偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.08.23
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カテゴリ: 若草読書会
​​ 高校 時代からの友人、和麻呂君こと大嶽和久君が亡くなられた。
 何んと悲しいことか。
 高校一年生から二年生になる春休みに、初めて訪ねた日本基督教団小阪教会で、小生は彼と出会った。教会の高校生会でのことである。その当時の高校生会の同学年の仲間には、彼の他に槇麻呂君、邦麻呂君、リチ女さん、和郎女さん、寿郎女さんなどがいた
(読書会のメンバーではないが、高校生会の同学年には、他にも伊〇君や石〇君などがいたのを記憶している。女生徒も他に居たような気もするが今は記憶の外である。) ​。青年会のメンバーが教会学校の各クラスの指導をするという仕組みになっていて、我々のクラスを担任されたのが凡鬼さんでありました。皆さん、現在の若草読書会のメンバーですから、そのままのお付き合いが今も続いているという次第。尤も、寿郎女さんは既に故人ではある。
<参考>​ 山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど・・ 2008.10.29.
 和麻呂君との思い出は色々あるが、その第一のものは、2007年6月に槇麻呂君の企画で、和麻呂、槇麻呂、偐家持の男3人と寿郎女、和郎女、リチ女の女3人とで2泊3日の熊野旅行をしたことであろうか。
 また、同じく2007年の4月であったか、彼が「万葉孤悲歌」という筝曲を作曲するに当たり、万葉の恋歌や犬養節の万葉歌をイメージして曲作りをしたいと言って来たので、たまたま、犬養先生生誕100年記念事業の一つとして、甘橿丘の第1号犬養万葉歌碑の副碑(解説板)建立の除幕式があり、彼と二人でこれに参加し、その後の橿原神宮の会館でのパーテイーにも参加したことが第二の思い出だろうか。
 これらの懐かしい思い出の日々から11年、寿郎女さんが亡くなられてから10年、彼が旅立ってしまうとは・・。
 もう一つ、もっと古い思い出と言うか、こんなエピソードもありました。
 会社の仕事での出張であったかと思うが、新潟へと北陸線で向かっていた時に、高岡から乗車されたご婦人と席が隣り合わせたことがあった。言葉を交わすうちに、そのご婦人から名刺を頂いた。それには、高岡商業高校の筝曲部「かたかごの会」というようなことが書かれていて、お琴の指導をされている先生であったようで、「私の友人にも、琴の先生をしているのがいる。〇〇という奴ですが。」と申し上げると、彼女が「ああ、その方なら存じ上げています。有名な方です。」と仰ったのには驚いたのであった。同時に和麻呂君のことを改めて見直したということでもありました(笑)。
 いつも優しい眼差し、穏やかな語り口と声、もうそれらを目にし、耳にすることもないのだと思うと、無性に悲しく、寂しく、無念である。
 旅先で同じ部屋になって、彼の高鼾に悩まされて眠れなかったことなども今は無性に懐かしい。
 どうぞ、やすらかにお眠り下さい。あなたのことは忘れません。
 昨日の夕刻は、凡鬼さん、景郎女さん、小万知さん、和郎女さん、槇麻呂さん達と、ご遺体にお別れをして来ましたが、本日が告別式。若草読書会の仲間では、槇麻呂君、偐山頭火君らと共に参列。斎場までお見送りをし、そこで失礼して、帰って参りました。​

(ご遺影)
 台風20号が近づいていますが、空はまだ晴れていて、八戸ノ里駅までの道を汗だくになりながら歩きました。青い空と白い雲、くっきりと見える生駒の山並み、明るすぎる景色は却って悲しみを誘う。​

(今日の空)
わが背子は いづち行かめや 生駒嶺に 問ふもむなしき 横雲の空
さ夜更けて すだく虫の音 ころころと ひとりし泣かゆ 背子は逝きにし
君逝けば いたもすべ無み 秋の夜の 虫にもあれや 哭のみし泣かゆ
箏の音は 途絶えたりける 面影の ここだも立ちて 心ぞ痛き
 当ブログでも和麻呂君は度々登場しているが、それらの記事を以下に列記して、在りし日を偲ばん。
2007年6月18日 ​ 一座面々面見世之歌
2007年9月26日 ​ 「万葉孤悲歌」
2007年12月1日 ​ 万葉孤悲歌・高校同窓会
万葉孤悲歌演奏風景.jpg
2008年5月31日 ​ 舞洲・若草読書会
2009年2月13日 ​ 花月

2009年11月29日 ​ 明日香小旅行・若草読書会の仲間と
2009年11月30日 ​ (続)明日香小旅行・読書会の仲間と
2011年1月30日 ​ 若草読書会
2011年6月28日 ​ しあわせの村小旅行
2011年9月25日 ​ 俳句の話・若草読書会
2012年8月5日  ​ 若草読書会2012.8.5.
2013年4月7日  ​ 桜花散りぬる風のなごりにはたこ焼きしつつ
2013年12月7日 ​ 布留の里
2014年5月3日  ​ 大坂夏の陣・​​小松山​合戦まつり
2014年8月21日 ​ 若草読書会夏之陣(上)
2014年12月6日 ​ 誓いのとき
2015年2月1日   ​ 若草読書会・あは雪のほどろほどろに降りしけば
2015年10月20日 ​ 風の音秋は葉ぞ匂ふ
2016年2月7日  ​ 2016新春若草読書会
2016年4月3日  ​ 若草読書会のお花見
2017年12月2日 ​ 山里の歌・関西邦楽作曲家協会第39回作品発表会
2018年3月22日  第50回記念大嶽筝曲学院春期演奏会
偐万葉・若草篇(その1)
偐万葉・若草篇(その10)
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最終更新日  2018.08.23 20:54:55
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Re長く:仲良き 親友が  
lavien10  さん
さぞ 心さみしきこと、お悔やみ申し上げます、、、、。 (2018.08.23 20:09:12)

Re:和麻呂逝く(08/23)  
こんばんは。

突然の和麻呂さんの御逝去の知らせ、驚かれ 悲しまれたことでしょう。
皆様は 高校時代からの お付き合いだったのですね。
お会いした事がない私も 演奏会の素晴らしかった事や お人柄を話されているのを 聞いていましたので、既にお会いしている方のように 感じておりました。

安らかにお眠りになるように 心から お祈り申し上げます。 (2018.08.23 20:11:43)

Re:和麻呂逝く(08/23)  
お悔やみ申し上げます・・・・

こればっかりは全ての人間が必ず通る道、
避けては通れない道ではありますが、人間そう割り切れるものでもなく。 (2018.08.23 20:42:42)

lavien10さんへ  
けん家持  さん
  >長く仲良き親友が さぞ心さみしきこと、
   お悔やみ申し上げます、、、、。
 ご弔意、痛み入ります。
 まさかの訃報、悲報でありました。
 もっと、もっと新しい曲を創作して・・という心残りの死であったのか、そこそこにやり遂げたという満足と言ってもよい死であったのかは、本人のみぞ知るでありますが、近しい友人の死は、どうであれ悲しく、辛く、切ないものでありますな。
(2018.08.23 21:40:14)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >突然の和麻呂さんの御逝去の知らせ、驚かれ
   悲しまれたことでしょう。
 長い付き合いでした。通う高校は違っていましたし、高校時代の頃は、それほど親密であったかどうかは記憶が定かではないのですが、その後の青年会活動や読書会を通じての交流や個人的な諸々の相談事などで付き合いを深めました。それだけに、少し早過ぎる逝去、無念です。
  >皆様は高校時代からのお付き合いだったの
   ですね。
 小生は、高校2年になる少し前から教会に通い出しましたが、和麻呂君など他の方は、もっと以前から通って居られたようで、当初は、小生は何となく転校生のような雰囲気で、彼らと接していたような気がします(笑)。
  >お会いした事がない私も演奏会の素晴らし
   かった事や お人柄を話されているのを聞
   いていましたので、既にお会いしている方
   のように 感じておりました。
 そうですか。彼とは面識がおありではなかったですか。貴姉が読書会に来られるようになったのは最近のことで、彼も体調を崩したことや演奏会のあれこれの忙しさなどもあって、読書会を欠席することが多くなって居ましたから、お顔合わせする機会のないままに来てしまったのですな。
(2018.08.23 22:01:36)

ふぁみり〜キャンパーさんへ  
けん家持  さん
  >お悔やみ申し上げます・・・・
 ご弔意ありがとうございます。
  >こればっかりは全ての人間が必ず通る道、
   避けては通れない道ではありますが、
   人間そう割り切れるものでもなく。
 人間は遅かれ早かれ皆死ぬもの、自分の「死」も含めて、それは分かり切ったことであるのに、近しい人間の死を前にすると、心が波立ってしまう・・「昨日、今日とは思はざりしを」という奴ですな。

  (2018.08.23 22:12:26)

Re:和麻呂逝く(08/23)  
小万知 さん
和麻呂様の訃報をご連絡頂いたときは、まさかまさかの信じられない感じでした。
昨日のお別れの時にお会いしたお顔は、本当に神々しい穏やかなお顔で少し微笑んでおられるようにも見えました。
告別式に槇麻呂様、偐山頭火様とご一緒にご参列下さり最後のお別れをして下さり有難うございました。 お疲れ様でした。

和麻呂様にはいっぱい素晴らしい曲を残して下さり、心から有難うございますを言いたいです。
毎年、12月には新曲を発表されるコンサートのチケットを頂き、美しい箏の音色の余韻を耳に残しながら御堂筋のイチョウ並木を楽しませていただいておりました。
沢山のお弟子様達をお育てになり邦楽の広がりに貢献された功績は計り知れなく大きいものですね。
偐家持様のエピソードの中にあったように、音楽の先生を通じて高校生や若い人たちに広がり、和麻呂様の良き種があちこちに蒔かれて花が咲き実っていくようで、彼が残してくださったものはこれからも紡ぎ継がれていくことでしょう。
懐かしい熊野曼荼羅六人暦や玉手山公園での大坂の陣戦没者への鎮魂などをゆっくり読ませていただきました。
和麻呂様、安らかにおやすみください。
有難うございました。 (2018.08.24 00:34:45)

小万知さんへ  
けん家持  さん
  >和麻呂様の訃報をご連絡頂いたときは、
   まさかまさかの信じられない感じでした。
 槇麻呂君からは、肺炎で入院され、本日、退院されたというメールをいただいたばかりであったので、突然の訃報には、小生も、まさかの絶句でありました。
  >和麻呂様にはいっぱい素晴らしい曲を残して
   下さり、心から有難うございますを言いたい
   です。
 先程、景郎女さんから、次回の若草読書会では、予定の講義の前に、第一部として、和麻呂氏の曲を聴きながら、彼を偲ぶ会にしませんかというご提案を頂戴しているので、小生のノートパソコンと彼のCDを持参します。あらためて彼の演奏を皆で拝聴することといたしましょう。

(2018.08.24 12:02:12)

Re:和麻呂逝く(08/23)  
高校時代からのお付き合いだという大切なご友人との別れ
どれだけ寂しくて悲しいことでしょう。
心からお悔やみ申し上げます。
(2018.08.25 18:13:47)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
  >高校時代からのお付き合いだという大切な
   ご友人との別れ
   どれだけ寂しくて悲しいことでしょう。
   心からお悔やみ申し上げます。
 ご弔意、ありがとうございます。
 遅かれ、早かれ、どちらかが先にということで、こういう別れが来るというものであるのでしょうが、残された者にとっては、常に「昨日、今日とは思はざりけり」で「突然の」悲しみとなります。
(2018.08.25 21:39:59)

Re:和麻呂逝く(08/23)  
花咲うさぎ さん
初めてコメントさせて頂きます。
十数年前に箏を習っていた先生の元弟子でございます。
今は習っておりませんが、時折、稽古に通っていた遠い日を思い出しては懐かしく思う日もございました。
いつまでもお元気で居て下さるものと信じ、またいつの日かお会い出来たらと願っておりました。
ですので、こんな事になるのならば、最後に一目お会いしたかったと後悔の念と涙が溢れ出て止まりません。
永遠の別れが悲痛であり、無念であり、まだ信じられません。
実質は数年間程しかお世話になっておりませんが、何とも魅力的な先生でありました。
演奏中は、威風堂々とされていますが、稽古中の素の先生は、何といいますか...お茶目な一面も御座いました。
とても気さくで、大きな愛や深い情のある心根の優しい方でした。
先生の口癖??「そやさかい」といった大阪弁にも大変癒されました。

当時は色々な所へ箏の指導に行かれておりましたが、正直、何処にも行って欲しくない程に私は大好きでした。
何処にも行って欲しくない人は、とうとう遠い所へ行ってしまわれました。
どうしても置いて行かれたような気持ちになってしまいますが、命ある限り頑張って生きていかねば、と自らに言い聞かせる毎日です。

最後の演奏が50回記念コンサートだったとのこと。
如何にも先生らしく、最後まで誇らしく思います。
そしてそんなエピソードは私をいつまでも泣かせてくれます。
私は先生との稽古の思い出が宝となりました。今でも昨日の事のように思い出します。
先生、どうかもう安らかにお眠りくださいませ。
本当に本当にありがとうございました。 (2019.04.11 03:53:12)

花咲うさぎさんへ  
けん家持  さん
  >初めてコメントさせて頂きます。
   十数年前に箏を習っていた先生の元弟子で
   ございます。
 お立寄り、コメントありがとうございました。
 彼の元お弟子さんでしたか。小生は、上にも述べた通り、彼とは高校時代からの長い付き合いでした。
  >こんな事になるのならば、最後に一目お会
   いしたかったと後悔の念と涙が溢れ出て止
   まりません。
 「聞けば哭のみし泣かゆ、語れば心ぞ痛き」で、思い出すと悲しい気持ちが甦ります。
 心の優しい、いい友人でしたが、筝曲の師匠としても魅力的な人間であったのでしょうね。
 どうぞ彼の思い出をいつまでも大切になさって下さい。残された者が彼にしてやれることと言えば、思い出してやること、忘れないでいてやることしかありませんから。
 貴姉とこの記事を通じて行き合えるというご縁をいただけたことも、彼の導きと感謝です。貴姉のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。 (2019.04.11 10:22:45)

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