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いよいよ今年最後の日。深夜0時を少し過ぎたところ。おせちの下ごしらえが一段落しました。ちょっと頑張りすぎかなあ……一応、予定のメニューです。★煮物1.里芋の紅白煮2.くわい3.生麩(よもぎ、あわ、梅、手まり)4.巻き湯葉5.うど6.百合根の煮物に梅肉をからめて7.百合根の煮物に柚子の日本酒煮を添えて8.昆布巻き(ぶり) 毎年恒例の煮物にプラスして、今回は柚子の日本酒煮を加えました。百合根の煮物は単独だと弱いので、こういう添え物があるとステキですね。★肉料理9.鴨ロース10.豚肉の豆板醤ロースト11.牛タンの味噌漬け 牛タンの味噌漬けは1週間ぐらい前に仕込んである。豚肉は、シンプルな焼き豚よりもちょいと面白いかなあと思って、豆板醤ローストというレシピに挑戦。豆板醤、紹興酒、砂糖、ニンニク、ショウガ、ネギの青い部分の漬け汁にもみ込んで3~4日おき、オーブンで焼くだけです。これも仕込み済み。鴨ロースは、火を通しすぎないように、きれいなロゼに仕上がるように気を遣います。★魚介類12.牡蠣のオイル漬け13.とろサーモン、スライスオニオン添え14.なまこ醤油漬け 牡蠣オイル漬けは、オイスターソースで炒り付けて冷まし、オイルに漬けておくだけ。保存がきくし、白ワインでも日本酒でも、酒によく合うので重宝します。とろサーモンは切って盛り付けてスライスオニオンを添えるだけ。なまこはぶつ切りにして、紹興酒と鷹の爪を加えた醤油に漬けるだけ。★サラダ15.根菜サラダごま風味16.じゃこきゅうりディル風味17.紫キャベツと生ハム 縁起物のハス(先がよく見通せる)を、どのように作ろうかと悩みつつ、発見したレシピが根菜サラダ。ハス、京にんじん、かぶをそれぞれ程よく茹でるか蒸すかして、練りゴマを加えたマヨネーズで和えます。 じゃこきゅうりは、近所のカフェで覚えた味。きゅうりを薄い輪切りにしたのにじゃこを混ぜ、細かく刻んだディルの葉っぱで風味をつけます。意外な美味にあっと驚くかも。 紫キャベツのサラダは昔からの私の得意料理(?)で、色鮮やかだから、おめでたい席にはぴったり。紫きゃべつは千切りにして、熱湯でさっと茹で、ザルに上げたら即、白ワインビネガーなどの酢をかけます。すると、みるみる鮮やかな紫に染まります。よく水気をきり、好みの味をつけます。私は、七味や柚子皮の入った市販の合わせ塩が気に入っています。★甘味18.フルーツきんとん 今回、初挑戦。私はサツマイモが苦手なんです。甘くしないで、少々、酸味をつければ食べられるかなあと思って。きんとんのあんはブランデーで味付けし、電子レンジで柔らかくした角切りリンゴを加えます。★スープ19.濃厚鶏スープ 本格派の博多風水炊きのスープを、宴会の仕上げにしようかなと。鶏ガラを強火でグツグツ……3時間ほどひたすら煮て白濁させます。もも肉の細切れと春雨を加え、刻んだ万能ネギを散らしてお出ししようかなと。 あと一品で20品目か……簡単なのを何か考えます。海老とブロッコリーとイチゴのサラダとか……豪華でいいかもね。色合いからすると、カリフラワーのカレー酢ピクルスのほうが引き立つかなあ。 もちろん、1日で食べきるわけじゃなく、松がとれるまでもつものもありますね。さらにこのほか、蒲鉾や数の子といった実家の魚屋の商品の残りもお重に詰めます。 元旦は家族で宴会、2日は恒例の千客万来の宴。この2日間で、あらかた食べちゃいます。
2003年12月31日
毎年恒例、年に一度だけという習慣も、なかなかよいものです。今日と明日の2日間かけて、おせち料理を作ります。野菜の煮物をひと品ずつ、丁寧に手間をかけます。 こうした定番料理のほかに、ちょっとしたひねり技も効かせたい。私の自信作は、シモキタの某居酒屋で見かけて技を盗んできた一品。 里芋を白く煮てから、明太子ソースをかけた紅白芋煮です。明太子は皮からしごき出し、酒少々を振りかけてふやかします。芋を煮た出し汁少々を酒で2倍に薄めて沸騰させ、ここに明太子を入れ、最後に水溶き片栗粉を流し込んでとろみをつけます。 これなら酒肴にぴったり。日本酒が進みますよ♪
2003年12月30日
私が通っているジムは、昨日で年内営業は終了。新年は、な、なんと元旦から営業します。私は大酒飲んでへろへろ~の日なので、行けてもせいぜい風呂だけかな。 昨日は、ある1本のプログラムのために、忙しい中、無理して行ったのでした。新年から経営システムが変わり、ジムの名称も変更になるにあたって、そのプログラムが廃止になってしまう……最後のレッスンだったのです。「スピニング」といって、固定式自転車を定員15人の少人数クラスで45分間、ひたすら漕ぐ、漕ぐ。ツーリングをイメージし、山あり、凸凹道あり、平らな道のトライアルレースあり。 エアロビクスに比べると、カロリー消費量は2倍といいますが、何せ、単調な自転車漕ぎのため、飽きられやすいのかも。最初はレッスン開始前に行列ができるほどの人気だったのが、最後のほうでは私1人だけとか、誰も来なくてインストラクターは仕方なく、自転車をせっせと磨いて帰ったなんてことも。 私は好きだったなあ。自分をいじめるタイプの運動の仕方が性に合っているのかもしれない。手元のダイアルを回して負荷を調節できるので、山道のときは思いっきり重くして、踏ん張る、踏ん張る。体重をかけたペダル側に身体を傾け、全体重を預けるようにして、負荷と闘う。「音楽に遅れてもいいから、思いっきり重く!」というインストラクターの指示に対して忠実すぎるほどに従ってやるの。あとほんの少しかけすぎたら、自転車が倒れるかと思うくらい、身体を斜めにして。 平坦な道のイメージでは、足の動く速さの限界に挑戦する感じで、猛ダッシュする。「いちばん最初にテープを切るのはワタシよ!」ってイメージしながら。ペダルの回転に加速がついてくると、足を持っていかれそうな感じがする。それに耐えてさらに加速すると、宙を浮きそうな感じがしてくる。 凸凹道のイメージでは、立ち漕ぎと座り漕ぎを交互に繰り返す。8拍立ち&8拍座り、4拍立ち&4拍座り、2拍立ち&2拍座りの3パターンがあって、それぞれ数回ずつ繰り返す。オプションで通常の倍速にしてもいい。1曲の最後まで倍速でやり通せる人は私のほかにいなかった。それがまた快感。意外に負けず嫌いで「1番大好き」な自分を発見したのでした。 それでもやはり、汗をかく量は体格の大きな男性には適わないのでした。すごい人になると、自転車の周囲に池のような汗だまりができる。私は五百円玉より少々大きな程度の汗だまりが5、6個できる程度かな。 なぜ、こんなに私がスピニングにハマったかというと、それはなんと、自転車に乗れないからでした。子どもの頃、私のあまりの運動音痴ぶりに危機感をもった親が、自転車を買い与えてくれなかったのだった。当時はちょうど交通事故死が爆発的に増えていた時代で、しかも拙宅のすぐ前が交通量の多いバス通り。いちばん近い横断歩道にはまだ信号がついていなくて、実際、自動車に轢かれた子どももいた。 自分も運動嫌いだったから、「お前には自転車は無理だ」という親に素直に従ってしまった。何せ、かけっこはいつもビリ、鉄棒も跳び箱も全然ダメ、全くやる気がない。球技はわりと好きだったけれど、私が同じチームになると、運動神経のいい連中があからさまに嫌な顔をするのを見て、絶望的な気分になったものだった。いまの子どもたちは、そんなとき「いじめ」という言葉を使うのだろうなあ。 しかし、「やられたらやり返せ」が私の信条。運動でダメなら勉強があるさと、よく回る舌と頭を使って、誰も知らない知識をひけらかしたり、学級会の討論のときなどは、運動オンリーでお馬鹿な男子どもを口撃してやったものだ。その当時から、私の口は凶器として磨きをかけられるようになった。じつに嫌な奴だった。いまでも片鱗が残っている。 人は誰しも得手、不得手がある。優越感と劣等感が同居している。どちらか片方しかもっていない人間など、この世にひとりも存在しないのではないだろうか。 年をとってみて、いまは「劣等感」の甘みと毒の両方が分かってきたような気がする。劣等感は、その劣等な状態から抜け出そうとするエネルギーの根源でもある。よく言われる「ハングリー精神」だ。ただし、この麻薬が効きすぎると、その劣等部分の克服のみに集中してしまい、他に配慮が行き届かなくなり、利己的な行動に走りがちだ。傷ついた自分は、その傷を癒すために、他人を傷つけても赦されるのだという妄信を抱くのではないだろうか。 一方、劣等感を抱く者は、この世でいちばん虐げられた弱い者であり、まっさきに救済されるべき存在であるという意識も働く。 いまの私には、「分相応」という言葉が一番しっくりくる感じだ。自分の枠から、過剰マイナスのカタマリも、過剰プラスのカタマリもはみ出さないように、あるがままの状態を自然に保てること。それが私にとっての、「分相応」のイメージだ。「分相応がいちばんいい」という言葉は、ある日突然、空から降ってきた。初対面の人や、滅多に会わない人ばかりの、あるパーティに参加していたときのこと。 以前の私は自意識過剰なところがあって、変にしゃべれなかったり、その逆に自分を認めてもらおうと思ってしゃべりすぎ、場違いな失言をしてしまったり。そのどちらかに傾きがちだった。 ボーイフレンド探しとか、そんなつもりで出たパーティも以前は多かったし。だから、売り込まなくちゃいけないし、いい人がいないなと思えば、なーんだと、しらけるわけです。 でもその夜は、「分相応でいいんだよ」「自然体でいいんだよ」って言葉が、自分の中から聞こえてきた。おかげでとてもリラックスして会話を楽しめて、今後の仕事につながりそうなコネクションもできちゃった。 スピニングの話から始めて、ずいぶん遠いところまで来てしまった。地図もなく、力加減も考えずに無謀な旅に出るよう……まるで私の人生みたい。 運動音痴の運動嫌いから運動中毒へという両極端を体験してみて、いまようやく「真ん中へん」の心地よさが分かってきたということなのかもしれない。 何事も二極で考えがちなこの世の中だけれども、中庸、分相応といった東洋的叡智もちゃんと存在しているということを、時々思い出したほうがいいのではないかなあ。 そんな年よりくさいことを考えつつ、2003年という年は暮れていくのでした。
2003年12月29日
忘年会やら何やらで、しばらく日記をお休みしてしまいました。ゴメンなさい。 メリー・クリスマス!ですね。せっかくですから(^^;)、昨夜は某ボーイフレンドとディナーを楽しみました。いつものバーで待ち合わせ、待っている間に私は3杯。食事はイタリアンかフレンチでお洒落に……と、思ったけれど、どこも予約でいっぱいだろうから、贔屓の寿司屋へ。ブリカマ塩焼きが最高でした。 今年も残り1週間になりましたね。ぼちぼち準備を始めています。年賀状は、ちょいと手間のかかる手作りで。小さな色紙を貼りつけ、スタンプを押し、オリジナルメッセージつき。まだ全体の4分の1ぐらいしかできていません。今年1年を振り返り、色々な思いを込めつつ作っています。 お料理の準備も本日から。定番の牛タン味噌漬けを仕込みます。牛タンを丸ごと2時間ぐらい茹でて、冷めてから好みの味噌床に漬けて1週間ぐらいおく……。薄くスライスして食べます。やわらかくて、濃厚な味わい。超おススメです。 他のおせちは、29日に材料買出し、30日と31日で作成というスケジュールかな。 煮物各種、オードブル用の生ハムやサーモン、肉料理を1~2品、最後の〆に温かいシチューかスープというのが例年の定番。今年はちょっと新しいメニューも加えたいところ。色々考えるのも楽しみのうちですね。
2003年12月25日

2日連続シェフは疲れますね。さすがに腰が痛い。 七面鳥のロースト、美味しくできました。オーブンが小さいので、てっぺんが焦げてしまいましたが、味は抜群!チキンより脂っぽくなく、野趣のある味わいです。 スタッフィングは、レバー、タマネギ・セロリ・マッシュルームのみじん切りを炒め、ブランデーで香りをつけ、セージ、タイム、パセリの刻んだの、リンゴの角切り、かたくなったフランスパンをちぎったの、生卵をまぜまぜ。 2㎏サイズで、1キロあたり1時間見当の焼き時間だそうなので、2時間。最初は180度にしてみましたが、これは火が強すぎ。160度に直して2時間20分ぐらい焼きました。そのまま20分休ませ、さらにオーブンから出してホイルをかけて落ち着かせ、その間にグレービーソースをつくりました。 肉質が繊維質というか、チキンよりしなやかな感じがします。 おっと、次のお客さんが4時半ごろ家を出るとの連絡あり。今日の仕込みを始めなくては。 以下、写真をアップします。
2003年12月21日
全部、作れたらすごいなー。はしょるかも。とりあえず、材料は揃ったので、アップしておきます。 参加される方、甘み系のデザートやフルーツがないので、ご希望があれば持って来てね。あと、パンもよろぴく!1.生牡蠣2.前菜盛り合わせ(生ハムフルーツ巻き、サーモンポテト巻き、赤ピーマンのマリネまたはムース、カボチャのサラダ、エビとスナップえんどうのサラダ、紫キャベツのマリネ)3.茹で蝦蛄4.白身魚のカルパッチョ5.トリッパ(牛ハチノスのトマト煮込み)6.牛のたたき7.七面鳥のロースト(豪華詰め物)8.チーズ(バシュラン・モンドール)
2003年12月20日
明日はいつもの仲間と忘年会。七面鳥の丸焼きを作ります。日本ではあまり定着していない料理だからか、ネットで探してもいいレシピが出てこない……。 かといって、チキンの丸焼きの応用じゃ、つまらない。七面鳥らしさが出ないとね。 七面鳥の丸焼きって、中に詰めるスタッフィングがポイントのようですね。一緒についてくる内臓にハーブを効かせるのだそう。 ハーブ料理専門家の北村光世さんの本が手元にあるので、これを参考にしつつ、ちょっとアレンジを加えてみようかなと思います。ご参考までに材料をリストアップすると……。 七面鳥の内臓、バター、タマネギ、1日おいて乾いたパン、セロリ、干ししいたけ、松の実、パセリ、タイム、ローズマリー、セイジ、パプリカ、塩、ナツメグ、チキンスープ、卵。 ふーむ。 で、クランベリーソースとか、甘いソースが合うそうですね。あるお友達の助言によると、リンゴを詰めてもいいらしい。やってみようっと! 他に何かいいアイディアや、焼き方のコツなどがございましたら、よろしくお願いします。 さて、今日はこれから大掃除の第一弾。掃除をしながら、牛の臓物(ハチノス)のトマト煮込みを作ります。ではまたのちほど。
2003年12月19日
今年も残りわずか……なんて言葉もそろそろ聞き飽きましたね。ゆく年を振り返り、くる年に向けての計画を立てねばと思う今日このごろです。 考えてみれば、私のビジネスには屋号をつけていなかったと、突然気付きました。法人にしていないので、名乗る必要がなかったのです。 でもまあ、看板を立てるのも悪くないかなあと。 それで思いついたネーミングが、「ライフキャリア総研」。yahoo!で調べたら、キャリア総研はあるし、ワーキングライフ研究所も既にあるけれど、ライフキャリアはセーフだった。米国のキャリア理論の最先端では、キャリアだけではなく、仕事人生丸ごととらえるべきだとの考えから、「ライフキャリア」なる用語がよく使われています。まあ、そのうち出てくるかもしれないので、もっと泥臭く「仕事と人生研究所」にしてもいいんだけれどね。カタカナのほうがシャレてるかなあと。 さて、書きたいテーマはいくつもあるのですが、とりあえず予告編を並べてみます。●ニュースな天職事典1)保育士 DV避難所に配置2)治験コーディネーター 新薬開発のスピードアップに貢献3)NPOで働く リクエストをいただきました●厚生労働ジャーナリストの視点(ライフキャリア総研ニュース)1)高卒就職3割はパート2)新規に就職した母親の6割強がパート、アルバイト3)IBMの週3日勤務制度●食卓のストーリークリスマスのグルメ物語 ……。 ライフキャリア総研については、別立てのホームページ、メルマガの発行も考えています。ご意見、ご要望、エールなどよろしくね。待ってます。
2003年12月18日
いつの間にか耳慣れた言葉になっているのに、そのルーツを知らずに使っている――「協働」ってそんな言葉じゃないでしょうか。なぜ、共同でも、協同でもなくて、協働なのか。だれがいちばん最初に言い出したのか。気になりませんか? 調べ魔な私は気になって仕方がないのでした。というか、仕事のカンケイで調べなくちゃならないことに……。 民間の職場で働く人にはピンとこないかもしれないけれども、協働っていうのはもともと、地方自治でよく使われる専門用語なんですね。地方自治の現場では、いまもっともホットなキーワードのひとつと言ってもいいでしょう。 ここでタネあかし。私が調べる時の手順は2つあって、まずはyahoo!による検索。無料でネットから情報を引き出せます。もう1つは、過去の新聞記事検索。こちらは有料で、私は月間2万円以上使うヘビーユーザーですが、まあ、仕事の原材料調達と思えば、仕方なし。 yahoo!に「協働」というキーワードを入力すると、出てくるのは各自治体の事例や、NPOと市の協働が二大頻出事項。「協働とは何か」という根源的な解説にはほど遠い。そこでズバリ、「協働とは何か」と打ち込んでみると、大ヒット!自治体職員用の研修資料に、そのものズバリ、「協働とは何か」というタイトルの文書があり、分かりやすく解説されていました。さらに別の情報源をあたって、裏をとった結果がコレです↓ もとはインディアナ大学のヴィンセント・オストロム教授が、1977年の著作の中で用いた造語の「コプロダクション(Coproduction)」(=共同でつくりだすこと)の訳語であり、地域住民と自治体職員が共に考え、共に汗を流し、共にリスクを負って共通事業の担い手になるという関係を表す。つまり、市民は行政に任せきりにするのでなく、当事者、主催者として積極的に参加するという意味だ。「コラボレーション」「パートナーシップ」なども同じ文脈で使われる。 某雑誌の原稿用に私が書いた文章をそのままカット&ペーストしてしまいました。うふ。 さて、協働ということが各自治体で盛んにスローガンとして掲げられるようになった背景を探してみると、2000年4月施行の法律がその火付け役になっていると判明しました。また、私の文章です。 中央政府、自治体、地域住民の関係を従来の上下・主従的な関係ではなく、対等・協力的な関係に変えようとする「地方分権一括法」(分権法)が2000年4月に施行されて以来、行政の重点課題として「協働のまちづくり」や「市民との協働」を挙げる自治体が増えている。「自己決定、自己責任を基本とした地方分権時代」というスローガンもよく使われる。 自己責任、自己決定というキーワードは、キャリアの分野でもよく使われますが、地方自治と地域住民の今日的な関係のうえでも、主要なキーワードなんですね。 いまのところは、時間に余裕のある高齢者、高齢者と呼ぶにはちょっと若い退職者、婦人会の奥様方といった面々が、協働に参加しているようです。また、社会科学習の一環として協働に参加する(させられる?)小中学生も多いようですね。 忙しい勤労者や、子育てに追われる主婦層、自分のことで精一杯の若者たちは、協働から遠いところに居るわけですね。でも、そんなことでいいのかな?と、ちょっと反省。 わが町の実態はどうなっているのかしら?と、また調べてみたくなるのでした。世田谷区は、「まちづくり」という言葉を日本で最も早く使い始めた自治体らしいということも、協働についてのリサーチで分かったし……。結果についてはまた追ってご報告します。 おまけ 私が久々にR社で担当した就職ハウツウ記事がネット上に今日アップされましたので、ご報告します。技術系の転職志望者向けサイトです。よろしければご覧下さい。Tech総研「技術力がつくかを見抜く面接質問」
2003年12月17日
何か食べたいな思って冷蔵庫を開けたとき、あるとつい顔がほころんでしまう常備菜、あるいは定番の酒肴ってなんでしょうね。 今日は忙しいので、思い出しながら少しずつ書き足していきましょうか。●オリーヴオイル&パルミジャーノ 上物のオリーヴオイルに、パルミジャーノをおろしたのを混ぜ、あらびき黒胡椒も一緒に混ぜます。 フランスパンにつけて食べると美味しいよ。赤ワインをちびちびやるときの、最高のパートナー。 余ったら冷蔵庫で保存がききます。もっと味を複雑にしたいなら、アンチョビ少々、戻したドライトマト少々も加えてミキサーで混ぜましょう。パスタと和えてもイケル。 オリーヴオイルって、オイルだと思って扱うと、本当のチカラが引き出されないんじゃないかな。上物は、オリーヴのジュースなんです。フレッシュさが身上。 だから、なるべく加熱しないで、最後の仕上げに使うといいですよ。炒め物にするときは安物でオッケーだけど、最初は少量にして、最後に上物をほそーく糸みたいに回しかけるといいですよ。●明太子マヨネーズ 明太子の薄皮をとって包丁でしごきながら中身を出します。これにレモン汁を加え、マヨネーズであえるだけ。 手巻き寿司の具、イカや魚介類との和え物、サラダのドレッシング(大根の千切りやタマネギスライスを推奨。茹でたジャガイモならタラモサラダになりますね)、パスタソースと大活躍ですね。 私がよく作るのは……ご飯に混ぜます。しょう油をかけます。白胡椒少々。さらに混ぜます。海苔で巻いて食べます。最高! あまり沢山食べると太りそうですが、禁断のご飯&マヨの味がたまらない。●大根または蕪の葉っぱのおひたし 茹でて冷水にとり、汁気をよく絞って細かく刻み、おかかまたはじゃこを振りかけ、出汁しょう油で味付けするだけ。ゆずの皮を細かく刻んでもいいね。ご飯のおかずか、焼酎、日本酒によく合いますね。●なめろう ウチの場合は実家が魚屋なので特別かな。売れ残りの刺身を包丁でたたき、大葉、ネギ、ショウガ、ニンニクなどの香りの強い薬味も一緒にたたき、酒、味噌、しょう油など、これもお好みで味付けします。鯵、イワシなどの青魚が美味しい。 カツオの刺身の残りだったら、おろしショウガとともに出汁醤油に漬け込んだのが絶品。 ネギとマグロを細かくたたいた後、たらこか明太子をほぐし、酒としょう油で混ぜ合わせたのがとくにおススメ。●鮭フレーク、ネギたっぷり 塩鮭を焼いて、あつあつのうちに身をほぐして骨を取り分け、刻みネギと混ぜます。さめても美味しいし、保存もききます。ご飯のおかずに最高! ………。 うーむ。私の場合は、作ったものは美味しいうちに余さず食べる主義なので、「常備菜」っていうのはちょいと難しかったかなあ。どうしても魚に偏りますね。
2003年12月16日
最近、肩凝りがひどいのは、目を酷使しているせいかな。文字のフォントを標準サイズに戻しますね。 近ごろなんだか気になる作家がいる。新聞で彼女のエッセイを見つけると、必ず読む。引き込まれる。このセンス、いいなあと思う。 小説もぜひ読んでみたい……何がいいだろう。1冊目に選ぶとしたら? というわけで、「読書の処方箋」をくれる読書ドクターがいたらいいなあと思ったのでした。読書でハッピーになるための処方箋ね。 またひとつ、楽天日記に新しいテーマを設定しちゃいました。 さて、その作家とは……角田光代(かくた・みつよ)さんです。エッセイの内容からして、私と同じぐらいの年齢かと思いきや、案外若いのでビックリ。しかも私の大学の後輩で学部も同じだわ。 決め手になったのは、昨日の読売新聞の書評です。車谷長吉(この作家も気になっている)の『忌中』について書いたもので、この小説は救いようのなお暗い話ばかりだそうだけれど、その「救いのなさ」を読むことの意味について、「なるほどね!」と思える書き方をしていたのでした。 ネットで角田光代の小説についての書評を斜め読みしてみて、エッセイ集2冊とともに、直木賞候補になった『空中庭園』を注文したところです。 このチョイスが正しかったかどうか……それはまた後日の日記で。 おまけ★下記は、今日紀伊国屋ネット通販で注文した本の一覧です。買い過ぎだなー。でも、コレが今年最後の注文になりそう。おっと、パトリシア・コーンウェルの新刊『黒蝿』がもうじき出るので、これもゲットね。メディカル・サポ-ト・コ-チング入門医療者向けコミュニケ-ション法 奥田弘美 日本医療情報センタ- 2500↑ときどき特集記事のお仕事をいただいている某看護系雑誌向けの企画のネタにいいかなあと思って。宮子あずさのナ-スな毎日宮子あずさ 実務教育出版 1200 つらい心への処方箋楽しく生きるための知恵宮子あずさ ポプラ社 1300幻冬舎文庫35歳は強気ときどき弱気宮子あずさ 幻冬舎 495↑以上3冊は、昔からの知り合いのナース作家・宮古あずささんの著書。精神科病棟の看護師長から、新設の緩和ケア病棟の看護師長に異動されたそうで、あと1~2年のうちにきっと今度は緩和ケア、終末期医療をテーマにした著書が出そうですね。楽しみ。突然、旧交をあたためたくなっての注文でした。ちくま新書からだを読む養老孟司 筑摩書房 680角川oneテ-マ21スルメを見てイカがわかるか!養老孟司 角川書店 667これ以上、養老先生の印税収入を増やすのも悔しいが、いま、いちばん面白い書き手(というか語り手)ですものね。ハマってます。 空中庭園角田光代 文藝春秋 1600今、何してる?角田光代 朝日新聞社 1200文春文庫これからはあるくのだ角田光代 文藝春秋 505 というわけで、角田光代3冊同時買い!贋世捨人車谷長吉 新潮社 1600 忌中車谷長吉 文藝春秋 1429楽天日記をリンクさせていただいている東京犬さんの書評を読んでグっときたのでつい。車谷さんが「現代の眼」の編集部にいたとはねー。なつかしい。
2003年12月15日
タイトルが大げさですが、内幕ネタをいくつか……。●スポーツクラブのびっくり仰天 私の通うスポーツクラブにもデフレの波が押し寄せ、会費値実質下げ&エグザスに格下げ&入会時の年齢制限を16歳以上に緩和といった大リストラが行われました。 従来は都度利用料500円で、バスタオルとハンドタオルのレンタルがあり、アクエリアスなどの紙コップ飲料がすべて無料だったのですが、これが全て廃止になりました。その一方で1万2000円だった会費が1000円値上げで1万3000円に。 自分でタオルを持参すれば、新たに発生するレンタル料200円を節約でき、飲み物は水道水なら0円、マアそこまでしなくても、500円よりは節約できるので、私のように月間20日以上利用するヘビーユーザーには朗報です。1万円近く浮くことになりますね。 ところが、他の会員さんは結構、不満&不安で大騒ぎになっているのです。 いままでは身内同然の顔見知りばかりでしたが、1月からは新しい会員が増え、「雰囲気が悪くなる」のではないかと。何せ以前は入会金30万円、保証金10万円、月会費2万円の高級クラブだったのです。私はその前の安い時代に入ったので入会金0円、月会費1万2000円でしたけどね。 まあ、どっちもどっちという気もしますが。 以前、こんな事件があったのですよ。女性の浴室の浴槽に、あってはならないものがプカプカ浮いて異臭を放っていたのです。私は見たことがないけれど、目撃者の話では、「まるで動物のソレのようにコロっとしていた」とか。 そのたびにお湯を総取替えし、大掃除の大わらわ。4、5回続いたでしょうか。犯人がわからないまま、いつの間にかなくなりました。お年寄りで括約筋が緩んでいる人がつい、そうなってしまうことがあるとは聞きますが、そうではなくて、「嫌がらせではないか」というウワサが飛び交い、スポーツクラブ側は証拠写真を撮影したりしていました。 しかしその後、今度はシャワールームに同じようなモノが!こちらは犯人がわかり、パトカーで連行され、強制退会になりました。法律上は「威力業務妨害」になるようですが、その中年のご夫人はおそらく、心の問題を抱えていたのでしょうね。 クサイ話ですみません。同じニオイでも、今度は化学薬品系の恐るべき話題を昨日、耳にしました。世の中、いろんな人がいるんですね。 お風呂場の洗面器に、なにやら青い液体が入っていて、中にタオルが浸されているのを友達が発見したそうです。「何これ?」というと、近くにいた人がその理由を説明してくれたそうです。「染めてるんじゃないの?」「ええええ!?」 つまり、1月からタオルレンタルが有料になるので、無料のうちに「ネコババ」しようというわけで、しかし、白いままではバレるので、染めるのではないかとのこと。 そこまでやるかねー。 スポーツクラブ通いがステータス・シンボルだったのは遠い遠い昔。モラルなんてどこへ行ったか、じつに人間くさい風景が展開されているのですねー。 そうそう、銀行のキャッシュカードを盗んで中のデータを読み取り、再びサイフに戻して、本人の気付かぬうちに偽造カードで現金を引き出すという犯罪が頻発していますが、スポーツクラブのロッカーも狙われているそうです。こわいねー。
2003年12月14日
つづきです。「その2」では、介護福祉士の仕事の使命、やりがい、大変さなどについて見ていきたいと思います。●尊厳を支えるケア 先に引用した「2015年の高齢者介護」では、今後あるべき介護のかたちとして「尊厳を支えるケア」ということを提唱しています。以下、その部分をご紹介しますと……>これからの高齢社会においては「高齢者が、尊厳をもって暮らすこと」を確保することが最も重要であることから、高齢者がたとえ介護を必要とする状態になっても、その人らしい生活を自分の意思で送ることを可能とすること、すなわち「高齢者の尊厳を支えるケア」の実現を目指す 尊厳を支えるというのは、どういう意味でしょうか。「介護福祉士」をキーワードにして新聞のバックナンバーを検索していたら、こんな投書を見つけました。山口県に住む58歳の看護師の女性からのものです(朝日新聞2003.02.22西部朝刊より)。>51歳の彼女の死は、がん宣告を受けて、10カ月目にやってきた。あまりにも確実に病魔は進行し、「あと2~3年は生きたい」という願望は、無残にも打ち砕かれた。介護福祉士として、あれほど福祉の心のあつかった彼女が、こうも早く逝かねばならないのかと残念でならない。>老人保健施設の痴呆(ちほう)棟での介護現場では、日々新しい問題が起こる。ある日、オムツ交換時、体格の大きな男性の便の処理が困難だと訴える職員が多くなり、陰毛を切除しては、という提案が出された。家族の許可を得て、その方向の流れになった時、彼女は「その方の尊厳はどうなるのですか。きちんと話せば協力してくれます」と発言した。>私は、「尊厳」という言葉にハッとさせられた。一度切除したところで、人間の身体に必要な保護毛は再生する。あるがままの状態でケアすることの原点を諭され、深く恥じ入った。>彼女の理念は、常に介護される高齢者が主体であるべきだというもので、その妥協を許さない精神に敬服する。惜しんであまりある彼女の死であった。 これを読むと、「尊厳を支えるケア」が提唱される背景には、「尊厳を軽んじたケア」つまり「非人間的なケア」が横行していたという恥ずべき歴史があるのだと気付かされます。 数年前には「高齢者をベッドに縛り付けるのはやめよう」ということが盛んに言われたものです。それがいまでは、オムツをさせる介護はよくない介護だとすら言われるようになりました。一人ひとりの行動をよく観察し、トイレに行きたくなる時間を見計らって誘導、介助するようなきめ細かい排泄ケアをすべきだという方向に進んでいます。ただその一方では、家庭や施設での高齢者虐待の問題もなくなっていません。「尊厳を支える」という理念は素晴らしいけれども、現場はきれい事では済まないでしょう。「お年寄りだけじゃなく、私の尊厳もなんとかしてよ!」と言いたくなる場面も多々あるかと思います。現場の介護福祉士は、仕事に対してどのような不満、そしてやりがいを感じているのでしょうか。●介護福祉士の専門性とは その前に、介護福祉士の仕事の定義を踏まえておきましょう。法律では、次のように定められています。>「介護福祉士」とは、(中略)介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(中略)を業とする者をいう。(「社会福祉士及び介護福祉士法」第2条より)「介護に関する指導」という部分が、ヘルパーとの大きな違いとなっています。 さて、介護福祉士のナマの声を集めたアンケートがあります。社団法人介護福祉士会が実施しているもので、2002年3月に発表された第4回調査が最も新しいので、この中から興味深い部分をピックアップしてみましょう。回答者数は3151人となっています。 まずは仕事のやりがいから。ヘルパーとの比較でいえば、介護福祉士にとっては、その専門性を評価されているかどうかが、やりがいを大きく左右する要素になるかと思われます。 専門性を「認められている」と「どちらかというと認められている」と答えた人の合計は、全体で50.4%。特別養護老人ホームなどの高齢者社会福祉施設で働く介護福祉士(以後、施設介護と略します)の場合は51.5%、ヘルパー派遣会社などの居宅介護事業で働く介護福祉士(以後、在宅介護と略します)の場合は44.2%となっています。 逆に専門性を「どちらかというと認められていない」、「認められていない」と答えた人の合計は、全体で33.4%。施設介護では31.2%、在宅介護では40.2%となっています。 在宅介護のほうが「専門性を認められている」と感じている人が少なく、「認められていない」と感じている人が多いという結果になっています。これは、在宅介護の職場では、介護福祉士の資格を持たないヘルパーと同じような仕事をすることが多く、仕事の違いも評価の違いも見えにくくなっているからではないでしょうか。 では、介護福祉士の専門性とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。身体介護のほかの仕事で、専門性が生かされていると思えるものは何かという問いに対して多かった回答を3つ並べると、「ケアプランの立案・評価」「ケース会議などへの参加」「職員や実習生の指導」となっています。 他の項目についても見てみてみましょう。介護福祉士が考えている専門性の中身やヘルパーとの違いがよく分かってきます。・給与「基本給が高い」「資格手当がつく」・指導的立場「リーダーを任される」「ヘルパー養成講師の仕事もしている」「実習生の指導をする」・職場や社会の評価「ナースとの連携がスムーズ」「職場では資格があって当たり前の意識がある」「社会的認知度が高まってきた」・業務内容「身体介護が多い」「ヘルパーの管理・指導」「相談業務・クレーム処理」「ケアプランに対する意見をケアマネジャーから求められる」「レクリエーションなどの企画業務」・役職「サービス提供責任者に任ぜられる」・資格取得奨励「職場の全員が取ろうとしている」「研修会へ参加させてもらえる」「経営者が資格取得を推奨する」・雇用「常勤の雇用は介護福祉士の有資格者のみとなっている」・専門知識や技術「専門職としての意見を求められる」「専門職として尊重される」「痴ほうなどの困難事例を任される」●「あなただから、いいのです」 本当のナマの声を聞くには、厚生労働省の「JOB JOB WORLD」へどうぞ。新人、中堅、大ベテランの3人の女性介護福祉士がそれぞれにやりがいを語っています。 私が見てとくに印象的だったのは、「あなたが来るのを待っていたのよ」と言われて嬉しかったという新人介護福祉士の言葉と、自分ができなくて代役を立てたときに「○○さんじゃなけりゃ、イヤだ!」と言われたのが嬉しかったという中堅介護福祉士の言葉です。 つまり、「あなただから、いいのです」「他の人じゃ、代わりはできません」というメッセージを贈られる仕事なんですね。 大ベテラン介護福祉士の部分は必見です。この仕事の奥深さが伝わってきます。彼女は重度の痴ほうのお年寄りを専門に担当していて、その仕事の性質上、常に心がけ、後輩たちに指導しているのは、「大きな声で話さない」「走らない」ということだそうです。その2つの行動は、痴ほうのお年寄りには緊急事態を知らせるものであり、パニック状態を起こしかねないからです。 つねに声のトーンに気をつけて、相手のペースに合わせて、いつも安心して過ごしていただけるようにお世話をするのだそうです。「人を安心させる仕事」というのは、誰でもできるようでいて、実はできない。高度な専門性……というよりも、強い使命感と人徳によるものではないかと、彼女のたたずまいから感じ取れます。●腰痛と低賃金がネック 仕事への不満、大変さについても見ておきましょう。 先のアンケートで「やめたいと思ったことがあるか」という質問に対し、6割以上の介護福祉士が「ある」と答えています。その理由で多かった3つを並べると、「仕事の内容がきついから」(22.4%)、「給料が低いから」(19.6%)、「体力に自信がないから」(18.5%)。 仕事のきつさについては、介護保険制度が始まってから、以前よりも大変になったと感じている人が80.3%にのぼりました。仕事の内容、量、事務量の増加などをあげています。「責任が増した」と感じている人が63.1%。「労働時間が増えた」という人が56.2%。 自由記入欄には、次のような意見がありました。「利用者の権利意識が強くなり、クレームが増えた」「サービスの質を問われる」「1人ひとりの満足度を要求される」「経営者からコスト管理を求められる」「他のスタッフへの責任が重くなった」「事故に対する責任をきびしく問われるようになった」。やはり「尊厳を支える仕事」は、ラクじゃなさそうです。 気になる給料ですが、施設介護か在宅介護かで差が見られました。15万円未満 (施)9.3% (宅)18.4%15~19万円(施)26.7%(宅)28.4%20~24万円(施)22.0%(宅)29.2%25~29万円(施)11.2%(宅) 6.6%30万円以上 (施)11.5%(宅) 5.2% いずれも15~24万円の幅の中に過半数の人が入っているわけです。一方、施設介護では30万円以上の「高給」に恵まれている人が1割以上いて、在宅介護では15万円未満の「低賃金」の人が2割近くいるというのが大きな違いです。 ちなみにアンケートに答えた人の89.5%が常勤で、非常勤は8.0%となっています。とすると、在宅介護で15万円未満の人が2割近いというのは非常に問題ですね。 施設介護のほうが給料ではやや恵まれていますが、こちらには夜勤が伴います。「している」と答えた人は59.6%で、その回数は月に4回という人が最も多くなっています(38.7%)。一方、在宅介護のほうは24時間循環型で勤務する場合を除くとレアケースのようで、夜勤を「している」と答えた人は8%にとどまりました。●一人ひとりを大切にする 最後に、介護福祉士に求められる資質・条件についてのアンケート結果をご紹介しましょう。上位3つは次の通りです。①利用者を理解する態度(54.8%)②人間尊重の価値観(48.9%)③介護理論・状態に対応できる技術を持っていること(42.8%) 経験年数の長い人ほど③をあげた人が多く、また、経験年数の短い人は、4番目の「介護の仕事が好きであること」(40.5%)をあげた人が多いという差が見られます。 ざっくりまとめて言ってしまうと、介護福祉士に求められるのは、介護を必要とするお年寄りの「一人ひとりを大切にすること」ではないでしょうか。これが、「尊厳を支えるケア」の本質であると思います。
2003年12月13日
失業率が5%前後のレベルにある「高失業」状態が長く続く中でも、IT関連と介護の求人ニーズは高くなっています。最近では、リストラされた中高年がヘルパー養成講座に参加する姿も目立つとのこと。 求人ニーズだけを見れば、介護関連職種は「21世紀の有望職種」と言えるでしょう。その背景には、4人に1人が65歳以上の高齢者になるという超高齢化社会の到来があります。今後10年ぐらいの間に、高齢化率(65歳以上の人口が全人口に占める割合)は急激に上昇します。 大きな節目となるのが、2015年という年。この年、「団塊世代」と呼ばれる戦後のベビーブーム世代(1947年~49年生まれ)の全てが65歳以上の高齢者となるのです。その結果、65歳以上の人口は3277万2000人と、2002年に比べて38.7%も増え、高齢化率は18.5%から26.0%へ7.5ポイントも上昇すると推計されます。 高齢者が増えればそれだけ介護のマンパワーも多数要求されるようになると短絡的に考えがちですが、高齢者の全てが要介護状態になるとは限りません。2003年5月時点のデータでは、介護保険のサービスを受けている65歳以上の高齢者は279万人で、これは65歳以上の人口の11.6%にあたります。 この比率を下げ、高齢者の介護や医療にかかる費用を抑え、「元気な高齢者」を維持しなければ、介護保険制度や医療保険制度の存続が危うくなります。今後は介護予防やリハビリに重点を置く政策が取られるでしょう。職種でいえば、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門職種へのニーズが高まると考えられます。 量の次に、質の問題があります。団塊世代は、それまでとは違うライフスタイルや価値観を持っているため、介護サービスに対するニーズも異なってくるのではないか――厚生労働省の高齢者介護研究会では「2015年の高齢者介護」という報告書の中で、そんなふうに問題提起しています。 団塊世代が65歳以上になったとき、彼らは次のような点でその前の世代の高齢者とは大きな違いがあると指摘されています。①その80%程度が元・雇用者(とくに男性は地域とのつながりが希薄)、②高齢単独世帯が増加、③介護は子ども夫婦に頼るのではなく、ヘルパーのほうがいいという人が多数派、④居住環境について多様な考えを持っている(持ち家率が高く、リフォームへの関心があり、その一方で高齢になってからの住み替えについても抵抗がない)、⑤つねに消費と流行を牽引してきた世代であり、権利意識が強く、介護にしてもサービスを選ぶ立場として質にこだわり、いい加減なものには満足しない等々。 現在の介護福祉士の仕事のあり方が、従来とは違う価値観を持った団塊世代にそのまま通用するでしょうか。顔を思い浮かべてみましょう。団塊世代の有名人には、こんな人たちがいます。 俳優やタレントではビートたけし、柄本明、風間杜夫、梶芽衣子、大信田礼子といった個性派がゾロゾロ。歌手ではグループサウンズの時代をつくった沢田研二、フォークやニュー・ミュージックの旗手と言われた谷村新司、小田和正、森山良子。作家では赤川次郎、北方謙三、ねじめ正一、政治家では橋本大二郎・高知県知事……。 全ての団塊世代がこういうクセ者とは限りませんが、お世話する立場からすると、なんだか神経つかいそうで、手がかかりそう……。 介護福祉士は「21世紀の有望職種」となり得るか、また、最近、介護福祉士の質の向上を求める声が高まっていますが、それでは、時代のニーズに応えるためには、どのようにして質をレベルアップさせていけばいいのでしょうか。そのあたりを焦点にして、レポートをまとめてみたいと思います。また、介護福祉士とヘルパーの仕事の違いが分かりにくいので、このへんも明らかにしたいと思います。●介護福祉士が女子高校生のなりたい職業の第5位に 介護福祉士は有望職種であるという見方は、若い人たちにも浸透しているようです。リクルートと全国高等学校PTA連合会が今年7月に共同で実施したアンケート調査によると、女子高校生のなりたい職業の人気ランキングで、社会福祉士・介護福祉士が第5位になりました。ちなみに、上位5位のすべてを紹介すると……。男子1教 師 10.4%2公務員 8.5%3大学教授・研究者・学者 6.6%3プログラマー 6.6%5システムエンジニア 4.7%5建築士 4.7%女子1保育士・幼稚園教諭 12.8%2看護師 10.1%3教 師 6.1%3医療事務・医療秘書 6.1%5美容師 4.5%5社会福祉士・介護福祉士 4.5%(調査数496人) 2000年の調査では、男子の3位だった「ゲームクリエーター」や9位の「パイロット」、女子の1位だった「フライトアテンダント」(旅客機の客室乗務員)や2位の「心理カウンセラー」、7位の「アナウンサー・リポーター」はいずれもベストテンから姿を消しました。 とくに男子には堅実志向がくっきりと現れています。それにしても1位が教員、2位が公務員とは! 高校生にも将来への不安が広がり、安定した職業を望む傾向が強まっているのでしょうか。 社会福祉士・介護福祉士を選んだ理由は、「少しは就職が楽そうだから」(鹿児島・専門科、男子)、「ボランティアへ行ったときにお年寄りの方の役に立つことができた」(岐阜・普通科、女子)など。「楽そう」という表現がいかにもシンプルですが、彼らの気持ちをそのまま表していますね。●登録者数は34万8965人 いま、何人ぐらいの介護福祉士が活躍しているのでしょうか。余っていることはないと思いますが、今後も求人ニーズがあるのでしょうか。 介護福祉士という国家資格が誕生して、2003年でちょうど15年になります。毎年急カーブを描いて有資格者の数が増え、現在の登録者数は34万8965人にのぼります。さらに毎年新たに5万人以上の有資格者が誕生しています。 そもそも介護福祉士とは、超高齢化社会に向け、高度な専門知識と技術をもった介護サービスの担い手を養成するためにつくられた国家資格であり、当初は特別養護老人ホームで働く「寮母(寮父)」と呼ばれる人たちの中でリーダーとなれる人々を想定としていました。 施設に入りたくても入れない待機者が大勢いるにもかかわらず、国の補助金を使って新たに建設するのはお金がかかり過ぎるため、国の政策は施設介護から在宅介護支援へとシフトしていったのはご存知のとおりです。各地域に設けられている在宅介護支援センターには必ず介護福祉士が配置され、家族や高齢者に対する情報提供や相談業務を行ってきました。 2000年に介護保険制度が始まってからは、介護福祉士の働き方が大きく様変わりしました。コムスン、ニチイ学館といったヘルパー派遣会社から多数雇用されるようになったのです。多くのヘルパーをまとめる管理者、リーダー、教育担当者として、いまでも高い求人ニーズがあります。 一方、特別養護老人ホームなどでは、すべての介護職員を介護福祉士の有資格者にしようとする気運が高まっています。介護保険制度になってからは、介護サービスは利用者や家族が選ぶ立場になりました。クレームが増え、介護中の事故をめぐる訴訟トラブルも増えています。サービスの質に対する要求度が高まっているのです。「そちらの寮母さんは、資格を持っていらっしゃるの?」などと利用者や家族から聞かれることも多いといいます。 介護サービスの質がきびしく問われる時代になったことで、より高度な専門知識と技術をもつスペシャリストが求められるようになり、介護福祉士へのニーズも高まっているのです。 けれども、現状の介護福祉士のレベルはまだまだ低い。もっとレベルの向上を図らねばならないとの意見もあり、試験制度、養成制度の見直しが始まりました。厚生労働省では有識者を集めて「介護福祉士試験の在り方等介護福祉士の質の向上に関する検討会」を2003年6月から開催し、年度末には結論を出す予定です。●国家試験受験と養成施設卒業のいずれかを選ぶ では、現在どのように介護福祉士の養成が行われているかについて、見てみましょう。介護福祉士の資格を取得するには、大きく分けると2つのコースがあります。①国家試験に合格する 受験資格は、特別養護老人ホームなどの指定施設で3年以上の実務経験を積むか、高校で厚生労働大臣の指定した科目を修了していること。受験者の比率はおよそ9:1です。 2003年に行われた第15回目の国家試験の合格者数は3万2319人で、合格率48.0%でした。男女比は1.7対8.3で女性のほうが多くなっています。 ②介護福祉士養成施設で学ぶ 養成施設は1年制か、2年制以上に分かれます。高卒者および短大卒・大卒で社会福祉を専攻していない人は2年制以上の養成施設で学びます。2年制の専門学校(昼間部)、3年制の専門学校(夜間部)、4年制大学があります。学費は2年制の養成施設で110~170万円程度となっています。 4年制大学の数は現在29にのぼります。識者の中には、「介護福祉士は社会福祉士と同様に4年制大学を修了を標準とすべきである」と唱える人もいます。 なお、保育士養成施設、社会福祉士養成施設、社会福祉系の大学で所定の科目を修了した人は1年制養成施設で学びます。 実技を修得する養成なので、通信教育は認められていませんが、NHK学園が行っている通信教育講座(2年制)を修了することによって、国家試験の受験資格を取得できます。これは意外に知られていないコースですね。私も今回、調べるまでは知りませんでした。学費は2年間で14万円です。 養成施設では所定の科目を修めれば卒業と同時に介護福祉士の資格を取得できます。国家試験を受験する必要はありません。ただし、養成教育目標達成度評価のために、1997年度から全養成施設で、「卒業時共通試験」が実施されています。 養成施設の数は384校、入学定員は2万6122人となっています(2003年4月1日現在)。 つまり、国家試験合格者と養成施設修了者の数を合わせると、例年6万人近い人が新たに資格を取得する計算になります。 とりあえず、ここまで。この後は、介護福祉士3151人から集めたアンケート調査の結果を抜粋して、介護福祉士の仕事の内容、やりがい、不満、勤務条件、待遇などについてご紹介し、問題点やこの仕事ならではの魅力を浮き彫りにしたいと思います。
2003年12月12日
今日はライターではなく、就職支援の専門家として取材される側に回ります。お話しする内容は、ミセスが「仕事に戻りたい!」と思ったときに、何から始めるべきか。仕事といっても、パートだけじゃないし、狭き門だkれども正社員を目指す道もあれば、SOHO、独立開業という選択肢だってアリ。だからあえて、再就職じゃなくて、カムバックなんて言葉を使ってみました。自分にピッタリの進路を見つけるには、どうすればいいのか……。 取材を受ける前の下準備に、ちょっと書いてみましょうかね。●カムバックを考えたときに、どのようなことをどのような順番ですればいいか「自分探し(自分の職業適性の再発見)」と「自分育て(能力開発)」の2つを同時に進めましょう。「自分探し」は、次の4つの視点から掘り下げてみましょう。興味(自分のやりたいこと、好きなこと・好きだったこと)適性(何が向いているか)能力(何ができそうか、過去に得意だったものは何か)価値観(どのようなことにやりがいや生きがいを感ずるのか) 好きなことや興味のあることについては、具体的な職種名でなくても、「人と接する仕事」「モノを作る仕事」「人のお世話をする仕事」「人を喜ばせる仕事」「ありがとうと言われる仕事」「事務などの裏方の仕事」「経理などの数字を扱う仕事」等々、大ざっぱなくくり方でも構いません。 適性については、何かの適性テストを受けるのが早道ですが、そのチャンスがなければ、これまでの人生で、「あなたって、こういうことに向いているんじゃない」「さすが、あなたはこういうことが得意なのね」などと、ほめられた経験を思い出してみてください。 能力については、「なんとなくできそうなこと」「過去に体験しているので、多分、できるだろうと思えること」「自分で得意だと思えること」などを書き出してみましょう。 価値観というのが、実はいちばん重要だったりするかもしれませんね。「好きなこと」や「やりたいこと」とだぶるかもしれませんが、「これだけは絶対やりたい」「これだけは絶対許せない、やりたくない」という両面から考えてみると、イメージが湧いてくるでしょう。 自分育てには2つの意味があります。1つは、社会から求められる人材になること。目指す仕事のジャンルで要求される使命をよく理解し、必要な技能・資格を身に付けなければなりません。また、就職情報・求人広告の見つけ方、履歴書の書き方や面接のマナー、テクニックなどの、「採用されるためのノウハウ」を学ぶことも重要です。 もう1つは、自分らしさを出すこと。社会は多様な人材を求めています。他の人とは違う、あなたならではの能力、経験、個性といったものが必ずあるはずです。それを言葉に表し、あなたならではの「貢献力」としてアピールできれば、あなたの目指すカムバックを実現できるでしょう。 この2つのことは、「教育」の基本中の基本です。「教える」という言葉には、「鋳型にはめる」「引き出す」という2つの異なるルーツがあるからです。 社会に通用する人材になるには、ある程度「鋳型」にはまることが必要ですが、その一方で、新しい価値を生み出すことも社会は求めているのですから、あなたならではの個性を自分自身で引き出し、アピールすることが大切です。 ●カムバックを目指すときの心構えは? どんな仕事にも必ず「お客様」がいます。仕事をするということは、その「お客様」に対して貢献し、メリットをもたらすことです。 そのような「貢献力」がなければ、就職も独立開業も難しいでしょう。また、就職の際に履歴書や面接で自分を売り込む場合でも、この「貢献力」のアピールが採否を分ける大きなポイントになります。独立開業やSOHOで仕事を得るにも、もちろん「貢献力」がなければ競争相手に負けてしまいますし、顧客=取引先からの信頼を得ることができません。これが基本中の基本です。 たとえて言えば、「ひつじ」型から「おさる」型への転換かな。大人しくて従順な「良妻賢母」タイプから、自分の個性を主張して賢くふるまう「ビジネスウーマン」タイプへと自分を育てていけるといいですね。●本当に自分に合う仕事はどうやってみつければいいか おっと、そろそろ出発の時間です。詳しくはまた後で。
2003年12月11日
というタイトルでレポート記事を制作中です。 野村総合研究所の試算によると、団塊世代が60歳定年を迎え始める4年間(2007~2010年度)の人件費節減は4兆499億円にのぼり、全国の企業の経常利益を累計で3兆6000億円増やす効果があるそうです。すごい数字ですね。 人口のボリュームゾーンである団塊世代がリタイアすれば、労働人口の減少が加速します。これは07~10年度の4年間で188万人減(2.9%)になるとのこと。 現在の雇用調整は高校・大学などの新卒採用の抑制によって行われていますが、団塊世代の退職が始まれば、自然減の形で雇用調整がスムーズに行われるので、新卒の採用抑制に歯止めがかかるかもしれませんね。 フリーターのみなさん、あるいは再就職志望のミセスの方々、来るべき労働人口不足の時代に備えて、いまから専門技能や資格の習得に努めたほうがいいですよ。団塊世代が定年を迎えるまであと3年、その前に希望退職制度などで辞める人も多数いますから、企業の採用力は徐々に回復してくるでしょう。 さて、もう一度マクロ的視点から団塊リタイア後の変化を見てみると、リタイアによって所得水準が低下すれば、消費が落ち込み、彼らは人口ボリュームゾーンであるだけに、その影響がかなり大きいとも考えられます。 ところが、野村総研では消費抑制効果は4年間で4406億円にとどまると試算しています。その理由は、団塊世代の貯蓄率の低さ。団塊世代はつねに新しいライフスタイルの開拓者であり、消費を楽しむ人たちだからです。 また、定年後も働き続けたいとする意向が強く現れています。各種データによると、「65歳まで働きたい」との声が多くなってます。 団塊世代は、戦後の男女平等教育が深く浸透している最初の世代ですが、女性については雇用機会均等法などのインフラがまだ整わず、差別意識も色濃く残る中で学校を卒業した人たちですから、思うように実力を発揮できなかった。だからこそ、子供たちが独立し、夫も定年を迎えて、ようやく全くのフリーになったのを契機として、仕事や趣味に打ち込もうとする人が増えるのではないかという予測もあります。その波及効果として、熟年離婚の増加も心配されています。 定年を控え、新たな生き方を模索し始めた団塊世代は「世界的に始まる超高齢化社会のモデルになる」とも言われますが、どうなんでしょうか。 日経新聞の夕刊で長期連載していた「されど団塊」などを読むと、どうも美化されすぎているような気もします。記者もこれを書いた団塊世代なのかしらん。 ちなみに「されど団塊」は、いまなら無料で閲覧できますので、興味のある方はどうぞ↓http://www.nikkei.co.jp/dankai/20030418i164i000_18.html さて、本日は午前中に築地の某企業で取材、その後、中央線と富士急を乗り継いで都留市へ向かいます。まだ風邪が治りかけで、ちょいと頭痛が残っているので、つらいなあ。
2003年12月10日
「女の天職事典」を改め、「ニュースな天職事典」としたいと思います。男女共同参画社会ですから、女性限定情報は不適当ですね。 また、最近ではインターネット上にも職種情報が増えてきましたから、その中で差別化するには網羅的に情報を並べるのではなく、何らかの特色を出したほうがいい。そこで、最近のトピックスを盛り込みながら、ジャーナリストとしての私独自の視点からまとめてみたいと思います。●薬剤師がテレビ電話に登場した理由 24時間営業のディスカウントストアであるドン・キホーテが、深夜や早朝の時間帯にテレビ電話で薬剤師が相談に応じつつ医薬品を販売するサービスを始めたところ、厚生労働省から待ったがかかり、ひと悶着ありました。 法律上、医薬品は薬剤師が店舗に常駐して対面販売を行わなければならないことになっているので、テレビ電話は「対面販売」の範疇を超えるというわけです。 ところがまた事態は一転しました。厚生労働省の有識者会議が、テレビ電話方式による深夜・早朝の医薬品販売を条件付きで容認すべきだとの見解をまとめ、これを受けて法改正へと流れが変わったのです。 ドン・キホーテがテレビ電話を使い始めた背景には、薬剤師の人手不足の問題があります。ドラッグストアでは高い時給を提示しても薬剤師が集まらないそうです。洗剤、ティッシュペーパーからコンドームまで一緒に売るような窓口での仕事は、あまりプライドをくすぐってくれないのでしょう。時給は2,000円以上が相場で、中には1カ月10万円の資格手当を上乗せするところもあるとか。●旅する薬剤師 薬剤師の人材紹介や派遣を行う会社へは、「ラベンダーの季節に3カ月ぐらい北海道で働きたい」とか「冬の間は蟹のおいしい北陸方面で働きたい」といったリクエストをする薬剤師もいるとのこと。「ファーマシスト・トラベル(旅する薬剤師)」という言葉もあるそうです。 このご時世に、なんともぜいたくな話ですね。そういえば、私の知人の薬剤師は、屋久島の魅力にとり付かれ、移住すると言っていましたっけ。人口の少ない地方では調剤薬局でも薬剤師が不足しているとか。日本全国どこでも求人のある専門職は、うらやましい。●2008年には供給過剰に転じる? 厚労省の調べによると、2000年12月31日現在における、全国の薬剤師の数は21万7477人。薬剤師全体の7割を女性が占めるため、結婚や出産の影響が出やすい30代では離職率が高まり、有職率は7割程度と見られています。 厚生労働省のホームページにある職種情報の「JOB JOB WORLD」には薬剤師として働く人の数の推計値が出ています。これによると、2000年が12万8885人、2005年が13万1522人、2010年が12万9799人となっています。つまり約13万人をピークに、以後、減少に転ずるということでしょうか。「2008年以降は薬剤師過剰時代を迎える」という説もあります。現在、20校近い学校が薬学部の新設を希望しています。年間約8500人が国家試験に合格していますが、薬学部新設後は1万3000~1万4000人に増える計算になります。それだけの受け皿がないのではないかというわけです。 ●薬学部6年制へ 来春、大学の薬学部に入学すると、卒業するころには薬剤師過剰時代がそろそろ始まってしまう計算になります。 また、薬剤師のタマゴたちには、もうひとつ大きな変化が待ち受けています。文部科学省と厚生労働省は、質の高い薬剤師を養成するため、大学の薬学教育を現行の4年から6年に延長する方針を固めました。つまり、薬剤師国家試験の受験資格が「6年制の課程を修了すること」になるわけです。 今後、文科省は学校教育法、厚労省は薬剤師法の改正作業を進め、法案を来年の通常国会に提出します。成立してから施行まで2、3年の周知期間をおき、新入生から適用するというスケジュールになります。 「薬学部を6年制に」という意見は、早くも94年に出されていましたが、当時は「時期尚早である」との結論に落ち着きました。 ところが、遺伝子治療薬、分子標的薬といった全く新しい薬の開発が進み、より幅広い知識が必要になっている上、薬にからむ医療事故の防止など、医療現場で薬剤師に求められる役割が重みを増してきました。これに応えられるよう臨床教育を充実させるには4年では不十分という判断になったのです。 医師とのギャップも問題視されています。医師には2004年度から卒後2年以上の臨床研修が義務づけられます。学部教育と合わせ医師が8年、薬剤師が4年では、医師と薬剤師の実力の差は、ますます開いていくことになってしまうのです。 欧米諸国の薬剤師養成プロセスと比べてみると、米国では2年の基礎教育に3年か4年の薬学教育が必要。英国やドイツは4年の学部教育に1年間の卒後研修が必要となっています。●医薬分業で病院での雇用は減少 薬剤師の就職先は、製薬会社、病院などの医療機関、調剤薬局、ドラッグストアなど。経験を積んだ後、個人で薬局開業というキャリアパスも可能です。「医薬分業」といって、病院では処方箋を出すのみで、調剤は薬局でという分業スタイルが進んでいるため、病院での薬剤師の雇用は減ってきています。 調剤薬局での仕事は、単に薬を調整するだけでなく、患者に対して正しい服用の仕方を指導し、副作用についての注意を促すなどの、対人コミュニケーションの仕事のウェイトが大きくなっています。 キャリアを積むごとに、薬というモノを相手にする仕事よりも、患者というヒトを相手にする仕事のほうが、やりがいがあると語る薬剤師も多くなっています。 一方、研究者タイプの人は製薬会社での新薬開発の仕事が向いているでしょう。●ニーズが高まる治験コーディネーター 新薬開発については、日本は欧米先進国に比べて開発から国家による承認、そして患者が利用できるようになるまでの期間が長過ぎることが問題になっています。 欧米で標準的に用いられている抗がん剤の中には、日本では未承認あるいは、「胃がん治療で使うには保険がきくが、肝臓がんでは保険がきかない」といった制限つきの薬もあり、それでも薬を使いたい人は、欧米から個人輸入して保険適用外の高額の治療費を払っているのです。 優れた新薬をいち早く患者が使えるようにするために、その活躍が期待されているのが治験コーディネーターです。新薬開発のプロセスの中には、副作用を調べるために行う臨床試験(=治験)が欠かせません。 その臨床試験に協力してくれるボランティアに対して、インフォームドコンセント(説明と同意)を行い、治験を行っている間にボランティアの健康管理やカウンセリングといったケアもして、医師や製薬会社側と緻密な連携をとりながら治験プロジェクトを円滑に進めるのが治験コーディネーターの役割です。 治験コーディネーターについては、現状では公的な資格が存在せず、日本看護協会や日本病院薬剤師会、日本薬剤師研修センターなどが養成研修を行っています。 看護師、臨床検査技師と並び、薬剤師出身の治験コーディネーターが多数活躍しています。 最近では、治験業務の代行・支援を製薬会社や病院から請け負うSMO(Site Management Organization)と呼ばれる専門の会社が増えており、薬剤師や看護師を治験コーディネーターとして採用・教育しています。●ケアマネジャーの資格取得者は1万5361人 薬剤師の仕事のジャンルの中で、もうひとつ、意外に知られていないのが、経験5年以上でケアマネジャーになれるということです。 ケアマネジャーになるには、医療・保健・福祉の分野で専門職として5年以上経験した上で、介護支援専門員実務研修受講試験に合格した後、研修を修了することが必要です。そのような専門職のひとつとして、薬剤師がカウントされているのです。 昨年までに行われた全5回の試験の合格者数は26万6688人となり、うち薬剤師の総合格者数は全体の約6%を占める1万5361人で、全19職種中で5番目に多い職種となっています。 薬剤師ケアマネジャーの強みは、薬局という市民の生活に最も近い場所にいて、身近な介護相談に乗れることでしょう。 また、他の専門職種が苦手とする薬剤・洗剤に関する抱負な知識を持っているので、介護用品の洗浄・消毒、要介護者のいる室内環境の美化・衛生、服薬指導といった分野で要介護者や介護を行う家族に対して大きな貢献ができるでしょう。●もっと詳しく知りたいならhttp://www.shigotokan.ehdo.go.jp/jjw/top.html 厚生労働省JOB JOB WORLD薬剤師を検索してみてください。3人の薬剤師の体験談を映像で見ることができます。http://medwave.nikkeibp.co.jp/ndi/bn/colum/inside.html Inside Outside>薬剤師によるエッセイ薬剤師をめぐる最近の話題を鋭く切り込んだエッセイです。http://www.chikennavi.net/jobcrc.htm 治験ナビ治験コーディネーターの仕事の内容などについて詳しく解説しています。http://www.caretemp.co.jp/bus/cont/human/chiken.html 治験コーディネーターの派遣・紹介サービスです。http://www.nichiyaku.or.jp/ 日本薬剤師会薬剤師の職能団体のホームページです。薬剤師になるための情報など、全般的な情報を知ることができます。http://www.tokyoapo-cares.gr.jp/html/Explain.htm薬剤師ケアマネの支援組織、アポ・ケアーズ「薬剤師がケアマネジャーにふさわしい理由」など。
2003年12月09日
新聞社ではそろそろ今年の十大ニュースを各分野別に発表する時期ですね。私の専門である雇用と労働の分野で、私なりピックアップしてみました。ちょっと多めに15大ニュース!1円起業ブーム 資本金が1円でも株式会社や有限会社を設立できる特例制度が今年2月から導入されたことにより起業ブームが起きました。さすがに1円ポッキリの資本金のところは少ないけれども、もともと株式会社なら1,000万円、有限会社なら300万円の資本金が必要なところを、それ以下のお金で設立した事例は11月現在で238社にのぼるそうです。経済産業省は、「1円起業」の促進を経済活性化につなげようと、商法で定めた最低資本金規制の廃止も検討する方針です。サービス残業解消に向けた取り組みが盛んになる サービス残業でなく、不法な「不払い残業」であるとの見地から、厚生労働省や労働組合が解消に向けての取り組みを始めました。東京都内の特別養護老人ホームの理事長が、サービス残業をさせていた疑いで初めて逮捕され、残業代の不払いは労働基準法で罰せられるということを使用者に厳しく認識させたのでした。若年失業者125万人、高校生の就職率史上最悪 今年発表された「青少年白書」によると、15~29歳の失業者数は125万人。失業率は15~19歳で12.8%、20~24歳で9.3%、25~29歳で7.1%にのぼります。また、今春卒業した高校生の就職内定率は66.3%(昨年12月の調査)で史上最悪。中高年のリストラが盛んに報道される背後で、若年層の就職難がじわじわと進んでいるのす。まだまだ続くリストラの嵐 西武百貨店の4店舗閉鎖により、250人が解雇されたニュースは衝撃的でした。一方、今年の3月期決算では人件費削減などのリストラ効果によって黒字を計上し業績の「V字回復」をみた企業が続出。リストラで儲けたわけですが、労働運動がイマイチ盛り上がりません。バラバラに分断された労働者が、孤独のうちにわが身の不運を嘆いているのでしょうか。解雇ルールの明確化 企業が従業員を解雇する際のルールを明記した改正労働基準法が成立しました。不況で解雇が増える中、労使間のトラブルを防ぐのが狙いです。しかし、どのような場合に企業が解雇できるかについて具体的に示されていないので、制度としては不十分であるとの批判もあります。 解雇をめぐる企業と従業員の間のトラブルは急増しています。厚生労働省によると、全国約300ヵ所の総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は昨年62万件を超え、このうち解雇や労働条件の引下げなど民事上の個別労働紛争に関するものは約10万3,000件にのぼりました。厚生年金の改革案が出される 女性にとってとくに気になるのは、パートの加入条件が拡大され、「年収65万円以上」あるいは「正社員の勤務時間の2分の1以上(週20時間以上)」という2つの基準が打ち出されたことですね。労働者派遣法改正 現在1年間に限定されていた派遣期間が3年に延長され、また、物の製造への派遣が解禁されたという2つがポイントです。成果主義が急速に浸透 業績、あるいは目標の達成度に応じて個々に「成果給」を査定するという成果主義賃金体系が多くの企業に導入されました。極端な例では「年収100万円ダウン」という話も聞きます。ただし、業績が上がらないのは個人の責任ばかりではなく、その業界の経営環境、会社の経営方針、上司の考課能力、能力を伸ばす教育環境にも左右されますね。何が公平で、平等なのかという根源的な問題を私たちは突きつけられているのですね。経済・生活苦による自殺者、約3,300人 数字は去年のものですが、発表されたのが今年だから、一応、今年のニュースということで。2002年度の自殺者は前年より約1,000人多い3万2,143人にのぼりました。中でも「経済・生活問題」が原因の自殺者は前年比425人増の3,297人。1978年の調査開始以降、最悪の記録となっています。 この数字の中には、病院に運ばれた時点では息があって数日後に亡くなった人は含まれないそうです。また、未遂者の数を含めると数百万にのぼるという説もあります。就農&田舎暮らしブーム 人口流出に悩む農村地域と、都会での生活に疲れた人をマッチングさせるための物件情報提供ビジネスが盛況とか。厚生労働省と農林水産省の協力により、全国47カ所のハローワークの中に就農相談コーナーが設けられました。 また、日本最大の労組である連合などが今年立ち上げた「ふるさと回帰支援センター」では、「100万人のふるさと回帰・循環運動」を提唱してUターン、Iターン(都会人が自分の故郷以外の田舎に移住すること)の支援に乗り出しました。テレワーカーが約400万人に 国土交通省の調査によると、約408万人が週8時間以上テレワークを実施しているとのこと。そのうち企業などに雇われている「雇用型テレワーカー」が約311万人、フリーランスの「自営型テレワーカー」が約97万人を占めます。テレワーク推進上の課題としては、「仕事と仕事以外の切り分けが困難」、「長時間労働になりやすい」が多くあがっています。職場での分煙・禁煙が進む ふかしタバコの伏流煙でタバコを吸わない人も被害をこうむる「受動喫煙」が問題視されるにつれ、公共施設ではもちろんのこと、オフィスやレストランなど公共性をもつ多くの施設では、禁煙・分煙対策が進み、愛煙家にとっては住みにくい世の中になってきました。さらに今年は、受動喫煙防止を義務づける健康増進法も施行されました。 吸わないとストレスがたまり、仕事の能率が落ちるとボヤいている人も多いかもしれませんね。パート指針改正 正社員と仕事の内容、権限、勤務時間がほとんど変わらないのに、賃金や身分上で差別待遇を受けているパートタイマーが多くなっています。このような差別を解消するために、適正な人事管理を行う指針として改正されたものです。国家公務員Ⅰ種試験の女性合格者が史上最高264人 Ⅰ種試験の合格者の多くは中央官庁に配属され、官僚としてのエリートコースを歩みます。「女性初の大蔵官僚」(拉致問題解決の笑顔の“おばさん”として知られた中山恭子さんがそうだったかな?)、「ミニスカートの大蔵官僚」(桝添さんの元夫人)等々、昔は大きなニュースになりましたが、これだけ女性合格者が増えると女性官僚ももはや当たり前の時代ですね。専門職大学院制度始まる 専門職大学院制度は、研究者ではなく、専門性の高い職業人を育てることを目的として、2003年施行の改正学校教育法によって始まりました。 従来の大学院と大きく違うのは、理論教育だけでなく、現場レベルに即した実務教育を行う点。高度な専門性を要求される分野に設置され、現場に携る実務家を教員に招くなど、レベルの高い専門教育と実務教育を実施します。 来年4月から誕生する法科大学院が注目を集めていますが、そのほかにも多様な専門職の分野で大学院が開設されます。詳しくはこちら。
2003年12月08日
今夜は独りぼっちの夕食の予定。外食にしようかな……でも、昨夜、ジム仲間と豪遊したので、お財布を引き締めなくては。 というわけで、ちょっといい牛肉を買ってステーキにしようかなと。赤ワインはゴロゴロあるのでね。付け合せは、ほうれん草のバターソテーとニンジンにしよう。 実家の冷蔵庫に残っているマグロのぶつ切りと鮭のハラスを前菜にしてネ。うふふ。 でもやっぱり、自分独りのために作る料理は、イマイチ愛情がこもらないですね。やっぱり食卓には、愛がなくちゃ、寂しい。 ま、テレビでも見ながらのんびりやりましょう。
2003年12月07日
もしも私に子どもがいて、その子が女の子だったら、看護大学への進学を薦めたい。看護大学へ進学すれば、卒業後の進路は看護師以外にも保健師、助産師、養護教諭(いわゆる保健室の先生)、看護学校の教諭、さらには修士課程、博士課程への進学等々、選択肢は豊富にあり、どの道を選んだにせよ堅実に人生を歩むことができそうです。 看護師から保健師に転職するなど、若いうちであれば方向転換も可能です。やってみて「合わない」と思ったり、「もっと違う分野にチャレンジしてみたい」と思ったとき、すぐ近くに別の道が用意されているわけ。ゼロから勉強し直さなくても、それまでの経験が生きてきます。 ちなみに看護系大学は少子化が進む中でも続々と新設あるいは学科増設されています。それだけ社会からのニーズが高い。つまり、大卒の看護師・保健師は有望職種と見ることができるのです。2003年現在でその数は全国で107にのぼり、修士課程64、博士課程19となっています。「堅実」という言葉を使ったワケは、第1に安定性です。主な就職先は公務員、医療機関、教育関係、健康管理室のある大企業や健康保険組合などで、いずれも景気の波に大きな影響を受けない。ただ、公務員は居心地がいいので定年前に辞める人が少なく、新卒者の採用は欠員補充程度にとどまります。これからなりたいと思う人にとっては狭き門になっています。 第2に専門職としての磐石なステータス。女性の専門職の中では歴史が古く、先輩たちのお陰で社会の中に確固たるステータスを築いています。これを別の視点から見れば、「既にできあがってしまった仕事で新しくつくる余地がなく、つまらない」ということになるかもしれません。 ただし、人間という移り気な生き物を対象にしているため、時代が変われば仕事の中身も変化してきます。少子高齢化、エイズ、成人病やうつ病の増加、ひきこもり、児童虐待といった現代社会に特有な新しい現象への対応、問題解決が求められているのです。 そうしたマクロ的な視点とは別に、ミクロの視点つまり看護師や保健師の仕事の対象である1人ひとりの人間に焦点を当てて見ると、これほど変化に富んだものはないかもしれません。人間はそれぞれに異なる独自性を持っています。人権尊重の思想が浸透していなかった大昔とは違い、マニュアル的な対応が一番通用しにくい世界でしょう。病気や死、生きることそれ自体といった、人間の中でもっとも生々しい部分を扱うからです。このように「古くて新しい」という魅力も見逃せません。 保健師という職種について理解するには、看護師と比較対照してみると分かりやすいでしょう。まず、なりかたの違いを比べてみましょう。 保健師になるには、大きく分けると2つのコースがあります。看護師の免許を取った後に取るか、あるいはストレートに取るかです。いずれも高卒後4年以上かかる計算になります。 看護師→保健師のコースは、看護師の免許を取得した後に1年制の保健師養成校で学び、保健師国家試験を受験することになります。3年制の看護学校または3年制の看護短大を卒業して看護師免許を取得した後すぐに進学する人もいれば、看護師として臨床経験を積んでから方向転換する人もいます。 ストレートに保健師免許を取得するなら、看護系の大学へ進学し、保健師国家試験の受験に必要な科目を選択・修了し、国家試験に合格しなければなりません。 看護学校は学費が安く、私立校でも奨学金を利用すれば負担が軽くなるので、経済的に余裕がない場合は看護師→臨床経験→保健師のコースがお薦めです。看護学校や看護大学で学ぶ人の中には、OLなどの社会人経験のある20代後半から30歳前半の女性もいます。 次に仕事の特色について見てみましょう。大ざっぱに言えば、看護師の仕事の対象が既に病気やケガの患者さんであるのに対し、保健師の仕事の対象には健康人も含まれます。つまり、予防医学のジャンルで活躍しているのです。 私たちはふだん、何気なく「予防」という言葉を使っていますが、医学の世界でいう予防には1次から3次までの3ランクがあります。1)1次予防(病気にならないための努力):健康教育、衣食住環境、労働環境、遺伝相談、予防接種、災害・事故の防止、禁煙・禁酒など2)2次予防(病気になっても、その病気で死なないための努力):病気の早期発見、防疫、治療、合併症・後遺症の予防など3)3次予防(病気で死ぬまで良い人生の質を得る努力):‘終末医療’、機能回復 この全てが保健師の仕事の範囲になります。 保健師の「仕事場」はおもに2つあります。それは、地域と産業です。地域で働く場合は、公務員になるか、在宅介護サービスの担い手である訪問看護ステーションに就職するか、いずれかになるでしょう。公務員は都道府県あるいは市町村ごとに採用試験が行われます。採用後の配属先は、市町村の保健センター、都道府県の保健所、あるいは役所で住民の保健を管轄するセクションとなります。 地域保健の仕事の内容は、その対象によって分けると母子保健、老人保健、精神保健の3つの分野が柱になり、そのほかに成人病、エイズ、難病、感染症の予防と対策といった仕事も入ってきます。地域の健康診断や予防接種、健康教室といった保健関係の住民サービスの企画・運営に当たるのも保健師です。 保健所などの「オフィス」でじっと待つよりも、地域の中に入り込み、家庭訪問する場面がメインとなります。さまざまな人に会い、相談に応じ、問題の早期発見と解決の支援に尽力するのです。地域社会が崩壊していると言われる中で、人々の健康を脅かす問題がさまざまに起きており、その最前線で戦っているのが保健師であると言うこともできるでしょう。 母子保健のジャンルでは、児童虐待、育児ノイローゼの予防と対策が求められています。精神保健のジャンルでは、ひきこもり、精神障害者の社会復帰支援などが重要なテーマになっています。また、老人保健のジャンルでは、介護の負担に押しつぶされそうになっている家族の支援や、独居老人の見守りなどが現代社会に特有なテーマと言えるでしょう。 一方、産業保健とは働く人を対象にした予防医学の仕事です。大企業には健康管理室が設けられており、そこで保健師は産業医と連携をとりながら、健康診断、健康相談、健康教育などの実務に当たります。 リストラ、成果主義の導入が進む中で、働く人にとってのストレスの種は増える一方で、それに伴って生活習慣病や心の病に罹るリスクが高まっています。 社会経済生産性本部が企業に対して行った調査によると、最近3年間で心の病が増えたという回答が約半数にのぼりました。最も多いは「うつ病」であると、72.3%の企業が回答し、中でも従業員3,000人以上の企業では84.6%にのぼりました。また、心の病による「一ヶ月以上の休業者」は、58.5%の企業に存在しています。 休業しなければならないような病気は、働く人にとっても企業にとっても大きな損失をもたらします。そうならないための予防と早期発見・早期治療が産業保健師の使命です。 カウンセラーの仕事を希望する人が増えていますが、いまの日本では就職先、報酬を得るシステム、国家が保証するライセンスといった職業的な基盤が整っていません。その点、保健師は人々のメンタルヘルスのニーズに最も近い現場にいて、職業的な基盤も完成されていますから、保健師がカウンセリングの専門技術を身に付けて対応するのが、最善策のように思われます。 保健師が活躍できる場として、もうひとつ忘れてはならないのは、国際協力です。おもに開発途上国へ派遣され、飢餓や感染症に苦しむ人々のための支援活動を行います。 看護師や保健師は、身に付けた技術と専門知識をつかって世界中の人々に貢献することができるのです。 保健師の仕事についてさらに詳しく知るには、下記のホームページをご覧ください。http://homepage2.nifty.com/hokenhu/ 保健師さん、明日も天気にしてちょーだいhttp://www.shigotokan.ehdo.go.jp/jjw/top.html 厚生労働省>JOB JOB WORLD>保健師保健師が語る仕事の内容、やりがいを動画で見ることができます。必見!
2003年12月06日
おかげさまで間もなくアクセス数77777になります。ここ数日、毎日300前後のペースで来ていますから、早ければ明日の午後か夜までには出るかもしれませんね。ぜひ、ゲットしてください。いいことがあるかも! 縁起をかつぐっていうのは、昔からの「生活の知恵」と言えるかもしれませんね。人知の及ばない、人間の力ではどうしようもないものとの付き合い方、マナーとして「縁起かつぎ」や「鎮魂」があるのではないでしょうか。 ……。コードレス・サイト なーんて造語を思いつきました。つまり、ヒモがついていないサイトという意味です。 たとえば、就職支援サイトというと、就職情報誌の会社、人材派遣や人材紹介の会社、資格取得のためのスクール等々が運営しています。いずれも営利企業ですから、私利私欲のないまっさらな状態で情報を提供しているわけではなく、読み手をある方向へドライブしようとする意図が必ずある。つまり、ヒモつきなんですね。 たとえば、インテリア・コーディネーターの講座をもつスクールが、インテリア・コーディネーターの仕事の大変さといったネガティブ情報を積極的に伝えるとは思えませんし、広告料をいただいている企業に関するネガティブ情報を、就職情報誌の会社が公にすることも考えられませんからね。 しかし、就職先を選ぶときには、こうしたネガティブ情報も踏まえた上で、リスクとメリットのバランスを考えながら決断を下す作業が必要なわけですからね。100%メリットだけの就職先なんてものはあり得ません。 こうしたヒモのつかない就職支援サイトというものが成り立つとしたら、私みたいなフリーランスの書き手はその適役だろうなと思いついたのでした。 このホームページは「ごった煮」みたいになっていますが、いずれ就職支援専門のページをどこかに立ち上げる必要性を感じています。 当面はこのゴチャゴチャ状態が続くとは思いますが、それもいいかなと。迷路の中からお目当てのものを見つけ出していただけるように、トップページに「目次」を設けて道筋をつけていますので、よろしければご参照ください。 ……。テレビ電話「ドン・キホーテ」が見切り発車したテレビ電話による医薬品の販売が波紋を投げかけ、厚生労働省は遂に認める方向に動き出したようです。 この動きに着目し、テレビ電話による専門家のサービスが今後、どんなふうに発展するかというテーマでエッセイを書く予定です。 某SF作家は「テレビ電話は普及しないだろう」と予言したとか。なぜかというと、「誰も自宅の中を見られたくないだろうから」。 いいところを突いていますね。将来は、テレビ電話専用ルームなんてものが必要になるのかしらね。美男美女に写る機能や変身機能つきのカメラが搭載されて、「ホンモノと話すより、こっちのほうがよほどいいや」なーんてバーチャル恋愛依存症がどっと増えたりして。
2003年12月05日
「オレがどんなタイプの女の子を好きだかわかる?」「うーん、なんだろう。ホントはやっぱり、髪の長いスレンダー美人だったりして」「違うよ!なんたって、話が合って、話していて面白い女性だね。キミは話の引き出しがいっぱいあるなあって、いつも思うよ」(*^.^*) ……なーんて会話が実際にあったのか、なかったのかはさておき。 今日は1日、新聞の切り抜き&企画書作り。経済産業エッセイストとしての仕事ですが、そのかたわら他の専門分野に関する記事等々、私のアンテナに引っかかったものを片っ端から切り抜いて、不要になったコピー用紙の裏に貼り付け、袋ファイル(A4サイズの紙が入る茶封筒に見出しを書き込んだもの)に分別して整理します。 ステンレスの定規を新聞に当てて、ピッと切り裂く、その音が気持ちいいと書いていたのは、「孤高」という字が似合ったジャーナリストの故・千葉敦子さんだったなあ。 さて、新たに私の引き出しに加わった情報の中から、ちょいとステキなネタをご披露しましょうか。「われわれは大変な愚か者なのである。だって、『彼は人生を無為にすごした』とか、『今日はなにもしなかった』などというではないか。とんでもないいいぐさだ。あなたは生きてきたではないか。それこそが、あなたの仕事の基本であるばかりか、もっとも輝かしい仕事なのに」 これは16世紀のフランスの思索家、モンテーニュの『エセー抄』(みすず書房)に出てくる文章で、詩人の長田 弘さんが昨日の朝日新聞の夕刊で紹介していました。「生きてるだけで大もうけ」って言いますけれど、ホント、そうだよなあと思うのはトシのせいかしら。 元気いっぱいの若いころは、こんな文章を読んでもピンと来ないかもしれない。一方、何か不運な出来事に遭遇して凹んでいるときも、素直には聞けない「助言」ですね。 自分自身からちょっと視点をずらして、人間とは、人生とは、死とは、生とは……などと思いをめぐらせ、自分を超える何か大きなものに触れようとしてみたとき、「生きることそれ自体が仕事なんだよなあ」という500年前の思索家のつぶやきが、ストンと胸に落ちてくるような気がします。 このお話は、「書評」の引き出しに入れておきましょうか。「音楽」の引き出しには、日経の夕刊で連載していた、エリック・クラプトンのインタビューを。「料理」の引き出しには、ゆずジャムのレシピと、日本のレンジ&オーブンのサイズに合わせた冷凍七面鳥肉の新製品(取り寄せなくては!)。 あとは専門のキャリア関係で、「天職事典」「両立支援」「キャリアウーマン」「人材ビジネス」「賃金制度」「年金制度」「資格」「大学生の就職」「SOHO・サイドビジネス」「ベンチャー」といった引き出しに新ネタがゾロゾロ。 看護や医療、製薬関係でも収獲がたっぷり。 そうそう、年金について気になったネタを少々。 将来、年金を受け取れるかどうか不安だから保険料を払わないという理屈は、やっぱりヘンだと私は思います。 ある大学の授業で、年金保険料を払うことの重要性について、講師が次のような事例を紹介したら、それまで退屈そうにしていた学生たちの目が輝いてきたのだとか。「国民年金への加入手続きを怠った人が事故で車いす生活を余儀なくされたとき、年百万円の障害年金が受け取れなくなった」 知らない人も多いかもね。
2003年12月04日
サッカーの秋田選手が鹿島アントラーズからリストラされたと、大きく報じられました。通告する側もされる側も、涙、涙だったそうで。 他人事じゃないんですね。私も昨日、衝撃の「プチ・リストラ」を通告されました。5年ぐらい続けてきた月刊の仕事が、先方の都合によりなくなってしまうのです。経費節減のため、外注から内製に切り替えるという方針で。 まあ、なんとなく予感はありました。必ずしも私の専門性が生かされる仕事ではなかったのです。私じゃなくても他の書き手でもいいような仕事は、こういうご時世だからコストの小さいほうへ流れていくのが道理というものです。 でも、そう簡単に割り切れるものじゃありませんね。何せ年間100万円近い減収になってしまう。この先の人生、下り坂を転げ落ちていくのだろうかと、暗いイメージが頭の中をよぎります。電話1本の通告で100万円がパーかあ。なんともフリーの世界は厳しいものです。 涙はこぼれなかったから、私のほうが秋田選手よりもタフかもね。ナンチャッテ。とにかく、クヨクヨしているヒマがあるのだったら、次のことを考えなくては。 誰かにリストラされる前に、自分で自分をリストラ、つまり再構築しなくちゃいけません。さあ、課題をリストアップして。 長年の専門分野であるキャリア関連の記事で、署名の仕事を増やす。最近、高い評価をいただけるようになった看護・医療関係の記事でもより質の高い成果を目指して精進を重ねる。そして、自分の年齢のことを考えると、徐々に医療・健康関係の記事のウェイトを高くしていったほうがいい……。 もうひとつの柱である、講演やキャリア・カウンセリングの分野でも仕事を増やしていきたい。できれば、どこかの短大か大学の非常勤でキャリア教育を担当できればなあと思うのでした。 お仕事くださ~い! よろしくお願いします。 凹んでいる人を元気にする、生きる希望が見出せるように励ます、人生ってなかなか捨てたもんじゃないよねというメッセージを送る……そんなふうにして世の中の役に立って、必要とされる人であり続けることができればなあ。 だから、私自身が凹んでいるヒマなんてないのです。でも、凹んだ体験があればこそ、もっと親身になって凹んだ人を励ます仕事ができますね。カウンセラーは、なるべく多くの人生の痛みを身をもって体験したほうがいいのです。とくに私のようにうぬぼれが強くて強者のサイドに立ちやすい人間には、いい薬になるかもね。 うれしいことに、今朝は朝いちばんの電話で、来年2月の講演の依頼を受けました。国分寺方面で再就職希望の中高年の皆様のために、「再就職への近道」というタイトルで資格の取り方・生かし方などについてお話しします。お近くの方はぜひ、おいでくださいね。詳細が決まり次第またご報告します。 禍福はあざなえる縄のごとしというワケで、またもや宝くじが当たりそうな予感!ピンク色の紙か布に包んで、腰より低い場所に保存するといい……んでしたっけ?
2003年12月03日
定年後の田舎暮らしに憧れる都市生活者は多い。なぜだろう。「人間関係をリセットできるから」 と、答えた人がいた。なるほどね。でも、田舎の人間関係のほうが、都会よりもウェットで、人によっては煩わしく感ずるのではないだろうか。「でも、新しく関係を作り直せるというのが、魅力だな」 リセットそれ自体に大いなる価値があるとね。「まあ、実際のところ、いまの生活を捨てて田舎暮らしを実現させるのは難しいと思うよ。夢だなあ。見果てぬ夢」 ふるさとは遠きにありて思ふもの、ですかね。「そこまで叙情的にならなくても」 ふふ。ちょっと感傷に浸ってみました。 私の場合、東京生まれの東京育ちで、「ふるさと」と呼べるものがないからね。「田舎暮らし」というのは純然たるファンタジーであって、具体的なモデルが思い浮かばないなあ。 まあ、玉村豊男さんのように、潤沢な資金があって、田舎暮らしを書き綴ること自体が生活の糧になるなら素晴らしいけれども、そんなのは夢のまた夢。 ただ、姉のように育った叔母が焼き物で有名な益子に嫁いでいて、いずれ広い地所を相続する。あと二十年ぐらいして両親を見送って私が天涯孤独になったら、叔母を頼って益子に移住するという手もあるかなあと、ボンヤリ考えてみたりする。能天気な叔母さんだから、長生きしそうだし。「でも、キミには都会のほうが似合うよ」 そーお?嬉しいようなこそばゆいような。「だいたい、田舎にはバーがないだろう」 だねえ。ないとなれば、ババアがバーを開きますかね。あはは。 それにしても、リセットか……やり直しがきかない年齢になればなるほど、リセット願望が強くなるのかもしれないね。現実逃避といわれても、心が自然とそちらへ向かってしまう。古来、日本人は自然の中に癒しを求めてきたから。「農耕民族のDNAが命ずるのだよ」 田舎暮らし情報誌の記者の仕事をとってきて、取材で筋骨たくましい農村青年と出会い、週末通い婚っていうのもいいなあ……ナンチャッテ。
2003年12月02日
「私は子どものころ……という嫌な体験をしたので、心の病気になってしまった」と、告発する人が増えている。心に傷を負わせるほどの「嫌な体験」のことをトラウマとも言う。親による虐待がその典型例だ。 告発が先か、新しい病名が先か、どちらかは判然としないけれども、これらの心の病気はPTSDやAC(アダルト・チルドレン)などと呼ばれる。アメリカの精神科医やカウンセラーがマーケティング戦略で作り出した「新商品」という側面も大いにあるような気がしてならない。 いま、こういった比較的軽い精神病が増えているそうだ。その一方で、治療の難しい重い精神病は減っているという。 なぜなんだろう。 そもそも、「なぜ?」という問いそのものに原因があるのかもしれない。 心の病気になってしまった、どうも私はおかしい……というとき、その原因を人は突き止めようとする。原因がないのに、こんなふうになってしまうはずがないというわけだ。 でも、自分自身に原因があると考えるのは非常に恐ろしい。自分以外の「犯人」を見つけ、その対象を徹底的に憎悪し、自分は被害者なのだと思い込むことで、心の平安を得ようとするのではないだろうか。そして、そのかりそめの「平安」の状態を続けるには、被害者であり続けなければならないから、病気はなかなか治らない。 親が悪い、社会が悪い、教育が悪い……。 フランスの哲学者・レヴィナスの研究者である内田樹さんは、ご自身のホームページの日記にこんなふうに書いている。以下、少々引用します。>「親が悪い」「社会が悪い」「学校が悪い」という他罰的な説明に対して、にこやかに耳を傾けてくれて、その告発の理路を支持するような言動をする人間が一定数いれば、子どもは必ずこのチープでシンプルな「物語」にとびつく。 >だって、らくちんなんだから。>ここから始まる「チープでシンプルな物語のオーバードーズ」という「病気」は、ひとによっては死ぬまで続く。 >すべての人間はなんらかの物語に依存しているから、そのこと自体は責められるべきではない。 >しかし、自傷的・自己破壊的な言動を正当化するような「物語のオーバードーズ」はときに致命的な結果を招く。 >そのことを危険性をアナウンスする人間があまりに少ない。(引用はここまで) おっしゃる通りだと思う。実際、ACを自称する人の中には、リストカッターが大勢いる。彼らは生と死の間をつなぐ細い細いロープの上を綱渡りしているようなもので、「被害者物語」のジャンキーである。 どんな言葉を投げかければ、彼らの呪いの呪文を解くことができるだろうかと、私は悩んでいる。 つい、言いたくなるのが、「甘えるんじゃない!現実を見て前向きに生きようよ!」というフレーズなんだけれども、そんなことを言おうものなら、ロープから奈落の底に飛び込んでしまいかねない。 ……。 風邪がまだ抜けないせいか、今日は朝からひどい頭痛に悩まされている。机に向かう元気が出なくて、寝室でゴロ寝しつつ、『ラッキーウーマン マイナスこそプラスの種!』(竹中ナミ著、飛鳥新社)という本を読んだ。 著者の「ナミねぇ」は、重度脳障害の娘がいる。本の腰巻の宣伝文を紹介すると……「大きなハンディをものともせず、“障害の有無に関わりなく誰もがいきいきと働ける社会”を実現するために、ビル・ゲイツに会い、ペンタゴンに行き、法案を作るまでを綴った感動のノンフィクション」。 なぜペンタゴンかというと、ペンタゴンでは障害者の雇用が進んでいる。高度な軍用技術を障害者の就労支援へ応用する取り組みが盛んに行われているのだ。ベトナム戦争で大量に発生した傷痍軍人の社会復帰支援がその直接のきっかけであったらしい。ひょんなきっかけからペンタゴンで働くキャリアウーマンと知り合ったナミねぇが、感動して彼女の職場に会いに行ったというエピソードがこの本の中に出てくるのだ。 ビル・ゲイツと障害者の関係についてはご存知の方も多いと思うが、障害者などに対する寄付活動を熱心に行っていることで有名だ。また、コンピュータとコンピュータ・ネットワークは、障害者にとって「人類が火を発見したような、そんな道具です」とこの本の中に書かれているとおり、障害者の手足の代わりとなり得る道具である。 そして、「法案作り」というのは、バリアフリー社会推進を目指す法律のことで、アメリカのADA法(Americans with Disabilities Act=アメリカ障害者差別禁止法)をモデルにしたものを日本にもつくろうという趣旨である。 この本の中でとくに私が感動したのは、娘の障害に気付いた「ナミねぇ」が、その障害の原因を突き止めるために、医者や大学の研究者を訪ねて回り、最後にある「結論」に行き着いたというエピソードだ。その悟りは、サリドマイド訴訟のニュースをテレビで見ていたときに突然、ひらかれたのだった。以下、ちょっと長いけど引用します。>あるときハッと気づいた。「原因がはっきりわかると、憎しみがわくんや」。>それからこう考えた。「薬が原因で、自分の子どもに障害が出たとわかったら、母親は一生、その薬や、薬を作った製薬メーカーや、投薬したお医者さんに対して許さない!っていう気持ちで生きていくことになるのかもしれへん。そういう原因のはっきりした薬害で障害をもって生まれてきたのがもし自分だったら、すごく辛いかもわからへん」>原因がわかって、ずーっと恨み続ける自分はイヤだなと思った。>そして、原因がわからないままこれからどうやって生きていくかということを次のステップとして進んだほうが、前向きなエネルギーを持てるかもしれんと自分に言い聞かせた。>私は、娘の脳障害の原因を探るのをやめた。 この前向きさを多くの人に分けてほしいものだ。
2003年12月01日
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