通りだろうな。技術畑には専門分野を極める道を進んだほうが向く人と、マネージメントや人材育成に向く人の2種類に分かれ、その適性の違いが際立ってくるのが40歳前後だそうだ。「田中耕一さんは何歳だっけ?」という話になり、「43歳」と即答できた私はタメです。 しかし、専門職大学院の中にMOTコースを作ろうとしている大学の先生方は、「学ぶのは30代がふさわしい」と主張しているんだとか。 一方、今日、インタビューした人は「苦い経験を積んだ40歳前後じゃないと、学ぶ目的が分からず、身にならないだろう」と言う。 直接話を聞いたせいもあるけれど、私には「40歳前後」説のほうが説得力があるなあ。 このご時世、人間が「一人前の大人になる」までにはひとく時間がかかるようになっていると思う。30代なんて、まだまだコドモだ。 年をとった人は過去の成功例にこだわり、進歩がないと言う人もいるけれど、実際には若い人にも保守的な面が多い。いまに至る長いプロセスを知らず、いまを切り取ることしかできないから、いまから未来へつながるプロセスのイメージができないからだ。 大学生が就職先として選ぶ人気企業ランキングに並んでいる顔ぶれは、つねに「現在の業績・人気の後追い」である。過去にナンバーワンだった製紙メーカー、総合商社、銀行はいま、どうなってる?1位にいたはずが、存在そのものが消えた例だってあるよね。 というわけで、「大人」のキャリアカウンセラーとしては、40歳前後で初めてキャリアの分岐点が明確になるという説がえらく気に入ったわけよ。 40歳以上の「大人」を早期退職勧奨やリストラで切り捨てるのって、老成した知識人を田舎に追いやった文革当時の中国や、皆殺しにしたポル・ポトに似ていると思わないか?と言ったら言い過ぎかな。 世の中でいちばん冷酷に人を殺せるのは「少年兵」だと言う。とすると「勝ち組」となった若手エリートが、非情な成果主義・能力主義を極限まで押し進めようとするのだろうか。「残業しても成果を上げられない足手まといはうちの会社には要らない。無能なやつらに合わせた時短と賃金縮小だなんて、トンデモナイ!」と非情に言える奴らのことを、いまの企業社会ではエリートと言うらしい。 おっと、怒るとおなかがすいて、おなかがすくとつい食べ過ぎて、結果的に太るのだったね。やめておこう。 今日のインタビューで一番、心に響いたのは、「イメージをクリエーションに変える」、「想像を創造に変える」という言葉だった。いまの日本をもっと元気にするには、それが必要だと。 想像は独りでもできるけれど、想像を創造に変えて世の中に送り出すには、多くの人の協力が欠かせない。個人と協働の関係を、じつにうまく表現しているね。 というわけで、私も「あなた」との関係を想像から創造のレベルへ一緒に発展させていきたいのだった。
2003年05月21日
今日は葛飾区女性センターの3回講演の2回目。連続講演の場合、着る服が同じにならないように注意しないとネ。 前回がマックス・マーラーの明るいグリーンのジャケットだったから、今日は黒に金ボタンのバレンザ・ポーのジャケットに同じく黒の半袖サマーニット、伊太利屋の豹柄スカート、あーんど網タイツです。うふ。 雨の日って、嫌ですよね。昨日は時間に遅れそうだったので、パンプスで走ったら、水溜りの泥水が跳ね上がって、ストッキングが汚れてしまいました。パンツにシミがつくよりはマシだけれど。 というわけで、雨の日は予備のパンスト必携だなと学んだのでした。スカートを履くようになってからまだ年季が浅いので、そんなことも今さらのように気づくのでした。 黒っぽいパンストを履けばそんな心配無用だけれど、この季節、さすがに昼間の黒は重たい。というわけで、網タイツ。夏場や梅雨時はムレずに涼しくて快適です。別にセクシー効果を狙っているわけではないのです(って舞台裏を明かしてどーする)。 今日のテーマは職業理解と資格の選び方・取り方、そして多様な就業形態の紹介。多様な就業形態の部分では、起業、テレワーク、そしてワーカーズコープおよびワーカーズコレクティブについて触れようと思っています。結果はまたあとで。 ところで、今朝の読売朝刊はご覧になりましたでしょうか。年金改革の第3号被保険者問題について、論点がうまく整理されているので要保存版です。夫婦分割にすると熟年離婚が増えるだろうとか、サラリーマン+専業主婦の世帯のほうが夫婦共働き世帯よりも年金保険料負担が大きくなるのは不平等だとか、それぞれの立場からそれぞれの人が勝手なことを言っているのが興味深かった。 講演の後は、神保町の出版社で打ち合わせです。というわけで、ランチはタイ料理屋にしようかな。あれはベトナムだっけか? マックス・マーラーといえば、昨日、八王子から新宿経由で渋谷のジムへ向かう途中、ついふらふらーっと店に引き寄せられて見入ってしまった、金ラメ入りの麻のジャケットというかオーバーブラウス(マオカラーだったかな?)が頭から離れない。「今日は急いでいるから」と試着は辞退したものの、欲しいよー。さあ、働きましょう。 ……。 講演を昼に終え、神保町へ向かい、予定通りタイ料理屋でランチ。冬瓜と鶏肉のカレー(といってもスープのようなもの)、トム・ヤム・クン、春雨のサラダ、ご飯、タピオカのデザート、飲み物(ジャワティーまたはコーヒーから選べる)のセットで税別1100円。納得の味でくつろげた。 出版社では月刊誌の特集記事を丸ごと全部任せてもらえることになり、嬉しいやら冷や汗が出るやら。また徹夜だなあ。今回はストレスマネジメントやうつ病対策がテーマ。この分野で高名な精神科医にインタビューする機会を得たのが嬉しい。 打ち合わせのテーブルのところへ、別の編集者が笑顔でやってきた。手にはピッカピカの新刊本。私が執筆を担当したある連載記事が単行本になった。印税はその話し手である先生に丸々入ることになって、私にはまったく入らないみたいだけれど、あとがきに名前を入れて謝辞をつけてくれたのが嬉しい。とてもいい本になったので、多くの人の役に立てるといいな。ケアマネさん必読です。 4時ごろ帰宅をし、メールをチェックしたら、そのまま疲れて椅子でうたたねをしてしまった。さすがに疲労がたまっている。首筋に不気味な張りを感ずる。母がくも膜下出血で入院したのは、いまの私と同じぐらいの年齢だったような気がする。うーむ。 ちょっと、甘い気分に浸りたくなった。母のみやげにと買ったチーズケーキを一緒に食べ、さあ、もう少し仕事だと思うものの、ひどくだるい。ハイヒールに締め上げられた足が悲鳴を上げている。寝室に寝転がり、森達也さんの『マスコミが報道しなかったオウムの素顔』(角川文庫)を読んだ。>大切なことは洗脳されないことではなく、洗脳されながらどれだけ自分の言葉で考え続けられるかだ。信者たちの思考停止はある意味で事実だ。そして社会の思考停止も同様だ。鏡面を挟んだように、この二つは見事な相似形を描いている。(前掲書175ページ) 白装束の集団を伝えるマスコミの姿勢は、オウムのころと変わっていない。「初期のオウムに似ている」という専門家のコメントを誇張して人々の恐怖をあおり、異端排除の気運を駆り立てる。 もっと別の視点から見ることはできないのだろうか。悪いやつら、危険なやるらと決め付ける以前に、対話し、理解し合おうとすることはできないのだろう。 私は絶対に思考停止したくない。私の感じ方、私の理解のし方を大切にしながら、オリジナルな言葉を紡いでいきたい。誰にでも書ける文章を書くなら、私という存在は不要だ。 天気予報が的中し、外は雷と土砂降りだ。用心のため、いったん、パソコンは切ったほうがいいかな。あと1時間ぐらいで小降りになってくれればいいけれど。ま、大雨なら大雨で、私は嬉々としてフードつきで足首までの丈がある、豹柄のレインコートを着てジムへ出かけるだろう。怖いものを見る目で見られたって、構いやしない。くふふ。 さて、ちょっと週刊誌の企画を考えてからジムへ出かけます。メールのお返事はちょっと待ってね。
2003年05月20日
午前3時半に目が覚め、机に向かった。昼に家を出るまでにしなければならない仕事が3つ。1つ目は5時少し前に終了。5時まで休むことにした。まだ頭がすっきりしなくて、もう少し休眠が必要だった。 5時までのつもりが7時まで起きられなかった。しっかり寝ておかないと、2時間立ちっ放しの仕事には耐えられない。しかし、焦る。猛ダッシュで2本目をいつもの朝食の時間(8時15分)までに終了。 そしてこれから3本目に着手し、11時半までに終わらせて出かける準備をしなくちゃ。八王子婦人センターでのセミナー2日目です。がんばります。 そして今週は火曜と金曜にも講演があるのでした。おかげで、頭の中は主婦の再就職問題一色。いままで表面をなでていたような部分についても考察を深められ、「教える」ことで「教えられる」効果を享受しております。ありがとう。 今日もまた、希望をいっぱいに膨らませ、輝く顔に出会えるかな。 ……。 どうにか3本の仕事をすべて終えることができた。もうすでに1日分働いた気分。でもまだ半分残っているのだった。 3本目の仕事というのが、明日、葛飾区女性センターで行う講座のレジュメ作り。3回連続のうちの第2回目で、働き方の多様な選択肢に目を向けさせることを狙いとしている。 中でも起業のススメにウェイトをかけてほしいとのリクエストがあった。葛飾区のほうで地域振興のための起業支援事業に力を入れているそうだ。 起業といっても、いきなり会社設立をするのは難しい。最初のきっかけとしては、「テレワーク」がふさわしいのではないかと思う。 テレワークについては、下記↓のページにある国土交通省監修「在宅テレワーカー入門講座」が分かりやすい。主に女性を対象に書かれていて、イロハのイから丁寧に教えてくれる。http://www.japan-telework.or.jp/guide/ 在宅テレワーカー入門講座 女性の起業の実態については、女性と仕事の未来館のアンケート調査が参考になる。http://www.miraikan.go.jp/shien/kigyo_survey/top 女性の起業に関するアンケート調査 同館開催のセミナーに参加した女性の起業希望者などを対象に調査したもので、起業したい理由として「年齢に関係なく働きたい」(67.1%)が最も多くあがっているのが興味深い。 先週の金曜日に行った八王子市婦人センターの講座でも、「年齢に関係なく働きたい」との声が出た。年齢に関係なく働きたいのなら、もはや企業をあてにせず、自分で起業するのがいいと私は思う。 起業に必要なのは、何はなくともまず、パソコンとインターネットを使える技術ではないだろうか。これができないともう、話にならない。宣伝、営業、企画書作りのすべてにわたって必要な道具だ。 ショップの経営にしても、インターネットを利用できたほうがいい。ネット上での通販という手もある。 起業の第1のステップになりそうな在宅テレワークに向く職種としては、ライター、デザイナー、Webデザイン、DTP、CAD、入力、テープ起こし、パソコンインストラクター、ユーザーサポート、コンサルティング、翻訳、司法書士や行政書士といった士(さむらい)資格など。 開業準備からビジネスマナー、仕事の流れに至るまで、前掲のWeb講座で手取り足取り詳しい指導が受けられるので、興味のある方はぜひ! ……。 講演終了後、京王八王子の駅まで送っていただき、昼ヌキでひどく空腹を覚えたので駅前のデニーズで明太子スパゲティとグラスの生ビール!を頼んじゃった。ま、ご褒美です。 るんるん♪と、メル友が居ればパスタのできる間にメールを打つのに手持ち無沙汰だったが、ま、しゃーない。まじめに熊沢誠先生のご著書を読みながら待つことに。 社会政策や労使関係論を専門とする先生の主張は、砂地に水が染み込むごとく、私の心に沁みます。カウンセリングの本よりよほど好きだったりする(^^;)前の日記で紹介した「骨を噛む孤独」のように、働く人の心の琴線に触れる描写が随所にあり、魂に響きます。 主催者側の皆さん、そして受講された皆さんの中でも大勢この日記を読んでくださっていると思うと恥ずかしいけれど、おかげさまで楽しく仕事ができました。いまどき振り込みじゃなくて、ギャラが現金手渡しっていうのが非常にうれしかったりして。きゃー。 そのお金は、明日決済分の住宅ローン用に大半を銀行へ入金し、1万円強を残して朝日カルチャーセンターの受講料として支払うため、帰りに新宿へ寄ったのでした。 アウトプットだけでは枯れてしまうから、孤独な一本独鈷のプロフェッショナルは自己投資というか、インプットが欠かせないのです。7月にはグループワークのファシリテーター養成講座も受けてみようか。日精研で平木先生からアサーショントレーニングも受けたいし。お金はいくらあっても足りないのだった。稼がねば。 今日の日記からすると、殺人的というか狂人的な働きぶりのように見えるでしょうが、こんな日ばかりではありませんからご安心を。こんな調子で過労死するならそれも本望ですが、多分、しないでしょう。それは「やらされ感」がないからね。自分で選んだ道だから、稼げるうちに稼がないと。だって、他に誰も頼る人がいないし。 他に頼れる人がいるのは幸せなことですから、ぜひ、みなさんはその道を選んでくださいね。頼り、頼られるのも才能のうち。そのバランスを楽しめるのも人生の妙でしょう。 さて、明日は葛飾区女性センターの連続講座第2日目です。スッキリした頭で臨めるように、今日は早く寝ます。おやすみなさい。みなさん、ありがとう。新宿からジムへ直行し、エアロビ60分。完全燃焼した後のビールは旨いねえ。500ml缶を2本も開けてしまいました。ぷふぁっ!
2003年05月19日
いらっしゃいませ。MOJO BARへようこそ。って書きながら前から思い当たるフシがあってyahoo!で検索したら、ああ、やっぱり、ブルースの世界でMOJOは隠語で女性の○○○○のことを意味するそうです。one of a four letter words ああん、ミシシッピへ行きたいのにぃ。行けないやんけ。 それはさておき。 今日は休日にしました。エアロビ1本のつもりが2本、2本のつもりが3本やっちゃった。でへへ。ちょっとヒーリング・プールでぷかぷか浮かんで終わりにするつもりが、コースのあるプールをのぞいたら空いていたので、背泳500mマジで泳いでしまった。ああ。背泳、得意なんですね。クロールできないけど(^^;) ひどくおなかがすいたので、ああ、ビール、ビールと思いつつ、選択肢が色々あって迷ううちに、結局、シモキタを選びました。メガネ屋さんへローンの最終分を払いに行ったら、ああ、悪いものを見てしまった! ジョン・レノン・ミュージアムへ行って以来、黄色いレンズの丸いサングラスが欲しくて欲しくて欲しくて。 で、見つけてしまったの。ディオールの金ブチ丸メガネのすってきなフレームを!パックマンのようにちょっとだけ三角に割れている円形で、それがまたオシャレ!フレームだけで5万円もして、私は近眼なので度つきレンズが必要でして、でまあ、ちょっと値切ってまたローンで買うことに。とほほ。 ♪いま、BGMをパティ・スミスの「ホーセズ」からブラインド・フェイスに替えたところです。いいなあ、イギリスの味。ぺろり。 さて、メガネ屋の続きです。ひどくおなかがすいて腹筋がえぐれるぐらいだったので(^^;)、沖縄ソバ屋へGO! 沖縄って、日本一昆布の消費量が多いってご存知でしたか?沖縄では昆布が獲れませんから、北海道あたりからもってくるわけですが。 昆布出汁と豚肉の「出会い」が沖縄料理の中核だと私は思います。コール・ミー・オキナワ中核派。あはは。 その出会いを心底堪能できるのが、沖縄ソバなわけさー。すぱネ。コーレーグスを忘れずにどばどば。 でもって、オーダーしたのは昆布出汁&豚肉入りスープつきの焼きソバと生ビール2杯さー。 飲み足りないので、近くのバーへ行きました。一杯目がグラスワイン。チリあたりのわかりやすすぎるカベルネ・ソーヴィニオンが出てきた。あへー。カベソー嫌いな私です。だって、若いのは甘くて舌にねっとりまとわりつくチョコレート味が不快なんだもん。 2杯目は「何かモルトをちょーだい」と言ったら、クライネリッシュが出てきた。何だかロマンティックな名前がついていたボトラー物だったんだけれど失念。香りが高く、洋梨のような感じ。すばらしい。でも甘い。 ハードボイルドな姐ちゃんは、辛口がお好みなのさ。しかし、このバーでは初めて見る女性バーテンダーにお世辞使ってカクテルを頼んでみた。大好きなサイドカー。 なんて奴だ。目の前じゃなくて、カウンターの端っこでシェイクして、一歩、二歩、三歩、四歩、五歩、六歩ぐらいの位置にいた私のところへ持ってくる。 バーテンダーというのは、ある意味、役者である。バーカウンターの内側は夢の世界を演出する舞台。それなのに、ああ、それなのに、あきれたぜい。 もうそれっきり飲む気がしなくて、店を出たのだった。ああ、飲みなおしたい飲みなおしたい飲みなおしたい! 選択肢は色々あった。渋谷か、自由が丘か。うーん。勢いはあるのだが、仕事テンコ盛りで遊んだからには明日も早朝仕事必須なので、ぐっとガマン。家へ帰ることにした。いちおう、シモキタから渋谷までいける120円の切符は買ったのだが、家の最寄り駅で下車した。うーむ。 最寄り駅に、居心地のいいバーがあれば寄るのに。開業しようか。 というわけで、ワタシ専用のMOJO BARをオープンしたのだった。帰る道々、呪文のように「ピノ・ノワールが飲みたーい!」と叫んでいたのだった。 ピノ・ノワールとは、フランスワインの二大勢力の一方で、ブルゴーニュ産ワインの原料となる葡萄品種のこと。これ1種類しか使わないのがブルゴーニュのアイデンティティ(存在証明)なのだ。 他方、カベルネ・ソーヴィニオンはボルドー産ワインに多く使われる葡萄品種で、ボルドーは1種の葡萄しか使わないことはまず、ない。メルローというエレガントな葡萄品種があって、この比率が高いほど美味しいと私は思うのでした。うしし。 しかし、うちのワイン蔵(廃盤になった東芝のワイン専用冷蔵庫さー)を覗くと、ああ、やっぱり、ピノ・ノワールは開けるのが惜しいグラン・ヴァンしかないのだった。 61年モノにせよ、ジュブレ・シャンベルタンにせよ、独りで飲むのは惜しい。Do you still love me?YES indeed,but I wonder if you might not love me any more. おお、BGMは“Sea of Joy"になったところ。スティービー・ウィンウッドって凄いねえ。好きすき。 結局開けたのは、マルゴー村の2000年のワインです。まあまあ。若いので複雑みには欠けるけれど、悪くない、悪くない。パ・マル。 ワインは、まず、香りをじっくりかいで味わい、その印象を頭の中にとどめ、その後、口に含んだときの味わいとのバランス、ハーモニーをさらに味わうといい。 このワインは香りは70点、味は30点という感じ。それぞれ100点満点で考えた場合ね。つまり、味がかなりがっかりさせる。熟成していないからね。薄すぎる。えぐみが喉に残る。あのシャトー・マルゴーが作っている村名ワインなのにねえ。とほほ。 やはり、文章だけを頼りにネットでワインを購入する怖さをちょっと感じた。世の中は、飲み手もワイン商も含め、カベルネ好きが圧倒的多数なのだけれど、私はメルロー贔屓、ピノ・ノワール耽溺なのであった。 そのどちらも、私ふうに言えば「分かりにくくて繊細かつ骨太」って感じかなあ。というわけで、クロ・ヴジョとかがかなり好きだったりします。私はハードリカー呑みだからね。賛同してくれる人がいたら嬉しい(^^) 好きな音楽と好きな酒のそろっているMOJO BARもいいけれど、誰か知っている人とお話ししたいと思う夜だったのだ。 バーで、コテコテの常連っていうのはオシャレじゃないけれど、酒を飲む場所で、誰か知っている人とおしゃべりするのって楽しいよね。とくに独りで仕事している私の場合、ときに渇望というか、強烈に渇くときがあるのだった。 ああ、ブラインド・フェイスが終わってしまった。次は何にしようかな。ピンク・フロイドか、ドアーズか。 5万件キリ番、うるとびーずさん、おめでとうございます! 拙著をお送りしますね。詳しくは、後でメールか何かで打ち合わせましょう。ありがとうございます!
2003年05月17日
スロースターターの私が、今日は4時起きで仕事にチャレンジ中です……と言いつつ、いつものようにネット遊びでアイドリング中。ふはふは。 大好きな哲学者・内田樹さんが新宿・朝日カルチャーセンターへやって来ることを発見!http://www.acc-web.co.jp/0304sin/koza/A0201_html/A020112.html カウンセラーの信田さよ子さんとの対談による1回単発講座です。さっそく申し込みしました。信田さんのお話も前から一度聞きたいと思っていました。有名なカウンセラーです。ああ、樹(たつる)おじさんの肉声が聞けるかと思うと、ドキドキです。いまから胸が高鳴る。 一緒に、諸富祥彦先生の「生きる意味とスピリチュアリティの心理学」(全3回)も、申し込んじゃった。トランスパーソナル心理学会へ入ろうかなと思っていたところだったので、ちょうどタイミングがいい。 朝日カルチャーセンターでお勉強するのは結構好きなんです。以前、フリーになりたてのころ、いいだももさんの「日本のアウトサイダー列伝」で安藤昌益の凄さを知って感動し、横浜の朝カルでは関川夏央さんの「コラムの書き方」でしごかれ、3年ぐらい前には音楽療法の初級を学び、また、平松園枝さんの「サイコシンセシス」講座でアサジョーリを知って本を買いまくったりしました。 お勉強の季節がやってきた感じだなあ。 大学院でカウンセリングを専攻して修士を取る夢もあるのだけれど、いまのところお金と時間が足りなくて無理そう。宝くじが当たるといいな。あるいはパトロンが見つかるといいな(*^.^*) そうそう、昨日の日記に書いた熊沢誠先生のご本のおかげで、私の研究テーマが見えてきたのです。「労働のフェアネスとキャリア権とキャリアカウンセリング」というもの。私の立脚点は、社会学と心理学および実存哲学の間、「個人」と「社会」の間にあるのだなあといまさらながら原点を見つめ直しているところです。「労働のフェアネス」という概念は、私が昨日思いついた(!)造語なんですが、ほかにも主張している人がいるかな?詳しくはまた後日の日記に書きます。「キャリア権」については、こちら↓をご参照ください。○「キャリア権」とは何か キャリア権の議論は、働く人の一生(ライフ・キャリア)に大きな位置を占める職業キャリア(職業経歴)を法的に位置づけ、概念化しようとする試みであり、これを核に労働法全体の意義を見直そうとする流れである。 キャリア権(職業に関する狭義のもの)は、人が職業キャリアを準備し、開始し、展開し、終了する一連の流れを総体的に把握し、これら全体が円滑に進行するように基礎づける権利である。 法的根拠としては、個人の主体性と幸福追求の権利(憲法13条を基底とし、生存権(同25条)、労働権(同27条)、職業選択の自由(同22条)、教育権(同26条)などの憲法上の規定を職業キャリアの視点から統合した権利概念である。 キャリア権は、性格的に、理念の側面と具体的な基準の側面とを合わせ持つ。 理念の面では、例えば、雇用対策法や職業能力開発促進法等において、労働移動の活発化や求められる職業能力の急激な変化等の新たな事態に対応したキャリア支援策の根拠づけとして議論を深めていく必要がある。 また、基準の面では、教育訓練、配置転換、出向等の場面での援用やパートタイマーのキャリアアップやキャリアについての男女機会均等を進めていく論拠となることが考えられる。 もっとも、現状では理念の域を大きく出ていないところであり、就労請求権(具 体的に仕事に就かせるよう請求できる権利)や配置・転換・出向などを律する基 準としてただちに効力を持つものではない。 今後、上記のように、キャリア形成を促進する雇用政策を促進していく根拠づけや、実務上や解釈論において、個人の職業上の諸問題について、キャリアの視点で捉え、法律的に磨かれていくことが望まれる。「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書(2002年7月31日発表)より さて、10時までには何とか書き上げ、午後からは八王子で講演、その後、某治験代行会社で取材です。夜はエアロビ2本で炸裂して、その後、飲むぞーっ! ……。 ただいま11時少し前。どうにか4ページの原稿を脱稿し、送信したところ。4時間半しか寝ていないので、眠くなってきた。 今回のテーマは、ワーカーズコープとして発足したNPO法人によるユニークな介護保険事業。8人という、ほかでは考えられない小規模定員で実施するデイサービス事業のほか、ヘルパー派遣事業、居宅介護支援事業を行っている。 デイサービスといえば、「高齢者の幼稚園」と揶揄されるように、30~40人ぐらいの「クラス単位」で歌を歌ったり、ゲームをしたり、手工芸を全員一律に行うのが普通だ。そして全員一緒にお食事して、バイバイ。 デイサービス利用者の中には、体は不自由だけれども知的活動への意欲旺盛な人もいて、そういう人は「チイチイパッパは嫌だ」と拒否するとのこと。 私だって嫌だもんね。音楽療法の勉強をしながら、ずっと疑問に思っていた。私が高齢者になってケアを必要とするようになったときに、あんなふうに全員が一緒になって文部省歌や民謡、演歌を歌うなんてゲロゲロゲローだ。だから、途中で勉強を止めてしまった。 集団主義に慣らされた戦前・戦中の世代はともかく、団塊世代をはじめとする戦後世代にとって、全員一律の「チイチイパッパ」は馴染まないだろう。 というわけで、私がレポートしたこのデイサービスでは8人定員で運営し、1人ひとりの希望に合わせてそれぞれのお世話をしている。「囲碁が好きだ」と言えば相手を探す。「パソコンを習いたい」と言えば指導役を探してくる。それもこれも区に登録した無償ボランティアの中からだ。 パソコンの指導役は60歳で定年退職した元サラリーマンが買って出たという。まさに老老ケアである。 ボランティアを最大限に活用しているものの、8人という理想の運営ではやはり赤字が出てしまう。他のホームヘルプ事業の収益で埋め合わせできるから、それでよしとしている。 ワーカーズコープというのは、利潤追求よりも自由、自己実現、社会貢献をモットーとする組織だ。出資=経営=労働の三位一体で「雇う―雇われる」の対立関係がなく、全員参加の公平な組織である。 おっと、そろそろ出かける準備をしなくちゃ。 このレポートの締めくくりに、「硬直した労働のあり方に新しい風を吹き込む」っていう表現を使ったのだけれども、いかがなものでしょうか。 おまけ。多分、今日中に5万ヒットに到達すると思います。キリ番の方へ、私の著書『女は好きな仕事で輝きたい』(学陽書房女性文庫)を進呈しようかと思いますが、いかが?
2003年05月16日
低血圧ではないが、朝はスロースターターなほうだ。朝いちで仕事がある日は、どっと疲れる。今日みたいに外出は午後からで、午前中はマイペースで原稿書きができるとありがたい。 好きなことから始めよう。選んだBGMは、U2の“ONE”。心が洗われるようなキレイな曲だ。 ひとつの恋 ボクたちはひとつになれる けれどボクたちは同じじゃない それぞれ別々なんだ ……なーんて感じの詩の世界。 そして、大好きなハーブティーを飲む。「レッド・ジンガー」っていう赤いお茶で、ハイビスカス、ローズヒップ、レモングラス、カンゾウなどが入っている。ホットもいいけど、アイスにするとまた格別。 いま、読んでいる本は『リストラとワークシェアリング』(熊沢誠著、岩波新書)。電車で移動する間の読書は、新書サイズがちょうどいい。 リストラや成果主義、能力主義を肯定する「タカ派」の論調に対する批判の書と読める。私もうっかり、「タカ派」の近くに居たのだと気づかされ、冷や汗をかいた。 リストラされる人の心の痛みを、お前は本当に分かっていたのか?分かろうとしたのか?分かったフリをしていたのではないか?いや、もっと悪い。目をつぶって見えないフリをしていたのではないか? キャリアカウンセラーを名乗る資格はないなあと猛省させられた。 熊沢先生は、「能力」を理由にリストラされる人の心の痛みを次のように描写する。>退職の勧奨や強要が個人別に「スキルの棚卸し」とよばれる能力評価にもとづいて行われること、それが労働者を打ちのめす作用である。>この不幸を招いたのは能力や努力が不十分だった私自身の責任かもしれない――受難の人はとかくそう考えてしまう。受難をみずからの責任に還元させる。ここに、社会的差別を明瞭に指摘しうる一律解雇のほうがあるいはまだましかもしれないと思わせるまでの、能力主義的な個人選別というもののもっともシビアな側面がある。>こうした軌跡をたどりながら孤立して辞めてゆく人の孤独を、もちろんそれなりの心労を負うとはいえ経営者やユニオンリーダーはどれほど理解できるだろうか。この骨を噛む孤独は、社会的差別の場合とは違って、家族にさえ語ることをためらわせる。「私はスキル不足のため首になった」と闊達に語れる「お父さん」は少ない。>増加しつつある自殺者や家出人のなかでは、この不安と孤独がきわまった失職者がかなりの比率を占めるはずである。「骨を噛む孤独」とは! キャリアカウンセラーが「リストラ屋」じゃないとしたら、この「骨を噛む孤独」から人々をなんとか救済しなくちゃならない。
2003年05月15日
さいたま新都心駅近くの会場で、今日は午前10時から再就職セミナー講師の仕事だった。 30代から60代までの女性が約40人。3人がけの長机がちょっと窮屈そう。まずは例によって、全員からひとことずつ、「リクエスト」をいただいた。再就職についての疑問、知りたいことを言ってもらうのだ。そして、本日のテーマは、「履歴書、職務経歴書、面接での自己PR」である。 熱気むんむん、やる気まんまん、手ごたえ十分の2時間だった。「このままの自分でいたくない」「何か始めたい」という前向きな意欲がビシビシ伝わってきた。 おかげで私も上機嫌。いつも以上の名調子(?)で話せたと思う。 2時間立ちっぱなしで話すのは、結構、疲れる。途中でおなかがグー。くらくらきて、演台に手をついてしまった。終了後、せっかくここまで来たのだからと、念願のジョン・レノン・ミュージアムへ。 平日なので、がーらがら。じっくりとジョンの思い出に浸ることができた。手書きの歌詞の草稿がいくつも展示されていた。 なんだか私の字に似ている。考えてみたら、中学生時代に何かの本で見て筆跡を一生懸命真似たのかもしれない。筆記体のyとかtとか、まるでおんなじなんだもん。笑っちゃう。 脚韻を踏むために、紙の端にいくつも単語が並べてあった。revolution,institution....頭の中であれこれ言葉をいじくりまわしている様子が伝わってくる。うーむ、あーは、ふーむ……なんてね。「イマジン」の草稿は、ニューヨークヒルトンの小さなメモ用紙に書かれていた。 時代別に小部屋に分かれていて、私はやはり、「マザー」と「イマジン」のころの時代の部屋の空気に浸ってしまった。天井近くの大スクリーンに例の別荘での「イマジン」収録風景のビデオが映し出された。 あのゲジゲジ眉毛と丸めがね、眠そうな目は誰かさんに似ているなあ。 もっと思い出に浸っていたかったけれど、さすがに山積みの仕事が気になって見学は1時間程度で切り上げ……万平ホテル直営のレストランでランチを堪能してしまった。例のジョンの自画像をあしらった食器で出てくるんだ。 ビーフストロガノフとグラスワイン……正直に告白すると、白、赤の順に2杯。そして、ミュージアム参観者のみオマケにつくコーヒーを食後に。 帰りにはTシャツ2枚(1枚は↑の写真をあしらったもの、もうひとつはジョンが着ていた“NEW YORK CITY”Tシャツの復刻版)、それとピースマークのペンダント、ピンバッジ2種とジョンの版画をあしらった一筆箋を買ってしまった。るんるん♪ また近いうちに思い出に浸りに来よう↓http://www.taisei.co.jp/museum/ さて、もうちょっと仕事しなくちゃね。
2003年05月14日
葛飾区女性センターにて4回連続講演の今日は初日。「働く女性の現状」について、各種データで解説した後、自分自身の適職発見の第一歩へガイドします。 午後はオンラインカウンセリングを行っている「ピースマインド」の取材。前から興味のあった分野なので、ちょっと楽しみです。 ご報告は夜、ワイングラスでも傾けながら。 ……。 さすがに疲れました。もう瞼がくっつきそう。眠いーのでちょっとだけ。 10時からの葛飾区女性センターでの講演は、最初に受講者全員(約40人)に自己紹介をしてもらい、受講の動機や、この講座に望むことをひとことずつ話していただきました。だいたい次のような傾向にまとめることができるかと思います。1.現状への不満、問題意識新聞の折込チラシの求人広告をチェックしているが、やりたいような仕事がない。年齢制限に引っかかってしまう。パートの仕事は単純作業ばかりでやる気がしない。このまま扶養される立場でいるのはなんとなく不安。経済的裏づけがほしい。2.社会参加への意欲仕事じゃなくてもボランティアでもいいから、社会とかかわっていきたい。子どもが手がかからなくなって、自分の時間ができたから、何かを始めたい。刺激を受けたい。背中を押してもらいたい。3.仕事、資格への興味どんな仕事があるのかを知りたい。資格を取っても本当に役に立つのか知りたい。家でできる仕事はないだろうか。4.仕事への目的意識が明確一生続けられる仕事をしたい。好きな仕事をして生きたい。収入は多くなくてもいいが、やりがいのある仕事をしたい。5.でもちょっぴり不安家を犠牲にしてまで働きたくない。体力が落ちているのでフルに働く自信がない。いますぐでなく徐々に始めたい。自分の条件に合う働き方を見つけたい。 みんなのコメントを総括した後で5分間の休憩をとって、ちょうど50分経過。 後半はまず、「データで見る働く女性の現状」と題して、女性雇用者数、女性雇用者の割合の推移、女性労働力率の推移(M字の谷間が浅くなり、潜在的労働力率は台形になっていること)、パートタイマーの現状(再就職する女性の7割がパートであること、パートタイマーの比率が増えていること、正社員との賃金格差は年々増えていること、企業および働く人自身がパートを選ぶ理由、配偶者特別控除が2004年から廃止になり、厚生年金加入条件が年収130万円から65万円に引き下げられる見通しであることなど)、男女共同参画についての世論調査のデータなどを紹介しました。 正社員での雇用が厳しくなっている一方、パートの雇用は増えているが、給与などの条件が厳しくなっている現状をしっかりと見つめてもらい、また、なぜ、パート労働が安いのか、その理由のひとつは、配偶者控除を受けるためにセーブして働き、自分の能力や働く機会を「ディスカウント」している女性が多いからであると力説したのでした。 最後は、再就職を成功させるためのプロセス全体を見通してもらった上で、最初の第一歩である「自己発見」へのレッスンへと導きました。 自己発見は、仕事に関する自分の興味、適性、能力、価値観を見つめなおすことから始めます。講座では、参加者全員から「自分の長所を表す言葉」を一言ずつ挙げてもらい、それをホワイトボードに書き出して検討してみました。 そして、宿題として、「私の長所」をテーマにした作文を書いてもらうことにしました。構成は、「私の長所は……です」という書き出しで始め、そのように思う理由や根拠を過去の体験などから実証的に示し、まとめとしてその長所を仕事にどのように生かしたいかを書くというもの。 これは履歴書や面接で志望動機をアピールするときの練習になりますね。 長所が思いつかないという人のために大サービスして、カウンセリングでよく使う「リフレーム」のお話も少々。要は、短所もひっくり返せば長所になるというお話ですが、このことはいずれまた詳しく。 午後3時からのピースマインド社長へのインタビューで聞いた「メール・カウンセリング」のメリット、限界、テクニックに関する話も、とってもエキサイティングでしたが、これもちょっと出し惜しみして、いずれまたね。 ピースマインドのホームページはこちら↓http://www.peacemind.co.jp/ では、おやすみなさい。
2003年05月13日
まいど月曜日は悲惨であることよ。週末、アルコール漬けだった脳味噌がうまく働いてくれなくて、書いている原稿にキレがないの。とほほほ。 今日は子どもに対するキャリア教育のあり方についてのレポートを書いています。http://www.kuraray.co.jp/enquete/index.html クラレが行った「新1年生と親の就きたい職業、就かせたい職業」というデータが結構、面白い。 男の子の就きたい職業ナンバーワンはスポーツ選手で、親は公務員。親っていうのは堅実過ぎてツマラナイと思いきや、2位にスポーツ選手が入っているのが能天気というかなんと言うか。チチロー一攫千金の夢なんですね。 一方、女の子のほうは第1位がパン・ケーキ屋・お菓子屋で、女の子の親は看護師。女の子の親は猛烈な資格志向が現れていて、2位以下は公務員、教師、保育士、医師、薬剤師の順になっています。7位がフライトアテンダントつまりスッチーで、8位は美容・理容師。 男の子の親では会社員が5位に来ているのに対し、女の子の親は9位と低い。これは女性が仕事を続けるのが厳しい状況の中で、手に職をつけ、その道の専門家になることで、少しは有利に生きていけるようにとの親心の表れなんでしょうね。 私はよく祖母から「薬剤師になれ」と言われたことを思い出します。化学が得意だったから、そのテもあったかなあ。科学記者っていうのが実は一番向いているかもしれないと思う今日このごろ。 ……。 長い一日もようやく終わろうとしている。途中、神保町の出版社へ打ち合わせに行っている間に、「絶対今夜中に送ってくれ!」と、原稿の催促のメッセージが……。あちゃー! そうこうしているうちに両親が旅行から帰ってきた。今日は母の誕生日。浜名湖みやげのうなぎの白焼きをメインに、シャンパンでちょっとしたお祝い。原稿書きが残っていても、家族としての義務というか愛情の交流のひとときをおろそかにすることはできないので、おお、ちょっと酔いが回ってしまった。いかんいかん。 昨日つくって冷やしておいたハーブティーのボトルを飲んでクールダウンしつつ、ようやく書き上げ、送信したところ。やれやれ。 ギリギリの綱渡り状態は止めようといつも思うのに、なぜか止められないのだよなあ。「人生テヌート状態」っていうかなんていうか、いま、このときを最大限に引き伸ばして使いたいのだった。 なーんてエラそうに言っている場合じゃなくて、単に「のんびり屋」なんですね。 それでも私の場合、日にちを1日間違えて先取りしている状態になることがたまにあって、こういうときが多分、「絶好調」で1.5人分ぐらいの仕事をこなしているのだろう。 しかし、今日の私は月曜日から一歩も抜け出ることができず、それどころか、土、日の幸せな時間、おお、二度と戻り来ぬ時間の余韻を引きずっているのであった。 ああ、あのバーの止まり木での甘美な時間が永遠に続いてほしいのになあ。 さて、今週は講演が3本!葛飾、さいたま、八王子のロードが待っているぜい。気合を入れてがんばろう。
2003年05月12日
同じ高校だった宮原芽映ちゃんのライヴへ行って来た。在学中に歌手デビューし、その後は作詞家として知られるようになった彼女。個性派美人で、独特の世界を感じさせる。 会場は「ライヴもできる居酒屋」といった体裁の店で、30人入るかどうかのスペースだ。アコースティックな音を聞くにはちょうどいい。彼女自身がギターを抱え、ほかにもう一人のギターとベース、ドラムス、パーカッションの5人構成。全曲オリジナルで、丁寧に作りこんだ詩の世界に浸れる。バックを支える面々はプロのスタジオ・ミュージシャンで腕前は超一流だ。 声量のあるほうじゃないし、特別うまいわけでもないのだけれど、その頼りなげな声に味がある。世界を語る、語り部のような声だ。 いいなあ。 高校の同期には、活躍中の女性が大勢いる。フジTVの松尾紀子アナウンサー、女性誌「和楽」の花塚久美子編集長、そしてお友達のフリージャーナリストでこのたび大学助教授に就任された福沢恵子さんもそう。 芽映ちゃんのライヴへ一緒に行ったマキちゃんも、ニットデザインの企画会社重役として活躍中だ。 私も頑張らなくちゃね。 ライヴの後は、2人で近くの焼肉屋へ行った。「男と付き合っているときは、焼肉屋へよく行ったものだけれど、最近、縁遠いねえ」 なーんて、お互いにため息ついたりして。 ともあれ、生ビールぷふぁっ!の後、レバ刺し、タン刺し、タン塩、カルビ、ミノ、レバー、マンボウのミノと来て、最後に冷麺まで食べちゃった。マッコリ1本も空にして。ああ、うまかったぜい♪ その後、いつもの隠れ家のようなバーで、いつものようにべろべろになるまで飲んで、それでも早い時間のスタートだったから、ちゃんとバスで帰れました。 朝、目覚めたら、上着から何から全部着たまんま布団に転がっていた自分に気づいたのでした。あちゃー。 ……。 今日は母の日。月々掛け金を積み立てて「利息」がたくさんつくJTBの旅行券を前もってプレゼントしたのだった。朝、両親連れ立って浜名湖の温泉へ出かけたところ。 というわけで、今夜はお泊りしても朝帰りしてもバレないのだが、そんなときに限って相手がいないのだった。あーあ。おとなしくしています。
2003年05月11日
幸せな気分。いい仕事したなあ。癒しつつ、癒されつつ。女の人同士の集まりって、ほんわかしていていいよ。ああ、いいなあ。 普段、仕事しているとどうしても私は戦闘モードになってしまう。口が悪いから、嫌われるわけよ。 自由業の場合、気楽なように見えて、実は自分との闘いだから、厳しいわけよ。ほかに闘う相手が見えていないから、自分の怠惰さ、無能さ、いい加減さみたいなものと、常に闘わねばならなくてね。 だからどうしても、性格が芯の部分できつくなってしまうのよね。 そんなふうに気づくことのできた今日でした。よく言われるように、女は男の3倍頑張って初めて男と同等に見られる。企業社会では確かにそうだよね。 自由業は、男も女も実力勝負。性別は言い訳にならない。しかし、男性優位社会に対するルサンチマンっていうものがあるからね。 正直なところ、私はこの男性優位社会が嫌で嫌で、それを個々の男に投影して見ている部分があるな。基本的に男性は大嫌いで、「無能なクセに下駄を履かされている奴ら」という偏見の目で男を見ている。 だから、男社会に胡坐をかいていない男性、偉そうにしていない男性を見つけると、それはもう奇跡的存在だと思って尊敬するし、大事にする。そんな男友達は、おかげさまでたくさんいる。 蚕豆ともずく酢と花酒ありがとうねー。たけちゃん。おいしかったさー。島らっきょうは昨日、東急プラザの地下の沖縄屋さんで買ったのがあってさー、塩でもんで食べたら、やっぱり、泡盛と相性バツグン!花酒は今夜はちょっとやめて、この前にもらった泡盛でゴキゲンさー。 でも、圧倒的多数の男は大嫌いで、もうそばに居られるだけで嫌で嫌でほとほと疲れているっていうのが本音なんだといまさらながら気づいた。かといってやっぱりヘテロセクシャルなんだけどね。 というわけで、今日というか、もう日付が変わって昨日なのだけれど、女の人たちの前向きな集まりの中に居て、心の底から癒された。彼女たちと居た時間について描写した自分の文章が柔らかく、優しく、あたたかいことに気づき、ああ、これが本当の私なんだなあと思った。 男社会の中で仕事していくのは、本当に疲れる。マジでやらずに、テキトーにやっていればいいのにね。まあ、それができないから、疲れる。 その疲れを、自分でもよく分かっていなかったし、分かってくれて「おお、よし、よし、辛かったんだね」って言って分かってくれる男性が居なかったから、余計に疲れていたのだろうなあ。 たまにはこんな夜があっていい。自分がどうしようもなく疲れていて、どうしようもなく「負け犬」で、でも負け犬にも生きていける場所があることに気づくことのできた夜に、乾杯! というわけで、スミマセン、酔っ払っています。ああ、泡盛うまい。
2003年05月10日
今日は約1年間かけて行う某女性セミナーの初日。その講師役を務めるのでした。 以前の日記に書いた「ジョブクラブ」を某自治体主導でつくるために、そのファシリテーター役の女性ボランティアを育てようというものです。なかなか画期的な試みで、うまくいけば、全国に波及できるんじゃないかと思ったりして。 では、行って参ります!続きは夜にでもワイングラスを傾けながら(^^) ……。 帰ってきました。初日の手ごたえ十分にありすぎ!ボランティアだから、せいぜい10人も集まればと主催者側は思っていたようですが、蓋をあけてみたら、なんと40人近くが集まりました。 本日は、午前中の2時間が説明会(オリエンテーション)と講師の自己紹介&フリートーク、午後2時間が自己紹介とフリートークという予定でしたが、説明会が予想以上に早く終わり、私が1時間以上も話すことに……。 レジュメを作らず、アドリブでやろうとは思っていましたが、こんなに時間があるとは予想していなかったあ!ちょっと焦りましたが、まあ、お話の引き出しはいくらでもあるので、お任せあれヨ。 お話ししたのは、1)ボランティアの意義、2)しごとサポーターとは? 3)ジョブクラブについて、4)カウンセリング、コンサルティング、コーチングの違い等々。 少し紹介しておきますと、この講座の主催者である女性センターでは、市民の市民による就業支援グループ作りを構想しておりまして、今回はそのファシリテーターとなる人材を育てるための講座です。 仕事にカムバックしたいと考えている専業主婦はたくさんいますが、育児や家事との両立を不安に思い、なかなか動き出せないでいます。「専業主婦だけの自分」には満足できず、モヤモヤが募り、なんとかしたいけれど、なんともできない。そんな女性たちのモヤモヤを受け止め、進むべき道が見つかるまで一緒に付き添ってあげる。もしも道が見つかったら、最初の一歩を元気いっぱいに踏み出せるように背中を押してあげる。そんな動き方のできるサポーターを育てようというものです。 専業主婦たちはさほど経済的事情が逼迫しているわけではないから、ハローワークなどで行っているサポートの仕方とは別のアプローチが必要なわけです。キーワードは、「エンパワーメント」ですね。 だから、先日の日記でご紹介した「ジョブクラブ」のような運営の仕方が、まさにぴったりじゃないかと考えたのです。お互いにエンパワーし合う中で成長を図り、自分らしく生き生きと生きられる道を見つけて行こうじゃないかと。 午後の自己紹介では、約40人の方がそれぞれに熱弁をふるってくださいました。一巡するのに1時間以上かかりました。参加の動機、この講座に望むことを共通の「お題」として設定したものです。 あと、年齢ね。戸籍上の年齢を言いたくなければ、自称でOKよ、なーんて言って笑いととりながら。私自身の自己紹介で自分の年齢をバラしちゃったから、「先生よりはちょっと上です」「ちょっと若いでーす」なんて発言が連発したのには参ったぁ!下は30台前半、上は65歳といったところでした。平均がちょうど私ぐらいかな。 ご自身の仕事の体験、育児のために仕事を辞めざるを得なかったときの気持ち、カムバックを図ったけれども難しかったというエピソードなど、生々しい声ばかり。 結婚も育児も経験したことのない私がとくに心を打たれたのは、幼い子どものひとことがきっかけでパートの仕事を続けるのを断念したという女性の話でした。 冬休みとか春休みになると、きまって子どもに言われたそうです。「お母さん、今日もお仕事へ行くのぉ?」 本当は「お仕事に行かないで。おうちに居て」と言いたいのにお母さんの事情や気持ちも汲んだ上でこう言っているんだなあと分かって、胸の詰まる思いだったそうです。それでも冬休みと春休みはなんとか仕事を続けたのだけれども、長いお休みのときはどうしても一緒に居てあげたいという気持ちが募り、夏休み前に仕事を辞めたそうです。 なんかこうして書いていても涙が出ちゃいますね。そんな気持ちを振り切ってまで、仕事を辞めるな、続けろとは、とても私にはいえません。でも、辞めるとキャリアが中断されて不利になるという現実はある。さあ、どうしましょう。 受講生の皆さんと一緒に考え、刺激しあい、学びあい、私もひと皮剥けて成長できそうな予感がして、ワクワクしています。2週間後の次回が楽しみ。
2003年05月09日
今日は、じめじめして鬱陶しい。体調も悪くて……。 なんとか気を奮い立たせ、連載エッセイを書く準備をしています。今回のテーマは回転ずしを裏で支えるハイテク。すしロボットやコンベアについてリサーチ中なのでして。 回転ずしの裏側がわかる、こんな面白いサイトを発見しました。↓http://www.interq.or.jp/black/popo/index.html 回転ずしって、やっぱり主な利用層はファミリーかなあ。一度、千葉周辺に展開している「ハミータ」というチェーンを取材したことがあるけれど、昼間は主婦がお友達同士で利用するケースも多いみたいね。ということで、私には実に縁遠い世界。 想像力が働かない……というよりも、分かる事実の一つひとつが面白くて、「へーえ」「ふうむ」と感動してしまう。「徹子の部屋」の黒柳徹子さんみたい。 ちょっといい話だなあと思ったのは、すしロボットの開発エピソード。その気になれば、完全自動化も不可能じゃないけれども、あえてシャリにぎりだけにとどめ、ネタを乗せて仕上げる部分は、職人に仕事の余地を残しているとのこと。「100%自動化の機械ではなく、必ず人の手を介在させるものを作りなさい。機械ではなく、人の手助けになる道具を作るのです」というのが、その会社の社長のモットーだそう。 そんな思いをこめてこのロボットに「助人(すけっと)」と命名したそうだ。命名って、「命に名を与える」のか「名に命を与える」のか、そんなことを考えてしまった。http://www.suzumo.co.jp/x-ohitsu.html このハイテクすしロボットは、おひつの形をしているので、見た目には職人さんがおひつからすし飯を取り出して自分で握っているようにしか見えない。 というわけで、回転ずしだけでなく、個人経営のすし店からも引き合いがあるとのこと。でも、「言ってくれるな」との要望で詳細はヒミツ。 食べた感じは、ロボットなのか人手なのか、その差が分からないくらい進んでいる。「浮かし握り」といって、握ったすし飯の真ん中に微妙な「空洞」を作る職人ワザがあるが、これと同じことがロボットにもできるんだとか。「テレビ局から撮影に来て、シャリに照明を当てたりしたのですが、実際には目に見えるような空洞はできていなくて、真ん中の部分だけ、米が縦に並ぶというか、外側とは違って密度が緩くなっているんですね」 突然の電話にもかかわらず、丁寧に教えてくださった広報の方、ありがとうございます。 この「浮かし握り」が、すしをほおばったときのふんわり感、「口どけのよさ」を実現するのだそうだ。 すしロボットの進化が著しいというのは、少し前に読んだ漫画「ビッグコミック」の連載で知っていた。スーパーの持ち帰り寿司が売れなくて困っていて、それを聞きつけた主人公である魚屋中卸の三代目がひと肌脱ぐというストーリーだった。 ネタやシャリでは近所の流行っている回転ずし屋に負けないものができたけれど、それでも売れないというオチだったと思うが、やはり、人々がすしに求めているのは「目の前で作ってもらって食べる臨場感」じゃないだろうか。 動化されていて味気ないように見えても実は、中で職人さんが握っている(らしい)というところがすしのすしたるゆえんで、中に入るのは白衣を着たおばさんじゃ絶対にだめで、たとえ学生アルバイトでも職人「らしく」見えることが重要なんだろうな。 実際、すしロボットで人員削減していても、素人だけの店はなくて、必ずベテランを配置しているとか。「素人を使う場合でも、3日から1週間は研修を受けさせて、“手まね”ができるようにしているんですよ」 人間の技術の大半は機械が代行できるようになったけれど、最後の仕上げの部分だけは、やっぱり「人のぬくもり」を感じたいとみんな考えているのだろう。それはとっても「正常」なことで、それがなくなったら、日本の職文化の中からまたひとつ宝物が失われてしまうということだろう。 あれれ「食文化」と書いたつもりが「職文化」になっちゃった。ま、それでもいいかな(^^)
2003年05月08日
1.仕事上の悩みや相談事をその道の先輩たちに相談してアドバイスをもらえるBBSがあって、2.資格や職種などの仕事に関する最新情報のデータベースを利用でき、3.各資格・職種別に、その道でがんばっている先輩たちのサクセスストーリー(挫折を乗り越えたなどのシビアな話つき)+キャリアカウンセラーによる分析と解説が読めて、4.適職診断や市場価値診断を受けられ、仕事上の悩みごとについてキャリアカウンセラーに相談できる そんな会員制サイトがあったら……いかがでしょうか。会費は月額300円で、実質1万円ぐらいの価値のあるコンテンツを提供しよう……なーんて事業を某社と組んであたためているところです。 内容については、このほかにもいろいろアイディアがあるのだけれど、ここではちょっとサワリだけ。新しい資格制度の立ち上げや、ある種のコンテストなども考えています。 このサイトの理論的背景として使えそうだなあと思ったのが、「ピアカウンセリング」と「ジョブクラブ」。厚生労働省の資料からちょっと引用しましょう。>ピア・カウンセリングは、カウンセリングの専門家が求職者等に対して行うものと異なり、境遇や環境を同じくする者同士が相互にカウンセリングを行うことを意味するものである(ピア〔peer〕とは、英語で、仲間、同僚の意)。職場の同僚がお互いに自らのキャリアの悩みや希望について語らい、アドバイスし合う場合や、求職者同士が励まし合いや情報交換をする場合などは、キャリアに関するピア・カウンセリングの代表例であるといえる。>「ジョブクラブ」とは、こうしたピア・カウンセリングの要素も取り入れた就職援助手法であり、求職者がグループで行う自主的な求職活動を、活動場所や活動資源(電話、文房具、新聞など)の提供、専門家によるアドバイス等により支援するものである。1970年代初期にアメリカで開発され、イギリスでは80年代半ば以降公共職業安定所の有力な支援メニューとなっている。我が国では、中高年齢求職者向けの「キャリア交流プラザ」事業(平成11年度より実施)においてジョブクラブの手法が採用されているが、若年者求職者等へのこうした手法の活用は今後の課題である。 興味のあるカウンセラーさん、利用モニター希望の方がいらっしゃいましたら、私書箱のほうへメールくださいね。よろしく。詳細はまた書き足していきます。
2003年05月07日
いまどきの魚屋は、刺身以外の生魚はほとんど売れなくて、焼き魚、煮魚、フライといった、「買ってすぐに食べられるもの」に人気が集まる。 実家の魚屋では、鯖の塩焼き、鰤の照り焼き、銀むつの西京焼き、うなぎの蒲焼が定番で、いまの時期は鮎の塩焼きがお薦め。鯛の頭のかぶと焼き、鰤かまの塩焼き、牛肉のステーキのようなボリューム感のあるマグロのカマがお目見えすることも……。 その日の仕入れによって作れるものが異なり、煮魚は鰤のあら煮、かつおのあら煮、金目鯛のあら煮、まぐろの角煮などを日替わりで作って並べる。「冷めてもおいしい」と評判のフライは、近くのパン屋の生パン粉を使用し、卵もたっぷり使っている。そう、すべて母の手作りだ。 焼き魚は、大人の頭2つ分入るぐらいの大きな専用ガスロースターで焼く。「直火の遠火(じかびのとおび)」ってやつだから、遠赤外線効果で魚の中のうまみをじっくり引き出せる。冷めても家庭のトースターで少し温めれば、焼きたての味を再現できる。「脂が乗って、ジューシーなこと!あんなに美味しい鯖は食べたことがない。またお願いします」 と、ジム仲間のご主人に鯖の塩焼きが大好評。尾頭付きの魚の骨を取り分けて食べるのが苦手で、奥様によると「猫が大喜びするぐらい」だそうなので、骨の少ない鯖の切り身はうってつけ。「会社の近くの定食屋で焼き魚定食を食べることもあるけれど、全然、うまくないんだ。魚がパッサパサでね」 彼の勤め先は大手町だから、飲食店はテナント料と人件費が高くつく分、材料費をギリギリ抑えているのだろう。 でも、そうやってまずいものを提供していると、人々に「魚はパサパサでまずいものだ」という偏見を植え付けてしまうのではないだろうか。 料理人は、よい素材を吟味する目利きでなければならず、その素材のよさを十二分に引き出しておいしいものを作る義務がある。美味しくなければ店が流行らないという経済原則による淘汰もあるが、それ以上に、職業倫理として「よいものを美味しく提供する」義務感を持ってほしい。 それが日本の伝統的な料理文化を守り、育むことにつながる。また、他の生命を犠牲にしなければ生きられないという人間の「業」を自覚し、奪った命はせめて最大限に活用してほしい。「魚はこの程度の味だと思わせたのは、スーパーに責任がある」と父は苦々しそうに言った。「安ければそれでいいだろうという考えで、粗悪品をどんどん売り、その結果が魚離れだ」と。 スーパーで売ってる、何時間前に作ったか知れないような、ラップにくるまれた刺身しか食べたことのない人は実に気の毒だ。近くの懇意の魚屋さんに相談すれば、お好みの素材を組み合わせ、ちょうどいい時間帯に用意してくれるだろうに。 コミュニケーションの煩わしさを嫌って、スーパーへ行くのだろうが、便利さと割安感の代償に、大切なものを失っていることに気づかないのだろうか。 選択肢が広ければ、「私好みのもの」が見つかると人は考え勝ちだ。選択の自由はすばらしいと。 しかし、本当に自分に合うものは、そんなに簡単には見つかるはずがない。スーパーといった大量消費を前提にしているビジネスが想定している通り一遍のライフスタイルとキャラクターを持った「向こう側が透けて見えるような薄っぺらな人間」ならば、いつでもどこでも自分を満足させられるものを手に入れられるだろう。しかし、本当に満足しているわけではなく、単に嗜好を「操作されている」ことに気づかないのだろうか。 いま再び「贔屓(ひいき)の関係」を取り戻したい。魚屋のおやじは、贔屓の客の喜ぶ顔を思い浮かべ、好みを思い出しながら、市場で品物を仕入れる。 おやじが旬のよいものをいかによい状態で妥当な価格で手に入れるかは、これまた中卸のおやじとの「贔屓の関係」によって大きく左右される。 そんな、「顔の見える商売」は、残念ながらどんどん廃れていく運命にある。 個人商店はコンビニやスーパー、ディスカウントショップの隆盛によって淘汰され、激減の憂き目にあっている。冷徹なアナリストは、「大競争時代に適応できないのだから仕方ない」と言うかもしれない。でも、本当にそれでいいのか。 のんきなうちのおやじはこう言っている。「最近になって、この商売が楽しいなあと心の底から思えるようになったよ。暇になっちゃったけれど、だからこそお客さんと好きなだけおしゃべりできる。お客さんのことがよく分かるから、今度はあれを薦めたらどうかな、こんなものを買ってきてみようかなと、いろいろ考えられるんだ。楽しいねえ」 父は元々教科書会社の営業マンで、私の祖父母に強制されてしぶしぶ脱サラして家を継いだのだった。才覚のある人だから、会社に残れば役員クラスまで出世できたとは思うが、いまでは地元の商店街のボス役と魚商組合の長老としての世話焼きを楽しみつつ、のんびりマイペースで飽きない、じゃなかった商いをしているようだ。 そう、「商い」は「飽きない」だから、楽しいのだ。
2003年05月06日
ただいま日付が変わって間もない深夜1時過ぎ。昼間は、すっかり初夏という感じでしたね。初めて半袖のシャツを着ました。そよ風がキモチいい。住宅街を歩いていたら、庭木のジャスミンが妖艶な香りを振りまいていました。 さて、夕食に作ったパスタが初夏らしい味(?)に仕上がりましたので、ちょっとご紹介。 ナチュラルハウスで手に入れた沖縄産の「島らっきょう」は、粗い千切りに。なければエシャレットで代用できます。これって実はらっきょうだもんね。 沸騰した湯にたっぷりの塩と、細めのパスタ「フェデリーニ」を投入。 茹でている間に、フライパンで島らっきょうを炒めます。胡麻油がいいでしょう。 茹で時間6分だったので、5分経過した時点で、洗ったおかひじきを鍋に投入し、時間がきたら一緒にザルに上げます。 島らっきょうが待っているフライパンに、パスタとおかひじきを投入し、よく混ぜ合わせます。味付けは、ナンプラーまたはニョックマム、しょっつるなど。魚醤なら何でもOKです。泡盛少々も入れて、最後に鍋肌から醤油を回し入れて香りをつけます。 温めておいたお皿にパスタを盛り付け、上におかかを躍らせます。辛いのが好きなら、もちろん、コーレーグスをふりかけましょう。 おかひじきの冴えた緑色が食欲を誘い、シャキシャキ感が細いパスタにマッチします。 沖縄料理では茹でたソーメンを使い、「ソーメンチャンプルー」と言いますね。パスタの細麺を使ったほうが、フライパンにこびりつきにくいのではと思って考案しました。 おかひじきがなければ、らっきょうだけでもいいし、青ネギや貝割れ大根で色みをつけてもいいかもしれませんね。魚醤がなければ醤油だけでもいいし、イカやカツオの塩辛が残っていたら、少々混ぜると「らしく」なりますよ。きっと。 ……………。 本を買いまくっている今日このごろ。本が恋人って感じも悪くないかな。寝ても醒めても本、本、本。 まもなく2時半。そろそろ今日の仕事はおしまいにして、何か本を読んでから寝よう。おやすみ。そして朝は、本を読んでから動き出そう。本は私の心の栄養。 ……………。 ただいま午前10時43分。8時半に起きて朝ご飯を食べ、上原知子の「小夏(くなち)」を聞いている。夏が来るとなぜか沖縄サウンドが聞きたくなる。とくにこのCDは、アコースティックギターとヴォーカルが中心なので、とても心地いい。海辺に寝そべり、やさしい風を肌に受けているよう。『沖縄島々旅日和 宮古・八重山編』というカラー写真たっぷりの新潮社・とんぼの本シリーズ新刊を買った。空のあお、海のあおを見ているだけで心が落ち着く。沖縄へ行けるといいな。寒くなる前にお金が貯まればさあ。 今日も机に張り付いて頑張ろう。20ページぐらい、いけるかなあ。うーむ。
2003年05月05日
仕方なしに予備のノートパソコンのほうで入力しています。ああ、不便だ。キーボードが壊れているので、お蔵にした旧式デスクトップのキーボードを取りつけてやってます。やれやれ。 デバイスマネジャーで調べると、モデムを検知してくれないし、接続の状況をチェックすると「使用不能のデバイス」という表示が出てしまう。これって、内蔵モデムが壊れているっていうことですよね? 明日の朝、スイッチを入れたときに奇跡が起きてくれればいいのですが、CD-RWもずっと前から検知してくれないし、このさい、修理に出したほうがいいのかなあ。となると、ハードディスク内の文書を全部、フロッピーに移し変えないとまずいし、参った。 ……………。 モデムが生きてるノートパソコンとのネットワークを修復できたので、なんとか元の環境で使用できるようになりました。お騒がせしてスミマセン。 それにしても、機械って不便ですね。同じようなトラブルを次回から防ぐには、デスクトップのパソコン本体のみもう1台購入し、時々どちらかを休ませたりオーバーホールさせて交代で使うのがよいのでしょうか。 弱小微細ながらもSOHOの端くれだから、そういったリスクマネジメントをしておかないと、何か故障があったときにはパニックになっちゃうな。 ……………。 今朝の読売朝刊読書欄にインタビュー記事が乗っていた森巣博さん。とっても「そそられる」人です。>肩書きは「国際博奕(ばくち)打ち」。二十代で渡英して三十年近く、プロのギャンブラーとして世界の賭場を攻めてきた。 いわば異端の人。異端から日本を撃つ。そのお手並みが見事。爽快。溜飲が下がる。>日本は、共同体をはみだした人間への配慮が乏しい。「少数者が行きにくい世の中は、多数者にとっても生きにくいはずなのに」。 最近上梓した『非国民』(幻冬舎)は、はみ出し者の「非国民」たちが活躍するギャンブル小説。「面白くないはずがない」とインタビュアーは書く。>ジェンダーや国に縛られない破天荒な生き方をつづったエッセー『無境界家族』は広く共感を呼んだ。 おお、まずこちらから読んでみようか。結局、両方、ネットで注文することになりそう。また2人というか2冊、添い寝の相手が増えちゃう(^^;)
2003年05月04日
白装束の集団が各地で物議をかもしている。「初期のオウムに似ている」という専門家のコメントが、「善良な」人々の疑心暗鬼をかき立てた。 排除されればされるほど、彼らは先鋭化するだろうに。「神から選ばれし者」としての自己陶酔が一層高まる。 オウムにせよ、白装束の謎の集団にせよ、人はなぜカルト宗教に心を奪われるのだろうか。 一面的な見方に過ぎないかもしれないが、私にはなんとなく思い当たるフシがある。 カルト宗教にハマりやすい人は、「人はなぜ、なんのために生きるのか病」というか「哲学病」というか、そういうものに対する免疫がないのだろう。 このビョーキはほとんど全ての人を襲うが、免疫のない人の場合、カルト宗教のような分かりやすい「特効薬」に手を伸ばしがちだ。困ったことにこの「特効薬」は依存を招き、いったん体内に採り入れるとその害を追い出すのは難しい。「洗脳」されてしまうのだ。 免疫のある人は、すでに子供のころからこの「人はなぜ、なんのために生きるのか病」を経験ずみで、以来、あたかも持病のように「上手に」付き合う術を体得している。一種類の薬なんかじゃ、とても効かないことがよく分かっているから、安易に「特効薬」には手を出さない。 いろいろな小説や音楽、映画などの芸術作品に触れ、汚れた魂は洗うことができるが、すぐにまた汚れてしまうことを知っている。 自分とは考え方の異なる人が世の中には大勢いて、「良かれ」と思ってしたことでも、そのとおりに受け止められないことを知っていて、それでもそのときの痛みをすぐに忘れるほどお人よしで、また正面からぶつかっては傷つくことを繰り返している。 世の中には「分からず屋」がたくさんいて、「自分の力では決して変えられないこと」がたくさんあることを知っているけれども、それでも人はいつか「分かり合える」ことができるという希望を捨てない。 人が皆違うことの難しさと面白さの両方を知っていて、本来、まったく異なるはずの人々が徒党を組んで一体になることの快感と恐ろしさの両方を知っている。「人はなぜ、なんのために生きるのか病」に対して免疫のない人は、怖いのだろう。素手で、真っ裸で世の中と立ち向かっていくのが。だから彼らは、分かりやすい「生き方のガイド役」のようなものを欲しているのではないだろうか。 中学校時代、大して仲が良かったわけじゃないけれども、いまになって突然、子供を抱いて訪ねてきた女の子がいた。選挙目前の時期だった。 ある大きな宗教団体が応援している政党の候補者に票を投じて欲しいという。彼女は熱心な信者らしい。 悪いが私ははっきり断った。私は蛇蝎のごとくその宗教団体を嫌っている。反吐が出るほど。ゲロゲロ。 あの団体は悪質だ。おっと、全否定するほど知っているわけではないので言い換えよう。あの団体には悪質な信者が多い。 身内が不慮の事故で亡くなったり、事件に巻き込まれたり、重い病気にかかったり、障害を背負ったりしたときに、どこからかひっそりとやってくる。「私はあなたの心の傷を癒す最良の方法を知っていますよ」と、甘くささやくのだ。 彼女がその宗教団体にハマった理由はなんとなく分かるような気がする。彼女が薦める教祖の著書やその団体の新聞に書いてあることは、なるほど分かりやすい。でも、私にとっては陳腐で退屈だ。全然、目新しくない。 世の中は、たったひとつの宗教の教義で割り切れるほどシンプルじゃない。生き方のガイド役はひとりじゃとても足りない。それほど複雑で分かりにくいからこそ、面白いんじゃないか? ……………。 お待ちかねの本が届いた。やれやれ、また寝室の床に積み上げた本の山(というより山脈)が増えてしまう。私の添い寝の相手は、本ぐらいしかないのだろう。 蔵書整理のために、ちょっと記録。『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』(森達也著、角川文庫)『職業欄はエスパー』(同上)『放送禁止歌』(森達也著、デーブ・スペクター監修、解放出版社)『精神科にできること 脳の医学、心の治療』(野村総一郎著、講談社現代新書)『生きちゃってるし、死なないし リストカット&オーバードーズ依存症』(今一生著、晶文社)『世界がどんなになろうとも役立つ心のキーワード』(香山リカ著、晶文社) 三連休は、食べて→ジムで運動して→仕事して→食べて→寝ての繰り返し。合い間にネット遊びと本読みかな。 ……………。 いま唐突に思いついた言葉。 ジャーナリストは、みんなが好きなものは嫌い。みんなが嫌いなものが好き。 つまりは、「疑うことが職業」ってわけさ。
2003年05月03日
殺人の動機について「それは太陽のせいだ」と小説『異邦人』の主人公ムルソーに語らせたのはカミュだった。 非凡人でありたいと思いつつも俗物な私は、太陽のせいで散歩に出たのだった。前日のテレビの天気予報で、日本列島の真ん中にマル高マークが居座っているのを見て居ても立っても居られなくなった。日本国中、お日様マークの予報。「空いた電車を仕事場にするのも悪くないな」 ラッシュアワーを終えて空席の目立つ地下鉄の中は静かだった。資料読みに没頭でき、読みながらいいアイディアがいくつも浮かんだ。切羽詰まっているのに仕事を放り出して能天気に遠くまで散歩に行くせめてもの罪ほろぼしというわけで。 目指すは根津神社。つつじ祭りの真っ最中だ。 神社までの道は、老夫婦や60代ぐらいの女友だち2人連れといった面々が大半で、私なんて「コドモ」か「がきんちょ」の部類だった。平均年齢は70近いだろう。 商店街は、おばちゃん客を狙い、安手の輸入物のTシャツやブラウス、食器、アクセサリー、佃煮、まんじゅうなどの出店を道端に設けていた。私は八百屋の店先で「こごみ」のパック150円に目を留め、頭の中の買い物リストに記入した。帰りに買っていこう。 残念ながら、つつじは盛りを過ぎた感じだった。すっかり咲き終えて緑の葉っぱだけになったものも目立つ。一斉に咲かせるのは難しいのだろうなあ。 ありきたりなフーシャピンク色のつつじはあまり好きではない。淡いピンクや花弁の小さいものなど、珍しいものを探してはデジカメに収めて満足した。しおれた花弁が2つ3つ画面の中にどうしても入ってきてしまうのが残念だった。 こう書いてみて、意地悪な気分になっている自分に気付いた。花見見物は、やはり独りじゃ寂しくてひがんでいるのだろう。周りがみんなお祭り気分で浮かれているのに……。 本堂にお参りして、「次は二人で来れますように」と願をかけたのだった。 根津神社から不忍池へ。風にそよぐ池の端の柳の葉が愛らしかった。広小路のデリーでカレーを食べて帰ろうと思ったら、「旧岩崎邸公開中」の立て看板が目についた。歩いてすぐなので寄ることにした。やれやれ、遅くとも3時には帰るつもりだったのに、これじゃ夕方になってしまう。ま、いいか。 ……………。 ちょっと調べてみた。 旧岩崎邸とは三菱を創設した岩崎家本邸のことで、明治29年に英国人のジョサイア・コンドルの設計により建てられた。戦災を免れ、戦後は国有財産となり、重要文化財に指定されている。2001年10月から庭園と和館のみ一般公開され、メインの洋館の中まで入れるようになったのはつい最近のことらしい。 東京都がネット上でボランティアのガイド募集をしていた。なるほど、館内のあちこちで活躍していた「燃えるガイドおじさん」たちは志の高いボランティアの皆さんだったのか。受講料が自腹6000円、2時間×8回の養成コースを卒業したばかりのようだ。http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2002/12/20CCC400.HTM 旧岩崎邸への入り口は、いたって地味。真向かいがお寺さんである。学校にありがちな鉄扉で仕切られている。入ると雑木林で光を遮られた昼なお暗い坂道を登る。木漏れ日で育った雑草が花を咲かせていた。ムラサキダイコンとベルガモットに似たうすピンクの花だ。 洋館の北側が入り口になっている。背の高いシュロの木が前庭に植えられ、旧植民地のような異国情緒をかもし出している。パンフレットによると「17世紀の英国ジャコビアン様式を基調に、ルネサンスやサラセン風のモティーフなどが採り入れられている」とのこと。建築は門外漢なので、何のことやら分かりません。あとで調べようっと。 入り口で靴を脱ぎ、出口が異なるのでポリ袋に入れて持参するように言われた。順路を進みかけると2階へ続く階段の手前でいきなり足止めをくらった。 何しろ古い建物なので、70人以上の人が2階に上ると床の抜ける心配があるのだそう。待つ間、ガイドさんの「名調子」を聞かされる。金魚鉢みたいなフリル状のガラスの傘のついたランプは、同じものを作ろうとすると1つ80万円相当だそうだ。足元の臙脂色のカーペットは、片足分の広さで5,000円の高級品。「全体で数千万円が使われているんですよ」。 お金の話は分かりやすく、万人ウケすると思っているのだろうなあ。なんだか寂しい。さもしい。 階段の手すりなどの細部の意匠が見事だ。ぞろぞろと後続者に急かされながらの見物は惜しい。目を閉じて想像をふくらませ、ドレスの衣擦れの音をそら耳で聞いてみたかった。鹿鳴館の舞踏会で着用されたようなドレスの。 客室の壁紙の図案がサラセン風なのだろう。簡単に言えば唐草模様です。和紙で作られているそうで、触れられないようにロープが張ってある。最上級の客を泊める部屋の壁には金紙が使われていた。 ごていねいに、ガイドのおじさんが壁紙のサンプルを持って立っていて、「ぜひ触ってください」と言う。遠慮なく触らせてもらった。撫で撫で。凹凸があり、和紙といっても表面はザラついていなくてツルンとしている。ビニールか何かで表面加工してあるんじゃないか? 列柱のあるベランダが見事。1階がトスカナ式で、2階がイオニア式の装飾だそうだ。無人状態になるシャッターチャンスが来るまでじっと待った。うーん、焦れた。にぎやか過ぎて、昔の人の面影に触れられない。 ベランダからは広い芝生の庭を望む。黄色いタンポポと白いクローバーの花がぽつりぽつりと見えた。バラ園があれば似合いそうなのに、何もなかった。でも、このシンプルさもいいかもしれない。 デッキチェアーを持ってきて、アイスティーを飲みながら、ここで好きな本を読めたらステキだなあ。 まだつづくかも。
2003年05月02日
今日はメーデーですね。労働者のお祭りの日……ところで、なぜこの日がそうなったのか知りませんでした。ネットを検索してみたら、毎日新聞の中学生向けサイトに次のような解説が出ていました。分かりやすいですね。「1886年5月1日にアメリカの労働者が“8時間労働制”を要求して集会とデモを行ったのが起源。89年に社会主義運動の国際組織“第2インターナショナル”の創立大会で、5月1日に労働者の祭典を行うことを決め、90年から各国で同時に開かれるようになった。 日本では1920(大正9)年に東京・上野公園で第1回大会が開かれた。戦時下の36~45年は禁止され、敗戦後の46年に復活した。 日本ではずっと、いろいろな労働団体が5月1日に“統一メーデー”を行ってきた。しかし“総評”“同盟”など労働組合の中央組織が解散して“連合”が発足した90年からは“連合”“全労連”“全労協”が別会場で中央集会を行う“分裂メーデー”が続いている。」 もっと詳しい解説&エッセイはこちら↓http://www.jitan-after5.jp/essay/et020320.htm おっと、よく読むとすごく恐ろしいことが書かれています。「1919年のILO第1回総会で、“1日8時間・週48時間”労働制を第1号条約に定め、国際的労働基準として確立するに至った。83年もたつ現在も日本政府はこの第1号条約を批准していない。」(労働時間短縮研究所専務理事・服部信一郎) 迂闊にも知らなかった!でもなぜ、批准していないのだろう。もっとよく調べて見ましょう……あった!同じ筆者による回答です。「“日本は1日何時間でも残業させてもよいとする労基法となっている”ため、国会に批准手続きができない。8時間労働制とは原則8時間以上働かせることができないことを指す。ヨーロッパにも残業はあるが殆ど1、2時間以内に限定されている。今では何の批准の動きもない。世界では残業時間の上限時間が厳しく規制されており、違法なら刑事犯となるほどである。日本では残業代も支払われず徹夜でも残業を命じることは可能である。こんな労働規準は世界に通じない。これが私の答えである」http://www.jitan-after5.jp/essay/es020511.htm ここでちょっと「おさらい」しておきましょう。日本では、労働基準法において労働時間は1日8時間、週40時間と定められており、これを「法定労働時間」といいますね。(労働時間) 第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。 2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。 こう書かれているにもかかわらず、実際には残業というものがあります。困ったことに労働基準法にも、そういう「例外を認めますよ」ということがちゃんと書かれているので、ILOの第1号条約という基本中の基本をクリアできないのです。(時間外及び休日の労働) 第36条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他命令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、1日ついて2時間を超えてはならない。 ここに書かれている「協定」というのが俗に言う「サブロク協定」ですね。じゃあ、「坑内労働その他命令で定める健康上特に有害な業務」ではない場合は、無限に労働時間が延長されるのかが気になるところです。 第36条の2項以下にはこんなふうに書かれています。2 労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他事情を考慮して基準を定めることができる。 3 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。 4 行政官庁は、第2項の基準に関し、第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。 上記のようなことがきちんと徹底されていれば、「過労死」や「過労自殺」は起きにくいのでしょうが……。 サービス残業が当たり前になっている不況下のいま、実は中堅規模の企業で働く20~30代の若年・中堅層においては総労働時間が増えているというデータもあります。 もうひとつしっかり覚えておきたいのは、雇用者(使用者)がもしもこの法定労働時間を超えて残業または休日労働させた場合には割増賃金を支払わねばならないということですね。(時間外、休日及び深夜の割増賃金)第37条 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ命令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 パート、アルバイトの場合も同様に適用されますから、もしも8時間以上働かされたら、その分は2割5分増し以上の割増賃金を受け取る権利があるのですね。ちゃんともらっていますか? ただし、パート労働法の指針で、雇用者はなるべくパートに残業させないように努力しなければならないと定められています。 しかし現実には、実態として正社員並みの責任と権限を与えられ、労働時間も正社員並みであるにもかかわらず、パートの身分であるからと低賃金に抑えられている人が非常に多いという問題があり、厚生労働省はパート労働法の「改正」を検討しているのですが、日本経団連をはじめとする経営側の強い反対に遭っているのです。
2003年05月01日
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